JP7028402B2 - 可変容量圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動軸と一体に回転する斜板の傾斜角を変化させて吐出容量を変更可能な可変容量圧縮機に関する。
この種の可変容量圧縮機としては、例えば、特許文献1に記載された可変容量圧縮機が知られている。この特許文献1に記載された可変容量圧縮機は、ハウジングに回転自在に支持された駆動軸と、前記駆動軸と一体化され前記駆動軸と伴に回転するロータと、前記駆動軸の軸線の延伸方向にスライド可能であり且つ前記軸線に対する傾斜角を変更可能に、前記ロータに対向した状態で前記駆動軸に支持される斜板と、を備えている。そして、この可変容量圧縮機では、前記斜板の前記傾斜角の変化に応じて前記ピストンのストローク量が変化して吐出容量が変化する。詳しくは、この可変容量圧縮機では、前記斜板は前記駆動軸に固定された前記ロータにリンク機構(以下、ヒンジ機構という)を介して傾動可能に連結されると共に、このヒンジ機構を介して、前記ロータの回転力が前記斜板に伝達される。前記ヒンジ機構は、前記ロータに突設された第1アームと前記斜板に突設された第2アームとを含み、前記ロータの回転力が前記第1アームを介して前記斜板の前記第2アームに伝達される。前記ヒンジ機構は、前記ロータの回転力を前記斜板へ伝達する機能と、前記斜板における傾動の軌道を定める機能とを有している。
特開2017-218925号公報
しかしながら、特許文献1に記載の可変容量圧縮機では、前記ヒンジ機構は、詳しくは、前記第1アームと、前記第2アームと、一端側が第1連結ピンを介して前記第1アームに対して回動自在に連結され、他端側が前記第2連結ピンを介して前記第2アームに対して回動自在に連結されたリンクアームと、からなる。つまり、前記ヒンジ機構は、前記第1アームと、前記第2アームと、前記第1連結ピンと、前記第2連結ピンと、前記リンクアームとを有し、比較的に複雑な構造を有しているため、その簡素化が求められている。
そこで、本発明は、簡素な構造でロータから斜板へ回転力を伝達すると共に斜板の傾動の軌道を定めることが可能なヒンジ機構を備えた可変容量圧縮機を提供することを目的とする。
本発明の一側面による可変容量圧縮機は、ハウジングに回転自在に支持された駆動軸と、前記駆動軸と一体化されたロータと、前記駆動軸の軸線の延伸方向にスライド可能であり且つ前記軸線に対する傾斜角を変更可能に、前記ロータに対向した状態で前記駆動軸に支持される斜板と、前記ロータの斜板側のロータ端面から前記斜板に向かって突出するロータアームと、前記斜板のロータ側の斜板端面から前記ロータに向かって突出すると共に、前記ロータアームを介して前記ロータの回転力が伝達される斜板アームと、前記ハウジングに形成されるシリンダボア内に配置され前記斜板の回転運動に伴い往復運動するピストンと、を含み、前記斜板の前記傾斜角の変化に応じて前記ピストンのストローク量が変化して吐出容量が変化する。前記ロータアームは、互いに離間して対向する二つのロータアーム壁部からなる。前記斜板アームは、前記二つのロータアーム壁部における互いに対向する内壁面間に挿入され、互いに離間して対向する二つの斜板アーム壁部からなる。前記二つの斜板アーム壁部は、それぞれ、前記内壁面に対向して摺接可能な壁面を有する構成とする。前記可変容量圧縮機は、ピンと突設部とを含む。前記ピンは、前記二つの斜板アーム壁部における一方の先端部と他方の先端部との間に連結される。前記突設部は、前記ロータ端面における前記二つのロータアーム壁部の間の所定領域に突設される突設部であって、前記ロータにおける外縁部から中心に向かうほど前記ロータ端面から離れるように傾斜すると共に前記ピンにおける前記二つの斜板アーム壁部の間の所定部位が当接する傾斜面を有する。
前記一側面による可変容量圧縮機によれば、前記ロータの斜板側のロータ端面から前記斜板に向かって突出するロータアームは互いに離間して対向する二つのロータアーム壁部からなり、前記斜板のロータ側の斜板端面から前記ロータに向かって突出する斜板アームは前記二つのロータアーム壁部における互いに対向する内壁面間に挿入され、互いに離間して対向する二つの斜板アーム壁部からなる。したがって、前記ロータが回転すると前記二つのロータアーム壁部の内壁面のうちの一方の内壁面がこれに対向する前記壁面に当接することで、前記ロータの回転力が前記ロータアームを介して直接的に前記斜板アーム(つまり、前記斜板)に伝達される。そして、前記可変容量圧縮機は、前記二つの斜板アーム壁部における一方の先端部と他方の先端部との間に連結されるピンと、前記ロータ端面における前記二つのロータアーム壁部の間の所定領域に突設される突設部とを有し、この突出部は、前記ロータにおける外縁部から中心に向かうほど前記ロータ端面から離れるように傾斜する傾斜面を有し、この傾斜面には、前記ピンにおける前記二つの斜板アーム壁部の間の所定部位が当接する。したがって、前記ピンにおける前記所定部位が前記傾斜面上を摺動することにより、前記斜板の傾動の軌道が定まる。つまり、前記ロータアームと、前記斜板アームと、前記ピンと、前記突設部とにより、前記ロータから前記斜板へ回転力を伝達すると共に前記斜板の傾動の軌道を定めるヒンジ機構が構成される。これにより、前記ヒンジ機構として、従来の特許文献1に記載の可変容量圧縮機では、第1アーム、第2アーム、第1連結ピン、第2連結ピン及びリンクアームを必要としていたところ、前記一側面による可変容量圧縮機では、前記ロータアーム、前記斜板アーム、前記ピン及び前記突設部だけでよいため、従来と比較して部品点数を減らすことができ、少なくともこの点において、簡素な構造で前記ヒンジ機構を備えることができる。
このようにして、簡素な構造でロータから斜板へ回転力を伝達すると共に斜板の傾動の軌道を定めることが可能なヒンジ機構を備えた可変容量圧縮機を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る可変容量圧縮機の断面図である。 前記可変容量圧縮機のロータ及び斜板を含む要部の断面図である。 前記斜板が傾斜した状態の一例を示す前記要部の断面図である。 前記可変容量圧縮機の駆動軸とロータと斜板とヒンジ機構を含む組立体の側面図である。 前記組立体を別の角度から視た側面図である。 前記組立体の斜視図である。 前記ヒンジ機構の突設部の変形例を説明するための側面図である。 前記突設部の別の変形例を説明するための側面図である。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明が適用された可変容量圧縮機の一例であるいわゆる斜板式の可変容量圧縮機100の断面図である。本実施形態では、可変容量圧縮機100は、車両用エアコンシステムの冷媒回路に組み込まれ、冷媒を吸入し圧縮して吐出する。
図1に示すように、可変容量圧縮機100は、複数のシリンダボア101aが形成されたシリンダブロック101と、シリンダブロック101の一端にセンターガスケット102aを介して設けられたフロントハウジング102と、シリンダブロック101の他端にバルブプレート103を介して設けられたシリンダヘッド104と、を備えている。
フロントハウジング102、センターガスケット102a、シリンダブロック101、シリンダガスケット(図示省略)、バルブプレート103、ヘッドガスケット(図示省略)及びシリンダヘッド104などが複数の通しボルト105によって締結されることにより、可変容量圧縮機100のハウジングが形成される。
シリンダブロック101とフロントハウジング102とによってクランク室H1が形成され、このクランク室H1内を横断するように駆動軸110が設けられている。駆動軸110は、シリンダブロック101、フロントハウジング102及びシリンダヘッド104等からなる前記ハウジングに回転自在に支持されている。
駆動軸110の一端は、フロントハウジング102のボス部102bを貫通してフロントハウジング102の外側まで延在して、図示省略した動力伝達装置に連結されている。なお、駆動軸110とボス部102bとの間には軸封装置120が挿入されており、クランク室H1の密閉が保たれている。
駆動軸110は、ラジアル方向においてはラジアル軸受121、122によって支持され、スラスト方向においてはスラストプレート123によって支持されている。なお、駆動軸110の他端とスラストプレート123との間は、調整ネジ124によって所定の隙間を有するように調整されている。そして、駆動軸110は、図示省略した外部駆動源からの動力が前記動力伝達装置に伝達されることにより、前記動力伝達装置と同期して回転する。
駆動軸110のクランク室H1内における軸線X0の延伸方向の所定位置には、スリーブ130が駆動軸110の外周面に対して摺動自在に装着されている。詳しくは、スリーブ130は、駆動軸110の外周面に対して駆動軸110の軸線X0周りに相対回転及び軸線X0の延伸方向に摺動(スライド移動)自在に駆動軸110に装着されている。
また、クランク室H1内には、ロータ111と斜板112が互いに対向するように配置されている。駆動軸110は、図1~図3に示すように、ロータ111の中央部及び斜板112の中央部を貫通している。図2は、可変容量圧縮機100のロータ111及び斜板112を含む要部の断面図であり、図3は斜板112が傾斜した状態の一例を示す要部の断面図である。
ロータ111は、スリーブ130とクランク室H1内における軸封装置120側の内壁面との間において、駆動軸110と一体化されており、駆動軸110と一体に回転する。ロータ111は、概ね円盤状に形成され、スラスト方向においては、クランク室H1の軸封装置120側の内壁に固定されるスラスト軸受125によって支持されている。ロータ111の軸封装置120側の面には、駆動軸110の軸線X0と直交する受け面111aが形成され、この受け面111aがスラスト軸受125と当接する。
斜板112は、図2及び図3に示すように、駆動軸110の軸線X0の延伸方向にスライド可能であり且つ軸線X0に対する傾斜角θ(図3参照)を変更可能に、ロータ111に対向した状態で駆動軸110にスリーブ130を介して支持されている。斜板112は、スリーブ130を内部に収容してスリーブ130と係合する係合部112aを有する。例えば、斜板112が駆動軸110に対して直交した状態(換言すると、斜板112とロータ111が平行な状態)を、傾斜角θの基準、つまり、0度とし、傾斜角θは斜板112がこの状態から傾斜移動するほど大きくなる。
斜板112は、例えば、斜板本体部112bと、斜板本体部112bを支持する斜板ボス部112cとを含んで構成されている。斜板本体部112bは、中央部に貫通孔112b1を有した円盤状に形成されている。斜板ボス部112cは、斜板本体部112bの貫通孔112b1に嵌合するボス部112c1を有する。ボス部112c1が貫通孔112b1に嵌合した状態で、斜板本体部112bと斜板ボス部112cとがリベット112dにより互いに締結されている。係合部112aは、斜板ボス部112cに形成される。
斜板112には、ヒンジ機構140を介してロータ111の回転力が伝達され、また、このヒンジ機構140により、斜板112における軸線X0の延伸方向のスライド移動と軸線X0に対する傾斜移動とを含む複合的な傾動の軌道が定められる(斜板112の傾動がガイドされる)。このヒンジ機構140については、後に詳述する。
斜板112(斜板ボス部112c)の中央部における駆動軸110が貫通する係合部112aを含む貫通部位は、斜板112が最大傾斜角から最小傾斜角の範囲で傾動可能な形状に形成されている。具体的には、前記貫通部位のロータ111とは反対側の開口部には、斜板112(斜板ボス部112c)の最大傾斜角への傾動を許容するように抉られた凹部112eが形成されている。また、斜板112(斜板ボス部112c)の径方向外縁部には、斜板112の傾斜角を増大させる方向の斜板112の傾斜角変位(傾動)を規制する最大傾斜角規制部112c2がロータ111側に向って延びるように突設されている。最大傾斜角規制部112c2がロータ111に当接することによって、斜板112の傾斜角θを増大させる方向の傾動が規制される。したがって、斜板112の傾斜角は、斜板112がロータ111に当接したときに最大傾斜角となる。
駆動軸110には、図1に示すように、傾斜角θを減少させる方向に斜板112を付勢する傾斜角減少バネ113と、傾斜角θを増大させる方向に斜板112を付勢する傾斜角増大バネ114とが、斜板112を挟んで装着されている。具体的には、傾斜角減少バネ113は、斜板112の係合部112a内に収容されたスリーブ130のスリーブ全長方向の一端面とロータ111との間に装着されており、傾斜角増大バネ114は、スリーブ130のスリーブ全長方向の他端面と駆動軸110に固定又は形成されたバネ支持部材115との間に装着されている。
ここで、斜板112の傾斜角θが最小傾斜角であるときに、傾斜角増大バネ114の付勢力の方が傾斜角減少バネ113の付勢力よりも大きくなるように設定されている。このため、駆動軸110が回転していないとき、すなわち、可変容量圧縮機100が停止しているときに、斜板112は、傾斜角減少バネ113の付勢力と傾斜角増大バネ114の付勢力とがバランスする傾斜角(>最小傾斜角)に位置する。この傾斜角減少バネ113の付勢力と傾斜角増大バネ114の付勢力とがバランスする傾斜角は、後述するピストン126による圧縮動作が確保される最小の傾斜角範囲として設定されており、例えば1~3度の範囲に設定することができる。
シリンダブロック101に形成される各シリンダボア101a内には、ピストン126がそれぞれ配置されている。ピストン126は、斜板112の回転運動に伴い往復運動する。
詳しくは、このピストン126の斜板側端部に突設される突出部126a内に、一対のシュー127,127が摺動自在に収容される。この一対のシュー127,127は、斜板112(詳しくは、斜板本体部112b)の外縁部の厚み方向の両端面を摺動自在に挟持するように形成され、斜板112とピストン126との間を連結する。斜板112の回転運動が一対のシュー127,127を介してピストン126の往復運動に変換可能に構成されている。このように、ピストン126は、斜板112の回転運動に伴い往復運動する。
シリンダヘッド104には、その中央部に吸入室H2が形成されると共に、吸入室H2を環状に取り囲む位置に吐出室H3が形成される。吸入室H2は、バルブプレート103に形成された吸入孔103a及び吸入弁(図示省略)を介して、各シリンダボア101aと連通する。吐出室H3は、バルブプレート103に形成された吐出孔103b及び吐出弁(図示省略)を介して、シリンダボア101aと連通する。
シリンダヘッド104には、吸入ポート104aを備えた吸入通路104bが形成されている。吸入ポート104aは前記車両用エアコンシステムの低圧側冷媒回路(吸入側冷媒回路)と接続し、吸入通路104bはシリンダヘッド104の外周から吐出室H3の上方の一部を横切るように直線状に延設される。これにより吸入通路104bから冷媒ガスが吸入室H2に流入する。
シリンダブロック101の側部には、冷媒の脈動による騒音・振動を低減するマフラ150が設けられている。マフラ150は、シリンダブロック101の側壁に突設されたマフラ形成壁101bに図示省略したシール部材を介して蓋部材106をボルトにより締結することにより形成される。マフラ150内のマフラ空間H4には、吐出側冷媒回路から吐出室H3への冷媒ガスの逆流を抑制する逆止弁200が配置されている。
逆止弁200は、シリンダヘッド104、バルブプレート103、シリンダブロック101に跨って形成されて吐出室H3に連通する連通路150aとマフラ空間H4との接続部に配置されている。逆止弁200は、連通路150a(上流側)とマフラ空間H4(下流側)との圧力差に応答して動作し、前記圧力差が所定値より小さい場合には連通路150aを遮断し、前記圧力差が所定値より大きい場合には連通路150aを開放する。従って、吐出室H3は、連通路150a、逆止弁200、マフラ空間H4、及び、蓋部材106に形成される吐出ポート106aにより構成される吐出通路を介して、前記車両用エアコンシステムの吐出側冷媒回路に接続される。
シリンダヘッド104には、さらに容量制御弁300が設けられている。容量制御弁300は、吐出室H3とクランク室H1との間を接続する供給通路145の開度(流路断面積)を調整し、これによって、吐出室H3内の冷媒のクランク室H1への供給量を制御するように構成されている。また、クランク室H1内の冷媒は、シリンダヘッド104に形成される連通路101c、空間101d、バルブプレート103に形成されたオリフィス103cを経由して吸入室H2へ流れるように構成されている。
容量制御弁300によって供給通路145の開度を調整することでクランク室H1の圧力を変化(すなわち、上昇又は低下)させることができ、これによって、斜板112の傾角、つまりピストン126のストロークを減少又は増加させて可変容量圧縮機100の吐出容量を変化させることができる。すなわち、可変容量圧縮機100は、クランク室H1の圧力に応じてピストン126のストローク量が変化して吐出容量が変化するように構成されている。換言すれば、可変容量圧縮機100において、クランク室H1は、内部圧力に応じてピストン126のストローク量を変化させて吐出容量を変化させる。
具体的には、クランク室H1の圧力を変化させることにより、各ピストン126の前後の圧力差、換言すると、ピストン126を挟むシリンダボア101a内の圧縮室とクランク室H1との圧力差を利用して斜板112の傾角を変化させることができる。その結果、ピストン126のストローク量が変化して可変容量圧縮機100の吐出容量が変化する。より詳しくは、クランク室H1の圧力を低下させると、斜板112の傾角が大きくなってピストン126のストローク量が増加し、可変容量圧縮機100の吐出容量が増加するようになっている。また、容量制御弁300には、可変容量圧縮機100の外部に設けられた制御装置(図示せず)から信号が入力され、また、図示省略した圧力導入通路を介して吸入室H2の圧力(冷媒)が導かれるようになっている。そして、容量制御弁300は、基本的には、吸入室H2の圧力が空調設定(車室設定温度)や外部環境などに基づく前記信号によって設定される圧力になるように、供給通路145の開度を調整するように構成されている。容量制御弁300による供給通路145の開度の調整に伴って、可変容量圧縮機100の吐出容量が変化する。容量制御弁300は、例えば、電磁駆動式の弁であり、通電が遮断された状態で供給通路145を全開し、通電されると供給通路145を閉じる方向に作動する。
次に、ヒンジ機構140について、図2~図6を参照して詳述する。図4及び図5は駆動軸110とロータ111と斜板112を含む組立体の側面図であり、図5は図4に示す矢印A方向から視た前記組立体の側面図である。図6は前記組立体の斜視図である。なお、本実施形態では、駆動軸110は、駆動軸110における前記動力伝達装置側(外部からの動力入力側、図では下側)の端面に向かって視て、軸線X0を中心に時計回りの回転方向R(図4~図6の太線矢印で示す方向参照)に回転するものとし、以下説明する。
ヒンジ機構140は、ロータ111の回転力を斜板112に伝達すると共に、斜板112の傾動の軌道を定めるものであり、ロータアーム141と、斜板アーム142と、ピン143と、突設部144とにより構成されている。
ロータアーム141は、ロータ111の斜板側のロータ端面から斜板112に向かって突出するように形成されている。ここで、斜板112が傾斜角を増大させる方向に傾斜移動する際に、ロータ111の斜板側のロータ端面を、斜板112が近づく半円領域と斜板112が遠ざかる半円領域とに区分した場合、ロータアーム141は、前記ロータ端面のうちの、斜板112が離れる前記半円領域(図2~図4では、軸線X0より左側の領域)に突設される。
ロータアーム141は、図5及び図6に示すように、互いに離間して対向する二つのロータアーム壁部141a,141bからなる。各ロータアーム壁部141a,141bは、詳しくは、互いに概ね回転方向Rの前後に離間して対向している。
二つのロータアーム壁部141a,141bにおける互いに対向する内壁面141a1,141b1は、互いに概ね平行に延びている。なお、以下において、適宜に、図5において、左側のロータアーム壁部141aの内壁面141a1を左内壁面141a1といい、右側のロータアーム壁部141bの内壁面141b1を右内壁面141b1という。
左内壁面141a1と右内壁面141b1との間には、駆動軸110の軸線X0に沿って延びる(換言すると、軸線X0上に延びる)仮想平面Pが位置する。そして、左内壁面141a1及び右内壁面141b1は、例えば、左内壁面141a1と左内壁面141a1との間(図では、略中間)に仮想平面Pが位置するように、延設されている。
斜板アーム142は、斜板112のロータ側の斜板端面からロータ111に向かって突出する。この斜板アーム142には、ロータアーム141を介してロータ111の回転力が伝達される。ここで、斜板112が傾斜角を増大させる方向に傾斜移動する際に、斜板112のロータ側の斜板端面を、ロータ111に近づく半円領域と、ロータ111から遠ざかる半円領域とに区分した場合、斜板アーム142は、前記斜板端面のうちの、ロータ111から遠ざかる前記半円領域(図2~図4では、軸線X0より左側の領域)に突設される。斜板アーム142は、例えば、斜板ボス部112cにおけるロータ111から遠ざかる前記半円領域に突設されている。
斜板アーム142は、図5及び図6に示すように、二つのロータアーム壁部141a,141bにおける互いに対向する内壁面141a1,141b1間(換言すると、左内壁面141a1と右内壁面141b1との間)に挿入される。また、斜板アーム142は、互いに離間して対向する二つの斜板アーム壁部142a,142bからなる。各斜板アーム壁部142a,142bは、互いに概ね回転方向Rの前後に離間して対向している。
二つの斜板アーム壁部142a,142bは、それぞれ、ロータアーム141の内壁面141a1,141b1に対向して摺接可能な壁面142a1,142b1を有する。また、二つの斜板アーム壁部142a,142bの先端部142a2,142b2には、それぞれ、ピン143を挿入可能な孔部142a3,142b3が形成されている。なお、以下において、適宜に、左内壁面141a1に対向する壁面142a1を左外壁面142a1といい、右内壁面141b1に対向する壁面142b1を右外壁面142b1という。
斜板アーム142における二つの斜板アーム壁部142a,142bの離間方向についての全幅(左外壁面142a1と右外壁面142b1との間の距離)は、ロータアーム141における二つのロータアーム壁部141a,141bの離間距離(左内壁面141a1と右内壁面141b1との間の距離)よりも小さくなるように設定されている。つまり、挿入の際に、左外壁面142a1と左内壁面141a1との間や、右外壁面142b1と右内壁面141b1との間に、所定距離の隙間を有するように、斜板アーム142の前記全幅が設定されている。
ピン143は、二つの斜板アーム壁部142a,142bにおける一方の先端部142a2と他方の先端部142b2との間に連結される部材である。ピン143は、例えば、同一の直径を有して延びる円柱状に形成される。
ピン143は、その延伸方向の各端部143a,143bが二つの斜板アーム壁部142a,142bの先端部142a2,142b2にそれぞれ形成される孔部142a3,142b3にそれぞれ挿入されることにより支持される。
本実施形態において、各孔部142a3,142b3は、ピン143を遊嵌可能(ルースに嵌合可能)な孔径を有して形成されている。
本実施形態では、各孔部142a3,142b3は、それぞれ、斜板アーム壁部142a,142bの壁厚み方向に貫通する貫通孔である。したがって、ピン143の両端部143a,143bは、それぞれ孔部142a3,142b3に遊嵌しているだけであるため、ピン143の抜け止めの工夫が必要である。
本実施形態では、ピン143の抜け止めに関し、図2及び図3に示すように、斜板112の最小傾斜角から最大傾斜角までの全範囲(全傾動状態)において、ピン143の延伸方向の端面143a1,143b1に正対する正対視で、端面143a1,143b1の少なくとも一部が、二つのロータアーム壁部141a,141b間の領域に位置するように構成されている。つまり、ピン143が各孔部142a3,142b3に遊嵌しているものの、斜板112の全傾動状態において、ピン143の延伸方向についてのピン143の移動がロータアーム141の両内壁面141a1,141b1により規制されている。これにより、ピン143の抜け止めが図られている。
突設部144は、ロータ111の斜板側の前記ロータ端面における二つのロータアーム壁部141a,141bの間の所定領域に突設される。この突設部144は、ロータ111における径方向の外縁部から中心に向かうほど前記ロータ端面から離れるように傾斜すると共に、ピン143における二つの斜板アーム壁部142a,142bの間の所定部位が当接する傾斜面144aを有する。突設部144は、例えば、ロータ111における径方向の外縁部から中心に向かう方向を長辺としこの長辺と直交する方向を短辺とした矩形断面を有して、二つのロータアーム壁部141a,141bの間に形成されている。傾斜面144aは、突設部144の突出端面(上端面)を構成し、矩形状の端面を有している。また、傾斜面144aは、図2及び図3に示すように、斜板112の全傾動状態において、ピン143の外周面が当接可能な範囲で延設されている。
本実施形態では、突設部144は、傾斜面144aの幅方向(短辺方向)の中心位置が駆動軸110の軸線X0に沿って延びる仮想平面P上に位置するように配置されている。したがって、傾斜面144aに当接するピン143の前記所定部位とは、ピン143における二つの斜板アーム壁部142a,142bの間の中間部位である。また、ピン143の中心軸は駆動軸110の軸線X0に対して直交し、且つ、傾斜面144aに対して平行に延び、ピン143は直線的に延びる円柱状に形成させている。したがって、ピン143は、その外周面が傾斜面144aに対して傾斜面144aの幅方向全体に亘って線接触で当接可能に組み付けられている。
次に、斜板112の回転及び傾動について、図1~図3を参照して説明する。
斜板112は、図1に示すように、スリーブ130を介して駆動軸110に支持されると共に、傾斜角減少バネ113と傾斜角増大バネ114との間に挟まれている。前述したように、傾斜角増大バネ114の付勢力は傾斜角減少バネ113の付勢力よりも大きく設定されているため、斜板112は、主に傾斜角増大バネ114の付勢力によりロータ111側に向って付勢されている。そのため、斜板112に突設された斜板アーム142に組み付けられたピン143の外周面は、傾斜面144aに当接している。
圧縮機停止状態では、例えば、図3に示すように、ピン143の外周面が傾斜面144aにおけるロータ外縁部側の端部に当接し、且つ、斜板112の最大傾斜角規制部112c2がロータ111に当接しており、これによって、斜板112は、最大傾斜角で傾斜している。また、圧縮機停止状態では、容量制御弁300は通電されておらず供給通路145を全開に開いている。このとき、クランク室H1の圧力は、例えば、吸入室H2に連通しているシリンダボア101a内の圧縮室の圧力と概ね同等である。例えば、この最大傾斜状態で、駆動軸110がロータ111と伴に回転すると、ロータアーム141の左内壁面141a1がこれに対向する斜板アーム142の左外壁面142a1に当接することで、ロータ111の回転力がロータアーム141を介して斜板アーム142(つまり、斜板112)に伝達される。これにより、斜板112は、最大傾斜角で傾斜し、且つ、ピン143を傾斜面144aに当接させた状態で、駆動軸110及びロータ111と伴に回転する。
斜板112が、例えば、最大傾斜角で回転している状態において、吐出室H3内の高圧の冷媒の一部が供給通路145を経由してクランク室H1へ流入すると、クランク室H1の圧力が高くなる。その結果、斜板112は傾斜角を小さくする方向に傾斜移動し始める。このとき、ピン143は、傾斜面144aに当接した状態で、傾斜面144a上をロータ111の中心側に向って摺動する。その結果、斜板112は、軸線X0に対する傾斜角θを減少させる方向に傾斜移動すると共に、軸線X0の延伸方向についてロータ111から離れる方向にスライド移動する。例えば、クランク室H1の圧力が、そのまま上昇し続けると、斜板112は、ピン143を傾斜面144aに当接させた状態でさらに傾斜角θを減少させる方向に傾斜移動し、その後、傾斜角減少バネ113の付勢力と傾斜角増大バネ114の付勢力とがバランスする傾斜角(>最小傾斜角)まで傾斜移動する。そして、この状態で、例えば、容量制御弁300により供給通路145の開度が絞られると、クランク室H1の圧力が低下し、斜板112は、傾斜角θを増大させる方向に傾斜移動すると共に、軸線X0の延伸方向についてロータ111に近づく方向にスライド移動する。このように、斜板112には、ヒンジ機構140を介してロータ111の回転力が伝達され、また、このヒンジ機構140により、斜板112における軸線X0の延伸方向のスライド移動と軸線X0に対する傾斜移動とを含む複合的な傾動の軌道が定められる。
本実施形態に係る可変容量圧縮機100によれば、ロータ111が回転すると二つのロータアーム壁部141a,141bの内壁面141a1,141b1のうちの一方の内壁面である左内壁面141a1がこれに対向する壁面である左外壁面142a1に当接することで、ロータ111の回転力がロータアーム141を介して直接的に斜板アーム142(つまり、斜板112)に伝達される。そして、ピン143における前記所定部位が突設部144の傾斜面144a上を摺動することにより、斜板112の傾動の軌道が定まる。つまり、ロータアーム141と、斜板アーム142と、ピン143と、突設部144とにより、ロータ111から斜板112へ回転力を伝達すると共に斜板112の傾動の軌道を定めるヒンジ機構140が構成される。これにより、ヒンジ機構140の構成要素が従来よりも少なくなっており、ヒンジ機構140の部品点数を減らすことができ、少なくともこの点において、簡素な構造でヒンジ機構140を構築することができる。
このようにして、簡素な構造でロータ111から斜板112へ回転力を伝達すると共に斜板112の傾動の軌道を定めることが可能なヒンジ機構140を備えた可変容量圧縮機100を提供することができる。
また、本実施形態では、斜板112の最小傾斜角から最大傾斜角までの全範囲(全傾動状態)において、ピン143の延伸方向の端面143a1,143b1に正対する正対視で、端面143a1,143b1の少なくとも一部が、二つのロータアーム壁部141a,141b間の領域に位置するように構成されている。これにより、孔部142a3,142b3に遊嵌されたピン143の抜け止めを、止め輪(Cリング)等の別部材を設けることなく、ロータアーム141により図ることができる。また、前記止め輪を用いる場合には、ピン143の両端部143a,143bに前記止め輪用の溝を加工する必要があるが、このような溝加工も不要となる。また、孔部142a3,142b3の孔交差を圧入公差に設定し、ピン143を孔部142a3,142b3に圧入することにより、ピン143の抜け止めを図ることもできるが、この圧入による抜け止めでは、孔部142a3,142b3の孔径及びピン143の両端部143a,143bの外径について、高精度な加工を必要とし、また、圧入設備等も必要となる。この点、本実施形態では、ピン143は孔部142a3,142b3に遊嵌させるだけであるため、加工費及び設備費用等の点においても、コストを抑制することができ有益である。
ところで、ロータアーム141及び斜板アーム142において、左外壁面142a1と左内壁面141a1との間や右外壁面142b1と右内壁面141b1との間に、隙間(クリアランス)が設けられている。そのため、圧縮機作動中において、この隙間に起因して斜板アーム142が、がたつき、騒音の発生原因となる可能性がある。騒音発生を抑制するためには、例えば、各内壁面141a1,141b1や各壁面142a1,142b1の加工精度を上げ、前記隙間を小さくすることにより前記がたつきは抑制され得るが、その結果、加工コストの上昇を招いてしまう。
ここで、図5に示すように、駆動軸110の軸線X0に沿って(紙面に対して垂直に)延びる仮想平面Pにより斜板112を二つの領域に二分した場合、斜板112の回転方向Rの先行側の領域(図中、仮想平面Pより右側の領域)には、ピストン126からの圧縮反力(つまり、ピストン126から離れる方向の力)が作用する。そして、斜板112の回転方向Rの後行側の領域(図中、仮想平面Pより左側の領域)には、ピストン126側に引き付ける方向の力が作用する。なぜなら、斜板112の回転方向Rの先行側の領域の外縁部には、一対のシュー127,127を介して下死点から上死点へ向かって移動する圧縮工程中のピストン126が連結しており、斜板112の回転方向Rの後行側の領域の外縁部には、一対のシュー127,127を介して上死点から下死点へ向かって移動する吸引工程中のピストン126が連結しているためである。つまり、斜板112は、仮想平面Pにより、ピストン126からの圧縮反力の作用する作用領域F1と非作用領域F2とに区分される。そのため、斜板112には、一般的に、傾斜状態の斜板112の外縁部における軸線X0の延伸方向について最もシリンダボア101aに近い部位P1と最もシリンダボア101aから遠い部位P2との間を結ぶ直線X1(図3参照)を中心として、斜板112を回転させる力が作用する。つまり、ピストン126の圧縮反力による偏荷重が斜板112に作用する。本実施形態では、この圧縮反力による偏荷重を利用し、圧縮機作動中において、前記隙間が許容する分だけ、斜板112を、意図的(積極的)に傾けるように構成されている。
具体的には、斜板112に突設された斜板アーム142に組み付けられたピン143がロータ111に突設された突設部144の傾斜面144aに当接しており、突設部144は、傾斜面144aを介して斜板112に作用する圧縮反力による偏荷重についての軸線X0の延伸方向の荷重を受けている。これにより、前記圧縮反力による偏荷重が斜板112に作用すると、ピン143と傾斜面144aとの当接部位を支点として斜板112を回転させるモーメントが発生する。これにより、斜板112は、圧縮機作動中において、前記隙間が許容する分だけ、概ね前記支点を中心として微小に傾いてロータアーム141に接触した状態で、駆動軸110及びロータ111と伴に安定して回転する。詳しくは、斜板112は、概ね前記支点を中心として、図5に矢印Bで示す方向に、斜板112の作用領域F1側の部位がロータ111に近づく方向に、微小に傾いている。より詳しくは、この微小に傾いた状態で、斜板アーム142の右外壁面142b1の基端部とロータアーム141の右内壁面141b1の先端部とが接触し(図5に示すC1部位)、右外壁面142b1の先端部と右内壁面141b1の基端部との間には隙間が生じ、左外壁面142a1の先端部と左内壁面141a1の基端部とが接触し(図5に示すC2部位)、左外壁面142a1の基端部と左内壁面141a1の先端部との間には隙間が生じている。その結果、圧縮機作動中において、斜板112は上記C1部位及びC2部位の二点あたりで、ロータ111に安定して支持されることとなり、斜板112のがたつきが抑制又は防止される。したがって、各内壁面141a1,141b1や各壁面142a1,142b1の加工精度を上げることなく、前記隙間に起因する騒音の発生を抑制又は防止することができる。なお、少なくとも、左内壁面141a1に対向する斜板アーム壁部142aの先端部142a2の角部はR形状等に滑らかに形成され、右外壁面142b1に対向するロータアーム壁部141aの先端部の角部もR形状等に滑らかに形成されている。これにより、斜板112の前記二点あたりに起因して、左内壁面141a1及び右外壁面142b1にキズが生じることを防止又は抑制することができる。
次に、突設部144の変形例について、図7及び図8を参照して説明する。図7及び図8は、それぞれ、図5と同じ方向(詳しくは、図4に示すA方向)から視た前記組立体の側面図である。
図7に示す変形例では、仮想平面Pにより斜板112をピストン126からの圧縮反力の作用する作用領域F1と非作用領域F2とに区分した場合に、突設部144は、傾斜面144aの幅方向の中心位置を仮想平面Pに対して非作用領域F2側に偏心させて突設されている。一方、図5に示す突設部144は、傾斜面144aの幅方向の中心位置を仮想平面P上に位置するように配置されている。図7に示すように、突設部144を偏心して配置させたことにより、ピン143と傾斜面144aとの当接部位である前記支点から、ピストン126からの圧縮反力の作用点である斜板112の外縁部までの距離が、図5の場合と比較すると長くなる。その結果、前記支点を中心として斜板112を回転させる回転モーメントが大きくなる。したがって、斜板112は、より安定してロータ111に二点あたりで支持される。
図8に示す変形例では、突設部144はその傾斜面144aの幅方向中央部に溝部144bを有している。この場合、前記組立体の組立て時等に、二つの斜板アーム壁部142a,142bのうちの非作用領域F2側の左内壁面141a1がこの左内壁面141a1に対向する左外壁面142a1に面接触した状態において、ピン143の前記所定部位と突設部144の傾斜面144aとの間における少なくとも作用領域F1側の領域に、隙間が設定されているとよい。例えば、溝部144bにより二分された傾斜面144aのうちの作用領域F1側の部位の前記ロータ端面からの高さが、前記二分された傾斜面144aのうちの非作用領域F2側の部位の前記ロータ端面からの高さより低くなるように、設定されている。つまり、傾斜面144aに段差が設けられている。これにより、図8において、傾斜面144aのうちの作用領域F1側の部位とピン143との間に意図的に隙間が設定され、斜板112がより傾き易くなり、その結果、斜板112はより安定してロータ111に二点あたりで支持される。
なお、ピン143と傾斜面144aの作用領域F1側の領域の高さを低くして、段差を設けることにより、ピン143の前記所定部位と傾斜面144aとの間における作用領域F1側の領域に隙間を設ける構成に限らない。例えば、前記組立体の組立て時等に、二つの斜板アーム壁部142a,142bのうちの非作用領域F2側の左内壁面141a1が対向する左外壁面142a1に面接触した状態において、図5や図8に示す突設部144及びピン143との間に、非作用領域F2側の領域から作用領域F1側の領域に向かうほど大きくなるようなテーパー状の隙間が設定されるようにしてもよい。この場合、傾斜面144aをその幅方向に傾斜させてもよいし、ピン143をテーパーピン状に形成してもよいし、これらの組み合せでもよい。
なお、本実施形態では、ピン143は、その延伸方向の各端部143a,143bが孔部142a3,142b3にそれぞれ挿入されることにより支持されており、各孔部142a3,142b3は、それぞれ、斜板アーム壁部142a,142bの壁厚み方向に貫通する貫通孔であるものとしたが、これに限らない。例えば、二つの斜板アーム壁部142a,142bのうちの非作用領域F2側の斜板アーム壁部142aに対応する孔部142a3については、左外壁面142a1の手前で止まる止まり孔であってもよい。これにより、ロータ111の回転力を斜板112へ伝達する主な部位であるロータアーム141の左内壁面141a1に、ピン143の非作用領域F2側の端部143aのエッジが当接することを防止することができる。これにより、斜板112の安定した傾動及び支持をより確実に維持することができる。
また、本実施形態では、駆動軸110は、駆動軸110における前記動力伝達装置側(外部からの動力入力側、図では下側)の端部から視て、軸線X0を中心に時計回りの回転方向Rに回転するものとしたが、これに限らず、反時計回りで回転してもよい。この場合、作用領域F1及び非作用領域F2は、図5とは逆転し、斜板112は、圧縮機作動中に、概ね前記支点を中心として、図5に矢印Bとは反対方向に、微小に傾く。より詳しくは、この微小に傾いた状態で、斜板アーム142の右外壁面142b1の基端部とロータアーム141の右内壁面141b1の先端部との間に隙間が生じ(図5に示すC1部位)、右外壁面142b1の先端部と右内壁面141b1の基端部とが接触し、左外壁面142a1の先端部と左内壁面141a1の基端部との間に隙間が生じ(図5に示すC2部位)、左外壁面142a1の基端部と左内壁面141a1の先端部とが接触する。その結果、圧縮機作動中において、斜板112は二点あたりで、ロータ111に安定して支持されることとなり、斜板112がたつきが抑制又は防止される。このように、回転方向Rを逆転させる場合において、図7及び図8に示した変形例を適用する場合、前記段差による隙間の位置や前記テーパー状の隙間の傾斜方向は、前述した位置や方向と逆にすればよい。
そして、本発明は、電磁クラッチを装着した圧縮機や、クラッチレス圧縮機にも適用でき、また、電動モータで駆動される圧縮機にも適用できる。
以上、本発明の好ましい実施形態及びその変形例について説明したが、本発明は上記実施形態及び変形例に制限されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形及び変更が可能である。
100…可変容量圧縮機
101…シリンダブロック(ハウジング)
101a…シリンダボア
102…フロントハウジング(ハウジング)
104…シリンダヘッド(ハウジング)
110…駆動軸
111…ロータ
112…斜板
126…ピストン
141…ロータアーム
141a,141b…二つのロータアーム壁部
141a1,141b1…互いに対向する内壁面(左内壁面、右内壁面)
142…斜板アーム
142a,142b…二つの斜板アーム壁部
142a1…壁面(左外壁面)
142a2…先端部
142b1…壁面(右外壁面)
142b2…先端部
143…ピン
143a1…端面
143b1…端面
144…突設部
144a…傾斜面
X0…軸線
F1…作用領域
F2…非作用領域
P…仮想平面

Claims (3)

  1. ハウジングに回転自在に支持された駆動軸と、
    前記駆動軸と一体化されたロータと、
    前記駆動軸の軸線の延伸方向にスライド可能であり且つ前記軸線に対する傾斜角を変更可能に、前記ロータに対向した状態で前記駆動軸に支持される斜板と、
    前記ロータの斜板側のロータ端面から前記斜板に向かって突出するロータアームと、
    前記斜板のロータ側の斜板端面から前記ロータに向かって突出すると共に、前記ロータアームを介して前記ロータの回転力が伝達される斜板アームと、
    前記ハウジングに形成されるシリンダボア内に配置され前記斜板の回転運動に伴い往復運動するピストンと、
    を含み、前記斜板の前記傾斜角の変化に応じて前記ピストンのストローク量が変化して吐出容量が変化する可変容量圧縮機であって、
    前記ロータアームは、互いに離間して対向する二つのロータアーム壁部からなり、
    前記斜板アームは、前記二つのロータアーム壁部における互いに対向する内壁面間に挿入され、互いに離間して対向する二つの斜板アーム壁部からなり、
    前記二つの斜板アーム壁部は、それぞれ、前記内壁面に対向して摺接可能な壁面を有する構成とし、
    前記二つの斜板アーム壁部における一方の先端部と他方の先端部との間に連結されるピンと、
    前記ロータ端面における前記二つのロータアーム壁部の間の所定領域に突設される突設部であって、前記ロータにおける外縁部から中心に向かうほど前記ロータ端面から離れるように傾斜すると共に前記ピンにおける前記二つの斜板アーム壁部の間の所定部位が当接する傾斜面を有する突設部と、
    を含み、
    前記駆動軸の軸線に沿って延びる仮想平面により前記斜板を前記ピストンからの圧縮反力の作用する作用領域と非作用領域とに区分した場合に、前記突設部は、前記傾斜面の幅方向の中心位置を前記仮想平面に対して前記非作用領域側に偏心させて突設されている、可変容量圧縮機。
  2. ハウジングに回転自在に支持された駆動軸と、
    前記駆動軸と一体化されたロータと、
    前記駆動軸の軸線の延伸方向にスライド可能であり且つ前記軸線に対する傾斜角を変更可能に、前記ロータに対向した状態で前記駆動軸に支持される斜板と、
    前記ロータの斜板側のロータ端面から前記斜板に向かって突出するロータアームと、
    前記斜板のロータ側の斜板端面から前記ロータに向かって突出すると共に、前記ロータアームを介して前記ロータの回転力が伝達される斜板アームと、
    前記ハウジングに形成されるシリンダボア内に配置され前記斜板の回転運動に伴い往復運動するピストンと、
    を含み、前記斜板の前記傾斜角の変化に応じて前記ピストンのストローク量が変化して吐出容量が変化する可変容量圧縮機であって、
    前記ロータアームは、互いに離間して対向する二つのロータアーム壁部からなり、
    前記斜板アームは、前記二つのロータアーム壁部における互いに対向する内壁面間に挿入され、互いに離間して対向する二つの斜板アーム壁部からなり、
    前記二つの斜板アーム壁部は、それぞれ、前記内壁面に対向して摺接可能な壁面を有する構成とし、
    前記二つの斜板アーム壁部における一方の先端部と他方の先端部との間に連結されるピンと、
    前記ロータ端面における前記二つのロータアーム壁部の間の所定領域に突設される突設部であって、前記ロータにおける外縁部から中心に向かうほど前記ロータ端面から離れるように傾斜すると共に前記ピンにおける前記二つの斜板アーム壁部の間の所定部位が当接する傾斜面を有する突設部と、
    を含み、
    前記駆動軸の軸線に沿って延びる仮想平面により前記斜板を前記ピストンからの圧縮反力の作用する作用領域と非作用領域に区分し、前記二つの斜板アーム壁部のうちの前記非作用領域側の前記内壁面が該内壁面に対向する前記壁面に面接触した状態において、前記ピンの前記所定部位と前記傾斜面との間における少なくとも前記作用領域側の領域に、隙間が設定されている、可変容量圧縮機。
  3. 前記斜板の最小傾斜角から最大傾斜角までの全範囲において、前記ピンの端面に正対する正対視で、前記端面の少なくとも一部が、前記二つのロータアーム壁部間の領域に位置している、請求項1又は2に記載の可変容量圧縮機。
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