JP7032349B2 - 腐食センサ及びそれを備える構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、腐食センサ及びそれを備える構造体に関する。
不動態を形成する金属材料の腐食に関する技術として、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、板1,2の間に形成される高さDのすき間を臨む小電極4と、板2の外側にまで延在する板1とを備える腐食センサ10が記載される。特許文献1には、小電極4に、電流等を測定するためのリード線6を接続することが記載される。特許文献1には、板1には、電流等を測定するためのリード線7を接続することが記載される。特許文献1には、小電極4、板1,2を炭素鋼(Fe)により構成することが記載される。
特開2018-80984号公報(特に、段落0021、0025、0040、図2、表1を参照)
特許文献1に記載の腐食センサでは、小電極4、板1,2が金属材料により構成される。従って、すき間内部を目視で確認することができない。このため、特許文献1に記載の腐食センサでは、水分がすき間に十分に浸透したか否かを確認できない。即ち、特許文献1に記載の腐食センサでは、すき間内部での水分の挙動を把握できない。この結果、リード線6,7により取り出される電流値の信頼性が低い。これにより、水分に起因した金属材料の腐食時、金属材料の腐食感受性に寄与する不動態の特性を適切に評価できない。
本発明が解決しようとする課題は、腐食時の不動態特性を適切に評価可能な腐食センサ及びそれを備える構造体を提供することである。
本発明の腐食センサは、金属面への水分の接触により前記金属面の腐食を生じさせる腐食センサであって、前記水分が接触するとともに、不動態を形成する金属材料で構成された第1金属面を有する第1部材と、前記第1金属面に接触した前記水分を流すように前記第1金属面に接続されるとともに前記第1金属面と電気的に絶縁され、前記第1金属面と同じ金属材料で構成された第2金属面を有する第2部材と、前記第2部材との間に高さ30μm以上1000μm以下のすき間を有して配置されるとともに、前記第2金属面が前記すき間を臨みかつ前記第1金属面が外部に露出するように前記第2部材と対向配置され、前記第1金属面及び前記第2金属面と同じ金属材料で構成された第3金属面を有する第3部材と、前記第2部材から視て前記すき間の入口とは反対側において前記すき間を臨むように配置されるとともに、前記入口を通じて前記すき間に流れ込んだ前記水分を検出する検出部とを備えることを特徴とする。その他の解決手段は発明を実施するための形態において後記する。
本発明によれば、腐食時の不動態特性を適切に評価可能な腐食センサ及びそれを備える構造体を提供することができる。
本実施形態の腐食センサの上方からの斜視図である。 本実施形態の腐食センサの分解斜視図であり、第1部材、第2部材及び検出部の上方からの斜視図である。 本実施形態の腐食センサの分解斜視図であり、第3部材の下方からの斜視図である。 本実施形態の腐食センサの下方からの斜視図である。 本実施形態の腐食センサを構成する第1金属面、第2金属面及び検出面と測定装置とを接続する電気回路を示す図である。 図1のA-A線断面図であり、本実施形態の腐食センサにおけるすき間の高さ及び奥行を説明する図である。 本実施形態の腐食センサにおいて、すき間の奥行とすき間の高さとの関係と示す図である。 図1のB-B線断面図であり、本実施形態の腐食センサにおけるすき間の幅を説明する図である。 本実施形態の腐食センサを取り付けた構造体を示す図である。 別の実施形態における腐食センサの上方からの斜視図である。 本実施形態の腐食センサを用いた実車試験での各金属面間で流れた電流値を示すグラフである。 本実施形態の腐食センサを用いた実車試験での各金属面間で流れた電気量の積算値を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態(本実施形態)を説明する。ただし、本発明は以下の内容に制限されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更して実施できる。また、本発明は、異なる実施形態同士を適宜組み合わせて実施できる。さらに、同じ部材については同じ符号を付すものとし、重複する説明は省略する。また、図示の便宜上、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で簡略化して図示することがある。
図1は、本実施形態の腐食センサ100の下方からの斜視図である。腐食センサ100は、金属面への水分の接触により前記金属面の腐食を生じさせるものである。これにより、金属面を構成する金属材料の不動態特性を評価できる。例えば、実環境中でのアルミニウムの不動態特性を評価したい場合には、アルミニウム製の第1金属面11a、第2金属面12a、第3金属面13a及び検出面14aを備える腐食センサ100を使用すればよい。腐食センサ100は、例えば車両等の構造物への搭載により、車両の走行時等における実環境での腐食を評価できる。金属面に接触する水分は、通常、不動態を破壊し得る溶質、具体的には例えば、塩化物イオン、硫酸イオン、有機酸イオン(カルボン酸イオン等)等の溶質を含む。
水分は、まず、例えば水滴80として第1部材11の第1金属面11aに載る。第1金属面11aに載った水滴80は、例えば濡れ広がりにより、すき間51に流れ込む。この結果、すき間51では、例えば図2(後記する)において破線で示すように、水滴80は、第1金属面11a、第2金属面12a及び検出面14aの全体に跨がるように濡れ広がる。水滴80は、後記する第3金属面13a(図2では図示しない)に接触することもある。
すき間51では、流れ込んだ水滴80に起因して、第2金属面12aでのすき間腐食が生じる。なお、「すき間腐食」は、すき間において酸素濃度にムラがある場合、酸素濃度ムラに起因したすき間内部での金属の腐食をいう。第2金属面12aでのすき間腐食によって第2金属面12aでの電位変化を把握し、これにより、第2金属面12aの腐食時における不動態特性を適切に評価できる。不動態特性を評価できる理由は、図11及び図12に示すグラフを参照しながら後記する。
不動態を形成する金属は、例えば、アルミニウム、クロム、チタン、鉄の単体又は合金のほか、例えばステンレスである。腐食センサ100では、一例としてアルミニウムが使用される。アルミニウムは軽量であり、例えば車両等の製造材料に好適である。アルミニウムのすき間腐食を評価できることで、車両等での防さび対策を検討し易くできる。また、アルミニウムのイオン化傾向は大きいため、アルミニウムのすき間腐食に起因する電位差が大きい。これにより、すき間腐食を検出し易くできる。
腐食センサ100は、第1部材11と、第2部材12と、第3部材13と、検出部14とを備える。第3部材13と、第2部材12及び検出部14との間には、すき間51が形成される。第1部材11に載った水滴80は、すき間51の入口51aを通じて、すき間51の内部に流れ込む。
第1部材11は、不動態を形成する金属材料により構成されており、例えばアルミニウム板(角材でもよい)である。第1部材11は、第1部材11の金属材料を露出させた第1金属面11aと、第1部材11の金属材料の酸化物により構成される第1保護面11bとを備える。
第1金属面11aは、水滴80が接触するとともに不動態を形成するものである。第1金属面11aは、厚さが数nmの不動態膜(図示しない)を表面に有する。第1金属面11aは、上面視で矩形であるが、矩形に限られない。第1金属面11aは、板状の第1部材11を構成する6面のうち、上面の一部に形成される。第1金属面11aが形成された面では、第1金属面11aの左右及び正面側に帯状の第1保護面11bが形成される。第1金属面11aに接触した水滴80は、すき間51に流れ込む。
第1保護面11bは、第1金属面11a以外の第1部材11の表面に形成される。具体的には、第1保護面11bは、板状の第1部材11を構成する6面のうち、第1金属面11aが形成されていない残り5つの面に形成される(ただし、後記するリード線接続部11cを除く)。第1保護面11bは、第1金属面11aを構成する金属材料の酸化物(例えば酸化アルミニウム)を含むとともに、厚さ1μm以上50μm以下である。第1保護面11bは例えばアルマイトである。第1保護面11bにより、第1保護面11bでの腐食が抑制される。
第2部材12及び検出部14は、後記する第3部材13との間に、すき間51を形成する。第2部材12及び検出部14について、図2を参照しながら説明する。
図2は、本実施形態の腐食センサ100の分解斜視図であり、第1部材11、第2部材12及び検出部14の上方からの斜視図である。図2は、すき間51(図2では図示しない)において、第1金属面11a、第2金属面12a及び検出面14aを跨ぐようにして存在する水滴80を破線で図示している。第1金属面11a、第2金属面12a及び検出面14aは、図示の例では、同一平面内に配置される。
第2部材12は、第1金属面11aに接触した水滴80(水分)を流すように第1金属面11aに接続されるとともに第1金属面11aと電気的に絶縁され、第1金属面11aと同じ金属材料により構成された第2金属面12aを有する。第2部材12は、第1部材11と同じ金属材料により構成される。具体的には、第2部材12は不動態を形成する金属材料により構成されており、例えばアルミニウム板(角材でもよい)である。同じ金属材料での構成により、異なる金属の溶解を抑制できる。また、すき間51での水滴80の濡れ性を同じにし、水滴80の挙動をすき間51の全体で同じにできる。
第2部材12は、第2部材12の金属材料を露出させた第2金属面12aと、第2部材12の金属材料の酸化物により構成される第2保護面12bとを備える。
第2金属面12aは、水滴80(水分)との接触によりすき間腐食を生じさせるものである。第2金属面12aは、厚さが数nmの不動態膜(図示しない)を表面に有する。第2金属面12aは、上面視で矩形であるが、矩形に限られない。第2金属面12aは、板状の第2部材12を構成する6面のうち、上面の一部に形成される。第2金属面12aが形成された面では、第2金属面12aの左右に帯状の第2保護面12bが形成される。
第2保護面12bは、第2金属面12a以外の第2部材12の表面に形成される。具体的には、第2保護面12bは、板状の第2部材12を構成する6面のうち、第2金属面12aが形成されていない残り5つの面に形成される(ただし、後記するリード線接続部12cを除く)。第2保護面12bは、第2金属面12aを構成する金属材料の酸化物(例えば酸化アルミニウム)を含むとともに、厚さ1μm以上50μm以下である。第2保護面12bは例えばアルマイトである。第2保護面12bにより、第2保護面12bでの腐食が抑制される。
第1保護面11bと第2保護面12bとの間には接着層21が配置される。従って、第1部材11と第2部材12とは接着層21を介して接合する。これにより、第1部材11と第2部材12との電気的絶縁を維持したまま、第1部材11と第2部材12とを容易に接合できる。接着層21は、例えばエポキシ系接着剤の塗布により形成できる。また、接着層21は、第1金属面11aと第2金属面12aとを滑らかに接続する。これにより、第1金属面11aに接触した水滴80がすき間51に入り込み、第2金属面12aに流れ易くできる。
特に、すき間51の高さHは30μm以上1000μm以下であり、すき間51は小さい。このため、不動態で覆われた第1金属面11aで濡れ広がった水滴80は、すき間51の入口51aに到達すると、毛細管現象のような現象により、入口51aから流れ込み易い。この結果、第1金属面11aに接触した水分は、すぐにすき間51内部の第2金属面12aに到達する。これにより、第1金属面11aが水滴80と接触している時間と、第2金属面12aが水滴80と接触している時間とを同程度にすることができる。この結果、第1金属面11aでの不動態の状態と第2金属面12aでの不動態の状態とを同じようにすることができ、不動態特性を精度良く評価できる。
検出部14は、第2部材12から視てすき間51の入口51a(図1参照)とは反対側においてすき間51を臨むように配置されるとともに、入口51aを通じてすき間51に流れ込んだ水滴80(水分)を検出するものである。すき間51の入口51aから視て最も奥側に検出部14が配置されることで、入口51aから侵入した水滴80がすき間51の最も奥に到達したことを検出できる。これにより、入口51aと検出部14との間に配置された第2部材12の第2金属面12aに水滴80が接触したことを判断できる。この結果、水滴80に起因する第2金属面12aでのすき間腐食を検出できる。
腐食センサ100では、検出部14は、第1金属面11a及び第2金属面12aと同じ金属材料により構成された検出面14aを備える。同じ金属材料での構成により、異なる金属の溶解を抑制できる。また、すき間51での水滴80の濡れ性を同じにし、水滴80の挙動をすき間51の全体で同じにできる。
検出面14aは、第2部材12から視て入口51aとは反対側においてすき間51を臨むように配置されるとともに、入口51aを通じてすき間51に流れ込んだ水滴80(水分)を検出するものである。検出面14aにより、水滴80の検出面14aへの接触により生じる電位変化を検出できる。これにより、検出面14aへの水滴80の到達を検出できる。ただし、検出部14は、検出面14aを有さなくてもよく、例えば電気伝導度等に応じて水滴80を検出してもよい。また、検出面14aは上面視で矩形であるが、矩形に限られない。
検出部14は、第1部材11、第2部材12及び第3部材13と同じ金属材料により構成される。また、第1金属面11a、第2金属面12a、第3金属面13a及び検出面14aは同じ金属材料により構成される。具体的には、検出面14aは例えばアルミニウムである。同じ金属材料での構成により、異なる金属の溶解を抑制できる。また、すき間51での水滴80の濡れ性を同じにし、水滴80の挙動をすき間51の全体で同じにできる。従って、検出面14aは、検出部14の金属材料を露出させたものである。
検出面14aは、板状の検出部14を構成する6面のうち、上面の一部に形成される。検出面14aが形成された面では、検出面14aの左右及び背面側に帯状の保護面14bが形成される。
保護面14bは、検出面14a以外の検出部14の表面に形成される。具体的には、保護面14bは、板状の検出部14を構成する6面のうち、検出面14aが形成されていない残り5つの面に形成される(ただし、後記するリード線接続部14cを除く)。保護面14bは、検出面14aを構成する金属材料の酸化物(例えば酸化アルミニウム)を含むとともに、厚さ1μm以上50μm以下である。保護面14bは例えばアルマイトである。保護面14bにより、保護面14bでの腐食が抑制される。
第2保護面12bと保護面14bとの間には接着層22が配置される。従って、第2保護面12bと保護面14bとは接着層22によって接着される。これにより、第2部材12と検出部14との電気的絶縁を維持したまま、第2部材12と検出部14とを容易に接合できる。接着層22は、例えばエポキシ系接着剤の塗布により形成できる。また、接着層22は、第2金属面12aと検出面14aとを滑らかに接続する。これにより、第2金属面12aに接触した水滴80が検出面14aに流れ易くできる。
図1に戻って、第3部材13は、第2部材12との間に高さ30μm以上1000μm以下のすき間51を有して配置されるとともに、第2金属面12aがすき間51を臨み、かつ第1金属面11aが外部に露出するように第2部材12と対向配置されたものである。第3部材13は、第1部材11、第2部材12及び検出部14と同じ金属材料により構成される。具体的には、第3部材13は、例えばアルミニウム板である。同じ金属材料での構成により、異なる金属の溶解を抑制できる。また、すき間51での水滴80の濡れ性を同じにし、水滴80の挙動をすき間51の全体で同じにできる。第3部材13は、第2部材12の第2保護面12b及び検出部14の保護面14b(いずれも図2参照)に形成された接着層23により、第2部材12及び検出部14を覆うようにこれらと対向配置される。
すき間51は、すき間51の入口51a以外の部分を閉塞するように形成された接着層23(閉塞部の一例)によって囲まれることで形成される。すき間51がこのように形成されることで、入口51a以外からのすき間51への水滴80の流れ込みを抑制できる。また、すき間51に流れ込んだ水滴80がそのままが外部に流れることを抑制できる。これにより、水滴80が検出部14を素通りしてしまうことを抑制できる。
なお、接着層23等の閉塞部は設けられなくてもよい。閉塞部が設けられない場合、腐食センサの構造に応じ、すき間51において酸素が最も到達し難い部分に検出部14を配置すればよい。そして、第2金属面12aは、検出部14よりは酸素が供給されるが外部よりは酸素が到達し難い部分、即ち例えば検出部14とすき間51の入口51aとの間に、第2金属面12aを配置すればよい。
図3は、本実施形態の腐食センサ100の分解斜視図であり、第3部材13の下方からの斜視図である。第3部材13は、第3部材13の金属材料を露出させた第3金属面13aと、第3部材13の金属材料の酸化物により構成される第3保護面13bとを備える。
第3金属面13aは、第3部材13を第2部材12及び検出部14に重ね合わせたときに、第2金属面12a及び検出面14aと対向する。第3金属面13aは、上面視で矩形であるが、矩形に限られない。第3金属面13aは、板状の第3部材13を構成する6面のうち、下面の一部に形成される。第3金属面13aが形成された面では、第3金属面13aの左右及び背面側に帯状の第3保護面13bが形成される。
第3保護面13bは、第3金属面13a以外の第3部材13の表面に形成される。具体的には、第3保護面13bは、板状の第3部材13を構成する6面のうち、第3金属面13aが形成されていない残り5つの面に形成される。第3保護面13bは、第3金属面13aを構成する金属材料の酸化物(例えば酸化アルミニウム)を含むとともに、厚さ1μm以上50μm以下である。第3保護面13bは例えばアルマイトである。第3保護面13bにより、第3保護面13bでの腐食が抑制される。
図4は、本実施形態の腐食センサ100の下方からの斜視図である。第1部材11、第2部材12及び検出部14のそれぞれの、すき間51の形成側とは反対側(即ち下面側)には、リード線接続部11c,12c,14cが形成される。リード線接続部11c,12c,14cには、測定装置61,62,63と繋がるリード線41,42,43が接続される。リード線接続部11c,12c,14cでは、第1部材11、第2部材12及び検出部14の構成材料(導電性を有する金属)が露出する。従って、測定装置61,62,63は、第1部材11、第2部材12及び検出部14の各構成材料を介して、第1金属面11a、第2金属面12a及び検出面14aの各面のうちの任意の二面間で流れる電流を測定できる。
図5は、本実施形態の腐食センサを構成する第1金属面11a、第2金属面12a及び検出面14a(いずれも図5では図示しない)と測定装置61,62,63とを接続する電気回路を示す図である。測定装置61,62,63は、腐食センサ100では、電流を測定する電流計である。腐食センサ100は、第1金属面11a、第2金属面12a及び検出面14aの各面のうち、任意の二面間での電位差に起因して流れる電流を測定する測定装置61,62,63を備える。
測定装置61は、リード線41,42により、第1金属面11aと第2金属面12aとの二面間での電位差に起因して流れる電流を測定する。測定装置61による測定時、スイッチ71はオンにし、スイッチ72,73,74はオフにされる。測定装置62は、リード線41,43により、第1金属面11aと検出面14aとの二面間での電位差に起因して流れる電流を測定する。測定装置62による測定時、スイッチ72はオンにし、スイッチ71,73,74はオフにされる。測定装置63は、リード線42,43により、第2金属面12aと検出面14aとの二面間での電位差に起因して流れる電流を測定する。測定装置63による測定時、スイッチ73はオンにし、スイッチ71,72,74はオフにされる。
腐食センサ100は、第2金属面12aと検出面14aとを電気的に導通可能なスイッチ74を備える。腐食センサ100の駆動時にはスイッチ74をオフにすることで、第2金属面12aと検出面14aとを電気的な導通が解除される。これにより、第2金属面12aでのすき間腐食及び検出面14aへの水滴80の到達を、独立して検出できる。一方で、検出面14aへの水滴80の到達検出後には、スイッチ74がオンにされる。これにより、第2金属面12a及び検出面14aの全体での腐食に起因する電位変化を検出でき、感度を向上できる。
図6は、図1のA-A線断面図であり、本実施形態の腐食センサ100におけるすき間51の高さH及び奥行Lを説明する図である。すき間51の高さHは、第2部材12の上面と第3部材13の下面との距離である。すき間51の高さHは、30μm以上1000μm以下であり、好ましくは50μm以上800μm以下である。
高さHを30μm以上にすることで、すき間51の入口51a近傍に配置された第2金属面12aでの酸素濃度を低下させて第2金属面12aでのすき間腐食を生じさせることができる。これにより、腐食センサ100によるすき間腐食の適切な評価を行うことができる。一方で、すき間腐食の進行により第2金属面12aを構成する金属材料のイオン化が生じるが、すき間51の高さHを30μm以上にすることで、金属材料のイオンの蓄積を促し、過度のイオン化進行(即ちすき間腐食の進行)を抑制できる。これにより、腐食センサ100の寿命を向上できる。また、すき間51の高さHを1000μm以下にすることで、すき間51の奥側の酸素濃度を十分に低減でき、奥側での不動態形成を抑制できる。この結果、すき間51の奥側に配置された検出面14aでのイオン化に起因する電位変化を大きくできる。これにより、測定装置62,63により測定される電流値を大きくして、検出感度を向上できる。
また、すき間51は、すき間51の高さをH(μm)、すき間51の入口51aを起点とするすき間51の奥行をL(mm)としたときに、以下の式(1)を満たす。
3(mm)+0.007×H≦L ・・・式(1)
式(1)の意義について、図7を参照しながら説明する。
図7は、本実施形態の腐食センサ100において、すき間51の奥行Lとすき間51の高さHとの関係と示す図である。横軸はすき間51の奥行L(mm)、縦軸はすき間51の高さH(μm)を示す。図7は、本発明者らが行ったシミュレーションの結果得られたものであり、すき間51の奥行Lと高さHとを変更したときの検出面14aでの腐食度合を示すものである。色が濃いほど腐食度合が大きく(孔食深さが深く)、色が薄いほど腐食度合が小さい(孔食深さが浅い)ことを表す。腐食度合に応じて腐食度合を腐食度合1~5の5段階に分けて図示し、腐食度合5が最も腐食度合が大きく、腐食度合1が最も腐食度合が小さい。
本発明者が検討したところ、腐食度合1及び2ではわずかにすき間腐食が見られるが、すき間腐食に起因する電位変化が小さかった。これは、すき間51の高さHが低すぎる結果、水滴80がすき間51の内部にまで十分に流れ込まなかったことが理由と考えられる。そこで、腐食センサ100による適切な評価を可能にするためには、腐食度合3~5のすき間腐食が生じたすき間51の高さHを30μm以上にすることが好ましいといえる。特に、すき間51の高さHが50μm以上であれば腐食度合が4~5となり、すき間腐食を促し、腐食センサ100による不動態特性のより適切な評価を行うことができる。
一方で、すき間51の高さHが大きすぎても(例えば高さHが1500μm)、腐食度合が2となった。これは、すき間51の高さHが大きすぎる結果、すき間51の奥側にまで酸素が到達し易くなることに起因すると考えられる。すき間51の奥側にまで酸素が到達し易くなれば、すき間51の奥側に配置された検出面14aでの金属酸化が進行し易くなり、不動態が形成される。これにより、すき間腐食が生じにくくなる。従って、腐食センサ100による適切な評価を可能にするためには、腐食度合3~5のすき間腐食が生じたすき間51の高さHを1000μm以下にすることが好ましいといえる。特に、すき間51の高さHが800μm以下であれば腐食度合が4~5となり、すき間腐食を促し、腐食センサ100による、腐食センサ100による不動態特性のより適切な評価を行うことができる。
ただし、図7に示すように、すき間51の奥行Lの長さが同じであっても、すき間51の高さHが変われば腐食度合が変化する。例えば、すき間51の奥行きLが9mmの場合には、高さHに応じて腐食度合1~5まで変化する。そこで、腐食センサ100では、図7において、腐食度合が大きな上記式(1)の下方領域になるように、すき間51の奥行L及び高さHが設定される。具体的には、すき間51の奥行L(mm)は、3+0.007×Hを下限値とすることができる。また、奥行Lの上限値は特に制限されないが、腐食センサ100の小型化を図るため、例えば上限値は20mmとすることができる。
図6に戻って、検出面14aは、すき間51の入口51aを起点とするすき間51の奥行をL(mm)としたときに、検出面14aの入口側端部14a1がすき間51の入口51aを起点としてL/2以上L以下に含まれるように配置されることが好ましい。特に、検出部14の検出面14aの全体がすき間51の入口51aを起点としてL/2以上L以下に含まれるようにすることが好ましい。検出部14の入口側端部14a1がこの位置に配置されることで、すき間51の奥側に検出部14を配置できる。これにより、すき間51の入口51aに近い第2金属面12aでは比較的酸素を多くし、奥側の検出部14では比較的酸素を少なくできる。これにより、第2金属面12aと検出面14aとの電位差を大きくし、検出感度を向上できる。
図8は、図1のB-B線断面図であり、本実施形態の腐食センサ100におけるすき間51の幅Wを説明する図である。図8には、上記の高さHも併記している。すき間51の幅Wは、第2金属面12a及び検出面14aの左右にそれぞれ配置された接着層23同士の間隔である。すき間51の幅Wは、入口51aの幅Wと通常は等しい。すき間51の幅Wの大きさは、すき間51の奥側への酸素到達のし易さには殆ど影響しない。この理由は、不動態の酸素消費反応は幅Wの方向で全面的に均質に起きるためである。従って、幅Wを変えてもすき間51内部の奥側への酸素の供給距離は変わらず、幅Wの大きさは殆ど影響しない。そのため、すき間51の幅Wは任意であるが、第2金属面12a及び検出面14aの面積を十分に確保する観点から、ある程度大きいことが好ましく、例えば、5mm以上20mm以下にすることができる。
図9は、本実施形態の腐食センサ100を取り付けた構造体200を示す図である。構造体200は、上記の腐食センサ100を備える。ただし、図9では、腐食センサ100の一部部材の図示を省略している。構造体200は、車両又は建物を含み、図示の例では車両を含む。ただし、構造体200は、車両又は建物に限られず、実環境下での腐食を評価したい構造体であれば、任意である。
腐食センサ100は、例えば、後部バンパ201に対し、すき間51の入口51aが上を向くように取り付けられる。ただし、腐食センサ100の取り付け位置は図示の例に限定されず、例えば、取り付ける位置、取り付けられる部品等に応じて、すき間51の入口51aの方向を変えることができる。このようにすることで、構造体200に付着する水分の不動態への影響を、腐食センサ100によって評価できる。また、図示はしないが、例えば構造体200が建物である場合には、水分による建物への影響を、腐食センサ100によって評価できる。
図10は、別の実施形態における腐食センサ300の上方からの斜視図である。腐食センサ300では、第1部材11の正面側に、絶縁層81及び基準電極82が備えられる。絶縁層81は、例えば窒化ホウ素により構成され、第1部材11の上面に形成される。基準電極82は例えば銀電極であり、絶縁層81の上面に形成される。
腐食センサ300は、第1金属面11a、第2金属面12a(図10では図示しない)及び検出面14a(図10では図示しない)の各面での電位と、基準電極82の電位との電位差を測定する測定装置(図示しない。例えば電位差計)を備える。第1金属面11a、第2金属面12a、検出面14a及び基準電極82は、測定装置に対し、リード線(図示しない)によって接続される。測定装置は、第1金属面11aと基準電極82との電位差、第2金属面12aと基準電極82との電位差、及び検出面14aと基準電極82との電位差を、独立して測定可能に構成される。
腐食センサ300によれば、例えば各金属面での同程度の腐食により、金属面間で電位差が発生しない場合でも、基準電極82との電位差を測定することで、各金属面での腐食を検出できる。
実施例として、腐食センサ100を実環境に適用し、各金属面間での電流変化を調べた。具体的には、腐食センサ100を図9に示すように構造体200に取り付けた。そして、各金属面間を流れる電流値を測定しながら構造体200を走行させることで実車試験を行った。実車試験は3月~翌年3月の1年間連続して行い、実車試験中、電流値の測定は10分ごとに行った。構造体200は、1日あたり数時間程度ずつ毎日外を走行させた。走行は、冬季に積雪する寒冷地にて行った。なお、腐食センサ100は、第1金属面11a、第2金属面12a、第3金属面13a及び検出面14aをいずれもアルミニウムで構成した。
図11は、本実施形態の腐食センサ100を用いた実車試験での各金属面間で流れた電流値を示すグラフである。横軸は日数、縦軸は電流を表す。このグラフは、実車試験の全期間を通じて得られたデータのうち、3月下旬から4月上旬にかけて連続する13日間のデータを図示している。電流Aは、第1金属面11aと第2金属面12aとの間で流れた電流、電流Bは、第1金属面11aと検出面14aとの間で流れた電流、電流Cは、第2金属面12aと検出面14aとの間で流れた電流である。
実車試験中、電流A,B,Cのいずれについても、電流値が検出された。特に、電流Aと電流Bとは、多少値に違いがあったものの、誤差といえる程度の違いであり、同じような挙動及び電流値を示した。また、電流A及び電流Bは概ね電流Cの検出時に検出されており、電流A及び電流Bは、検出面14aでの水滴80の到達によって発生したことが示された。
図11に示すように、実車試験中、各金属面間で電流が流れたことが確認された。水滴80が各金属面同士を跨ぐことで電流が流れることから、すき間51に水滴80が流れ込んだことが確認できた。特に、電流B及び電流Cが検出されたことから、水滴80は、第1金属面11aと検出面14aとを跨ぎ、かつ、第2金属面12aと検出面14aとを跨ぐように存在することが確認できた。
図12は、本実施形態の腐食センサ100を用いた実車試験での各金属面間で流れた電気量の積算値を示すグラフである。このグラフは、実車試験を行った1年間のうち、3月から10月にかけて取得した電流値に基づいて電気量を計算し、電気量の積算値(積算電気量)を日ごとにプロットしたものである。
このグラフに示すように、電流A、電流B及び電流Cのいずれにおいても、日数の経過とともに積算電気量が増大した。特に、実車試験開始から5月中旬にかけて、積算電気量は大きく増大した。この理由は、3月から4月にかけて道路に散布された融雪剤に起因すると考えられる。融雪剤は例えば金属塩化物を含むため、融雪剤に含まれる塩化物イオンに起因して、積算電気量が大きく増大したと考えられる。また、季節が変わって融雪剤を散布しなくなった後でも、散布された融雪剤はすぐには道路外に排出されず暫く残る。このため、5月中旬頃までは積算電気量が大きく増大したと考えられる。5月中旬以降には、電流A、電流B及び電流Cのいずれにおいても、ある日数以降はほぼ一定値を示すようになり、緩やかに上昇するようになった。
このように、腐食センサ100によれば、例えば融雪剤の散布のような金属腐食に大きな影響を及ぼす事象がある実環境において、例えば電流値変化、積算電気量変化に基づき、金属腐食時の不動態特性を評価できることがわかった。これにより、実環境における金属材料の例えば防さび対策を効果的に行うことができる。
本発明者らの検討によれば、腐食センサ100において二面間で電流が流れる理由は以下の通りと考えられる。
腐食センサ100では、第1金属面11aは外部に露出しており、酸化性雰囲気である。従って、第1金属面11aへの水滴80の接触が生じても、アルミニウムは、不動態の存在によって浸食し難い。仮に不動態が消滅したとしても、酸化性雰囲気によって不動態の再生(修復)が行われる。不動態の消滅と再生とは反応速度的にはほぼ同じであり、反応速度論的には不動態は変化しない。しかし、実際にはわずかではあるがアルミニウムの溶出が生じ、これにより不動態保持電流が発生する。このとき、第1金属面11aでは、酸素の還元反応が生じる。従って、第1金属面11aの電位が変化する。
一方で、すき間51の内部では、以下の現象が生じると考えられる。外部より酸素濃度が低くなる第2金属面12aでは、アルミニウムの浸食及び修復を繰り返すことで、酸素が欠乏する。これにより、修復が行わないためにアルミニウムの溶出が進行し、アルミニウムイオンが蓄積される。アルミニウムイオンの蓄積量が多くなると、水滴80中の水と反応し、水酸化アルミニウム及び水素イオンが生成する。そうすると、すき間51内部での水素イオンとの電気的中性条件の維持のため、すき間51の外部からすき間51内部に水分中の溶質(塩化物イオン、硫酸イオン、有機酸イオン等)が拡散する。この結果、水素イオンと溶質とから酸(例えば塩酸、硫酸、有機酸イオン等)が生じ、第2金属面12aでの不動態消失が促進される。また、酸を生じさせなくても、低酸素濃度に起因して不動態は徐々に浸食する。そして、不動態消失によりアルミニウムの溶出(即ち腐食)が加速し、第2金属面12aでの電位が変化する。この結果、第1金属面11aと第2金属面12aとの間に電位差が発生し、電流が流れる(電流A)。
また、検出面14aにおいても、第2金属面12aと同様に、酸素濃度が低い。このため、検出面14aでの電位と第1金属面11aでの電位との間に電位差が生じる。この結果、検出面14aと第1金属面11aとの間に電位差が発生し、電流が流れる(電流B)。さらに、第2金属面12aでの更に奥側に配置された検出面14aでは、第2金属面12aよりも更に酸素濃度が低い。このため、腐食度合は検出面14aと第2金属面12aとで異なるため、検出面14aでの電位と第2金属面12aでの電位との間に電位差が生じる。この結果、第2金属面12aと検出面14aとの間に電位差が発生し、電流が流れる(電流C)。
すき間51の最も奥に配置された検出面14aでは、酸素濃度が最も低い。従って、仮に水滴80が接触しなくても、わずかながら不動態の消失が生じる。これにより、検出面14aの電位は多少変化する。しかし、水滴80の接触により不動態の消失が促進され、検出面14aの電位は、非接触時の電位変化よりも大きく変化する。このため、第1金属面11aの電位と、水滴80の接触によって大きく変化する検出面14aの電位との電位差に基づく電流値の変化により、検出面14aへの水滴80の接触を検出できる。
また、すき間51の入口51a側に配置された第2金属面12aにおいても、酸素濃度が外部よりも低くなっている。このため、水滴80との接触により、上記のように電位が変化する。検出面14aによって水滴80の接触が確認されれば、第1金属面11aの電位と第2金属面12aの電位との電位差の変化の理由は、第2金属面12aへの水滴80の接触に起因するものが大きいと考えられる。
腐食センサ100において、検出部14によって水滴80の到達を検出できる。これにより、検出部14と入口51aとの間に配置された第2金属面12aでの水滴の確実な接触を把握できる。この結果、第2金属面12aでの電位変化は水滴80の接触に起因するものであることを把握でき、当該電位変化に基づく電流変化や電位差の信頼性を向上できる。
そして、第1金属面11aと第2金属面12aとの電位差又は電流を経時的に把握することで、水分の第2金属面12aへの影響を経時的に評価できる。特に、電位差又は電流を経時的に測定し、評価に用いることで、電気化学的に決定される第2金属面12aの腐食の度合を実環境中で経時的に評価できる。
例えば、第1金属面11aと第2金属面12aとの間で流れる電流Aの電流値の大きさにより、主に第1金属面11aでの不動態による効果を把握できる。例えば、不動態形成起因する良好な耐食性を示すアルミニウム合金であれば、電流値は比較的小さくなる。
さらに、検出面14aと第1金属面11aとの間で流れる電流Bの電流値により、すき間51の奥側へ水滴80の浸透を検出できる。また、電流Bの電流値は、電流Aの電流値と通常は同じである。ただし、第2金属面12aへの腐食生成物の蓄積及び膨張に起因してすき間51の拡張が生じることがあり、この場合、電流Bの電流値が変化する。このため、電流Bの電流値変化検出によってすき間51の拡張を検出できる。この結果、構造体200でのすき間腐食により生じ得る、すき間51の拡張現象についても評価できる。
そして、第2金属面12aと検出面14aとの間で流れる電流Cの電流値により、すき間51が濡れている時間を把握できる。即ち、すき間51の外部が乾いた状態であってもすき間51の内部が乾いていない現象が生じる。この場合、電流A及び電流Bは検出されないが、電流Cは検出される。そこで、電流Cによれば、外部からの見た目では分からないすき間51内部での腐食反応を検出できる。
そして、腐食センサ100によれば、実環境において、第2金属面12aの腐食時、不動態がいつどのタイミングで消滅し、第2金属面12aにどの程度の腐食が進行したのかを評価できる。従って、水分に起因した金属材料の腐食時、金属材料の腐食感受性に寄与する不動態の特性を適切に評価できる。また、例えば第1金属面11aへの不純物元素(銅、鉄等)の付着によって第1金属面11aでの不動態に局所的な脆弱部がある場合でも、その不純物元素の影響を考慮した評価を行うことができる。
100 腐食センサ
11 第1部材
11a 第1金属面
11b 第1保護面
11c リード線接続部
12 第2部材
12a 第2金属面
12b 第2保護面
12c リード線接続部
13 第3部材
13a 第3金属面
13b 第3保護面
14 検出部
14a 検出面
14a1 入口側端部
14b 保護面
14c リード線接続部
200 構造体
21 接着層
22 接着層
23 接着層
300 腐食センサ
41 リード線
42 リード線
43 リード線
51 すき間
51a 入口
61 測定装置
62 測定装置
63 測定装置
71 スイッチ
72 スイッチ
73 スイッチ
74 スイッチ
80 水滴
81 絶縁層
82 基準電極

Claims (14)

  1. 金属面への水分の接触により前記金属面の腐食を生じさせる腐食センサであって、
    前記水分が接触するとともに、不動態を形成する金属材料により構成された第1金属面を有する第1部材と、
    前記第1金属面に接触した前記水分を流すように前記第1金属面に接続されるとともに前記第1金属面と電気的に絶縁され、前記第1金属面と同じ金属材料により構成された第2金属面を有する第2部材と、
    前記第2部材との間に高さ30μm以上1000μm以下のすき間を有して配置されるとともに、前記第2金属面が前記すき間を臨みかつ前記第1金属面が外部に露出するように前記第2部材と対向配置され、前記第1金属面及び前記第2金属面と同じ金属材料により構成された第3金属面を有する第3部材と、
    前記第2部材から視て前記すき間の入口とは反対側において前記すき間を臨むように配置されるとともに、前記入口を通じて前記すき間に流れ込んだ前記水分を検出する検出部とを備える
    ことを特徴とする、腐食センサ。
  2. 前記検出部は、前記第1金属面及び前記第2金属面と同じ金属材料により構成された検出面を備え、
    前記検出面は、前記第2部材から視て前記入口とは反対側において前記すき間を臨むように配置されるとともに、前記入口を通じて前記すき間に流れ込んだ前記水分を検出する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の腐食センサ。
  3. 前記金属材料はアルミニウムである
    ことを特徴とする、請求項2に記載の腐食センサ。
  4. 前記検出面は、前記入口を起点とする前記すき間の奥行をL(mm)としたときに、前記検出面の前記入口側端部が前記入口を起点としてL/2以上L以下に含まれるように配置される
    ことを特徴とする、請求項2又は3に記載の腐食センサ。
  5. 前記第1金属面、前記第2金属面及び前記検出面の各面のうち、任意の二面間での電位差に起因して流れる電流を測定する測定装置を備える
    ことを特徴とする、請求項2~4の何れか1項に記載の腐食センサ。
  6. 前記第1金属面、前記第2金属面及び前記検出面の各面での電位と、基準電極の電位との電位差を測定する測定装置を備える
    ことを特徴とする、請求項2~5の何れか1項に記載の腐食センサ。
  7. 前記第1部材、前記第2部材及び前記検出部のそれぞれの、前記すき間の形成側とは反対側には、前記測定装置に対し、前記第1金属面、前記第2金属面及び前記検出面の各面と電気的に導通するリード線が接続される
    ことを特徴とする、請求項5又は6に記載の腐食センサ。
  8. 前記第2金属面と前記検出面とを電気的に導通可能なスイッチを備える
    ことを特徴とする、請求項5~7の何れか1項に記載の腐食センサ。
  9. 前記すき間は、前記すき間の前記入口以外の部分を閉塞する閉塞部によって囲まれることで形成される
    ことを特徴とする、請求項1~8の何れか1項に記載の腐食センサ。
  10. 前記すき間は、前記すき間の高さをH(μm)、前記すき間の前記入口を起点とする前記すき間の奥行をL(mm)としたときに、以下の式(1)を満たす
    3(mm)+0.007×H≦L ・・・式(1)
    ことを特徴とする、請求項1~9の何れか1項に記載の腐食センサ。
  11. 前記第1部材は、前記第1金属面以外の表面に、前記第1金属面を構成する金属材料の酸化物を含むとともに厚さ1μm以上50μm以下の第1保護面を有し、
    前記第2部材は、前記第2金属面以外の表面に、前記第2金属面を構成する金属材料の酸化物を含むとともに厚さ1μm以上50μm以下の第2保護面を有する
    ことを特徴とする、請求項1~10の何れか1項に記載の腐食センサ。
  12. 前記第1保護面と前記第2保護面との間には接着層が配置され、
    前記第1部材と前記第2部材とは接着層を介して接合する
    ことを特徴とする、請求項11に記載の腐食センサ。
  13. 請求項1~12の何れか1項に記載の腐食センサを備える
    ことを特徴とする、構造体。
  14. 車両又は建物を含む
    ことを特徴とする、請求項13に記載の構造体。
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