JP5986054B2 - 内燃機関のデコンプ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、小型化が図れる内燃機関のデコンプ装置に関する。
内燃機関のデコンプ装置として、従来、シリンダヘッドに回転自在に支承されたカムシャフトに、カムシャフトの軸線を中心とする円弧状のベース円部と、そのベース円部よりも外側方に突出するようにしてベース円部に連設されるカム山部とを有する排気カムが、カム山部でカムフォロアを介して排気弁を開弁駆動するようにして設けられ、カムシャフトに回動可能に支承されるとともに遠心力によって作動するデコンプウエイトに排気カムのベース円部から突出し得るデコンプカムが連結されたものが、例えば下記特許文献1に示されるように、知られている。
下記特許文献1に示されるものにおいては、カムシャフトの回転数が低いとき、すなわちデコンプウエイトを駆動させるほど遠心力がデコンプウエイトに作用しない時に、デコンプカムがベース円部から突出してデコンプオン状態となり、カムシャフトの回転数が高いとき、すなわちデコンプウエイトを駆動させるほどの遠心力がデコンプウエイトに作用する時に、デコンプカムに形成された切欠き部がベース円部よりも径方向内側に没入し且つロッカアームのカムフォロア側に臨んだ状態となり、デコンプオフ状態となる。
特開2011−202625号公報(図1〜図5)
上記特許文献1に示されるものにおいては、ワッシャによってデコンプ装置の軸方向への移動を規制しているが、同ワッシャの軸方向への移動が規制されるように、規制部としてクリップがカムシャフトに取付けられている。
しかしながら、ワッシャおよびクリップは、カムシャフトの軸方向において、ベアリング、クリップ、ワッシャ、デコンプウエイトの順で並んで配置される構成であり、これらの部材配置がカムシャフトの軸方向におけるデコンプ装置の大型化を生じやすい。
本発明は、そのような従来技術に鑑み、デコンプ装置のカムシャフトの軸方向における小型化が図れる内燃機関のデコンプ装置を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、シリンダヘッドにベアリングを介してカムシャフトが回転自在に支承され、前記カムシャフトに形成された排気カムのカム山部によって排気側ロッカアームを介して排気弁を開閉させ、前記排気カムの側面には、遠心力によって作動するデコンプウエイトが回動自在に支承されるとともに、前記カムシャフトには、同カムシャフトの軸方向において、前記デコンプウエイトと前記ベアリングとの間に、前記デコンプウエイトの前記軸方向への移動を規制するワッシャと、同ワッシャの前記軸方向への移動を規制する規制部材とが設けられる内燃機関のデコンプ装置において、前記規制部材は、前記デコンプウエイトと前記ワッシャとの間に設けられ、前記デコンプウエイトには、前記ワッシャと当接する当接部と、同当接部よりも前記軸方向における前記デコンプウエイトの厚みを薄くした薄肉部とが形成されるとともに、前記当接部と前記薄肉部とで形成される収容空間内に、前記規制部材が配置されることを特徴とする内燃機関のデコンプ装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関のデコンプ装置において、前記ワッシャには、その径方向内側から順に、前記規制部材と当接する規制部材当接面と、同規制部材当接面から屈曲して前記デコンプウエイト側へ向けて延出する延出部と、同延出部から屈曲して前記当接部と当接するフランジ面とが設けられたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関のデコンプ装置において、前記ワッシャの前記軸方向における一側面に前記規制部材当接面が設けられ、他側面に前記ベアリングと当接するベアリング当接面が設けられたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の内燃機関のデコンプ装置において、前記薄肉部と前記規制部材との間に隙間を持たせた状態で、前記当接部と前記ワッシャとが当接することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関のデコンプ装置において、前記シリンダヘッドには、前記ベアリングを支持する内側壁が形成され、同内側壁には、前記軸方向において前記デコンプウエイトの少なくとも一部を収容する凹部が形成され、同凹部は、前記デコンプウエイトの回動を許容する大きさで設けられたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の内燃機関のデコンプ装置において、前記カムシャフトには、吸気カムのカム山部が形成されるとともに、同吸気カムのカム山部によって吸気側ロッカアームを介して前記軸方向に並ぶ2つの吸気弁を開閉させ、前記軸方向において、前記シリンダヘッドの一側面から前記2つの吸気弁間に臨むように点火プラグが取付けられ、前記デコンプウエイトは、前記軸方向において、シリンダ軸線を基準として前記点火プラグと反対側に配置されたことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の内燃機関のデコンプ装置において、前記規制部材は前記カムシャフトの外周上に一体成型されたつば部であり、前記デコンプウエイトの回動に伴い、前記排気カムのベース円部から突出する突出位置と前記ベース円部に対して没入する退避位置との間で移動可能なデコンプカムが、前記排気カムの前記側面に取付けられ、前記つば部には、同つば部における前記軸方向の前記デコンプカムの通過を許容する切欠き部が設けられたことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の内燃機関のデコンプ装置において、前記デコンプウエイトはスプリングにて非回動状態になるよう付勢され、前記カムシャフトの軸方向視で、前記つば部と前記デコンプウエイトとが、前記デコンプウエイトが非回動状態では重なって位置するとともに、前記デコンプウエイトが回動状態では重ならず位置するように構成されたことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の内燃機関のデコンプ装置において、前記カムシャフトにおける前記デコンプウエイトが配置される側の一端部を支承する前記ベアリングは、前記カムシャフトの他端部を支承する第2のベアリングよりも大径に形成され、前記一端部側にはカムチェーンの被動スプロケットが取り付けられたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明の内燃機関のデコンプ装置によれば、デコンプウエイトに、ワッシャと当接する当接部と、当接部よりも軸方向における厚みを薄くした薄肉部とを形成し、当接部と薄肉部とで形成される収容空間に規制部材を配置するようにしたので、カムシャフトの軸方向において、デコンプウエイトと規制部材とを位置が重なるようにして配置することができ、カムシャフトの軸方向におけるデコンプ装置の小型化を図ることができる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、ワッシャにおける径方向外側のフランジ面がデコンプウエイト側へ近づいてデコンプウエイトの当接部と当接することになるため、デコンプウエイトの当接部を軸方向に大きくする必要がなく、デコンプウエイトの大型化を抑制することができる。
さらに、規制部材当接面とフランジ面との間に屈曲部を有するようにしてワッシャが構成されるので、ワッシャの剛性を向上させることができる。
請求項3の発明によれば、請求項2の発明の効果に加え、ワッシャの軸方向への移動規制を規制部材とベアリングとによって良好に行うことができる。また、ベアリングは、その軸方向への移動規制をワッシャによって良好に行うことができる。
請求項4の発明によれば、請求項1ないし請求項3のいずれか一項の発明の効果に加え、デコンプウエイトが遠心力によって回動する際に、デコンプウエイトと規制部材との摺接を防止することができ、デコンプウエイトの円滑な回動が可能となる。
請求項5の発明によれば、請求項1ないし請求項4のいずれか一項の発明の効果に加え、デコンプウエイトの回動を許容する大きさで設けられた凹部によって、デコンプウエイトの一部とシリンダヘッドの内側壁とがカムシャフトの軸方向において位置が重なるようにして配置するべく、デコンプウエイトを凹部内に収容することで、カムシャフトの軸方向におけるシリンダヘッドの小型化も可能となる。
請求項6の発明によれば、請求項1ないし請求項5のいずれか一項の発明の効果に加え、カムシャフトの軸方向におけるデコンプウエイトと点火プラグとの干渉を効果的に防ぐことができるとともに、吸気カムと吸気弁とを近づけて配置して吸気側ロッカアームの小型化を図ることができる。
なお、デコンプウエイトを点火プラグ側に設けるようにした場合は、点火プラグとデコンプウエイトとの干渉を防ぐべく、カムシャフト全体を軸方向において点火プラグから離すように配置しなければならず、吸気弁および排気弁に対して吸気カムおよび排気カムが離れてしまい、吸気側、排気側ロッカアームが大型化してしまうおそれがある。特に、吸気、排気弁がカムシャフトの軸方向に複数並んで配置されるような動弁系を持つ内燃機関においては、そのようなおそれがより一層顕著となるが、上記構成によりそのおそれを回避することができる。
請求項7の発明によれば、請求項1ないし請求項6のいずれか一項の発明の効果に加え、規制部材がカムシャフトと一体成型のつば部で構成されたので、規制部材がCクリップで構成される場合に対し、部品点数を削減でき、組立て性を向上することができる。
また、つば部には、デコンプカムをカムシャフトに組み付ける際に、カムシャフトの軸方向へのデコンプカムの移動を許容する切欠き部が設けられたので、デコンプカムの排気カム側面への取り付け作業を容易に行うことができる。
請求項8の発明によれば、請求項7の発明の効果に加え、カムシャフトにデコンプウエイトを組み付けた状態で、デコンプウエイトが非回動状態になるよう付勢されるとともに、つば部とデコンプウエイトとが軸方向視で重なって位置することで、デコンプウエイトが自ずとカムシャフトから脱落しにくいようにすることができるので、カムシャフトにデコンプウエイトが組み付けられた状態でのカムシャフトのシリンダヘッドへの組み付けが容易となり、さらに、意図的にデコンプウエイトを回動させた状態で、当該デコンプウエイトをカムシャフトの軸方向へ移動させるだけで、つば部を超えてカムシャフトの排気カムの側面にデコンプウエイトを取付けることができるので、排気カムの側面へのデコンプ装置の組み付けも容易であり、デコンプウエイトの取り外しも容易であるうえ、デコンプウエイトをカムシャフトの軸芯側に寄せて配置することができ、径方向の小型化も可能となる。
請求項9の発明によれば、請求項8の発明の効果に加え、カムチェーンの被動スプロケットが取り付けられ大径のベアリングを備えるカムシャフトの一端部側にデコンプウエイトを配置する場合、ベアリングを嵌合させる部位も大径になるため、大径のベアリングと排気カムとの間に配置されるデコンプウエイトの部位においても、カムシャフトが大径となりやすく、これに伴いデコンプウエイトも径方向へ大型化しやすいが、請求項8の構成によって、デコンプウエイトが配置される部位のカムシャフト径を小型化することができ、デコンプウエイトの径方向の小型化を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る内燃機関を搭載した自動二輪車の左面図である。 図1中のパワーユニットの左側面図であり、伝動ケースとなる左クランクケースはベルト式無段変速機が取り外された状態で示される。 図2中III−III矢視による、パワーユニットの断面展開図である。 図3中のシリンダヘッド周辺の拡大図である。 図4中V−V矢視による、ヘッドカバーを外して示す、シリンダヘッドの要部前面図である。 図4中の、カムシャフトとデコンプ装置を含む周辺部材を取り出した状態で示す拡大図である。なお、本図は、図4に対してカムシャフト軸線回りに180度回転させて上下反転した状態で図示される。 (a)部は、図6におけるカムシャフトを抜き出して示す側面断面図であり、(b)部は、(a)部中b−b矢視によるカムシャフト91の右面図である。なお、本図(a)部中の(a−1)区間は、(b)部中(a‐1)−(a‐1)矢視により、(a−2)区間は、(b)部中(a‐2)−(a‐2)矢視により、(a−3)区間は、(b)部中(a‐3)−(a‐3)矢視によるものである。 デコンプカムの模式的斜視図である。 図9から図11は、図7の(b)部と同様に、カムシャフトをカムシャフト軸線方向に見た右面図であり、本実施形態のデコンプ装置のカムシャフトへの組付け方の説明図であって、本図は、デコンプカムを装着する状態を示す。 デコンプウエイトの装着時を示し、デコンプウエイトは開いて「回動状態」が示される。 デコンプウエイトの装着後を示し、デコンプウエイトは閉じて、「非回動状態」が示される。
図1から図11に基づき、本発明の一実施形態に係る内燃機関のデコンプ装置につき説明する。
特許請求の範囲および本明細書の説明における前後左右上下等の向きは、本実施形態のデコンプ装置を備えた内燃機関を搭載した車両の向きに従うものとする。本実施形態において車両は鞍乗型車両であり、具体的には自動二輪車である。
図中矢印FRは車両前方を、LHは車両左方を、RHは車両右方を、UPは車両上方を、それぞれ示す。
図1は、本発明の一実施形態に係るデコンプ装置を備えた内燃機関を搭載する自動二輪車1の左面図である。図1に示されるように、本実施形態の自動二輪車1は、車体フレーム2を合成樹脂製の車体カバー(カウル)11で覆われている。
自動二輪車1の車体の骨格をなす車体フレーム2は、車体前部のヘッドパイプ20から左右一対のダウンチューブ21、21が下方へ延出し、ダウンチューブ21、21の下端で左右一対のフロアパイプ22、22が接続し水平に屈曲して後方へ延び、その後部の屈曲部22aで斜め上方に屈曲して立ち上がって後方に延び、その各後端にそれぞれ左右一対のメインパイプ23、23の前後中央部が接続している。
フロアパイプ22、22の屈曲部22aとダウンチューブ21、21の上部との間は左右一対のセンターフレーム24、24で接続され、左右のセンターフレーム24、24間は上方に湾曲したクロスフレーム25が接続している。
メインパイプ23、23は、前端がそれぞれ左右のセンターフレーム24、24に固定されるとともに、後方に斜め上方に延びて、その後端どうしを連結している。
また、左右のフロアパイプ22、22は、屈曲部22a近傍において図示しないクロスパイプで結合されている。
ダウンチューブ21、21とフロアパイプ22、22とセンターフレーム24、24とに囲まれた領域には燃料タンク12が搭載され、メインパイプ23、23の上方にはシート13が配置されている。
車体前部においては、ヘッドパイプ20に軸支されて上方にハンドル14が設けられ、下方にフロントフォーク15が延びてその下端に前輪16が軸支されている。
フロアパイプ22、22の屈曲部22aの後部にはブラケット26、26が下方に突設され、ブラケット26、26にリンク部材27を介してパワーユニット3が揺動可能に連結支持されている。
パワーユニット3は、その前部が単気筒4ストロークの水冷式SOHC型の内燃機関4であり、シリンダのシリンダ軸線X(図2参照)を略水平に近い状態にまで大きく前傾した姿勢にあって、そのクランクケース30の下端から前方に突出したハンガーブラケット32の端部が前記リンク部材27にピボット軸28を介して連結されている。
パワーユニット3は、内燃機関4から後方にかけてベルト式無段変速機5が構成され、その後部に設けられた減速ギヤ機構51の出力軸である後車軸51aに後輪17が設けられている。
減速機構51のあるパワーユニット3の後部に立設されたブラケット33と、メインパイプ23の後部に突設されたブラケット23aとの間にリヤクッション18が介装されている。
パワーユニット3の左側面図である図2を参照して、内燃機関4はクランクケース30から略前方にシリンダブロック41,シリンダヘッド42,ヘッドカバー43が順次重ねられてシリンダ軸線Xを大きく略水平に近く前傾して締結されており、パワーユニット3の上部では、内燃機関4の大きく前傾したシリンダヘッド42の上部の吸気ポート71入口から吸気管61が延出して後方に湾曲し、吸気管61に接続されたスロットルボディ62がシリンダブロック41の上方に位置し、スロットルボディ62に連結管63を介して連結されるエアクリーナ64がベルト式無段変速機5の上方に配設されている。吸気管61には吸気ポート71に向けて燃料を噴射するインジェクタ65が装着されている。
なお、図2においては、クランクケース30においてベルト式無段変速機5を収容する伝動ケースとなる左クランクケース30Lが示されるが、ベルト式無段変速機5自体は取り外された状態が示される。
一方、シリンダヘッド42の下部の排気ポート72出口から下方に延出した排気管66は、後方へ屈曲し右側に偏って後方に延びて後輪17の右側のマフラ67に接続される。
シリンダヘッド42の左側部には、点火プラグ34が装着され、排気ポート72出口近傍に排気ガスセンサ7が取付けられている。点火プラグ34と排気ガスセンサ7は、側面視で車体フレーム2(フロアパイプ22)と重なっており、車体フレーム2に覆われ、保護されている。
図3はパワーユニット3の断面図(図2のIII−III矢視断面展開図)である。
内燃機関4は、シリンダブロック41のシリンダライナ41a内を往復動するピストン44とクランク軸31のクランクピン31aとをコネクティングロッド45が連結している。
シリンダヘッド42には、ピストン44の頂面と相対して燃焼室40が形成されている。
クランクケース30は、左右割りの左クランクケース30Lと右クランクケース30Rとを合体して構成されるもので、右クランクケース30Rは、クランクケース部30aの半体をなし、左クランクケース30Lは、前部がクランクケース部30aの半体をなすとともに、後方に膨出して前後に長尺のベルト式無段変速機5を収容する伝動ケースを兼ねる。
伝動ケース(左クランクケース)30Lの前後長尺の左側開放面は、伝動ケースカバー56により覆われ、内部にベルト式無段変速機5が収納される変速室57が形成され、後部の右側開放面は減速ギヤカバー58により覆われ、内部に減速ギヤ機構51が収納される減速ギヤ室59が形成される。
図3に示されるように、左クランクケース30Lの前部と右クランクケース30Rとの合体によるクランクケース部30a内には、クランク軸31が左、右クランクケース30L、30Rの各側壁に左右の主軸受で回転自在に支持されるが、左右の主軸受は、左側が主ボールベアリング8L、右側が相対的に小径でも大きい定格負荷が得られるローラベアリングによる主ローラベアリング8Rで構成されている。
クランク軸31の左右水平方向に延びた外側軸部のうち右外側軸部にはカムチェーン駆動スプロケット46が嵌着されるとともに、右端にACジェネレータ47が設けられ、左外側軸部にはベルト式無段変速機5の遠心ウエイト52と駆動プーリ53が設けられる。
本内燃機関4は、SOHC型式の4バルブシステムを採用しており、シリンダヘッド42内にカムシャフト91等からなる動弁機構9が設けられている。
なお、動弁機構9を覆うように、シリンダヘッド42の合わせ面42aに弾性シール部材からなるガスケット48を介してヘッドカバー43が重ねられて被せられる。
ヘッドカバー43内の動弁機構9に動力伝達を行うカムチェーン92がカムシャフト91とクランク軸31との間に架設されており、そのためのカムチェーン室49が、右クランクケース30R,シリンダブロック41,シリンダヘッド42に連通して設けられている。
すなわち左右水平方向に指向したカムシャフト91の右端に嵌着されたカムチェーン被動スプロケット93と、クランク軸31に嵌着されたカムチェーン駆動スプロケット46との間にカムチェーン92が、カムチェーン室49内を通って架渡され、クランク軸31の1/2の回転数でカムシャフト91が同期して回転駆動される。
一方、シリンダヘッド42においてカムチェーン室49と反対側(左側)から燃焼室40に向かって点火プラグ34が嵌挿されている(図2参照)。
カムシャフト91は、シリンダヘッド42の左側壁とカムチェーン室49を構成する内側壁にベアリング94L、94Rを介して回転自在に軸支され、右側のベアリング94Rより突出した右端にカムチェーン被動スプロケット93が嵌着されている。
カムシャフト91の吸気カム95と排気カム96に、吸気側ロッカアーム103と排気側ロッカアーム104の端部の各ローラ105、106が接し、クランク軸31の1/2の回転数でカムシャフト91が回転されると、吸気側ロッカアーム103と排気側ロッカアーム104が揺動して吸、排気弁73、74をそれぞれ所要のタイミングで開閉駆動する(図5参照)。
シリンダヘッド42とシリンダヘッドカバー43の右側面には両者の合わせ面において円開口が形成され、同円開口にウォータポンプ36の円筒形状をしたウォータポンプボディ37が水密に嵌入されて支持されている。
ウォータポンプ36のポンプ駆動軸36aはカムシャフト91の右端に同軸に連結されている
パワーユニット3の左側のベルト式無段変速機5は、駆動プーリ53と被動プーリ54とにVベルト55が掛け渡されてクランク軸31からの動力が伝達されるもので、機関回転数に応じて遠心ウエイト52により駆動プーリ53におけるVベルト55の巻掛け径が変化し、これに伴い同時に被動プーリ54における巻掛け径が変化することにより変速比が自動的に変更されて無段変速され、さらに、減速ギヤ機構51によって減速されて後車軸51aに回転動力が伝達され、後輪17が駆動される。
本実施形態におけるベルト式無段変速機5と減速ギヤ機構51からなる変速伝動機構自体は、従来公知のものであり、以下、変速伝動機構の詳細な説明は省略する。
図3のシリンダヘッド42周辺の拡大図を、図4に示す。
動弁機構9は、図4に示されるように、シリンダヘッド42の前部に、シリンダヘッド42およびヘッドカバー43からなる動弁室90内に収容されている。動弁機構9は、吸気カム95と排気カム96が形成されたカムシャフト91が、シリンダヘッド42の左側壁42bとカムチェーン室49を構成する内側壁42cとに、左右のベアリング94L、94Rを介して回転自在に支承され、カムシャフト91の回転に伴い、吸気カム95と排気カム96が回転し、吸気弁73と排気弁74(図5参照)を開閉するものである。
すなわち、カムシャフト91には、左右のベアリング94L、94Rの間に位置して、吸気弁73を開閉する動弁カムである吸気カム95が形成され、吸気カム95の右側に隣接して、排気弁74を開閉する動弁カムである排気カム96が形成されている。
図7の(b)部に示されるように、吸気カム95は、カムシャフト91の軸線を中心とする円弧状のベース円部95aと、ベース円部95aよりも径方向外側に突出するようにベース円部95aに連接されるカム山部95bを有している。排気カム96も同様に、カムシャフト91の軸線を中心とする円弧状のベース円部96aと、ベース円部96aよりも径方向外側に突出するようにベース円部96aに連接されるカム山部96bを有している。
図5は、図4中V−V矢視による、ヘッドカバー43を外して示す、シリンダヘッド42の要部前面図であり、内燃機関4を前方から見た図のため、図示左方がシリンダヘッド42右方であり、図示右方がシリンダヘッド42左方である。
図5に示されるように、カムシャフト91の前方(図4参照)には平行に、一対の吸気側、排気側ロッカアームシャフト101、102が、シリンダヘッド42の左側壁42bと内側壁42cとの間に架設されており、吸気側、排気側ロッカアームシャフト101、102に、吸気側ロッカアーム103と排気側ロッカアーム104が隣り合って揺動自在に軸支されている。
本実施形態の内燃機関4は、単気筒であり、SOHC型式の4バルブシステムを採用しているので、シリンダヘッド42には吸気弁73が2つ、排気弁74が2つ設けられ、吸気側ロッカアーム103は、内方に延出して二股に分かれたローラ支持部103aに、吸気カム95に接するカムフォロアとしてのローラ105が回転自在に支持されており、外方に二股に延出した端部103b、103cは、2つ吸気弁73の各ステム部73aの端部にそれぞれ接している。
排気側ロッカアーム104は、内方に延出して二股に分かれたローラ支持部104aに、排気カム96に接するカムフォロアとしてのローラ106が回転自在に支持されており、外方に二股に延出した端部104b、104cは、2つ排気弁74の各ステム部74aの端部にそれぞれ接している。
吸気弁73および排気弁74は、図示しないバルブスプリングにより常に閉方向に付勢されているので、吸気側、排気側ロッカアーム103、104のローラ105、106は常に吸気カム95、排気カム96に当接する方向に付勢され、カムシャフト91の吸気カム95および排気カム95の回転に伴い、吸気カム95の外周形状および排気カム96の外周形状に追従して、吸気側ロッカアーム103および排気側ロッカアーム104が揺動され、吸気弁73、排気弁74が所定の開閉時期およびリフト量で開閉駆動されるようになっている。
吸気ポート71に吸入された空気は、インジェクタ65から供給された燃料と混合して混合気を形成し、吸気行程において開弁した吸気弁73を経て燃焼室40に吸入され、ピストン44がシリンダヘッド42に近づく圧縮行程において混合気の状態で圧縮される。
混合気は圧縮行程の終期に点火栓34により点火されて燃焼し、ピストン45がシリンダヘッド42から遠ざかる膨張行程において燃焼ガスの圧力により駆動されるピストン45がクランク軸31を回転駆動する。
燃焼ガスは、ピストン45がシリンダヘッド42に近づく排気行程において開弁した排気弁74を経て、排気ガスとして燃焼室40から排気ポート72を通った後、排気管66を通って内燃機関4の外部に排出される。
本実施形態の内燃機関4は、その始動時の圧縮行程で燃焼室40内の圧縮圧力を開放することにより、始動操作力を軽減するデコンプ装置10を備えている。デコンプ装置10は、図4に示されるように、シリンダヘッド42内の動弁機構9の排気カム96と右側のベアリング94Rとの間に位置して設けられている。
デコンプ装置10は、排気弁74をわずかに開弁させてデコンプオン状態にするデコンプカム110と、カムシャフト91の回転数に応じた遠心力によりデコンプカム110をデコンプオン状態からデコンプオフ状態へと回転駆動させるデコンプウエイト120、およびデコンプウエイト120をカムシャフト91に近づく非回動状態へ付勢するねじりコイルスプリング(本発明における「スプリング」)127を具備している
そして、カムシャフト91の回転数が低いとき、すなわちデコンプウエイト120を駆動させるほど遠心力がデコンプウエイト120に作用しない時に、ねじりコイルスプリング127の付勢力の作用により、デコンプウエイト120はカムシャフト91に近づいた「非回動状態」となり、図11に示されるように、デコンプウエイト120に係合し回転駆動されるデコンプカム110の作用部外周111aが排気カム96のベース円部96aから半径方向で突出するデコンプオン状態となる。
カムシャフト91の回転数が高いとき、すなわちデコンプウエイト120を駆動させるほどの遠心力がデコンプウエイト120に作用するときに、ねじりコイルスプリング127の付勢力に抗して、デコンプウエイト120はカムシャフト91から離れる「回動状態」となり、図10に示されるように、デコンプウエイト120に係合し回転駆動されるデコンプカム110に形成された作用部退避部111bが排気側ロッカアーム104のカムフォロアであるローラ106に臨んだ状態となって排気カム96のベース円部96aよりも径方向内側に没入してデコンプオフ状態となる。
一方、図4に示されるように、排気側ロッカアーム104の二股に分かれたローラ支持部104aのうち、一方のローラ支持部104aには、デコンプカム110がデコンプオン状態となったときにデコンプカム110の作用部外周111aに接するデコンプカム当接部107が、排気カム96方向に、ローラ106の外周より僅かに外側に延出して形成されている。
そのため、デコンプオン状態では、排気側ロッカアーム104は、排気カム96とローラ106との当接に加えて、デコンプカム当接部107とデコンプカム110の作用部外周111aとの当接で揺動して、排気弁74を開動作させるが、デコンプオフ状態になると、デコンプカム当接部107とデコンプカム110の作用部外周111aとは当接せず、排気側ロッカアーム104は、排気カム96とローラ106との当接でのみ排気弁74を開動作させるものとなる。
そのようなデコンプ装置10は、図4に示されるように、シリンダヘッド42の左側壁42bと内側壁42cとに、左右のベアリング94L、94Rを介して回転自在に支承されたカムシャフト91に備えられるが、カムシャフト91とデコンプ装置10を含む周辺部材を取り出した状態で拡大して図6に示す。
ただし、図6は、図4に対してカムシャフト軸線Y回りに180度回転させた、すなわち上下反転した状態で、図示されている。
図6に示されるように、排気カム96の右側面(本発明における「側面」)96eには、カムシャフト91を半周余り囲むようにデコンプウエイト120が配置され(図11参照)、カムシャフト軸線Yに平行にカム山部96bに穿設されたデコンプピン支持孔96cに、デコンプウエイト120の基端部120aにカムシャフト軸線Yに平行になるように圧入されたデコンプピン121が、挿入されて回動自在に支持されている。
デコンプピン121には、排気カム96とデコンプウエイト120との間においてカラー122が挿通装着され、排気カム96とデコンプウエイト120との間隔を一定以上に規制するとともに、その外周にはねじりコイルスプリング127が装着され、その一端127aが屈曲してデコンプウエイト120のデコンプピン121近傍に穿設されたスプリング止め孔123に挿入され、他端127bが逆巻に変形されたうえでカムシャフト91に巻き掛けられて、デコンプウエイト120をカムシャフト91に近づく非回動状態へ付勢している(図11参照)。
デコンプウエイト120のデコンプピン121と略軸対象位置にある先端部120bには、カムシャフト軸線Yに平行になるように圧入された作動ピン124が排気カム96側に向けて突設されている。
なお、図6に示されるように、カラー122は、右端のフランジ部122bがデコンプウエイト120の左端面に対峙し、左端の円筒部先端122aが、排気カム96の右側面96eにおいてデコンプピン支持孔96cの周囲に設けられた円形の凹部96fに没入している。
凹部96fの深さは、デコンプウエイト120とワッシャ80との間の隙間以上としており、上記隙間分、デコンプウエイト120が軸方向に動いて、デコンプウエイト120とワッシャ80が当接状態となった時でも、カラー122の円筒部先端122aが排気カム96の凹部96fから抜け出さず、ねじりコイルスプリング127が脱落しないようにしている。
排気カム96のベース円部96aの右側面96eには、デコンプピン支持孔96cと軸対象位置にデコンプカム支持孔96dがカムシャフト軸線Yに平行に穿設され、デコンプカム110の支軸110aが挿入されて回動自在に支持されている。
デコンプカム110には、支軸110aに一体に連続して右側にデコンプカム支持孔96dに挿入されない作用部外周111aと、作用部外周111aをカムシャフト軸線Yに平行な平面で切り欠いた作用部退避部111bとが一周に亘って形成され、さらに一体に連続して右側に作用部外周111aと同径円周をなす受動部外周112aと、受動部外周112aを作用部外周111aとともにカムシャフト軸線Yに平行な別な平面で切り欠いた受動部退避部112bとが一周に亘って形成されている(図8、図9参照)。
受動部外周112aと受動部退避部112bの外端面(右端面)112cは、デコンプウエイト120の左面に回動可能に挟まれ対峙するが、受動部外周112aの右端面には外周からデコンプカム110の軸線Zに向けてU字溝113が設けられ、U字溝113には右方からデコンプウエイト120の作動ピン124が挿入される。
図6に示されるように、本実施形態のデコンプ装置10においては、カムシャフト91には、カムシャフト軸線Y方向において、デコンプウエイト120と右側のベアリング94Rとの間に、デコンプウエイト120のカムシャフト軸線Y右方向への移動を規制するワッシャ80と、ワッシャ80のムシャフト軸線Y左方向への移動を規制する規制部材97とが設けられている。
すなわち、カムシャフト91の右端側には右側のベアリング94Rの右側面を押さえるように、図3にも示されるようにカムチェーン被動スプロケット93を取付ける取付けボス93aが嵌着されている。
したがって、右側のベアリング94Rは右側面を取付けボス93aで、左側をワッシャ80を挟んで規制部材97に挟まれてカムシャフト軸線Y方向位置が固定される。
そして、右側のベアリング94Rとともにカムシャフト軸線Y方向位置が固定されたワッシャ80は、デコンプウエイト120のカムシャフト軸線Y右方向への移動を規制することになる。
さらに具体的には、規制部材97は、デコンプウエイト120とワッシャと97の間に設けられ、デコンプウエイト120には、ワッシャ80と当接する当接部125と、当接部125よりもカムシャフト軸線Y方向におけるデコンプウエイトの厚みを薄くした薄肉部126とが形成されるとともに、当接部125と薄肉部126とで形成される収容空間128内に、規制部材97が配置さている。
当接部125は、デコンプウエイト120の右側面においてデコンプピン121の圧入部周囲と、作動ピン124の圧入部周囲に設けられ、デコンプウエイト120の右側面の他の部分は薄肉部126とされている。
そのため、カムシャフト91の軸線Y方向において、図6に示されるように、デコンプウエイト120と規制部材97とを位置が重なるようにして配置することができ、カムシャフト軸線Y方向におけるデコンプ装置10の小型化を図ることがなされている。
なお、詳細には、図6に示されるように、デコンプ装置10がカムシャフト91に組み付けられた状態では、カムシャフト軸線Y方向において、デコンプウエイト120の当接部125とワッシャ80のフランジ面80cとの間に若干の隙間が設けられており、カムシャフト91の回転等に伴ってデコンプウエイト120がカムシャフト軸線Y方向右側へ移動することがあった際には、ストッパとして当接部125とワッシャ80とが当接することになる。
この隙間が設けられていることにより、デコンプウエイト120の円滑な回動が可能となり、デコンプウエイト120の作動性を向上することができる。
また、ワッシャ80には、その径方向内側から順に、規制部材97と当接する規制部材当接面80aと、規制部材当接面80aから屈曲してデコンプウエイト120側へ向けて延出する延出部80bと、延出部80bから屈曲してデコンプウエイト120の当接部125と当接するフランジ面80cとが設けられている。
そのため、ワッシャ80における径方向外側のフランジ面80cがデコンプウエイト120側へ近づいてデコンプウエイト120の当接部125と当接することになるため、デコンプウエイト120の当接部125をカムシャフト軸線Y方向に大きくする必要がなく、デコンプウエイト120の軸方向への大型化を抑制している。
さらに、規制部材当接面80aとフランジ面80cとの間に屈曲部を有するようにしてワッシャ80が構成されるので、ワッシャ80の剛性を向上させることができる。
また、ワッシャ80のカムシャフト軸線Y方向における一側面に上記のように規制部材当接面80aが設けられ、他側面には右側のベアリング94Rと当接するベアリング当接面80dが設けられたことで、ワッシャ80のカムシャフト軸線Y方向への移動規制を、規制部材97と右側のベアリング94Rとによって良好に行うことができるようになり、また、右側のベアリング94Rは、その軸方向への移動規制をワッシャ80によって良好に行うことができるものとなっている。
また、薄肉部126と規制部材97との間に隙間を持たせた状態で、当接部125とワッシャ80とが当接するようになっているので、デコンプウエイト120が遠心力によって回動する際に、デコンプウエイト120と規制部材97との摺接を防止することができ、デコンプウエイト120の円滑な回動が可能となっている。
また、シリンダヘッド42には、図4に示されるように、右側のベアリング94Rを支持する内側壁42cが形成され、内側壁42cには、カムシャフト軸線Y方向においてデコンプウエイト120の少なくとも一部を収容する凹部42dが形成され、凹部42dは、デコンプウエイト120の回動を許容する大きさで設けられている。
したがって、デコンプウエイト120の一部とシリンダヘッド42の内側壁42dとがカムシャフト軸線Y方向において位置が重なるようにして配置されるように、デコンプウエイト120を凹部42d内に収容することで、カムシャフト91を軸方向で短く構成でき、カムシャフト軸線Y方向におけるシリンダヘッド42の小型化も可能となった。
また、カムシャフト91には、図4に示されるように、吸気カム95のカム山部95bが形成されるとともに、吸気カム95のカム山部95bによって、図5に示されるように、吸気側ロッカアーム103を介してカムシャフト軸線Y方向に並ぶ2つの吸気弁73を開閉させ、図4に示されるように、カムシャフト軸線Y方向において、シリンダヘッド42の一側面から2つの吸気弁73間に臨むように点火プラグ34が取付けられ、デコンプウエイト120は、カムシャフト軸線Y方向において、シリンダ軸線Xを基準として点火プラグ34と反対側に配置されている。
そのため、カムシャフト軸線Y方向におけるデコンプウエイト120と点火プラグ34との干渉を効果的に防ぐことができるとともに、吸気カム95と吸気弁73とを近づけて配置して吸気側ロッカアーム103の小型化を図ることができた。
なお、デコンプウエイト120を点火プラグ34側に設けるようにした場合は、点火プラグ34とデコンプウエイト120との干渉を防ぐために、カムシャフト91全体を軸Y方向において点火プラグ34から離すように配置しなければならず、吸気弁73および排気弁74に対して吸気カム95および排気カム96が離れてしまい、吸気側、排気側ロッカアーム103、104が大型化してしまうおそれがある。特に、吸気、排気弁73、74がカムシャフト91の軸Y方向に複数並んで配置されるような動弁系を持つ本実施形態の内燃機関4においては、そのようなおそれがより一層顕著となるが、上記構成によりそのおそれが回避されている。
図7の(a)部には、図6におけるカムシャフト91が抜き出して示される。ここで、カムシャフト91は、図4、図5を参照して、左側から右側に順に、左側のベアリング94Lが嵌装される左ベアリング部(本発明における「他端部」)91A、吸気カム95が形成される吸気カム部91B、排気カムが形成される排気カム部91C、デコンプ装置10が装着されるデコンプ部91D、右側のベアリング94Rが嵌装される右ベアリング部(本発明における「一端部」)91E、カムチェーン被動スプロケット93を取付ける取付けボス93aが嵌着されるスプロケット取付け部91Fで構成される。
図7の(b)部は、(a)部中b−b矢視によるカムシャフト91の右面図であり、(a)部のカムシャフト91の断面は、(a−1)区間は、(b)部中(a‐1)−(a‐1)矢視により、(a−2)区間は、(b)部中(a‐2)−(a‐2)矢視により、(a−3)区間は、(b)部中(a‐3)−(a‐3)矢視によるものである。
カムシャフト91の軸径は、吸気カム部91Bと排気カム部91Cを除き、デコンプ部91Dと右ベアリング部91Eとが同じ軸径d1で形成され、スプロケット取付け部91Fはそれよりやや小径のd2で形成され、左ベアリング部91Aはさらに小径なd3で形成されている。
デコンプ部91Dの右ベアリング部91E寄りの外周91daには、右ベアリング部91Eから図5に示したワッシャ80の板厚t分を空けて、規制部材97が「つば部」として周方向に外径d4で突出して一体形成されている。
しかし、カムシャフト軸線Y方向視で、デコンプ部91Dのデコンプカム支持孔96d側は、全長に亘って規制部材(以下「つば部」という)97とともに、カムシャフト軸線Yと平行な平面で切り欠かれ、デコンプカム側切欠き部(本発明における「切欠き部」)98が形成されている。
また、カムシャフト軸線Y方向視で、デコンプ部91Dのデコンプピン支持孔96c側においては、カムシャフト軸線Yと平行な平面で、つば部97をデコンプ部91Dの外周91daに至るまで切り欠いた第1デコンプピン側切欠き部99aが形成され、それに連続して略つば部97の軸Y方向幅でデコンプ部91Dの外周91daより軸内部までカムシャフト軸線Yと平行な別の平面で切り欠いた第2デコンプピン側切欠き部99bが形成されている。
図8に、デコンプカム110が模式的斜視図で示される。
図6を参照して述べたように、デコンプカム110には、支軸110aに一体に連続して作用部外周111aと、作用部外周111aをカムシャフト軸線Yに平行な、すなわちデコンプカム軸線Zに平行な平面で切り欠いた作用部退避部111bとが一周に亘って形成され、さらに軸Z方向に一体に連続して作用部外周111aと同径円周をなす受動部外周112aと、受動部外周112aを作用部外周111aとともにデコンプカム軸線Zに平行な別の平面で切り欠いた受動部退避部112bとが一周に亘って形成されている。
受動部外周112aの外端面112cには、外周からデコンプカム110の軸線Zに向けて、デコンプウエイト120の作動ピン124が自在に係止できる幅と深さを備えたU字溝113が設けられている(図9参照)。
図9から図11を参照して、本実施形態のデコンプ装置10のカムシャフト91への組付け方を、以下説明する。
図9から図11は、図7の(b)部と同様に、カムシャフト91をカムシャフト軸線Y方向に見た右面図である。
まず、図9により、デコンプカム110を装着する状態を示す。
デコンプカム110は、受動部退避部112bをデコンプカム側切欠き部98に沿わせて、その支軸110aを排気カム96のデコンプカム支持孔96dに差し込む。このとき受動部退避部112bは、カムシャフト91の軸径d1の右ベアリング部91Eの外周91eaの外側に位置するように、軸径d1と受動部退避部112bの位置関係が設定されている。
受動部退避部112bは、受動部外周112aと作用部外周111aをともに一つの平面で切り欠いたものであるから、デコンプカム110に受動部退避部112bよりカムシャフト91側に位置する部分はなく、デコンプカム110の装着は支障なく行える。
次いで、デコンプウエイト120のデコンプピン121に、図6に示されるようにカラー122とねじりコイルスプリング127を装着し、図10に示されるように、スプリング止め孔123にねじりコイルスプリング127の一端127aを挿入した状態で、他端127bをカムシャフト91のデコンプ部91Dに巻き掛けつつ、デコンプピン121を排気カム96のデコンプピン支持孔96cに位置させ、デコンプウエイト120をねじりコイルスプリング127の付勢力に抗して強制的に開いた状態にしながらデコンプピン121をデコンプピン支持孔96cに挿入する。
このとき、すでに装着されているデコンプカム110は、カムシャフト91のデコンプ部91Dのデコンプカム側切欠き部98と相対しているため受動部外周112aも作用部外周111aも支障なく回転できるので、装着されつつあるデコンプウエイト120の作動ピン124の位置にU字溝113を合わせ、作動ピン124がU字溝113に挿入されて、デコンプウエイト120の装着がなされる。
図10に示されるデコンプウエイト120装着時において、デコンプウエイト120を開いて「回動状態」にしているため、デコンプウエイト120の内縁部120cは、カムシャフト91の右ベアリング部91Eおよびデコンプ部91Dをかわすことができ、且つ、デコンプ部91Dのつば部97は、第1デコンプピン側切欠き部99aと第2デコンプピン側切欠き部99bでデコンプウエイト120の内縁部120cに相対する部分が切り欠かれているので、支障なくデコンプウエイト120の軸Y方向移動ができ、デコンプウエイト120とつば部97とが干渉しないので、デコンプウエイト120の装着は容易に行える。
デコンプウエイト120の取り外しにおいても同様である。
図11に示されるように、デコンプウエイト120の装着後、デコンプウエイト120を強制的に開くことを止めると、ねじりコイルスプリング127の付勢力によってデコンプウエイト120はデコンプピン支持孔96c回りにカムシャフト91に近づくように回動されて閉じ、「非回動状態」となる。
この状態では、図示のようにデコンプウエイト120の内縁部120cが、デコンプカム側切欠き部98と第1デコンプピン側切欠き部99aとの間の切り欠かれていないつば部(規制部材)97と軸方向視で重なって位置するので、組み立てられたデコンプカム110とデコンプウエイト120は、自ずとカムシャフト91の右端側(図示手前側)へ抜け出せず、デコンプ装置10組み立て後のカムシャフト91は取り扱いが容易で、シリンダヘッド42への取付けの簡易化に寄与する。
図10、図11に示されるように、デコンプウエイト120のデコンプカム110側は先端部120b近くに段部120dが形成され(図6参照)、段部120dより先端側が薄く形成されており、図11に示されるデコンプウエイト120の非回動状態においては、デコンプウエイト120の段部120dがデコンプカム110に当接して、デコンプウエイト120のカムシャフト91への接近を限定するストッパとして働いている。
このストッパ120dによって。デコンプウエイト120の非回動状態(デコンプオン状態)において、デコンプウエイト120の内縁部120cとカムシャフト91との間に若干の隙間ができる。
デコンプウエイト120の内縁部120cとカムシャフト91とが当接すると、潤滑オイルによってデコンプウエイト120の内縁部120cがカムシャフト91に張り付き易く、デコンプウエイト120の作動性が低下するが、デコンプウエイト120の段部120dがストッパとして働いて、デコンプウエイト120の内縁部120cとカムシャフト91との間に隙間を形成してデコンプウエイト120の張り付きを防止することで、デコンプウエイトの作動性を向上できる。
デコンプウエイト120が回動状態では、図10に示されるように段部120dはデコンプカム110と離間している。
なお、図11に示されるデコンプカム110とデコンプウエイト120は、デコンプウエイト120の「非回動状態」を示し、すなわち内燃機関4起動時等の排気弁96がデコンプオン状態となるデコンプ装置10を示すものである。
すなわち、図11に示されるように、デコンプウエイト120は遠心力が十分働かない場合、ねじりコイルスプリング127の付勢力によって非回動状態となり、デコンプウエイト120の作動ピン124は、デコンプピン支持孔96cとデコンプカム支持孔96dを結ぶ線より、デコンプピン孔96c回りにθ3閉じ方向に回動し、作動ピン124はU字溝113に作動して、デコンプカム110はデコンプカム支持孔96d回りに同方向にθ4回転駆動される。
このとき、図示されるように、デコンプカム110の作用部外周111aは、排気カム96のベース円部96aより半径方向外側に突出しており、デコンプカム110は「突出位置」にある。
したがって、排気側ロッカアーム104のローラ106と排気カム96のみが当たることに加え、作用部外周111aに排気側ロッカアーム104のデコンプカム当接部107が当たることで、デコンプオン状態が発生する
また、図10に示されるデコンプカム110とデコンプウエイト120は、デコンプウエイト120の「回動状態」を示し、すなわち内燃機関4の所定回転以上での排気弁96がデコンプオフ状態となるデコンプ装置10を示すものである。
すなわち、図10に示されるように、デコンプウエイト120は、遠心力が十分働いた場合、ねじりコイルスプリング127の付勢力に抗して回動状態となり、デコンプウエイト120の作動ピン124は、デコンプピン支持孔96cとデコンプカム支持孔96dを結ぶ線より、デコンプピン支持孔96c回りにθ1開き方向に回動し、作動ピン124はU字溝113に作動して、デコンプカム110はデコンプカム支持孔96d回りに同方向にθ2回転駆動される。
このとき、図示されるように、デコンプカム110の作用部外周111aはカムシャフト軸線Yの方に向き、作用部退避部111bはカムシャフト91外周方向を向いて、作用部外周111aと作用部退避部111bがともに排気カム96のベース円部96aより半径方向内側に没入しているので、デコンプカム110は「退避位置」にある。
したがって、排気側ロッカアーム104のデコンプカム当接部107にはデコンプカム110が当接せず、排気側ロッカアーム104のローラ106と排気カム96のみが当たることで、デコンプオフ状態が発生する。
以上述べたように、本実施形態のデコンプ装置10においては、規制部材97はカムシャフト91の外周上に一体成型されたつば部であり、デコンプウエイト120の回動に伴い、排気カム96のベース円部96aから突出する「突出位置」とベース円部96aに対して没入する「退避位置」との間で移動可能なデコンプカム110が、排気カム96の右側面96eに取付けられ、つば部97には、つば部97におけるカムシャフト軸線Y方向のデコンプカム110の通過を許容するデコンプカム側切欠き部98が設けられている。
すなわち、規制部材97がカムシャフト91と一体成型のつば部で構成されたので、規制部材がCクリップで構成される場合に対し、部品点数を削減でき、組立て性を向上することができる。また、つば部97にはカムシャフト97の軸Y方向へのデコンプカム110の移動を許容するデコンプカム側切欠き部98が設けられたので、デコンプカム110の排気カム96の側面96eへの取り付け作業を容易に行うことができる。
また、デコンプウエイト120はねじりコイルスプリング127にて非回動状態になるよう付勢され、カムシャフト91の軸Y方向視で、つば部97とデコンプウエイト120とが、デコンプウエイト120が非回動状態では重なって位置するとともに、デコンプウエイト120が回動状態では重ならず位置するように構成されている。
そのため、カムシャフト91にデコンプウエイト120を組み付けて組み立てられた状態で、デコンプウエイト120が自ずとカムシャフト91から脱落しにくいようにすることができるので、その組み立てられた状態でのカムシャフト91のシリンダヘッド42への組み付けが容易となり、さらに、意図的にデコンプウエイト120を回動させた状態で、カムシャフト91の軸Y方向へ移動させるだけで、つば部97を超えてカムシャフト91の排気カム96の右側面96eにデコンプウエイト120を取付けることができるので、排気カム96へのデコンプ装置10の組み付けも容易であるうえ、デコンプウエイト120の非回動状態において、デコンプウエイト120の内縁部120cをつば部97の径方向外側に形成する必要がなく、デコンプウエイト120をカムシャフト91の軸線Y側に寄せて配置することができ、径方向の小型化も可能となっている。
また、カムシャフト91におけるデコンプウエイト120が配置される側の一端部である右ベアリング部91Eを支承する右側のベアリング(本発明における「ベアリング」)94Rは、カムシャフト91の他端部である左ベアリング部91Aを支承する左側のベアリング(本発明における「第2のベアリング」)94Lよりも大径に形成され、右ベアリング部91E側にはスプロケット取付け部91Fと取付けボス93aを介して、カムチェーン92のカムチェーン被動スプロケット(本発明における「被動スプロケット」)93が取り付けられている。
カムチェーン92のカムチェーン被動スプロケット93が取り付けられ大径の右側のベアリング94Rを備えるカムシャフト91の一端部である右ベアリング部91E側にデコンプウエイト120を配置する場合、従来は、ベアリングを嵌合させる部位も大径になるため、大径のベアリングと排気カムとの間に配置されるデコンプウエイトの部位においても、カムシャフトが大径となりやすく、これに伴いデコンプウエイトも径方向へ大型化しやすいが、本実施形態では、カムシャフト91の軸Y方向視で、つば部97とデコンプウエイト120とが、デコンプウエイト120が非回動状態では重なって位置するとともに、デコンプウエイト120が回動状態では重ならず位置するように構成されたことによって、デコンプウエイト120が配置される部位であるカムシャフト91のデコンプ部91Dの径d1を小型化することができ、デコンプウエイト120の径方向の小型化を図ることができた。
以上、本発明に係る一実施形態の内燃機関のデコンプ装置につき説明したが、本発明の態様が上記実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲で、多様な態様で実施されるものを含むことは勿論である。
例えば、本発明の内燃機関は、車載用に限らず定置型を含め多様な内燃機関であっても請求項1の要件を備える内燃機関であればよく、空冷、水冷の種類を問わない。
また、各機器の左右の配置は、説明の便宜上、図示のものに特定して記載したが、上記実施形態に示すものと左右逆となる配置のものであってもよく、本発明に含まれる。
1…自動二輪車、3…パワーユニット、4…内燃機関、5…ベルト式無段変速機、9…動弁機構、10…デコンプ装置、30…クランクケース、30L…左クランクケース、30R…右クランクケース、31…クランク軸、34…点火プラグ、40…燃焼室、41…シリンダブロック、42…シリンダヘッド、42b…左側壁、42c…内側壁、42d…凹部、43…ヘッドカバー、44…ピストン、49…カムチェーン室、71…吸気ポート、72…排気ポート、73…吸気弁、74…排気弁、80…ワッシャ、80a…規制部材当接面、80b…延出部、80c…フランジ面、80d…ベアリング当接面、91…カムシャフト、91A…左ベアリング部(本発明における「他端部」)、91D…デコンプ部、91E…右ベアリング部(本発明における「一端部」)、92…カムチェーン、93…カムチェーン被動スプロケット、94L…(左側の)ベアリング(本発明における「第2のベアリング」)、94R…(右側の)ベアリング(本発明における「ベアリング」)、95…吸気カム、95b…カム山部、96…排気カム、96a…ベース円部、96b…カム山部、96c…デコンプピン支持孔、96d…デコンプカム支持孔、96e…右側面(本発明における「側面」)、96f…凹部、97…規制部材(つば部)、98…デコンプカム側切欠き部(本発明における「切欠き部」)、99a…第1デコンプピン側切欠き部、99b…第2デコンプピン側切欠き部、103…吸気側ロッカアーム、104…排気側ロッカアーム、104a…ローラ支持部、106…ローラ、107…デコンプカム当接部、110…デコンプカム、110a…支軸、111a…作用部外周、111b…作用部退避部、112a…受動部外周、112b…受動部退避部、112c…外端面、113…U字溝、120…デコンプウエイト、120c…内縁部、120d…段部、121…デコンプピン、122…カラー、123…スプリング止め孔、124…作動ピン、125…当接部、126…薄肉部、127…ねじりコイルスプリング、128…収容空間、X…シリンダ軸線、Y…カムシャフト軸線、Z…デコンプカム軸線

Claims (9)

  1. シリンダヘッド(42)にベアリング(94R)を介してカムシャフト(91)が回転自在に支承され、前記カムシャフト(91)に形成された排気カム(96)のカム山部(96b)によって排気側ロッカアーム(104)を介して排気弁(74)を開閉させ、
    前記排気カム(96)の側面(96e)には、遠心力によって作動するデコンプウエイト(120)が回動自在に支承されるとともに、
    前記カムシャフト(91)には、同カムシャフト(91)の軸(Y)方向において、前記デコンプウエイト(120)と前記ベアリング(94R)との間に、前記デコンプウエイト(120)の前記軸(Y)方向への移動を規制するワッシャ(80)と、同ワッシャ(80)の前記軸(Y)方向への移動を規制する規制部材(97)とが設けられる内燃機関(4)のデコンプ装置(10)において、
    前記規制部材(97)は、前記デコンプウエイト(120)と前記ワッシャ(80)との間に設けられ、
    前記デコンプウエイト(120)には、前記ワッシャ(80)と当接する当接部(125)と、同当接部(125)よりも前記軸(Y)方向における前記デコンプウエイト(120)の厚みを薄くした薄肉部(126)とが形成されるとともに、前記当接部(125)と前記薄肉部(126)とで形成される収容空間(128)内に、前記規制部材(97)が配置されることを特徴とする内燃機関のデコンプ装置。
  2. 前記ワッシャ(80)には、その径方向内側から順に、前記規制部材(97)と当接する規制部材当接面(80a)と、同規制部材当接面(80a)から屈曲して前記デコンプウエイト(120)側へ向けて延出する延出部(80b)と、同延出部(80b)から屈曲して前記当接部(125)と当接するフランジ面(80c)とが設けられたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のデコンプ装置。
  3. 前記ワッシャ(80)の前記軸(Y)方向における一側面に前記規制部材当接面(80a)が設けられ、他側面に前記ベアリング(94R)と当接するベアリング当接面(80d)が設けられたことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関のデコンプ装置。
  4. 前記薄肉部(126)と前記規制部材(97)との間に隙間を持たせた状態で、前記当接部(125)と前記ワッシャ(80)とが当接することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の内燃機関のデコンプ装置。
  5. 前記シリンダヘッド(42)には、前記ベアリング(94R)を支持する内側壁(42c)が形成され、同内側壁(42c)には、前記軸(Y)方向において前記デコンプウエイト(120)の少なくとも一部を収容する凹部(42d)が形成され、同凹部(42d)は、前記デコンプウエイト(120)の回動を許容する大きさで設けられたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関のデコンプ装置。
  6. 前記カムシャフト(91)には、吸気カム(95)のカム山部(95b)が形成されるとともに、同吸気カム(95)のカム山部(95b)によって吸気側ロッカアーム(103)を介して前記軸(Y)方向に並ぶ2つの吸気弁(73)を開閉させ、
    前記軸(Y)方向において、前記シリンダヘッド(42)の一側面から前記2つの吸気弁(73)間に臨むように点火プラグ(34)が取付けられ、
    前記デコンプウエイト(120)は、前記軸(Y)方向において、シリンダ軸線(X)を基準として前記点火プラグ(34)と反対側に配置されたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の内燃機関のデコンプ装置。
  7. 前記規制部材(97)は前記カムシャフト(91)の外周上に一体成型されたつば部であり、
    前記デコンプウエイト(120)の回動に伴い、前記排気カム(96)のベース円部(96a)から突出する突出位置と前記ベース円部(96a)に対して没入する退避位置との間で移動可能なデコンプカム(110)が、前記排気カム(96)の前記側面(96e)に取付けられ、
    前記つば部(97)には、同つば部(97)における前記軸(Y)方向の前記デコンプカム(110)の通過を許容する切欠き部(98)が設けられたことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の内燃機関のデコンプ装置。
  8. 前記デコンプウエイト(120)はスプリング(127)にて非回動状態になるよう付勢され、前記カムシャフト(91)の軸(Y)方向視で、前記つば部(97)と前記デコンプウエイト(120)とが、前記デコンプウエイト(120)が非回動状態では重なって位置するとともに、前記デコンプウエイト(120)が回動状態では重ならず位置するように構成されたことを特徴とする請求項7に記載の内燃機関のデコンプ装置。
  9. 前記カムシャフト(91)における前記デコンプウエイト(120)が配置される側の一端部(91E)を支承する前記ベアリング(94R)は、前記カムシャフト(91)の他端部(91A)を支承する第2のベアリング(94L)よりも大径に形成され、前記一端部(91E)側にはカムチェーン(92)の被動スプロケット(93)が取り付けられたことを特徴とする請求項8に記載の内燃機関のデコンプ装置。
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