以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明を具体化した一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
[駅務システム100]
図1は、本発明の実施形態に係る駅務システム100(本発明の駅務システムの一例)を示すネットワーク図である。図1に示すように、駅務システム100は、自動改札機1(本発明の自動改札機の一例)、駅員端末装置2、精算端末装置3、駅サーバ4、及び、センタ装置5(本発明の出場駅推定装置の一例)などを含んで構成されている。図1では、二つの駅8(8A,8B)が示されているが、駅務システム100は、それ以上の複数の駅8に属する駅務機器を含む構成であってもよい。
各駅8には、複数の自動改札機1、駅員が使用する駅員端末装置2、精算端末装置3、駅サーバ4、券売機(不図示)等の駅務機器が設置されている。言い換えると、これらの駅務機器は、各駅8それぞれに属している。これら駅務機器は、LAN等のネットワークN1を介して互いに通信可能に接続されている。また、各駅8の駅サーバ4は、専用回線や公衆回線等のネットワークN2を介して、鉄道事業者(鉄道会社)が管理するサーバ装置であるセンタ装置5に通信可能に接続されている。
本実施形態では、駅務システム100において、駅8内に設置された自動改札機1と、駅員端末装置2と、鉄道事業者が管理するセンタ装置5とによって、不正乗車を目的として鉄道を利用する可能性のある不正利用者(不正利用疑義者)が出場しようとする出場駅を推定することができる。つまり、本発明の駅務システムは、少なくとも、自動改札機1と、駅員端末装置2と、センタ装置5とにより構成されている。
自動改札機1は、駅8の改札口に設置されている。図3に示すように、自動改札機1は、間に改札通路6を形成するように入場用の自動改札機1A及び出場用の自動改札機1Bを対面させた構成である。一方の自動改札機1Aは、入場時の進行方向(矢印D10の方向)に沿って前記改札口から内側に入場する利用者(入場者)に対して改札処理(入場改札処理)を行う入場用自動改札機としての役割を担う。他方の自動改札機1Bは、出場時の進行方向(矢印D11の方向)に沿って前記改札口から外側へ出場する利用者(出場者)に対して改札処理(出場改札処理)を行う出場用自動改札機としての役割を担う。ここで、以下においては、特に区別しない限り、自動改札機1が自動改札機1A及び自動改札機1Bを含んであり、入場用及び出場用の両方の改札機能を兼ねるものとして説明する。
なお、自動改札機1は、自動改札機1A或いは自動改札機1Bが単体として用いられて、一方向に通行する利用者に対して改札処理を行うものであってもよい。この場合、自動改札機1は、後述するICカード読取部16や乗車券挿入口17が改札外側に配置されるように設置された場合に、入場用自動改札機として用いられる。また、自動改札機1は、ICカード読取部16や乗車券挿入口17が改札内側に配置されるように設置された場合に、出場用自動改札機として用いられる。
以下、駅務システム100を構成する自動改札機1、センタ装置5、駅サーバ4の具体的な構成について説明する。
[自動改札機1]
図2は、自動改札機1の構成を示すブロック図であり、図3は、自動改札機1の外観を示す斜視図である。
自動改札機1は、駅8の改札口に設置されるものであり、前記改札口を通る利用者に対して改札処理を行う。図3に示すように、自動改札機1は、互いに対向するように設置された自動改札機1A及び自動改札機1Bを備える。本実施形態では、自動改札機1は、改札通路6(図3参照)を通行しようとする利用者が所有するICカードや切符(磁気券)などの乗車券から前記乗車券に含まれる乗車券情報を取得する。自動改札機1は、取得した乗車券情報が有効であると判定した場合に、前記乗車券情報に基づく改札処理を行う。具体的には、自動改札機1は、ゲート15を開けて、改札通路6を開放して、利用者の通行を許可する。一方、自動改札機1は、取得した乗車券情報が無効であると判定した場合、乗車券情報が取得されなかった場合、或いはICカードや切符の読取不良が生じた場合に、改札通路6を閉鎖して、改札通路6における利用者の通行を禁止する。具体的には、自動改札機1は、ゲート15を閉じて、改札通路6を閉鎖して、利用者の通行を禁止する。
なお、前記乗車券として、前記乗車券情報が記録されたバーコードやQRコード(登録商標)などの情報コードが用いられてもよい。この場合、前記情報コードが印刷された紙媒体、或いは、前記情報コードが表示された端末装置の表示画面が前記乗車券に代用される。
ここで、前記乗車券がICカードである場合は、前記乗車券情報は、利用者を示すID、チャージされている金額(残金)、ICカードの有効期限などを含む。また、前記乗車券が切符の場合は、前記乗車券情報は、購入した駅名、発行日付及び発行時刻、券種、購入した駅(乗車駅)から乗車可能な区間、その区間の運賃(金額)などを含む。また、前記乗車券が前記情報コードである場合は、前記乗車券情報は、利用者を示すID、乗車駅を示す駅名、発行日付及び発行時刻、券種、乗車駅から降車駅までの運賃(金額)、発行番号などを含む。
図2に示すように、自動改札機1は、制御部11と、記憶部12と、表示部13と、通信部14と、ゲート15と、ICカード読取部16と、乗車券挿入口17(図3参照)と、撮像部18と、を備えており、これらが自動改札機1の筐体10(図3参照)に設けられている。
記憶部12は、各種の情報を記憶するHDD又はSSDなどを含む不揮発性の記憶媒体である。記憶部12には、自動改札機1で実行される各種制御処理や、後述の顔画像取得処理(図5参照)、後述の不正利用疑義者特定処理(図10参照)などの各種処理を制御部11に実行させるための制御プログラム、前記各種処理に用いられる各種のデータなどが記憶されている。また、記憶部12には、駅サーバ4やセンタ装置5などから自動改札機1に送信された各種情報が一時的に格納される場合がある。
表示部13は、制御部11からの指示に従って、改札通路6を通行する利用者に対するメッセージを表示する。表示部13は、例えば、液晶パネルを有している。図3に示すように、表示部13は、自動改札機1の筐体10の上面に配置されている。詳細には、表示部13は、筐体10の上面において、改札通路6(図3参照)における利用者の進行方向(矢印D10又は矢印D11の方向)の前方側に配置されている。本実施形態では、表示部13は、入場又は出場に用いられるゲート15と概ね同じ位置か、或いは、ゲート15よりも前記進行方向の前方側に配置されている。利用者の通行が許可される場合、表示部13には、通行可能であることを示すメッセージが表示される。また、利用者の通行が許可されない場合、表示部13には、通行不可(禁止)であることを示すメッセージが表示される。なお、自動改札機1が出場用として用いられる場合は、表示部13には、例えば、運賃が不足していることを示すメッセージや、精算端末装置3(図1参照)で運賃不足分の精算を促すメッセージが表示されてもよい。
通信部14は、自動改札機1を有線又は無線でネットワークN1に接続し、ネットワークN1を介して駅サーバ4などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
ゲート15は、自動改札機1の改札通路6において前記進行方向の前方側の出口の付近に設置される。ゲート15は、例えば開閉可能な扉であり、モータなどの駆動部(不図示)から駆動力を得て開閉する。前記駆動部が制御部11によって駆動制御されることにより、ゲート15が開位置と閉位置との間で変位する。ゲート15は、利用者の通行が許可された場合に開放される。これにより、利用者は自動改札機1の改札通路6を通過することができる。一方、利用者の通行が許可されない場合は、ゲート15が閉鎖されるか、或いは閉鎖状態を維持する。例えば、自動改札機1において入場又は出場の改札処理が行われていない場合は、利用者の通行が許可されず、ゲート15は閉鎖状態を維持する。また、前記改札処理が行われないまま利用者が改札通路6に進入すると、筐体10に設けられた人感センサ(不図示)が前記利用者を検知した場合に、ゲート15が閉鎖される。
なお、ゲート15は、物理的な扉に限られず、例えば、ホログラムを用いた立体画像で現された扉であってもよい。また、ゲート15は、音声により利用者の通過を許可又は禁止する音声ゲートであってもよい。
ICカード読取部16は、筐体10の上面において前記進行方向の手前側に設けられている。ICカード読取部16は、ICカード形式の乗車券(以下「ICカード」という。)に記録されている情報(乗車券情報)を非接触により読み取る。ICカード読取部16は、例えば、近距離通信によってICカード内の情報を非接触で読み出し、非接触で書き込みを行うリーダライタ装置である。ICカード読取部16により読み取られた情報は制御部11に送信され、制御部11は当該情報に基づいて改札処理を実行する。ICカードを利用する利用者は、ICカード読取部16にICカードを翳して、ICカード読取部16に読取処理を行わせる。
ICカード読取部16よりも前記進行方向の手前側に乗車券挿入口17が設けられている。利用者が切符を用いて自動改札機1を通行する場合、乗車券挿入口17に切符が挿入される。乗車券挿入口17に挿入された切符は、自動改札機1の内部を排出口(不図示)へ向けて搬送され、その搬送過程において、磁気読取部(不図示)が、切符から磁気データとともに切符の情報(乗車券情報)を読み出し、切符の磁気部分に情報を書き込む。
撮像部18は、筐体10の上面に設けられている。撮像部18は、自動改札機1を利用しようとする利用者の少なくとも顔の画像(顔画像)を取得する。撮像部18は、前記顔画像を撮像するものであり、具体的にはカメラである。撮像部18は、レンズが前記進行方向の上流側へ向くように設置されている。撮像部18は、入場時の改札処理が行われるよりも前に、駅改札口の内側に入場するために自動改札機1へ向かって移動する利用者(入場者)の顔を撮像し、その入場者の顔画像の画像データを制御部11のRAMや記憶部12に一時的に記憶する。この場合の撮像部18は、本発明の第1顔画像取得部の一例である。また、撮像部18は、出場時の改札処理が行われるよりも前に、駅改札口から出場するために自動改札機1へ向かって移動する利用者(出場者)の顔を撮像し、その出場者の顔画像の画像データを制御部11のRAMや記憶部12に一時的に記憶する。この場合の撮像部18は、本発明の第2顔画像取得部の一例である。尚、本実施形態では、撮像部18が自動改札機1に搭載された構成を例示するが、例えば、撮像部18は、駅8の構内に設置されたカメラであってもよい。
制御部11は、自動改札機1の各部の動作を制御する。制御部11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶媒体である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶媒体であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより自動改札機1を制御する。
図2に示すように、制御部11は、読取処理部111、通行制御部112、処理未了判定部113、ゲート処理部114、顔照合処理部115(本発明の第2顔照合処理部の一例)、通知処理部116(本発明の出力部の一例)、などの各種処理部を含む。
制御部11は、前記CPUが前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。言い換えると、前記CPUは、前記制御プログラムを実行することにより、読取処理部111、通行制御部112、処理未了判定部113、ゲート処理部114、顔照合処理部115、通知処理部116などの処理部として機能する。また、制御部11に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。また、前記制御プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。なお、制御部11又は前記CPUが、前記制御プログラムを実行するコンピュータの一例である。
読取処理部111は、ICカード読取部16により読み取られたICカードの前記乗車券情報、或いは、前記磁気読取部(不図示)により読み取られた切符の前記乗車券情報を取得する。読取処理部111は、乗車券から前記乗車券情報を取得すると、各乗車券における当該情報をICカード読取部16又は前記磁気読取部に更新させる。例えば、入場用の自動改札機1Aにおいて、読取処理部111は、入場駅の情報をICカードまたは切符に入場記録として書き込む。また、出場用の自動改札機1Bにおいて、読取処理部111は、ICカードにチャージされている金額から所定の金額(運賃)を減額し、減額された残りの金額をICカードの情報保持部に書き込む。また、読取処理部111は、出場駅の情報を出場記録としてICカードに書き込む。
通行制御部112は、所定の条件を満たした場合に、利用者が改札通路6を通行することを許可又は禁止する。例えば、通行制御部112は、ICカードや切符などの乗車券から読み取られた乗車券情報が有効であると判定すると、利用者が改札通路6を通行することを許可する。一方、通行制御部112は、前記乗車券情報が無効であると判定した場合、利用者が改札通路6を通行することを禁止する。通行が許可された場合、ゲート15は開放される。一方、通行が許可されなかった場合は、ゲート15は閉鎖されるか、或いは、閉鎖状態が維持される。
処理未了判定部113は、自動改札機1において入場又は出場時の改札処理が行われたか否かを判定する。自動改札機1において乗車券から前記乗車券情報が読み取られないまま筐体10に設けられた人感センサ(不図示)が前記利用者を検知した場合に、改札処理が行われなかった、つまり、改札処理未了と判定される。改札処理未了と判定された場合、ゲート15は閉鎖されるか、或いは、閉鎖状態が維持される。
本実施形態では、処理未了判定部113によって入場時の改札処理が未了であると判定された場合、制御部11は、その際に撮像部18が撮像した利用者(改札処理未了の入場者)の顔画像(入場顔画像)を駅サーバ4に送信し、駅サーバ4からセンタ装置5に転送させる。つまり、センタ装置5は、撮像部18によって顔画像が撮像された前記入場者が入場改札処理が行われないまま改札通路6及びゲート15を通過した場合に、前記入場顔画像を取得する。また、制御部11は、前記入場顔画像とともに、利用者が利用した入場駅の名称などの入場駅情報を駅サーバ4に送信し、駅サーバ4からセンタ装置5に転送させる。センタ装置5に転送された前記入場顔画像及び前記入場駅情報は、後述の出場駅推定処理(図8参照)に用いられる。また、センタ装置5に転送された前記入場顔画像は、後述の入場顔画像データ格納部521(図4参照)に格納され、前記入場駅情報は、後述の不正利用履歴データ格納部523に格納される。
また、処理未了判定部113によって出場時の改札処理が未了であると判定された場合、制御部11は、その際に撮像部18が撮像した利用者(改札処理未了の出場者)の顔画像(出場顔画像)を駅サーバ4に送信し、駅サーバ4からセンタ装置5に転送させる。また、制御部11は、前記出場顔画像とともに、利用者が利用した出場駅の名称などの出場駅情報を駅サーバ4に送信し、駅サーバ4からセンタ装置5に転送させる。センタ装置5に転送された前記出場顔画像及び前記出場駅情報は、後述の出場駅推定処理(図8参照)に用いられる。また、センタ装置5に転送された前記出場顔画像は、後述の出場顔画像データ格納部522(図4参照)に格納され、前記出場駅情報は、後述の不正利用履歴データ格納部523に格納される。
ゲート処理部114は、ゲート15の動作(開閉動作)を制御する。例えば、改札通路6における利用者の通行が許可された場合、ゲート処理部114は、不図示の駆動部を制御して、ゲート15を開ける。これにより改札通路6が開放される。一方、改札通路6における利用者の通行が禁止された場合、或いは、改札処理未了と判定された場合は、ゲート処理部114は、ゲート15を閉じるか、閉じた状態を維持する。これにより、改札通路6閉鎖される。
顔照合処理部115は、撮像部18によって撮像された出場時の利用者(出場者)の顔画像(出場顔画像)と、センタ装置5から送られてきた後述の照合用顔画像とを照合して、これらが一致するか否かを判定する。前記照合用顔画像は、センタ装置5において、不正乗車を行う可能性が高いと判定された利用者(不正利用疑義者)の顔画像である。したがって、顔照合処理部115によって一致していると判定された場合、自動改札機1を出場しようとするその利用者は、不正乗車を行うために自動改札機1に出場時の改札処理を行わせないまま改札通路6及びゲート15を強行突破する可能性が高い。
顔照合処理部115による照合処理は、例えば、顔画像同士を比較して、一致度が所定の閾値以上である場合に、両者が一致すると判定する。或いは、前記照合処理は、各顔画像それぞれから顔の特徴量を抽出し、それらの特徴量を比較して、特徴量の一致度が所定の閾値以上である場合に、両者が一致すると判定してもよい。
なお、顔照合処理部115は、出場用の自動改札機1Bに設けられていればよく、入場用の自動改札機1Aに設ける必要は無い。もちろん、自動改札機1が入場用及び出場用の両方を兼ねる場合は、顔照合処理部115は自動改札機1(1A,1B)に設けられる。
通知処理部116は、顔照合処理部115によって一致すると判定された場合に、自動改札機1において、改札処理が未了である旨の出力を行う。通知処理部116は、改札通路6を通行する利用者に視認できるように、入場又は出場の改札処理が未了である旨の警告メッセージを表示部13に出力して表示させる。また、通知処理部116は、出場時に、前記警告メッセージとともに、精算端末装置3で精算手続きを促すメッセージを出力してもよい。通知処理部116は、前記各メッセージを表示部13に表示するのみならず、スピーカー(不図示)から音声で前記メッセージの内容をアナウンスしてもよい。
また、通知処理部116は、ネットワークN1を介して、駅員端末装置2に、改札処理が未了である利用者が通行しようとする自動改札機1の位置情報などを送信してもよい。これにより、駅係員は、駅員端末装置2から前記位置情報を確認することができ、その位置情報が示す自動改札機1に待機して、不正利用者の警戒に当たることができる。
[センタ装置5]
図4は、センタ装置5の構成を示すブロック図である。センタ装置5は、駅8を含む鉄道事業を運営する鉄道事業者が管理する中央監視装置であり、鉄道事業者が運営する全ての駅8の駅サーバ4や自動改札機1などの駅務機器を管理する。図4に示すように、センタ装置5は、無線によりネットワークN2に接続し、所定の通信プロトコルに従って、ネットワークN2を介して駅サーバ4や他の駅務機器との間でデータ通信を実行する。
センタ装置5は、制御部51と、記憶部52と、通信部53と、を備えている。
通信部53は、センタ装置5を有線又は無線でネットワークN2に接続し、所定の通信プロトコルに従って、ネットワークN2を介して駅サーバ4との間でデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
記憶部52は、各種の情報を記憶するHDD又はSSDなどを含む不揮発性の記憶媒体である。記憶部52には、制御部51に各種処理を実行させるための制御プログラムや、駅務システム100で実行される後述の入場顔画像登録処理(図6参照)、不正利用履歴更新登録処理(図7参照)、出場駅推定処理(図8参照)に用いられる制御プログラムやデータなどが記憶される。なお、本実施形態では、記憶部52がセンタ装置5に設けられた構成を例示するが、例えば、記憶部52内の各種情報の一部又は全部が、ネットワークN2などを通じてセンタ装置5とデータ通信可能な他のサーバ装置やネットワーク接続可能な記憶装置などの外部装置に記憶されていてもよい。また、後述の入場顔画像データ格納部521、出場顔画像データ格納部522、及び不正利用履歴データ格納部523が前記外部装置に設けられていてもよい。
また、記憶部52には、入場顔画像データ格納部521、出場顔画像データ格納部522、及び不正利用履歴データ格納部523、などの記憶領域が設けられている。
入場顔画像データ格納部521には、各駅8それぞれの自動改札機1から駅サーバ4を経由して送られてきた前記入場顔画像を含む入場顔画像データが格納されている。上述したように、前記入場顔画像は、自動改札機1において入場時の改札処理が未了であると判定されたときのその利用者の顔画像である。この入場顔画像は、センタ装置5において実行される後述の入場顔画像登録処理(図6参照)や後述の不正利用履歴更新登録処理(図7参照)などに用いられる。
出場顔画像データ格納部522には、各駅8それぞれの自動改札機1から駅サーバ4を経由して送られてきた前記出場顔画像を含む出場顔画像データが格納されている。上述したように、前記出場顔画像は、自動改札機1において出場時の改札処理が未了であると判定されたときのその利用者の顔画像である。前記出場顔画像データにおいて、前記出場顔画像それぞれは、識別可能なようにID(顔画像ID)が付された状態で管理されている。前記出場顔画像は、制御部51の顔照合処理部511による後述の顔照合処理や、後述の不正利用履歴更新登録処理(図7参照)などに用いられる。
前記入場顔画像データ及び前記出場顔画像データは、いずれも、自動改札機1において改札処理が行われないまま入場又は出場した利用者の顔画像を含むデータベースである。つまり、前記入場顔画像データ及び前記出場顔画像データには、改札処理未了の状態で自動改札機1を通過した利用者の顔画像が登録されている。本実施形態では、自動改札機1は、駅改札口の入場時又は出場時に撮像部18によって撮像された利用者の顔画像のうち、改札処理が行われなかった利用者の顔画像のみを駅サーバ4を通じてセンタ装置5に送信する。そして、これらの顔画像をセンタ装置5が受信すると、センタ装置5は、受信した顔画像を入場顔画像データ格納部521又は出場顔画像データ格納部522に格納する。これにより、各駅の駅サーバ4から送られてきた改札処理未了の複数の利用者の顔画像がデータベースとして各格納部521,522で管理される。
不正利用履歴データ格納部523には、制御部51の常習性判定処理部512及び出場駅推定処理部513による各処理に用いられるテーブルデータ形式の不正利用履歴データが格納されている。前記不正利用履歴データは、前記出場顔画像データに登録されている前記出場顔画像それぞれに関連付けられた複数の不正利用情報を含む。本実施形態では、出場時の改札処理未了の前記出場顔画像が送られてくるたびに、後述の不正利用履歴更新登録処理(図7参照)が実行されることにより、当該出場顔画像に対応する不正利用情報が作成されて、当該不正利用情報によって前記不正利用履歴データが更新される。
以下の表1は、本実施形態で用いられる前記不正利用履歴データの一例である。
表1に示すように、前記不正利用履歴データは、出場時に改札処理未了と判定された前記出場顔画像を特定する顔画像ID番号ごとに、顔画像ID番号が示す前記出場顔画像に関連付けられた不正利用情報(不正利用の履歴情報)が登録されている。ここで、前記不正利用情報は、過去に改札処理未了の状態で自動改札機1を通過して改札口を入場した入場駅の名称、過去に改札処理未了の状態で自動改札機1を通過して改札口を出場した出場駅の名称、改札処理未了で出場駅から出場した出場累積回数(出場駅履歴情報)、経路別の不正乗車回数、最も多く改札処理未了で出場した最多出場駅の名称、などである。なお、顔画像ID003の不正利用情報のように、改札処理未了で入場したときの入場顔画像が得られていない場合は、入場駅の情報は空欄(ブランク)の状態で登録される。
制御部51は、センタ装置5の各部の動作を制御する。制御部51は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶媒体である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶媒体であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。そして、制御部51は、前記ROM又は記憶部52に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUが実行することによりセンタ装置5を制御する。
図4に示すように、制御部51は、顔照合処理部511(本発明の第1顔照合処理部の一例)、常習性判定処理部512(本発明の不正利用判定処理部の一例)、出場駅推定処理部513(本発明の出場駅推定処理部の一例)、通知処理部514(本発明の第1送信部、第2送信部の一例)、等の各種処理部を含む。制御部51は、前記CPUが前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部51に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記制御プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
顔照合処理部511は、自動改札機1から送られてきた前記入場顔画像を受信した場合に、受信した前記入場顔画像と、出場顔画像データ格納部522に格納された前記出場顔画像データとを照合する処理を行う。そして、受信した前記入場顔画像と前記出場顔画像データに登録されている登録済みの顔画像(登録顔画像)とが一致するか否かを判定する。具体的には、顔照合処理部511は、前記出場顔画像データに登録されている各顔画像と、受信した前記入場顔画像とを比較し、前記出場顔画像データから前記入場顔画像と一致するものを検索する。例えば、顔照合処理部511は、顔画像の特徴量を抽出し、それらの特徴量を比較して、特徴量の一致度が所定の閾値以上である場合に、両者が一致すると判定することができる。
また、顔照合処理部511は、自動改札機1から送られてきた前記出場顔画像を受信した場合に、受信した前記出場顔画像と、入場顔画像データ格納部521に格納された前記入場顔画像データとを照合する処理を行う。
常習性判定処理部512は、顔照合処理部511によって一致すると判定された場合に、一致すると判定された前記登録済みの顔画像(以下「一致顔画像」という。)に関連づけられた前記不正利用情報に基づいて、前記入場顔画像を撮像された入場者が前記不正利用疑義者であるか否かを判定する。本実施形態では、常習性判定処理部512は、前記一致顔画像で特定される利用者が不正乗車を常習しているか否かを判定(推定)する。
具体的には、常習性判定処理部512は、前記一致顔画像に関連付けられた前記不正利用情報を前記不正利用履歴データから抽出し、前記不正利用情報に含まれる前記出場累積回数(不正出場回数)に基づいて、前記一致顔画像で特定される入場者が不正乗車の常習者か否かを判定する。ここで、常習性判定処理部512は、前記出場累積回数が予め定められた規定回数M1以上である場合に、不正乗車の常習者(つまり不正利用疑義者)と判定する。ここで、前記出場累積回数が前記規定回数以上である場合は、利用者がICカード等の乗車券を意図して読み取らせずに改札通路6を出場したものと推測できる。一方、前記出場累積回数が前記規定回数M1未満である場合に、不正乗車の常習者ではないと判定する。前記出場累積回素が前記規定回数M1未満である場合は、利用者がICカードのタッチミス又は読み取り不良に気づかずに、不正の意図なく改札通路6を出場したものと推測できる。なお、前記規定回数M1は、本発明の閾値に相当する。
例えば、前記規定回数M1が5回に定められている場合、表1の前記不正利用履歴データの前記不正利用情報によると、改札処理未了で出場した前記出場累積回数が5回以上のID001、ID003、ID004の顔画像を撮像された入場者が不正乗車の常習者と判定される。一方、前記出場累積回数が5回未満のID002の顔画像を撮像された入場者は不正乗車の常習者ではないと判定される。
常習性判定処理部512は、例えば、過去の全ての前記出場累積回数を基準に判定するのではなく、例えば、前記入場顔画像が撮像された日時より前の所定期間における前記出場累積回数を基準に判定してもよい。例えば、所定期間を半年と定めた場合は、前記入場顔画像が撮像された日時の前の半年間に改札処理未了で自動改札機1を出場した回数を基準とし、当該回数が予め定められた規定回数M2以上である場合に、常習性判定処理部512は、前記一致顔画像で特定される利用者を不正乗車の常習者と判定する。前記規定回数M2は、上述した規定回数M1と同じであってもよく、或いは、前記所定期間に対応して定められた前記規定回数M1とは異なる回数であってもよい。
出場駅推定処理部513は、常習性判定処理部512によって前記入場顔画像を撮像された入場者が前記不正利用疑義者であると判定されると、前記不正利用情報に基づいて、当該入場者が不正出場(改札処理未了出場)する可能性の高い出場駅を推定する。
具体的には、出場駅推定処理部513は、前記一致顔画像に関連付けられた前記不正利用情報を前記不正利用履歴データから抽出し、前記不正利用情報に含まれる前記改札処理未了の出場駅の利用回数(出場累積回数)に基づいて不正出場の可能性の高い出場駅を推定する。より詳細には、出場駅推定処理部513は、前記改札処理未了で出場した出場累積回数が最も多い最多利用駅を不正出場の可能性の高い出場駅と推定する。
例えば、前記一致画像が画像ID001の顔画像であり、前記規定回数M1が5回に定められている場合は、ID004の顔画像を撮像された入場者が不正出場する可能性が高い出場駅として、過去最多出場駅(7回)であるX駅が推定される。
なお、出場駅推定処理部513は、前記処理未了出場駅の利用回数が最も多い最多利用駅を不正出場の可能性の高い出場駅と推定するものに限られず、例えば、前記出場累積回数が予め定められた設定回数を超える複数の駅を不正出場の可能性の高い出場駅と推定してもよい。或いは、前記入場顔画像が撮像された日時より前の所定期間に改札処理未了で出場した全ての駅を不正出場の可能性の高い出場駅と推定してもよい。
通知処理部514は、出場駅推定処理部513によって推定された推定駅に属する駅務機器に前記不正利用疑義者と判定された入場者の前記入場顔画像を送信する。具体的には、通知処理部514は、前記入場顔画像をネットワークN2を介して送信対象の駅8の駅サーバ4に送信し、駅サーバ4にネットワークN1に接続されている駅員端末装置2や自動改札機1などに前記入場顔画像を送信する。駅員端末装置2に前記入場顔画像が送信されると、駅係員は、駅員端末装置2から不正利用疑義者の顔画像を確認することができる。これにより、駅係員は、出場する利用者を監視することにより、不正に出場する可能性のある不正利用疑義者を発見することができ、不正を働く前に警戒することができる。
また、通知処理部514は、前記不正利用疑義者と判定された入場者の前記入場顔画像とともに、その入場者が前記推定駅に到着する到着予定時刻を駅員端末装置2や自動改札機1などに送信する。以下、前記入場顔画像と前記到着予定時刻とをまとめて不正利用疑義者情報と称する場合がある。ここで、前記到着予定時刻は、前記不正利用疑義者が入場した入場駅と前記推定駅と運行区間における運行計画(ダイヤグラム)などから各駅の時刻表などから制御部51が算出することができる。これにより、駅係員は、前記入場顔画像を受け取ってから終始監視を行う必要がなくなり、前記到着予定時刻の少し前から監視を始め、所定時間経過するまでの期間を集中して監視すればよい。
[駅サーバ4]
駅サーバ4は、駅務室などに設置されるサーバ装置であり、各駅8に設けられている。駅サーバ4は、各駅8の駅内ネットワークであるネットワークN1に接続されている自動改札機1などの複数の駅務機器を管理する。
図4に示すように、駅サーバ4は、制御部41と、記憶部42と、通信部43と、を備えている。制御部41は、駅サーバ4の動作を制御する。記憶部42は、制御部41が実行する制御に必要な情報を記憶する。通信部43は、ネットワークN1を介して接続されている複数の駅務機器や、ネットワークN2を介して接続されているセンタ装置5とのデータ通信を制御する。
駅サーバ4の制御部41は、センタ装置5から送られてきた各種データを受信すると、そのデータを駅員端末装置2や自動改札機1に送信する。前記各種データには、上述した前記入場顔画像や前記到着予定時刻などの前記不正利用疑義者情報を含む。
[駅員端末装置2]
駅員端末装置2は、鉄道において駅務を行う駅係員が利用する端末装置であり、例えば、駅務室に設置された情報処理装置や、駅係員が携帯して所持可能なスマートフォン、携帯電話、又はタブレット端末などの携帯端末である。駅員端末装置2は、有線又は無線でネットワークN1に接続し、ネットワークN1を介して駅サーバ4などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を行う。駅係員は、駅員端末装置2を操作することにより、駅員端末装置2が受信した各種情報を閲覧、確認することができる。
[精算端末装置3]
精算端末装置3は、駅8の改札口や駅務室の付近に設置されている。精算端末装置3は、有線又は無線でネットワークN1に接続し、ネットワークN1を介して駅サーバ4などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を行う。利用者は、精算端末装置3の操作入力部を操作することにより、精算端末装置3において、自分自身の処理未了の乗車券の精算手続きを行うことができる。なお、精算端末装置3は、独立した端末装置として設置されたものに限られず、例えば、改札処理が行われていない処理未了の乗車券に対して精算する機能が搭載された券売機、駅員端末装置であってもよい。また、精算端末装置3は、駅8に設置されたものに限られず、例えば、インターネット経由でセンタ装置5や駅サーバ4にデータ通信可能に接続された携帯型の情報処理装置であってもよい。
以下、図5乃至図10を参照して、駅務システム100において実行される顔画像取得処理(図5参照)、入場顔画像登録処理(図6参照)、不正利用履歴更新登録処理(図7参照)、出場駅推定処理(図8参照)、不正利用疑義者特定処理(図9参照)等の各処理手順の一例について説明するとともに、本発明の出場駅推定方法について説明する。なお、各図において、S11,S12,・・・は処理手順の番号(ステップ番号)を示す。
[顔画像取得処理]
まず、図5のフローチャートを参照して、自動改札機1の制御部11によって実行される顔画像取得処理の手順の一例について説明する。
自動改札機1においては、自動改札機1の改札通路6に向かって利用者が進行する。ステップS11では、制御部11は、利用者が自動改札機1に到達するよりも前に、撮像部18に、利用者の顔画像を撮像させて、顔画像を取得する。これにより、利用者が改札処理のための乗車券を読み取らせる行為をする前に、利用者の顔画像が撮像される。そして、制御部11は、撮像した顔画像を制御部11のRAM又は記憶部12に記憶する。ここで、ステップS11は、本発明の第1顔画像取得ステップに相当する。
ステップS12では、制御部11は、改札処理が行われないまま利用者が改札通路6及びゲート15を通過したか否かが判定される。例えば、乗車券から前記乗車券情報が読み取られる前に前記人感センサによって改札通路6内の利用者を検知した場合に、改札処理が行われずに通過(処理未了通過)したと判定される。一方、前記人感センサによって検知される前に乗車券から前記乗車券情報が読み取られた場合は、処理未了通過とは判定されない。なお、ゲート15の開閉を検知する開閉センサを設けて、前記人感センサによって利用者が検知され、且つ、前記開閉センサによってゲート15が前記閉位置から前記開位置へ変位したことを検知した場合に、前記処理未了通過と判定してもよい。
ステップS12において、処理未了通過と判定されると、制御部11は、ステップS11で撮像された顔画像(入場顔画像又は出場顔画像)及び撮像された駅の情報(入場駅名又は出場駅名)を駅サーバ4を経てセンタ装置5に送信する(S13)。一方、ステップS12において、処理未了通過では無いと判定された場合は、制御部11は、制御部11のRAM又は記憶部12に記憶された顔画像を消去する(S14)。なお、ステップS13又はS14の処理が終了すると、ステップS11以降の処理が繰り返し行われる。
ここで、ステップS13では、制御部11は、入場時に撮像された前記入場顔画像を送信する際に、入場時に撮像されたことを示す識別フラグ(入場識別情報)を前記入場顔画像に付した状態で前記入場駅名とともにセンタ装置5に送信する。また、制御部11は、出場時に撮像された顔画像(出場顔画像)を送信する際に、出場時に撮像されたことを示す識別フラグ(出場識別情報)を前記出場顔画像に付した状態で前記出場駅名とともにセンタ装置5に送信する。これにより、センタ装置5は、送られてきた顔画像が前記入場顔画像であるか、或いは前記出場顔画像であるかを識別できる。
[入場顔画像登録処理]
次に、図6のフローチャートを参照して、センタ装置5の制御部51によって実行される入場顔画像登録処理の手順の一例について説明する。この入場顔画像登録処理は、入場顔画像データ格納部521に格納された入場顔画像データを更新するために行われる。
ステップS21では、制御部51は、前記入場顔画像を受信したかどうかを判定する。制御部51は、自動改札機1から顔画像が送られてくると、顔画像に付された識別フラグ(入場識別情報)の有無に基づいて、受信した顔画像が前記入場顔画像か否かを判定する。なお、ステップS21では、制御部51は、前記入場顔画像とともに入場駅名を受信する。
ステップS21において前記入場顔画像を受信したと判定すると、その入場顔画像を前記入場駅名とともに入場顔画像データ格納部521に記憶し、入場顔画像データに登録する(S22)。
ステップS23では、前記入場顔画像データに予め定められた設定期間を超過した入力顔画像があるか否かを判定する。例えば、前記入場顔画像データにおいて、前記入力顔画像とともにその入場日時が記憶されている場合、制御部51は、その入場日時に基づいて、入場後から前記設定期間が超過しているか否かを判定する。
例えば、自動改札機1において、改札処理未了で入場した利用者は、遅くても入場した日のうちに他の駅から出場すると考えられる。この場合、前記設定期間は、例えば、入場日における終電時刻までの期間に定めることができる。また、改札処理未了で入場した利用者は、鉄道事業者の運行区間の全域を移動するのに要する所要時間(例えば2時間)を経過するまでに他の駅から出場すると考えられる。前記所要時間は、各者鉄道の運行区間により異なるが、前記設定期間は、前記所要時間に定めることができる。
ステップS23において、前記設定期間を超過した前記入場顔画像があると判定された場合、制御部51は、対象の前記入場顔画像を前記入場顔画像データから削除する。一方、前記設定期間を超過した前記入場顔画像がないと判定された場合は、前記入場顔画像を削除せずに残したままとする。その後、ステップS21以降の処理が繰り返し行われる。
このように前記設定期間を定めることにより、既に他の駅から出場した可能性の高い前記入場顔画像を前記入場顔画像データから削除することができ、後述のステップS31の照合処理の演算時間及び処理負担を軽減できる。
[不正利用履歴更新登録処理]
次に、図7のフローチャートを参照して、センタ装置5の制御部51によって実行される不正利用履歴更新登録処理の手順の一例について説明する。この不正利用履歴更新登録処理は、不正利用履歴データ格納部523に格納された不正利用履歴データ内の不正利用情報を更新、又は新規登録するために行われる。
ステップS31では、制御部51は、前記出場顔画像を受信したかどうかを判定する。制御部51は、自動改札機1から顔画像が送られてくると、顔画像に付された識別フラグ(出場識別情報)の有無に基づいて、受信した顔画像が前記出場顔画像か否かを判定する。なお、ステップS31では、制御部51は、前記出場顔画像とともに出場駅名を受信する。
ステップS31において前記出場顔画像を受信したと判定すると、制御部51は、その出場顔画像と入場顔画像データ格納部521に記憶された前記入場顔画像データとを照合する処理を行う(S32)。当該照合処理では、受信した前記出場顔画像と前記入場顔画像データに登録されている入場顔画像とが一致するか否かを判定する。
前記入場顔画像データに登録されている各顔画像と、受信した前記出場顔画像とを比較し、前記入場顔画像データから前記出場顔画像と一致するものが検索されると(ステップS33のYes)、制御部51は、受信した出場顔画像に、入場及び出場ともに改札処理未了である旨の識別フラグ(改札処理未了の種別を識別する識別情報)を付す(S34)。例えば、改札処理未了で出場した利用者が入場時も改札処理未了で入場していた場合は、前記入場顔画像データから前記出場顔画像と一致する顔画像が検索される。
一方、前記入場顔画像データに前記出場顔画像と一致するものが無いと判定されると(ステップS33のNo)、制御部51は、受信した出場顔画像に、出場のみ改札処理未了である旨の識別フラグ(改札処理未了の種別を識別する識別情報)付す(S35)。例えば、改札処理未了で出場した利用者が、入場時は自身が所持している定期券や最短区間(例えば1区間)の切符を読み取らせて正常に改札処理をしていた場合は、上述したステップS14において顔画像が消去されるため、前記入場顔画像データから前記出場顔画像と一致する顔画像は検索されない。
ステップS34及びS35の処理が終了すると、続いて、ステップS36において、制御部51は、ステップS31で受信した前記出場顔画像が出場顔画像データ格納部522に記憶された前記出場顔画像データとを照合し、前記出場顔画像データに含まれているか否かを判定する処理を行う。当該処理では、前記出場顔画像データに受信した前記出場顔画像と一致する顔画像が含まれているか否かを判定する。
前記出場顔画像データに登録されている各顔画像と、受信した前記出場顔画像とを比較し、前記出場顔画像データから前記出場顔画像と一致するものが検索されると(ステップS37のYes)、制御部51は、前記出場顔画像データ、及び不正利用履歴データ格納部523に格納されている不正利用履歴データを更新する(S38)。具体的には、一致すると判定された登録済みの顔画像のIDに関連付けて、受信した前記出場顔画像を前記出場顔画像データに追加登録する。また、前記IDに関連付けられた不正利用履歴データ内の前記不正利用情報に、前記出場顔画像とともに送られてきた入場駅名及び出場駅名を不正利用情報として追加登録する。その後、一連の処理が終了する。
例えば、上述した表1の例を用いて、前記出場顔画像データに登録されているID001の顔画像と前記出場顔画像とが一致する場合、ID001に関連付けて、受信した前記出場顔画像を前記出場顔画像データに追加登録する。この場合、ID001に関連する複数の出場顔画像が前記出場顔画像データに登録されることになる。また、例えば、改札処理未了の入場駅がD駅であり、改札処理未了の出場駅がX駅である場合、ID001に関連付けられた不正利用履歴データ内の前記不正利用情報が、以下の表2に示すように更新される。つまり、当該不正利用情報に、入場駅としてB駅が追加され、出場駅としてZ駅が追加され、更に、不正乗車回数や、改札処理未了で出場した出場累積回数、最多出場駅などが更新される。
一方、前記出場顔画像データに前記出場顔画像と一致するものが無いと判定されると(ステップS37のNo)、制御部51は、新たなIDを発行し、そのIDと受信した前記出場顔画像とを関連付けて、前記出場顔画像データに新規登録する(S39)。また、前記出場顔画像とともに送られてきた入場駅名及び出場駅名を前記IDに関連付けて、前記不正利用情報として前記不正利用履歴データに新規登録する。その後、一連の処理が終了する。
例えば、改札処理未了の入場駅がB駅であり、改札処理未了の出場駅がZ駅である場合、以下の表3に示すように、制御部51は、新たに発行したID099に関連付けて新たな不正利用情報を追加し、その不正利用情報に、入場駅としてB駅、出場駅としてZ駅が書き込まれ、更に、不正乗車回数や、改札処理未了で出場した出場累積回数、最多出場駅などが書き込まれる。
[出場駅推定処理]
次に、図8のフローチャートを参照して、センタ装置5の制御部51によって実行される出場駅推定処理の手順の一例について説明する。この出場駅推定処理は、主として、制御部51の常習性判定処理部512、及び出場駅推定処理部513によって実行される。
ステップS41では、制御部51は、前記入場顔画像を受信したかどうかを判定する。制御部51は、自動改札機1から顔画像が送られてくると、顔画像に付された識別フラグ(出場識別情報)の有無に基づいて、受信した顔画像が前記入場顔画像か否かを判定する。なお、ステップS31では、制御部51は、前記入場顔画像とともに出場駅名を受信する。
ステップS41において前記入場顔画像を受信したと判定すると、制御部51は、その入場顔画像と出場顔画像データ格納部522に記憶された前記出場顔画像データとを照合する処理を行う(S42)。当該照合処理では、受信した前記入場顔画像と前記出場顔画像データに登録されている出場顔画像とが一致するか否かを判定する。つまり、当該処理では、前記出場顔画像データに、受信した前記入場顔画像と一致する顔画像が含まれているか否かを判定する。ここで、ステップS41は、本発明の第1顔照合処理ステップに相当する。
例えば、前記入場顔画像を撮像された入場者(利用者)が、過去に改札処理未了で出場した経験がある場合は、その出場に撮像された顔画像が前記出場顔画像データに登録されている。この場合は、受信した前記入場顔画像と一致する前記出場顔画像が検索される。一方、前記入場顔画像を撮像された入場者が、過去に改札処理未了で出場した経験が無い場合は、前記出場顔画像データに当該入場者の顔画像は登録されていない。この場合は、受信した前記入場顔画像と一致する顔画像は検索されない。
前記出場顔画像データに登録されている各顔画像と、受信した前記入場顔画像とを比較し、前記出場顔画像データから前記入場顔画像と一致するものが検索されると(ステップS43のYes)、制御部51は、次のステップS44において、常習性判定処理を行う。一方、前記出場顔画像データに前記出場顔画像と一致するものが無いと判定されると(ステップS43のNo)、一連の処理が終了する。
制御部51は、ステップS43において一致すると判定された前記出場顔画像のIDを特定し、そのIDに対応する前記不正利用情報を前記不正利用履歴データから抽出する。そして、制御部51は、ステップS44において、抽出した前記不正利用情報に基づいて、前記入場顔画像を撮像された入場者(利用者)が、上述した不正利用疑義者であるか否かを判定する。つまり、制御部51は、前記入場者が不正乗車を常習しているか否かを判定(推定)する。ここで、ステップS44は、本発明の不正利用判定処理ステップに相当する。
上述したように、当該判定処理は、例えば、前記不正利用情報に含まれる前記出場累積回数(不正出場回数)に基づいて判定される。具体的には、制御部51は、前記出場累積回数が上述した規定回数M1以上である場合に、前記入場者を不正乗車の常習者(不正利用疑義者)と判定する。或いは、制御部51は、前記入場顔画像が撮像された日時より前の所定期間における前記出場累積回数が上述した規定回数M2以上である場合に、前記入場者を不正乗車の常習者と判定してもよい。或いは、制御部51は、過去の全ての出場累積回数が前記規定回数M1以上であり、且つ、前記所定期間における前記出場累積回数が前記規定回数M2以上であることを満たした場合に、前記入場者を不正乗車の常習者と判定してもよい。なお、常習者を判定するための判定条件は、上述した条件に限られない。
ステップS45において、前記入場者が常習者(不正利用疑義者)であると判定されると(ステップS45のYes)、制御部51は、次のステップS46において、出場駅推定処理を行う。一方、前記入場者が常習者でないと判定されると(ステップS45のNo)、一連の処理が終了する。
ステップS46では、制御部51は、上述したIDに対応する前記不正利用情報に基づいて、前記入場者が不正出場(改札処理未了出場)する可能性の高い出場駅を推定する。ここで、ステップS46は、本発明の出場駅推定処理ステップに相当する。
例えば、制御部51は、前記不正利用情報に含まれる改札処理未了の出場駅の利用回数が最も多い駅(最多出場駅)を出場駅として推定する。或いは、改札処理未了の出場駅の利用回数が予め定められた設定回数を超える場合に、当該駅を不正出場の可能性の高い出場駅と推定してもよい。この場合、推定される駅は一つに限られない。或いは、前記不正利用情報に含まれる過去に利用したことのある全ての駅を不正出場の可能性の高い出場駅と推定してもよい。なお、不正出場の可能性の高い出場駅を推定するための推定条件は、上述した条件に限られない。例えば、前記入場者の入場時間、出場時間、その時の季節や天候、過去に改札処理未了で出場したときの出場駅における混雑度合いなどの種々のデータを収集しておき、これらのデータから、教師あり学習(Supervised Learning)、教師なし学習(Unsupervised Learning)、強化学習(Reinforcement Learning)などのアルゴリズムに基づく機械学習によって、不正出場の可能性の高い出場駅を推定してもよい。
ステップS47では、上述した推定条件を満たす駅があると判定されると(S47のYes)、制御部51は、推定した駅(推定駅)に属する駅員端末装置2や自動改札機1などに、前記不正利用疑義者を特定するための情報として、前記入場顔画像とともに、前記入場者が前記推定駅に到着する到着予定時刻を送信する(S48)。具体的には、前記入場顔画像等の情報を前記推定駅の駅サーバ4に送信し、駅サーバ4から駅員端末装置2や自動改札機1などに前記入場顔画像等の情報を転送させる。その後、一連の処理が終了する。
前記推定駅の駅員端末装置2に前記入場顔画像等が送信されると、駅係員は、駅員端末装置2から不正利用疑義者の顔画像を確認することができ、これにより、駅係員は、出場する利用者を監視することにより、不正に出場する可能性のある不正利用疑義者を発見することができる。
一方、上述した推定条件を満たす駅が無いと判定されると(S47のNo)、この場合は、制御部51は、鉄道事業者が管轄する運行区間の全ての駅8の駅サーバ4に前記不正利用疑義者を特定するための入場顔画像等の情報を送信して、全ての駅員端末装置2や自動改札機1に駅員端末装置2や自動改札機1を転送させる。その後、一連の処理が終了する。
[不正利用疑義者特定処理]
次に、図9のフローチャートを参照して、自動改札機1の制御部11によって実行される不正利用疑義者特定処理の手順の一例について説明する。なお、以下の説明では、前記不正利用疑義者を特定するための情報として、前記入場顔画像及び前記到着予定時刻が前記推定駅の自動改札機1に送信されたことを前提とする。
上述したように、センタ装置5から駅サーバ4を経て自動改札機1に前記不正利用疑義者を特定するための入場顔画像等の情報が送信される。ステップS61では、制御部11は、前記入場顔画像及び前記到着予定時刻を受信したかどうかを判定する。
ステップS61において前記入場顔画像及び前記到着予定時刻を受信したと判定すると、次のステップS62において、制御部11は、前記到着予定時刻が到来したか否かを判定する。
前記到着予定時刻が到来したと判定されると、制御部11は、利用者が自動改札機1に到達するよりも前に、自動改札機1を出場しようとする利用者(出場者)の顔画像を撮像部18に撮像させる(S63)。そして、制御部11は、制御部11のRAM又は記憶部12に撮像した顔画像を記憶する。なお、本実施形態では、前記到着予定時刻が到来した場合にステップS63以降の処理を実行する処理例について例示するが、本発明はこのような処理例に限られない。例えば、前記到着予定時刻よりも早い時刻からステップS63の顔画像撮像処理を開始してもよい。或いは、ステップS61において前記不正利用疑義者を特定するための入場顔画像を受信したタイミングで、ステップS63の顔画像撮像処理を開始してもよい。
その後、制御部11は、センタ装置5から送られてきた前記入場顔画像と、ステップS63で撮像した顔画像とを照合する処理を行う。当該照合処理では、ステップS61で受信した前記入場顔画像と、ステップS63で撮像した顔画像とが一致するか否かを判定する。
ステップS65において、前記入場顔画像と撮像した顔画像とが一致すると判定されると(S65のYes)、制御部11は、警報出力を行う(S66)。具体的には、制御部11は、自動改札機1に設けられた警告灯(不図示)を点灯し、駅係員に前記不正利用疑義者が出場しようとする自動改札機1の位置を知らせる。また、制御部11は、自動改札機1の表示部13に、出場時の改札処理が未了である旨のメッセージや、精算端末装置3で運賃不足分の精算を促すメッセージを表示する。その後、制御部11は、駅員端末装置2に自動改札機1の位置情報を出力して、駅員端末装置2を通じて駅係員に前記不正利用疑義者が出場しようとする自動改札機1の位置を知らせる(S67)。その後、一連の処理が終了する。
また、ステップS65において、前記入場顔画像と撮像した顔画像とが一致しないと判定されると(S65のNo)、制御部11は、制御部11のRAM又は記憶部12に記憶された顔画像を消去する(S68)。その後、前記到着予定時刻から予め定められた設定時間が経過したか否かが判定され(S69)、前記設定時間が経過した場合は、一連の処理が終了する。一方、前記設定時間が経過していない場合は、ステップS63以降の処理が繰り返し行われる。なお、設定時間は必ずしも設ける必要はなく、例えば、ステップS65において一致すると判定されるまでステップS63以降の処理が繰り返し行われてもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る駅務システム100では、ステップS44の常習性判定処理によって改札処理未了で入場した入場者が不正利用疑義者であると判定され、ステップS46の出場駅推定処理によって当該入場者が出場する可能性の高い出場駅が推定される。そのため、推定駅に前記不正利用疑義者の存在と、その者の入場時の顔画像とを送信することにより、推定駅において改札処理未了で出場しようとする前記不正利用疑義者の行動に対して事前に警戒をすることができる。例えば、推定駅の駅係員が自動改札機1の出口側で予め待機することができる。その結果、前記不正利用疑義者による不正な出場を躊躇させることができ、ひいては、不正乗車などの不正利用を抑制することができる。
なお、上述の実施形態では、入場時の自動改札機1において、定期券や最短区間(例えば1区間)の切符を読み取らせて正常に改札処理をしていた場合は、その入場者の顔画像は取得されず、センタ装置5にも送られず、消去される(図5のS14参照)。そのため、例えば、鉄道事業者が管轄する運行区間における最短区間の切符(1区間切符)で適切に入場し、その後、1区間以上離れた他の駅から改札処理未了で出場するような不正利用を抑制することができない。このため、自動改札機1及びセンタ装置5において、図10に示すフローチャートに従った処理を行うことが好ましい。なお、以下の処理例は、前記1区間切符で入場した例について説明するが、当該処理例は、前記1区間切符に替えて、比較的運賃の低い区間の切符で入場した場合に対しても適用可能である。
ここで、図10は、自動改札機1及びセンタ装置5において実行される処理手順を示すフローチャートである。図10に示すように、ステップS71~S72、S77の各処理は、自動改札機1の制御部11によって行われる。自動改札機1では、ステップS12において入場時の改札処理が適切に行われたと判定された場合(S12のNo)、制御部11は、ステップS71において、入場時の改札処理に用いられた乗車券が1区間切符であるか否かの判定を行う(S71)。かかる判定は、1区間切符から読み取られた乗車券情報に基づいて判定される。ステップS71において、1区間切符と判定されると、制御部11は、ステップS72に進み、ステップS11で撮像された入場者の顔画像をセンタ装置5に送信する。なお、ステップS71において、1区間切符ではないと判定されると、制御部11はステップS14に進み、ステップS14以降の処理が行われる。
ステップS73~ステップS76の各処理は、センタ装置5の制御部51によって行われる。ステップS73では、制御部51は、ステップS72において送信された顔画像(1区間切符の入場者の顔画像)を受信したかどうかを判定する。ステップS73において前記顔画像を受信したと判定すると、制御部51は、その顔画像と出場顔画像データ格納部522に記憶された前記出場顔画像データとを照合する処理を行う(S74)。当該照合処理では、受信した前記顔画像と前記出場顔画像データに登録されている出場顔画像とが一致するか否かを判定する。つまり、当該処理では、前記出場顔画像データに、1区間切符で入場した入場者の顔画像と一致する顔画像が含まれているか否かを判定する。
ステップS74において、一致する顔画像があると判定されると(S74のYes)、つまり、1区間切符で入場した当該入場者は、過去に改札処理未了で出場した経験を持つ者と推定でき、不正利用疑義者である可能性があると推定できる。したがって、この場合は、ステップS14において顔画像を消去せずに、ステップS44に進み、上述した常習性判定処理を行う。なお、ステップS74の判定において、例えば、一致すると判定された前記出場顔画像に対応する前記不正利用情報を参照して、改札処理未了で出場した利用回数が所定回数以上である場合に、不正利用疑義者である可能性があると推定してもよい。一方、ステップS74において、一致する顔画像が無いと判定されると(S74のNo)、この場合は、不正利用疑義者の可能性がないと判定され、制御部51は、自動改札機1に画像消去要求を出力する。
そして、ステップS77において、制御部11が前記画像消去要求を受信すると、制御部11は、ステップS14に進み、前記顔画像を消去する。
このような処理が行われることにより、前記1区間切符で適切に入場し、その後、1区間以上離れた他の駅から改札処理未了で出場するような不正利用を抑制することができる。
なお、上述の実施形態では、本発明の一実施形態として駅務システム100を例示して説明したが、本発明は駅務システム100に限られない。本発明は、駅務システム100を構成するセンタ装置5(出場駅推定装置)として捉えることもできる。また、上述の実施形態では、センタ装置5の制御部51によって、顔照合処理部511、常習性判定処理部512、出場駅推定処理部513などが実現される例について説明したが、例えば、これらが自動改札機1の制御部11によって実現される構成であってもよい。この場合、入場顔画像データ格納部521、出場顔画像データ格納部522、及び不正利用履歴データ格納部523を有する記憶部52は、自動改札機1、或いは、自動改札機1が属する駅8の駅サーバ4に設けられる。