JP7026007B2 - バーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents
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Description
この構成では、車体の安定性を考慮しつつ、ブレーキ操作子の操作フィーリングを向上させることができる。
なお、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
第一実施形態のバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置U(以下、単に「ブレーキ液圧制御装置」という)は、図1に示すように、自動二輪車、自動三輪車、オールテレーンビークル(ATV)などバーハンドルタイプの車両に用いられるものである。
ブレーキ液圧制御装置Uは、金属製の基体100と、前輪側のブレーキ系統K1と、後輪側のブレーキ系統K2と、制御装置7と、モータ20と、を有している。
以下の説明では、液圧路10において、入口ポートJ1から調圧弁1に至る液圧路を「出力液圧路A」と称し、調圧弁1から車輪ブレーキFに至る液圧路を「車輪液圧路B」と称する。また、液圧路10において、出力液圧路Aから分岐してポンプ6に至る液圧路を「吸入路C」と称し、ポンプ6から車輪液圧路Bに至る液圧路を「吐出路D」と称する。さらに、液圧路10において、車輪液圧路Bから吸入路Cに至る液圧路を「開放路E」と称する。また、「上流側」とは、マスタシリンダMC1側のことを意味し、「下流側」とは、車輪ブレーキF側のことを意味する。
調圧弁1は、制御装置7からの指令に基づいて、電磁コイルを励磁すると閉弁し、電磁コイルを消磁すると開弁する。
調圧弁1では、制御装置7からの指令に基づいて、電磁コイルに流す電流値を調整することで、開弁圧を調整することができる。
調圧弁1を通じて車輪液圧路Bから出力液圧路Aにブレーキ液が流れることで、車輪液圧路Bのブレーキ液圧が所定圧に調整される。つまり、調圧弁1の開弁圧を調整することで、車輪ブレーキFに作用するブレーキ液圧を調整することができる。
入口弁2は、その弁体を駆動させるための電磁コイルが制御装置7と電気的に接続されており、制御装置7からの指令に基づいて、電磁コイルが励磁されると閉弁し、電磁コイルが消磁されると開弁する。
チェック弁2aは、その下流側から上流側へのブレーキ液の流入のみを許容する一方向弁であり、入口弁2と並列に接続されている。
出口弁3は、その弁体を駆動させるための電磁コイルが制御装置7と電気的に接続されており、制御装置7からの指令に基づいて、電磁コイルを励磁すると開弁し、電磁コイルを消磁すると閉弁する。
吸入弁4は、その弁体を駆動させるための電磁コイルが制御装置7と電気的に接続されており、制御装置7からの指令に基づいて、電磁コイルを励磁すると開弁し、電磁コイルを消磁すると閉弁する。
また、調圧弁1が閉弁状態にあり、吸入弁4が開弁状態にあるときには、ポンプ6は、マスタシリンダMC1、出力液圧路Aおよび吸入路Cに貯留されているブレーキ液を吸入して吐出路Dに吐出する。これにより、連動ブレーキ制御時においてブレーキレバーL1を操作していない状態でも、車輪ブレーキFにブレーキ液圧を作用させることができる。
各液圧センサ8a,8bで計測されたブレーキ液圧の値は、制御装置7に随時取り込まれ、各液圧センサ8a,8bで計測されたブレーキ液圧の大きさに基づいて、連動ブレーキ制御等が行われる。
調圧弁1の開弁圧を目標圧力に設定することで、他方の車輪ブレーキに所定の制動力を発生させることができる。
目標圧力設定手段71では、マスタシリンダMC1,MC2の液圧センサ8a,8aや車輪速センサ9,9などからの各種情報に基づいて、目標圧力を算出している。
補正圧力設定手段72では、マスタシリンダMC1,MC2の液圧センサ8a,8a、車輪ブレーキFの液圧センサ8b、各車輪速センサ9,9などからの各種情報に基づいて、補正圧力を算出している。
車輪がロックする可能性のないアンチロックブレーキ非制御時には、前記した複数の電磁弁を駆動させる複数の電磁コイルは、いずれも制御装置7によって消磁させられる。つまり、通常のブレーキ制御においては、調圧弁1および入口弁2が開弁状態になっており、出口弁3および吸入弁4が閉弁状態になっている。
なお、後輪側のブレーキ系統K2においても、同様にしてアンチロックブレーキ非制御によって後輪が制動されることとなる。
アンチロックブレーキ制御は、車輪がロック状態に陥りそうになったときに実行されるものであり、制御弁手段Vを制御して、車輪ブレーキF,Rに作用するブレーキ液圧を減圧、増圧あるいは一定に保持する状態を適宜選択することによって実現される。減圧、増圧および保持のいずれを選択するかは、各液圧センサ8a,8bおよび各車輪速センサ9,9から得られた車輪速度に基づいて、制御装置7によって判断される。
このようにすると、車輪ブレーキF,Rに通じる車輪液圧路Bのブレーキ液が開放路Eを通ってリザーバ5に流入し、その結果、車輪ブレーキF,Rに作用していたブレーキ液圧が減圧される。
このようにすると、車輪ブレーキF,R、入口弁2および出口弁3で閉じられた液圧路内にブレーキ液が閉じ込められることになり、その結果、車輪ブレーキF,Rに作用しているブレーキ液圧が一定に保持される。
連動ブレーキ制御は、運転者がブレーキレバーL1およびブレーキペダルL2の一方のみを操作した場合、あるいは両方を操作したが他方の操作が不十分である場合において、その制動力の大きさに応じた制動力を他方の車輪ブレーキにも作用させる必要があると判断されたときに実行される。
具体的に、制御装置7は、図2に示すように、前輪側のブレーキ系統K1において、調圧弁1を閉弁状態にするとともに、吸入弁4を開弁状態にしたうえで、モータ20を作動させる。これにより、ポンプ6が駆動して吸入路C側にあるブレーキ液が吐出路Dに吐出され、前輪側の車輪ブレーキFにブレーキ液圧が作用して制動力が発生する。
また、制御装置7によって、調圧弁1の開弁圧が目標圧力に設定されることで、車輪ブレーキFに作用するブレーキ液圧が所定圧に調整される。
なお、以下の説明においては、図2の液圧回路図、図4のフローチャートおよび図5のグラフを適宜に参照する。
制御装置7は、ブレーキレバーL1が追加して操作されていない場合には、前記した連動ブレーキ制御を維持する(ステップS2のNO)。
一方、出力液圧路Aでは、ポンプ6によってブレーキ液が車輪液圧路Bに汲み出されるとともに、ブレーキレバーL1の操作によりマスタシリンダMC1からブレーキ液が流入する。
これにより、ブレーキレバーL1の操作により発生したブレーキ液圧が出力液圧路Aに吸収されるため、通常のブレーキレバーL1を操作したときのように、ブレーキレバーL1を容易にストロークさせることができる。
制御装置7は、ブレーキレバーL1が追加して操作されたことを検知すると(ステップS4のYES)、補正圧力を再度設定する(ステップS3)。
制御装置7は、ブレーキレバーL1の操作が解除されていない場合には(ステップS5のNO)、ブレーキレバーL1が追加して操作されているか否かの判定を繰り返す(ステップS4)。
例えば、前輪側のブレーキ系統K1に連動して後輪側の車輪ブレーキRに制動力を発生させた状態において、ブレーキペダルL2が操作された場合に、後輪側の調圧弁1の開弁圧を補正圧力に設定することで、ブレーキペダルL2の操作フィーリングを向上させるように構成してもよい。
次に、第二実施形態のブレーキ液圧制御装置について説明する。第二実施形態のブレーキ液圧制御装置は、第一実施形態のブレーキ液圧制御装置U(図1参照)と略同様な構成であり、調圧弁の開弁圧を補正圧力に設定した後の制御が異なっている。
この構成では、調圧弁の開弁圧が目標圧力に近づくように早期に低減させ、車輪液圧路のブレーキ液圧を抑えることができるため、車体の安定性を考慮しつつ、ブレーキレバーの操作フィーリングを向上させることができる。
2 入口弁
3 出口弁
4 吸入弁
5 リザーバ
6 ポンプ
7 制御装置
8a マスタシリンダ用の液圧センサ
8b 車輪ブレーキ用の液圧センサ
9 車輪速センサ
10 液圧路
20 モータ
70 連動ブレーキ制御手段
71 目標圧力設定手段
72 補正圧力設定手段
73 制御実行手段
100 基体
A 出力液圧路
B 車輪液圧路
C 吸入路
D 吐出路
E 開放路
F 前輪側の車輪ブレーキ
K1 前輪側のブレーキ系統
K2 後輪側のブレーキ系統
L1 ブレーキレバー(ブレーキ操作子)
L2 ブレーキペダル(ブレーキ操作子)
MC1 前輪側のマスタシリンダ
MC2 後輪側のマスタシリンダ
R 後輪側の車輪ブレーキ
U ブレーキ液圧制御装置
V 制御弁手段
Claims (4)
- 前輪側および後輪側の二つのブレーキ系統と、制御装置と、を有するバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置であって、
前記二つのブレーキ系統の内の一方のブレーキ系統は、
一方のブレーキ操作子の操作に応じてブレーキ液圧を発生させる一方のマスタシリンダに至る出力液圧路と、
一方の車輪ブレーキに至る車輪液圧路と、
前記出力液圧路と前記車輪液圧路との間に設けられ、前記車輪液圧路側から前記出力液圧路側にブレーキ液を流すための開弁圧を調整可能な調圧弁と、
前記出力液圧路のブレーキ液を吸入して前記車輪液圧路に吐出するポンプと、を備え、
前記二つのブレーキ系統の内の他方のブレーキ系統は、
他方のブレーキ操作子の操作に応じてブレーキ液圧を発生させる他方のマスタシリンダと、他方の車輪ブレーキとの間に設けられており、
前記制御装置は、
前記他方のブレーキ系統に連動して前記一方の車輪ブレーキに制動力を発生させた連動ブレーキ制御時に、前記調圧弁の開弁圧を目標圧力に設定し、
前記連動ブレーキ制御時に前記一方のブレーキ操作子が操作されたときには、前記調圧弁の開弁圧を前記目標圧力よりも大きい補正圧力に設定することを特徴とするバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置。 - 請求項1に記載のバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置であって、
前記一方のマスタシリンダのブレーキ液圧に応じて、前記補正圧力を設定することを特徴とするバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置。 - 請求項1に記載のバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置であって、
前記一方のマスタシリンダのブレーキ液圧および前記一方の車輪ブレーキのブレーキ液圧に応じて、前記補正圧力を設定することを特徴とするバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置であって、
前記制御装置は、
前記調圧弁の開弁圧を前記補正圧力に設定した後に、前記調圧弁の開弁圧を前記目標圧力まで徐々に低下させることを特徴とするバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置。
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