JP7032252B2 - 歩行支援装置 - Google Patents
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Description
当該歩行支援装置は、椅子等に座っている使用者の前方に配置された後、使用者あるいは使用者の補助者が、リモコン等の入力部を操作することによって、制御部は、歩行支援装置を起立動作支援モードに設定する。起立動作支援モードにおいては、制御部が制動手段(ブレーキ)を作動させて、ベースに設けられている移動手段としての複数の車輪の回転を停止させた状態で、使用者の起立動作支援を行う。この起立動作支援モードにおいては、歩行支援装置が不用意に移動せず、使用者は起立動作を安全に行うことができる。
また、使用者あるいは使用者の補助者が、起立支援動作が終了した後に、リモコン等の入力部を操作することによって、制御部は、歩行支援装置を歩行モードに設定する。歩行モードにおいては、制御部が制動手段の作動を解除するので、使用者は当該歩行支援装置の移動手段により移動しながらの歩行が可能となる。
また、着座動作支援時においては、使用者あるいは使用者の補助者が、リモコン等の入力部を操作することによって、制御部は、歩行支援装置を着座動作支援モードに設定する。着座動作支援モードにおいては、制御部が制動手段を作動させて、複数の車輪の回転を停止させた状態で、使用者の着座動作支援を行う。この着座支援動作においては、歩行支援装置が不用意に移動せず、使用者は着座動作を安全に行うことができる。
本発明は、使用者の起立支援動作が終了した後に、補助者や使用者による操作を要することなく、歩行モードに移行するように構成された歩行支援装置を提供するものである。
さらに、制動構成部は、移動手段の車輪の回転を停止させる制動動作状態と車輪の回転を許容する制動解除状態とに設定される制動手段と、制動手段を制動動作状態と制動解除状態とに設定する制御を行う制動制御手段とを備え、制動制御手段は、カム機構により構成され、当該カム機構は、昇降体に設けられた原節と、制動手段に連結された従節とを備え、原節が従節に作用して制動手段を制動解除状態又は制動動作状態に設定するように構成されたので、少なくとも、使用者の起立支援動作が終了した後に、補助者や使用者による操作を要することなく、歩行モードに確実に移行する歩行支援装置を提供できる。
また、制動構成部は、移動手段の車輪の周面に接触して車輪の回転を停止させる制動動作状態と車輪の周面から離れて車輪の回転を許容する制動解除状態とに設定される制動手段と、制動手段を制動動作状態と制動解除状態とに設定する制御を行う制動制御手段とを備え、制動手段は、ベースに取付けられた取付板と、取付板に設けられた軸受孔と、車輪の周面と取付板との間に配置されて他端が取付板に固定されたコイルばねと、軸受孔及びコイルばねの円筒部を貫通するように設けられて一端面が車輪の周面と対向するように設けられた動作軸と、動作軸の一端側を貫通させる貫通孔を備えて当該貫通孔に動作軸の一端側を貫通させた状態で当該動作軸の一端側の周面及びコイルばねの一端に固定された力伝達部材と、ブレーキワイヤと、ブレーキワイヤの一端部と力伝達部材とを接続する接続部材とを備え、制動制御手段は、カム機構により構成され、当該カム機構は、昇降体に設けられた原節と、ブレーキワイヤの他端部が固定された従節とを備え、原節が従節に作用して制動手段を制動解除状態又は制動動作状態に設定するように構成された場合には、少なくとも、使用者の起立支援動作が終了した後に、補助者や使用者による操作を要することなく、歩行モードに確実に移行する歩行支援装置を提供できる。
さらに、制動構成部は、昇降体が最下位置に到達した場合に移動手段の制動を解除するように構成されたので、昇降体が最上位置、又は、最下位置のいずれかに位置する場合に、移動可能に設定される歩行支援装置を提供できる。
実施形態1に係る歩行支援装置1は、図1,図2に示すように、ベース2と、ベース2に設けられた移動手段3と、ベース2に設けられた起立着座動作支援手段4と、使用者Aが装着する例えばズボン等の装着具B(図11参照)と起立着座動作支援手段4とを連結する連結手段5と、移動手段3の制動構成部100と、連結手段5の引出規制手段200とを備えて構成される。
尚、以下、当該歩行支援装置1を使用する要介護者、障害者、リハビリ訓練者等の使用者Aの前側を「前」、左側を「左」、右側を「右」、後側を「後」と定義して説明する。
即ち、ベース2は、左側ベースを形成するベースフレーム左部2aと、右側ベースを形成するベースフレーム右部2bと、前側ベースを形成するベースフレーム前部2cとを備え、ベースフレーム左部2aがベースフレーム前部2cの左端から後方に延長するとともに、ベースフレーム右部2bがベースフレーム前部2cの右端から後方に延長するように構成されている。
例えば、図1,図2に示すように、移動手段3は、ベースフレーム左部2aの後端側、及び、ベースフレーム右部2bの後端側にそれぞれ設けられた後側旋回キャスター31R,31Rと、ベースフレーム前部2cの左右側にそれぞれ設けられた前側旋回キャスター31F,31Fとにより構成される。
当該旋回キャスター31は、例えば、車輪32が床面等の路面Rと平行(水平)に延長する中心軸(シャフト)33を介して回転可能なようにフォーク34に取付けられ、かつ、フォーク34が路面Rと垂直に延長する中心軸(シャフト)35を介して当該中心軸35周りを回転可能なように取付座36を介してベース2に取付けられた構成である。
また、例えば、旋回キャスター31のうち、後側旋回キャスター31R,31Rは、後述する制動構成部100によって、車輪32の回転が停止するように構成されている。
当該起立着座動作支援手段4は、ベース2のベースフレーム前部2cの左右の中央側より立ち上がるように設けられた固定支柱6と、昇降部材7と、昇降部材7を固定支柱6に沿って昇降させる昇降駆動手段8と、固定支柱6に着脱自在に取付けられた昇降ガイド手段9とを備える。
ボールねじ機構81は、固定支柱6の後面61と平行に対向して上下方向に延長するように設けられたねじ軸82と、ねじ軸82を回転させるモータ83と、モータ83が固定されて固定支柱6に固定されるモータマウント84と、固定支柱6に固定されてねじ軸82の下端部に形成された回転軸部を回転可能に支持する軸受装置85と、ねじ軸82の下端部に形成された回転軸部の下端とモータ83の回転軸とを連結するカップリング86と、ねじ軸82に取付けられてねじ軸82の回転により上下方向に移動するナット87とを備えて構成される。
従って、ボールねじ機構81のモータ83の回転がカップリング86を介してねじ軸82に伝達されてねじ軸82が回転することにより、ナット87及び昇降体10が昇降する。ボールねじ機構81では、周知のように、ねじ軸82とナット87との間に図外の多数のボールが介在するように設けられて、ねじ軸82とナット87との摩擦を軽減させた構成となっているため、昇降体10がスムーズに昇降する。
当該昇降体10には後述する原節(カム)130が設けられており、かつ、当該昇降体10の後面12には支持部材20がヒンジ70,70を介して回転可能に取付けられている。
当該可動支柱21は、例えば、下端側の左右の側面27,27よりそれぞれ突出するように設けられた円柱状のスライダ23,23を備えるとともに、上下方向の下側における左右側前面がヒンジ70,70を介して昇降体10の下側における後面12の左右側に連結されている。
尚、可動支柱21の上面24は、例えば、前方から後方に向けて下方に延長する傾斜面に形成される。
支持台22は、上面22tが例えば平面に形成されて、昇降時において最上位置(図7(c),図11(c)等参照)に到達した際には上面22tが例えば水平面を形成するように、可動支柱21の上端側に連結されている。即ち、支持台22の上面22tと可動支柱21の中心軸とのなす角度が例えば鋭角となるように、可動支柱21の上端側に支持台22が連結されている。
従って、昇降体10の昇降時において、可動支柱21に設けられた軸受ブラケット72,72が回転中心軸73を回転中心として回転することにより、可動支柱21の上下側が前後方向に動く。
即ち、可動支柱21は、上下方向の下側がヒンジ70,70を介して昇降体10に連結されて、昇降体10の昇降に伴って当該ヒンジ70の回転中心軸73を回転中心として上下側が前後方向に揺動可能なように構成されている。
即ち、昇降ガイド手段9は、板面が前後方向及び上下方向に延長する板材により形成されて、前側の板面と固定支柱6の側面62とが接触した状態でボルト96等で固定支柱6の側面62に取付けられた板部90と、支持部材20の昇降時に可動支柱21の下側に設けられたスライダ23をガイドするガイド溝91とを備えた構成である。
つまり、昇降ガイド手段9は、可動支柱21の下側に設けられたスライダ23が入り込んで、昇降体10の昇降に伴う支持部材20の昇降時において、当該スライダ23の上下方向の移動をガイドするガイド溝91が形成された板材により構成される。
あるいは、固定支柱6の側面62より突出するように設けられた図外のねじ棒と、当該ねじ棒を通すために昇降ガイド手段9に形成された図外の貫通孔と、当該貫通孔を通過したねじ棒に螺着されて昇降ガイド手段9の板部90の板面に締結される図外のナットとで構成された昇降ガイド手段9の取付構造としてもよい。
昇降ガイド手段9を構成する板部90が固定支柱6に取付けられた状態において、例えば、上部側ガイド溝92は固定支柱6から離れた位置において固定支柱6と平行に上下方向に延長する溝により形成され、下部側ガイド溝94は上部側ガイド溝92よりも固定支柱6に近い位置において固定支柱6と平行に上下方向に延長する溝により形成され、中央側ガイド溝93は上部側ガイド溝92の下端と下端側ガイド溝94の上端とを繋ぐ傾斜溝により形成される。
従って、図7に示すように、昇降体10の支持部材20の昇降時においては、可動支柱21の左右下側がスライダ23とガイド溝91との係合により支持された状態で昇降することになるので、支持部材20の昇降動作、即ち、起立着座支援動作が安定かつ確実に行われる歩行支援装置1となる。
尚、ガイド溝91の形態の異なる昇降ガイド手段9を作製しておいて、昇降ガイド手段9を取り換えることによって、支持部材20の昇降時の動きに伴う支持台22の動きが、使用者Aの挙動に合わなかったり、使用者Aの好みに合わなかった場合等、支持部材20の昇降時の動きに伴う支持台22の動きを使用者Aの挙動や使用者Aの好みに合ったものに選択できるようになる。つまり、ガイド溝91の形態を選択することによって、使用者Aの挙動や使用者Aの好みに合った起立着座動作支援を行える歩行支援装置1を提供できるようになる。
図3,図5,図6に示すように、制動制御手段120を構成するカム機構は、例えば昇降体10の前面11における右側上端部の位置に取付けられた原節(カム)130と、従節140とを備えた構成である。
即ち、昇降体10が昇降することによって原節130が上下移動し、当該原節130の上下移動に伴って従節140が前後方向に移動するように構成されている。
接触子143は、中心線145が左右方向に延長する円柱により形成され、当該接触子143において原節130と接触する部分は、円柱の周面により構成される。
ブレーキワイヤ118は、被覆チューブ135の一端が取付板111に固定されて、この被覆チューブ135の一端より突出するワイヤ136の一端が接続部材119に固定されるとともに、被覆チューブ135の他端が固定支柱6の前面63における上端側に設けられたチューブ端固定板149に固定されて、この被覆チューブ135の他端より突出するワイヤ136の他端が従節140のワイヤ端固定部144に固定される。
また、チューブ端固定用筒150から突出するワイヤ136の端部にも同様に、外周にねじ部を備えたワイヤ端固定用筒152が取付けられ、当該ワイヤ端固定用筒152を接続部材119やワイヤ端固定部144に形成された貫通孔に通した状態で当該貫通孔を挟んで当該ワイヤ端固定用筒152の外周のねじ部に設けておいたナット153,153を締結することにより、ワイヤ136の端部が接続部材119やワイヤ端固定部144に固定される。
尚、ブレーキワイヤ118は、例えば、固定支柱6、ベース2の内側に通されて、一端側がベースフレーム左部2a、又は、ベースフレーム右部2bに形成された引き出し孔を介して外部に引き出されて取付板111及び接続部材119に固定され、かつ、他端側が固定支柱6の上端に形成された開口65を介して外部に引き出されてチューブ端固定板149及びワイヤ端固定部144に固定されている。
そして、昇降体10が上昇する過程において原節130の傾斜面131と従節140の接触子143とが接触した後、図6(b),図7(c)に示すように、昇降体10が最上位置に到達して、原節130の制動解除面132と従節140の接触子143とが接触した歩行モードになった場合には、原節130が従節140を前方(所定の方向)に移動させてブレーキワイヤ118が牽引されて、動作軸116の一端面115が車輪32の周面38から離れて車輪32の回転が許容される。即ち、制動手段110が制動解除状態に設定され、歩行支援装置1が移動手段3により移動可能となる。
そして、起立支援動作が終了して昇降体10が最上位置に到達した場合には、原節130が従節140に作用して制動手段110が自動的に制動解除状態に設定され、歩行支援装置1が歩行モードに移行するので、使用者Aは歩行支援装置1に繋がれた状態での歩行が可能となる。
即ち、実施形態1に係る歩行支援装置1によれば、使用者Aの起立支援動作が終了した後に、補助者や使用者Aによる操作を要することなく、歩行モードに移行するように構成された歩行支援装置1を提供できるようになった。
つまり、従来のような、使用者の起立支援動作が終了した後に、補助者や使用者による制動手段を解除するための煩わしい操作が不要となり、使用者Aの起立支援動作が終了した後に、自動的に制動解除状態となる歩行支援装置1を提供できるようになった。
連結部材5Bとしては、特に、合成繊維により形成されたロープ49を用いることが好ましい。
連結部としては、例えばフック等の連結具51を用いることが好ましい。
また、右の連結手段5の弾性支持手段5Aは、例えば天板22Xと側板22Yと底板22Zとで囲まれた支持台22の右部22cにおける中空空間22Hの前側に位置する天板22の裏面22rに一端取付部5aを介して固定されている。
連結具51は、引出孔52を通過できない大きさのフック等が使用されている。
具体的には、引出規制手段200は、図9,図10に示すように、支持台22に取付けられてロープ49をガイドするガイド部材210と、操作レバー220と、操作レバー220を一方方向に付勢する付勢手段としての付勢ばね230とを備え、ロープ49の他端側を支持台22から離れる方向に引出不能状態とするように設定されたり、又は、ロープ49の他端側を支持台22から離れる方向に引出可能状態とするように設定される。
取付部211は、対向する各壁板部212,212の各通孔213,213に通された当該各通孔213,213間のロープ49の外面と対向する壁面214を有する。
当該ガイド部材210は、例えば取付部211の取付面215と支持台22の天板22Xの裏面22rとを接触させた状態でボルト等の固定具219,219で天板22Xに固定されている。
尚、ガイド部材210の開口223側の面、及び、操作レバー220は、支持台22の左部22b及び右部22cの互いに対向する側板22Y,22Yの互いに向かい合う内側面に形成された開口22e,22e(図1,図2,図10参照)を介して、支持台22の外側に露出するように設けられたり、あるいは、支持台22の左部22b及び右部22cの側板22Y,22Yにおける各外側面に形成された図外の開口を介して、支持台22の外側に露出するように設けられる。
そして、通常、当該付勢ばね230により、操作軸225の他端226が側板22Yから離れる方向(一方方向)に付勢されて、操作レバー220の押圧部222が各通孔213,213間のロープ49の外面を押圧した状態に維持されることによって、押圧部222と壁面214との間にロープ49が挟み込まれた状態(ロック状態)となっている。
つまり、図10(a)に示すように、付勢ばね230のばね力により、操作レバー220には、押圧部222が壁面214に近付く方向への回転力が常時付与されて、ロープ49の他端側が引出不能状態(ロック状態)に設定される。
従って、操作レバー220の操作軸225を握ってロープ49の他端側が引出可能状態に設定されている場合には、ロープ49の他端側には引張コイルばね48のばね力により引張コイルばね48側に引っ張られる力が加わっているとともに、ロープ49の他端の連結具51を支持台22から離れる方向に人力で引張って引き出せるようになっている。
そして、操作レバー220の操作軸225から手を離すと、付勢ばね230のばね力によって押圧部222が壁面214に近付く方向に付勢されて、壁面214及び押圧部222に設けられた刃226,226がロープ49の外面に食い込んだ状態、即ち、ロープ49の他端側が引出不能状態に設定される。当該引出不能状態に設定されている場合には、ロープ49の他端の連結具51を支持台22から離れる方向に人力で引張ることができないが、ロープ49の他端側が引張コイルばね48のばね力により引張コイルばね48側に徐々に引っ張られて連結具51が支持台22に近付くことができるように構成されている。
即ち、使用者Aの装着具Bと連結具51とが連結された後、引出不能状態に設定された場合においては、ロープ49の弛みが徐々に解消されるようになっている。
そして、連結作業の終了後は、操作レバー220の操作軸225から手を離すことにより、押圧部222の刃226と壁面214の刃226とでロープ49が挟まれた状態となって、ロープ49の他端側が支持台22から離れる方向に引き出されることが阻止される。従って、使用者Aが装着具Bを介して歩行支援装置1のロープ49の連結具51に連結された後に、使用者Aの体勢が崩れにくくなり、使用者Aの転倒を防止できるようになる。また、この際、引張コイルばね48(弾性支持手段5A)のばね力によってロープ49に引き戻し力が加わわって、連結具51の位置が支持台22の引出孔52に徐々に近付くようにロープ49が引き戻されるので、ロープ49の弛みが徐々に解消される。
従って、使用者Aは、支援動作時においては、連結具51と連結された吊位置が支持台22に近付いた安定した状態で起立着座動作を行えるようになるとともに、歩行モードにおいては、転倒しないようになり、安全な歩行動作を行えるようになる。
即ち、連結具51と使用者Aの装着する装着具Bの連結部Cとを連結する連結作業を容易に行えるとともに、使用者Aが歩行支援装置1のロープ49の連結具51に連結された後の使用者Aの転倒防止機能を備えた歩行支援装置1となる。
図11に示すように、装着具Bを装着した使用者Aがベッドや椅子等の着座部Dに着座した状態から起立する際の起立動作支援時においては、切替スイッチ42を起立動作支援側(昇降体10を上昇させる側)に設定してモータ83を駆動させることによって、昇降体10を最上位置に位置させて制動手段110を制動解除状態として歩行支援装置1を移動可能な状態に設定してから、歩行支援装置1を着座部Dの近くまで移動させる。その後、切替スイッチ42を着座動作支援側(昇降体10を下降させる側)に設定してモータ83を駆動させ、図11(a)に示すように、昇降体10を最下位置まで下降させることで、支持台22を後方に向けて下傾させた状態にする。そして、使用者A又は補助者が操作レバー220の操作軸225を握って、使用者Aが装着する装着具Bの連結部Cにロープ49の他端の連結具51が近付くように連結具51を引張り出す。この場合、連結具51を容易に引出せるので、ロープ49の他端に設けられた連結具51と使用者Aの装着する装着具Bの連結部Cとを連結する連結作業が容易となる。また、この連結作業中においては、制動構成部100により後側旋回キャスター31Rの車輪32に制動が掛けられた状態であるので、連結作業中に歩行支援装置1が不用意に移動してしまうことを防止でき、使用者Aは、安全に連結作業を行なうことができる。
また、着座動作支援時においては、支持部材20は、支持台22の上面22tが水平な状態あるいは水平に近い状態から、支持台22の後端部が使用者Aの着座動作に合わせて徐々に下がるように姿勢を変化させながら下降するので、使用者Aは自然な着座動作を行えるようになる。
実施形態1では、昇降体10が最上位置に到達して歩行モードに設定された場合にのみ、制動手段110を制動解除状態に設定する制動構成部100を備えた歩行支援装置1を例示したが、図12に示すように、昇降体10が最上位置に到達して歩行モードに設定された場合、及び、昇降体10が最下位置に到達して連結時姿勢モードに設定された場合に、制動手段110を制動解除状態に設定するとともに、昇降体10が昇降動作を行う起立支援動作中、又は、着座支援動作中においては、制動手段110を制動動作状態に設定する制動構成部100を備えた歩行支援装置1としてもよい。
原節130は、傾斜面131Rの下端から下方に一定距離離れた位置である上端から斜め前方に傾斜して下るように形成された傾斜面131と、傾斜面131の下縁から下方に延長して固定支柱6の後面61と平行な面に形成された制動解除面132とを備える。
そして、図12(b)に示すように、昇降体10が昇降動作中において原節130R:130と接触子143とが接触していない場合、即ち、接触子143が原節130Rと原節130との間に位置されている場合には、圧縮コイルばね114のばね力によって動作軸116の一端面115が車輪32の周面38に押し付けられて車輪32が回転できないような状態となる。つまり、制動手段110が制動動作状態に設定されて、後側旋回キャスター31Rの車輪32に制動が掛けられた状態に維持される。
さらに、図12(c)に示すように、昇降体10が最上位置に到達して歩行モードになった場合には、原節130の制動解除面132と接触子143とが接触し、原節130が従節140を前方(所定の方向)に移動させるので、ブレーキワイヤ118が牽引されることにより、動作軸116の一端面115が車輪32の周面38から離れて車輪32の回転が許容される。即ち、制動手段110が制動解除状態に設定されて、歩行支援装置1が移動手段3により移動可能となる。
実施形態3では、図13に示すように、制動構成部100が、引張りコイルばね114Aを有した制動手段110を備えた構成において、昇降体10が最上位置に到達して歩行モードに設定された場合にのみ、制動手段110を制動解除状態に設定する歩行支援装置1とした。
そして、昇降体10が上昇する過程において従節140の接触子143が、原節130Xの傾斜面134を通過した後、昇降体10が最上位置に到達した場合、即ち、原節130と接触子143とが接触していない状態においては、図13(c)に示すように、制動手段110は、引張りコイルばね114Aのばね力(戻り力)によって、動作軸116の一端面115が車輪32の周面38から離れて車輪32の回転が許容される制動解除状態に設定される。即ち、歩行モードとなる。
従って、実施形態3の歩行支援装置1によれば、実施形態1の歩行支援装置1と同様な効果が得られる。
実施形態4では、図14に示すように、制動構成部100が、引張りコイルばね114Aを有した制動手段110を備えた構成において、昇降体10が最上位置に到達して歩行モードに設定された場合、及び、昇降体10が最下位置に到達して連結時姿勢モードに設定された場合に、制動手段110を制動解除状態に設定する歩行支援装置1とした。
当該原節130Yは、昇降体10の前面11の上端から下方に一定距離離れた位置からから斜め前方に傾斜して下るように形成された傾斜面138と、当該傾斜面138の下端から下方に延長して固定支柱6の後面61と平行な面に形成された制動面139と、当該制動面139の下端から斜め後方に傾斜して下って昇降体10の前面11に到達するように形成された傾斜面137とを備える。
そして、図14(b)に示すように、昇降体10が昇降動作を行う支援動作中(起立支援動作中又は着座支援動作中)においては、原節130Yの制動面139と従節140の接触子143とが接触することで、ブレーキワイヤ118が牽引されて引張りコイルばね114Aが引っ張られ、動作軸116の一端面115が車輪32の周面38に押し付けられて車輪32が回転できない制動動作状態に設定される。
従って、実施形態4の歩行支援装置1によれば、実施形態2の歩行支援装置1と同様な効果が得られる。
即ち、本発明においては、制動制御手段120が、カム機構により構成され、当該カム機構は、昇降体10に設けられた原節と、ブレーキワイヤ180の他端部が固定された従節とを備え、原節が従節に作用して制動手段110を制動解除状態又は制動動作状態に設定するように構成されていればよい。
即ち、本発明においては、制動制御手段120が、カム機構により構成され、当該カム機構は、昇降体10に設けられた原節と、制動手段110に連結された従節とを備え、原節が従節に作用して制動手段を制動解除状態又は制動動作状態に設定するように構成されされていればよい。
7 昇降部材、8 昇降駆動手段、10 昇降体、20 支持部材、32 車輪、
38 車輪の周面、100 制動構成部、110 制動手段、111 取付板、
114 圧縮コイルばね、114A 引張りコイルばね、115 動作軸の一端面、
116 動作軸、117 力伝達部材、118 ブレーキワイヤ、119 接続部材、
120 制動制御手段、130 原節(カム)、140 従節。
Claims (3)
- 使用者の歩行を支援する歩行支援装置であって、
ベースと、ベースに設けられた移動手段と、ベースに設けられた起立着座動作支援手段と、移動手段の制動構成部とを備え、
起立着座動作支援手段は、使用者が着座した状態から起立する際の動作、及び、使用者が起立した状態から着座する際の動作を支援する手段であり、
当該起立着座動作支援手段は、昇降部材と、昇降部材を昇降させる昇降駆動手段とを備え、
昇降部材は、昇降駆動手段に連結されて昇降動作を行う昇降体と、昇降体に取付けられて使用者を支持する支持部材とを備え、
制動構成部は、昇降体が昇降動作中においては移動手段に制動を掛け、かつ、昇降体が最上位置に到達した場合には移動手段の制動を解除するように構成された歩行支援装置において、
制動構成部は、移動手段の車輪の回転を停止させる制動動作状態と車輪の回転を許容する制動解除状態とに設定される制動手段と、制動手段を制動動作状態と制動解除状態とに設定する制御を行う制動制御手段とを備え、
制動制御手段は、カム機構により構成され、当該カム機構は、昇降体に設けられた原節と、制動手段に連結された従節とを備え、原節が従節に作用して制動手段を制動解除状態又は制動動作状態に設定するように構成されたことを特徴とする歩行支援装置。 - 使用者の歩行を支援する歩行支援装置であって、
ベースと、ベースに設けられた移動手段と、ベースに設けられた起立着座動作支援手段と、移動手段の制動構成部とを備え、
起立着座動作支援手段は、使用者が着座した状態から起立する際の動作、及び、使用者が起立した状態から着座する際の動作を支援する手段であり、
当該起立着座動作支援手段は、昇降部材と、昇降部材を昇降させる昇降駆動手段とを備え、
昇降部材は、昇降駆動手段に連結されて昇降動作を行う昇降体と、昇降体に取付けられて使用者を支持する支持部材とを備え、
制動構成部は、昇降体が昇降動作中においては移動手段に制動を掛け、かつ、昇降体が最上位置に到達した場合には移動手段の制動を解除するように構成された歩行支援装置において、
制動構成部は、移動手段の車輪の周面に接触して車輪の回転を停止させる制動動作状態と車輪の周面から離れて車輪の回転を許容する制動解除状態とに設定される制動手段と、制動手段を制動動作状態と制動解除状態とに設定する制御を行う制動制御手段とを備え、
制動手段は、ベースに取付けられた取付板と、取付板に設けられた軸受孔と、車輪の周面と取付板との間に配置されて他端が取付板に固定されたコイルばねと、軸受孔及びコイルばねの円筒部を貫通するように設けられて一端面が車輪の周面と対向するように設けられた動作軸と、動作軸の一端側を貫通させる貫通孔を備えて当該貫通孔に動作軸の一端側を貫通させた状態で当該動作軸の一端側の周面及びコイルばねの一端に固定された力伝達部材と、ブレーキワイヤと、ブレーキワイヤの一端部と力伝達部材とを接続する接続部材とを備え、
制動制御手段は、カム機構により構成され、当該カム機構は、昇降体に設けられた原節と、ブレーキワイヤの他端部が固定された従節とを備え、原節が従節に作用して制動手段を制動解除状態又は制動動作状態に設定するように構成されたことを特徴とする歩行支援装置。 - 制動構成部は、昇降体が最下位置に到達した場合に移動手段の制動を解除するように構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の歩行支援装置。
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