JP7034752B2 - 昇圧方法、昇圧システム、昇圧装置および昇圧プログラム - Google Patents

昇圧方法、昇圧システム、昇圧装置および昇圧プログラム Download PDF

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本発明は、真空チャンバ内に設置された電極に印加する電圧を昇圧する昇圧方法、昇圧システム、昇圧装置および昇圧プログラムに関する。
真空チャンバ内に設置された電極に電圧を印加する際、耐圧設計を行っていたとしても立ち上げ初期などに、電圧を目標値まで昇圧する前に放電が発生することがある。
図1は、電極52に電圧を印加する様子を模式的に示す図である。より詳しくは、真空下において絶縁体51を挟んで配置された陽極52aと陰極52b(陽極52aと陰極52bを総称して電極52と呼ぶ)との間に高電圧(例えば数十kV)が印加される。
このとき、絶縁体51の表面に傷がある場合などに、絶縁体51の表面に沿って陽極52aから陰極52bに向かう放電(図1の実線矢印、いわゆる「沿面放電」)が発生することがある。また。陽極52aあるいは陰極52bにバリなどがある場合には、真空中を陽極52aから陰極52bに向かう放電(図1の破線矢印、いわゆる「空間放電」)が発生することがある。いずれの放電も電極52の異常として検知すべきである。
特開2016-134306号公報
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、電極の異常を検知可能な昇圧方法、昇圧システム、昇圧装置および昇圧プログラムを提供することである。
本発明の一態様によれば、真空チャンバ内に設置された電極に印加する電圧を昇圧する昇圧方法であって、前記電極に印加する電圧を変更した後、前記真空チャンバ内の圧力に基づいて放電が発生したか否かを判定し、発生していないと判定された場合には前記電極に印加する電圧を高くし、発生したと判定された場合には前記電極に印加する電圧を低くすることを繰り返し、所定回連続して放電が発生したと判定されると、前記電極に異常があると判断する、昇圧方法が提供される。
前記電極に印加する電圧が目標電圧に達すると、前記電極に印加する電圧を前記目標電圧より高くすることなく、前記真空チャンバ内の圧力に基づいて放電が発生したか否かの判定を所定時間行い、放電が発生したと判定されない場合には、前記電極に異常はないと判断するのが望ましい。
前記電極に印加する電圧を高くする場合、前記電極に印加している電圧が閾値電圧以下である場合の電圧上昇幅は、前記電極に印加している電圧が前記閾値電圧より高い場合の電圧上昇幅に比べて大きいのが望ましい。
前記電極に印加する電圧の時間変化と、前記真空チャンバ内の圧力の時間変化とを表示させるのが望ましい。
沿面放電が発生しているか、空間放電が発生しているかを出力するのが望ましい。
放電が発生したと連続して所定回判定される場合には、沿面放電が発生していることを出力し、放電が発生したと判定された後、前記電極に印加する電圧を低くすると放電が発生しないと判定される場合には、空間放電が発生していることを出力するのが望ましい。
また、本発明の別の態様によれば、真空チャンバ内に設置された電極に印加する電圧を昇圧する昇圧システムであって、前記電極に印加する電圧を設定する電圧設定部と、前記電圧設定部による設定に基づいて前記電極に電圧を印加する電源と、前記真空チャンバ内の圧力を検知するセンサと、前記センサの検知結果に基づいて、前記真空チャンバ内の圧力に応じた電圧値を出力する圧力計と、前記電圧値からの電圧値に基づいて前記真空チャンバ内の圧力を取得する圧力取得部と、前記真空チャンバ内の圧力に基づいて放電が発生したか否かを判定する放電判定部と、を備え、前記電圧設定部が前記電極に印加する電圧を変更した後、前記放電判定部は前記真空チャンバ内の圧力に基づいて放電が発生したか否かを判定し、発生していないと判定された場合には前記電圧設定部が前記電極に印加する電圧を高くし、発生したと判定された場合には前記電圧設定部が前記電極に印加する電圧を低くすることを繰り返し、前記放電判定部は、所定回連続して放電が発生したと判定されると、前記電極に異常があると判断する、昇圧システムが提供される。
前記電圧設定部と前記電源、および、前記圧力計と前記圧力取得部の間に設けられた絶縁アンプを備えるのが望ましい。
また、本発明の別の態様によれば、真空チャンバ内に設置された電極に印加する電圧を昇圧する昇圧装置であって、前記電極に印加する電圧を設定する電圧設定部と、前記真空チャンバ内の圧力を取得する圧力取得部と、前記真空チャンバ内の圧力に基づいて放電が発生したか否かを判定する放電判定部と、を備え、前記電圧設定部が前記電極に印加する電圧を変更した後、前記放電判定部は前記真空チャンバ内の圧力に基づいて放電が発生したか否かを判定し、発生していないと判定された場合には前記電圧設定部が前記電極に印加する電圧を高くし、発生したと判定された場合には前記電圧設定部が前記電極に印加する電圧を低くすることを繰り返し、前記放電判定部は、所定回連続して放電が発生したと判定されると、前記電極に異常があると判断する、昇圧装置が提供される。
また、本発明の別の態様によれば、真空チャンバ内に設置された電極に印加する電圧を昇圧する昇圧プログラムであって、コンピュータを、前記電極に印加する電圧を設定する電圧設定部と、前記真空チャンバ内の圧力を取得する圧力取得部と、前記真空チャンバ内の圧力に基づいて放電が発生したか否かを判定する放電判定部と、として機能させ、前記電圧設定部が前記電極に印加する電圧を変更した後、前記放電判定部は前記真空チャンバ内の圧力に基づいて放電が発生したか否かを判定し、発生していないと判定された場合には前記電圧設定部が前記電極に印加する電圧を高くし、発生したと判定された場合には前記電圧設定部が前記電極に印加する電圧を低くすることを繰り返し、前記放電判定部は、所定回連続して放電が発生したと判定されると、前記電極に異常があると判断する、昇圧プログラム。が提供される。
電極の異常を検知できる。
電極52に電圧を印加する様子を模式的に示す図。 図2は、一実施形態に係る昇圧システムの概略構成を示すブロック図。 出力制御部134によって表示されるGUI(Graphical User Interface)画面の一例を示す図。 本実施形態に係る昇圧の手順を示すフローチャート。 電極52に印加する電圧を昇圧した結果の一例を示すグラフ。 電極52に印加する電圧を昇圧した結果の別の例を示すグラフ。 電極52に印加する電圧を昇圧した結果のまた別の例を示すグラフ。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
図2は、一実施形態に係る昇圧システムの概略構成を示すブロック図である。この昇圧システムは、真空チャンバ50内に設置された電極52に印加する電圧を昇圧するものである。昇圧システムは、昇圧装置1と、2チャンネル絶縁アンプ2と、高圧電源3と、センサ4と、圧力計5とを備えている。
昇圧装置1は、例えばパーソナルコンピュータであり、入力インターフェース11と、出力インターフェース12と、制御部13と、AD/DA変換ボード14とを有する。
入力インターフェース11は、典型的にはキーボード、マウス、タッチパネルなどであり、ユーザから制御部13に対する種々の入力を受け付ける。
出力インターフェース12は、典型的にはディスプレイであり、制御部13による処理結果を表示する。出力インターフェース12は、プリンタやスピーカなど、他の手法で制御部13による処理結果を出力してもよい。以下、出力インターフェース12がディスプレイであるとして説明を行う。
制御部13は、電圧設定部131と、圧力取得部132と、放電判定部133と、出力制御部134とを有する。これら各部の一部または全部は、パーソナルコンピュータのプロセッサが所定のプログラムを実行することによって実現される機能部であってもよいし、ハードウェアで構成されてもよい。
電圧設定部131は電極52に印加する電圧を設定する。圧力取得部132は真空チャンバ50内の圧力を取得する。放電判定部133は、真空チャンバ50内の圧力に基づいて、真空チャンバ50内で放電が発生したか否かを判定するとともに、放電の発生状況に基づいて電極52に異常があるか否かを判断する。出力制御部134は、出力インターフェース12への出力、すなわち、ディスプレイにどのような画面を表示するかを制御する。
AD/DA変換ボード14は電圧設定部131からの設定(デジタル値)をアナログ値に変換し、2チャンネル絶縁アンプ2に供給する。また、2チャンネル絶縁アンプ2からの出力(アナログ値)をデジタル値に変換して、圧力取得部132に供給する。なお、AD変換ボードとDA変換ボードとを別個に設けてもよい。
2チャンネル絶縁アンプ2は、昇圧装置1におけるAD/DA変換ボード14と、高圧電源3及び圧力計5との間に設けられる。すなわち、2チャンネル絶縁アンプ2は、電圧設定部131と高圧電源3との間に設けられ、電圧設定部131からの出力は2チャンネル絶縁アンプ2を介して高圧電源3に供給される。また、2チャンネル絶縁アンプ2は、圧力計5と圧力取得部132との間に設けられ、圧力計5からの出力は2チャンネル絶縁アンプ2を介して圧力取得部132に到達する。2チャンネル絶縁アンプ2を設けることで、放電によるサージ電流が高圧電源3のグランドを介してAD/DA変換ボード14を破壊するのを防止できる。
高圧電源3は、AD/DA変換ボード14および2チャンネル絶縁アンプ2を介して電圧設定部131からの設定を受け取る。そして、高圧電源3は電圧設定部131からの設定に応じた電圧を電極52に印加する。高圧電源3は数十kVまで昇圧可能である。
センサ4はフィラメントなどから構成され、真空チャンバ50内に設けられて真空チャンバ50内の圧力(真空度)を検知する。検知結果は圧力計5に供給される。
圧力計5は真空チャンバ50の外部に設けられ、センサ4の検知結果に基づいて、真空チャンバ50内の圧力を示す電圧値(アナログ値)を出力する。一例として、圧力計5は、真空チャンバ50内の圧力が10-8[Pa]であれば0[V]を出力し、圧力が10-4[Pa]であれば5[V]を出力し、圧力が10-2[Pa]であれば10[V]を出力する。圧力計5が出力する電圧は、AD/DA変換ボード14によってデジタル値に変換されて、圧力取得部132に供給される。これにより、圧力取得部132は真空チャンバ50内の圧力を取得できる。
図3は、出力制御部134によって表示されるGUI(Graphical User Interface)画面の一例を示す図である。
このGUI画面は電極52に印加される目標電圧を設定するためのラジオボタン群71を含む。具体的には、使用する高圧電源3を選択することにより、目標電圧として10kV,20kVおよび30kVのいずれかが選択可能である。後述するように、ここで設定した目標電圧まで、電極52に印加される電圧が昇圧される。
また、このGUI画面は目標電圧に達するまでの時間を設定するためのテキスト入力欄72を含む。
さらに、このGUI画面は放電判定圧力を設定するためのテキスト入力欄73を含む。後述するように、真空チャンバ50内の圧力がこの放電判定圧力を超えた場合に、放電判定部133は放電が発生したと判定する。
そして、このGUI画面は、昇圧を開始するための開始ボタン74と、昇圧を終了するための終了ボタン75とを含む。
また、このGUI画面は、現在の状態を示す欄81を含む。この欄には、昇圧開始を示す「Start」、待機状態を示す「Wait」、放電を示す「Discharge」、昇圧終了をしめす「End」のいずれかが表示される。さらに、このGUI画面は、現在電極52に印加されている電圧(電圧設定部131の設定から把握される)を示す欄82を含む。そして、このGUI画面は、放電発生回数(放電判定部133の判定結果から把握される)を示す欄83を含む。
また、このGUI画面は、経過時間に対する電圧および圧力のログを示すログ表示欄84を含む。より詳細には、ログ表示欄84には、昇圧開始からの経過時間、現在電極52に印加されている電圧、および、現在の真空チャンバ50内の圧力(圧力取得部132の取得結果から把握される)が示される。加えて、このGUI画面は、現在の真空チャンバ50内の圧力を示すバー85と、電圧到達割合を示すバー86とを含む。
なお、図3に示すGUI画面はあくまで一例にすぎず、種々の変更が可能である。例えば、目標電圧、目標電源までの時間および放電判定圧力の少なくとも一部を固定値としてもよい。また、ログなどを他の態様で表示してもよい。
本昇圧システムにおける大まかな昇圧手順は次のとおりである。電圧設定部131が電極52に印加する電圧を変更した後、放電判定部133は真空チャンバ50内の圧力に基づいて真空チャンバ50内で放電が発生したか否かを判定する。放電が発生していないと判定された場合、電圧設定部131は電極52に印加する電圧を高くする。一方、放電が発生したと判定された場合、電圧設定部131は電極52に印加する電圧を低くする。以上を繰り返す。
繰り返しの過程において、放電判定部133によって所定回連続して放電が発生したと判定された場合、放電判定部133は電極52に異常があると判断する。
一方、電圧を高くしていき、電極52に印加する電圧が目標電圧に達すると、電極52に印加する電圧を目標電圧より高くすることなく、放電判定部133は真空チャンバ50内の圧力に基づいて放電が発生したか否かの判定を所定の待機時間、繰り返し行う。待機時間中、放電が発生したと判定されない場合、放電判定部133は電極52に異常はないと判断する。放電が発生したと判定された場合、電圧設定部131は電極52に印加する電圧を低くする。
より詳細には以下のとおりである。
図4は、本実施形態に係る昇圧の手順を示すフローチャートである。
予め、出力制御部134は図3に示すGUI画面を表示し、ユーザから入力インターフェース11を介して目標電圧、目標電圧までの時間、放電判定圧力の設定を受け付けておく。そして、開始ボタン74が押されると、昇圧システムによって自動的に以下の手順が実行される。
まず、電圧設定部131は電極52に設定する電圧を初期電圧(例えば0V)とする。この設定に応じて、高圧電源3は電極52に初期電圧を印加する(ステップS1)。
次いで、放電判定部133は真空チャンバ50内で放電が発生したか否かを判定する(ステップS2)。より詳しくは、放電判定部133は、圧力取得部132によって取得された真空チャンバ50内の圧力を示す電圧値に相当する圧力と、放電判定圧力とを比較する。その結果、前者が高い場合には放電が発生したと判定され、後者が高い場合には放電が発生していないと判定される。
放電が発生していないと判定された場合(ステップS2のNO)、電極52に印加する電圧が目標電圧に達していなければ(ステップS3のNO)、電圧設定部131は電極52に印加する電圧を1段階高くする(ステップS4)。電圧を1段階でどの程度高くするかは、目標電圧および目標電圧までの時間に応じて定められる。より具体的な例は後述する。
一方、放電が発生したと判定された場合(ステップS2のYES)、そのように連続して判定された回数が規定値に達していなければ(ステップS5のNO)、電圧設定部131は電極52に印加する電圧を1段階低くする(ステップS6)。電圧をどの程度高くするかは任意だが、例えば、ステップS4における電圧1段階と等しくてもよいし、その90%程度であってもよい。
以上のステップS2~S6が繰り返し行われる。そして、電極52に印加する電圧が目標電圧に達する前に、放電が発生したと連続して判定された回数が規定値に達した場合(ステップS5のYES)、放電判定部133は電極52に異常があると判断し(ステップS7)、処理は終了する。
一方、異常と判断されることなく電極52に印加する電圧が目標電圧に達した場合(ステップS3のYES)、それ以上電極52に印加する電圧を高くしない。そして、放電判定部133は、所定の待機時間、真空チャンバ50内の圧力に基づいて放電が発生したか否かを所定時間間隔で判定する(ステップS8)。
放電が発生したと判定された場合(ステップS8のYES)、ステップS6に戻り、電圧設定部131は電極52に印加する電圧を低くする。
放電が発生したと判定されることなく待機時間が経過した場合(ステップS9のYES)、放電判定部133は電極52に異常はないと判断し(ステップS10)、処理を終了する。
図5は、電極52に印加する電圧を昇圧した結果の一例を示すグラフである。横軸は経過時間であり、縦軸は電極52に印加されている電圧(破線)および真空チャンバ50内の圧力(実線)である。出力制御部134は、例えば表計算ソフトを利用することにより、電極52に印加する電圧の時間変化と、真空チャンバ50内の圧力の時間変化とを表示させる。なお、本例では、目標電圧をVtとし、放電判定圧力をPthとしている。
本例では、電極52に印加している電圧に応じて、1段階の昇圧(図4のステップS4)における電圧上昇幅が異なる。より具体的には、電極52に印加している電圧がVth0未満の場合(時間t0~t1)には1段階でV0ずつ昇圧し、電極52に印加している電圧がVth0~Vth1未満の場合(時間t1~t2)には1段階でV1(<V0)ずつ昇圧し、電極52に印加している電圧がVth1~Vtの場合(時間t2~t3)には1段階でV2(<V1)ずつ昇圧してもよい。電圧が低い場合、短時間で大きく昇圧しても放電が発生しにくいためである。
図5では電圧上昇幅が3段階で変化する例を示しているが、2段階あるいは4段階以上で変化してもよい。あるいは、電極52に印加している電圧が高くなるほど、曲線的に電圧上昇幅を小さくしてもよい。
図5では、時間t3が経過した時点で目標電圧Vtに達し(図4のステップS3のYES)、放電が発生することなく(真空チャンバ50内の圧力が放電判定圧力Pthを超えることなく)待機時間(t3~t4)経過しており(ステップS8のNO、ステップS9のYES)、電極52に異常はないと判断される(ステップS10)。
図6は、電極52に印加する電圧を昇圧した結果の別の例を示すグラフである。この例では、時間t11が経過した時点で真空チャンバ50内の圧力が放電判定圧力Pthを超え、放電が発生したと判定される(図4のステップS2のYES)。よって、電極52に印加する電圧は降圧される(ステップS6)。その結果、真空チャンバ50内の圧力が低下し、放電は発生していない。
昇圧の結果、時間t12,t13が経過した時点でも放電は発生しているが、電極52に印加する電圧を降圧することで放電は止まる。放電が発生しなかった場合には昇圧を行い、時間t14が経過した時点で目標電圧Vtに達している。その後は放電が発生することなく待機時間経過しており、電極52に異常はないと判断される。このように、放電が発生したとしても一旦降圧することで放電が発生しなくなるのであれば、異常なしと判断できる。
ただし、このような放電が発生している場合、言い換えると、真空チャンバ50内の圧力が放電判定圧力Pthを超えても、降圧するとすぐに真空チャンバ50内の圧力が放電判定圧力Pthを下回る場合、電極52に形成されたバリなどにより空間放電が発生している可能性が高い。そのため、出力制御部134は空間放電が発生している旨を出力してもよい。この場合、耐圧設計の見直しとして、陽極52aや陰極52bの面取りを行ったり、空間距離を見直したりするのが望ましい。
図7は、電極52に印加する電圧を昇圧した結果のまた別の例を示すグラフである。この例では、時間t21が経過した時点で真空チャンバ50内の圧力が放電判定圧力Pthを超え、放電が発生したと判定される(図4のステップS2のYES)。よって、電極52に印加する電圧は降圧される(ステップS6)。しかしながら、真空チャンバ50内の圧力は放電判定圧力Pthより低くならず、放電が発生していると判定される(ステップS2のYES)。降圧を繰り返しても放電が発生し続け、時刻t22において放電が発生したとの連続判定回数が規定値に達している(ステップS5のYES)。この場合、電極52に異常があると判断される。
このように、放電が発生したと連続して判定される場合、言い換えると、真空チャンバ50内の圧力が放電判定圧力Pthを超え続けている場合、沿面放電が発生している可能性が高い。そのため、出力制御部134は沿面放電が発生している旨を出力してもよい。この場合、耐圧設計の見直しとして、沿面のキズを修復したり、トリプルジャンクション距離を適切にしたりするのが望ましい。
以上説明したように、本実施形態によれば、電極52に印加する電圧を変更する度に、真空チャンバ50内で放電が発生したか否かを判定する。そして、放電が発生していなければ昇圧し、放電が発生していれば降圧する。これにより、効率よく電極52の異常を検知できる。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうることである。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲とすべきである。
1 昇圧装置
11 入力インターフェース
12 出力インターフェース
13 制御部
131 電圧設定部
132 圧力取得部
133 放電判定部
134 出力制御部
14 AD/DA変換ボード
2 2チャンネル絶縁アンプ
3 高圧電源
4 センサ
5 圧力計
50 真空チャンバ
51 絶縁体
52 電極
52a 陽極
52b 陰極

Claims (8)

  1. 真空チャンバ内に設置された電極に印加する電圧を昇圧する昇圧方法であって、
    前記電極に印加する電圧を変更した後、前記真空チャンバ内の圧力に基づいて放電が発生したか否かを判定し、発生していないと判定された場合には前記電極に印加する電圧を高くし、発生したと判定された場合には前記電極に印加する電圧を低くすることを繰り返し、
    所定回連続して放電が発生したと判定されると、前記電極に異常があると判断し、
    前記電極に印加する電圧が目標電圧に達すると、前記電極に印加する電圧を前記目標電圧より高くすることなく、前記真空チャンバ内の圧力に基づいて放電が発生したか否かの判定を所定時間行い、放電が発生したと判定されない場合には、前記電極に異常はないと判断し、
    前記電極に印加する電圧を高くする場合、前記電極に印加している電圧が閾値電圧以下である場合の電圧上昇幅は、前記電極に印加している電圧が前記閾値電圧より高い場合の電圧上昇幅に比べて大きい、昇圧方法。
  2. 前記電極に印加する電圧の時間変化と、前記真空チャンバ内の圧力の時間変化とを表示させる、請求項1に記載の昇圧方法。
  3. 沿面放電が発生しているか、空間放電が発生しているかを出力する、請求項1または2に記載の昇圧方法。
  4. 放電が発生したと連続して所定回判定される場合には、沿面放電が発生していることを出力し、
    放電が発生したと判定された後、前記電極に印加する電圧を低くすると放電が発生しないと判定される場合には、空間放電が発生していることを出力する、請求項に記載の昇圧方法。
  5. 真空チャンバ内に設置された電極に印加する電圧を昇圧する昇圧システムであって、
    前記電極に印加する電圧を設定する電圧設定部と、
    前記電圧設定部による設定に基づいて前記電極に電圧を印加する電源と、
    前記真空チャンバ内の圧力を検知するセンサと、
    前記センサの検知結果に基づいて、前記真空チャンバ内の圧力に応じた電圧値を出力する圧力計と、
    前記電圧値からの電圧値に基づいて前記真空チャンバ内の圧力を取得する圧力取得部と、
    前記真空チャンバ内の圧力に基づいて放電が発生したか否かを判定する放電判定部と、
    を備え、
    前記電圧設定部が前記電極に印加する電圧を変更した後、前記放電判定部は前記真空チャンバ内の圧力に基づいて放電が発生したか否かを判定し、発生していないと判定された場合には前記電圧設定部が前記電極に印加する電圧を高くし、発生したと判定された場合には前記電圧設定部が前記電極に印加する電圧を低くすることを繰り返し、
    前記放電判定部は、所定回連続して放電が発生したと判定されると、前記電極に異常があると判断し、
    前記電極に印加する電圧を高くする場合、前記電極に印加している電圧が閾値電圧以下である場合の電圧上昇幅は、前記電極に印加している電圧が前記閾値電圧より高い場合の電圧上昇幅に比べて大きい、昇圧システム。
  6. 前記電圧設定部と前記電源、および、前記圧力計と前記圧力取得部の間に設けられた絶縁アンプを備える、請求項に記載の昇圧システム。
  7. 真空チャンバ内に設置された電極に印加する電圧を昇圧する昇圧装置であって、
    前記電極に印加する電圧を設定する電圧設定部と、
    前記真空チャンバ内の圧力を取得する圧力取得部と、
    前記真空チャンバ内の圧力に基づいて放電が発生したか否かを判定する放電判定部と、を備え、
    前記電圧設定部が前記電極に印加する電圧を変更した後、前記放電判定部は前記真空チャンバ内の圧力に基づいて放電が発生したか否かを判定し、発生していないと判定された場合には前記電圧設定部が前記電極に印加する電圧を高くし、発生したと判定された場合には前記電圧設定部が前記電極に印加する電圧を低くすることを繰り返し、
    前記放電判定部は、所定回連続して放電が発生したと判定されると、前記電極に異常があると判断し、
    前記電極に印加する電圧を高くする場合、前記電極に印加している電圧が閾値電圧以下である場合の電圧上昇幅は、前記電極に印加している電圧が前記閾値電圧より高い場合の電圧上昇幅に比べて大きい、昇圧装置。
  8. 真空チャンバ内に設置された電極に印加する電圧を昇圧する昇圧プログラムであって、
    コンピュータを、
    前記電極に印加する電圧を設定する電圧設定部と、
    前記真空チャンバ内の圧力を取得する圧力取得部と、
    前記真空チャンバ内の圧力に基づいて放電が発生したか否かを判定する放電判定部と、として機能させ、
    前記電圧設定部が前記電極に印加する電圧を変更した後、前記放電判定部は前記真空チャンバ内の圧力に基づいて放電が発生したか否かを判定し、発生していないと判定された場合には前記電圧設定部が前記電極に印加する電圧を高くし、発生したと判定された場合には前記電圧設定部が前記電極に印加する電圧を低くすることを繰り返し、
    前記放電判定部は、所定回連続して放電が発生したと判定されると、前記電極に異常があると判断し、
    前記電極に印加する電圧を高くする場合、前記電極に印加している電圧が閾値電圧以下である場合の電圧上昇幅は、前記電極に印加している電圧が前記閾値電圧より高い場合の電圧上昇幅に比べて大きい、昇圧プログラム。
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