JP7027756B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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この発明は、画像形成装置に関するものである。
従来、異常な画像が発生する原因を推測する機能を備えた画像形成装置としては、例えば、以下の特許文献に記載されたものが知られている。
まず、特許文献1には、通常の画像処理では出力されない画像でサンプル画像を出力し、そのサンプル画像を画像入力装置で読み込んで異常画像が発生しているかどうかを判断することにより、通常画像で異常が発生する前に異常画像が発生する予兆を見い出し、早期に処置対応するようにした画像形成装置が示されている。また、特許文献1には、その異常として、定着装置の定着ローラや加圧ローラが変形すること、感光ドラム上に水分が多いことが例示されている。
また、特許文献2には、正常状態に対する画像データのずれ量を算出し、そのずれ量に基づいて異常状態か否かを判定する状態判定手段と、画像形成装置の状態から異常箇所を特定する異常個所特定手段と、状態判定手段で異常であると判定した場合に、異常個所特定手段の出力に応じた異常用の画像処理を行う画像処理手段と、状態判定手段で異常であると判定した場合に、サービスマンコール信号を出力するサービスマンコール出力手段とを備える画像形成装置が示されている。
また、特許文献3には、画像入力手段と、その入力画像データに基づいて出力画像を記録媒体上に形成する画像形成手段と、その画像が記録された記録媒体を排出する排出手段と、排出された記録媒体を読み取った読取画像を出力する画像読取手段と、画像形成手段の帯電ユニットに起因する異常画像が発生しやすい異常検知用画像データを出力する異常検知用画像発生手段と、その異常検知用画像データに基づいて出力画像が形成された記録媒体を読み取った画像読取手段からの出力データおよび入力された異常検知用画像データを比較して判定結果を出力する比較手段を有し、その比較手段の判定結果に基づいて帯電ユニットの異常の有無を検知可能な判断手段を有する画像形成装置が示されている。
さらに、特許文献4には、画像濃度に影響を与える濃度制御因子を多段階に変更設定しながら各段階でパッチ画像を形成するとともに、各パッチ画像の画像濃度を検出し、その検出結果に基づき濃度制御因子を調整することで画像濃度制御を行う画像形成装置において、そのパッチ画像の少なくとも1つを異常判定用パッチ画像として、その異常判定用パッチ画像についての濃度検出結果と所定の基準値とを比較し、その結果に基づいて装置の異常の有無を判定する画像形成装置が示されている。
また、特許文献4には、濃度制御因子である現像バイアスを変更設定したパッチ画像および最大現像バイアスで現像した2個のパッチ画像を異常判定用パッチ画像とし、これらの濃度検出結果を所定の基準濃度と比較し、その装置の異常を判定するようにした実施例が示されている。
特開2004-133081号公報 特開2007-334269号公報 特開2008-170549号公報 特開2004-341233号公報
この発明は、像保持手段の静電潜像が形成されないときの少なくとも画質保障範囲外であって像形成可能範囲内になる表面に現像手段により現像剤を付着させた第1像を形成して転写手段により記録媒体に転写させる第1の作像動作を実行した場合、第1像を像保持手段の像形成可能範囲のうち記録媒体の搬送時の先端からその後端までの範囲に該当する部分に形成する場合に比較して、その第1像に起因した記録媒体の裏面汚れが発生することを防止できる画像形成装置を提供するものである。
この発明(A1)の画像形成装置は、
表面の像形成可能範囲に設定される画質保障範囲を有する像保持手段と、
前記像保持手段の像形成可能範囲の表面を帯電させる帯電手段と、
前記像保持手段の像形成可能範囲に静電潜像を形成する露光を行う露光手段と、
現像バイアス電圧が供給され、前記像保持手段の少なくとも画質保障範囲に形成される静電潜像を現像剤で現像して現像剤像にする現像手段と、
前記現像剤像を記録媒体に直接又は中間転写体を介して転写させる転写手段と、
前記像保持手段の少なくとも画質保障範囲外であって像形成可能範囲内になる表面に前記現像手段により現像剤を付着させてなる第1像を前記露光手段の露光により静電潜像を形成する動作を行わないで形成して前記転写手段により記録媒体に転写させる第1の作像動作を実行する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第1の作像動作において、前記第1像を、前記像保持手段の像形成可能範囲における記録媒体の搬送時の先端よりも内側の位置からその搬送時の後端よりも内側の位置に至るまでの範囲に該当する部分に形成するものである。
この発明(A2)の画像形成装置は、上記発明A1の画像形成装置において、前記制御手段は、前記像保持手段の像形成可能範囲を前記帯電手段により静電潜像形成時に適用する帯電電位に帯電させた状態にするとともに前記現像バイアス電圧を静電潜像形成時に適用する現像電位に保った状態にしてから前記第1の作像動作を実行するものである。
この発明(A3)の画像形成装置は、上記発明A1の画像形成装置において、前記制御手段は、前記像保持手段の像形成可能範囲を前記帯電手段により帯電させない状態にするとともに前記現像手段に前記現像バイアス電圧を供給しない状態にしてから前記第1の作像動作を実行するものである。
この発明(A4)の画像形成装置は、上記発明A2の画像形成装置において、前記制御手段は、前記第1の作像動作のときに、前記第1像を形成すべき時期に合わせて前記現像バイアス電圧を静電潜像形成時に適用する現像電位から第1像が形成される特別な現像電位に変更する動作と静電潜像形成時に適用する現像電位に戻す動作を行うものである。
この発明(A5)の画像形成装置は、上記発明A2の画像形成装置において、前記制御手段は、前記第1の作像動作のときに、前記第1像を形成すべき時期に合わせて前記帯電手段に供給する帯電電圧を静電潜像形成時に適用する帯電電位から前記第1像が形成される特別な帯電電位に変更する動作と静電潜像形成時に適用する帯電電位に戻す動作を行うものである。
この発明(A6)の画像形成装置は、上記発明A3の画像形成装置において、前記制御手段は、前記第1の作像動作のときに、前記第1像を形成すべき時期に合わせて前記第1像が形成される特別な現像電位になる現像バイアス電圧を前記現像手段に供給する動作とその供給を停止する動作を行うものである。
この発明(A7)の画像形成装置は、上記発明A4の画像形成装置において、前記制御手段は、前記現像バイアス電圧を前記特別な現像電位に変更する動作を、その変更過程時の電位が静電潜像形成時に適用する帯電電位と一致するときの時期が、記録媒体の搬送時の先端に該当する時点以後になるよう行うものである。
この発明(A8)の画像形成装置は、上記発明A4又はA7の画像形成装置において、前記制御手段は、前記現像バイアス電圧を前記特別な現像電位から静電潜像形成時に適用する現像電位に戻す動作を、その戻し過程時の電位が静電潜像形成時に適用する帯電電位と一致するときの時期が、記録媒体の搬送時の後端に該当する時点以前になるよう行うものである。
この発明(A9)の画像形成装置は、上記発明A5の画像形成装置において、前記制御手段は、前記帯電電圧を前記特別な帯電電位に変更する動作を、その変更過程時の電位が静電潜像形成時に適用する現像電位と一致するときの時期が、記録媒体の搬送時の先端に該当する時点以後になるよう行うものである。
この発明(A10)の画像形成装置は、上記発明A5又はA9の画像形成装置において、前記制御手段は、前記帯電電圧を前記特別な帯電電位から静電潜像形成時に適用する帯電電位に戻す動作を、その戻し過程時の電位が静電潜像形成時に適用する現像電位と一致するときの時期が、記録媒体の搬送時の後端に該当する時点以前になるよう行うものである。
この発明(A11)の画像形成装置は、上記発明A6の画像形成装置において、前記制御手段は、前記特別な現像電位になる現像バイアス電圧を供給する動作を、その供給開始過程時の電位が前記像保持手段への現像剤の付着が開始するときの付着開始電位と一致するときの時期が、記録媒体の搬送時の先端に該当する時点以後になるよう行うものである。
この発明(A12)の画像形成装置は、上記発明A6又はA11の画像形成装置において、前記制御手段は、前記現像バイアス電圧の供給を停止する動作を、その供給停止過程時の電位が前記像保持手段への現像剤の付着が終了するときの付着終了電位と一致するときの時期が、記録媒体の搬送時の後端に該当する時点以前になるよう行うものである。
この発明(A13)の画像形成装置は、上記発明A4の画像形成装置において、前記制御手段は、前記第1の作像動作における特別な現像電位として、当該特別な現像電位と静電潜像形成時に適用する帯電電位との電位差が、静電潜像形成時に適用する現像電位と潜像電位との電位差であるコントラスト電位よりも小さい数値範囲におさまる電位を用いるものである。
この発明(A14)の画像形成装置は、上記発明A5の画像形成装置において、前記制御手段は、前記第1の作像動作における特別な帯電電位として、当該特別な帯電電位と静電潜像形成時に適用する現像電位との電位差が、静電潜像形成時に適用する現像電位と潜像電位との電位差であるコントラスト電位よりも小さい数値範囲におさまる電位を用いるものである。
この発明(A15)の画像形成装置は、上記発明A6の画像形成装置において、前記制御手段は、前記第1の作像動作における特別な現像電位として、当該特別な現像電位と前記像保持手段の帯電しないときの表面電位との電位差が、静電潜像形成時に適用する現像電位と潜像電位との電位差であるコントラスト電位よりも小さい数値範囲におさまる電位を用いるものである。
この発明(A16)の画像形成装置は、上記発明A1からA15までのいずれかの画像形成装置において、前記像保持手段は、回転する部材であり、前記制御手段は、前記第1の作像動作のとき、前記第1像として前記像保持手段の回転1周分以上の長さからなる像を形成して記録媒体に転写させるものである。
この発明(A17)の画像形成装置は、上記発明A16の画像形成装置において、前記制御手段は、前記第1の作像動作のとき、前記第1像として前記像保持手段の回転2周分以上の長さからなる像を形成して単数又は複数の記録媒体に転写させるものである
上記発明A1の画像形成装置によれば、像保持手段の静電潜像が形成されないときの少なくとも画質保障範囲外であって像形成可能範囲内になる表面に現像手段により現像剤を付着させた第1像を形成して転写手段により記録媒体に転写させる第1の作像動作を実行した場合、第1像を像保持手段の像形成可能範囲のうち記録媒体の搬送時の先端からその後端までの範囲に該当する部分に形成する場合に比較して、その第1像に起因した記録媒体の裏面汚れが発生することを防止できる。
また上記発明A1の画像形成装置によれば、静電潜像を形成する露光手段の影響を受けない第1像を形成することができ、その第1像を形成する作像動作を実行したときの結果として、少なくとも像保持手段の画質保障範囲の端部が摩耗することの予兆を知ることが可能な結果を得ることができる。
上記発明A2の画像形成装置では、像保持手段の画質保障範囲の端部が摩耗することの予兆や帯電手段における異常の発生を知ることができる。
上記発明A3の画像形成装置では、像保持手段の画質保障範囲の端部が摩耗することの予兆や像保持手段の画質保障範囲の端部以外の部位における異常の発生を知ることができる。
上記発明A4の画像形成装置では、現像バイアス電圧の変更により、第1像に起因した記録媒体の裏面汚れが発生することを容易に防止できる。
上記発明A5の画像形成装置では、帯電電圧の変更により、第1像に起因した記録媒体の裏面汚れが発生することを容易に防止できる。
上記発明A6の画像形成装置では、像保持手段を帯電させることなく現像バイアス電圧の供給および供給停止により、第1像に起因した記録媒体の裏面汚れが発生することを容易に防止できる。
上記発明A7、A9およびA11の画像形成装置では、第1像に起因した記録媒体の裏面汚れが発生することを的確に防止できることに加えて、その第1像を記録媒体の少なくとも先端に近い位置から転写させて像保持手段等における異常の予兆や異常の発生を知ることができる。
上記発明A8、A10およびA12の画像形成装置では、第1像に起因した記録媒体の裏面汚れが発生することを的確に防止できることに加えて、その第1像を記録媒体の少なくとも後端に近い位置まで転写させて像保持手段等における異常の予兆や異常の発生を知ることができる。
上記発明A13、A14およびA15の画像形成装置では、像保持手段等における異常の予兆や異常の発生を視認しやすい第1像を形成することができる。
上記発明A16の画像形成装置では、像保持手段等における周期的な異常の予兆や異常の発生を知りやすくなる。
上記発明A17の画像形成装置では、像保持手段等における周期的な異常の予兆や異常の発生を確実に知ることができる
実施の形態1等に係る画像形成装置の構成を示す概要図である。 図1の画像形成装置における作像装置の構成を拡大して示す概要図である。 図1の画像形成装置における制御系の一部(主に第1の作像動作等に関する制御系)の構成を示すブロック図である。 感光ドラムにおける各部位の構成等を示す模式図である。 (a)は通常の画像を形成するときの感光ドラム上の電位関係を示す概念図、(b)は第1の作像動作を実行するときの感光ドラム上の電位関係を示す概念図である。 第1の作像動作における動作時期等を示す概念図である。 第1の作像動作で得られる結果の一例を示す概要図である。 (a)は第1の作像動作で形成される第1像の二次転写位置での状態を示す概要図、(b)は第1の作像動作で形成される第1像とその第1像が最終的に形成される記録用紙との関係を示す概要図である。 特別な現像電位の好適条件を裏付ける試験の結果を示すグラフ図である。 実施の形態2に係る画像形成装置による第1の作像動作を実行するときの感光ドラム上の電位関係を示す概念図である。 第1の作像動作における動作時期等を示す概念図である。 実施の形態3に係る画像形成装置による第1の作像動作を実行するときの感光ドラム上の電位関係を示す概念図である。 第1の作像動作における動作時期等を示す概念図である。 第1の作像動作で得られる結果の一例を示す概要図である。 実施の形態1,2における第1の作像動作で得られる結果の他例を示す概要図である。 各第1の作像動作で形成する第1像の長さに関する構成を示す概念図である。 各第1の作像動作で形成する第1像の長さに関する他の構成を示す概念図であり、(a)は第1像を1枚の記録用紙に形成する例を示し、(b)は第1像を2枚の記録用紙に形成する例を示している。 (a)は比較例としての第1の作像動作で形成される第1像の二次転写位置での状態を示す概要図、(b)は(a)の第1の作像動作で形成した第1像に起因して発生する記録用紙の裏面汚れの一例を示す概念図である。
以下、この発明を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。
[実施の形態1]
図1から図3は、実施の形態1に係る画像形成装置1を示すものである。図1はその画像形成装置1の構成を示し、図2はその画像形成装置1における作像装置の構成を示し、図3はその画像形成装置1における制御系の一部の構成を示している。
<画像形成装置の全体の構成>
画像形成装置1は、電子写真方式を採用して、文字、写真、図形等からなる画像情報に基づき現像剤で構成される画像を最終的に記録媒体の一例である記録用紙9に形成するものである。
そして、画像形成装置1は、図1に示されるように、全体が箱状の外観からなる筐体10を有しており、その筐体10の内部に、現像剤としてのトナーで構成される現像剤像の一例であるトナー像を形成する作像装置20と、作像装置20で形成されたトナー像を一次転写により保持した後に記録用紙9に二次転写する二次転写位置まで搬送する中間転写装置30と、中間転写装置30の二次転写位置に供給する記録用紙9を収容するとともに供給する給紙装置40と、中間転写装置30で二次転写されたトナー像を記録用紙9に定着させる定着装置50等が配置されている。
筐体10は、例えば、支持部材、外装材等の材料を用いて支持構造部や外装部が形成されている。図1に示す一点鎖線は、筐体10の内部における記録用紙9の主な搬送経路である。
また、画像形成装置1は、画像形成装置1の動作に関する指示、条件等を入力する入力部14aとその動作の条件、状態等の各種情報を表示する表示部14bを有する操作表示装置14や、画像形成装置1の全体(上記の各装置など)の動作を総括して制御する中央制御装置60等も配置されている。
さらに、画像形成装置1は、後述するように、一部の部品に異常が発生することを推測(予測)する機能を有している。
作像装置20は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の4色の現像剤(トナー)像をそれぞれ個別に形成する4つの作像装置20Y,20M,20C,20Kを用いて構成されている。
この作像装置20(Y,M,C,K)はいずれも、図1や図2に示されるように、所要の方向に回転駆動される感光ドラム21をそれぞれ備えており、その各感光ドラム21の周囲に帯電装置22、露光装置23、現像装置24、一次転写装置25、ドラム清掃装置26、除電器27等がそれぞれ配置されている。
このうち感光ドラム21は、例えば、接地処理される円筒又は円柱状の導電性基材の周面に感光材料からなる光誘電層(感光層)を有する像形成面(像形成可能範囲)を形成した像保持手段の一例であるドラム形態の感光体である。この感光ドラム21は、図示しない回転駆動装置から動力を受けて矢印Aで示す方向に回転駆動するよう設けられている。
帯電装置22は、例えば、感光ドラム21の像形成面に接触して従動回転する状態で配置されるとともに所要の帯電電圧が供給される帯電ロール221を備えた接触型の帯電装置である。
露光装置23は、露光手段の一例であり、例えば、発光ダイオードと光学部品等を用いて構成される非走査型の露光装置か、あるいは、半導体レーザとポリゴンミラー等の光学部品を用いて構成される走査型の露光装置が適用される。露光装置23には、通信手段、読み込み装置等を通して外部から入力された画像情報や内部の記憶部に格納されている画像情報が、図示しない画像処理装置で所要の処理をされた後に各色成分(Y,M,C,K)に分解された画像信号として入力される。露光装置23は、その入力される画像信号に応じた露光を行う。
現像装置24は、現像手段の一例であり、例えば、前記4色(Y,M,C,K)のいずれか1色のトナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤を利用する現像装置24(Y,M,C,K)が適用される。また、現像装置24(Y,M,C,K)は、例えばトナーをマイナス極性に帯電させて反転現像を行うよう使用される。さらに、現像装置24(Y,M,C,K)は、筐体内に収容されている二成分現像剤を保持して感光ドラム21と対向する現像領域に搬送するよう回転する現像ロール241等を備えている。現像ロール241には、感光ドラム21との間に例えば直流成分に交流成分を重畳した現像バイアス電圧が供給される。
一次転写装置25は、転写手段の一例であり、例えば、感光ドラム21の一次転写位置とする像形成面部分に(後述の中間転写ベルト31を介した状態で)接触して従動回転するよう配置されるとともに所要の一次転写電圧が供給される一次転写ロールを備えた接触型の転写装置が適用される。
ドラム清掃装置26は、筐体の清掃作業用開口において感光ドラム21の少なくとも一次転写後の像形成面部分に接触するよう配置されて、その像形成面上にある残留トナー等の不要物をかきとって除去する弾性板等の清掃部材を備えている。
除電器27は、例えば、感光ドラム21の像形成面を露光等により除電(電荷の消失)して表面電位がほぼゼロの状態になるようするものである。
中間転写装置30は、4つの作像装置20(Y,M,C,K)の下方側になる位置に配置されている。
この中間転写装置30は、転写手段の一例であり、作像装置20(Y,M,C,K)における感光ドラム21の一次転写装置25と向き合う一次転写位置をそれぞれ通過しながら矢印Bで示す方向に回転するよう配置される中間転写ベルト31を備えている。
中間転写ベルト31は、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の基材にカーボン等の抵抗調整剤を分散してなる材料を用いて所要の厚さおよび電気抵抗値からなる無端ベルト状に成形されたものである。
また、中間転写ベルト31は、複数の支持ロール32a~32eに掛けまわされて回転自在に支持されている。支持ロール32aは駆動ロールとして、支持ロール32bは駆動ロール32aと協働して中間転写ベルト31を一次転写面が形成されるよう保持する従動ロールとして、支持ロール32cは中間転写ベルト31に張力を付与するとともに中間転写ベルト31の蛇行を矯正する張力付与兼蛇行矯正ロールとして、支持ロール32dは二次転写バックアップロールとして、支持ロール32eは清掃バックアップロールとして、それぞれ構成されている。
また、中間転写装置30は、中間転写ベルト31上に転写されたトナー像を記録用紙9に二次転写させる転写手段の一例である二次転写装置35と、中間転写ベルト31の外周面における像保持面に在留して付着するトナー等の不要物を除去して清掃するベルト清掃装置36等を備えている。
二次転写装置35は、例えば、中間転写ベルト31の二次転写バックアップロール32dに支持されている像保持面部分に接触して従動回転するよう配置される二次転写ロール等の接触部材を備えた接触型の転写装置が採用される。また、二次転写装置35は、二次転写ロール等の接触部材が接地処理されており、二次転写バックアップロール32dに所要の二次転写電圧が供給される。
ベルト清掃装置36は、筐体の清掃作業用開口において中間転写ベルト31の少なくとも二次転写後の像保持面部分に接触するよう配置されて、その像保持面上にある残留トナー等の不要物をかきとって清掃する弾性板等の清掃部材を備えている。
給紙装置40は、中間転写装置30の下方側になる位置に配置されている。
この給紙装置40は、筐体10に対して引き出し自在に取り付けられ、所望のサイズ、種類等の記録用紙9が図示しない積載板の上に積み重ねられた状態で収容される収容体41と、その収容体41から記録用紙9を1枚ずつ供給搬送路にむけて送り出す送出装置42を備えている。収容体41および送出装置42の数は、必要に応じて増減される。
また、給紙装置40は、筐体10の外側に開いた状態で使用される図示しない給紙トレイから記録用紙9を後述する供給搬送路(Rt1)の途中の部分に合流させるよう供給する手差し給紙機構を備えている。
記録用紙9としては、筐体10内における搬送路による搬送が可能であってトナー像の転写および定着が可能な記録媒体であれば適用することができ、例えば、所定のサイズに裁断された記録紙をはじめとし、はがき等の厚紙や、封筒等の特殊な媒体も使用することができる。
定着装置50は、中間転写装置30の下方側になる位置に配置されている。
この定着装置50は、記録用紙9の導入口51aおよび排出口51bが形成された筐体51の内部に、加熱用回転体52、加圧用回転体53等を設置したものである。加熱用回転体52は、矢印で示す方向に回転するとともに表面温度が所定の温度に保持されるように加熱手段によって加熱されるロール、ベルト、ベルト・パット等の形態からなる構造体である。加圧用回転体53は、加熱用回転体52の軸方向にほぼ沿う状態で所定の圧力で接触して従動回転するロール、ベルト、ベルト・パット等の形態からなる構造体である。また、この定着装置50では、加熱用回転体52と加圧用回転体53とが接触する部分が、トナー像を保持する記録用紙9が導入されて定着処理(加熱および加圧)される定着処理部として構成されている。
また、画像形成装置1は、筐体10の内部に主な用紙搬送路として、給紙装置40と中間転写装置30との間をつなぐ供給搬送路Rt1と、中間転写装置30の二次転写位置と定着装置50との間をつなぐ中継搬送路Rt2と、定着装置50と筐体10の用紙排出口11との間をつなぐ用紙排出搬送路Rt3とが設けられている。
供給搬送路Rt1は、給紙装置40から送り出される記録用紙9を中間転写装置30の二次転写位置まで搬送して供給する搬送路であり、複数の用紙搬送ロール対45a~45d等と図示しない複数の用紙案内部材等で構成されている。用紙搬送ロール対45dは、記録用紙9の二次転写位置へ供給するときのタイミング等を調整する、いわゆるレジロール対として構成されている。中継搬送路Rt2は、二次転写後の記録用紙9を定着装置50まで搬送する搬送路であり、例えば、吸引式のベルト搬送装置46で構成されている。用紙排出搬送路Rt3は、定着後で画像が形成された記録用紙9を排出収容部12に排出するよう搬送する搬送路であり、複数の排出ロール対47a,47b等と図示しない用紙案内部材で構成されている。
<画像形成装置の画像形成動作>
この画像形成装置1では、以下に説明する基本的な画像形成動作が行われる。ここでは、4色(Y,M,C,K)のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像を形成する場合の動作を例にして説明する。
まず、画像形成装置1は、中央制御装置60が外部等から画像形成動作の要求指令を受けると、4つの作像装置20(Y,M,C,K)において、各感光ドラム21が矢印Aで示す方向にそれぞれ回転させられ、各帯電装置22が帯電電圧の供給を受けて接触放電を発生させる。これにより、各感光ドラム21は、その像形成面が所要の極性(例えばマイナス極性)および電位にそれぞれ帯電させられる。
続いて、各露光装置23が、各感光ドラム21の帯電後における像形成面に対して各色成分(Y,M,C,K)に分解された画像信号に応じた露光をそれぞれ行う。これにより、各感光ドラム21の像形成面には、所定の電位からなる各色成分の静電潜像がそれぞれ形成される。
続いて、各現像装置24(Y,M,C,K)が、所定の極性(マイナス極性)に帯電された色(Y,M,C,K)のトナーを、現像ロールから供給するとともに、現像バイアス電圧の供給を受けて現像ロール241と感光ドラム21との間に形成される現像電界により、感光ドラム21の像形成面における各色成分の静電潜像の部分に静電的に付着させる。これにより、各感光ドラム21の像形成面には、4色(Y,M,C,K)のうちの対応する色のトナー像が個別に形成される。
続いて、各一次転写装置25が一次転写電圧の供給を受けて感光ドラム21との間に一次転写電界を形成することにより、各感光ドラム21上のトナー像を中間転写装置30における中間転写ベルト31の像保持面に対して順番(Y,M,C,Kの順)に一次転写させる。また、ドラム清掃装置26が、一次転写後等における各感光ドラム21の像形成面を清掃する。さらに、除電器27が、一次転写後等における各感光ドラム21の像形成面を除電して、各感光ドラム21における次の作像動作に備える。
次いで、中間転写装置30において、中間転写ベルト31が矢印Bで示す方向に回転することにより、その像保持面に一次転写されて保持された未定着のトナー像を二次転写装置35と向き合う二次転写位置まで搬送する。一方、給紙装置40において、送出装置42が所要の記録用紙9を収容体41から供給搬送路Rt1に送り出した後、供給搬送路Rt1を経由させて中間転写装置30の二次転写位置に送り込むよう供給する。そして、二次転写位置においては、二次転写装置35が二次転写電圧の供給を受けて中間転写ベルト31との間に二次転写電界を形成することにより、中間転写ベルト31上の4色のトナー像を記録用紙9の片面に対して二次転写させる。
次いで、未定着のトナー像が二次転写された記録用紙9が、中間転写ベルト31から剥離された後に中継搬送路Rt2を経由して定着装置50に送り込まれるよう搬送される。定着装置50では、その記録用紙9が加熱用回転体52と加圧用回転体53の接触部分である定着処理部に導入されて通過する際に加熱および加圧される。これにより、記録用紙9上のトナー像を構成するトナーが加圧下で溶融されて、そのトナー像が記録用紙9に定着される。
続いて、トナー像が定着された後の記録用紙9が、定着装置50の筐体51内から排出された後に用紙排出搬送路Rt3を経由して搬送され、最後に用紙排出口11を通過して筐体10の外部に排出されることにより排出収容部12に収容される。
以上の動作が行われることにより、フルカラー画像が片面に形成された1枚の記録用紙9が出力される。また、複数枚の画像形成動作の要求指令を受けた場合は、その枚数分だけ上記画像形成動作が同様に繰り返して行われる。
この他、画像形成装置1では、上記画像形成動作において、4つの作像装置20(Y,M,C,K)のいずれか1つを作動させることにより単色の画像を形成することや、4つの作像装置20(Y,M,C,K)の2つ又は3つを組み合わせて作動させることによりフルカラー画像以外のカラー画像を形成することもできる。
<部品の異常の推測機能>
そして、画像形成装置1は、感光ドラム21等の一部の部品に異常が発生することを推測する機能として、以下の構成を備えている。
すなわち、画像形成装置1は、図3、図6、図7等に示されるように、感光ドラム21の少なくとも画質保障範囲212外であって像形成可能範囲210内になる表面に現像装置24により現像剤を付着させてなる第1像TGを形成して中間転写装置30(最終的には転写装置25)により記録用紙9に転写させる「第1の作像動作」を実行する制御手段61を備えており、その制御手段61が、第1の作像動作において、第1像TGを、感光ドラム21の像形成可能範囲210における記録用紙9(9B)の搬送時の先端9aよりも内側の位置Psからその搬送時の後端9bよりも内側の位置Peに至るまでの範囲に該当する部分LEに形成するよう構成されている。
ここで、感光ドラム21の像形成可能範囲210は、図4に例示するように感光ドラム21の軸方向Dにおいて像形成ができない両端部(像形成不能部分)を除く範囲である。より具体的には、感光ドラム21のうち感光層が形成されている像形成面の部分であって帯電、露光(潜像形成)および現像の工程による作像動作ができる範囲である。図4に示されるように現像ロール241に現像剤が保持されて現像ができる範囲(現像可能範囲)は、感光ドラム21の像形成可能範囲210の軸方向Dにおける範囲とほぼ同じである。
また、感光ドラム21の画質保障範囲212は、像形成可能範囲210のうち感光ドラム21の軸方向Dにおける両端部を除く内側に設定される範囲であり、実際には通常の画像(縁なし画像を含む)を形成するときにその画像の形成が行われる範囲である。また、この画質保障範囲212は、画像形成装置1において使用できる記録用紙9のうちで送り幅が最大になる記録用紙の当該送り幅の寸法にほぼ相当する軸方向Dの幅を有する範囲になる。
さらに、像形成可能範囲210のうち画質保障範囲212外になる端部215,216は、図4等に例示されるように、像形成可能範囲210のうち軸方向Dにおける画質保障範囲212を除く両端に存在する部分である。この像形成可能範囲210における端部215,216は、上記感光ドラム21の画質保障範囲212外であって像形成可能範囲210内になる表面に相当する。
上記制御手段61は、演算処理装置、記憶素子、入出力装置、外部記憶装置等で構成される。また、制御手段61は、例えばその記憶素子(ROM等)に格納されるプログラムおよびデータに基づいて所要の制御動作を実行するようになっており、特に実施の形態1においては少なくとも上記第1の作像動作を実行し得るよう構成されている。この制御手段61は、中央制御装置60が有する制御機能の一部を行う部分として構成されるが、中央制御装置60とは別の独立した制御手段として構成してもよい。
制御手段61は、図3に示されるように、給電手段15、露光装置23を駆動させる露光駆動部16、回転駆動部17、操作表示装置14の表示部14b等に接続されており、特に第1の作像動作に関して必要な制御信号を送信するようになっている。
給電手段15は、帯電装置22の帯電ロール221に帯電電圧を、現像装置24の現像ロール241に現像バイアス電圧を、一次転写装置25に一次転写電圧を、二次転写装置35に二次転写電圧を、定着装置40の加熱ロール52における加熱手段に加熱用電圧を、それぞれ所要の時期に所要の大きさで供給し得る手段である。回転駆動部17は、作像装置20(Y,M,C,K)における感光ドラム21、現像装置24等の回転部材、中間転写装置30における駆動ロール等の回転部材、給紙装置40における送出装置42等の回転部材、定着装置50の加熱ロール52等の回転部材などに回転動力を発生して伝達する電動モータ、回転伝達機構等からなる手段である。
また、制御手段61は、外部機器等との間で情報の通信を行う通信部19、操作表示装置14の入力部14a、作像動作の開始時期となる基準信号を取得する基準信号取得手段18等と接続されており、これにより制御動作に必要な情報を入手している。
基準信号取得手段18は、例えば、中間転写装置30における中間転写ベルト31の一端部又は両端部に形成する基準マークを光学的に読み取るよう設置される読取機器72にて構成される。
制御手段61では、基準信号取得手段18で取得される基準マークの取得タイミング(t0)を基準にして、関係する各動作の開始時点や終了時点等を予め算出して把握し、また記録用紙9の搬送到達時期や通過時期などを算出して把握している。
第1の作像動作では、第1像TGが感光ドラム21の少なくとも画質保障範囲外の端部215,216になる表面にも形成されるので、その端部215,216に形成される第1像TGも記録用紙に転写する必要があるため、記録用紙として、その送り幅(搬送されるときの幅方向における寸法)が感光ドラム21における像形成可能範囲210の軸方向Dに沿う寸法とほぼ同じ寸法からなる特殊な記録用紙(確認のための用紙)9Bを使用することになる(図7)。
この特殊な記録用紙9Bは、給紙装置40に収容して中間転写装置30の二次転写位置に供給するか、又は、図示しない手差し給紙機構における手差しトレイに収容してから供給搬送路Rt1の途中に合流させるよう送り出して中間転写装置30の二次転写位置に供給される。
そして、第1の作像動作は、例えば、サービスエンジニア(サービスマン)が操作表示装置14における入力部14aから第1の作像動作の実行モードを選択して指示したときに実行されるよう構成されている。
この場合、第1の作像動作に関する実行モードは、例えば、操作表示装置14における表示部14bに選択指示用の画面として表示されて任意に選択操作して実行されるようになっている。また、第1の作像動作は、例えば、画像形成枚数等の情報に基づく使用頻度の経過状況に応じて、定期的に行うようにすることが好ましい。
また、第1の作像動作は、感光ドラム21、帯電装置22、現像装置24等を備えた作像装置20が複数ある画像形成装置1の場合には、その複数ある作像装置20(Y,M,C,K)の1つずつを作動させながら別々に行うことになる。
<第1の作像動作>
画像形成装置1においては、サービスエンジニアにより操作表示装置14の入力部14aから第1の作像動作に関する実行モードが選択されて指示されると、以下に説明する制御手段61による第1の作像動作が実行される。
このときの第1の作像動作は、4つの作像装置20(Y,M,C,K)を1つずつ作動させながら計4回行われる。ここでは、代表してブラック色Kの作像装置20Kを作動させて実行されるときの第1の作像動作について説明する。
はじめに、制御手段61では、第1の作像動作に関する開始指令(st)を受信すると、第1の作像動作に必要な作像装置20、中間転写装置30、給紙装置40、定着装置50等に給電手段15から所要の電圧が供給され始めるとともに、回転駆動部17から所要の回転動力が伝達され始める。
この際、制御手段61は、図5(b)や図6に示されるように、作像装置20Kにおいて回転始動する感光ドラム21の像形成可能範囲212を帯電装置22により静電潜像形成時に適用する帯電電位Vh1になるよう帯電させた状態にし、また現像装置24Kに供給する現像バイアス電圧を静電潜像形成時に適用する現像電位Vd1に保った状態にした後、第1の作像動作に移行する。
ここで、上記静電潜像形成時に適用する帯電電位Vh1および現像電位Vd1とは、画像形成装置1に入力される画像情報に基づいた通常の画像形成動作を行うときに設定して使用される帯電電位および現像電位(いずれも直流成分の値に応じた電位)である。以下、このときの帯電電位Vh1および現像電位Vd1を「通常の帯電電位Vh1」および「通常の現像電位Vd1」と称する。
ちなみに、図5(a)は、上記通常の画像形成を行う場合における各電位等の関係を例示している。また図5(a)中の符号Viは、帯電された後の感光ドラム21の画質保障範囲212に対して露光装置23の露光により形成される静電潜像の電位を示している。
続いて、制御手段61では、第1の作像動作に関する開始指令(st)を受信して所要の時間が経過した後に、基準信号取得手段18である読取機器72が回転する中間転写ベルト31にある基準マークを基準信号として読み取ると、その基準信号を取得した時点(t0)を基準にして第1の作像動作に関する各動作の時期や記録用紙9Bの搬送時期等を把握し、第1の作像動作を実行し始める。
このときの第1の作像動作は、制御手段61の制御により、図7に示されるように、第1像TGを形成すべき時期に合わせて、現像装置24Kに供給する現像バイアス電圧を通常の現像電位Vd1から第1像TGが形成される特別な現像電位Vd2に変更する動作と、その変更した特別な現像電位Vd2を通常の現像電位Vd1に再び戻す動作とを行うようになっている。
特別な現像電位Vd2は、固定される通常の帯電電位Vh1を基準にして、少なくとも感光ドラム21の画質保障範囲212の外側となる端部215,216を現像装置24Kから供給するブラック色の現像剤(トナー)で現像すること(現像剤を静電的に付着させること)ができる電位差Δαを生成する電位である。このときの電位差Δαは、通常の帯電電位Vh1と特別な現像電位Vd2との差(絶対値である|Vh1-Vd2|)として現わされる。
このような電位差Δαを生成する特別な現像電位Vd2としては、例えば、図5(b)に示されるように、通常の帯電電位Vh1を絶対値で超える大きさからなる電位が採用される。また、特別な現像電位Vd2については、例えば、上記現像を行うのに適した現像バイアス電圧を調べる実験等を行うことによりあらかじめ求められる。なお、現像電位Vd1と現像電位Vd2はいずれも、直流成分の電圧により設定することができる。
そして、第1の作像動作では、まず、作像装置20Kにおいて、回転する感光ドラム21の像形成可能範囲210が帯電装置22により通常の帯電電位Vh1になるよう帯電された後、露光装置23の露光を受けることなく通過し、しかる後、現像バイアス電圧が変更されて供給される現像装置24Kを通過することになる。
この際、上記した現像バイアス電圧を特別な現像電位Vd2に変更する動作は、制御手段61により、図6に例示されるように、その変更過程における電位が通常の帯電電位Vh1と一致するときの時期(t12)が、記録用紙9Bの搬送時の先端9aに該当する時点(t2)以後になるよう行われる。
このときの記録用紙9Bの先端9aに該当する時点(t2)は、基準信号の取得時点(t0)から予め算定される経過時間(Ts)が経過した時点として把握される。その算定される経過時間(Ts)は、例えば、記録用紙9Bの先端9aが二次転写位置に到達する予定時間から逆算して感光ドラム21上に想定される位置とプロセス速度等の設定値から算定される時間である。
またこの際、現像バイアス電圧を通常の現像電位Vd1から特別な現像電位Vd2に変更する時点(t11)は、図6に示されるように、基準信号を取得した時点(t0)から上記の時期的条件(t12>t2)を満たす観点で選定される所要の時間が経過した時点になる。
これにより、作像装置20Kにおいては、現像装置24Kに通常の現像電位Vd1からなる現像バイアス電圧が供給している間は感光ドラム21に現像剤(トナー)が付着することはないが、その現像バイアス電圧が特別な現像電位Vd2に変更されると、感光ドラム21に現像剤(トナー)が付着し始める。
厳密には、このときトナーが付着し始めるのは、図6に示されるように、変更過程にある現像電位が通常の帯電電位Vh1を少し超える電位(現像可能最小電位)Vdmに達した時点からである。また、このときの現像バイアス電圧は、特別な現像電位Vd2への変更開始時点(t11)から所要の時間(t13-t11)が経過した時点(t13)で完全に特別な現像電位Vd2に変更される。
また、このとき作像装置20Kにおける感光ドラム21は、図5(b)に示されるように、その像形成可能範囲210が例えばマイナス極性からなる通常の帯電電位Vh1になるよう帯電される一方で、帯電電位Vh1を超える大きさの例えばマイナス極性からなる特別な現像電位Vd2に変更される現像バイアス電圧が供給される現像装置24Kの現像ロール241と対峙することになる。
これにより、感光ドラム21と現像ロール241との間には、感光ドラム21の画質保障範囲212外の端部215,216をも現像する電位差Δα1(=|Vd2-Vh1|)が生成される。例えば、通常の帯電電位Vh1として「-550V」、特別な現像電位Vd2として「-600V」を適用した場合、その電位差Δα1は絶対値で「50V」となる。
この結果、作像装置20Kにおける感光ドラム21は、その画質保障範囲212外の端部215,216を含む像形成可能範囲210の全域がマイナス極性に帯電した黒色のトナーの付着により現像され、第1像TGが形成され始める。
つまり、このときの第1像TGは、感光ドラム21上において特殊な記録用紙9Bの先端9aよりも内側になる位置に該当する位置から形成され始める。
さらに、第1の作像動作における上記した現像バイアス電圧を特別な現像電位Vd2から通常の現像電位Vd1に戻す動作は、制御手段61により、図6に例示されるように、その戻し過程における電位が通常の帯電電位Vh1と一致するときの時期(t15)が、記録用紙9Bの搬送時の後端9bに該当する時点(t3)以前になるよう行われる。
このときの記録用紙9Bの後端9bに該当する時点(t3)は、上記先端9aに該当する時点(t2)に記録用紙9Bの搬送時の長さと搬送速度から予め算定される所要時間を加えた経過時間(Te)が、基準信号の取得時点(t0)から経過した時点として把握される。
またこの際、現像バイアス電圧を特別な現像電位Vd2から通常の現像電位Vd1に戻し始める時点(t14)は、図6に示されるように、基準信号を取得した時点(t0)から上記の時期的条件(t15<t3)を満たす観点で選定される所要の時間が経過した時点になる。
これにより、作像装置20Kにおいては、現像装置24Kに通常の現像電位Vd1からなる現像バイアス電圧が供給されることになるので、現像装置24Kから感光ドラム21への現像剤(トナー)の付着が終了する。
厳密には、このときトナーの付着が終了すのは、図6に示されるように、戻し過程にある現像電位が上記帯電電位Vh1に近い現像可能最小電位Vdmを越えた時点からである。また、このときの現像バイアス電圧は、通常の現像電位Vd1に戻す開始時点(t14)から所要の時間(t16-t14)が経過した時点(t16)で、通常の現像電位Vd1に完全に戻される。
また、このとき作像装置20Kにおける感光ドラム21は、通常の現像電位Vd1に戻された現像バイアス電圧が供給される現像装置24Kの現像ロール241と対峙することになる。
これにより、作像装置20Kにおける感光ドラム21は、その画質保障範囲212外の端部215,216を含む像形成可能範囲210の全域に対してマイナス極性に帯電した黒色のトナーが付着することがなくなり、第1像TGの形成が終了する。
つまり、このときの第1像TGは、感光ドラム21上において特殊な記録用紙9Bの後端9bよりも内側になる位置に該当する位置まで形成されて終わることになる。
続いて、第1の作像動作により感光ドラム21に形成された黒色トナーからなる第1像TGは、中間転写装置30の中間転写ベルト31に一次転写されて搬送された後、図8(a)に示されるように二次転写位置で特別な記録用紙9Bに二次転写される。
最後に、その未定着の第1像TGは、図8(b)に示されるように定着装置50により特別な記録用紙9Bの片面に定着された後、その特別な記録用紙9Bに記録された状態で排出収容部12に出力される。
以上により、作像装置20Kの作動による第1の作像動作が終了する。
また、第1の作像動作は、このブラック色の作像装置20Kの作動による動作工程が終了した後、残りの色の作像装置20(Y,M,C)をそれぞれ単独で作動させながら順次同様に実行される。
<第1の作像動作の結果>
この第1の作像動作を実行した場合は、図6に示されるように、第1像TGが、感光ドラム21の像形成可能範囲210における記録用紙9Bの搬送時の先端9aからその搬送時の後端9bに至るまでの搬送時の長さ方向の最大範囲よりも内側に存在する範囲に該当する部分LEに形成されることになる。
この結果、第1の作像動作では、図7や図8(b)に例示されるように、第1像TGが、特殊な記録用紙9Bに対してその搬送時の先端9aよりも内側の位置Psからその搬送時の後端9bよりも内側の位置Peに至るまでの範囲におさまるよう形成される。図7等における符号Eで示す矢印は、記録用紙9(9B)が搬送されるときの方向である。
参考までに、第1の作像動作において第1像TGとして、感光ドラム21の像形成可能範囲210のうち記録用紙9Bの搬送時の先端9aからその搬送時の後端9bに至るまでの長さ方向の最大範囲と同じ範囲又はそれよりも搬送方向前後になる外側にはみ出すような過大範囲に該当する部分に存在する第1像TGXを形成した場合(比較例)は、次の不具合が発生する。
つまり、この比較例における第1像TGXは、図18(a)に例示するように、中間転写装置30における二次転写位置において中間転写ベルト31から特殊な記録用紙9Bに二次転写されるとき、その第1像TGXのうち記録用紙9Bの先端9aおよび後端9bの末端にある或いはその先端9aおよび後端9bの一方又は双方からはみ出す像部分TGXnが二次転写装置35の二次転写ロールに転移してしまう。二次転写ロールの表面が弾性体層で構成されている場合には、その転移した像部分TGXn(トナー)が特に残留しやすくなる。そして、この二次転写装置35の二次転写ロールに転移したはみ出す像部分TGXnが、その第1の作像動作が終了した後で行われる通常の画像形成動作において、図18(b)に例示するように、その二次転写位置を通過する記録用紙9の裏面に付着して裏面汚れを誘発することがある。
この点、画像形成装置1による第1の作像動作では、上記したように第1像TGが、感光ドラム21の像形成可能範囲210における記録用紙9Bの先端9aからその後端9bに至るまでの搬送時の長さ方向の最大範囲よりも内側に存在する範囲に該当する部分LEに形成される(図6)。
このため、その第1像TGは、図8(a)に例示されるように、中間転写装置30における二次転写位置において中間転写ベルト31から特殊な記録用紙9Bに二次転写される際、その第1像TGのうち記録用紙9Bの先端9aおよび後端9bやそれらからはみ出す像部分(トナー)が発生することがなく、そのようなはみ出した像部分が二次転写装置35の二次転写ロールに転移することもない。
したがって、画像形成装置1では、第1像TGに起因した記録用紙9の裏面汚れが発生することがない。
また、画像形成装置1では、第1の作像動作を実行したとき、特殊な記録用紙9Bに出力されて得られる第1像TGの画像を、例えばサービスエンジニアが見て調べる。これにより、サービスエンジニアは、少なくとも感光ドラム21における画質保障範囲212の端部が摩耗すること(端部摩耗)の予兆があるか否かを知ることができる。
すなわち、このとき出力された特殊な記録用紙9Bには、図7に例示されるように、その片面全域にほぼ一様にトナーが付着した状態の第1像TGからなる画像が形成されている。
このとき出力後の特殊な記録用紙9Bの搬送方向Eとほぼ直交する幅方向Wの左右端部付近に、例えば、図7に例示するような搬送方向Eに沿って筋状に延びるように見える濃度の濃い画像部分K1,K2が存在していることが確認されることがある。この場合は、感光ドラム21の端部摩耗が発生する予兆があることを知る(推測する)ことができる。なお、この画像部分K1,K2が記録されて現れる特殊な記録用紙9Bの左右端部は、感光ドラム21の画質保障範囲212外の端部215,216に相当する。
一方、出力後の特殊な記録用紙9Bの左右端部付近に、上記筋状に見える濃度の濃い画像部分K1,K2の存在が確認されないこともある。この場合は、感光ドラム21の端部摩耗が発生する予兆がないことを知ることができる。
この他、この第1の作像動作では、第1像TGを特殊な記録用紙9Bの少なくとも先端9aに近い位置Psから転写させて感光ドラム21等における異常の予兆や異常の発生を知ることができる。また、この第1の作像動作では、第1像TGを特殊な記録用紙9Bの少なくとも後端9bに近い位置Peまで転写させて感光ドラム21等における異常の予兆や異常の発生を知ることもできる。
ちなみに、第1の作像動作により出力される第1像TGのなかに筋状に見える濃度の濃い画像部分K1,K2が現れる理由は、以下の理由によるものである。
つまり、感光ドラム21の像形成可能範囲210に摩耗部分が存在すると、その摩耗部分に相当する部分の感光層の膜厚が減少して暗減衰のレベルが増大し、その暗減衰のレベルが増大する分に対応して感光ドラム21の帯電されたときの電位が低下する割合が増えるようになり、この結果、その摩耗部分は、現像工程においてトナーが多めに付着するようになり、摩耗部分以外の正常な部分に比べて濃度が濃い部分として可視化される。
そして、特殊な記録用紙9Bの左右端部に筋状に見える濃度の濃い画像部分K1,K2が存在していた場合は、画質保障範囲212における本来の上記端部摩耗に発展する手前の摩耗部分が感光ドラム21に発生していることを示すことになるので、その画像部分K1,K2の存在を端部摩耗の予兆として捉えることができる。また、感光ドラム21の像形成可能範囲210に端部摩耗が発生した場合は、通常の画像を形成した際に、その画像のなかに端部摩耗に起因した筋状の画像欠陥が発生してしまう。
なお、上記第1の作像動作では、現像バイアス電圧の変更する特別の現像電位として、通常の帯電電位Vh1よりも電位差Δα1となる程度だけ絶対値で超える大きさの電位にする構成例(図5(b))を示した。
しかし、その特別な現像電位としては、感光ドラム21の画質保障範囲212外となる端部215,216も現像することができる電位差を得られる限りにおいては、図5(b)に二点鎖線で例示するように、通常の帯電電位Vh1よりも絶対値で小さい大きさの電位を特別な現像電位Vd3として適用することも可能である。このときの電位差は、図5(b)に示すようにΔα2となる。
このような特別の現像電位Vd3は、感光ドラム21における摩耗部分の暗減衰のレベルが相対的に大きい場合に採用すると、その現像電位(電位差Δα2)でも摩耗部分に対する現像がなされるので特に有効である。
また、上記第1の作像動作では、特別な現像電位Vd2(Vd3)として、その特別な現像電位Vd2(Vd3)と通常の帯電電位Vh1との電位差Δα1(Δα2)が、通常の現像電位Vd1と潜像電位Viとの電位差であるコントラスト電位Vcよりも小さい数値範囲におさまる電位(Δα<Vc)を用いることが好ましい。
特別な現像電位Vd2(Vd3)として、通常の帯電電位Vh1との電位差Δα1(Δα2)がコントラスト電位Vc以上の大きさの電位を用いた場合は、例えば、感光ドラム21等に生じた異常に起因して実施の形態1における第1の作像動作で形成し得る異常画像の顕現化が難しくなり、異常の予兆や異常の発生を検出する感度が低下してしまう等の不具合がある。
上記電位差Δα1(Δα2)が上記コントラスト電位Vcよりも小さい数値範囲としては、例えば10~40%の範囲が好ましく、より好ましくは20~30%の範囲である。
ここで、図9は、上記コントラスト電位Vcと濃度の関係について調べた結果を示す。
この図9は、適正な濃度再現を行うためのコントラスト電位と現像濃度との関係を確認する試験を行ったときの結果をグラフで示している。また、図9のグラフの横軸における「コントラスト電位」は、画像面積率が100%である画像(所謂ベタ画像)を得るために適用するコントラスト電位を100%としたときの上記コントラスト電位Vcの割合(百分率)を示す。また、その縦軸における「濃度」は、各コントラスト電位で現像したときの各現像剤像の濃度を分光濃度計などで測定したときの現像濃度を示す。
そして、図9において、通常の静電潜像形成時に適用するコントラスト電位を100%とした場合は、濃度が50%のときに潜像電位のばらつきに関する検知感度が高くなる。このことから、最も好ましい濃度の設定値を50±5%という範囲に設定すると、その濃度設定値に対応するコントラスト電位は、二点鎖線に挟まれるように約18~27%の範囲になる。この場合におけるコントラスト電位は、例えば20~30%の範囲に設定するとよい。
一方、濃度が50±20%という範囲であれば、少なくとも傷などの物理的な異常により生じる電位むらの検知が可能な範囲になる。このことから、この濃度範囲を許容する場合には、コントラスト電位については、約10~40%という範囲に設定することが可能である。
なおこの発明の発明者らの研究によれば、濃度が80%を超える場合は、上記検知ができなくなるので、図9に示す結果からコントラスト電位について50%以上の範囲に設定することができないことが確認されている。
さらに、上記第1の作像動作における記録用紙9の先端9aに該当する時点(t2)については、現像バイアス電圧を変更する時点(t11,t13)に間に合うのであれば、実際に搬送される記録用紙9の先端9aの通過をセンサ等の検出手段で検知した信号に基づいて把握するように構成することも可能である。
[実施の形態2]
図10および図11は、実施の形態2に係る画像形成装置の要部(第1の作像動作の構成)を示している。
実施の形態2に係る画像形成装置は、制御手段61による第1の作像動作の一部を変更している以外は実施の形態1に係る画像形成装置1と同じ構成からなるものである。
<第1の作像動作>
実施の形態2における第1の作像動作は、制御手段61の制御により、図10や図11に示されるように、第1像TGを形成すべき時期に合わせて、帯電装置22(帯電ロール221)に供給する帯電電圧を通常の帯電電位Vh1から第1像TGが形成される特別な帯電電位Vh2に変更する動作と、その変更した特別な帯電電位Vh2を通常の帯電電位Vh1に戻す動作とを行うようになっている。
特別な帯電電位Vh2は、図11に示されるように、固定される通常の現像電位Vd1を基準にして、少なくとも感光ドラム21の画質保障範囲212の外側となる端部215,216を現像装置24Kから供給するブラック色の現像剤(トナー)で現像することができる電位差Δβを生成する電位である。このときの電位差Δβは、通常の現像電位Vd1と特別な帯電電位Vh2との差(絶対値である|Vd1-Vh2|)として現わされる。
このような電位差Δβを生成する特別な帯電電位Vh2としては、例えば、図10に示されるように、通常の現像電位Vd1を絶対値で下回る大きさからなる電位が採用される。また、この特別な帯電電位Vh2についても、例えば、上記現像を行うのに適した帯電電位を調べる実験等を行うことによりあらかじめ求められる。帯電電圧として直流に交流を重畳した電圧を供給する場合、その帯電電位Vh1,Vh2については、直流成分の電圧により設定すればよい。
そして、この第1の作像動作では、まず、作像装置20Kにおいて、回転する感光ドラム21の像形成可能範囲210が帯電装置22により通常の帯電電位Vh1になるよう帯電されてから特別な帯電電位Vh2で帯電し直された後、露光装置23の露光を受けることなく通過し、しかる後、通常の現像電位Vd1とする現像バイアス電圧が供給される現像装置24Kを通過することになる。
この際、上記した帯電電圧を特別な帯電電位Vh2に変更する動作は、制御手段61により、図11に例示されるように、その変更過程における電位が通常の現像電位Vd1と一致するときの時期(t22)が、記録用紙9Bの搬送時の先端9aに該当する時点(t2)以後になるよう行われる(t22>t2)。
このときの記録用紙9Bの先端9aに該当する時点(t2)は、実施の形態1における場合と同様に、基準信号の取得時点(t0)から予め算定される経過時間(Ts)が経過した時点として把握される。
またこの際、帯電電圧を通常の帯電電位Vh1から特別な帯電電位Vh2になるよう変更する時点(t21)は、図11に示されるように、基準信号を取得した時点(t0)から上記の時期的条件(t22>t2)を満たす観点で選定される所要の時間が経過した時点になる。
これにより、作像装置20Kにおいては、帯電装置22により通常の帯電電位Vh1で帯電されている間は感光ドラム21に通常の現像電位Vd1にする現像バイアス電圧が供給されている関係で現像剤(トナー)が付着することはないが、その帯電電圧が特別な帯電電位Vh2に変更されると、その特別な帯電電位Vh2で帯電された感光ドラム21の表面部分に現像剤(トナー)が付着し始める。
厳密には、このときトナーが付着し始めるのは、図11に示されるように、変更過程にある帯電電位が通常の現像電位Vd1を少し超えて下回る電位(現像可能最小電位)Vdmに達した時点からである。また、このときの帯電電圧は、特別な帯電電位Vh2への変更開始時点(t21)から所要の時間(t23-t21)が経過した時点(t23)で完全に特別な帯電電位Vh2に変更される。
また、このとき作像装置20Kにおける感光ドラム21は、図10に示されるように、その像形成可能範囲210が例えばマイナス極性からなる特別な帯電電位Vh2になるよう帯電される一方で、通常の現像電位Vd1になる現像バイアス電圧が供給された現像装置24Kの現像ロール241と対峙することになる。
これにより、感光ドラム21と現像ロール241との間には、感光ドラム21の画質保障範囲212外の端部215,216をも現像する電位差Δβ(=|Vd1-Vh2|)が生成される。例えば、通常の帯電電位Vh1として「-550V」、特別な帯電電位Vh2として「-490V」、通常の現像電位Vd1として「-520V」を適用した場合、その電位差Δβは絶対値で「30V」となる。
この結果、作像装置20Kにおける感光ドラム21は、その画質保障範囲212外の端部215,216を含む像形成可能範囲210の全域がマイナス極性に帯電した黒色のトナーが付着して現像され、第1像TGが形成され始める。
つまり、このときの第1像TGは、感光ドラム21上において特殊な記録用紙9Bの先端9aよりも内側になる位置に該当する位置から形成され始める。
また、第1の作像動作における上記帯電電圧を特別な帯電電位Vh2から通常の帯電電位Vh1に戻す動作は、制御手段61により、図11に例示されるように、その戻し過程における電位が通常の現像電位Vd1と一致するときの時期(t25)が、記録用紙9Bの搬送時の後端9bに該当する時点(t3)以前になるよう行われる(t25<t3)。
またこの際、帯電電圧を特別な帯電電位Vh2から通常の帯電電位Vh1に戻し始める時点(t24)は、図11に示されるように、基準信号を取得した時点(t0)から上記した時期的条件(t25<t3)を満たす観点から選定される所要の時間が経過した時点になる。
これにより、作像装置20Kにおいては、帯電装置22に通常の帯電電位Vh1になる帯電電圧が供給されることになるので、感光ドラム21の像形成可能範囲210が通常の帯電電位Vh1で帯電されることになり、現像装置24Kから感光ドラム21への現像剤(トナー)の付着が終了する。
厳密には、このときトナーの付着が終了するのは、図11に示されるように、戻し過程にある帯電電位が上記通常の現像電位Vd1に近い現像可能最小電位Vdmを越えた大きさになった時点からである。また、このときの帯電電圧は、通常の帯電電位Vh1に戻す開始時点(t24)から所要の時間(t26-t24)が経過した時点(t26)で、通常の帯電電位Vh1に完全に戻される。
また、このとき作像装置20Kにおける感光ドラム21は、その像形成可能範囲210が通常の帯電電位Vh1に帯電された状態で、通常の現像電位Vd1からなる現像バイアス電圧が供給された現像装置24Kの現像ロール241と対峙することになる。
これにより、作像装置20Kにおける感光ドラム21は、その画質保障範囲212外の端部215,216を含む像形成可能範囲210の全域に対してマイナス極性に帯電した黒色のトナーが付着することがなくなり、第1像TGの形成が終了する。
つまり、このときの第1像TGは、感光ドラム21上において特殊な記録用紙9Bの後端9bよりも内側になる位置に該当する位置まで形成される。
続いて、この第1の作像動作により感光ドラム21に形成された黒色トナーからなる第1像TGは、中間転写装置30の中間転写ベルト31に一次転写されて搬送された後、二次転写位置で特別な記録用紙9Bに二次転写される。
最後に、その未定着の第1像TGは、定着装置50により特別な記録用紙9Bの片面に定着された後、特別な記録用紙9Bに記録された状態で排出収容部12に出力される。
以上により、作像装置20Kの作動による第1の作像動作が終了する。
また、この第1の作像動作についても、ブラック色の作像装置20Kの作動による動作工程が終了した後、残りの色の作像装置20(Y,M,C)をそれぞれ単独で作動させながら順次同様に実行される。
<第1の作像動作の結果>
この第1の作像動作を実行した場合は、実施の形態1における第1の作像動作の場合とほぼ同様に、図11に示されるように、第1像TGが、感光ドラム21の像形成可能範囲210における記録用紙9Bの搬送時の先端9aからその搬送時の後端9bに至るまでの搬送時の長さ方向の最大範囲よりも内側に存在する範囲に該当する部分LEに形成されることになる。
この結果、この第1の作像動作では、実施の形態1における第1の作像動作の場合とほぼ同様に、図7や図8(b)に例示されるように、第1像TGが、特殊な記録用紙9Bに対してその搬送時の先端9aよりも内側の位置Psからその搬送時の後端9bよりも内側の位置Peに至るまでの範囲におさまるよう形成される。
また、実施の形態2に係る画像形成装置においても、実施の形態1における第1の作像動作の場合とほぼ同様の理由により、第1の作像動作で形成する第1像TGに起因した記録用紙9の裏面汚れが発生することがない。
さらに、実施の形態2に係る画像形成装置においても、第1の作像動作を実行したとき、特殊な記録用紙9Bに出力されて得られる第1像TGの画像を、例えばサービスエンジニアが見て調べることになる。これにより、サービスエンジニアは、少なくとも感光ドラム21における画質保障範囲212の端部が摩耗すること(端部摩耗)の予兆があるか否かを知ることができる。
なお、実施の形態2における第1の作像動作では、特別な帯電電位Vh2として、その特別な帯電電位Vh2と通常の現像電位Vd1との電位差Δβが、通常の現像電位Vd1と潜像電位Viとの電位差であるコントラスト電位Vc(図5(a))よりも小さい数値範囲におさまる電位(Δβ<Vc)を用いることが好ましい。
特別な帯電電位Vh2として、通常の現像電位Vd1との電位差Δβがコントラスト電位Vc以上になる電位を用いた場合は、例えば、感光ドラム21等に生じた異常に起因して実施の形態2における第1の作像動作で形成し得る異常画像の顕現化が難しくなり、異常の予兆や異常の発生を検出する感度が低下してしまう等の不具合がある。
上記電位差Δβが上記コントラスト電位Vcよりも小さい数値範囲としては、実施の形態1で説明した理由(図9)と同様に、例えば10~40%の範囲が好ましく、より好ましくは20~30%の範囲である。
[実施の形態3]
図12および図13は、実施の形態3に係る画像形成装置の要部(第1の作像動作の構成)を示している。
実施の形態3に係る画像形成装置は、制御手段61による第1の作像動作の一部を変更している以外は実施の形態1に係る画像形成装置1と同じ構成からなるものである。
<第1の作像動作>
実施の形態3における第1の作像動作は、制御手段61において第1の作像動作に関する開始指令(st)を受信すると、実施の形態1の場合と同様に、第1の作像動作に必要な作像装置20、中間転写装置30、給紙装置40、定着装置50等に給電手段15から所要の電圧が供給され始めるとともに、回転駆動部17から所要の回転動力が伝達され始めるが、この開始段階における構成が次のようになる。
すなわち、この第1の作像動作では、制御手段61が、図13に示されるように、作像装置20Kにおいて回転始動する感光ドラム21の像形成可能範囲212を帯電装置22により帯電させない状態にし、また現像装置24Kに現像バイアス電圧を供給しない状態にした後、第1の作像動作に移行するように構成されている。
続いて、制御手段61では、第1の作像動作に関する開始指令(st)を受信して所要の時間が経過した後に、基準信号取得手段18が基準マークを基準信号として読み取ると、その基準信号を取得した時点(t0)を基準にして第1の作像動作に関する各動作の時期や記録用紙9Bの搬送時期等を把握し、第1の作像動作を実行し始める。
このときの第1の作像動作は、制御手段61の制御により、図12や図13に示されるように、第1像TGを形成すべき時期に合わせて、第1像TGが形成される特別な現像電位Vd4になる現像バイアス電圧を現像装置24Kに供給する動作と、その現像バイアス電圧の供給を停止する動作とが行われる。
特別な現像電位Vd4は、図12に示されるように、(除電器27を通過した後で)帯電装置22により帯電さていない状態にある感光ドラム21の像形成可能範囲210の表面電位(ほぼ0V)を基準にして、少なくとも感光ドラム21の画質保障範囲212の外側となる端部215,216を現像装置24Kから供給するブラック色の現像剤(トナー)で現像することができる電位差Δγを生成する電位である。このときの電位差Δγは、帯電されていない感光ドラム21の表面電位(ほぼ0V)と特別な現像電位Vd4との差(|Vd4-0|)として現わされる。
このような電位差Δγを生成する特別な現像電位Vd4についても、例えば、上記現像を行うのに適した現像電位を調べる実験等を行うことによりあらかじめ求められる。
そして、この第1の作像動作では、まず、作像装置20Kにおいて、回転する感光ドラム21の像形成可能範囲210が除電器27を通過して除電されてから帯電装置22による帯電がなされない状態で、露光装置23の露光も受けることなく通過し、しかる後、特別な現像電位Vh4になる現像バイアス電圧が供給される現像装置24Kを通過することになる。
この際、上記した特別な現像電位Vd4になる現像バイアス電圧を供給する動作は、制御手段61により、図13に例示されるように、その供給開始過程における現像電位が感光ドラム21の像形成可能範囲210への現像剤(トナー)の付着が開始するときの付着開始電位(Vds)と一致するときの時期(t32)が、記録用紙9Bの搬送時の先端9aに該当する時点(t2)以後になるよう行われる(t32>t2)。
このときの記録用紙9Bの先端9aに該当する時点(t2)は、実施の形態1における場合と同様に、基準信号の取得時点(t0)から予め算定される経過時間(Ts)が経過した時点として把握される。
またこの際、特別な現像電位Vd4になる現像バイアス電圧の供給を開始する時点(t31)は、図13に示されるように、基準信号を取得した時点(t0)から上記の時期的条件(t32>t2)を満たす観点で選定される所要の時間が経過した時点になる。
これにより、作像装置20Kにおいては、帯電装置22による帯電と現像装置24Kへの現像バイアス電圧の供給とを行わない間は感光ドラム21に現像装置24Kから現像剤(トナー)が付着することはないが、特別な現像電位Vd4になる現像バイアス電圧が現像装置24Kに供給されると、その現像装置24Kから感光ドラム21の帯電されていない表面部分に現像剤(トナー)が付着し始める。
厳密には、このときトナーが付着し始めるのは、図13に示されるように、供給され始めた現像バイアス電圧により生成される現像電位が上記付着開始電位(Vds)に達した時点からである。また、このときの現像バイアス電圧は、その供給を開始した時点(t31)から所要の時間(t33-t31)が経過した時点(t33)で完全に特別な現像電位Vd4に達するようになる。
また、このとき作像装置20Kにおける感光ドラム21は、図12に示されるように、その像形成可能範囲210が帯電されずほぼ0Vの表面電位の状態に保たれる一方で、特別な現像電位Vd4になる現像バイアス電圧が供給された現像装置24Kの現像ロール241と対峙することになる。
これにより、感光ドラム21と現像ロール241との間には、感光ドラム21の画質保障範囲212外の端部215,216をも現像する電位差Δγ(=|Vd4-0|)が生成される。例えば、特別な現像電位Vd4として「-30V」を適用した場合、その電位差Δβ1は絶対値で「30V」となる。
この結果、作像装置20Kにおける感光ドラム21は、その画質保障範囲212外の端部215,216を含む像形成可能範囲210の全域がマイナス極性に帯電した黒色のトナーが付着して現像され、第1像TGが形成され始める。
つまり、このときの第1像TGは、感光ドラム21上において特殊な記録用紙9Bの先端9aよりも内側になる位置に該当する位置から形成され始める。
また、第1の作像動作における上記した特別な現像電位Vd4になる現像バイアス電圧の供給を停止する動作は、制御手段61により、図13に例示されるように、その供給停止過程における電位が感光ドラム21の像形成可能範囲210への現像剤(トナー)の付着が終了するときの付着終了電位(Vde)と一致するときの時期(t35)が、記録用紙9Bの搬送時の後端9bに該当する時点(t3)以前になるよう行われる(t35<t3)。
またこの際、現像バイアス電圧の供給を停止し始める時点(t34)は、図13に示されるように、基準信号を取得した時点(t0)から上記の時期的条件(t35<t3)を満たす観点で選定される所要の時間が経過した時点になる。
これにより、作像装置20Kにおいては、帯電装置22による帯電と現像装置24Kへの現像バイアス電圧の供給とが行われない状態に戻されるので、現像装置24Kから感光ドラム21への現像剤(トナー)の付着が終了する。
厳密には、このときトナーの付着が終了するのは、図13に示されるように、現像電位が上記付着終了電位(Vde)を越えた小さい大きさになった時点からである。また、このときの現像バイアス電圧は、供給の停止を開始した時点(t34)から所要の時間(t36-t34)が経過した時点(t36)で供給が完全に停止することになる。
また、このとき作像装置20Kにおける感光ドラム21は、その像形成可能範囲210が帯電されていない状態のままで、現像バイアス電圧が供給されていない現像装置24Kの現像ロール241と対峙することになる。
これにより、作像装置20Kにおける感光ドラム21は、その画質保障範囲212外の端部215,216を含む像形成可能範囲210の全域に対してマイナス極性に帯電した黒色のトナーが付着することがなくなり、第1像TGの形成が終了する。
つまり、このときの第1像TGは、感光ドラム21上において特殊な記録用紙9Bの後端9bよりも内側になる位置に該当する位置まで形成されて終わることになる。
続いて、この第1の作像動作により感光ドラム21に形成された黒色トナーからなる第1像TGは、中間転写装置30の中間転写ベルト31に一次転写されて搬送された後、二次転写位置で特別な記録用紙9Bに二次転写される。最後に、その未定着の第1像TGは、定着装置50により特別な記録用紙9Bの片面に定着された後、その特別な記録用紙9Bに記録された状態で排出収容部12に出力される。
以上により、作像装置20Kの作動による第1の作像動作が終了する。
また、この第1の作像動作についても、ブラック色の作像装置20Kの作動による動作工程が終了した後、残りの色の作像装置20(Y,M,C)をそれぞれ単独で作動させながら順次同様に実行される。
<第1の作像動作の結果>
この第1の作像動作を実行した場合は、実施の形態1における第1の作像動作の場合とほぼ同様に、図14に示されるように、第1像TGが、感光ドラム21の像形成可能範囲210における記録用紙9Bの搬送時の先端9aからその搬送時の後端9bに至るまでの搬送時の長さ方向の最大範囲よりも内側に存在する範囲に該当する部分LEに形成されることになる。
この結果、この第1の作像動作では、実施の形態1における第1の作像動作の場合とほぼ同様に、図14や図7、図8(b)等に例示されるように、第1像TGが、特殊な記録用紙9Bに対してその搬送時の先端9aよりも内側の位置Psからその搬送時の後端9bよりも内側の位置Peに至るまでの範囲におさまるよう形成される。
また、実施の形態2に係る画像形成装置においても、実施の形態1における第1の作像動作の場合とほぼ同様の理由により、第1の作像動作で形成する第1像TGに起因した記録用紙9の裏面汚れが発生することがない。
さらに、実施の形態3に係る画像形成装置においても、第1の作像動作を実行したとき、特殊な記録用紙9Bに出力されて得られる第1像TGの画像を、例えばサービスエンジニアが見て調べることになる。これにより、サービスエンジニアは、少なくとも感光ドラム21における画質保障範囲212の端部が摩耗すること(端部摩耗)の予兆があるか否かを知ることができる。
図14に例示する第1像TGには、特殊な記録用紙9Bの搬送方向Eとほぼ直交する幅方向Wの端部付近に、実施の形態1,2における第1の作像動作の結果と同様に、その搬送方向Eに沿って筋状に延びるように見える濃度の濃い画像部分K1,K2が存在していることがある。この場合は、実施の形態1,2における第1の作像動作の結果と同様に、感光ドラム21の端部摩耗が発生する予兆があることを知ることができる。
また、図14に例示する第1像TGには、特殊な記録用紙9Bの画質保障範囲212と対応する部分に、画像部分K1,K2とは異なる別の濃度の濃い画像部分K4が存在する場合を示している。この場合は、その画像部分K4の存在のみをもって感光ドラム21における端部摩耗以外の別の異常の予兆があると判断することは困難である。
しかし、その画像部分K4が、例えば記録用紙9Bの搬送方向Eに沿ってほぼ同じ間隔で周期的に存在するものである場合もある。
そして、この場合、その画像部分K4の間隔が例えば感光ドラム21の外周の長さ(円周)とほぼ同じ関係にあるときには、その画像部分K4が感光ドラム21の画質保障範囲212内において周方向にほぼ同じ間隔で発生している損傷や機能劣化した部分により得られている結果であると推測することができる。つまり、この場合は、感光ドラム21における端部摩耗以外の別の異常の予兆があると判断することも可能になる。
さらに、実施の形態1,2における第1の作像動作を行った結果として図15に例示するような第1像TGが形成された特殊な記録用紙9Bが得られた場合、その後に、実施の形態3における第1の作像動作を行ったとき、その結果として、例えば先の図14に例示したような第1像TGが形成された特殊な記録用紙9Bが得られることもある。
ここでは、図15に例示する第1像TGには、特殊な記録用紙9Bの画質保障範囲212と対応する部分に画像部分K1,K2とは異なる別の濃度の濃い画像部分K4の他に更に別の濃度の濃い画像部分K3が存在していたのに対し、実施の形態3における第1の作像動作を行った結果を例示する図14の第1像TGには、画像部分K1,K2と画像部分K4は同様に存在しているものの画像部分K3が存在していない場合を例示している。
この場合は、その画像部分K3が実施の形態3における第1の作像動作の特有の構成である帯電装置22による帯電を行わなかったことに関係して消失したものとみなし、帯電ロール221の一部に画像部分K3を形成させるような損傷や機能劣化という異常の予兆があることを知ることができる。
またこの際、画像部分K3の周期(間隔)が帯電ロール221の外周の長さ(円周)と対応する寸法であった場合は、その画像部分K3は帯電ロール221の一部に損傷や機能劣化という異常の予兆を示す情報である可能性が更に高まる。
なお、実施の形態3における第1の作像動作では、特別な現像電位Vd4として、その特別な現像電位Vd4と感光ドラム21の像形成可能範囲210の帯電しないときの表面電位との電位差Δγが、通常の現像電位Vd1と潜像電位Viとの電位差であるコントラスト電位Vc(図5(a))よりも小さい数値範囲におさまる電位(Δβ<Vc)を用いることが好ましい。
特別な帯電電位Vd4として、通常の現像電位Vd1との電位差Δγがコントラスト電位Vc以上になる電位を用いた場合は、例えば、感光ドラム21、帯電ロール221等に生じた異常に起因して実施の形態3における第1の作像動作で形成し得る異常画像の顕現化が難しくなり、異常の予兆や異常の発生を検出する感度が低下してしまう等の不具合がある。
上記電位差Δγが上記コントラスト電位Vcよりも小さい数値範囲としては、実施の形態1で説明した理由(図9)と同様に、例えば10~40%の範囲が好ましく、より好ましくは20~30%の範囲である。
[他の実施の形態]
実施の形態1~3においては、その各第1の作像動作を実行する際、図16に例示されるように、第1像TGとして感光ドラム21の回転1周分(CL1)以上の長さからなる像を形成して特殊な記録用紙9Bに転写させるように構成するとよい。
この場合は、特殊な記録用紙9Bとして、その搬送方向Eにおける長さL1が感光ドラム21の回転1周分(CL1)以上の長さよりも長い寸法からなるものを適用する必要がある。図16等における符号LEは、感光ドラム21上に形成される第1像TGの回転方向における長さ(範囲)である。
このように第1像TGとして感光ドラム21の回転1周分(CL1)以上の長さからなる像を形成して第1の作像動作を実行した場合は、実施の形態3において例示したような感光ドラム21、帯電ロール221等における周期的な異常の予兆や異常の発生を知りやすくなる。
また、実施の形態1~3においては、その各第1の作像動作を実行する際、図17に例示されるように、第1像TGとして感光ドラム21の回転2周分(CL2)以上の長さからなる像を形成して1枚又は複数枚の特殊な記録用紙9Bに転写させるように構成するとよい。
この場合は、特殊な記録用紙9Bとして1枚又は複数枚のいずれかを使用するかは、記録用紙9Bの長さL1と感光ドラム21の回転1周分(CL1)の長さとの大小関係に基づいて選択される。図17(a)は回転2周分(CL2)以上の長さの第1像TGを1枚の特殊な記録用紙9Bに形成する場合を例示し、同図(b)は回転2周分(CL2)以上の長さの第1像TGを2枚の特殊な記録用紙9B1,9B2に形成する場合を例示している。同図(b)に示す構成例の場合は、2枚の特殊な記録用紙9B1,9B2に形成する第1像TGとして、感光ドラム21の回転1周分(CL1)以上の長さからなる第1像TGを2つ形成する必要がある。
このように第1像TGとして感光ドラム21の回転2周分(CL2)以上の長さからなる像を形成して第1の作像動作を実行した場合は、実施の形態3において例示したような感光ドラム21、帯電ロール221等における周期的な異常の予兆や異常の発生を、感光ドラム21の回転2周分(CL2)以上の長さからなる1像TGの中から発見することができ、より確実に知りやすくなる。
この他、画像形成装置については、感光体等の像保持手段、接触型又は非接触型の帯電手段、現像手段、転写手段および定着手段を備えた画像形成装置であれば、実施の形態1等で例示した中間転写方式(中間転写装置30)を採用した画像形成装置1に限らず、他の形式の画像形成装置であっても構わない。他の形式の画像形成装置としては、例えば、中間転写方式を採用しないで作像装置20の感光ドラム21から記録用紙9に直接転写する方式の画像形成装置が挙げられる。
1 …画像形成装置
9 …記録用紙(記録媒体の一例)
9B…特別な記録用紙(記録媒体の一例)
9a…搬送時の先端
9b…搬送時の後端
21…感光ドラム(像保持手段の一例)
22…帯電装置(帯電手段の一例)
24…現像装置(現像手段の一例)
25…一次転写装置(転写手段の一例)
31…中間転写体
35…二次転写装置(転写手段の一例)
61…制御手段
210…像形成可能範囲
212…画質保障範囲
215,216…画質保障範囲外の端部
Ps…搬送時の先端よりも内側の位置
Pe…搬送時の後端よりも内側の位置
LE…内側の位置Psから内側の位置Peに至るまでの範囲
Vd1…通常の現像電位(静電潜像形成時に適用する現像電位)
Vd2,Vd4…特別な帯電電位
Vh1…通常の帯電電位(静電潜像形成時に適用する帯電電位)
Vh2…特別な帯電電位
Vi…潜像電位
Vc…コントラスト電位

Claims (17)

  1. 表面の像形成可能範囲に設定される画質保障範囲を有する像保持手段と、
    前記像保持手段の像形成可能範囲の表面を帯電させる帯電手段と、
    前記像保持手段の像形成可能範囲に静電潜像を形成する露光を行う露光手段と、
    現像バイアス電圧が供給され、前記像保持手段の少なくとも画質保障範囲に形成される静電潜像を現像剤で現像して現像剤像にする現像手段と、
    前記現像剤像を記録媒体に直接又は中間転写体を介して転写させる転写手段と、
    前記像保持手段の少なくとも画質保障範囲外であって像形成可能範囲内になる表面に前記現像手段により現像剤を付着させてなる第1像を前記露光手段の露光により静電潜像を形成する動作を行わないで形成して前記転写手段により記録媒体に転写させる第1の作像動作を実行する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記第1の作像動作において、前記第1像を、前記像保持手段の像形成可能範囲における記録媒体の搬送時の先端よりも内側の位置からその搬送時の後端よりも内側の位置に至るまでの範囲に該当する部分に形成する画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記像保持手段の像形成可能範囲を前記帯電手段により静電潜像形成時に適用する帯電電位に帯電させた状態にするとともに前記現像バイアス電圧を静電潜像形成時に適用する現像電位に保った状態にしてから前記第1の作像動作を実行する請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、前記像保持手段の像形成可能範囲を前記帯電手段により帯電させない状態にするとともに前記現像手段に前記現像バイアス電圧を供給しない状態にしてから前記第1の作像動作を実行する請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御手段は、前記第1の作像動作のときに、前記第1像を形成すべき時期に合わせて前記現像バイアス電圧を静電潜像形成時に適用する現像電位から第1像が形成される特別な現像電位に変更する動作と静電潜像形成時に適用する現像電位に戻す動作を行う請求項2に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御手段は、前記第1の作像動作のときに、前記第1像を形成すべき時期に合わせて前記帯電手段に供給する帯電電圧を静電潜像形成時に適用する帯電電位から前記第1像が形成される特別な帯電電位に変更する動作と静電潜像形成時に適用する帯電電位に戻す動作を行う請求項2に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御手段は、前記第1の作像動作のときに、前記第1像を形成すべき時期に合わせて前記第1像が形成される特別な現像電位になる現像バイアス電圧を前記現像手段に供給する動作とその供給を停止する動作を行う請求項3に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御手段は、前記現像バイアス電圧を前記特別な現像電位に変更する動作を、その変更過程時の電位が静電潜像形成時に適用する帯電電位と一致するときの時期が、記録媒体の搬送時の先端に該当する時点以後になるよう行う請求項4に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御手段は、前記現像バイアス電圧を前記特別な現像電位から静電潜像形成時に適用する現像電位に戻す動作を、その戻し過程時の電位が静電潜像形成時に適用する帯電電位と一致するときの時期が、記録媒体の搬送時の後端に該当する時点以前になるよう行う請求項4又は7に記載の画像形成装置。
  9. 前記制御手段は、前記帯電電圧を前記特別な帯電電位に変更する動作を、その変更過程時の電位が静電潜像形成時に適用する現像電位と一致するときの時期が、記録媒体の搬送時の先端に該当する時点以後になるよう行う請求項5に記載の画像形成装置。
  10. 前記制御手段は、前記帯電電圧を前記特別な帯電電位から静電潜像形成時に適用する帯電電位に戻す動作を、その戻し過程時の電位が静電潜像形成時に適用する現像電位と一致するときの時期が、記録媒体の搬送時の後端に該当する時点以前になるよう行う請求項5又は9に記載の画像形成装置。
  11. 前記制御手段は、前記特別な現像電位になる現像バイアス電圧を供給する動作を、その供給開始過程時の電位が前記像保持手段への現像剤の付着が開始するときの付着開始電位と一致するときの時期が、記録媒体の搬送時の先端に該当する時点以後になるよう行う請求項6に記載の画像形成装置。
  12. 前記制御手段は、前記現像バイアス電圧の供給を停止する動作を、その供給停止過程時の電位が前記像保持手段への現像剤の付着が終了するときの付着終了電位と一致するときの時期が、記録媒体の搬送時の後端に該当する時点以前になるよう行う請求項6又は11に記載の画像形成装置。
  13. 前記制御手段は、前記第1の作像動作における特別な現像電位として、当該特別な現像電位と静電潜像形成時に適用する帯電電位との電位差が、静電潜像形成時に適用する現像電位と潜像電位との電位差であるコントラスト電位よりも小さい数値範囲におさまる電位を用いる請求項4に記載の画像形成装置。
  14. 前記制御手段は、前記第1の作像動作における特別な帯電電位として、当該特別な帯電電位と静電潜像形成時に適用する現像電位との電位差が、静電潜像形成時に適用する現像電位と潜像電位との電位差であるコントラスト電位よりも小さい数値範囲におさまる電位を用いる請求項5に記載の画像形成装置。
  15. 前記制御手段は、前記第1の作像動作における特別な現像電位として、当該特別な現像電位と前記像保持手段の帯電しないときの表面電位との電位差が、静電潜像形成時に適用する現像電位と潜像電位との電位差であるコントラスト電位よりも小さい数値範囲におさまる電位を用いる請求項6に記載の画像形成装置。
  16. 前記像保持手段は、回転する部材であり、
    前記制御手段は、前記第1の作像動作のとき、前記第1像として前記像保持手段の回転1周分以上の長さからなる像を形成して記録媒体に転写させる請求項1乃至15のいずれかに記載の画像形成装置。
  17. 前記制御手段は、前記第1の作像動作のとき、前記第1像として前記像保持手段の回転2周分以上の長さからなる像を形成して単数又は複数の記録媒体に転写させる請求項16に記載の画像形成装置。
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