JP7026725B2 - スペクトラムアナライザ及びその制御方法 - Google Patents
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Description
例えば、5世代(5G)無線通信規格(release 15)を提案した3GPPでは、通信信号のスペクトルマスク、占有帯域幅、チャネルパワー、及びEVM(Error Vector Magnitude)などのような信号の特性を確認するようにしている。
このようなスペクトラムアナライザは、信号のスペクトルを得ることに使われる方法により、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)方式と、掃引同調(sweep tuning)方式(以下、単に‘掃引方式’という)とに区分される。
その上に、従来、アナログ掃引方式のスペクトラムアナライザから派生したビデオ帯域(Video Band-Width:以下、‘VBW’という)フィルタ、及びディテクタ(Detector)などの機能を、FFT方式のスペクトラムアナライザでサポートするためには、時間領域の累積スペクトル結果に対する格納を必要として、多くのメモリが求められる。
すなわち、FFT方式のスペクトラムアナライザが、高速フーリエ変換で、RF信号の全周波数帯域の電力レベルを同時に取得することに対して、掃引方式のスペクトラムアナライザは、各周波数の電力レベルを一回に1つずつ取得(掃引)する。
そこで、掃引方式のスペクトラムアナライザは、スペクトル分析速度において、FFT方式より劣るという問題点があるが、FFT方式よりは安価で装置を構成することができるというメリットがある。
特に、5G通信信号は、通常、1msの信号長さを有するが、これは、殆どのRBWにおいて信号分析が不可であることを意味する。
スパン、RBW(Resolution Band-Width)、及びVBW(Video Band-Width)を含み、ユーザから所望する測定項目及びこの測定に必要な各種の設定値が入力される入力UI(ユーザインターフェイス)と、ユーザが測定結果を知ることができるように、表示する出力UIと、をさらに有し、前記RF処理部、ADC、制御部、及びデジタル掃引部は、同一の本体に共に構成され、前記入力UI及び出力UIは、本体とは別の端末に搭載されたまま、無線通信で本体とUIデータを送受信することが好ましい。
前記ゲート部における信号の同期は、内部フレーム同期信号、GPS信号、1PPS(Pulse Per Second)信号、又は「5G NR(New Radio) SSB(Sync Signal Block)」信号であることが好ましい。
前記第1のCICフィルタのデシメーション率(Nd1)と前記第2のCICフィルタのデシメーション率(Nd2)を乗じて、全体のデシメーション率(Nd=Nd1*Nd2)を構成することが好ましい。
前記デジタル掃引部でのデジタル的な周波数掃引の間、更なるデータを受信することなく、第1及び第2の入力バッファに格納されたデータを再利用することが好ましい。
前記制御部は、ADC出力データに対して、複数のRBWをサポートするための第1及び第2のCICフィルタのデシメーション率(Nd1、Nd2)、及びその積である全体のデシメーション率(Nd=Nd1*Nd2)を、ルックアップテーブルに格納することが好ましい。
前記第1の周波数ステップは、bin(=span/TP)*TP2で決まり、前記第2の周波数ステップは、binで決まることが好ましい。
前記キャプチャーするステップは、第1の入力バッファに、所定数(Ns)のサンプルが満たされるまでキャプチャーを行い、キャプチャーの途中に時間区間が終了すると、キャプチャーを中止した状態で、次の時間区間に続いて、キャプチャーを行うステップを含むことが好ましい。
前記第2のCICフィルタリングの出力を対象に、RBWフィルタ、包絡線検波器、第3のCICフィルタ、VBWフィルタ、及びディテクタを順次経て、第2のCICフィルタリングの出力サンプルを、全てのTP2に対する処理が終了するまで繰り返すことが好ましい。
図1に示すように、本発明のスペクトラムアナライザは、アナログスペクトル分析と、デジタルFFTスペクトル分析とのメリットのみを採用しており、2段カスケード(Cascaded)構造のCIC(Cascaded Integrator Comb)フィルタを基に、デジタル的に動作する。
ユーザが測定結果を知ることができるように表示する(ディスプレイする)出力UI400と、
ユーザが設定したスパンによって、1つ以上の単位周波数帯域(Band-Width Part:以下、単に‘BWP’という)、例えば、40MHz分ずつ、入力RF信号を掃引して出力するRF処理部(図示せず)と、
RF処理部を介して、RF掃引して出力されるアナログ形態の各BWP信号を、所定のサンプルレート、例えば122.88Mspsの速度でデジタルデータサンプルに変換するADC100と、
ADC100を介したデータサンプルを、2段カスケード構造を有するデシメーション(decimation)処理ブロックにより、デジタル的にデシメーションしながら掃引し処理することで、周波数掃引速度を増加させるデジタル掃引部(DS)と、
ユーザが、入力UI200により、入力、設定、及び選択した各種の項目により、RF処理部とデジタル掃引部(DS)を制御して、スペクトル分析を行った後、その結果を、出力UI400により表示(出力)する制御部300とを含む。
この場合、制御部300は、FPGAに附属されるか、FPGAとは別のCPUで具現されるが、このような制御部300には、図2における制御方法(アルゴリズム)が、ファームウエア形態で搭載されている。
2段カスケード構造で接続され、それぞれが周波数を掃引する間、使用するデータを格納する第1及び第2の入力バッファ(122、132)、
NCO(Numerically Controlled Oscillator)からなり、周波数掃引に必要な変換周波数を生成するLO(Local Oscillator)として機能する第1及び第2のDDS(Direct Digital Synthesizer)(124、134)、
ユーザが設定したRBWに合う効率的なデータ処理のために、必要なデシメーションを行うことで、処理すべきデータの量を減少させる第1及び第2のCICフィルタ(126、136)を含む第1及び第2のデシメーション処理ブロック(120、130)と、
ユーザが設定したRBWフィルタリング及びVBWフィルタリング機能をそれぞれ行うRBWフィルタ140及びVBWフィルタ170と、
RBWフィルタ140の出力である複素I/Q(In-phase/Quadrature-phase)値をそれぞれ二乗した後、平方根(square root)を取って、出力信号の波形を抽出する包絡線検波器(Envelope Detector)150と、
ユーザが設定したRBW対VBWの割合(RBW/VBW)に合うデシメーション又は補間を行う第3のCICフィルタ160と、
VBWフィルタ170の出力に対して、最大値(max)、最小値(min)、和(sum)、及びサンプル(sample)の4つのVBW出力値を抽出するディテクタ180と、を含む。
第1の入力バッファ122の最大格納のサンプル数は、例えば2秒分のADC100の出力サンプル(122.88Ms*2)となり、第2の入力バッファ132の最大格納のサンプル数は、例えば2秒分の第1のCICフィルタ出力サンプル(3.84Ms*2)となる。
TPX(Trace Point)、すなわち、TP1及びTP2(TP≦TP1*TP2)はそれぞれ、第1及び第2のデシメーション処理ブロック(120、130)の周波数掃引回数を表わし、NSは、処理サンプル数である。
結果として、第1のデシメーション処理ブロック120のデシメーション率(Nd1)分ほど、周波数掃引時間を減少することができる。
例えば、表2の下段項目の場合、RBW/VBW=1Hzであるので、従来、アナログ掃引方式のスペクトラムアナライザによる周波数掃引時間が4000[sec]であることに対して、本発明によると、周波数掃引時間を、4000[sec]/4096分ほど、すなわち、1[sec]以内に短縮することができる。
しかし、5G信号のようなTDD方式の通信信号分析をサポートするためには、前述したように、DL/ULなどの所定の時間区間でのみ、信号のスペクトルを演算するゲーテッド(Gated)スペクトル分析方式を適用すべきである。
1つのBWPに対するADCサンプルは、FPGAで具現されるデジタル掃引部(DS)において、デジタル方式で一括処理される。
ここで、TPは、TP1*TP2と同一又は大きいが、同一の場合は、TP1/TP2がいずれも、TPの約数である場合である。
ここで、個別のBWPは、互いに異なるRBW及びVBWを有し、これにより、Nd1とNd2が決められる。
具体的には、制御部300は、ゲート部110によって同期が決まる時間区間に、所定のサンプリングレート、例えば122.88Mspsで動作するADC100のNS個の出力サンプルを、例えばDDRメモリで具現される第1の入力バッファ122にキャプチャー(ステップS40)する。
キャプチャーの途中に時間区間が終了すると、キャプチャーを中止(holding)した状態で、次の時間区間に続いてキャプチャーを行う。
このようにして、第1の入力バッファ122に、所定数(Ns)のサンプルが満たされると、キャプチャーを完了し、最大格納のサンプル数は、例えば2秒分(122.88Ms*2)となる。
以後、第1のCICフィルタ126は、ステップS30で算出された第1のデシメーション率(Nd1)を用いて、入力サンプルをデシメーションし、これにより、第1のCICフィルタ126の出力サンプル数は、NS/Nd1に減少される。
第2の入力バッファ132の最大格納のサンプル数は、例えば2秒分の第1のCICフィルタ126の出力サンプル(3.84Ms*2)となる。
以後、RBWサンプリングレートとRBWにより、RBWフィルタの周波数領域値であるH[n]とフィルタの長さを決め、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)により、時間領域値であるh[n]を求める。
例えば、前述した実施形態では、デシメーションブロックを2段カスケード構造としているが、3段以上に構成することもできる。
110 ゲート(Gate)部
120 第1のデシメーション処理ブロック
122 第1の入力バッファ
124 第1のDDS
126 第1のCICフィルタ
130 第2のデシメーション処理ブロック
132 第2の入力バッファ
134 第2のDDS
136 第2のCICフィルタ
140 RBWフィルタ
150 包絡線検波器
160 第3のCICフィルタ
170 VBWフィルタ
180 ディテクタ
200 入力UI
300 制御部
400 出力UI
DS デジタル掃引部
Claims (14)
- ユーザが設定したスパン(span)により、アナログ形態の1つ以上の単位周波数帯域信号であるBWP(Band-Width Part)信号を所定のサンプルレートのデジタルデータサンプルに変換するADCと、
前記ADCを介したデジタルデータサンプルを、2段カスケード構造を有するデシメーション処理ブロックにより、デジタル的にデシメーション(decimation)し、掃引して処理することで、周波数の掃引速度を増加させるデジタル掃引部と、
ユーザが、入力、設定、及び選択した各種の項目によって、デジタル掃引部を制御してスペクトル分析を行った後、その結果を出力する制御部と、を有し、
前記デジタル掃引部は、所望する信号区間に同期して、スペクトルを分析するように機能するゲート部と、
2段カスケード構造で接続され、それぞれが周波数を掃引する間、使用するデータを格納する第1及び第2の入力バッファと、
NCO(Numerically Controlled Oscillator)からなり、デジタル的な周波数掃引に必要な変換周波数を生成するLO(Local Oscillator)として機能する第1及び第2のDDS(Direct Digital Synthesizer)と、
ユーザが設定したRBWに合うデータ処理のために、必要なデシメーションを行うことで、処理すべきデータの量を減少させる第1及び第2のCIC(Cascaded Integrator Comb)フィルタと、を備える第1及び第2のデシメーション処理ブロックを含むことを特徴とするスペクトラムアナライザ。 - ユーザが設定したスパンにより、1つ以上のBWP信号分ずつ、入力RF信号をRF掃引して出力するRF処理部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のスペクトラムアナライザ。
- スパン、RBW(Resolution Band-Width)、及びVBW(Video Band-Width)を含み、ユーザから所望する測定項目及びこの測定に必要な各種の設定値が入力される入力UI(ユーザインターフェイス)と、
ユーザが測定結果を知ることができるように、表示する出力UIと、をさらに有し、
前記RF処理部、ADC、制御部、及びデジタル掃引部は、同一の本体に共に構成され、
前記入力UI及び出力UIは、本体とは別の端末に搭載されたまま、無線通信で本体とUIデータを送受信することを特徴とする請求項2に記載のスペクトラムアナライザ。 - RBWフィルタリングを行うRBWフィルタと、
VBWフィルタリングを行うVBWフィルタと、
RBWフィルタの出力信号の波形を抽出する包絡線検波器と、
RBW対VBWの割合(RBW/VBW)に合うデシメーション、又は補間を行う第3のCICフィルタと、
VBWフィルタの出力に対して、最大値(max)、最小値(min)、和(sum)、及びサンプル(sample)の4つのVBW出力値を抽出するディテクタと、をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のスペクトラムアナライザ。 - 前記ゲート部における信号の同期は、内部フレーム同期信号、GPS信号、1PPS(Pulse Per Second)信号、又は「5G NR(New Radio) SSB(Sync Signal Block)」信号であることを特徴とする請求項1に記載のスペクトラムアナライザ。
- 前記第1のCICフィルタのデシメーション率(Nd1)と前記第2のCICフィルタのデシメーション率(Nd2)を乗じて、全体のデシメーション率(Nd=Nd1*Nd2)を構成することを特徴とする請求項5に記載のスペクトラムアナライザ。
- 前記デジタル掃引部でのデジタル的な周波数掃引の間、更なるデータを受信することなく、第1及び第2の入力バッファに格納されたデータを再利用することを特徴とする請求項5に記載のスペクトラムアナライザ。
- 前記制御部は、ADC出力データに対して、複数のRBWをサポートするための第1及び第2のCICフィルタのデシメーション率(Nd1、Nd2)、及びその積である全体のデシメーション率(Nd=Nd1*Nd2)を、ルックアップテーブルに格納することを特徴とする請求項5に記載のスペクトラムアナライザ。
- 測定しようとする周波数帯域幅であるスパンと、中心周波数(fc)、RBW、及びVBWが設定されると、
1次及び2次のデジタル的な周波数の掃引回数(TP1、TP2)の積(TP1*TP2)に関して決まるTP(Trace Point)を事前設定値として固定するステップと、
NBWP=ceil(span/40MHz)から、RF処理部における毎RF周波数掃引時の単位周波数帯域幅であるBWPの数(NBWP)を算出するステップと、
各BWPに対して、第1及び第2のデシメーション率であるNd1とNd2を計算し、RBWフィルタ及びVBWフィルタを構成するステップと、
同期が定められた時間区間に、ADCのNS個の出力サンプルを、第1の入力バッファにキャプチャーするステップと、
第1の周波数ステップの分ほど、前記第1の入力バッファに格納されたサンプルを、1次デジタル的に掃引した後、第1のデシメーション率(Nd1)を用いる第1のCICフィルタリングによりデシメーションするステップと、
前記第1のCICフィルタリングによりデシメーションされたサンプルを、第2の入力バッファにキャプチャーした後に、第2の周波数ステップの分ほど、前記第2の入力バッファに格納されたサンプルを2次デジタル的に掃引し、その後、第2のデシメーション率(Nd2)を用いる第2のCICフィルタリングによりデシメーションするステップと、
全てのBWPに対する処理が終了するまで、1次及び2次のデジタル的な周波数の掃引及びデシメーション処理を繰り返し行うステップと、を有することを特徴とするスペクトラムアナライザの制御方法。 - 前記TPは、TP≦TP1*TP2であることを特徴とする請求項9に記載のスペクトラムアナライザの制御方法。
- 前記第1の周波数ステップは、bin(=span/TP)*TP2で決まり、
前記第2の周波数ステップは、binで決まることを特徴とする請求項10に記載のスペクトラムアナライザの制御方法。 - 前記キャプチャーするステップは、第1の入力バッファに、所定数(Ns)のサンプルが満たされるまでキャプチャーを行い、
キャプチャーの途中に時間区間が終了すると、キャプチャーを中止した状態で、次の時間区間に続いて、キャプチャーを行うステップを含むことを特徴とする請求項11に記載のスペクトラムアナライザの制御方法。 - 前記第2のCICフィルタリングの出力を対象に、RBWフィルタ、包絡線検波器、第3のCICフィルタ、VBWフィルタ、及びディテクタを順次経て、第2のCICフィルタリングの出力サンプルを、全てのTP2に対する処理が終了するまで繰り返すことを特徴とする請求項11に記載のスペクトラムアナライザの制御方法。
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