JP7026562B2 - トンネル施工方法 - Google Patents
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Description
図1は長尺管の側面図である。図1に示すように、本実施形態に係る長尺管1は、複数の円筒状の鋼管を軸方向に連結したものであり、本実施形態では、先頭管11、第1中間管12、バルクヘッド管13、第2中間管14、及び端末管15をこの順に連結したものである。
次に、トンネルの施工について説明する。まず、トンネルボーリングマシン4について、図5及び図6を参照しつつ説明する。図5に示すように、トンネルボーリングマシン4は、公知のものであり、全体として円筒状に形成されている。そして、先端部には多数のカッタビット411が取り付けられた円板状のカッタヘッド41が設けられている。また、このカッタヘッド41の後方に、円筒状のサポートプレート42が設けられている。そして、このサポートプレート42の後方から、上述した長尺管1を地山に打設するようになっている。具体的には、長尺管1は、トンネルの軸線方向Xと所定の仰角θをなすように打設される。また、図6に示すように、トンネルボーリングマシン4の外周の上部において、周方向に約90度~120度の領域に複数の長尺管1が打設される。
次に、長尺管1の打設について、図7~図12を参照しつつ説明する。まず、図2に示すように、削孔ビット23とビットアダプタ22とを連結するとともに、削孔ビット23を先頭管11に配置する。また、図7に示すような公知の削孔機3を準備する。削孔機3には、シャンクロッド(図示省略)を介して削孔ロッド24が取り付けられ、削孔ロッド24の先端をビットアダプタ22を介して削孔ビット23に連結する。シャンクロッドの後端にはスプライン軸が取り付けられており、このスプライン軸は、削孔機3の駆動軸に連結される。すなわち、削孔ビット23は先頭管11内に挿通された削孔ロッド24とビットアダプタ22を介して削孔機3の駆動軸とスプライン結合され、回転力、打撃力、推力が伝達される。
次に、長尺管の内部に2個のパッカと4本の注入管を取り付ける。この点について、図8~図10を参照しつつ説明する。ここでは、先端側に配置されるパッカを第1パッカ5、後端側に配置されるパッカを第2パッカ6と称し、長尺管1の先端側に注入材を注入するための注入管を第1注入管7、第1パッカ5と第2パッカ6との間の領域に注入材を注入するための注入管を第2注入管8、第1パッカ5に注入材を注入するための注入管を第1パッカ注入管59、第2パッカ6に注入材を注入するための注入管を第2パッカ注入管69と称することとする。
次に、図11に示すように、第2注入管8から第1注入材100を注入し、その先端開口から排出させる。これにより、閉鎖空間に第1注入材100が注入される。第1注入材100は、閉鎖空間から貫通孔132を介して地山に流れ出す。そして、第1注入材100は発泡しながら、バルクヘッド管13の周囲の地山で硬化する。
続いて、トンネルボーリングマシン4を駆動し、長尺管1の長さの2/3程度地山を掘削する。その後、上記のような長尺管1の打設、注入材100,200の注入、及びトンネルボーリングマシン4による掘削を繰り返し、トンネルの施工を進行していく。なお、図5に示すように、先に打設された長尺管1と、後に打設された長尺管1とが、側面視において、オーバーラップするように長尺管1の打設を行う。特に、バルクヘッド管13は、カッタヘッド41の直上付近、即ち、トンネルボーリングマシン4により掘削されて緩んで岩盤の割目が開口した範囲と緩んでいない範囲の境界に設置されることが好ましい。
以上のように、本実施形態によれば、バルクヘッド管13の先端部及び後端部にパッカ5,6をそれぞれ配置して閉鎖空間を形成し、この閉鎖空間から多数の貫通孔132を介して地山に第1注入材100を排出している。そのため、バルクヘッド管13の周囲には、第1注入材100が地山の割れ目ならびに空隙を塞ぐように供給されるため、これが壁になる。これにより、先頭管11及び第1中間管12から流れ出した第2注入材200が、第1注入材100による壁によって、長尺管1の後端側に流れるのを防止することができる。その結果、長尺管1の第2中間管14よりも先端側の地山を第1注入材100及び第2注入材200により確実に改良することができる。したがって、図5に示すように、先に打設した長尺管1と、後に打設した長尺管1との間に注入材が十分に注入されていない領域が生じるのを防止することができる。すなわち、先に打設した長尺管1から排出される注入材と、後に打設した長尺管1から排出される注入材とが、側面視においてオーバーラップさせることができるため、地山の改良を効果的に行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。なお、以下の変形例は、適宜組み合わせることができる。
上記実施形態では、第2中間管14及び端末管15に貫通孔を設けていないが、これらの鋼管14,15に貫通孔を設け、注入材を注入して地山に排出することもできる。
長尺管1を構成する鋼管の数は特には限定されない。また、バルクヘッド管13を配置する位置も特には限定されず、最後端の鋼管よりも前方で、最先端の鋼管よりも後方であれば、いずれの位置であってもよい。また、バルクヘッド管13を複数連結し、連結した複数のバルクヘッド管13の前端及び後端に上述したパッカ5.6を取り付けて閉鎖空間を形成することもできる。
パッカの構成は特には限定されず、上述した閉鎖空間を形成するために、長尺管1の内部を軸方向に仕切れるような構成であればよい。また、注入管の数も特には限定されない。上記実施形態では、パッカ5,6を拡張させるために注入材を注入する注入管と、鋼管の内部に注入材を注入する注入管を同じにしているが、分けてもよい。すなわち、鋼管の内部に注入材を注入するための専用の注入管を設けることもできる。
注入材の種類は特には限定されない。すなわち、第1注入材100のみを用いることもできる。すなわち、パッカ5,6を拡張でき、地山を改良できるような注入材であれば、その種類や数は特には限定されない。
バルクヘッド管13の構成も特には限定されず、バルクヘッド管13よりも先端側の鋼管11,12の貫通孔112,122の開口率よりも大きい開口率となるように貫通孔132が形成されていればよい。したがって、上述したエキスパンドメタルやパンチングメタル以外でも、多数の貫通孔が形成されている鋼管であればよい。
トンネルボーリングマシン4の構成も特には限定されず、カッタヘッド41よりも後方で長尺管1を打設できるように構成されていればよい。
112 貫通孔
122 貫通孔
13 バルクヘッド管
132 貫通孔
4 トンネルボーリングマシン
5 第1パッカ
6 第2パッカ
Claims (6)
- トンネルボーリングマシンを用いて地山にトンネルを形成するトンネル施工方法であって、
前記トンネルボーリングマシンのカッタヘッドの後方から前記地山の前方に向けて、前記カッタヘッドの周方向の少なくとも一部において、放射状に複数の長尺管を打設する第1ステップと、
前記長尺管の軸方向の中間部の内部空間における、前記長尺管の軸方向の前方側及び後方側にそれぞれパッカを配置し、前記両パッカの間に前記長尺管の内部空間を軸方向に仕切る閉鎖空間を形成する第2ステップと、
前記閉鎖空間に第1注入材を注入し、前記長尺管において、前記閉鎖空間に対応する部分から前記地山に前記第1注入材を排出する第3ステップと、
前記長尺管の内部空間において、前記閉鎖空間よりも前方の前方空間に第2注入材を注入し、前記長尺管において前記前方空間と対応する部分から前記地山に前記第2注入材を排出する第4ステップと、
前記トンネルボーリングマシンにより地山を掘削する第5ステップと、
を備え、
前記第1から第5ステップを繰り返し、
前記長尺管には前記内部空間と連通し、前記各注入材を排出する複数の貫通孔が形成され、
前記長尺管において前記閉鎖空間に対応する部分の前記貫通孔による開口率は、前記前方空間に対応する部分の前記貫通孔による開口率よりも大きい、トンネル施工方法。 - 前記長尺管は、複数の鋼管を軸方向に連結することで形成され、
前記複数の鋼管の少なくとも一つが前記閉鎖空間を形成し、当該閉鎖空間を形成する鋼管の少なくとも一部は、エキスパンドメタル又はパンチングメタルにより形成されている、請求項1に記載のトンネル施工方法。 - 前記閉鎖空間の少なくとも一部は、前記カッタヘッドよりも前方に配置されている、請求項1または2に記載のトンネル施工方法。
- 先に打設された前記長尺管から排出された注入材と、後に打設された前記長尺管において前記閉鎖空間が形成されている部分から排出された注入材とが、側面視においてオーバーラップしている、請求項1から3のいずれかに記載のトンネル施工方法。
- 前記長尺管において、前記閉鎖空間よりも後方には、前記貫通孔が形成されていない、請求項1から4のいずれかに記載のトンネル施工方法。
- 請求項1から5のいずれかに記載のトンネル施工方法に用いられる長尺管であって、
軸方向に連結される複数の鋼管を備え、
前記複数の鋼管の少なくとも一つが前記閉鎖空間を形成し、
前記閉鎖空間に対応する部分の前記貫通孔による開口率は、前記前方空間に対応する部分の前記貫通孔による開口率よりも大きい、長尺管。
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