JP7033211B2 - 内燃機関の吸気弁 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の吸気弁に関する。
従来、内燃機関の吸気弁開時において、吸気ポート内圧力が燃焼室内圧力よりも低い場合には、シリンダ内の既燃ガスが吸気ポート内へ逆流して排気効率が低下し、燃焼速度の低下等の燃焼悪化を招いて未燃燃料の排出が増加してエミッションが悪化することを防止することが課題となる。
特開2010-174722
本発明は、内燃機関の吸気弁開時において、吸気ポート内圧力が燃焼室内圧力よりも低い場合に、シリンダ内の既燃ガスが吸気ポート内へ逆流することを抑制し、排気効率を向上させ、排気ガス中の未燃燃料排出を減少させてエミッションの悪化を防止することである。
本発明は、前記課題を解決することを目的として、吸気ポートの出口に設けられ、バルブガイドにより摺動可能に支持され、燃焼室への吸気の流入を開閉面に対して垂直に開閉し、軸部の一端に傘部が設けられた吸気弁体を備え、
前記吸気ポートの前記出口の周縁に、前記吸気弁体の傘部の周縁が当接されるバルブシートが配設された内燃機関の吸気弁において、
前記吸気弁体の前記軸部に摺動自在にガイドされる筒部と、前記軸部の周囲から前記傘部の傘裏面を覆う傘カバー部と、を有したラッパ形状の制御弁体を備え、
前記制御弁体の前記傘カバー部の周縁は、前記吸気弁体の前記傘部の前記バルブシートと当接するバルブシート当接部の近傍まで延びていることを特徴とする内燃機関の吸気弁である。
本発明は前記したように構成されているので、吸気ポート内圧力が燃焼室内圧力よりも低い場合に、シリンダ内の既燃ガスが吸気ポート内へ逆流することを抑制し、排気効率を向上させ、排気ガス中の未燃燃料排出を減少させてエミッションの悪化を防止することができる。
本発明の好適な実施形態では、前記制御弁体の前記傘カバー部の周縁は、前記バルブシートと接する位置まで延びている。
この実施形態によれば、吸気弁体と制御弁体との隙間の管理が容易になり、制御弁体の傘カバー部の周縁とバルブシートとの間のシール性、耐久性が向上する。
本発明の好適な実施形態では、前記制御弁体は、前記筒部の上端部が前記バルブガイドによって、摺動自在に位置決めされる。
この実施形態によれば、吸気弁体の軸部に制御弁体のストッパーを加工することが不要となり、構造の簡素化およびコストの削減をすることできる。
本発明の好適な実施形態では、前記制御弁体は、前記傘カバー部の周縁が前記吸気弁の前記傘部の傘裏面に当接する傘当接部を備えている。
この実施形態によれば、吸気弁体の開弁時の吸気流により制御弁体が摺動する時の特別なストッパー構造が不要となり、構造の簡素化およびコストの低減を図ることができる。
本発明の好適な実施形態では、前記傘当接部は折り返し部により、周囲に弾性を持たせた構造である。
この実施形態によれば、傘当接部は折り返し部により周囲に弾性が持たされているので、シリンダの気密性が向上するとともに、制御弁体の耐久性が向上する。
本発明の好適な実施形態では、前記折り返し部内に補強部材が配置されている。
この実施形態によれば、制御弁体を薄肉軽量化することが可能となり、応答性向上と耐久性を確保することができる。
本発明の好適な実施形態では、前記制御弁体の前記傘カバー部のバルブシート当接面が前記バルブシートに当接する際に、前記制御弁体の前記筒部の上端部は前記バルブガイドに当接する。
この実施形態によれば、吸気弁体の閉じた状態において、上下で制御弁体の位置規制が行え、制御弁体の負荷を低減され、耐久性および軽量化を図ることが可能となり、さらに制御弁体の応答性を向上することができる。
本発明の好適な実施形態では、前記吸気弁体は、前記傘部の周縁の近傍に位置して放射状に形成された溝部を有する。
この実施形態によれば、吸気弁体の開き始めにおいて、既燃ガスが燃焼室から溝部を通って吸気弁体と制御弁体との間に流れ込むので、吸気弁体の開き始めにおける制御弁体の作動性が向上する。
本発明の内燃機関の吸気弁は、吸気ポート内圧力が燃焼室内圧力よりも低い場合に、シリンダ内の既燃ガスが吸気ポート内へ逆流することを抑制し、排気効率を向上させ、排気ガス中の未燃燃料排出を減少させてエミッションの悪化を防止することができる。
本発明の一実施の形態の吸気弁が適用された内燃機関の縦断面図である。 吸気弁体および制御弁体の腰部拡大縦断面図である。 吸気弁体および制御弁体の要部拡大断面図である。 吸気弁が閉じた状態の内燃機関の要部拡大断面図である。 吸気弁体が開き制御弁体が閉じた状態の内燃機関の要部拡大断面図である。 吸気弁体および制御弁体が開いた状態の内燃機関の要部拡大断面図である。 吸気弁体を示した斜視図である。 制御弁体を示した斜視図である。 クランク角と燃焼室内圧力、クランク角と吸気弁および排気弁のリフト量のそれぞれの関係を示したグラフである。
以下、本発明の一実施例の内燃機関の吸気弁について、図1ないし図9を参照して説明する。
図1は、本発明の内燃機関の吸気弁が適用された吸気弁30を備えた内燃機関1の動弁装置周辺の従断面図が示されたものである。内燃機関1は、4バルブ式の4ストローク内燃機関であって、クランクケース(不図示)の上にシリンダブロック2が重ねられ、さらにシリンダブロック2の上にシリンダヘッド3が重ねられて、ボルト(不図示)によりクランクケース、シリンダブロック2およびシリンダヘッド3が一体に締結されている。シリンダヘッド3の上方はヘッドカバー4に覆われている。
クランクケース内には、クランク軸(不図示)が回転自在に軸受けにより支持されており、シリンダブロック2には上下に貫通するシリンダボア2aが設けられている。シリンダボア2a内にピストン6が上下方向に摺動可能に嵌合されており、クランク軸のクランクピン(不図示)はコンロッド5を介してピストン6と連結されている。シリンダヘッド3には燃焼室7が形成されており、内燃機関1の燃焼室7における燃焼エネルギーは、ピストン6の運動エネルギーへ変換され、これによりピストン6が上下動されて、コンロッド5を介してクランク軸が回転駆動されるようになっている。
シリンダヘッド3には、燃焼室7の上壁面に開口する吸気弁口8および排気弁口9がそれぞれ2つずつ形成され、吸気弁口8の開口面積は、排気弁口9の開口面積に比べて大きくなるように形成されている。2つの吸気弁口8と2つの排気弁口9の略中央に位置するように点火プラグ13が挿入される点火プラグ孔10が開口している。
シリンダヘッドに3には、吸気弁口8に通じる吸気ポート11、および排気弁口9に通じる排気ポート12が形成されている。吸気弁口8には吸気弁口8を開閉するための吸気弁30が設けられている。排気弁口9には排気弁口9を開閉するための排気弁40が設けられている。吸気ポート11の出口11aの周縁11b、および排気ポート12の出口12aの周縁12bには、それぞれバルブシート14が圧入されている。
吸気弁30は、軸部32および傘部33とからなる吸気弁体31(図7参照)と、吸気弁体31の軸部32に摺動自在に取り付けられた制御弁体50(図8参照)を備えている。排気弁40は軸部41と傘部42とから構成されている。傘部33、42はバルブシート14が圧入された吸気弁口8、排気弁口9を開閉する弁体であって、軸部32、41は傘部33、42から燃焼室7の外方に延び、シリンダヘッド3に嵌合されたバルブガイド15に摺動自在に嵌装されている。吸気弁30は吸気ポート11の出口11aに設けられ、排気弁40は排気ポート12の出口12aに設けられている。吸気弁30および排気弁40は、それぞれバルブガイド15により摺動可能に支持され、燃焼室7への吸気の流入・流出を開閉面に対して垂直に開閉するように配設されている。
吸気弁体31および排気弁40の軸端部32a、41aはバルブガイド15の上方に突出されている。この軸端部32a、41aは、スプリングリテーナ16に保持されている。スプリングリテーナ16と、これと対向するようにシリンダヘッド3に支持されたバネ受け部材17との間に、吸気弁30および排気弁40の軸部32、41の周りを囲むようにコイル状弁バネ18が圧縮状態で取り付けられている。当該コイル状弁バネ18により吸気弁30および排気弁40は常に閉じられる方向に付勢されている。
吸気弁30および排気弁40の開閉作動をなすための作動機構である動弁装置21が、シリンダヘッド3上部に設けられている。動弁装置21は、吸気カム軸22および該吸気カム軸22と一体に回転する吸気カム24と、排気カム軸23および該排気カム軸23と一体に回転する排気カム25を備えている。吸気カム軸22および排気カム軸23には被駆動ギア(不図示)が一体に回転されるようそれぞれ設けられており、該被駆動ギアと、クランクシャフトと一体回転される駆動ギア(不図示)とに、カムチェーン(不図示)が架け渡されており、クランクシャフトの回転にともない、吸気カム軸22および排気カム軸23が所定タイミングで回転されるようになっている。吸気カム軸22および排気カム軸23の回転により、吸気カム24および排気カム25が回転され、吸気カム24のカム面24aおよび排気カム25のカム面25aの形状に従って、リフタ19およびシム20を介して、吸気弁30および排気弁40が押動され、吸気弁口8および排気弁口9が所定のタイミングで開閉されるようになっている。
吸気弁体31は、図7に示されるように、傘状に形成された傘部33と、傘部33から延びた軸部32を備えており、傘部33は燃焼室側の面の傘表面33aと燃焼室7と反対側の面の傘裏面33bからなる。図2および図4に示されるように、傘裏面33bの外周にはバルブシート14に当接される円環状のバルブシート当接部33dが所定テーパ角のテーパ面として形成され、該バルブシート当接部33dの外周からバルブシート当接部33dの外周径と略同径にされ断面形状がR状に形成された周縁33cが形成されている。周縁33cの燃焼室側の端部から燃焼室7側に傘表面33aが形成されている。
さらに吸気弁体31の傘裏面33bには、傘部33の周縁33cの近傍に位置して放射状に略等間隔に複数個の溝部33eが形成されている。溝部33eにより、本実施の形態では、溝部33eは6個設けられている。溝部33eは、図4に示されるように、傘部33の周縁33c近傍のバルブシート当接部33dより少し内側に入った個所から、傘部33の中心に向かって所定長さに、両端が浅く中央が深くなるように形成されている。溝部33eは、吸気弁体31の開き始めにおいて、既燃ガスを燃焼室7から溝部33eを通って吸気弁体31と後述する制御弁体50との間に流れ込むことを可能とし、制御弁体50の内側を燃焼室内圧力と同一圧にするために設けられている。
図2に示されるように、吸気弁体31の軸部32に、摺動自在に制御弁体50が取り付けられている。制御弁体50は、図8に示されるように、吸気弁体31の軸部32が挿通される筒部51と、筒部51に連なり吸気弁体31の傘部33の傘裏面33bを覆う傘カバー部52を備え、ラッパ形状に形成されている。
制御弁体50の筒部51は、図2に示されるように、吸気弁体31の軸部32と若干のクリアランスを持って略同径にされており、吸気弁体31の軸部32が制御弁体50の筒部51内で摺動できるようになっている。
制御弁体50の傘カバー部52は、傘部33の傘裏面33bに沿ってかつ傘裏面33bと少しクリアランスを持つ形状に形成されている。傘カバー部52は、吸気弁体31の傘部33の傘裏面33bを覆っている。図4に示されるように、傘カバー部52の周縁52aは、吸気弁体31の傘部33のバルブシート14と当接するバルブシート当接部33dの近傍まで延びて形成されている。
図4に示されるように、制御弁体50の傘カバー部52の周縁52aは、吸気弁体31の傘部33の傘裏面33bに当接する傘当接部53となっている。傘当接部53は、傘カバー部52の周縁52aが吸気弁体31の傘裏面33b側に向かって折り返された折り返し部53aとなっており、周囲に弾性を持たせた構造となっている。折り返し部53a内には、補強部材としてのリング部材53bが、折り返し部53aにより巻き込まれて配設されている。
吸気弁口8の周縁に圧入されたバルブシート14は、吸気弁体31の傘部33のバルブシート当接部33dが当接される吸気弁体当接面14aと、該吸気弁体当接面14aより内径の小さい段部14bが形成されている。制御弁体50の周縁52aのバルブシート当接面52bが、段部14bの制御弁体当接面14cに当接されるようになっている。
制御弁体50の筒部51の上端部51aは、図3に示されるように、折り返された形状に形成されている。図2に示されるように、制御弁体50の傘カバー部52の周縁52aがバルブシート14の制御弁体当接面14cと当接している場合に、制御弁体50の筒部51の上端部51aの頂部51bはバルブガイド15の下端部15aに当接される長さに設定されている。
図9に、制御弁体50を備えた本発明の実施の形態の吸気弁30と、制御弁体を具備しない従来の吸気弁について、内燃機関1の1サイクルにおいてクランク角ごとに計測した燃焼室内圧力と吸気ポート内圧力の変化、および吸気弁30と排気弁40のバルブリフト量を示した。図9を参照して、本発明の吸気弁30と従来の吸気弁との作動状態を比較して説明する。本発明の吸気弁30と従来の吸気弁とは、制御弁体50を具備するか否かが異なるが、他の構成は略同じ構成にされている。
図9(a)のグラフでは、制御弁体50を備えた本発明の吸気弁30を用いた内燃機関の吸気ポート内圧力の変化を実線により示し、制御弁体50を具備しない従来の吸気弁を用いた内燃機関の吸気ポート内圧力の変化を一点鎖線により示している。さらに、燃焼室内圧力の変化を点線において示している。図9(b)のグラフでは、クランク角ごとの吸気弁および排気弁のバルブリフト量を示している。
内燃機関1は、クランク角0度、360度において上死点となり、180度、540度において下死点となっている。排気弁40は、180度の下死
点の手前で開弁を開始し、360度の上死点の後に閉弁する。吸気弁30は、360度の上死点の手前で開弁を開始し、540度の下死点の後に閉弁する。排気弁40および吸気弁30は、360度の上死点の前後でオーバーラップして開弁している。
制御弁体50を具備しない吸気弁を用いた従来の吸気弁の作動および吸気ポート内圧力の変化について、図9を参照して説明する。
吸気弁のリフトが開始すると、従来の吸気弁は制御弁体を具備しないので、燃焼室と吸気ポートとが連通される。図9(a)の一点鎖線および点線で示されるように、燃焼室内圧力が吸気ポート内圧力より高い特定のエンジン回転域においては、燃焼室内圧力と吸気ポート内圧力の差圧分、燃焼室7内の既燃ガスが吸気ポート11から燃焼室7へと流れ、燃焼室内圧と吸気ポート内圧力が一致するまで流入する。その後、ピストン6が下降し燃焼室内圧力が低下し、吸気ポート11から燃焼室7へと吸気が送られるようになる。
このように、従来の吸気弁では、開弁開始時に既燃ガスが燃焼室から吸気ポート11へと逆流するので、燃焼室7内の排気効率が低下して燃焼悪化を招ねくこととなり、主に燃焼速度が低下する。この影響により排気弁開時までに燃焼が完了しないサイクルが発生し、未燃燃料排出が増加することで、エミッション悪化を招く。
次に、本実施の形態の吸気弁30の作動について、図2ないし図6および図9に基づいて説明する。吸気弁30が閉弁状態の時には、図4に示されるように、バルブシート14の吸気弁体当接面14aに吸気弁30の傘部33のバルブシート当接部33dが押し付けられるとともに、バルブシート14の制御弁体当接面14cに制御弁体50の傘カバー部52のバルブシート当接面52bが押し付けられており、吸気ポート11からシリンダ26内への吸気の流入が遮断されるとともに、シリンダ26から吸気ポート11へガスが逆流することがない。
吸気弁30が開弁を開始して吸気弁体31が燃焼室7側に移動すると、図5に示されるように、吸気弁体31のバルブシート当接部33dが、バルブシート14の吸気弁体当接面14aから離れ始める。その際、図9(a)に示されるように燃焼室内圧力が吸気ポート内圧力よりも高い状態となっており、図5に示されるように、シリンダ26内の既燃ガスが、吸気弁体31のバルブシート当接部33dとバルブシート14の吸気弁体当接面14aとの隙間を通過して、吸気弁体31の傘部33の傘裏面33bと制御弁体50の内側の間に流入して、制御弁体50の内側は燃焼室内圧力と同圧となる。
燃焼室内圧力が吸気ポート内圧力よりも高いので、制御弁体50の傘カバー部52のバルブシート当接面52bがバルブシート14の制御弁体当接面14cに押し付けられ、吸気弁体31は開弁しているが、制御弁体50は閉じられ、既燃ガスがシリンダ26から吸気ポート11に逆流することを阻止する。また図3に示されるように、制御弁体50は制御弁体50の筒部51の上端部51aは、バルブガイド15の下端部15aに押し付けられて、制御弁体50の軸方向の移動が規制される。
シリンダ26内の排気が進むとともにピストンが下降し、燃焼室内圧力が吸気ポート内圧力と同じになりさらに吸気ポート内圧力よりも低くなると、図6に示されるように、制御弁体50が、吸気ポート内圧力により、シリンダ26側に向かって制御弁体50の傘当接部53が吸気弁30の傘部33の傘裏面33bに当接するまで移動し、制御弁体50も開弁して吸気ポート11からシリンダ26への吸気が開始される。下死点を過ぎ吸気弁30が閉じられると、シリンダ26内のガスは圧縮されて燃焼室内圧力は上昇する。
本実施の形態の吸気弁30は前記したように構成されているので、以下の効果を奏する。
本発明の実施の形態の吸気弁30は、吸気ポート11の出口11aに設けられ、バルブガイド15により摺動可能に支持され、燃焼室7への吸気の流入を開閉面に対して垂直に開閉し、軸部32の一端に傘部33が設けられた吸気弁30を備え、吸気ポート11の出口11aの周縁11bに、吸気弁30の傘部33の周縁33cが当接されるバルブシート14が配設され、吸気弁30の軸部32に摺動自在にガイドされる筒部51と、軸部32の周囲から傘部33の傘裏面33bを覆う傘カバー部52とを有したラッパ形状の制御弁体50を備え、制御弁体50の傘カバー部52の周縁52aは、吸気弁30の傘部33のバルブシート14と当接するバルブシート当接部33dの近傍まで延びている。
このように構成されているので、図9に示されるように吸気弁30の開弁開始時に吸気ポート内圧力が燃焼室内圧力よりも低い場合に、図5に示されるように吸気弁30のバルブシート当接部33dがバルブシート14の吸気弁体当接面14aから離れて、吸気弁30が開弁を始める。吸気弁30が開弁を始めると、シリンダ26内の既燃ガスが、吸気弁30のバルブシート当接部33dとバルブシート14の吸気弁体当接面14aとの隙間を通過して、吸気弁30の傘部33の傘裏面33bと、制御弁体50の内側の間に流入して、制御弁体50の内側は燃焼室内圧力と同じなる。
一方、制御弁体50の外側は燃焼室内圧力より低い吸気ポート内圧力と同じ圧になっているので、制御弁体50の上端部51aはバルブガイド15の下端部15aに押し付けられるとともに、制御弁体50のバルブシート当接面52bがバルブシート14の吸気弁体当接面14aに押し付けられる。このように吸気弁30が開弁しても制御弁体50が閉弁しているので、シリンダ26内の既燃ガスが吸気ポート11内へ逆流することを抑制し、排気効率を向上させ、排気ガス中の未燃燃料排出を減少させてエミッションの悪化を防止することができる。
さらに、制御弁体50の傘カバー部52の周縁52aは、バルブシート14と接する位置まで延びているので、吸気弁30と制御弁体50との隙化の管理が容易になり、制御弁体50の傘カバー部52の周縁52aのバルブシート当接面52bとバルブシート14との間のシール性、耐久性が向上する。
また、制御弁体50は、筒部51の上端部51aがバルブガイド15によって、摺動自在に位置決めされているので、吸気弁30の軸部32に制御弁体50の位置決めのためのストッパーを加工することが不要となり、構造の簡素化およびコストの削減をすることできる。
さらにまた、制御弁体50は、傘カバー部52の周縁52aが吸気弁30の傘部33の傘裏面33bに当接する傘当接部53を備えているので、吸気弁30の開弁時の吸気ポート11からの吸気流により制御弁体50が摺動する時の特別なストッパー構造が不要となり、構造の簡素化およびコストの低減を図ることができる。
また、制御弁体50の傘当接部53は折り返し部53aにより、周囲に弾性を持たせた構造であるので、折り返し部53aと吸気弁30およびバルブシート14とがより密着し、シリンダ26の気密性が向上するとともに、制御弁体50の耐久性が向上する。
さらに、折り返し部53a内に補強部材としての金属製のリング部材53bが配置されているので、強度を維持しつつ制御弁体50を薄肉軽量化することが可能となり、制御弁体50の応答性向上と耐久性を確保することができる。
さらにまた、制御弁体50の傘カバー部52のバルブシート当接面52bが前記バルブシート14に当接する際に、制御弁体50の筒部51の上端部51aはバルブガイド15に当接されるように、制御弁体50が構成されているので、吸気弁30の閉じた状態において、上下で制御弁体50の位置規制が行え、制御弁体50の負荷を低減され、耐久性および軽量化を図ることが可能となり、さらに制御弁体50の応答性を向上することができる。
さらに、吸気弁体31は、前記傘部33の周縁33cの近傍に位置して放射状に形成された溝部33eを有するので、吸気弁体31の開き始めにおいて、既燃ガスが燃焼室から溝部33eを通って吸気弁体31と制御弁体50との間に流れ込むので、吸気弁体31の開き始めにおける制御弁体50の作動性が向上する。
以上、本発明の一実施形態につき説明したが、本発明の態様が上記実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲で、多様な態様で実施されるものを含むことは勿論である。
例えば、本発明の自動二輪車用内燃機関は、各請求項の要件を備える自動二輪車用内燃機関であれば、実施形態のものに限定されず気筒数を問わず、自動二輪車は実施形態に示す自動二輪車に限定されない。
1…内燃機関、2…シリンダブロック、7…燃焼室、8…吸気弁口、9…排気弁口、11…吸気ポート、11a…出口、11b…周縁、12…排気ポート、14…バルブシート、15…バルブガイド、26…シリンダ、30…吸気弁、31…吸気弁体、32…軸部、33…傘部、33b…傘裏面、33c…周縁、33d…バルブシート当接部、33e…溝部、50…制御弁体、51…筒部、51a…上端部、51b…頂部、52…傘カバー部、52a…周縁、52b…バルブシート当接面、53…傘当接部、53a…折り返し部、53b…リング部材。

Claims (7)

  1. 吸気ポート(11)の出口(11a)に設けられ、バルブガイド(15)により摺動可能に支持され、燃焼室(7)への吸気の流入を開閉面に対して垂直に開閉し、軸部(32)の一端に傘部(33)が設けられた吸気弁体(31)を備え、
    前記吸気弁体(31)の前記傘部(33)の周縁(33c)は、前記吸気ポート(11)の前記出口(11a)の周縁(11b)に配設されたバルブシート(14)に当接される内燃機関の吸気弁において、
    前記吸気弁体(31)の前記軸部(32)に摺動自在にガイドされる筒部(51)と、前記軸部(32)の周囲から前記傘部(33)の傘裏面(33b)を覆う傘カバー部(52)と、を有したラッパ形状の制御弁体(50)を備え、
    前記制御弁体(50)の前記傘カバー部(52)の前記周縁(52a)は、前記吸気弁体(31)の前記傘部(33)の前記バルブシート(14)と当接するバルブシート当接部(33d)の近傍まで延び、前記バルブシート(14)における前記バルブシート当接部(33d)が当接される吸気弁体当接面(14a)よりも小径にされ、
    前記吸気弁体(31)は、前記傘部(33)の周縁(33c)の近傍に位置して前記制御弁体(50)の内側と燃焼室内(7)の圧力を同一にするための溝部(33e)を有し、
    前記制御弁体(50)は、前記吸気ポート(11)の内圧と前記燃焼室(7)の内圧との差圧のみにより、移動することを特徴とする内燃機関の吸気弁。
  2. 前記制御弁体(50)は、前記筒部(51)の上端部(51a)が前記バルブガイド(15)によって、摺動自在に位置決めされることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸気弁。
  3. 前記制御弁体(50)は、前記傘カバー部(52)の周縁(52a)が前記吸気弁(30)の前記傘部(33)の傘裏面(33b)に当接する傘当接部(53)を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の吸気弁。
  4. 前記傘当接部(53)は折り返し部(53a)により、周囲に弾性を持たせた構造であることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の吸気弁。
  5. 前記折り返し部(53a)内に補強部材(53b)を配置したことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の吸気弁。
  6. 前記制御弁体(50)の前記傘カバー部(52)のバルブシート当接面(52b)が前記バルブシート(14)に当接する際に、前記制御弁体(50)の前記筒部(51)の上端部(51a)は前記バルブガイド(15)に当接することを特徴とした請求項1に記載の内燃機関の吸気弁。
  7. 前記吸気弁体(31)は、放射状に形成された溝部(33e)を有することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸気弁。
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