JP7029898B2 - 光照射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、害虫などに光を照射するための光照射装置に関する。
人間、動物または農作物に害を及ぼす害虫を駆除することが求められている。害虫を駆除するために、薬剤や誘導灯を用いる方法が知られている。例えば、特許文献1には、ハダニ等の害虫を駆除することが可能な害虫駆除用照明装置が記載されている。特許文献1に記載の害虫駆除用照明装置は、所定の波長の紫外線を放射する光源と、その光源を点灯制御する制御回路とを備えており、紫外線の放射強度を変化させることにより、低強度での紫外線放射によりハダニの動作を鈍らせ、高強度で紫外線を放射することにより、ハダニ等の害虫を駆除する。
特開2014-200205号公報
本発明者は、害虫を減らすための害虫駆除装置について以下の認識を得た。
例えば、蚊の一種であるハマダラカは、マラリアなどの病気を媒介することによって、人類に多大な被害を及ぼしている。マラリアは、全世界で年間約2億人が感染し、うち約75万人が死亡しているとの報告もある。蚊の数を減らすために薬剤を使用することも考えられるが、現実的に薬剤を散布できる範囲は限られており、長期的には薬剤耐性の問題もあり、その効果は限定的である。また、蚊を誘引して電撃により駆除することも考えられるが、そのための装置を広範囲に設置しようとすると多額の費用がかかる問題がある。
このような課題は、蚊に限らず他の種類の害虫についても生じうる。このことから、本発明者は、害虫駆除装置には害虫を効果的に減らす観点で改善する余地があることを認識した。
本発明の目的は、このような課題に鑑みてなされたもので、害虫を効果的に減らすことが可能な光照射装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の光照射装置は、害虫に光を照射するための光照射装置であって、捕集室と、捕集室に害虫を誘き寄せるための誘引部と、捕集室に、害虫を不妊化することが可能な波長特性の光を含む第1照射光を照射する第1照射ユニットと、を備える。
この態様によると、おびき寄せた害虫を不妊化することが可能な波長特性の光を照射することができる。
本発明の別の態様もまた、光照射装置である。この装置は、害虫の卵、害虫の幼虫および害虫のさなぎの少なくとも1つに光を照射するための光照射装置であって、害虫に産卵をさせるための容器と、容器に、害虫の卵、害虫の幼虫および害虫のさなぎの少なくとも1つを不妊化可能な波長特性の光を含む第1照射光を照射する第1照射ユニットと、を備える。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、害虫を効果的に減らすことが可能な光照射装置を提供することができる。
第1実施形態に係る光照射装置の側面視の模式図である。 図1の光照射装置の構成の一例を示すブロック図である。 図1の光照射装置の動作の一例を説明するフローチャートである。 第2実施形態に係る光照射装置の側面視の模式図である。 図4の光照射装置の構成の一例を示すブロック図である。 図4の光照射装置の動作の一例を説明するフローチャートである。
本発明者は、光照射装置を用いて害虫を効果的に減らす方法について研究し、以下のような知見を得た。
例えば、青色から紫外線を放つ誘導灯を用いてターゲットとなる害虫を誘引して、高電圧で感電させて駆除する方法が考えられる。しかし、この方法では装置周辺での害虫の駆除は可能であるとしても、広い範囲での害虫の駆除には不向きである。
また、飼育した害虫を、放射線を用いて生殖機能をなくし自然界に大量に放出する方法も考えられる。しかし、この方法では害虫を大量に飼育するための大がかりな施設を要する問題、人工的に飼育した害虫による被害発生の問題、放射線を用いるための施設・設備に莫大な費用がかかる問題などが考えられる。実際に、マラリアなどの流行地域を対象にこのような方法を実現しようとすると、費用やその他の諸問題を解決することが難しくおよそ現実的でない。
このことから、本発明者は、自然界で誘引した害虫に所定の作用光を照射してその害虫の一部を生かしたまま不妊化し、その不妊化した害虫を自然界に放出する方法を見出した。この方法では、不妊化した害虫が自然界に戻って他の害虫と生殖活動をすることにより正常な害虫の生殖機会を減らし、次世代の害虫の誕生を抑制することができる。この方法を実現するための装置は安価に構成可能で、放射線を用いないため取り扱いも容易である。また、この装置に発電や蓄電の機能を備えさせることにより、殆どメンテナンスしないで長期間稼働させることも可能である。このような特性によって、この装置は、マラリアなどの流行地域などの未開の地域に設置することも可能である。
さらに、本発明者は、この思想は害虫の卵、幼虫およびさなぎについても適用できることを見出した。例えば、自然界から誘引した害虫に産卵をさせてその卵などに作用光を照射することが考えられる。つまり、その害虫の卵、ふ化した幼虫およびさなぎである状態の期間に、継続的に作用光を照射することが考えられる。害虫の卵、幼虫およびさなぎは、その移動範囲が極めて限られているため、作用光を長時間照射し続けることも可能であり、比較的強度の低い作用光を長時間照射することで、より効率的にこれらを不妊化することができる。
実施の形態は、このような思索に基づいて案出されたもので、以下にその具体的な構成を説明する。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに各図面を参照しながら説明する。実施の形態、変形例では、同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
また、第1、第2などの序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、この用語によって構成要素が限定されるものではない。
[第1実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る光照射装置100について説明する。図1は、第1実施形態に係る光照射装置100の側面視の断面を示す模式図である。図2は、光照射装置100の構成の一例を示すブロック図である。以下、XYZ直交座標系をもとに説明する。X軸方向は水平な左右方向に対応し、Y軸方向は水平な前後方向に対応し、Z軸方向は鉛直な上下方向に対応する。Y軸方向およびZ軸方向はそれぞれX軸方向に直交する。X軸方向は左方向あるいは右方向と、Y軸方向は前方向あるいは後方向と、Z軸方向で正方向を上方向、Z軸方向で負方向を下方向と表記することがある。このような方向の表記は光照射装置100の使用姿勢を制限するものではなく、光照射装置100は任意の姿勢で使用されうる。
(光照射装置)
光照射装置100は、害虫に光を照射するための光照射装置である。光照射装置100は、第1照射ユニット10と、誘引部20と、制御部30と、筐体40と、電源部50と、を主に含む。誘引部20は害虫を誘引する。第1照射ユニット10は、害虫を不妊化することが可能な波長特性と強度の光を含む第1照射光12eを照射する。筐体40は、第1照射ユニット10および誘引部20を支持する。電源部50は、第1照射ユニット10および誘引部20に電力を供給する。制御部30は第1照射ユニット10の動作を制御する。
(第1照射ユニット)
第1照射ユニット10は、後述する筐体40の捕集室40cの下側において収容部40bに収容されており、捕集室40cに向けて第1照射光12eを出力する。第1照射ユニット10は、第1照射光12eの少なくとも一部を筐体40の捕集室40cに出力するように設けられてもよい。図1の例では、第1照射ユニット10は、第1照射光12eの殆どが捕集室40cに向けて出力されるように構成されている。
第1照射ユニット10は、第1照射光12eを発する光源部12を備える。光源部12は、害虫の生殖機能を低下させる効果のある波長特性の第1照射光12eを出力する。光源部12は、単一の波長特性の光を出力してもよく、複数の波長特性を有する光を出力してもよい。第1照射光12eは、害虫の生殖機能を低下させる効果がある250nm~320nmの中波長紫外線(UVB/C波)を含んでいる。なお、250nm~320nmの中波長紫外線(UVB/C波)は、照度を調整することより害虫を殺害する効果も併せて奏しうる。
光源部12は、基板12cと、基板12cに配置された複数の発光素子12bと、を含む。複数の発光素子12bは、例えば基板上に直線状やマトリックス状に配置される。発光素子12bとしては、種々の原理に基づく発光素子を採用することができる。光照射装置100では、発光素子12bとして、紫外線を発光するLED(Light Emitting Diode)が採用されている。このようなLEDとして、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)系のLEDを用いることができる。
(筐体)
筐体40は、第1照射ユニット10および誘引部20を支持する基台である。図1の例では、筐体40は、収容部40bと、捕集室40cと、透光部材40gと、を含んでいる。一例として、収容部40bは筐体40の下部に設けられ、捕集室40cは筐体40の上側に設けられている。収容部40bと捕集室40cとの間は透光部材40gで仕切られている。筐体40の形に特別な限定はないが、図1の例では、筐体40は全体として略直方体形状を呈する。筐体40は、箱状の捕集室であってもよい。
(収容部)
収容部40bは、第1照射ユニット10と、蓄電池54と、制御部30と、を主に収容する。第1照射ユニット10など収容部40bの内包物が濡れると、光出力の低下など機能低下や故障の原因となり得る。そこで、光照射装置100では、収容部40bは、収容空間を包囲する外殻40dを有している。外殻40dを形成する素材は、種々の樹脂材料や金属材料から、耐久性など所望の特性に応じて選択することができる。外殻40dの形状に特別の制限はないが、図1の例では略直方体形状である。収容部40bの捕集室40c側の面には、透光部材40gを取付ける開口が設けられている。収容部40bは、雨などによって内包する部材が濡れないように防水構造を有していてもよい。
(透光部材)
第1照射ユニット10など収容部40bの内包物に異物が付着すると、光出力の低下や故障の原因となり得る。そこで、光照射装置100では、収容部40bの上側には透光部材40gが設けられている。透光部材40gは、収容部40bの内部に枯れ葉などの異物や、害虫の死骸などの進入を抑制することができる。透光部材40gは、第1照射ユニット10が発した第1照射光12eを捕集室40c側に透過させる。図1の例では、透光部材40gは、矩形状の薄板状の石英ガラスで形成されている。透光部材40gは石英ガラスとは別の素材で形成されてもよい。透光部材40gは、例えばフッ素系樹脂やシリコーン系樹脂で形成されてもよい。
(捕集室)
第1照射光12eは対象とする害虫を誘引して集めた空間に集中して照射されることが望ましい。そこで、光照射装置100では、害虫を集める空間を画定するために捕集室40cを備える。捕集室40cは害虫が容易に進入し、容易に退出できることが望ましい。図1の例では、捕集室40cは略直方体状の空間を縁取るフレーム40fによって構成されている。フレーム40fは、収容部40bの4隅から上向きに伸びる4本の縦フレーム40hと、縦フレーム40hの上端の間に横方向に架け渡される4本の横フレーム40kと、を含んでいる。縦フレーム40hは支柱であってもよい。4本の横フレーム40kは、平面視で矩形に組み合わされている。横フレーム40kは梁であってもよい。フレーム40fの各フレームの間は、害虫の出入りを妨げないように開放されている。捕集室40cの一部は被覆体により覆われていてもよい。第2照射ユニット22や発電部52は、4本の横フレーム40kの上側に固定されている。捕集室40cは、フレーム40fの変形を抑制するために筋交いなどの補強部材が設けられてもよく、一部の面に壁が設けられてもよい。
(誘引部)
誘引部20は、光照射装置100の周囲から害虫を誘引する。図1の例では、誘引部20は、第2照射ユニット22と、触媒部26と、を含んでおり、害虫を捕集室40cに誘引する。第2照射ユニット22は、害虫を誘引することが可能な波長特性の第2照射光24eを出力する。触媒部26は、所定の光が照射されることにより害虫を誘引する作用のある気体を発生させる。
(第2照射ユニット)
第2照射ユニット22は、捕集室40cの上部や側部に取付けられ、第2照射光24eを出力する。第2照射ユニット22は、第2照射光24eの一部を筐体40の捕集室40cに出力するように設けられてもよい。害虫を効果的に誘引するために、第2照射光24eの少なくとも一部は筐体40の外部に出力されるように構成されてもよい。図1の例では、第2照射ユニット22は、第2照射光24eの一部は捕集室40cに出力され、別の一部は筐体40の外部に出力されるように構成されている。図1の例では、第2照射ユニット22が、捕集室40cの上部と側部とに取付けられる例を示しているが、第2照射ユニット22は捕集室40cの上部と側部の一方に取付けられてもよい。
第1照射ユニット10と第2照射ユニット22とが、捕集室40cに向けて第1照射光12eと第2照射光24eとを出力することにより、筐体40の捕集室40c内部には第1照射光12eと第2照射光24eとが照射される領域が形成されている。このような領域を有するため、光照射装置100は、第2照射光24eに誘引されて捕集室40cに進入した害虫に効率的に第1照射光12eを照射することができる。
第2照射ユニット22は、第2照射光24eを発する光源部24を備える。光源部24は、害虫を誘引する効果のある波長特性の第2照射光24eを出力する。光源部24は、単一の波長特性の光を出力してもよく、複数の波長特性を有する光を出力してもよい。第2照射光24eは、害虫の誘引効果が高い350nm~400nmの長波長紫外線(UVA波)や可視光などを含んでいる。
光源部24は、基板24cと、基板24cに配置された複数の発光素子24bと、を含む。複数の発光素子24bは、例えば基板上に直線状やマトリックス状に配置される。発光素子24bとしては、種々の原理に基づく発光素子を採用することができる。光照射装置100では、発光素子24bとして、紫外線を発光するLED(Light Emitting Diode)が採用されている。このようなLEDとして、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)系のLEDを用いることができる。
(触媒部)
触媒部26は、所定の光に反応して害虫を誘引するための気体を発生する。触媒部26は、捕集室40cにおいて第1照射光12eの光路に配置される網目状のベース26cと、ベース26cに塗布された光触媒26bと、を含む。光触媒26bは、第1照射光12eと第2照射光24eの少なくとも一方に反応して光触媒反応を生じ、蚊などが好む二酸化炭素を生成する。このような光触媒26bとして、二酸化チタン系触媒など公知の触媒を用いることができる。触媒部26の近傍には発生させた二酸化炭素の濃度が比較的高い領域が形成されるため、この領域に害虫を誘引することができる。
誘引部20は、筐体40の外部に出力された第2照射光24eにより、光照射装置100の周囲に引寄せた害虫を、触媒部26に発生させた二酸化炭素により捕集室40cの内部の触媒部26の近傍に導くことができる。第1照射光12eの光路に触媒部26を設けることにより、触媒部26の近傍に誘引された害虫に第1照射光12eを効率的に照射することができる。
(電源部)
電源部50は、第1照射ユニット10と、第2照射ユニット22に電力を供給する。電源部50は、商用電源から供給される電力に基づき内部に電力を供給するようにしてもよいが、光照射装置100では、電源部50は、内部で発電した電力を供給するようにしている。電源部50は、電力を出力する発電部52と、発電部52からの電力の少なくとも一部を蓄える蓄電池54と、発電部52または蓄電池54からの電力を第1照射ユニット10と第2照射ユニット22と制御部30とに供給する給電部56と、を含む。
発電部52は、公知の種々の原理に基づく発電機構や素子を用いることができる。図1の例では、発電部52は、光起電力効果を利用して光エネルギーを電力に変換する光電池モジュール52bを含んでいる。太陽光を利用して発電するから商用電源を利用できない地域でも光照射装置100を稼働させることができる。光電池モジュール52bは、太陽光をより多く利用できる状態で配置されることが望ましい。図1の例では、光電池モジュール52bは筐体40の上部に配置されている。
害虫の稼働時間は日中に限らず、例えば害虫は夜間にも活動する。そこで、光照射装置100は、発電部52で発電した電力を蓄える蓄電池54を備えている。蓄電池54は、公知の種々の原理に基づく蓄電機構や素子を用いることができる。図1の例では、光照射装置100は、蓄電池54としてリチウムイオンバッテリを採用している。蓄電池54は、露出しないことが望ましく、図1の例では、収容部40bの内部に配置されている。
また、光照射装置100は、通信部68と、故障検知部58と、タイマ60と、照度センサ62と、温度センサ64と、GPSセンサ66と、を含む。通信部68はインターネットなどの無線通信ネットワークを介し管理サーバと通信して、情報を送信し、動作指令を受信する。
故障検知部58は、光照射装置100の第1照射ユニット10、第2照射ユニット22、発電部52、蓄電池54などの構成要素の動作状況や劣化状況を診断して、その診断結果を制御部30に出力する。制御部30は、故障検知部58から取得した診断結果に応じて第1照射ユニット10と第2照射ユニット22の動作の可否を判定する。また、制御部30は、その診断結果を、通信部68を介して無線通信ネットワーク上の管理サーバにアップロードする。管理者は、アップロードされた結果を参照することができる。
害虫は種類によって活動時間が異なる。害虫には、夕方から夜間にかけて活動が活発になる種類や、明るいうちに活動し、夜になると息をひそめる種類がある。このため、光照射装置100はタイマ60を備える。タイマ60は、予め設定された時刻を検知してその検知結果を制御部30に出力する。制御部30は、タイマ60の検知結果を参照して第1照射ユニット10および第2照射ユニット22の動作を制御する。タイマ60は公知の原理に基づくタイマ機構や要素を用いることができる。
害虫には、周囲の明るさに応じて活動状態が変化する種類がある。このため、光照射装置100は照度センサ62を備える。照度センサ62は、光照射装置100の周囲の明るさを検知して、その検知結果を制御部30に出力する。制御部30は、照度センサ62の検知結果を参照して第1照射ユニット10および第2照射ユニット22の動作を制御する。例えば、予め設定された明るさの範囲内であれば第1照射ユニット10と第2照射ユニット22を動作させ、範囲外であればこれらの動作を停止させることができる。照度センサ62としては公知の原理に基づく照度センサを用いることができる。
害虫には、周囲の気温が高すぎる場合や低すぎる場合に活動が鈍くなる種類がある。このため、光照射装置100は温度センサ64を備える。温度センサ64は、光照射装置100の周囲の気温を検知して、その検知結果を制御部30に出力する。制御部30は、温度センサ64の検知結果を参照して第1照射ユニット10および第2照射ユニット22の動作を制御する。例えば、予め設定された温度範囲内であれば第1照射ユニット10と第2照射ユニット22を動作させ、範囲外であればこれらの動作を停止させることができる。温度センサ64としては公知の原理に基づく温度センサを用いることができる。
光照射装置100が何らかの事情により当初の位置とは異なる位置に運ばれることが考えられる。また、メンテナンスやリプレイスなどのために光照射装置100の正確な位置を検知したい場合が考えられる。このため、光照射装置100はGPSセンサ66を備える。GPSセンサ66は、衛星測位システムにより光照射装置100の3次元位置を検知してその検知結果を制御部30に出力する。制御部30は、GPSセンサ66から取得した検知結果に応じて第1照射ユニット10と第2照射ユニット22の動作の可否を判定する。また、制御部30は、その検知結果を、通信部68を介して無線通信ネットワーク上の管理サーバにアップロードする。管理者は、アップロードされた結果を参照することができる。管理者は、光照射装置が多数設置された場合に、GPSセンサ66から取得した3次元位置を光照射装置100の個体の識別情報として使用することができる。GPSセンサ66としては、公知のGPS(Global Positioning System)に基づくセンサを用いることができる。
(制御部)
次に制御部30について説明する。図2に示す制御部30の各ブロックは、ハードウエア的には、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)をはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウエア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。制御部30に関するこの説明は後述する制御部230にも同様に適用される。
制御部30は、故障検知部58、タイマ60、照度センサ62および温度センサ64から取得した検知結果に応じて第1照射ユニット10、第2照射ユニット22の動作を制御する。制御部30は、第1取得部30bと、第2取得部30cと、第3取得部30dと、第4取得部30eと、第5取得部30gと、通信制御部30h、第1照射制御部30jと、第2照射制御部30kと、充電制御部30mと、を含む。
第1取得部30bは、故障検知部58からその診断結果を取得する。第2取得部30cは、タイマ60からその検知結果を取得する。第3取得部30dは、照度センサ62からその検知結果を取得する。第4取得部30eは、温度センサ64からその検知結果を取得する。第5取得部30gは、GPSセンサ66からその検知結果を取得する。通信制御部30hは、通信部68から受信情報を取得し、通信部68を介して送信情報を送信する。第1照射制御部30jは、第1照射ユニット10を制御する。第2照射制御部30kは、第2照射ユニット22を制御する。充電制御部30mは、給電部56を制御して蓄電池54の充電を管理する。
(動作)
次に、このように構成された光照射装置100の動作の一例について説明する。図3は、光照射装置100の動作の一例を説明するフローチャートであり、この動作に関する処理S100を示している。処理S100は、光照射装置100が動作開始してから、自己診断や各センサの検知結果に応じて自律制御する動作を含んでいる。
動作を開始すると、制御部30は故障検知部58の検知結果を取得し、故障を検知したか否かを判定する(ステップS102)。故障検知部58が故障を検知している場合(ステップS102のY)、制御部30はGPSセンサ66から三次元位置を取得する(ステップS104)。
三次元位置を取得したら、制御部30は、検知した故障の状況を故障情報として、三次元位置情報とともに通信部68を介して無線通信ネットワーク(不図示)上の管理サーバ(不図示)に送信する(ステップS106)。故障情報などを送信したら、制御部30は処理S100を終了する。管理者は、管理サーバを参照することによって、光照射装置100の故障情報を取得することができる。
故障検知部58が故障を検知していない場合(ステップS102のN)、制御部30は、タイマ60を参照して動作開始時刻を過ぎたか否かを判定する(ステップS108)。動作開始時刻を過ぎていない場合(ステップS108のN)、制御部30は、処理をステップS102の先頭に戻し、ステップS102~S108までの処理を繰り返す。
動作開始時刻を過ぎている場合(ステップS108のY)、制御部30は、照度センサ62を参照して動作開始照度の範囲内か否かを判定する(ステップS108)。動作開始照度の範囲内でない場合(ステップS110のN)、制御部30は、処理をステップS102の先頭に戻し、ステップS102~S110までの処理を繰り返す。
動作開始照度の範囲内である場合(ステップS110のY)、制御部30は、温度センサ64を参照して動作開始温度の範囲内か否かを判定する(ステップS112)。動作開始温度の範囲内でない場合(ステップS112のN)、制御部30は、処理をステップS102の先頭に戻し、ステップS102~S112までの処理を繰り返す。
動作開始温度の範囲内である場合(ステップS112のY)、制御部30は、GPSセンサ66から三次元位置を取得する(ステップS114)。三次元位置を取得したら、制御部30は、三次元位置情報と動作開始情報を、通信部68を介して無線通信ネットワーク上の管理サーバに送信する(ステップS116)。
動作開始情報などを送信したら、制御部30は、第1照射ユニット10および第2照射ユニット22の動作を開始する(ステップS118)。このステップが開始されると、図1に示すように、第1照射ユニット10から第1照射光12eが照射され、第2照射ユニット22から第2照射光24eが照射される。これらの照射光が光触媒26bに照射されることにより、光触媒26bの周囲の二酸化炭素濃度が上昇する。外部に向けて照射された第2照射光24eに反応して、害虫M(a)が光照射装置100の周囲に誘引される。
光照射装置100の周囲に誘引された害虫M(a)は、捕集室40c内部に照射された第2照射光24eおよび光触媒26b近傍の二酸化炭素濃度に反応して、捕集室40cの内部に進入する。捕集室40cに進入した害虫M(b)は、触媒部26の近傍に漂う間、第1照射光12eの照射を受けて不妊化する。第1照射光12eの照度が低すぎると害虫M(b)の不妊化率が低くなる。第1照射光12eの照度が高かすぎると照射による害虫M(b)の死亡率が高くなる。第1照射光12eの照度は、所望の不妊化率と、所望の死亡率とに応じて実験により設定することができる。一例として、第1照射光12eの照度は、照射を受けた害虫M(b)の不妊化率が30%以上になるように調整されてもよい。一例として、第1照射光12eの照度は、照射を受けた害虫M(b)の生存率が60%以上になるように調整されてもよい。
また、第1照射光12eの波長特性は、所望の不妊化率と、所望の生存率とに応じて実験により設定することができる。不妊化率は照射光の波長特性に依存性を有している。例えば、照射光のピーク波長が270nmである場合に不妊化率は高くなる。しかし、この波長では生殖関連以外の遺伝子にも作用する可能性があり、所望の生存率を考慮して不妊化効果を抑制した長波長側の波長を用いることも可能である。第1照射光12eの波長特性は、対象の害虫の種類や大きさに応じて設定してもよい。一例として、効果が高い波長から30nm程度長波長の300nm近傍の波長の光を用いてもよい。
捕集室40cから退出した害虫M(c)は、自然界に戻り正常な個体と繁殖活動を行うが、次世代の害虫は誕生せず、また、他の個体の繁殖機会を減らすことにより、全体として次世代の害虫の発生が抑制される。このような動作が長期間継続されることにより、害虫が徐々に減っていくことが期待できる。
照射ユニットの動作を開始したら、制御部30は、タイマ60を参照して動作終了時刻を過ぎたか否かを判定する(ステップS120)。動作終了時刻を過ぎていない場合(ステップS120のN)、制御部30は、処理をステップS120の先頭に戻し、ステップS120の処理を繰り返す。つまり、動作終了時刻を過ぎるまで、照射ユニットの動作が継続される。
動作終了時刻を過ぎた場合(ステップS120のY)、制御部30は、第1照射ユニット10および第2照射ユニット22の動作を終了する(ステップS122)。照射ユニットの動作を終了したら、制御部30は、三次元位置情報と動作終了情報を、通信部68を介して無線通信ネットワーク上の管理サーバに送信する(ステップS124)。
情報を送信したら、制御部30は、処理をステップS102の先頭に戻し、ステップS102~ステップS124の処理を繰り返す。上述の処理S100はあくまでも一例であり、他のステップを追加したり、一部のステップを変更または削除したり、ステップの順序を入れ替えてもよい。
次に、このように構成された第1実施形態に係る光照射装置100の作用・効果を説明する。この構成によれば、
第1実施形態に係る光照射装置100は、害虫に光を照射するための光照射装置であって、捕集室40cと、捕集室40cに害虫を誘き寄せるための誘引部20と、捕集室40cに、害虫を不妊化することが可能な波長特性の光を含む第1照射光12eを照射する第1照射ユニット10と、を備えている。この構成によれば、捕集室40cに誘き寄せた害虫に第1照射光12eを照射するので、害虫を効率的に不妊化することができる。不妊化した害虫が自然界に放たれることで、別の個体と繁殖活動を行うが、不妊化されているので産卵はせず害虫の繁殖が抑制される。また、不妊化した害虫が繁殖活動を行うことで、正常な個体の繁殖機会を減らすことによっても、害虫の繁殖を抑制することができる。このような装置を長期間使用することにより徐々に害虫の数が減っていき、やがて撲滅も期待できる。光照射装置100は簡素な構成を有しており、低コストで製造可能であり、ジャングル地帯への設置も可能になる。
第1実施形態に係る光照射装置100では、誘引部20は、害虫を誘き寄せることが可能な波長特性の第2照射光24eを出力する第2照射ユニット22を含み、第2照射ユニット22は、第2照射光24eの少なくとも一部を捕集室40cの外部に出力するように設けられ、第1照射ユニット10は、第1照射光12eの少なくとも一部を捕集室40cの内部に出力するように設けられている。この構成によれば、害虫を誘き寄せるための第2照射光24eを捕集室40cの外部に出力するから、遠くからでも害虫から視認可能である。このため、光照射装置100の周辺の広い範囲から害虫を誘引することが可能になる。
第1実施形態に係る光照射装置100では、捕集室40c内部には、第1照射光12eと第2照射光24eとが照射される領域が形成されている。この構成によれば、両方の照射光が照査される領域を有することにより、第2照射光24eに誘引されて捕集室40cに進入した害虫に効率的に第1照射光12eを照射することができる。
第1実施形態に係る光照射装置100では、第1照射ユニット10は、透光部材40gを介して第1照射光12eを捕集室40cに照射する。この構成によれば、第1照射ユニット10が設けられる空間と捕集室40cの間に透光部材40gを設けることができる。このため、当該空間への枯れ葉や害虫の死骸などの進入を抑制し、枯れ葉などにより第1照射ユニット10の機能が損なわれる可能性を低くすることができる。
第1実施形態に係る光照射装置100は、第1照射光12eまたは第2照射光24eが照射されることによって二酸化炭素を発生する光触媒26bを含む触媒部26を備え、触媒部26は、第1照射光12eの光路に設けられている。この構成によれば、触媒部26が第1照射光12eの光路に設けられていることにより、二酸化炭素に反応して触媒部26の周辺に誘引された害虫に効率的に第1照射光12eを照射することができる。
第1実施形態に係る光照射装置100は、電力を出力する発電部52と、発電部52からの電力の少なくとも一部を蓄える蓄電池54と、発電部52または蓄電池54から第1照射ユニット10に電力を供給する給電部56と、を備えている。この構成によれば、発電部52を備えるから、商用電源を利用できない地域でも光照射装置100を使用することができる。蓄電池54を備えるから、夜間など発電できない時間帯にも光照射装置100を使用することができる。
[第2実施形態]
図4、図5を参照して、本発明の第2実施形態に係る光照射装置200について説明する。図4は、光照射装置200の側面視の断面を示す模式図であり、図1に対応する。図5は、光照射装置200の構成の一例を示すブロック図である。第2実施形態に係る光照射装置200は、第1実施形態に係る光照射装置100に対して、害虫に産卵をさせるための容器42を備える。光照射装置100が主に害虫の成虫に作用光を照射するのに対して、光照射装置200は、主に害虫が産卵した卵、その卵がふ化した幼虫およびその幼虫のさなぎに対して作用光を照射するように構成されている。
光照射装置200は、第1照射ユニット210と、誘引部220と、制御部230と、筐体40と、電源部50と、通信部68と、故障検知部58と、タイマ60と、照度センサ62と、温度センサ64と、GPSセンサ66と、容器42と、貯蔵タンク70と、雨水収集部72と、循環部74と、水位センサ76と、を主に含む。筐体40、電源部50、通信部68、故障検知部58、タイマ60、照度センサ62、温度センサ64およびGPSセンサ66については第1実施形態に係る光照射装置100とほぼ同様の特徴を有しており重複する説明を省く。以下、相違する構成について説明する。
(第1照射ユニット)
第2実施形態に係る光照射装置200では、第1照射ユニット210は、主に害虫が産卵した卵、その卵がふ化した幼虫およびそのさなぎに対して第1照射光212eを照射するように構成されている。図4の例では、第1照射ユニット210は、第1照射光212eを下向きに照射するように捕集室40cの上部に設けられている。第1照射ユニット210は、第1照射光212eの少なくとも一部を筐体40の捕集室40cに出力するように配置されてもよい。図4の例では、第1照射ユニット210は、第1照射光212eの殆どは捕集室40cに向けて出力されるように配置されている。
第1照射ユニット210は、第1実施形態と同様に発光素子12bを含む光源部12を備える。光源部12は、害虫の生殖機能を低下させる効果のある波長特性の第1照射光212eを出力する。第1照射光212eは、第1実施形態の第1照射光12eと同様に、害虫の生殖機能を低下させる効果がある250nm~320nmの中波長紫外線(UVB/C波)を含んでいる。この波長特性の光は、害虫の卵、幼虫およびさなぎに対しても生殖機能を低下させる効果がある。第1照射光212eは、第1実施形態と比べて照度が低い点で相違する。
つまり、容器42に産卵された卵N(c)は、ふ化して幼虫N(d)になり、さなぎN(e)の時期を経て羽化して成虫N(f)になるまで10日~15日程度の期間、容器42の中に留まることが期待される。その間、第1照射光212eの照射を受けるため、その照度が低くても累積の被爆量を大きくすることができる。第1照射光212eの照度は、所望の不妊化率に応じて実験により設定することができる。一例として、第1照射光212eの照度は0.01μW/平方センチメートル~1μW/平方センチメートルに設定されてもよい。この場合、10日間の累積の照射量は8.64mJ/平方センチメートル~864mJ/平方センチメートルになる。例えば、所望の累積照射量を6mJ/平方センチメートル以上とした場合に、前述の累積照射量の範囲は所望の累積照射量を満たすことができる。
第2実施形態においても、光源部12は、単一の波長特性の光を出力してもよく、複数の波長特性を有する光を出力してもよい。発光素子12bとして、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)系のLEDを用いることができる。
(誘引部)
第2実施形態の誘引部220は、触媒部26と、第2照射ユニット22と、を含む。触媒部26は第1実施形態と同様であり説明を省く。図4の例では、第2照射ユニット22は、捕集室40cの側部に取付けられている。
(制御部)
第2実施形態の制御部230は、第1実施形態の制御部30に対して第6取得部を含む点で異なり、他の構成は同様である。第6取得部は後述する水位センサ76からその検知結果を取得する。
(容器)
容器42は蚊などの害虫に産卵させるための水42bを保持する。容器42は例えば水槽であってもよい。容器42は、害虫が入り込み産卵をすることが可能であれば特別な限定はない。図4の例では、容器42は上面が開放された角桶形状を有する。容器42は、所望の仕様に応じて、種々の有機材料や無機材料で形成することができる。図4の例では、容器42は、耐候性の観点からガラス材料で形成されている。
(貯蔵タンク)
容器42の水42bは、長期間補充しないと徐々に蒸発して水位が下がり、卵N(d)や幼虫N(d)などが死滅するおそれがある。そこで、第2実施形態に係る光照射装置200は、貯蔵タンク70と、雨水収集部72と、循環部74と、を備える。貯蔵タンク70は、容器42に補充する予備の水を蓄えている。雨水収集部72は、光照射装置200またはその周辺に降水する雨水を収集して、貯蔵タンク70に送る。つまり、貯蔵タンク70は、予備の水に加えて収集した雨水を貯蔵する。循環部74は、貯蔵タンク70の水を容器42の水42bと循環させる。このように構成することによって容器42の水位の低下を緩和することができる。貯蔵タンク70は循環部74を介して容器42に接続されている。循環部74は、容器42の水42bの水位が低下したら、貯蔵タンク70の水を容器42に送水することができる。循環部74は、容器42の水42bの水位が過度に上昇したら、容器42の水42bを貯蔵タンク70に送水するようにしてもよい。循環部74としては公知の送水機構を用いることができる。
(水位センサ)
容器42の水42bの水位が過度に低下して幼虫等の生育に不適な状態になった場合には、第1照射ユニット210の動作を停止することが望ましい。そこで、第2実施形態に係る光照射装置200は、容器42の水42bの水位が過度に低下した場合に、第1照射ユニット210の動作を停止するように構成されている。具体的には、容器42の水42bの水位を検知してその検知結果を制御部230に出力する水位センサ76を備えている。制御部230は、水位センサ76から取得した検知結果に基づき、容器42の水42bの水位が閾値より低くなった場合、第1照射ユニット210および第2照射ユニット22の動作を停止するように制御する。
(動作)
次に、このように構成された光照射装置200の動作の一例について説明する。図6は、光照射装置200の動作の一例を説明するフローチャートであり、この動作に関する処理S200を示している。処理S200は、光照射装置200が動作開始してから、自己診断や各センサの検知結果に応じて自律制御する動作を含んでいる。
図6に示すように、処理S200は、第1実施形態の処理S100に対して、ステップS120のNの後にステップS121が追加される点で異なり、他のステップは同様である。よって重複する説明を省き相違する部分について説明する。
処理S200では、ステップS120のNの後にステップS121が追加されている。ステップS120において、動作終了時刻を過ぎていない場合(ステップS120のN)、制御部230は、水位センサ76の検知結果を参照して、容器42の水42bの水位が閾値以上か否かを判定する(ステップS121)。
水位が閾値以上である場合(ステップS121のY)、制御部230は、処理をステップS120の先頭に戻し、ステップS120~ステップS121までの処理を繰り返す。水位が閾値以上でない場合(ステップS121のN)、制御部230は、処理をステップS122に移行して、第1照射ユニット210および第2照射ユニット22の動作を終了する(ステップS122)。照射ユニットの動作を終了したら、制御部230は、三次元位置情報と動作終了情報を、通信部68を介して無線通信ネットワーク上の管理サーバに送信する(ステップS124)。
情報を送信したら、制御部230は、処理をステップS102の先頭に戻し、ステップS102~ステップS124の処理を繰り返す。上述の処理S200はあくまでも一例であり、他のステップを追加したり、一部のステップを変更または削除したり、ステップの順序を入れ替えてもよい。
次にステップS118で、第1照射ユニット210および第2照射ユニット22の照射光の作用について説明する。第2照射光24eが外部に向けて照射されると、その照射光に反応して、害虫N(a)が光照射装置200の周囲に誘引される。同時に、第1照射光212eが光触媒26bに照射されると光触媒26bの周囲の二酸化炭素濃度が上昇する。光照射装置200の周囲に誘引された害虫N(a)は、光触媒26b近傍の二酸化炭素濃度に反応して、捕集室40cの内部に進入する。
捕集室40cに進入した害虫N(b)は、触媒部26の近傍に漂うとともに、容器42の水42bの水面近くに卵N(c)を産卵することが期待される。卵N(c)はやがてふ化して幼虫N(d)になる。幼虫N(d)はやがてさなぎN(e)になる。さなぎN(e)はやがて羽化して成虫N(f)になり、捕集室40cから退出する。この間の約10日~15日間、卵N(c)、幼虫N(d)およびさなぎN(e)には、第1照射光212eが照射され、このことによりこれらは生殖能力を失い不妊化していく。
捕集室40cから退出した不妊化された成虫N(g)は、自然界に戻り正常な個体と繁殖活動を行うが、次世代の害虫は誕生せず、また、他の個体の繁殖機会を減らすことにより、全体として次世代の害虫の発生が抑制される。このような動作が長期間繰り返されることにより、害虫が徐々に減っていくことが期待できる。
次に、第2実施形態に係る光照射装置200の作用・効果について説明する。
第2実施形態に係る光照射装置200は、害虫の卵、害虫の幼虫および害虫のさなぎの少なくとも1つに光を照射するための光照射装置であって、害虫に産卵をさせるための容器42と、容器42に、害虫の卵、害虫の幼虫および害虫のさなぎの少なくとも1つを不妊化可能な波長特性の光を含む第1照射光212eを照射する第1照射ユニット210を備える。この構成によれば、不妊化された成虫を効率的に誕生させて自然界に戻し、害虫の繁殖を抑制することができる。第1照射光212eの照度を低くしても効果を生じるから、電源部50の供給電力は小さくて済み、電源部50の小型化が容易になる。低照度で済むから第1照射ユニット210も小型化することができる。
第2実施形態に係る光照射装置200は、害虫を誘き寄せることが可能な波長特性の第2照射光24eを出力する第2照射ユニット22を備えている。この構成によれば、光照射装置200から離れた位置にいる害虫を光照射装置200の周辺に誘引することができる。
第2実施形態に係る光照射装置200は、第1実施形態に係る光照射装置100と同様の構成を備える部分において、光照射装置100と同様の作用・効果を奏する。
以上、本発明の各実施形態をもとに説明した。これらの実施形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求の範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
以下、変形例について説明する。変形例の図面および説明では、実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。実施形態と重複する説明を適宜省略し、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
(第1変形例)
各実施形態の説明では、第2照射ユニット22が第1照射ユニット10、210とは別体に構成される例について説明したが、これに限定されない。第2照射ユニットは第1照射ユニットと一体に構成されてもよい。例えば、第2照射光を発光する発光素子が第1照射ユニットの基板上に設けられてもよい。
(第2変形例)
各実施形態の説明では、筐体40が全体として略直方体形状である例について説明したが、これに限定されない。例えば、筐体は円筒形など直方体とは異なる形状であってもよい。
(第3変形例)
各実施形態の説明では、蓄電池54と制御部30、230が筐体40の下部に設けられる例について説明したが、これに限定されない。例えば、蓄電池と制御部の一方は筐体の上部に設けられてもよい。
(第4変形例)
第1実施形態の説明では、第1照射光12eが捕集室40cの下側から照射される例について説明したが、これに限定されない。例えば、第1照射光は捕集室の上側や側方から照射されてもよい。この場合、透光部材を省くことも可能になる。
(第5変形例)
第1実施形態の説明では、光照射装置100は害虫の不妊化することを主用途とする例について説明したが、これに限定されない。上述したように、光照射装置100は、第1照射光12eの照度や波長特性を選択して不妊化率と生存率とを調整することが可能である。言い換えれば、光照射装置100は、所望の不妊化率と生存率とに対応して第1照射光12eの照度や波長特性を設定することができる。この特徴から、光照射装置100は、生存率を大幅に低く設定して殺虫装置として使用することができる。この場合、人の非居住地域では第1照射光12eを不妊化用に設定し、人の居住地域では第1照射光12eを殺虫装置として設定することができる。光照射装置100を殺虫装置として設定した場合でも、一部の害虫は不妊化されて生存し、自然界に戻って他の害虫と生殖活動をすることも考えられる。
(第6変形例)
第2実施形態の説明では、第1照射光212eが容器42の上側から照射される例について説明したが、これに限定されない。例えば、第1照射光は容器の底側や側方から照射されてもよい。この場合に、容器の第1照射光が照射される部分は、第1照射光が透過可能な材料で形成されることが望ましい。このような材料としては石英ガラスを使用することができる。
上述の各変形例は各実施形態と同様の構成を備える部分において、各実施形態と同様の作用・効果を奏する。
上述した各実施形態と変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる各実施形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
説明に使用した図面では、部材の関係を明瞭にするために一部の部材にハッチングを施しているが、当該ハッチングはこれらの部材の素材や材質を制限するものではない。
10、210・・第1照射ユニット、 12e、212e・・第1照射光、 20・・誘引部、 22・・第2照射ユニット、 24e・・第2照射光、 26・・触媒部、 30、230・・制御部、 40・・筐体、 40c・・捕集室、 40g・・透光部材、 42・・容器、 50・・電源部、 100、200・・光照射装置。

Claims (7)

  1. 害虫に光を照射するための光照射装置であって、
    捕集室と、
    前記捕集室に害虫を誘き寄せるための誘引部と、
    前記捕集室に、害虫を不妊化することが可能な波長特性の光を含む第1照射光を照射する第1照射ユニットと、
    前記第1照射光が照射されることによって二酸化炭素を発生する光触媒を含む触媒部と、
    を備え、
    前記触媒部は、前記捕集室における前記第1照射光の光路の途中において当該第1照射光が通過するように配置される網目状のベースと、前記網目状のベースに塗布された光触媒と、を含むことを特徴とする光照射装置。
  2. 前記誘引部は、害虫を誘き寄せることが可能な波長特性の第2照射光を出力する第2照射ユニットを含み、
    前記第2照射ユニットは、前記第2照射光の少なくとも一部を前記捕集室の外部に出力するように設けられ、
    前記第1照射ユニットは、前記第1照射光の少なくとも一部を前記捕集室の内部に出力するように設けられることを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
  3. 前記網目状のベースには、前記第1照射光と前記第2照射光とが互いに異なる方向から照射されることを特徴とする請求項2に記載の光照射装置。
  4. 前記第1照射ユニットは、透光部材を介して前記第1照射光を前記網目状のベースに照射することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光照射装置。
  5. 前記網目状のベースは、前記透光部材の前記第1照射ユニットとは反対側に配置されることを特徴とする請求項4に記載の光照射装置。
  6. 害虫の卵、害虫の幼虫および害虫のさなぎの少なくとも1つに光を照射するための光照射装置であって、
    捕集室と、
    前記捕集室に配置され、害虫に産卵をさせるための容器と、
    前記容器に、害虫の卵、害虫の幼虫および害虫のさなぎの少なくとも1つを不妊化可能な波長特性の光を含む第1照射光を照射する第1照射ユニットと、
    前記第1照射光が照射されることによって二酸化炭素を発生する光触媒を含む触媒部と、
    を備え、
    前記触媒部は、前記捕集室における前記第1照射光の光路の途中において当該第1照射光が通過するように配置される網目状のベースと、前記網目状のベースに塗布された光触媒と、を含むことを特徴とする光照射装置。
  7. 電力を出力する発電部と、
    前記発電部からの電力の少なくとも一部を蓄える蓄電池と、
    前記発電部または前記蓄電池から前記第1照射ユニットに電力を供給する給電部と、
    を備えることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の光照射装置。
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