JP7027799B2 - 吸引式搬送機 - Google Patents
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Description
この吸引式の揚穀機は、原料玄米の詰められた容器内に挿入することができる吸引ノズルと、該吸引ノズルに接続された吸込ホースと、該吸込ホースが接続された米粒収集ホッパーと、該米粒収集ホッパー内を負圧にする吸引機、米粒収集ホッパー内に貯留された玄米を精米機の一時貯留ホッパーに落とす開閉蓋とを備える。開閉蓋は、吸引機が作動して米粒収集ホッパー内が負圧になるとその自重に抗して閉鎖し、吸引機が停止することで負圧が解除されることでその自重で開放されるものである。
これによれば、作業者は原料玄米の詰められた容器内に吸引ノズルを挿入して、原料玄米を吸引し精米機に供給できるので、揚穀作業の負担が軽いものとなる。
このため、原料玄米が詰められた容器内の玄米が吸引されてなくなるまでの時間が、吸引機を停止している時間だけ長くなってしまっていた。
以下、本発明に係る第1の実施形態について、図面の図1乃至図5と共に説明する。
第1の実施形態は、本発明の吸引式搬送装置を精米機1の揚穀機10として適用したものである。
図1は、精米機1の全体図を示したものである。吸引式搬送装置である揚穀機10は、容器2(米袋)に詰められた玄米3を精米機本体4に設けられた一時貯留ホッパー5まで搬送する。一時貯留ホッパー5に搬送された玄米は、精米機本体4内で搗精される。精米機1は、他にも精品排出樋、糠排出樋、駆動源、架台などを備えているが、図示を省略している。
吸引管11は、容器2側に図示しないノズルを備えており、容器2内に入った玄米3内に挿入され、直接玄米3を吸引するものである。玄米は本発明の被吸引物及び被搬送物に相当する。吸引管11は、一部または全部がフレキシブルな構造となっており、ノズルの反対側端部は、収集ホッパーに連結されている。吸引管11は、精米機1を制御するスイッチや操作ハンドルも備えているが、図示を省略している。
円筒部12a、13aの上部には、上蓋14が取り付けられるフランジ12d、13dが設けられている。フランジ12d、13dには、ボルト孔12e、13eが設けられている。
上蓋14の上面には、吸引機15、排気口16、切替弁駆動装置33が設けられる。
図3は、切替弁30が、玄米を第一収集ホッパー12内に搬送する位置(第一収集ホッパー搬送側)に作動した状況を示したものである。回動軸32が切替弁駆動装置によって平面視時計回りに回動して、弁本体31が第一収集ホッパー12の円筒部12aに沿って押さえつけられるとともに開口12gを塞いでおり、第二収集ホッパー13の円筒部13aの開口13gが開口した状態となっている。この状態で、吸引管11から共有空間20に搬送されてきた玄米は、弁本体31及び円筒部12aの湾曲面に沿って第二収集ホッパー13の円筒部13aの開口13gを通って、第一収集ホッパー12内に平面視時計回りの旋回流Rとなり、玄米と空気が分離される。玄米は、螺旋状に第一収集ホッパー12内を旋回しながら落下し貯留され、空気は排気口より排出される。
図1に示すように、容器2に詰められた玄米3に吸引管11の図示しないノズルを挿入する。次に、切替弁駆動装置33を作動させ、切替弁30を第一収集ホッパー搬送側に操作する(図3)。次に、吸引機15を作動させ、共有空間20、開口13gを介して、第一収集ホッパー12内の空気を吸引し排気口16から排気し、共有空間20を含んだ第一収集ホッパー12内に負圧を作用させる。第一収集ホッパー12内に負圧が作用するので、第一収集ホッパー12の開閉蓋17が閉じる。このとき、切替弁30の弁本体31によって第一収集ホッパー12の円筒部12aの開口12gは閉じられているので、第二収集ホッパー13内には負圧は作用せず、第二収集ホッパー13の開閉蓋17は開放されている。
この切替弁30の作動時には吸引機15の作動を停止しても良いし、作動させながら行っても良い。吸引機15を作動させながら切替弁30を切り替える場合、吸引機15のオンオフ動作が不要になり、切り替えられる第二収集ホッパー13内を早く負圧にすることができる。また、吸引機15の作動を停止して切替弁30を切り替える場合、弁本体31が押し付けられる第二収集ホッパー13の円筒部13aと弁本体31とに間に玄米が挟まってしまい共有空間20と第二収集ホッパー13内とが確実に遮断されず、第二収集ホッパー13内への玄米の収集及び第一収集ホッパー12内からの玄米の排出の効率が低下する可能性を低くすることができる。
第二収集ホッパー13内に貯留された玄米が所定量となったときに、切替弁駆動装置33を作動させ、弁本体31を第一収集ホッパー搬送側に操作し(図3)、第一収集ホッパー12内に玄米を貯留させる一方で、第二収集ホッパー13内に貯留した玄米を下方に排出する。
この動作を容器2内の玄米3がなくなるまで、繰り返す。切替弁30の切り替えのタイミングは、収集ホッパー内にセンサーなどを設けたり、重量などを計測することに基づいて行う。
この効果を具体的に図5に示す。図5は、従来のものと比較した本発明の吸引式搬送装置のタイムチャートである。従来のものと本発明のものについては、共に容器は30kgの玄米が詰められたもので、従来の収集ホッパー、本発明の第一収集ホッパー、第二収集ホッパーの玄米を貯留する所定量(例えば最大貯留量)を共に10kgとしている。また、各収集ホッパー内の玄米の貯留量が所定量に達するまでの時間と、所定量からすべて排出されるまでの時間とは同じにしている。
t0時の吸引機の作動により、収集ホッパー内の玄米の貯留量が増加し始めるとともに、容器内の玄米量が減少し始める。t1時の収集ホッパー内の玄米が最大貯留量の10kgとなったときに、吸引機の停止により、開閉蓋が開放され収集ホッパー内の玄米の排出が開始されるとともに、容器内の玄米量は20kgまで減少したところで変化しなくなる。収集ホッパー内の玄米がなくなったt2時での吸引機の作動により、収集ホッパー内の玄米の貯留量が増加し始めるとともに、容器内の玄米量が再び減少し始める。t3時の収集ホッパー内の玄米が最大貯留量の10kgとなったときに、吸引機の停止により、開閉蓋が開放され収集ホッパー内の玄米の排出が開始されるとともに、容器内の玄米量は10kgまで減少したところで変化しなくなる。収集ホッパー内の玄米がなくったときのt4時での吸引機の作動により、収集ホッパー内の玄米の貯留量が増加し始めるとともに、容器内の玄米量が再び減少し始める。t5時の収集ホッパー内の玄米が最大貯留量の10kgとなったときに、吸引機を停止し、容器内の玄米はなくなる。
切替弁が第一収集ホッパー搬送側に切り替えられており、t0時の吸引機の作動により、第一収集ホッパー内の玄米の貯留量が増加し始めるとともに、容器内の玄米量が減少し始める(第二収集ホッパー内には玄米は貯留されない。)。t1時の収集ホッパー内の玄米が最大貯留量の10kgとなったときに、吸引機は作動し続け切替弁が第二収集ホッパー搬送側に切り替えられ、第二収集ホッパー内の玄米の貯留量が増加し始める。このときも、容器内の玄米量は減少し続ける。また、このとき第一収集ホッパーの開閉蓋が開放され、第一収集ホッパー内の玄米の排出が開始される。t2時の第二収集ホッパー内の玄米が最大貯留量の10kgとなり、第一収集ホッパー内の玄米がなくなったときに、吸引機は作動し続け切替弁が第一収集ホッパー搬送側に切り替えられ、第一収集ホッパー内の玄米の貯留量が増加し始める。このときも、容器内の玄米量は減少し続ける。また、このとき第二収集ホッパーの開閉蓋が開放され、第二収集ホッパー内の玄米の排出が開始される。t3時の第一収集ホッパー内の玄米が最大貯留量の10kgとなったときに、吸引機が停止し、容器内の玄米はなくなる。このとき切替弁は第二収集ホッパー搬送側に切替り、第一収集ホッパー内の玄米の排出が開始される。
また、収集ホッパーを複数設けても、吸引機、吸引管を複数設ける必要がないので、設備が簡易にすることができる。
以下、本発明に係る第2の実施形態について図面の図6と共に説明する。なお、第1の実施形態と同様の部分については説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第1の実施形態では、共有空間20の吸引機15及び排気口16を配置していたが、吸引効率や良好な旋回流が得られない場合もある。本実施形態は、このような場合に適用できるものである。
図6に示すように、本実施形態では、吸引機15及び排気口16を第一収集ホッパー12と第二収集ホッパー13のそれぞれに対応して設けている。吸引機15の吸引口を第一収集ホッパー12及び第二収集ホッパー13の中心部に対応して配置することで、各収集ホッパー内で確実な吸引を行うことができ、また、安定した旋回流R、Lを生じさせることができる。第一収集ホッパー12と第二収集ホッパー13のそれぞれの吸引機15は、共有空間20に配置された図示しない切替弁の切り替えと連動して交互に作動する。
以下、本発明に係る第3の実施形態について図面の図7と共に説明する。なお、第1及び第2の実施形態と同様の部分については説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第2の実施形態では、吸引機15及び排気口16を第一収集ホッパー12と第二収集ホッパー13のそれぞれに対応して設けていたが、吸引機15が複数になるので、本実施形態では第2の実施形態の効果を得られ、かつ一つの吸引機としたものである。
図7に示すように、本実施形態では、吸引機15及び排気口16を設け、これから排気管41を配置し、第一収集ホッパー12及び第二収集ホッパー13にそれぞれ排気枝管42を分岐して配置し、第一収集ホッパー12及び第二収集ホッパー13内を吸引して負圧にできるようにしている。また、排気管41と各排気枝管42との連結部には、排気切替弁43を設けて、第一収集ホッパー12と第二収集ホッパー13との吸引を個別に行なえるようにしている。排気切替弁43は、共有空間20内に配置された図示しない切替弁と連動して作動するようになっている。
以下、本発明に係る第4の実施形態について図面の図8と共に説明する。なお、第1乃至第3の実施形態と同様の部分については説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
図8に示すように、第4の実施形態は、第2の実施形態のものから共有空間を設けず、吸引管11に切替弁50を設けたものである。具体的には、第一収集ホッパー12と第二収集ホッパー13とは共有空間を備えないように配置し、吸引管11を吸引枝管11a、11bで分岐させて第一収集ホッパー12と第二収集ホッパー13にそれぞれ接線方向に連結させている。また、枝分かれた箇所には、切替弁50が設けられている。この切替弁50により、玄米を第一収集ホッパー12と第二収集ホッパー13とに分けて搬送することができる。切替弁50の切り替わり動作は、第一収集ホッパー12及び第二収集ホッパー13のそれぞれの吸引機15の交互の作動と連動する。
本実施形態では、共有空間を備えないので、第一収集ホッパー12及び第二収集ホッパー13の構造が簡易にすることができる。
以下、本発明に係る第5の実施形態について図面の図9と共に説明する。なお、第1乃至第4の実施形態と同様の部分については説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
図9に示すように、本実施形態は、第4の実施形態における吸引機15及び排気口16の配置を、第3の実施形態のものに変更したものである。本実施形態では、切替弁50と排気切替弁43とが連動して作動する。
本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば以下のようなものも含まれる。
2 容器
3 玄米
4 精米機本体
5 一時貯留ホッパー
10 揚穀機
11 吸引管
12 第一収集ホッパー
13 第二収集ホッパー
14 上蓋
15 吸引機
16 排気口
17 開閉蓋
20 共有空間
30、50 切替弁
31 弁本体
32 回動軸
33 切替弁駆動装置
41 排気管
42 排気枝管
43 排気切替弁
Claims (3)
- 被吸引物を収集ホッパーに搬送する吸引管と、前記吸引管が連結され内部が負圧になることで前記吸引管を通して被吸引物を内部に収集する収集ホッパーと、前記収集ホッパー内を負圧にする吸引手段と、を備えた吸引式搬送装置であって、
前記収集ホッパーは、第一収集ホッパーと第二収集ホッパーとを備えており、
搬送されてきた被搬送物を前記第一収集ホッパー及び前記第二収集ホッパーのいずれか一方に収集する切替弁を備えており、
前記第一収集ホッパーと前記第二収集ホッパーとは、その内部を共有する共有空間を備えており、
前記共有空間には、前記吸引管が連結されているとともに前記切替弁が設けられている
ことを特徴とする吸引式搬送装置。 - 前記吸引手段は、前記共有空間から吸引することで前記第一収集ホッパー又は前記第二収集ホッパー内を負圧にすることを特徴とする請求項1に記載の吸引式搬送装置。
- 前記第一収集ホッパー及び前記第二収集ホッパーは、吸引しているときには閉塞し吸引を停止しているときには開放する開閉蓋を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸引式搬送装置。
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