JP7035332B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、正常状態に対する画像データのずれ量を算出し、そのずれ量に基づいて異常状態か否か判定する状態判定手段と、画像形成装置の状態から異常箇所を特定する異常個所特定手段と、状態判定手段で異常であると判定した場合に、異常個所特定手段の出力に応じた異常用の画像処理を行う画像処理手段と、状態判定手段で異常であると判定した場合に、サービスマンコール信号を出力するサービスマンコール出力手段とを備える画像形成装置が開示されている。
また、特許文献4には、潜像担持体が複数設けられ、各潜像担持体からの画像を転写体に転写する工程と、転写体に向けられた光学式センサと画像形成装置の故障発生予測を行う故障検知手段を備えた画像形成装置において、色すじの発生が予測された場合、潜像担持体の一つずつに対して転写体に対する転写バイアスを印加して故障検知手段により転写体の表面状態を検知するモードを持つ画像形成装置が開示されている。また、特許文献4には、この画像形成装置により、色すじなどの画像不良の予兆が発生している色の作像部を特定できることも示されている。
トナー像を形成する作像部と、
前記作像部で形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写部と、
前記作像部で角度が異なる2種以上の万線パターンからなるトナー像を確認用画像として形成してから前記転写部で記録媒体に転写させる動作を実行する制御手段と、
を備え、
前記確認用画像として、万線の記録媒体の搬送方向となす角度がほぼ0°の角度になる第1万線パターンと、万線の記録媒体の搬送方向となす角度がほぼ90°の角度になる第2万線パターンと、万線の記録媒体の搬送方向となす角度が0°よりも大きくかつ90°よりも小さい角度になる第3万線パターンを搬送方向に交互に配置したものを用い、
前記制御手段は、前記動作の際、前記3種の万線パターンからなるトナー像を1枚の記録媒体に偏在させることなく分散させた状態で形成するよう構成されているものである。
トナー像を形成する作像部と、
前記作像部で形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写部と、
前記作像部で角度が異なる2種以上の万線パターンからなるトナー像を確認用画像として形成してから前記転写部で記録媒体に転写させる動作を実行する制御手段と、
を備え、
前記確認用画像として、記録媒体の片面のうち搬送方向を斜めに複数に分割されてその斜め方向に沿って長い平面形状からなる分割領域に、万線の記録媒体の搬送方向となす角度がほぼ0°の角度になる第1万線パターンと、万線の記録媒体の搬送方向となす角度がほぼ90°の角度になる第2万線パターンとを、搬送方向の前後又は幅方向の左右に交互に配置したものを用い、
前記制御手段は、前記動作の際、前記2種の万線パターンからなるトナー像を1枚の記録媒体に偏在させることなく分散させた状態で形成するよう構成されているものである。
また、この画像形成装置によれば、制御手段が3種の万線パターンからなるトナー像を1枚の記録媒体に偏在させることなく分散させて形成するよう構成されていない場合に比べて、画像欠陥が転写部以後の過程でのトナー飛び散りによって発生しているものであるかを精度よく確認することができる。特にこの画像形成装置では、第3万線パターンからなる確認用画像にトナー飛び散りによる画像欠陥が顕現されるようになるので、トナー飛び散りによる画像欠陥が搬送方向Dにおいて偏在する部分に発生することがあっても、その画像欠陥の一部を確認できない割合を低減させることができる。
また、この画像形成装置によれば、制御手段が2種の万線パターンからなるトナー像を1枚の記録媒体に偏在させることなく分散させて形成するよう構成されていない場合に比べて、画像欠陥が転写部以後の過程でのトナー飛び散りによって発生しているものであるかを精度よく確認することができる。特にこの画像形成装置では、第2万線パターンからなる確認用画像が搬送方向に対して斜めに交差して延びる形状に形成されるので、トナー飛び散りによる画像欠陥が幅方向において偏在する部分に発生することがあっても、その画像欠陥の一部を確認できない割合を低減させることができる。
図1から図3は、実施の形態1に係る画像形成装置1を示すものである。図1はその画像形成装置1の構成を示し、図2はその画像形成装置1における二次転写部及び定着部の構成を拡大して示し、図3はその画像形成装置1における制御系の一部の構成を示している。
画像形成装置1は、電子写真方式を採用して、文字、写真、図形等からなる画像情報に基づきトナーで構成される画像を最終的に記録媒体の一例である記録用紙9に形成するものである。
筐体10は、例えば、支持部材、外装材等の材料を用いて支持構造部や外装部が形成されており、その上面部に画像が形成された記録用紙9が排出されて収容される排出収容面部12が設けられている。図1に示す一点鎖線は、筐体10の内部における記録用紙9の主な搬送経路である。
さらに、画像形成装置1は、後述するように、トナー像からなる画像に欠陥が生じたとき、その原因が二次転写部38以後の過程にあるかどうかを確認するための動作が実行される機能を有している。
この作像装置20(Y,M,C,K)はいずれも、図1に示されるように、所要の方向に回転駆動される感光ドラム21をそれぞれ備えており、その各感光ドラム21の周囲に帯電装置22、露光装置23、現像装置24、一次転写装置25、ドラム清掃装置26等がそれぞれ配置されている。図1では、作像装置20を構成する主な装置等を示す符号(21~26)を作像部20Yにすべて付しているが、それ以外の作像部20M,20C,20Kには省略して一部の符号のみを付している。
帯電装置22は、例えば、感光ドラム21の像形成面に接触して従動回転する状態で配置されるとともに所要の帯電電流が供給される帯電ロール等の接触部材を備えた接触型の帯電装置である。
現像装置24は、例えば、前記4色(Y,M,C,K)のいずれか1色のトナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤を利用する現像装置24(Y,M,C,K)である。また、現像装置24(Y,M,C,K)は、例えばトナーをマイナス極性に帯電させて反転現像を行うよう使用される。さらに、現像装置24(Y,M,C,K)は、筐体内に収容されている二成分現像剤を保持して感光ドラム21と対向する現像領域に搬送するよう回転する現像ロール等を備えている。現像ロールには、感光ドラム21との間に例えば直流成分に交流成分を重畳した現像電流が供給される。
ドラム清掃装置26は、筐体の清掃作業用開口において感光ドラム21の少なくとも一次転写後の像形成面部分に接触するよう配置されて、その像形成面上にある残留トナー等の不要物をかきとって除去する弾性板等の清掃部材等を備えている。
この中間転写部3は、作像装置20(Y,M,C,K)における感光ドラム21の一次転写装置25と向き合う一次転写位置をそれぞれ通過しながら矢印Bで示す方向に回転するよう配置される中間転写ベルト31を備えている。
また、中間転写ベルト31は、複数の支持ロール32a~32eに掛けまわされて回転自在に支持されている。支持ロール32aは駆動ロール兼二次転写バックアップロールとして、支持ロール32bは清掃バックアップロールとして、支持ロール32cは中間転写ベルト31に張力を付与するとともに中間転写ベルト31の蛇行を矯正する張力付与兼蛇行矯正ロールとして、支持ロール32d及び32eは協働して中間転写ベルト31の一次転写面を形成して保持する従動ロールとして、それぞれ構成されている。
ベルト清掃装置36は、筐体の清掃作業用開口において中間転写ベルト31の少なくとも二次転写後の像保持面部分に接触するよう配置されて、その像保持面上にある残留トナー等の不要物をかきとって清掃する弾性板等の清掃部材等を備えている。
この給紙部4は、筐体10に対して引き出し自在に取り付けられ、所望のサイズ、種類等の記録用紙9が積載板42の上に積み重ねた状態で収容される収容体41と、その収容体41から記録用紙9を1枚ずつ給紙搬送路にむけて送り出す送出装置43を少なくとも備えて構成されている。収容体41及び送出装置43の数については、必要に応じて増減される。
記録用紙9としては、筐体10内における搬送路による搬送が可能であってトナー像の転写及び定着が可能な記録媒体であれば適用することができ、例えば、所定のサイズに裁断された記録紙をはじめとし、はがき等の厚紙や、封筒等の特殊な媒体も使用することができる。
この定着部5は、図1や図2に示されるように、記録用紙9の導入口51a及び排出口51bが形成された筐体51の内部に、矢印で示す方向に回転するとともに表面温度が所定の温度に保持されるよう加熱手段によって加熱されるロール形態又はベルト形態からなる加熱用回転体52と、この加熱用回転体52の幅方向にほぼ沿う状態で所定の圧力で接触して従動回転するロール形態又はベルト形態からなる加圧用回転体53とを少なくとも設置して構成されている。
また、この定着部5は、加熱用回転体52と加圧用回転体53の接触部分が、トナー像を保持する記録用紙9が導入されて定着処理(加熱及び加圧)される定着処理部NPとして構成されている。また、筐体51は、導入口51a側の内部に記録用紙9を導入口51aから定着処理部NPへ誘導する導入案内部材54が、排出口51b側の内部に記録用紙9を定着処理部NPから排出口51bへ誘導する排出案内部材55が設けられている。
この画像形成装置1では、以下に説明する基本的な画像形成動作が行われる。ここでは、4色(Y,M,C,K)のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像を形成する場合の動作を例にして説明する。
続いて、各露光装置23が、各感光ドラム21の帯電後における像形成面に対して各色成分(Y,M,C,K)に分解された画像信号に応じた露光をそれぞれ行う。これにより、各感光ドラム21の像形成面には、所定の電位からなる各色成分の静電潜像がそれぞれ形成される。
続いて、各作像装置20(Y,M,C,K)の一次転写部28において、各一次転写装置25が一次転写電流の供給を受けて感光ドラム21との間に一次転写電界を形成することにより、各感光ドラム21上のトナー像を中間転写部3における中間転写ベルト31の像保持面に対して順番(Y,M,C,Kの順)に一次転写させる。また、ドラム清掃装置26が一次転写後等における各感光ドラム21の像形成面を清掃する。
この後、中間転写部3の二次転写部38において、二次転写装置35の二次転写ロール351又は二次転写バックアップロール32aが二次転写電流の供給を受けて二次転写ロール351と中間転写ベルト31との間に二次転写電界を形成することにより、中間転写ベルト31上にある4色のトナー像を記録用紙9の片面に対して二次転写させる。また、ベルト清掃装置36が二次転写後等における中間転写ベルト31の像保持面を清掃する。
続いて、トナー像が定着された後の記録用紙9が、排出案内部材55に誘導されて定着部5の筐体51内から排出された後に排出搬送路Rt3を経由して搬送され、最後に用紙排出口11から筐体10の外部に排出されて排出収容面部12に収容される。
ところで、画像形成装置1においては、画像形成動作が行われたときに、図10に例示されるように、記録用紙9に形成される画像GIのなかに滲み、濃度異常、色調異常、ムラ等の画像欠陥101,102が発生してしまうことがある。
また、トナーの飛び散りは、二次転写部38から定着部5の定着処理部に至るまでの過程で発生することもある。これは、二次転写されたトナー像を保持する記録用紙9が中継搬送路Rt2において何かに保持されることがなくその搬送時の姿勢(状態)が変動しやすいことと、その記録用紙9が搬送時の姿勢に変動があることで定着部5の定着処理部NPに導入するまでの間に中継搬送路Rt2にある用紙案内部材46や定着部5の筐体51にある導入案内部材54に接触し得るおそれがあること等が起因している。
また、記録用紙9の帯電特性によっては、このような接触があった場合に、記録用紙9と用紙案内部材46や導入案内部材54との間に放電が起き、これにより記録用紙9に静電的引力で保持された未定着のトナー像を構成するトナーの一部が静電的引力のバランスが乱されて本来のあるべき位置とは異なる位置に飛び散ることがある。
図11の符号9aは記録用紙9の搬送時における先端部、符号9bは記録用紙9の搬送時における後端部、符号TGはトナー像、符号Txは飛び散るトナーを示す。
この画像形成装置1は、画像形成動作によって記録用紙9に形成されるトナー像からなる画像に欠陥が生じたとき、その画像欠陥の原因が二次転写部38を含むそれ以後の過程にあるかを確認するための以下の手段を備えている。
すなわち、画像形成装置1は、作像部2で角度が異なる2種以上の万線パターンからなるトナー像を確認用画像として形成してから二次転写部38で記録用紙9に転写させる動作を実行する制御手段61を備えている。
これ以後では、上記制御手段61により実行される動作を「確認動作」と称する。
また、確認用画像の万線パターンは、図4等に例示されるように、その万線の方向を示す角度(例えば記録用紙9の搬送方向D又は副走査方向となす角度α)の要素が異なる万線パターンが2種以上適用されるものである。また、この角度が異なる2種以上の万線パターンは、その角度の要素以外の線ピッチ、線幅、色等の要素について互いに同じ関係にしておくことが好ましい。
また、確認用画像は、トナーの飛び散りの発生要因を効率よく確認できる観点等から、万線の方向が記録用紙9の搬送方向Dと交差する方向に沿う方向になる角度の万線パターンを少なくとも1つ適用して構成される。
さらに、確認用画像は、角度が異なる2種以上の万線パターンからなるトナー像を1枚の記録用紙9の片面に配分して形成することが好ましいが、後述するように2種以上の万線パターンからなるトナー像を1種類ごとに別々の記録用紙9の片面にそれぞれ形成するように構成してもよい。
確認動作を実行するときの画像形成動作は、形成する画像が確認用画像になる点で相違するが、それ以外の画像形成条件については通常の画像を形成するときの条件と同じ条件を適用して行われる。なお、万線パターンからなる確認用画像は、トナーの飛び散りの有無が確認しやすくなる等の観点から中間調の濃度で形成することが好ましいため、その濃度調整のための条件(例えば、露光装置23の露光時における光量の条件)が通常の画像を形成するときの条件と少し異なる設定に変更されることがある。
また、確認動作は、トナー像を形成する作像装置20が複数ある場合には、その複数ある作像装置20(Y,M,C,K)の1つ又は複数を作動させて1回又は複数回行うことになる。
さらに、確認動作で使用する記録用紙9は、画像形成装置1で使用対象になっている最大サイズの記録用紙か、あるいは、搬送時における送り幅が最大の寸法になる記録用紙である。
この場合、確認動作の実行モードは、例えば、操作表示装置14における表示部14bに選択指示用の画面として表示される。また、このサービスエンジニア等の指示による確認動作の実行は、例えば、画像形成枚数等の情報に基づく使用頻度の経過状況に応じて定期的に行うか、あるいは、画像欠陥が発生したときに行うようにする。
すなわち、万線MLの記録用紙9の搬送方向Dとなす角度αがほぼ0°(0°又は0°±1°)になる角度α1の第1万線パターンP1と、万線MLの搬送方向Dとなす角度αがほぼ90°(90°又は90°±1°)になる角度α2の第2万線パターンP2と、万線MLの搬送方向Dとなす角度αが0°<α<±90°の範囲の値になる角度の第3万線パターンP3との3種類である。
すなわち、万線MLの方向が記録用紙9の搬送方向Dの左側に傾くことになる角度α3(+側の角度)の万線パターンP3aと、万線MLの方向が記録用紙9の搬送方向Dの右側に傾くことになる角度α4(-側の角度)の万線パターンP3bとに分けられる。しかも、この第3万線パターンP3a、P3bについては、その角度α3、α4を種々異ならせることで更に多数の万線パターンとすることができる。
1つ目は、上記大別される3種類の角度(範囲)からなる万線パターンP1,P2,P3を複数組み合わせる組み合わせである。2つ目めは、第1万線パターンP1又は第2万線パターンP2と上記細分される第3万線パターンP3a,P3bとを組み合わせる組み合わせである。3つ目は、第3万線パターンP3a,P3bの一方又は双方を角度α(α3、α4)が互いに異なるよう組み合わせる組み合わせである。
画像形成装置1においては、サービスエンジニア等により操作表示装置14の入力部14aから確認動作の実行モードが選択されて指示された場合、制御手段61によって以下に例示する確認動作1が実行される。
また、このときの確認動作1は、確認用画像として、図4(a)に例示した第1万線パターンP1(角度が搬送方向Dに沿う角度の万線パターン)のみからなる確認用画像と、図4(b)に例示した第2万線パターンP2(角度が搬送方向Dと交差する幅方向Eに沿う角度の万線パターン)のみからなる確認用画像とを採用している。さらに、確認動作1は、上記2種の万線パターンを適用する確認用画像を、2枚の記録用紙9の片面のほぼ全域にそれぞれ形成するよう構成されている。
続いて、現像装置24Kが2つの静電潜像を黒色トナーにより現像する。これにより、感光ドラム21の像形成面に、第1万線パターンP1と第2万線パターンP2にそれぞれ対応した確認用画像としての2つの黒色トナー像が順次形成される。
続いて、確認用画像である2つの黒色トナー像が転写された2枚の記録用紙9が、二次転写部38において回転する中間転写ベルト31と二次転写装置35の二次転写ロール351との間に挟まれた状態で搬送力を受けることにより、中継搬送路Rt2を経由して定着部5の筐体51の内部に導入されるよう搬送される。
続いて、定着部5において確認用画像としての2つの黒色トナー像が2枚の記録用紙9に別々に定着された後、その2つの黒色トナー像からなる確認用画像が形成された2枚の記録用紙9が排出搬送路Rt3を経由して順次搬送され、最後に排出収容面部12に排出されるようにして収容される。
また、確認動作1は、残りの色の作像装置20(Y,M,C)を単独で作動させることにより行う設定になっている場合には、ブラック色の作像装置20Kの作動による確認動作1の動作工程が終了した後、その残りの色の作像装置20(Y,M,C)をそれぞれ単独で順次作動させることにより上記作像装置20Kを単独で作動させた場合と同様に実行される。
一方、万線の方向が搬送方向Dに沿う方向になる角度の第1万線パターンP1で構成された確認用画像Gaの場合には、図6(b)に例示されるように、後方側に飛び散るトナーTaが搬送方向Dに沿う方向の万線の画像部分に再び着地して存在することが比較的多くなるため、トナーの飛び散りが顕現化されにくくなる。この場合は、その飛び散りの結果を視認することが難しくなる。
すなわち、図5に例示されるように、トナーの飛び散りによる画像欠陥103が確認用画像Gbのなかに発生している一方で(図5(b)参照)、確認用画像Gaのなかに発生しないという結果(図5(a)参照)が得られることがある。このときは、画像欠陥103の原因が二次転写部38以後の過程にあること(実際にはトナー飛び散りの発生に起因したものであること)を確認することができる。
また、確認動作1を実行したとき、画像欠陥103が確認用画像Gaのなかに発生し、確認用画像Gbのなかに発生しない場合もある。この場合は、その画像欠陥103がトナーの軸方向Eへの飛び散りで発生していることを示唆していることがわかる。
次に、制御手段61により実行される確認動作2について説明する。
確認動作2としてこの確認用画像Gcを形成する場合は、例えば上記確認動作1で発生したトナー飛び散りによる画像欠陥103(図5(b))が、記録用紙9の搬送方向Dの後方側部分に間隔をあけて形成される第2万線パターンP2からなる確認用画像のなかに顕現されるようになる。一方で、この確認用画像Gcを採用する場合は、第2万線パターンP2からなる確認用画像が搬送方向Dにおいて間隔をあけて形成されるので、トナー飛び散りによる画像欠陥が搬送方向Dにおいて偏在する部分に発生するときに、その画像欠陥の一部(第1万線パターンP1からなる確認用画像部分に存在する画像欠陥)が確認できないおそれがある。
確認動作2としてこの確認用画像Gdを形成する場合は、例えば上記確認動作1で発生したトナー飛び散りによる画像欠陥103(図5(b))が、第2万線パターンP2からなる確認用画像のうち搬送方向Dの後方側になる部分に顕現されるようになる。一方で、この確認用画像Gdを採用する場合は、第2万線パターンP2からなる確認用画像が幅方向Eにおいて間隔をあけて形成されるので、トナー飛び散りによる画像欠陥が幅方向Eにおいて偏在して発生するときに、その画像欠陥の一部が確認できないおそれがある。
確認動作2としてこの確認用画像Geを形成する場合は、例えば上記確認動作1で発生したトナー飛び散りによる画像欠陥103(図5(b))が、記録用紙9の搬送方向Dの後方側部分に間隔をあけて形成される第2万線パターンP2又は第3万線パターンP3aからなる確認用画像のなかに顕現されるようになる。
また、この確認用画像Geは、第3万線パターンP3aからなる確認用画像にトナー飛び散りによる画像欠陥が顕現されるようになるので、トナー飛び散りによる画像欠陥が搬送方向Dにおいて偏在する部分に発生することがあっても、上記確認用画像Gc(図7(a))に比べて、その画像欠陥の一部を確認できない割合を低減させることができる。
確認動作2としてこの確認用画像Gfを形成する場合は、例えば上記確認動作1で発生したトナー飛び散りによる画像欠陥103(図5(b))が、第2万線パターンP2からなる確認用画像のうち搬送方向Dの後方側になる部分に顕現されるようになる。
また、この確認用画像Gfは、第2万線パターンP2からなる確認用画像が搬送方向D(幅方向E)に対して斜めに交差して延びる形状に形成されるので、トナー飛び散りによる画像欠陥が幅方向Eにおいて偏在する部分に発生することがあっても、上記確認用画像Gd(図7(b))に比べて、その画像欠陥の一部を確認できない割合を低減させることができる。
確認動作2としてこの確認用画像Gjを形成する場合は、例えば上記確認動作1で発生したトナー飛び散りによる画像欠陥103(図5(b))が、第2万線パターンP2からなる確認用画像のうち搬送方向Dの後方側になる部分に顕現されるようになる。
また、この確認用画像Gjのように、角度が異なる2種以上の万線パターンを1枚の記録用紙9の片面に対して偏在させることなく分散させた状態で形成する確認用画像を採用する場合は、第2万線パターンP2からなる確認用画像が搬送方向D及び幅方向Eの双方においてほぼ均等に分散されるので、トナー飛び散りによる画像欠陥が搬送方向D又は幅方向Eのいずれかに偏在して発生することがあっても、その画像欠陥の原因が二次転写以後の過程にあるか否かを効率よく的確に確認することができるようになる。
しかし、この場合でも、確認機能による確認動作において、例えば、図9に例示したような角度が異なる2種以上の万線パターンを1枚の記録用紙9の片面に対して偏在させることなく分散させた状態で形成する確認用画像Gjを採用すれば、そのトナー飛び散りに起因した画像欠陥の原因が二次転写部38以後の過程であるかどうかを的確に且つ効率よく確認することができる。
実施の形態2に係る画像形成装置は、実施の形態1に係る画像形成装置1において、制御手段61による確認動作を実行する際、給電手段17から二次転写部38に供給する二次転写電圧を複数種類に変化させて確認用画像とするトナー像の転写を行った複数枚の記録用紙9を出力するよう構成したものである。
このときの変化させる二次転写電圧としては、例えば、通常の画像形成動作時に適用される通常時の二次転写電圧と、その通常時の二次転写電圧を所要の電圧だけ増減させた異種の二次転写電圧とを組み合わせたものが適用される。
すなわち、確認用画像のなかにトナー飛び散りによる画像欠陥が顕現されていることが確認されるが、同じ確認用画像であるにもかかわらず異種の二次転写電圧を供給したときに顕現されないという結果が得られることがある。この場合は、そのときの二次転写電圧を採用して通常の画像を形成する画像形成動作を行えば、二次転写部38でトナー飛び散りのない画像を形成することができる。この結果、このときの画像欠陥を良化させる二次転写電圧値が存在することを確認することができる。
実施の形態3に係る画像形成装置は、実施の形態1、2に係る画像形成装置1において、確認動作により記録用紙9に形成された確認用画像を読み取る読取手段71と、その読取手段71で読み取った確認用画像の情報を出力する出力手段72とを追加した構成からなるものである。この読取手段71と出力手段72は、図3に二点鎖線で示すように制御手段61に通信可能に接続され、確認動作の際に制御手段61により作動させられる。
出力手段72は、読取手段71で読み取った確認用画像の情報を最終的に所要の出力先に自動で又は選択指示に基づいて出力することができるものであればよい。このような出力手段72は、専用の構成部品として構築してもよいが、例えば、その情報を記憶装置に一旦記憶させた後に制御手段61の一部の制御機能として情報の送信を行うように構成してもよい。出力先としては、操作表示装置14の表示部14bや、画像形成装置1と通信部19を介して接続されている使用者又はサービスエンジニアのパーソナルコンピュータ等の情報端末などである。
そして、このとき読み取られた確認用画像の情報が、制御手段61の制御動作により、例えば操作表示装置14の表示部14bに出力される構成になっている場合は、確認動作を指示した者が表示部14bに表示される確認用画像の読取映像を見ることにより、画像欠陥の有無やその画像欠陥の顕現化の違いを確認することができる。
したがって、この画像形成装置を使用すれば、確認動作を指示した者は、確認用画像に関する結果を読み取った画像の情報として入手することができ、しかも、その画像の情報に基づいてトナーの飛び散りに起因した画像欠陥の原因が二次転写部38以後の過程であるかどうかを効率よく確認することができる。
したがって、この画像形成装置を使用すれば、確認用画像におけるトナーの飛び散りの有無に関する情報を検出手段75の検出結果として自動で得ることでき、しかも、画像欠陥が二次転写部38以後の過程でのトナー飛び散りによって発生しているものであるかを装置によって的確に判断することができる。
実施の形態1~3では、中間転写方式を採用したカラー画像形成装置として作像部2が中間転写部3よりも下方の位置に、定着部5が例示した中間転写部3よりも上方の位置にそれぞれ配置された関係からなる構成例を示したが、その配置関係についてはその構成例に限定されない。
2 …作像部
9 …記録用紙(記録媒体の一例)
38…二次転写部(転写部の一例)
61…制御手段
17…給電手段
71…読取手段
72…出力手段
75…検出手段
P1~P3…万線パターン
α …万線の角度
D …搬送方向
E …幅方向
Ga~Gj…確認用画像
Claims (5)
- トナー像を形成する作像部と、
前記作像部で形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写部と、
前記作像部で角度が異なる2種以上の万線パターンからなるトナー像を確認用画像として形成してから前記転写部で記録媒体に転写させる動作を実行する制御手段と、
を備え、
前記確認用画像として、万線の記録媒体の搬送方向となす角度がほぼ0°の角度になる第1万線パターンと、万線の記録媒体の搬送方向となす角度がほぼ90°の角度になる第2万線パターンと、万線の記録媒体の搬送方向となす角度が0°よりも大きくかつ90°よりも小さい角度になる第3万線パターンを搬送方向に交互に配置したものを用い、
前記制御手段は、前記動作の際、前記3種の万線パターンからなるトナー像を1枚の記録媒体に偏在させることなく分散させた状態で形成するよう構成されている画像形成装置。 - トナー像を形成する作像部と、
前記作像部で形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写部と、
前記作像部で角度が異なる2種以上の万線パターンからなるトナー像を確認用画像として形成してから前記転写部で記録媒体に転写させる動作を実行する制御手段と、
を備え、
前記確認用画像として、記録媒体の片面のうち搬送方向を斜めに複数に分割されてその斜め方向に沿って長い平面形状からなる分割領域に、万線の記録媒体の搬送方向となす角度がほぼ0°の角度になる第1万線パターンと、万線の記録媒体の搬送方向となす角度がほぼ90°の角度になる第2万線パターンとを、搬送方向の前後又は幅方向の左右に交互に配置したものを用い、
前記制御手段は、前記動作の際、前記2種の万線パターンからなるトナー像を1枚の記録媒体に偏在させることなく分散させた状態で形成するよう構成されている画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記動作の際、前記転写部に供給する転写電圧を複数種類に変化させて前記トナー像の転写を行った複数枚の記録媒体を出力するよう構成されている請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記動作により記録媒体に形成された前記トナー像からなる確認用画像を読み取る読取手段と、
前記読取手段で読み取った確認用画像の情報を出力する出力手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記動作の際、前記読取手段および出力手段を作動させる請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記出力手段から出力される確認用画像の情報のなかに万線パターンの万線以外の部分にトナーが存在するか否かを検出する検出手段を備え、
前記制御手段は、前記動作の際、前記検出手段を作動させる請求項4に記載の画像形成装置。
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