JP7032070B2 - 製紙方法 - Google Patents
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湿紙表面に、微細セルロース繊維を含む分散液をスプレーにより噴霧する工程(b)、及び
上記表面に分散液が噴霧された湿紙をプレスにより脱水する工程(c)
を備える。当該製紙方法は、上記工程(b)の前に、上記湿紙を得る工程(a)をさらに備えることができる。また、上記工程(c)の後に、上記脱水された湿紙を乾燥する工程(d)をさらに備えることができる。
工程(a)では、抄紙機(ワイヤーパート)において、パルプスラリーがインレット(ヘッドボックス)からワイヤー上に噴射され、ワイヤー上に湿紙が形成される。
工程(b)では、湿紙表面に、微細セルロース繊維を含む分散液をスプレーにより噴霧する。このように、抄紙された湿紙表面に、微細セルロース繊維を含む分散液を噴霧することによって、湿紙表面に噴霧された分散液中の水分が相対的に水分率の少ない湿紙へ移行する。上記工程(b)は、工程(a)以降であってかつ工程(c)より前であればどのタイミングで行ってもよいが、抄紙機のワイヤー上の湿紙に対して噴霧を行うことが好ましい。具体的には、ワイヤーパートにおける後半段階の湿紙(ワイヤー上で適度に脱水がなされた状態の湿紙)に対してスプレー噴霧することが好ましい。このときの湿紙の好ましい固形分濃度等については後述する。
工程(c)においては、表面に分散液が噴霧された湿紙をプレスにより脱水する。この工程(c)は、プレスパートによって行われる。すなわち、工程(c)においては、表面に分散液が噴霧された湿紙が、何組かのロールの間でフェルトと共に加圧吸引され、脱水される。
工程(d)においては、上記工程(c)により脱水された湿紙を乾燥する。この乾燥は、通常、加熱乾燥である。乾燥工程は、ドライヤーパートによって行うことができ、例えば蒸気により過熱した円筒に密着させ、湿紙を蒸発乾燥する。
当該製紙方法は、工程(d)の後にさらに、塗工工程、カレンダー工程等を備えていてよい。塗工工程を設ける場合、通常、塗工工程後にさらに乾燥工程が設けられる。塗工工程やカレンダー工程を設けることで、微細セルロース繊維の表面の定着性を高めることなどもできる。但し、微細セルロース繊維は、基紙のパルプと強く水素結合可能であるため、これらの工程が無くとも十分に基紙表面に定着し、剛度を高める機能を発揮することができる。
(ガーレー剛度)
JIS L-1085:1998、JIP L-1096:2010に準拠して測定した。なお、表1においては、比ガーレー剛度として、ガーレー剛度を得られた乾紙の米坪(坪量)で除した値を記載した。
JIS P-8143:2009に準拠して測定した。なお、表1においては、比クラーク剛度として、クラーク剛度を得られた乾紙の米坪(坪量)で除した値を記載した。
乾燥工程を経て最終的に得られる乾紙の坪量(g/m2)に対する、乾燥工程で除去された1m2あたりの水分量(g/m2)の割合(単位面積あたりの除去水分量/乾紙坪量)を乾燥効率とした。
原料パルプ(NBKP:針葉樹晒クラフトパルプ)に対し、予備叩解としてリファイナー処理し、次いで高圧ホモジナイザーで解繊(微細化)処理し、微細セルロース繊維(CNF)の分散液(濃度2.0質量%)を得た。なお、リファイナー処理及び高圧ホモジナイザー処理は、いずれも複数回の循環処理を行った。得られたCNF分散液に含まれるCNFは、レーザー回折を用いた粒度分布測定の疑似粒度分布において1つのピークを有し(最頻値45μm)、保水度は343%であった。また、得られたCNFの平均繊維径は、30nmであった。
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を用いて、手抄きによって坪量約60g/m2の湿紙を得た。なお、手抄きのため各実施例でバラツキが生じることから、正確な秤量を得られた乾紙に対して行った。ワイヤー上に置いたこの湿紙(固形分濃度10質量%)の片面に、上記濃度2.0質量%のCNF分散液をスプレーにて固形分換算で1.2g/m2噴霧した。次いで、この湿紙をプレスによって脱水し、さらにシートドライヤーによって乾燥させ、実施例1の紙を得た。得られた紙(乾紙)の米坪(坪量)は、58.8g/m2であった。また、この乾燥効率は0.90であった。
乾紙の米坪、CNFの樹種、CNF分散液の濃度、及びCNF分散液の噴霧量を表1に示すとおりとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2~7の紙を得た。なお、乾紙の米坪は、湿紙の坪量及びCNF分散液の噴霧量にて調整した。これらの乾燥効率は、いずれも0.90であった。
CNFを噴霧しないこと以外は実施例1と同様にして、比較例1、2の紙を得た。得られた紙(乾紙)の米坪は、表1に示すとおりである。これらの乾燥効率は、ともに0.90であった。
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を用いて、手抄きによって坪量約60g/m2の湿紙を得た。この湿紙をプレスによって脱水し、さらにシートドライヤーによって乾燥させ、乾紙を得た。この乾紙の片面に、濃度1.5質量%のCNF分散液を固形分換算で1.2g/m2ブレード塗工し、乾燥させて比較例3の紙を得た。得られた紙(乾紙)の米坪は、表1に示すとおりである。この乾燥効率は2.09であった。
得られた実施例1~7及び比較例1~3の各紙について、上記した方法にて、クラーク剛度及びガーレー剛度を測定した。測定結果として、米坪で除したクラーク剛度(比クラーク剛度)及び米坪で除したガーレー剛度(比ガーレー剛度)を表1に示す。また、別途、CNF分散液を噴霧していない実質的に同じ坪量の紙の比クラーク剛度及び比ガーレー剛度と比較した向上率を求めた。すなわち、実施例1、2、4~7及び比較例3は、比較例1に対する向上率であり、実施例3は、比較例2に対する向上率である。これらも表1に示す。
Claims (6)
- 湿紙表面に、微細セルロース繊維を含む分散液をスプレーにより噴霧する工程、及び
上記表面に分散液が噴霧された湿紙をプレスにより脱水する工程
を備え、
上記微細セルロース繊維が疑似粒度分布曲線において単一のピークを有し、
上記微細セルロース繊維の保水度が100%以上500%以下である製紙方法。 - 上記噴霧を抄紙機のワイヤー上の湿紙に対して行う請求項1に記載の製紙方法。
- 上記微細セルロース繊維が、広葉樹を原料とする微細セルロース繊維を含み、
上記広葉樹を原料とする微細セルロース繊維の全微細セルロース繊維に占める含有率が、50%質量以上である請求項1又は請求項2に記載の製紙方法。 - 上記噴霧工程に供せられる湿紙の固形分濃度が5質量%以上50質量%以下であり、
上記分散液の固形分濃度が0.5質量%以上5質量%以下である請求項1~3のいずれか1項に記載の製紙方法。 - 上記噴霧工程に供せられる湿紙の固形分換算における坪量が20g/m2以上であり、
上記分散液の固形分換算における噴霧量が0.1g/m2以上5g/m2以下である請求項1~4のいずれか1項に記載の製紙方法。 - 上記脱水工程後に、上記脱水された湿紙を乾燥する工程をさらに備え、
上記乾燥工程を経て得られる乾紙の坪量に対する、乾燥工程で除去された1m2あたりの水分量の割合が、1.5以下である請求項1~5のいずれか1項に記載の製紙方法。
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