JP7029979B2 - 温度制御装置、温度制御方法、および荷電粒子線装置 - Google Patents

温度制御装置、温度制御方法、および荷電粒子線装置 Download PDF

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Description

本発明は、温度制御装置、温度制御方法、および荷電粒子線装置に関する。
電子顕微鏡や電子ビーム描画装置等の荷電粒子線装置では、高精度の温度管理が必要である。例えば、電子顕微鏡や電子ビーム描画装置に用いられる電子レンズは、コイルに流れる電流による発熱を伴うため冷却の必要がある。このとき、電子レンズを冷却するための冷却水に許容される温度変動範囲は、きわめて小さい。そのため、荷電粒子線装置に用いられる冷却水循環装置(冷却水の温度を制御する温度制御装置)には、高い温度安定性が要求される。
例えば、特許文献1には、コンプレッサー、凝縮器、冷却用膨張弁、および熱交換器を有するとともに、冷却用膨張弁で低圧にされた冷媒にコンプレッサーで高圧にされた高温の冷媒を混合するホットガス用膨張弁を具備した冷凍機を用いて、温調対象に供給する制御媒体の温度を設定温度に制御する方法が開示されている。
特許文献1に記載された温度制御方法では、温調対象に供給される制御媒体の温度を検知する温度センサーを配置して、この温度センサーによる検知結果に応じて、冷却用膨張弁の開度とホットガス用膨張弁の開度を互いに反比例するように制御している。これにより、熱交換器に供給される冷媒の量を一定に調整している。この結果、一次側循環回路の内部を循環する冷媒の循環量を一定に維持することができ、コンプレッサーの仕事量を一定に維持してその作動を安定させている。
特開2016-84972号公報
上述したように、荷電粒子線装置等に用いられる冷却水循環装置(温度制御装置)には、冷却水に対して高い温度安定性が要求されるため、温度安定性に優れた温度制御装置が望まれている。
本発明の目的は、温度安定性に優れた温度制御装置、温度制御方法、および荷電粒子線装置を提供することにある。
本発明に係る温度制御装置の一態様は、
循環する流体を加熱するヒーターと、
前記流体を冷却する冷却装置と、
前記流体の温度を測定する温度センサーと、
前記流体の温度の測定結果に基づいて、前記流体の温度を制御する制御部と、
を含み、
前記冷却装置は、
前記流体と冷媒との間の熱交換により前記流体を冷却する蒸発器と、
前記蒸発器を通過した冷媒を圧縮する圧縮器と、
前記圧縮器で圧縮された冷媒を冷却し凝縮させる凝縮器と、
前記圧縮器で圧縮された冷媒を前記蒸発器に供給する第1流量調整弁と、
前記凝縮器で冷却された冷媒を減圧して前記蒸発器に供給する第2流量調整弁と、
を有し、
前記制御部は、
前記測定結果と設定温度との温度偏差に基づいて、前記ヒーターを制御する処理と、
前記ヒーターの出力が設定された上限出力値に達した場合に、前記第1流量調整弁を第1開度ステップだけ開き、かつ、前記ヒーターの出力を第1出力値だけ低減する処理と、
前記第1流量調整弁の開度が設定された上限開度に達した場合に、前記第2流量調整弁を第2開度ステップだけ閉じ、かつ、前記第1流量調整弁を第3開度ステップだけ閉じる処理と、
を行い、
前記上限開度は、前記第2流量調整弁の開度ごとに設定され、
前記制御部は、前記温度偏差に基づいて、前記第1出力値を設定する
本発明に係る温度制御装置の一態様は、
循環する流体を加熱するヒーターと、
前記流体を冷却する冷却装置と、
前記流体の温度を測定する温度センサーと、
前記流体の温度の測定結果に基づいて、前記流体の温度を制御する制御部と、
を含み、
前記冷却装置は、
前記流体と冷媒との間の熱交換により前記流体を冷却する蒸発器と、
前記蒸発器を通過した冷媒を圧縮する圧縮器と、
前記圧縮器で圧縮された冷媒を冷却し凝縮させる凝縮器と、
前記圧縮器で圧縮された冷媒を前記蒸発器に供給する第1流量調整弁と、
前記凝縮器で冷却された冷媒を減圧して前記蒸発器に供給する第2流量調整弁と、
を有し、
前記制御部は、
前記測定結果と設定温度との温度偏差に基づいて、前記ヒーターを制御する処理と、
前記ヒーターの出力が設定された上限出力値に達した場合に、前記第1流量調整弁を第1開度ステップだけ開き、かつ、前記ヒーターの出力を第1出力値だけ低減する処理と、
前記第1流量調整弁の開度が設定された上限開度に達した場合に、前記第2流量調整弁を第2開度ステップだけ閉じ、かつ、前記第1流量調整弁を第3開度ステップだけ閉じる処理と、
を行い、
前記上限開度は、前記第2流量調整弁の開度ごとに設定され、
前記制御部は、前記温度偏差に基づいて、前記第1流量調整弁を前記第1開度ステップだけ開く処理を行った後のインターバル時間を設定する
本発明に係る温度制御装置の一態様は、
循環する流体を加熱するヒーターと、
前記流体を冷却する冷却装置と、
前記流体の温度を測定する温度センサーと、
前記流体の温度の測定結果に基づいて、前記流体の温度を制御する制御部と、
を含み、
前記冷却装置は、
前記流体と冷媒との間の熱交換により前記流体を冷却する蒸発器と、
前記蒸発器を通過した冷媒を圧縮する圧縮器と、
前記圧縮器で圧縮された冷媒を冷却し凝縮させる凝縮器と、
前記圧縮器で圧縮された冷媒を前記蒸発器に供給する第1流量調整弁と、
前記凝縮器で冷却された冷媒を減圧して前記蒸発器に供給する第2流量調整弁と、
を有し、
前記制御部は、
前記測定結果と設定温度との温度偏差に基づいて、前記ヒーターを制御する処理と、
前記ヒーターの出力が設定された上限出力値に達した場合に、前記第1流量調整弁を第1開度ステップだけ開き、かつ、前記ヒーターの出力を第1出力値だけ低減する処理と、
前記第1流量調整弁の開度が設定された上限開度に達した場合に、前記第2流量調整弁を第2開度ステップだけ閉じ、かつ、前記第1流量調整弁を第3開度ステップだけ閉じる処理と、
を行い、
前記上限開度は、前記第2流量調整弁の開度ごとに設定され、
前記制御部は、前記温度偏差に基づいて、前記第2流量調整弁を前記第2開度ステップだけ閉じる処理を行った後のインターバル時間を設定する。
このような温度制御装置では、制御部が上記の処理を行うため、優れた温度安定性を有することができる。さらに、このような温度制御装置では、第1流量調整弁の上限開度が第2流量調整弁の開度ごとに設定されているため、高い冷却能力を発揮でき、かつ、冷却装置を安定して動作させることができる。
本発明に係る温度制御装置の一態様は、
循環する流体を加熱するヒーターと、
前記流体を冷却する冷却装置と、
前記流体の温度を測定する温度センサーと、
前記流体の温度の測定結果に基づいて、前記流体の温度を制御する制御部と、
を含み、
前記冷却装置は、
前記流体と冷媒との間の熱交換により前記流体を冷却する蒸発器と、
前記蒸発器を通過した冷媒を圧縮する圧縮器と、
前記圧縮器で圧縮された冷媒を冷却し凝縮させる凝縮器と、
前記圧縮器で圧縮された冷媒を前記蒸発器に供給する第1流量調整弁と、
前記凝縮器で冷却された冷媒を減圧して前記蒸発器に供給する第2流量調整弁と、
を有し、
前記制御部は、
前記測定結果と設定温度との温度偏差に基づいて、前記ヒーターを制御する処理と、
前記ヒーターの出力が設定された上限出力値に達した場合に、前記第1流量調整弁を第1開度ステップだけ開き、かつ、前記ヒーターの出力を第1出力値だけ低減する処理と、
前記第1流量調整弁の開度が設定された上限開度に達した場合に、前記第2流量調整弁を第2開度ステップだけ閉じ、かつ、前記第1流量調整弁を第3開度ステップだけ閉じる処理と、
を行い、
前記制御部は、前記温度偏差に基づいて、前記第1開度ステップ、前記第2開度ステップ、および前記第3開度ステップを設定する。
このような温度制御装置では、制御部が上記の処理を行うため、優れた温度安定性を有することができる。さらに、このような温度制御装置では、流体と冷媒との温度偏差に基づいて、第1開度ステップ、第2開度ステップ、および第3開度ステップを設定するため、温度偏差が大きい場合には高速な応答を得ることができ、温度偏差が小さい場合には過渡応答を抑制できる。
本発明に係る温度制御方法の一態様は、
循環する流体を加熱するヒーターと、
前記流体を冷却する冷却装置と、
前記流体の温度を測定する温度センサーと、
を含み、
前記冷却装置は、
前記流体と冷媒との間の熱交換により前記流体を冷却する蒸発器と、
前記蒸発器を通過した冷媒を圧縮する圧縮器と、
前記圧縮器で圧縮された冷媒を冷却し凝縮させる凝縮器と、
前記圧縮器で圧縮された冷媒を前記蒸発器に供給する第1流量調整弁と、
前記凝縮器で冷却された冷媒を減圧して前記蒸発器に供給する第2流量調整弁と、
を有する温度制御装置を用いた温度制御方法であって、
前記流体の温度と設定温度との温度偏差に基づいて、前記ヒーターを制御する工程と、
前記ヒーターの出力が設定された上限出力値に達した場合に、前記第1流量調整弁を第1開度ステップだけ開き、かつ、前記ヒーターの出力を第1出力値だけ低減する工程と、
前記第1流量調整弁の開度が設定された上限開度に達した場合に、前記第2流量調整弁を第2開度ステップだけ閉じ、かつ、前記第1流量調整弁を第3開度ステップだけ閉じる工程と、
を含み、
前記上限開度は、前記第2流量調整弁の開度ごとに設定され、
前記温度偏差に基づいて、前記第1出力値を設定する
本発明に係る温度制御方法の一態様は、
循環する流体を加熱するヒーターと、
前記流体を冷却する冷却装置と、
前記流体の温度を測定する温度センサーと、
を含み、
前記冷却装置は、
前記流体と冷媒との間の熱交換により前記流体を冷却する蒸発器と、
前記蒸発器を通過した冷媒を圧縮する圧縮器と、
前記圧縮器で圧縮された冷媒を冷却し凝縮させる凝縮器と、
前記圧縮器で圧縮された冷媒を前記蒸発器に供給する第1流量調整弁と、
前記凝縮器で冷却された冷媒を減圧して前記蒸発器に供給する第2流量調整弁と、
を有する温度制御装置を用いた温度制御方法であって、
前記流体の温度と設定温度との温度偏差に基づいて、前記ヒーターを制御する工程と、
前記ヒーターの出力が設定された上限出力値に達した場合に、前記第1流量調整弁を第1開度ステップだけ開き、かつ、前記ヒーターの出力を第1出力値だけ低減する工程と、
前記第1流量調整弁の開度が設定された上限開度に達した場合に、前記第2流量調整弁を第2開度ステップだけ閉じ、かつ、前記第1流量調整弁を第3開度ステップだけ閉じる工程と、
前記温度偏差に基づいて、前記第1流量調整弁を前記第1開度ステップだけ開く工程を行った後のインターバル時間を設定する工程と、
を含み、
前記上限開度は、前記第2流量調整弁の開度ごとに設定されている。
本発明に係る温度制御方法の一態様は、
循環する流体を加熱するヒーターと、
前記流体を冷却する冷却装置と、
前記流体の温度を測定する温度センサーと、
を含み、
前記冷却装置は、
前記流体と冷媒との間の熱交換により前記流体を冷却する蒸発器と、
前記蒸発器を通過した冷媒を圧縮する圧縮器と、
前記圧縮器で圧縮された冷媒を冷却し凝縮させる凝縮器と、
前記圧縮器で圧縮された冷媒を前記蒸発器に供給する第1流量調整弁と、
前記凝縮器で冷却された冷媒を減圧して前記蒸発器に供給する第2流量調整弁と、
を有する温度制御装置を用いた温度制御方法であって、
前記流体の温度と設定温度との温度偏差に基づいて、前記ヒーターを制御する工程と、
前記ヒーターの出力が設定された上限出力値に達した場合に、前記第1流量調整弁を第1開度ステップだけ開き、かつ、前記ヒーターの出力を第1出力値だけ低減する工程と、
前記第1流量調整弁の開度が設定された上限開度に達した場合に、前記第2流量調整弁を第2開度ステップだけ閉じ、かつ、前記第1流量調整弁を第3開度ステップだけ閉じる工程と、
前記温度偏差に基づいて、前記第2流量調整弁を前記第2開度ステップだけ閉じる工程を行った後のインターバル時間を設定する工程と、
を含み、
前記上限開度は、前記第2流量調整弁の開度ごとに設定されている。
このような温度制御方法は、後述するように、温度安定性に優れている。さらに、このような温度制御方法では、第1流量調整弁の上限開度が第2流量調整弁の開度ごとに設定されているため、高い冷却能力を発揮でき、かつ、冷却装置を安定して動作させることができる。
本発明に係る温度制御方法の一態様は、
循環する流体を加熱するヒーターと、
前記流体を冷却する冷却装置と、
前記流体の温度を測定する温度センサーと、
を含み、
前記冷却装置は、
前記流体と冷媒との間の熱交換により前記流体を冷却する蒸発器と、
前記蒸発器を通過した冷媒を圧縮する圧縮器と、
前記圧縮器で圧縮された冷媒を冷却し凝縮させる凝縮器と、
前記圧縮器で圧縮された冷媒を前記蒸発器に供給する第1流量調整弁と、
前記凝縮器で冷却された冷媒を減圧して前記蒸発器に供給する第2流量調整弁と、
を有する温度制御装置を用いた温度制御方法であって、
前記流体の温度と設定温度との温度偏差に基づいて、前記ヒーターを制御する工程と、
前記ヒーターの出力が設定された上限出力値に達した場合に、前記第1流量調整弁を第1開度ステップだけ開き、かつ、前記ヒーターの出力を第1出力値だけ低減する工程と、
前記第1流量調整弁の開度が設定された上限開度に達した場合に、前記第2流量調整弁を第2開度ステップだけ閉じ、かつ、前記第1流量調整弁を第3開度ステップだけ閉じる工程と、
を含み、
前記温度偏差に基づいて、前記第1開度ステップ、前記第2開度ステップ、および前記第3開度ステップを設定する。
このような温度制御方法は、後述するように、温度安定性に優れている。さらに、このような温度制御方法では、流体と冷媒との温度偏差に基づいて、第1開度ステップ、第2開度ステップ、および第3開度ステップを設定するため、温度偏差が大きい場合には高速な応答を得ることができ、温度偏差が小さい場合には過渡応答を抑制できる。
本発明に係る荷電粒子線装置の一態様は、
前記温度制御装置の一態様を含む。
このような荷電粒子線装置では、前記温度制御装置の一態様を含むため、安定した動作が可能である。
実施形態に係る温度制御装置の構成を示す図。 第1処理における、ヒーター、ホットガスバルブ、クールガスバルブの動作イメージ図。 第1処理における、ヒーター、ホットガスバルブ、クールガスバルブの動作イメージ図。 第1処理における、ヒーター、ホットガスバルブ、クールガスバルブの動作イメージ図。 クールガスバルブおよびホットガスバルブの開度に応じた冷凍能力を示す図。 ホットガスバルブの開度およびクールガスバルブの開度を制限する手法を模式的に示す図。 ホットガスバルブの開度およびクールガスバルブの開度の制御の様子を示す図。 ホットガスバルブの開度およびクールガスバルブの開度の制御の様子を示す図。 実施形態に係る温度制御装置の処理の一例を示すフローチャート。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 温度制御装置
まず、本実施形態に係る温度制御装置の構成について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る温度制御装置100の構成を示す図である。
温度制御装置100は、循環水の温度を制御して、冷却対象の温度を制御する装置である。
図示の例では、温度制御装置100は、荷電粒子線装置1000に組み込まれている。荷電粒子線装置1000は、例えば、電子顕微鏡である。当該電子顕微鏡は、例えば、透過電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope、TEM)、走査透過電子顕微鏡(Scanning Transmission Electron Microscope、STEM)、走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)等である。また、荷電粒子線装置1000は、FIB(Focused Ion Beam)加工装置等であってもよい。
温度制御装置100は、循環水の温度を制御して冷却対象1010に供給する。冷却対象1010は、例えば、電子顕微鏡の電子レンズや、当該電子レンズの電源、油拡散ポンプ等である。荷電粒子線装置1000は、図示の例では、1つの冷却対象1010を有しているが、冷却対象1010が複数あってもよい。
温度制御装置100は、図1に示すように、送水流路10aと、戻水流路10bと、ポ
ンプ20と、冷却装置30と、ヒーター40と、温度センサー50と、制御部60と、を含む。
送水流路10aは、循環水を冷却対象1010に送るための流路である。送水流路10aには、第1熱交換器2aおよび第2熱交換器2bで温度調整された循環水が流れる。送水流路10aは、冷却対象1010に循環水を流通させるための流路1002に接続されている。循環水は、送水流路10aから流路1002を通って冷却対象1010に供給される。
戻水流路10bは、冷却対象1010に供給されて温度制御装置100に戻った循環水を、第1熱交換器2aおよび第2熱交換器2bに導くための流路である。戻水流路10bは、冷却対象1010を流通した循環水を、第1熱交換器2aおよび第2熱交換器2bに導く。
送水流路10a、流路1002、および戻水流路10bによって、循環水を循環させるための循環流路が構成されている。循環流路は、循環水を温度制御装置100と冷却対象1010との間で循環させるための流路である。
ポンプ20は、循環水を送るための送水ポンプである。ポンプ20によって、送水流路10a、流路1002、および戻水流路10bからなる循環流路に循環水を循環させることができる。
冷却装置30は、循環水を冷却する。冷却装置30は、循環水を冷却するための冷媒を循環させている。冷却装置30は、循環式の冷却装置であり、液化された冷媒を気化および膨張させて冷却する。冷却装置30は、例えば、冷凍機である。冷却装置30は、冷媒流路302と、コンプレッサー(圧縮器)304と、凝縮器306と、ホットガスバルブ308(第流量調整弁)と、クールガスバルブ310(第流量調整弁)と、第1熱交換器2aとして機能する蒸発器312と、を含んで構成されている。
冷媒流路302は、冷媒を循環させるための流路である。
コンプレッサー304は、蒸発器312を通過した冷媒を圧縮する。コンプレッサー304は、蒸発器312において循環水との熱交換により温度が上昇した冷媒(冷媒ガス)を圧縮する。これにより、冷媒の温度が上昇する(断熱圧縮)。コンプレッサー304で圧縮されて高温となった冷媒ガスの少なくとも一部は、凝縮器306に送られる。
凝縮器306は、コンプレッサー304で高温となった冷媒ガスを冷却し凝縮させる。これにより、冷媒ガスは液化する。凝縮器306は、冷媒ガスと冷却水供給流路307を流れる冷却水との熱交換により、冷媒ガスを冷却し液化する。冷却水供給流路307を流れる冷却水は、例えば、温度制御装置100の外部から供給される。凝縮器306で液化した冷媒は、クールガスバルブ310に送られる。
クールガスバルブ310は、液化した冷媒を減圧して蒸発器312に供給する。液化した冷媒を減圧することによって、例えば、冷媒を低温のガスとする(断熱膨張)。クールガスバルブ310を開くほど(すなわち開度が大きくなるほど)、低温の冷媒の供給量は多くなる。クールガスバルブ310の開度は、制御部60によって制御される。クールガスバルブ310で低温のガスとなった冷媒は、蒸発器312に供給される。
ホットガスバルブ308は、コンプレッサー304で圧縮されて高温となった冷媒(冷媒ガス)の一部を蒸発器312に供給する。ホットガスバルブ308によって、クールガ
スバルブ310で低温のガスとなった冷媒と、コンプレッサー304で圧縮されて高温となった冷媒と、の混合比を調整することができる。ホットガスバルブ308を開くほど(すなわち開度が大きくなるほど)、高温の冷媒の供給量は多くなる。ホットガスバルブ308の開度は、制御部60によって制御される。
蒸発器312は、第1熱交換器2aとして機能する。第1熱交換器2aでは、冷却装置30を循環する冷媒と循環水との間で熱交換が行われ、循環水が冷却される。蒸発器312では、冷媒が気化することで周囲から熱を奪うことを利用して、循環水を冷却する。蒸発器312内には、戻水流路10bと、冷却装置30の冷媒流路302と、が通っている。蒸発器312では、冷媒流路302を通る冷媒と戻水流路10bを通る循環水との間で熱交換が行われる。蒸発器312で冷却された循環水は、第2熱交換器2bに送られる。
ヒーター40は、例えば、電流を供給することによってジュール熱を発生する発熱体である。ヒーター40の発熱量は、ヒーター電源42を制御部60で制御することで制御される。
第2熱交換器2bでは、ヒーター40で発生した熱と循環水との間で熱交換が行われ、循環水が加熱される。第2熱交換器2bには、ヒーター40が内蔵されている。第2熱交換器2bでは、ヒーター40と戻水流路10bを通る循環水との間で熱交換が行われる。第2熱交換器2bで加熱されて温度調整された循環水は、送水流路10aを通って冷却対象1010に送られる。
温度センサー50は、送水流路10aに設けられている。温度センサー50は、第1熱交換器2aおよび第2熱交換器2bで温度調整され冷却対象1010に送られる循環水の温度を測定する。温度センサー50は、例えば、金属の電気抵抗値が温度変化によって変動することを利用したセンサーである。温度センサー50は、循環水の温度の測定結果の情報を制御部60に送る。
制御部60は、ヒーター40、ホットガスバルブ308、およびクールガスバルブ310を制御する。制御部60の処理については後述する。制御部60は、専用回路によって実現して後述する制御を行うように構成されていてもよい。また、制御部60は、CPU(Central Processing Unit)が記憶装置(図示せず)に記憶された制御プログラムを実行することによって、後述される制御を行うように構成されていてもよい。
ここで、ヒーター40は、ホットガスバルブ308よりも温度制御分解能(循環水の温度制御に対する分解能)が高い。また、ホットガスバルブ308は、クールガスバルブ310よりも温度制御分解能が高い。温度制御分解能は、熱量の最小制御量と言い換えることができる。すなわち、ヒーター40は、ホットガスバルブ308よりも高精度に温度制御することができる。また、ホットガスバルブ308は、クールガスバルブ310よりも高精度に温度制御することができる。例えば、ホットガスバルブ308の開度を最小可変単位で変化させたときの循環水の温度変化は、クールガスバルブ310の開度を最小可変単位で変化させたときの循環水の温度変化よりも小さい。
2. 温度制御装置の動作
次に、温度制御装置100の動作について説明する。
温度制御装置100は、温度制御された循環水をポンプ20で冷却対象1010に送り、冷却対象1010の温度を制御する。循環水は、第1熱交換器2aで冷却され、第2熱交換器2bで加熱される。
第1熱交換器2a内の冷媒流路302を流れる低温の冷媒ガスは、第1熱交換器2a(蒸発器312)内での循環水との熱交換によって温度が上昇し、その後、コンプレッサー304で圧縮され、さらに高温のガスとなる。この高温のガスは、凝縮器306内の冷却水供給流路307を流れる冷却水との熱交換により、冷却され液化する。液化した冷媒は、クールガスバルブ310において減圧されて低温のガスとなる。クールガスバルブ310を開くほど低温の冷媒ガスの供給量が多くなる。
一方、コンプレッサー304で圧縮されて高温となった冷媒ガスの一部は、ホットガスバルブ308を介して、クールガスバルブ310で低温となった冷媒ガスと混合される。ホットガスバルブ308を開くほど、蒸発器312に供給される高温の冷媒ガスの量が多くなる。クールガスバルブ310の開度とホットガスバルブ308の開度を制御することによって、第1熱交換器2aを流れる冷媒ガスの温度と流量を調整できる。
第1熱交換器2aの後段の第2熱交換器2b内には、ヒーター40が内蔵されており、戻水流路10bを流れる循環水とヒーター40との間で熱交換が行われる。
制御部60は、温度センサー50で測定された循環水の温度と指令温度(設定温度)との偏差に基づいて、ヒーター電源42の出力を制御する。さらに、制御部60は、クールガスバルブ310の開度、およびホットガスバルブ308の開度を制御する。これにより、循環水の温度が指令温度で安定するように循環水の温度を制御する。制御部60の処理については、以下の「3. 制御部の処理」で説明する。
3. 制御部の処理
制御部60は、後述する第1処理、第2処理、および第3処理を行うことで、循環水の温度を指令温度(設定温度)で安定させる。以下、第1処理、第2処理、および第3処理について説明する。
3.1. 第1処理
制御部60は、温度センサー50で測定された循環水の温度の測定結果に基づいてヒーター40を動作させ、かつ、ホットガスバルブ308の開度およびクールガスバルブ310の開度を保持する第1処理を行う。
制御部60は、循環水の温度と指令温度(設定温度)との偏差に基づいて、ヒーター電源42の出力をフィードバック制御する。補償器としては、例えば、PID(Proportional Integral Derivative)補償器を用いる。循環水の温度は、温度センサー50の測定結果である。
このとき、制御部60は、ホットガスバルブ308の開度およびクールガスバルブ310の開度を保持する。指令温度の情報は、例えば、記憶装置(図示せず)に記憶されており、制御部60は、記憶装置に記憶された指令温度の情報を読み出して、循環水の温度との偏差を求める。
図2は、制御部60の第1処理の一例を説明するための、ヒーター40、ホットガスバルブ308、クールガスバルブ310の動作イメージ図である。なお、図2は、循環水の指令温度を上げた場合であって、循環水の指令温度の変化が比較的小さい場合(ヒーター40の温度制御範囲内の場合)である。なお、図2に示すヒーター出力、ホットガスバルブ308の開度、およびクールガスバルブ310の開度は、一例であり、この値に限定されない。また、後述する図3および図4に示すヒーター出力、ホットガスバルブ308の開度、およびクールガスバルブ310の開度についても同様である。
図2に示すように、初期状態では、ヒーター40の出力が50%、ホットガスバルブ308の開度が50%、クールガスバルブ310の開度が50%の状態で、循環水の温度が指令温度(初期値)で安定している。指令温度が初期値よりも高い温度に変更されると、制御部60は、循環水の温度と指令温度との偏差に基づいて、PID制御される。このとき、制御部60は、ホットガスバルブ308の開度およびクールガスバルブ310の開度を50%に保持する。第1処理の結果、循環水の温度が上昇し、循環水の温度を指令温度で安定させることができる。
3.2. 第2処理
制御部60は、ヒーター40の出力が設定された上限出力値または設定された下限出力値に達した場合に、ホットガスバルブ308の開度を変化させるとともに、ヒーター40をホットガスバルブ308の開度の変化による熱量変化を相殺する方向に動作させる第2処理を行う。
ここで、ホットガスバルブ308の出力の変化による熱量変化を相殺する方向にヒーター40を動作させるとは、例えば、ホットガスバルブ308の開度を変化させることで循環水の温度が低下する場合、ヒーター40の出力を循環水の温度が上昇するように動作させることをいう。また、例えば、ホットガスバルブ308の開度を変化させることで循環水の温度が上昇する場合、ヒーター40の出力を循環水の温度が低下するように動作させることをいう。
制御部60は、例えば、ヒーター40の出力が100%(上限出力値)に達した場合、または0%(下限出力値)に達した場合に、第2処理を行う。第2処理において、クールガスバルブ310の開度は保持される。制御部60は、例えば、ヒーター40を制御するための制御信号から、ヒーター40の出力の情報を取得する。
具体的には、制御部60は、ヒーター40の出力が100%に達した場合、ホットガスバルブ308を設定された開度ステップHVだけ開く処理を行う。制御部60は、ホットガスバルブ308を開度ステップHVだけ開く際に、ホットガスバルブ308を開度ステップHVだけ開くことによる循環水の温度上昇分の熱量を相殺するように、ヒーター40の出力を第1出力値だけ減少させる。制御部60は、例えば、PIDの各操作量のうち積分操作量を減じることによって熱量を相殺する。
一方、制御部60は、ヒーター40の出力が0%に達した場合、ホットガスバルブ308を設定された開度ステップHVだけ閉じる処理を行う。制御部60は、ホットガスバルブ308を開度ステップHVだけ閉じる際に、ホットガスバルブ308を開度ステップHVだけ閉じることによる循環水の温度低下分の熱量を相殺するように、ヒーター40の出力を第2出力値だけ増加させる。制御部60は、例えば、PIDの各操作量のうち積分操作量を増やすことによって熱量を相殺する。
なお、上限出力値は100%に限定されない。例えば、上限出力値は、80%程度であってもよい。また、下限出力値は0%に限定されない。例えば、下限出力値は、20%程度であってもよい。
ここで、ホットガスバルブ308の開度と循環水に与えられる熱量とは線形ではないため、制御部60は、ホットガスバルブ308の絶対開度の値と単位開度だけ開閉したときの熱量変化との関係を示すテーブルを参照して、上述した第2処理を行ってもよい。
なお、制御部60は、ホットガスバルブ308の開度の変化による熱量変化を相殺する方向にヒーター40を動作させれば、その相殺量(第1出力値、第2出力値)は特に限定
されない。ヒーター40による熱量変化の相殺量は、ホットガスバルブ308の開度の変化による熱量変化を完全に相殺する量でなくてもよい。
図3は、制御部60の第2処理の一例を説明するための、ヒーター40、ホットガスバルブ308、クールガスバルブ310の動作イメージ図である。なお、図3は、循環水の指令温度を上げた場合であって、指令温度の変化が図2の例に比べて大きい場合(ヒーター40の温度制御範囲外であって、ホットガスバルブ308の温度制御範囲内の場合)である。
指令温度が初期値よりも高い温度に変更されると、制御部60は、循環水の温度と指令温度との偏差に基づいてヒーター40を動作させる第1処理を行う。これにより、図3に示すように、ヒーター40の出力が増加し、循環水の温度が上昇する。
制御部60は、ヒーター40の出力が100%(上限出力値)に到達すると、ホットガスバルブ308を開度ステップHVだけ開くとともに、ホットガスバルブ308を開度ステップHVだけ開くことによる循環水の温度上昇分の熱量を相殺するようにヒーター40の出力を第1出力値だけ減少させる第2処理を行う。この第2処理により、ヒーター40の出力は減少するため、制御部60は、再び、第1処理を行う。このとき、制御部60は、ホットガスバルブ308およびクールガスバルブ310の開度を保持するため、ホットガスバルブ308は初期状態から開度ステップHVだけ開いた状態で保持される。以上の動作により、循環水の温度が上昇し、循環水の温度を指令温度で安定させることができる。
3.3. 第3処理
制御部60は、ホットガスバルブ308の開度が設定された上限開度または下限開度に達した場合に、クールガスバルブ310の開度を変化させるとともに、ホットガスバルブ308をクールガスバルブ310の開度の変化による熱量変化を相殺する方向に動作させる第3処理を行う。
具体的には、制御部60は、ホットガスバルブ308の開度が上限開度になった場合、クールガスバルブ310を開度ステップCVだけ閉じる処理を行う。制御部60は、クールガスバルブ310を開度ステップCVだけ閉じる際に、クールガスバルブ310を開度ステップCVだけ閉じることによる循環水の温度上昇分の熱量を相殺するように、ホットガスバルブ308を開度ステップHVだけ閉じる。
一方、制御部60は、ホットガスバルブ308の開度が下限開度になった場合、クールガスバルブ310を開度ステップCVだけ開く処理を行う。制御部60は、クールガスバルブ310を開度ステップCVだけ開く際に、クールガスバルブ310を開度ステップCVだけ開くことによる循環水の温度低下分の熱量を相殺するように、ホットガスバルブ308を開度ステップHVだけ開く。
ここで、クールガスバルブ310の開度と循環水に与えられる熱量とは線形ではないため、制御部60は、クールガスバルブ310の絶対開度の値と単位開度だけ開閉したときの熱量変化との関係を示すテーブルを参照して、上述した第3処理を行ってもよい。
なお、制御部60は、クールガスバルブ310の開度の変化による熱量変化を相殺する方向にホットガスバルブ308を動作させれば、その相殺量(開度ステップHV、開度ステップHV)は特に限定されない。ホットガスバルブ308による熱量変化の相殺量は、クールガスバルブ310の開度の変化による熱量変化を完全に相殺する量でなくてもよい。
図4は、制御部60の第3処理の一例を説明するための、ヒーター40、ホットガスバルブ308、クールガスバルブ310の動作イメージ図である。なお、図4は、循環水の指令温度を上げた場合であって、指令温度の変化が図2および図3の例に比べて大きい場合(ヒーター40およびホットガスバルブ308の温度制御範囲外であって、クールガスバルブ310の温度制御範囲内の場合)である。
指令温度が初期値よりも高い温度に変更されると、制御部60は、第1処理を行う。これにより、ヒーター40の出力が増加する。そして、制御部60は、ヒーター40の出力が100%(上限出力値)に到達すると、第2処理を行う。この第2処理により、ヒーター40の出力は減少し、制御部60は、再び、第1処理を行う。
ここで、指令温度の変化が大きい場合、図4に示すように、制御部60では、第1処理と第2処理とが繰り返される。
第1処理と第2処理とが繰り返されることにより、ホットガスバルブ308の開度が徐々に大きくなり、開度が上限開度になると、制御部60は、クールガスバルブ310を開度ステップCVだけ閉じるとともに、クールガスバルブ310を開度ステップCVだけ閉じることによる循環水の温度上昇分の熱量を相殺するようにホットガスバルブ308を開度ステップHVだけ減少させる第3処理を行う。そして、制御部60は、再び、第1処理を行う。以上の動作により、循環水の温度が上昇し、循環水の温度を指令温度で安定させることができる。
3.4. ホットガスバルブの開度の範囲およびクールガスバルブの開度の範囲
本実施形態では、ホットガスバルブ308の開度およびクールガスバルブ310の開度が制限されている。以下、その理由について説明する。
冷媒による冷凍能力は、コンプレッサー304によって減圧された蒸発器312における、冷媒の断熱膨張による温度低下量と冷媒の流量とによって大きく変化する。
図5は、クールガスバルブ310の開度(CV開度)およびホットガスバルブ308の開度(HV開度)に応じた冷凍能力を示す図である。図5において、縦軸は冷凍能力を示している。
まず、ホットガスバルブ308の開度が零の場合、すなわちホットガスバルブ308から蒸発器312に冷媒が供給されない状態で、クールガスバルブ310の開度を徐々に大きくする場合を考える。
クールガスバルブ310の開度が小さいうちは、開度を大きくするほど冷媒流量が増えるため、冷凍能力が高まる。しかしながら、冷媒流量が多くなると、コンプレッサー304の排気能力が追いつかずに蒸発器312内の圧力が高くなってしまう。すると、断熱膨張による冷媒の温度低下量が小さくなる。この結果、冷凍能力が下がってしまう。図5に示す冷凍能力の極大点を超えた場合には、冷凍能力を高めるために開度を大きくしているにも関わらず、冷凍能力は低下することとなり、制御が破綻してしまう可能性がある。
次に、ホットガスバルブ308の開度を徐々に大きくする場合について考える。ホットガスバルブ308を設けた目的は、高温の冷媒を低温の冷媒に混ぜることで、冷媒の温度を高くし、蒸発器312の冷凍能力が低下する方向に調整することである。ここで、ホットガスバルブ308を開くと、蒸発器312に供給される冷媒の流量が増える。そのため、冷凍能力の極大値を示すクールガスバルブ310の開度は、ホットガスバルブ308の
開度が大きいほど小さくなる。したがって、仮に、クールガスバルブ310の開度の上限をホットガスバルブ308の開度に関わらず一定とすると、十分な冷凍能力を発揮できなかったり、制御が破綻してしまったりする可能性がある。
一方、ホットガスバルブ308の開度が一定の状態で、徐々にクールガスバルブ310の開度を小さくする場合を考える。この場合、蒸発器312に供給される冷媒の流量が少なくなり冷凍能力が低下するが、コンプレッサー304の排気速度は一定であるため、蒸発器312内の圧力は低下する。すると、断熱膨張した冷媒の温度低下が大きくなり、蒸発器312内の温度が零下に達し、循環水が凍結する可能性がある。また、例えば、クールガスバルブ310の開度が大きい状態で、ホットガスバルブ308の開度を大きくすると、冷媒の供給量がコンプレッサー304の排気速度を上回り、冷媒が気化しなくなる場合がある。コンプレッサー304が液体状の冷媒を圧縮するとコンプレッサー304が故障する。故障を防ぐためには、ホットガスバルブ308およびクールガスバルブ310からの冷媒の供給量(総量)に制限を設ける、つまり、ホットガスバルブ308の開度およびクールガスバルブ310の開度の組み合わせに制限を設けることが望ましい。
また、例えば、温度制御装置100が、循環水の凍結を防ぐための安全機構を備えている場合には、その状態を脱するための保護回路が働いてしまうと時間のロスが生じてしまう。保護回路は、例えば、ホットガスバルブ308の開度およびクールガスバルブ310の開度を同時に一定の割合で大きくすることで、冷凍能力を大きく変えないまま、蒸発器312内の圧力の低下を防止する回路である。
このように、ホットガスバルブ308の開度およびクールガスバルブ310の開度に制限を設けない場合、温度制御が破綻したり、循環水が凍結したりコンプレッサー304が故障したりするなどして、冷却装置30が安定した動作をできないことがある。
これに対して、温度制御装置100では、ホットガスバルブ308の開度およびクールガスバルブ310の開度を制限しているため、上記のような問題が生じる可能性を低減でき、冷却装置30が安定した動作を行うことができる。図6は、ホットガスバルブ308の開度およびクールガスバルブ310の開度を制限する手法を模式的に示す図である。
上述したように、冷凍能力にはクールガスバルブ310の開度に対して極大値が存在する。ホットガスバルブ308の開度を大きくしていくと、冷凍能力の極大値を示すクールガスバルブ310の開度は、徐々に小さくなる。図6に示す破線Lは、冷凍能力の極大値を結ぶ線である。
冷凍能力を高めるためにクールガスバルブ310を開いているにも関わらず、冷凍能力が低下してしまうことによる制御破綻を防止するために、本実施形態では、破線LをCV開度-HV開度の面に投影してHVmaxcvのラインを引き、HVmaxcvのラインを超えないようにクールガスバルブ310の開度の上限を設けている。
また、ホットガスバルブ308の開度が一定でクールガスバルブ310の開度を小さくする場合、上述したように、循環水の凍結や保護回路の動作により冷却装置30を安定して動作させることができない場合がある。そのため、本実施形態では、蒸発器312内の温度が低くなりすぎないようにクールガスバルブ310の開度に下限を設けている。この下限は、図6において、HVmincvのラインで表している。
なお、HVmaxcvのラインおよびHVmincvのラインは、コンプレッサー304の故障を防ぐことができる条件、または上記の保護回路が働かない条件を含めて設定されてもよい。
本実施形態では、図6に示すように、ホットガスバルブ308の上限開度(HVmaxcv)および下限開度(HVmincv)を、クールガスバルブ310の開度ごとに設定している。これにより、ホットガスバルブ308の開度およびクールガスバルブ310の開度の組み合わせを、HVmaxcvのラインとHVmincvのラインとで挟まれる範囲R内に規制することができる。
HVmaxcvのラインとHVmincvのラインは、ホットガスバルブ308の開度を一定にした状態でクールガスバルブ310の開度を増減させることで実験的に求めることができる。このとき、ホットガスバルブ308の開度の全部について実験を行う必要はなく、離散的にホットガスバルブ308の開度を定め、各ホットガスバルブ308の開度に対するクールガスバルブ310の開度の上限および下限を実験的に求め、線形補間などの手法で範囲Rを決めてもよい。
上記のホットガスバルブ308の開度およびクールガスバルブ310の開度を範囲R内に制限した場合の、制御部60の処理について説明する。
図7は、ホットガスバルブ308の開度およびクールガスバルブ310の開度の制御の様子を示す図である。図7は、循環水の指令温度を上げる場合であって、循環水の指令温度の変化が比較的大きい場合である。
制御部60は、循環水の温度と指令温度との偏差に基づいて、ヒーター40の出力を制御する第1処理を行う。このとき、ホットガスバルブ308の開度およびクールガスバルブ310の開度は、初期状態Aである。
制御部60は、ヒーター40の出力が上限出力値に達した場合、ホットガスバルブ308を開度ステップHVだけ開き、かつ、ホットガスバルブ308を開度ステップHVだけ開いたことによる循環水の温度上昇分の熱量を相殺するように、ヒーター40の出力を第1出力値だけ減少させる第2処理を行う。
制御部60は、第2処理を行った後、設定されたインターバル時間が経過するまで待機する。インターバル時間は、第2処理によって変化した循環水の温度を安定させるための時間である。制御部60は、インターバル時間が経過後、第1処理を行い、再び、ヒーター40の出力が上限出力値に達すると、第2処理を行う。
このようにして、第1処理と第2処理とが繰り返されて、ホットガスバルブ308の開度が上限開度となるHVmaxcvに到達すると(状態B)、制御部60は、クールガスバルブ310を開度ステップCVだけ閉じ、かつ、クールガスバルブ310を開度ステップCVだけ閉じることによる循環水の温度上昇分の熱量を相殺するように、ホットガスバルブ308を開度ステップHVだけ閉じる第3処理を行う。これにより、状態Bから、クールガスバルブ310が開度ステップCVだけ閉じ、かつ、ホットガスバルブ308が開度ステップHVだけ閉じることで、状態Cとなる。
制御部60は、第3処理を行った後、設定されたインターバル時間が経過するまで待機する。インターバル時間は、第3処理によって変化した循環水の温度を安定させるための時間である。そして、制御部60は、インターバル時間が経過後、再び、第1処理と第2処理を繰り返し行う。これにより、ホットガスバルブ308の開度が上限開度となるHVmaxcvに到達すると(状態D)、制御部60は、第3処理を行う。この結果、状態Dから、クールガスバルブ310が開度ステップCVだけ閉じ、かつ、ホットガスバルブ308が開度ステップHVだけ閉じることで、状態Eとなる。
制御部60は、第3処理を行った後、設定されたインターバル時間が経過するまで待機し、再び、第1処理と第2処理を繰り返し行う。この結果、ホットガスバルブ308の開度が変化して、状態Eから状態Fとなる。ここでは、ホットガスバルブ308の開度およびクールガスバルブ310の開度が状態Fのときに、循環水の温度と指令温度との偏差が小さくなり、制御部60は第1処理のみを行って循環水の温度を制御することができる。
以上の処理により、循環水の温度を指令温度で安定させることができる。
図8は、ホットガスバルブ308の開度およびクールガスバルブ310の開度の制御の様子を示す図である。図8では、循環水の指令温度を下げる場合であって、循環水の指令温度の変化が比較的大きい場合を示している。
制御部60は、循環水の温度と指令温度との偏差に基づいて、ヒーター40の出力を制御する第1処理を行う。このとき、ホットガスバルブ308の開度およびクールガスバルブ310の開度は、初期状態Gである。
制御部60は、ヒーター40の出力が下限出力値に達した場合、ホットガスバルブ308を設定された開度ステップHVだけ閉じ、かつ、ホットガスバルブ308を開度ステップHVだけ閉じることによる循環水の温度低下分の熱量を相殺するように、ヒーター40の出力を第2出力値だけ増加させる第2処理を行う。
制御部60は、第2処理を行った後、設定されたインターバル時間が経過するまで待機する。制御部60は、インターバル時間が経過後、第1処理を行い、再び、ヒーター40の出力が下限出力値に達すると、第2処理を行う。
このようにして、第1処理と第2処理とが繰り返されて、ホットガスバルブ308の開度が下限開度となるHVmincvに到達すると(状態H)、制御部60は、クールガスバルブ310を開度ステップCVだけ開き、かつ、クールガスバルブ310を開度ステップCVだけ開くことによる循環水の温度低下分の熱量を相殺するように、ホットガスバルブ308を開度ステップHVだけ開く第3処理を行う。これにより、状態Hから、クールガスバルブ310が開度ステップCVだけ開き、かつ、ホットガスバルブ308が開度ステップHVだけ開くことで、状態Iとなる。
制御部60は、第3処理を行った後、設定されたインターバル時間が経過するまで待機し、再び、第1処理と第2処理を繰り返し行う。これにより、ホットガスバルブ308の開度が下限開度となるHVmincvに到達すると(状態J)、制御部60は、第3処理を行う。この結果、状態Jから、クールガスバルブ310が開度ステップCVだけ開き、かつ、ホットガスバルブ308が開度ステップHVだけ開くことで、状態Kとなる。
制御部60は、第3処理を行った後、設定されたインターバル時間が経過するまで待機し、再び、第1処理と第2処理を繰り返し行う。この結果、ホットガスバルブ308の開度が変化して、状態Kから状態Lとなる。ここでは、ホットガスバルブ308の開度およびクールガスバルブ310の開度が状態Lのときに、循環水の温度と指令温度との偏差が小さくなり、制御部60は第1処理のみを行って循環水の温度を制御することができる。
以上の処理により、循環水の温度を指令温度で安定させることができる。
3.5. ホットガスバルブの開度ステップおよびクールガスバルブの開度ステップの設定
循環水の温度と指令温度との偏差が小さい場合、第2処理において、ホットガスバルブ308の開度ステップHVおよび開度ステップHVを小さくし、かつ、ホットガスバルブ308の開度の変化による熱量の変化をできるだけ相殺できるようにヒーター40の出力を変化させることが好ましい。これにより、ホットガスバルブ308の開度の変化による過渡応答を抑制できる。
一方、循環水の温度と指令温度との偏差が大きい場合、第2処理において、ホットガスバルブ308の開度ステップHVおよび開度ステップHVを大きくすることが好ましい。また、第3処理において、クールガスバルブ310の開度ステップCVおよび開度ステップCVを大きくすることが好ましい。これにより、整定時間を短くすることができる。
そのため、本実施形態では、循環水の温度と指令温度との偏差に応じて、ヒーター40の第1出力値および第2出力値、ホットガスバルブ308の開度ステップHV、開度ステップHV、開度ステップHV、開度ステップHV、およびクールガスバルブ310の開度ステップCVおよび開度ステップCVが設定される。さらに、本実施形態では、循環水の温度と指令温度との偏差に応じて、第2処理によって変化した循環水の温度を安定させるためのインターバル時間、および第3処理によって変化した循環水の温度を安定させるためのインターバル時間が設定される。
例えば、制御部60は、循環水の温度と指令温度との偏差が最も大きい範囲(偏差D>a)である大偏差時、偏差が2番目に大きい範囲(b≦偏差D≦a)である中偏差時、偏差が最も小さい範囲(偏差D<b)である小偏差時の3つの温度偏差範囲で、上記の設定の切り替えを行う。なお、ここでは、3つの温度偏差範囲で設定の切り替えを行う場合について説明するが、4つ以上の温度偏差範囲で設定の切り替えを行ってもよい。
まず、大偏差時の設定について説明する。
大偏差時には、高速な応答を優先するため、第2処理におけるホットガスバルブ308の開度ステップHVおよび開度ステップHVを、中偏差時および小偏差時に比べて、大きく設定する。さらに、第2処理におけるヒーター40の第1出力値および第2出力値を、中偏差時および小偏差時に比べて、相殺量が小さくなるように設定する。
また、第3処理におけるクールガスバルブ310の開度ステップCVおよび開度ステップCVを、中偏差時および小偏差時に比べて、大きく設定する。さらに、第3処理におけるホットガスバルブ308の開度ステップHVおよび開度ステップHVを、中偏差時および小偏差時に比べて、相殺量が小さくなるように設定する。
次に、小偏差時の設定について説明する。
小偏差時に、第2処理や第3処理が行われるのは、ヒーター40の出力が徐々に高まって(または徐々に低下して)、ヒーター40の出力が上限出力値(または下限出力値)に達した場合である。ヒーター40の出力が徐々に高まる場合とは、例えば、夕方から夜にかけて気温が下がってきたときなどである。
小偏差時には、過渡応答を抑制するために、第2処理におけるホットガスバルブ308の開度ステップHVおよび開度ステップHVを、大偏差時および中偏差時に比べて、小さく設定する。さらに、第2処理におけるヒーター40の第1出力値および第2出力値を、過渡応答ができるだけ小さくなるように、熱量のバランスをとって相殺するために、大偏差時および中偏差時に比べて、相殺量が大きくなるように設定する。また、第3処理
におけるクールガスバルブ310の開度ステップCVおよび開度ステップCVを、大偏差時および中偏差時に比べて、小さく設定する。さらに、第3処理におけるホットガスバルブ308の開度ステップHVおよび開度ステップHVを、開度ステップCVまたは開度ステップCVの動作による熱量と、開度ステップHVまたは開度ステップHVの動作による熱量のバランスをとって相殺するために、大偏差時および中偏差時に比べて、相殺量が大きくなるように設定する。
次に、中偏差時の設定について説明する。
中偏差時には、上述した大偏差時の設定と小偏差時の設定との間の条件となるように設定する。具体的には、第2処理におけるホットガスバルブ308の開度ステップHVおよび開度ステップHVを、大偏差時よりも小さく、かつ、中偏差時よりも大きく設定する。一方、第2処理におけるヒーター40の第1出力値および第2出力値を、大偏差時よりも相殺量が大きく、かつ、小偏差時よりも相殺量が大きくなるように設定する。これは、中偏差時から小偏差時に移行した時にヒーター40の出力が上下限から離れた状態にするためである。小偏差時にヒーター40による制御範囲を広げることで、小偏差時にヒーター40の上下限到達時の過渡応答が現れる頻度を少なくしたり、中偏差時の状態に再び移行する回数をより少なくしたりすることができる。
また、第3処理におけるクールガスバルブ310の開度ステップCVおよび開度ステップCVを、大偏差時よりも小さく、かつ、小偏差時よりも大きく設定する。さらに、第3処理におけるホットガスバルブ308の開度ステップHVおよび開度ステップHVを、開度ステップCVまたは開度ステップCVの動作による熱量が相殺できる程度に、大偏差時よりも相殺量が大きく、小偏差時よりも相殺量が小さくなるように設定する。
例えば、閾値aと閾値bが設定されると、制御部60は、偏差が閾値aよりも大きい場合(偏差D>a)には、大偏差時の設定を選択して第2処理および第3処理を行う。また、制御部60は、偏差が閾値b以上閾値a以下の場合(b≦偏差D≦a)には、中偏差時の設定を選択して第2処理および第3処理を行う。また、制御部60は、偏差が閾値bより小さい場合(偏差D<b)には、小偏差時の設定を選択して第2処理および第3処理を行う。ただし、過渡応答が大きい場合を考慮し、上記の条件を満たした状態が一定時間継続した場合にのみ動作ステップを切り替えるためのディレイ時間を設けてもよい。応答を速めるため、小偏差状態に入るときのディレイ時間は長くし、小偏差状態から出るときのディレイ時間は短くしてもよい。
第2処理によって変化した循環水の温度を安定させるためのインターバル時間は、大偏差時には中偏差時および小偏差時に比べて長く設定し、小偏差時には大偏差時および中偏差時に比べて短く設定し、中偏差時には大偏差時に比べて短く、小偏差時に比べて長く設定してもよい。
また、第3処理によって変化した循環水の温度を安定させるためのインターバル時間は、同様に、大偏差時には中偏差時および小偏差時に比べて長く設定し、小偏差時には大偏差時および中偏差時に比べて短く設定し、中偏差時には大偏差時に比べて短く、小偏差時に比べて長く設定してもよい。
3.6. 制御部の処理の流れ
次に、制御部60の処理の流れについて説明する。図9は、本実施形態に係る温度制御装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
制御部60は、循環水の温度と指令温度との偏差に基づいて、ヒーター40を動作させるとともに、ホットガスバルブ308およびクールガスバルブ310の開度を保持する第1処理を行う(S10)。
制御部60は、ヒーター40の出力が上限出力値または下限出力値に達したか否かを判定する処理を行う(S20)。
制御部60は、ヒーター40の出力が上限出力値または下限出力値に達したと判定した場合(S20のYES)、循環水の温度と指令温度との偏差に基づいて、ホットガスバルブ308の開度ステップ、ヒーター40の出力値およびインターバル時間を設定する(S30)。
具体的には、制御部60は、循環水の温度と指令温度の偏差に基づいて、大偏差時の設定、中偏差時の設定、および小偏差時の設定のいずれかを選択する。
制御部60は、設定されたホットガスバルブ308の開度ステップに基づいて、ホットガスバルブ308の開度を変化させ、かつ、設定されたヒーター40の出力に基づいて、ヒーター40を動作させる第2処理を行う(S40)。
具体的には、制御部60は、ヒーター40の出力が上限出力値に達したと判定した場合には、ホットガスバルブ308を設定された開度ステップHVだけ開き、かつ、ヒーター40の出力を設定された第1出力値だけ減少させる。また、制御部60は、ヒーター40の出力が下限出力値に達したと判定した場合には、ホットガスバルブ308を設定された開度ステップHVだけ閉じ、かつ、ヒーター40の出力を設定された第2出力値だけ増加させる。
制御部60は、第2処理を行った後、設定されたインターバル時間が経過するまで待機し、当該インターバル時間が経過した後(S50のYES)、ホットガスバルブ308の開度が上限開度(HVmaxcv)または下限開度(HVmincv)に達したか否かを判定する処理を行う(S60)。
制御部60は、上限開度(HVmaxcv)または下限開度(HVmincv)に達したと判定した場合(S60のYES)、循環水の温度と指令温度との偏差に基づいて、ホットガスバルブ308およびクールガスバルブ310の開度ステップ、およびインターバル時間を設定する(S70)。
具体的には、制御部60は、循環水の温度と指令温度の偏差に応じて、大偏差時の設定、中偏差時の設定、および小偏差時の設定のいずれかを選択する。
制御部60は、設定されたクールガスバルブ310の開度ステップに基づいて、クールガスバルブ310の開度を変化させ、かつ、設定されたホットガスバルブ308の開度ステップに基づいて、ホットガスバルブ308の開度を変化させる第3処理を行う(S80)。
具体的には、制御部60は、ホットガスバルブ308が上限開度(HVmaxcv)に達したと判定した場合、クールガスバルブ310を設定された開度ステップCVだけ閉じ、かつ、ホットガスバルブ308を設定された開度ステップHVだけ閉じる。また、制御部60は、ホットガスバルブ308が下限開度(HVmincv)に達したと判定した場合、クールガスバルブ310を設定された開度ステップCVだけ開き、かつ、ホットガスバルブ308を設定された開度ステップHVだけ開く。
制御部60は、第3処理を行った後、設定されたインターバル時間が経過するまで待機し、当該インターバル時間が経過した後(S90のYES)、ヒーター40の出力が上限出力値または下限出力値に達していないと判定した場合(S20のNO)、ホットガスバルブ308の開度が上限開度(HVmaxcv)または下限開度(HVmincv)に達していないと判定した場合(S60のNO)、ステップS10に戻る。制御部60は、上述したステップS10~ステップS90の処理を繰り返すことにより、循環水の温度を指令温度で安定させる。
4. 特徴
温度制御装置100は、例えば、以下の特徴を有する。
温度制御装置100は、循環する循環水を加熱するヒーター40と、循環水を冷却する冷却装置30と、循環水の温度を測定する温度センサー50と、循環水の温度の測定結果に基づいて循環水の温度を制御する制御部60と、を含む。また、冷却装置30は、循環水と冷媒との間の熱交換により循環水を冷却する蒸発器312と、蒸発器312を通過した冷媒を圧縮するコンプレッサー304と、コンプレッサー304で圧縮された冷媒を冷却し凝縮させる凝縮器306と、コンプレッサー304で圧縮された冷媒を蒸発器312に供給するホットガスバルブ308(第1流量調整弁)と、凝縮器306で冷却された冷媒を減圧して蒸発器312に供給するクールガスバルブ310(第2流量調整弁)と、を有している。
また、制御部60は、温度センサー50による循環水の温度の測定結果と指令温度との偏差に基づいて、ヒーター40を制御する第1処理と、ヒーター40の出力が設定された上限出力値に達した場合に、ホットガスバルブ308を開度ステップHV(第1開度ステップ)だけ開き、かつ、ヒーター40の出力を低減する第2処理と、ホットガスバルブ308の開度が設定された上限開度(HVmaxcv)に達した場合に、クールガスバルブ310を開度ステップCV(第2開度ステップ)だけ閉じ、かつ、ホットガスバルブ308を開度ステップHV(第3開度ステップ)だけ閉じる第3処理と、を行う。上限開度(HVmaxcv)は、クールガスバルブ310の開度ごとに設定されている。
このように温度制御装置100では、第2処理および第3処理を行うことによって、第2処理および第3処理が行われるごとに各処理が働くトリガ条件が解除されるため、ハンチングを防止することができ、温度安定性を向上できる。
さらに、温度制御装置100では、上限開度(HVmaxcv)が、クールガスバルブ310の開度ごとに設定されているため、高い冷凍能力を発揮でき、かつ、冷却装置30を安定して動作させることができる。
温度制御装置100では、制御部60は、ヒーター40の出力が設定された下限出力値に達した場合に、ホットガスバルブ308を開度ステップHV(第4開度ステップ)だけ閉じ、かつ、ヒーター40の出力を増加させる第2処理と、ホットガスバルブ308の開度が設定された下限開度(HVmincv)に達した場合に、クールガスバルブ310を開度ステップCV(第5開度ステップ)だけ開き、かつ、ホットガスバルブ308を開度ステップHV(第6開度ステップ)だけ開く第3処理を行う。そのため、温度制御装置100では、第2処理および第3処理が行われるごとに各処理が働くトリガ条件が解除されるため、ハンチングを防止することができ、温度安定性を向上できる。
さらに、温度制御装置100では、下限開度(HVmincv)が、クールガスバルブ310の開度ごとに設定されているため、高い冷凍能力を発揮でき、かつ、冷却装置30
を安定して動作させることができる。
温度制御装置100では、上限開度(HVmaxcv)および下限開度(HVmincx)を設定することによって、ホットガスバルブ308の開度およびクールガスバルブ310の開度の組み合わせを範囲R(図6参照)内に制限して、より安定した温度制御を可能としている。
温度制御装置100では、制御部60は、温度センサー50による循環水の温度の測定結果と指令温度との偏差に基づいて、第2処理におけるホットガスバルブ308の開度ステップHV,HV、第3処理におけるクールガスバルブ310の開度ステップCV,CV、および第3処理におけるホットガスバルブ308の開度ステップHV,HVを設定する。そのため、温度制御装置100では、温度偏差が大きい場合には高速な応答を得ることができ、温度偏差が小さい場合には過渡応答を抑制できる。
また、温度制御装置100では、制御部60は、温度センサー50による循環水の温度の測定結果と指令温度との偏差に基づいて、第2処理におけるヒーター40の第1出力値および第2出力値を設定する。そのため、温度制御装置100では、温度偏差が大きい場合には高速な応答を得ることができ、温度偏差が小さい場合には過渡応答を抑制できる。
また、温度制御装置100では、制御部60は、温度センサー50による循環水の温度の測定結果と指令温度との偏差に基づいて、第2処理によって変化した循環水の温度を安定させるためのインターバル時間および第3処理によって変化した循環水の温度を安定させるためのインターバル時間を設定する。そのため、温度制御装置100では、安定した温度制御が可能である。
本実施形態に係る温度制御方法は、例えば以下の特徴を有する。
本実施形態に係る温度制御方法は、循環水の温度と指令温度との温度偏差に基づいて、ヒーター40を制御する工程と、ヒーター40の出力が設定された上限出力値に達した場合に、ホットガスバルブ308を開度ステップHVだけ開き、かつ、ヒーター40の出力を低減する工程と、ホットガスバルブ308の開度が設定された上限開度(HVmaxcv)に達した場合に、クールガスバルブ310を開度ステップCVだけ閉じ、かつ、ホットガスバルブ308を開度ステップHVだけ閉じる工程と、含み、上限開度(HVmaxcv)は、クールガスバルブ310の開度ごとに設定されている。
そのため、本実施形態に係る温度制御方法では、温度安定性を向上できる。さらに、高い冷凍能力を発揮でき、かつ、冷却装置30を安定して動作させることができる。
また、本実施形態に係る温度制御方法は、ヒーター40の出力が設定された下限出力値に達した場合に、ホットガスバルブ308を開度ステップHVだけ閉じ、かつ、ヒーター40の出力を増加させる工程と、ホットガスバルブ308の開度が設定された下限開度(HVmincv)に達した場合に、クールガスバルブ310を開度ステップCVだけ開き、かつ、ホットガスバルブ308を開度ステップHVだけ開く工程と、含み、下限開度(HVmincv)が、クールガスバルブ310の開度ごとに設定されている。
そのため、本実施形態に係る温度制御方法では、温度安定性を向上できる。さらに、高い冷凍能力を発揮でき、かつ、冷却装置30を安定して動作させることができる。
本実施形態に係る温度制御方法では、循環水の温度と指令温度との偏差に基づいて、第2処理におけるホットガスバルブ308の開度ステップHV,HV、第3処理におけ
るクールガスバルブ310の開度ステップCV,CV、および第3処理におけるホットガスバルブ308の開度ステップHV,HVを設定する。そのため、温度偏差が大きい場合には高速な応答を得ることができ、温度偏差が小さい場合には過渡応答を抑制できる。
荷電粒子線装置1000は、冷却装置30を含むため、例えば、電子レンズ等の温度を所望の温度に維持することができるため、安定した動作が可能である。
5. 変形例
本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。以下では、上述した温度制御装置100の例と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
電子顕微鏡では、レンズの状態に応じて、循環水の流量が制御される。そのため、流路10a,10b,1002を流れる循環水の流量も、制御対象のレンズの状態に応じて変わる。このとき、制御部60が、循環水の流量に応じて、HVmaxcvのラインおよびHVmincvのラインを変更してもよい。また、制御部60が、循環水の流量に応じて、ホットガスバルブ308の開度ステップ、クールガスバルブ310の開度ステップ、ヒーター40の第1出力値および第2出力値の設定を変更してもよい。
例えば、循環水の流量を、大水量、中水量、および小水量と3つの範囲に分けた場合、この3つの範囲のそれぞれについて、HVmaxcvのラインおよびHVmincvのラインを作成してもよい。さらに、この3つの範囲のそれぞれについて、上述した大偏差時の条件、中偏差時の条件、および小偏差時の条件を作成してもよい。これにより、循環水の温度をより精度よく制御できる。
また、例えば、第1熱交換器2a(蒸発器)と温度センサー50との間の流路の長さと、第2熱交換器2bと温度センサー50との間の流路の長さとが異なることによって、ホットガスバルブ308のむだ時間とヒーター40のむだ時間とが大きく異なる場合がある。この場合、第2処理においてホットガスバルブ308の開度を変化させた後、ホットガスバルブ308のむだ時間とヒーター40のむだ時間との差に相当する時間だけ遅らせて、ヒーター40を動作させる。これにより、循環水の温度をより精度よく制御できる。
なお、ホットガスバルブ308のむだ時間とは、ホットガスバルブ308の開度を変化させてから、この開度の変化による循環水の温度の変化が温度センサー50で検出されるまでの時間である。また、ヒーター40のむだ時間とは、ヒーター40の出力を変化させてから、この出力の変化による循環水の温度の変化が温度センサー50で検出されるまでの時間である。
また、上記では、流路10a,10bを水(循環水)が流れる場合について説明したが、流路10a,10bを流れるものは流体であれば特に限定されない。対象となる流体は、特に限定されず、水等の液体や、冷媒として用いられる冷媒ガス等の気体であってもよい。
なお、上述した実施形態及び変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、
実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
2a…第1熱交換器、2b…第2熱交換器、10a…送水流路、10b…戻水流路、20…ポンプ、30…冷却装置、40…ヒーター、42…ヒーター電源、50…温度センサー、60…制御部、100…温度制御装置、302…冷媒流路、304…コンプレッサー、306…凝縮器、307…冷却水供給流路、308…ホットガスバルブ、310…クールガスバルブ、312…蒸発器、1000…荷電粒子線装置、1002…流路、1010…冷却対象

Claims (15)

  1. 循環する流体を加熱するヒーターと、
    前記流体を冷却する冷却装置と、
    前記流体の温度を測定する温度センサーと、
    前記流体の温度の測定結果に基づいて、前記流体の温度を制御する制御部と、
    を含み、
    前記冷却装置は、
    前記流体と冷媒との間の熱交換により前記流体を冷却する蒸発器と、
    前記蒸発器を通過した冷媒を圧縮する圧縮器と、
    前記圧縮器で圧縮された冷媒を冷却し凝縮させる凝縮器と、
    前記圧縮器で圧縮された冷媒を前記蒸発器に供給する第1流量調整弁と、
    前記凝縮器で冷却された冷媒を減圧して前記蒸発器に供給する第2流量調整弁と、
    を有し、
    前記制御部は、
    前記測定結果と設定温度との温度偏差に基づいて、前記ヒーターを制御する処理と、
    前記ヒーターの出力が設定された上限出力値に達した場合に、前記第1流量調整弁を第1開度ステップだけ開き、かつ、前記ヒーターの出力を第1出力値だけ低減する処理と、
    前記第1流量調整弁の開度が設定された上限開度に達した場合に、前記第2流量調整弁を第2開度ステップだけ閉じ、かつ、前記第1流量調整弁を第3開度ステップだけ閉じる処理と、
    を行い、
    前記上限開度は、前記第2流量調整弁の開度ごとに設定され、
    前記制御部は、前記温度偏差に基づいて、前記第1出力値を設定する、温度制御装置。
  2. 循環する流体を加熱するヒーターと、
    前記流体を冷却する冷却装置と、
    前記流体の温度を測定する温度センサーと、
    前記流体の温度の測定結果に基づいて、前記流体の温度を制御する制御部と、
    を含み、
    前記冷却装置は、
    前記流体と冷媒との間の熱交換により前記流体を冷却する蒸発器と、
    前記蒸発器を通過した冷媒を圧縮する圧縮器と、
    前記圧縮器で圧縮された冷媒を冷却し凝縮させる凝縮器と、
    前記圧縮器で圧縮された冷媒を前記蒸発器に供給する第1流量調整弁と、
    前記凝縮器で冷却された冷媒を減圧して前記蒸発器に供給する第2流量調整弁と、
    を有し、
    前記制御部は、
    前記測定結果と設定温度との温度偏差に基づいて、前記ヒーターを制御する処理と、
    前記ヒーターの出力が設定された上限出力値に達した場合に、前記第1流量調整弁を第1開度ステップだけ開き、かつ、前記ヒーターの出力を第1出力値だけ低減する処理と、
    前記第1流量調整弁の開度が設定された上限開度に達した場合に、前記第2流量調整弁を第2開度ステップだけ閉じ、かつ、前記第1流量調整弁を第3開度ステップだけ閉じる処理と、
    を行い、
    前記上限開度は、前記第2流量調整弁の開度ごとに設定され、
    前記制御部は、前記温度偏差に基づいて、前記第1流量調整弁を前記第1開度ステップだけ開く処理を行った後のインターバル時間を設定する、温度制御装置。
  3. 循環する流体を加熱するヒーターと、
    前記流体を冷却する冷却装置と、
    前記流体の温度を測定する温度センサーと、
    前記流体の温度の測定結果に基づいて、前記流体の温度を制御する制御部と、
    を含み、
    前記冷却装置は、
    前記流体と冷媒との間の熱交換により前記流体を冷却する蒸発器と、
    前記蒸発器を通過した冷媒を圧縮する圧縮器と、
    前記圧縮器で圧縮された冷媒を冷却し凝縮させる凝縮器と、
    前記圧縮器で圧縮された冷媒を前記蒸発器に供給する第1流量調整弁と、
    前記凝縮器で冷却された冷媒を減圧して前記蒸発器に供給する第2流量調整弁と、
    を有し、
    前記制御部は、
    前記測定結果と設定温度との温度偏差に基づいて、前記ヒーターを制御する処理と、
    前記ヒーターの出力が設定された上限出力値に達した場合に、前記第1流量調整弁を第1開度ステップだけ開き、かつ、前記ヒーターの出力を第1出力値だけ低減する処理と、
    前記第1流量調整弁の開度が設定された上限開度に達した場合に、前記第2流量調整弁を第2開度ステップだけ閉じ、かつ、前記第1流量調整弁を第3開度ステップだけ閉じる処理と、
    を行い、
    前記上限開度は、前記第2流量調整弁の開度ごとに設定され、
    前記制御部は、前記温度偏差に基づいて、前記第2流量調整弁を前記第2開度ステップだけ閉じる処理を行った後のインターバル時間を設定する、温度制御装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、
    前記制御部は、前記温度偏差に基づいて、前記第1開度ステップ、前記第2開度ステップ、および前記第3開度ステップを設定する、温度制御装置。
  5. 請求項1ないしのいずれか1項において、
    前記制御部は、
    前記ヒーターの出力が設定された下限出力値に達した場合に、前記第1流量調整弁を第4開度ステップだけ閉じ、かつ、前記ヒーターの出力を第2出力値だけ増加させる処理と、
    前記第1流量調整弁の開度が設定された下限開度に達した場合に、前記第2流量調整弁を第5開度ステップだけ開き、かつ、前記第1流量調整弁を第6開度ステップだけ開く処理と、
    を行い、
    前記下限開度は、前記第2流量調整弁の開度ごとに設定されている、温度制御装置。
  6. 請求項において、
    前記制御部は、前記温度偏差に基づいて、前記第4開度ステップ、前記第5開度ステップ、および前記第6開度ステップを設定する、温度制御装置。
  7. 請求項またはにおいて、
    前記制御部は、前記温度偏差に基づいて、前記第2出力値を設定する、温度制御装置。
  8. 請求項ないしのいずれか1項において、
    前記制御部は、前記温度偏差に基づいて、前記第1流量調整弁を前記第4開度ステップだけ閉じる処理を行った後のインターバル時間を設定する、温度制御装置。
  9. 請求項ないしのいずれか1項において、
    前記制御部は、前記温度偏差に基づいて、前記第2流量調整弁を前記第5開度ステップだけ開く処理を行った後のインターバル時間を設定する、温度制御装置。
  10. 循環する流体を加熱するヒーターと、
    前記流体を冷却する冷却装置と、
    前記流体の温度を測定する温度センサーと、
    前記流体の温度の測定結果に基づいて、前記流体の温度を制御する制御部と、
    を含み、
    前記冷却装置は、
    前記流体と冷媒との間の熱交換により前記流体を冷却する蒸発器と、
    前記蒸発器を通過した冷媒を圧縮する圧縮器と、
    前記圧縮器で圧縮された冷媒を冷却し凝縮させる凝縮器と、
    前記圧縮器で圧縮された冷媒を前記蒸発器に供給する第1流量調整弁と、
    前記凝縮器で冷却された冷媒を減圧して前記蒸発器に供給する第2流量調整弁と、
    を有し、
    前記制御部は、
    前記測定結果と設定温度との温度偏差に基づいて、前記ヒーターを制御する処理と、
    前記ヒーターの出力が設定された上限出力値に達した場合に、前記第1流量調整弁を第1開度ステップだけ開き、かつ、前記ヒーターの出力を第1出力値だけ低減する処理と、
    前記第1流量調整弁の開度が設定された上限開度に達した場合に、前記第2流量調整弁を第2開度ステップだけ閉じ、かつ、前記第1流量調整弁を第3開度ステップだけ閉じる処理と、
    を行い、
    前記制御部は、前記温度偏差に基づいて、前記第1開度ステップ、前記第2開度ステップ、および前記第3開度ステップを設定する、温度制御装置。
  11. 循環する流体を加熱するヒーターと、
    前記流体を冷却する冷却装置と、
    前記流体の温度を測定する温度センサーと、
    を含み、
    前記冷却装置は、
    前記流体と冷媒との間の熱交換により前記流体を冷却する蒸発器と、
    前記蒸発器を通過した冷媒を圧縮する圧縮器と、
    前記圧縮器で圧縮された冷媒を冷却し凝縮させる凝縮器と、
    前記圧縮器で圧縮された冷媒を前記蒸発器に供給する第1流量調整弁と、
    前記凝縮器で冷却された冷媒を減圧して前記蒸発器に供給する第2流量調整弁と、
    を有する温度制御装置を用いた温度制御方法であって、
    前記流体の温度と設定温度との温度偏差に基づいて、前記ヒーターを制御する工程と、
    前記ヒーターの出力が設定された上限出力値に達した場合に、前記第1流量調整弁を第1開度ステップだけ開き、かつ、前記ヒーターの出力を第1出力値だけ低減する工程と、
    前記第1流量調整弁の開度が設定された上限開度に達した場合に、前記第2流量調整弁を第2開度ステップだけ閉じ、かつ、前記第1流量調整弁を第3開度ステップだけ閉じる工程と、
    を含み、
    前記上限開度は、前記第2流量調整弁の開度ごとに設定され、
    前記温度偏差に基づいて、前記第1出力値を設定する、温度制御方法。
  12. 循環する流体を加熱するヒーターと、
    前記流体を冷却する冷却装置と、
    前記流体の温度を測定する温度センサーと、
    を含み、
    前記冷却装置は、
    前記流体と冷媒との間の熱交換により前記流体を冷却する蒸発器と、
    前記蒸発器を通過した冷媒を圧縮する圧縮器と、
    前記圧縮器で圧縮された冷媒を冷却し凝縮させる凝縮器と、
    前記圧縮器で圧縮された冷媒を前記蒸発器に供給する第1流量調整弁と、
    前記凝縮器で冷却された冷媒を減圧して前記蒸発器に供給する第2流量調整弁と、
    を有する温度制御装置を用いた温度制御方法であって、
    前記流体の温度と設定温度との温度偏差に基づいて、前記ヒーターを制御する工程と、
    前記ヒーターの出力が設定された上限出力値に達した場合に、前記第1流量調整弁を第1開度ステップだけ開き、かつ、前記ヒーターの出力を第1出力値だけ低減する工程と、
    前記第1流量調整弁の開度が設定された上限開度に達した場合に、前記第2流量調整弁を第2開度ステップだけ閉じ、かつ、前記第1流量調整弁を第3開度ステップだけ閉じる工程と、
    前記温度偏差に基づいて、前記第1流量調整弁を前記第1開度ステップだけ開く工程を行った後のインターバル時間を設定する工程と、
    を含み、
    前記上限開度は、前記第2流量調整弁の開度ごとに設定されている、温度制御方法。
  13. 循環する流体を加熱するヒーターと、
    前記流体を冷却する冷却装置と、
    前記流体の温度を測定する温度センサーと、
    を含み、
    前記冷却装置は、
    前記流体と冷媒との間の熱交換により前記流体を冷却する蒸発器と、
    前記蒸発器を通過した冷媒を圧縮する圧縮器と、
    前記圧縮器で圧縮された冷媒を冷却し凝縮させる凝縮器と、
    前記圧縮器で圧縮された冷媒を前記蒸発器に供給する第1流量調整弁と、
    前記凝縮器で冷却された冷媒を減圧して前記蒸発器に供給する第2流量調整弁と、
    を有する温度制御装置を用いた温度制御方法であって、
    前記流体の温度と設定温度との温度偏差に基づいて、前記ヒーターを制御する工程と、
    前記ヒーターの出力が設定された上限出力値に達した場合に、前記第1流量調整弁を第1開度ステップだけ開き、かつ、前記ヒーターの出力を第1出力値だけ低減する工程と、
    前記第1流量調整弁の開度が設定された上限開度に達した場合に、前記第2流量調整弁を第2開度ステップだけ閉じ、かつ、前記第1流量調整弁を第3開度ステップだけ閉じる工程と、
    前記温度偏差に基づいて、前記第2流量調整弁を前記第2開度ステップだけ閉じる工程を行った後のインターバル時間を設定する工程と、
    を含み、
    前記上限開度は、前記第2流量調整弁の開度ごとに設定されている、温度制御方法。
  14. 循環する流体を加熱するヒーターと、
    前記流体を冷却する冷却装置と、
    前記流体の温度を測定する温度センサーと、
    を含み、
    前記冷却装置は、
    前記流体と冷媒との間の熱交換により前記流体を冷却する蒸発器と、
    前記蒸発器を通過した冷媒を圧縮する圧縮器と、
    前記圧縮器で圧縮された冷媒を冷却し凝縮させる凝縮器と、
    前記圧縮器で圧縮された冷媒を前記蒸発器に供給する第1流量調整弁と、
    前記凝縮器で冷却された冷媒を減圧して前記蒸発器に供給する第2流量調整弁と、
    を有する温度制御装置を用いた温度制御方法であって、
    前記流体の温度と設定温度との温度偏差に基づいて、前記ヒーターを制御する工程と、
    前記ヒーターの出力が設定された上限出力値に達した場合に、前記第1流量調整弁を第1開度ステップだけ開き、かつ、前記ヒーターの出力を第1出力値だけ低減する工程と、
    前記第1流量調整弁の開度が設定された上限開度に達した場合に、前記第2流量調整弁を第2開度ステップだけ閉じ、かつ、前記第1流量調整弁を第3開度ステップだけ閉じる工程と、
    を含み、
    前記温度偏差に基づいて、前記第1開度ステップ、前記第2開度ステップ、および前記第3開度ステップを設定する、温度制御方法。
  15. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の温度制御装置を含む、荷電粒子線装置。
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