JP7025945B2 - 電動機、回転駆動システム及び油圧ショベル - Google Patents
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Description
電動機ケーシングはいわゆるウォータージャケットとされており、冷却水が流通する流路が形成されている。当該流路を流通する冷却水によって、ステータコアが外周側から冷却される。
一方で、電動機ケーシングに冷却水を流通させるウォータージャケット方式では、電動機ケーシングに流路を形成する必要があるため。そのため、製造コストが上昇する。また、当該冷却水と電動機ケーシングの内側の空間に供給される潤滑油との両方の管理を行う必要があり、メンテナンスコストが上昇する。
図1及び図2に示すように、作業機械としての油圧ショベル200は、下部走行体210、スイングサークル220及び上部旋回体230を備えている。以下では、作業機械が水平面に設置された状態における重力が作用する方向を「上下方向」と称する。また、後述するキャブ231内の運転席の前方を単に「前方」と称し、後方を単に「後方」と称する。
下部走行体210は、左右一対の履帯211,211を有しており、これら履帯211,211が走行用油圧モータ(図示省略)によって駆動されることで油圧ショベル200を走行させる。
回転駆動システム1は、回転中心となる軸線Oが上下方向に延びるように配置されている。ここでの「上下方向に延びる」とは、軸線O方向が上下方向を含む方向に延びていることを意味しており、即ち、軸線Oが上下方向に一致する方向に対して傾斜している場合も含む。
上部旋回体230の旋回の減速時には回転駆動システム1が発電機として機能することで回生エネルギーとしての電力を生成する。この電力はインバータ239を介してキャパシタ240に蓄積される。キャパシタ240に蓄積された電力は、エンジン236の加速時に発電機モータ237に供給される。キャパシタの電力によって発電機モータ237が駆動されることで、該発電機モータ237がエンジン236の出力を補助する。
回転駆動システム1は、図3に示すように、回転駆動装置10及び潤滑油循環部150を備えている。ここで回転駆動システム1の回転中心となる軸線Oは、油圧ショベル200の姿勢に応じて上下方向に対して傾斜する。そのため以下では、油圧ショベル200が水平面に位置する場合に上方となる軸線O方向の上側を単に「軸線O方向上側」と称する。また、油圧ショベル200が水平面に位置する場合に下方となる軸線O方向の下側を「軸線O方向下側」と称する。
回転駆動装置10は、図3及び図4に示すように、電動機20と該電動機20と一体に設けられた減速機60とから構成されている。減速機60は、電動機20の軸線O方向の下方に設置されている。
電動機20は、図5及び図6に示すように、電動機ケーシング21、ステータ30及びロータ38を備えている。
図5及び図6に示すように、電動機ケーシング21は、電動機20の外形をなす部材である。電動機ケーシング21は、第一ケーシング22及び第二ケーシング25を有している。
第一ケーシング22は、軸線O方向に延びる筒状をなす第一筒部23と、該第一筒部23の軸線O方向上側(軸線O方向他方側)を閉塞する第一底部24とを有する有底筒状をなしている。第一筒部23の内周面23aは、軸線Oに直交する断面形状が円形をなしている。第一筒部23の内周面23aは、当接内周面180a、テーパ内周面180b及び円筒内周面180cを有する。
円筒内周面180cは、第一筒部23の内周面23aにおける下側の部分を形成している。円筒内周面180cは、軸線Oに直交する断面視で円形をなすとともに、一様な内径で軸線O方向に延びる円筒内面状をなしている。円筒内周面180cは、テーパ内周面180cの下端に段部を介して接続されている。
本実実施形態の第一筒部23は、内部に流路等の孔部が形成されていない中実構造とされている。
第一筒部23の下端には、該第一筒部23の外周面から外周側に張り出すようにして第一フランジ23bが設けられている。
第二ケーシング25は、軸線O方向に延びる筒状をなす第二筒部26と、該第二筒部26の軸線O方向下側を閉塞する第二底部27とを有する有底筒状をなしている。第二筒部26の内周面26bは、軸線Oに直交する断面視で円形をなすとともに軸線O方向に一様な内径を有している。
第一フランジ23bと下部フランジ27fとは互いに周方向にわたって当接している。これによって、第二筒部26と第一筒部23とは互いに一体に固定されている。第二筒部26と第一筒部23とによって形成される電動機ケーシング21の内側の空間は、第一収容空間R1とされている。
ステータ30は、図5~図8に示すように、ステータコア31及びコイル32を備えている。
ステータコア31は、電磁鋼板を軸線O方向に複数積層させることで構成されており、コア本体31a及びコア凸部31bを有している。
一対の斜面185aは、コア凸部31bにおける周方向の互いに反対方向を向く面であって、コア本体31aの外周面183から径方向外側に向かうにしたがって互いに近接するように径方向に対して傾斜している。
ここで本実施形態では、ステータ30におけるステータコア31が電動機ケーシング21の第一ケーシング22及び第二ケーシング25の双方に嵌合している。
即ち、図5に示すように、ステータコア31におけるコア凸部31bの頂部185bは、第一ケーシング22における第一筒部23の当接内周面180aにはめ込まれている。即ち、コア凸部31bの頂部185bは、当接内周面180aに内側から嵌合している。
即ち、コア本体31aの外周面183の下部は、嵌合部26dにおける嵌合内周面181aに嵌合している。コア本体31aの下端における外周側の一部は、嵌合部26dにおける載置端面181bに当接している。
このようにステータコア31が電動機ケーシング21の第一ケーシング22及び第二ケーシング25に取り付けられることで、ステータコア31の外周側には潤滑油が流通可能な外周側流路Fが形成されている。
外周側流路Fは、図6及び図7に示すように、ステータコア31におけるコア本体31aの外周面183と電動機ケーシング21の内周面23aとの間に形成された流路である。外周側流路Fは、図6に示すように、ステータコア31の上端から下端にわたって形成されている。即ち、外周側流路Fの上部はコア本体31aの外周面183と第一ケーシング22の当接内周面180aとによって区画形成され、外周側流路Fの下部はコア本体31aの外周面183と第一ケーシング22の円筒内周面180bによって区画形成されている。外周側流路Fは、図7に示す周方向に間隔をあけて複数形成されている。
外周側流路Fの下端は、周方向の一部が、第一収容空間内におけるステータコア31の軸線O方向下側かつ径方向内側の領域に連通している。
ロータ38は、図5及び図6に示すように、回転軸40、ロータコア42、下部エンドプレート45、及び上部エンドプレート46を備えている。
回転軸40は、軸線Oに沿って延びる棒状の部材である。回転軸40は、電動機ケーシング21内でステータ30の内側を軸線O方向に貫通するように配置されている。回転軸40の上端は、第一ケーシング22における第一底部24の第一貫通孔24aを挿通して電動機ケーシング21の軸線O方向上側に突出している。なお、回転軸40の上端は、電動機ケーシング21内に収容されていてもよい。
第一底部24の第一貫通孔24aの内周面と回転軸40の外周面との間には、上部シール35が設けられている。これにより、電動機ケーシング21の内側の上端における液密性が確保されている。
第二底部27における第二貫通孔27aの内周面には、軸線Oを中心とした環状をなす下部軸受37が設けられている。回転軸40は下部軸受37を上下に挿通しており、該下部軸受37によって回転軸40の下部が軸線O回りに回転可能に支持されている。即ち、回転軸40は、下部軸受37を介して第二底部27に接続されている。
中心孔40aは、回転軸40の軸線O方向全域にわたっては延びておらず、回転軸40の上端から下端に向かう中途まで延びている。これによって回転軸40は、上端から下端に向かって中心孔40aが形成されている部分が中空構造とされており、残りの軸線O方向下側の部分が中実構造とされている。
ロータコア42は、軸線Oを中心とした円筒形状をなしており、内周面42aが回転軸40の外周面に外嵌されている。回転軸40に外嵌されたロータコア42の上端は、中心孔40aの下端に対応する軸線O方向位置とされている。ロータコア42の外周面は、軸線Oを中心とした円筒面状をなしており、ステータ30の内周面に対向している。ロータコア42は、複数の電磁鋼板を軸線O方向に積層させることで構成されている。
ロータコア42内には、周方向に間隔をあけて複数の永久磁石(図示省略)が埋め込まれている。
下部エンドプレート45は、軸線Oに直交する方向に延在するとともに、外形が軸線Oを中心とした円形をなす円板状の部材である。下部エンドプレート45はロータコア42の軸線O方向下側から該ロータコア42に積層されるように固定されている。
下部エンドプレート45の上面には、径方向に延びる接続流路45aが形成されている。接続流路45aは、周方向に間隔をあけて複数が形成されている。接続流路45aは、ロータコア42の内側軸方向流路42bと外側軸方向流路42cとを径方向に接続している。
上部エンドプレート46は、下部エンドプレート45と同様、軸線Oに直交する方向に延在するとともに、外形が軸線Oを中心とした円形をなす円板状の部材である。上部エンドプレート46は、ロータコア42の軸線O方向上側から該ロータコア42に積層されるように固定されている。上部エンドプレート46は、ロータコア42内の内側軸方向流路42bを軸線O方向上側から閉塞している。上部エンドプレート46には、軸線O方向に貫通する排出孔46aが周方向に間隔をあけて複数形成されている。排出孔46aはそれぞれロータコア42内の外側軸方向流路42cに連通している。
これによって、ロータ38内には、中心孔40a、第一径方向孔40b、内側軸方向流路42b、接続流路45a、外側軸方向流路42c及び排出孔46aの順序で潤滑油が流通する冷却流路が形成されている。ロータ38に導入される潤滑油は、ロータ38内の内側軸方向流路42b、外側軸方向流路42cを含むロータコア流路を介して、第一収容空間内に排出される。
ここで、図9に示すように、電動機ケーシング21の第一ケーシング22における環状凸部24bの内周面、上部シール35、上部軸受36及び回転軸40の間の領域には、これらによって囲まれる環状をなす環状空間Aが形成されている。回転軸40における第二径方向孔40cは、環状空間Aに向かって開口している。
さらに、環状凸部24bには、該環状凸部24bの内周面と外周面とを径方向に貫通するケーシング流路186が形成されている。ケーシング流路186は、軸線Oの周方向に間隔をあけて複数が形成されている。ケーシング流路186の径方向外側の端部は、ロータコア及びステータの軸線O方向上側で径方向外側に向かって開口している。
内輪36aは、環状をなす部材であって、内周面が回転軸の外周面に固定されている。外輪36bは、内輪36aの外周側に間隔あけて設けられた環状の部材であって、外周面が環状凸部24bの内周面に固定されている。転動体36cは、球状をなしており、内輪36aと外輪36bとによって挟まれるように周方向に複数が並設して設けられている。軸受シールド36dは、内輪36aの外周面の下端に固定された環状の部材である。軸受シールド36dは、軸線O方向を板厚とする板状をなしている。軸受シールド36dの外周端と外輪36bとの間には周方向にわたってクリアランスが形成されている。
図6に示すように、電動機ケーシング21には、該電動機ケーシング21内の第一収容空間R1を軸線O方向下側に連通させる連通孔50が形成されている。
連通孔50として本実施形態では、主排油孔50a、副排油孔50b、外周側排油孔50c及び軸受排油孔50dが形成されている。
副排油孔50bは、第二ケーシング25の第二底部27における第一底面27bに開口するように形成されており、該第二底部27を上下に貫通している。副排油孔50bは、周方向に間隔をあけて複数が形成されている。副排油孔50bの軸線Oに直交する断面積である流路断面積は、主排油孔50aの流路断面積よりも小さい。
次に減速機60について図4を参照して説明する。減速機60は、減速機ケーシング61、出力軸70、伝達部80、及びブレーキ機構120を備えている。
減速機ケーシング61は、軸線Oに沿って延びて軸線O方向上側及び軸線O方向下側が開口した筒状をなしている。減速機ケーシング61の上端は、電動機ケーシング21における第二ケーシング25の下部フランジ27fに周方向にわたって当接している。減速機ケーシング61は、図示しないボルト等を介して、下部フランジ27fに一体に固定されている。減速機ケーシング61の軸線O方向上側の開口は、電動機ケーシング21の第二ケーシング25によって閉塞されている。
出力軸70は、軸線Oに沿って延びる棒状をなしている。出力軸70の回転が回転駆動システム1の出力となる。出力軸70は、上部が減速機ケーシング61内に配置されており、下部が減速機ケーシング61から軸線O方向下側に突出するように配置されている。減速機ケーシング61の内周面の下部には、該出力軸70を軸線O回りに回転可能に支持する出力軸軸受71が設けられている。出力軸軸受71としては、例えば自動調心ころ軸受が採用されている。出力軸70における減速機ケーシング61から軸線O方向下側に突出する下部が、スイングピニオン223に接続されている。
伝達部80は減速機ケーシング61内の第二収容空間R2内に設けられている。伝達部80は、回転軸40の回転数を減速させて出力軸70に伝達する役割を有する。
伝達部80は、回転軸40から出力軸70に至るまでに順次回転数を減速する複数段の遊星歯車機構によって構成されている。複数の遊星歯車機構として、本実施形態では、第一段遊星歯車機構90、第二段遊星歯車機構100及び第三段遊星歯車機構110の3つを有している。これら遊星歯車機構のうちの少なくとも一つは、潤滑油内に浸漬されている。
第一段遊星歯車機構90は、初段の遊星歯車機構である。第一段遊星歯車機構90は、第一段伝達軸91、第一段遊星歯車92及び第一段キャリア93を有している。第一段伝達軸91は、回転軸40の下端に外嵌されている。第一段遊星歯車92は、第一段伝達軸91の周囲に複数が設けられている。第一段遊星歯車92は、第一段伝達軸91に形成された太陽ギア歯と、減速機ケーシング61の内周面に形成された内ギア歯にかみ合っている。第一段遊星歯車92は、第一段キャリア93に自転可能かつ軸線O回りに公転可能に支持されている。
第二段遊星歯車機構100は、第二段伝達軸101、第二段遊星歯車102及び第二段キャリア103を有している。第二段伝達軸101は、第一段伝達軸91の下方に軸線O回りに回転可能に設けられており、第一段キャリア93に連結されている。第二段遊星歯車102は、第二段伝達軸101の周囲に複数が設けられている。第二段遊星歯車102は、第二段伝達軸101に形成された太陽ギア歯と、減速機ケーシング61の内周面に形成された内ギア歯にかみ合っている。第二段遊星歯車102は、第二段キャリア103に自転可能かつ軸線O回りに公転可能に支持されている。
第三段遊星歯車機構110は、第三段伝達軸111、第三段遊星歯車112及び第三段キャリア113を有している。第三段伝達軸111は、第二段伝達軸101の下方に軸線O回りに回転可能に設けられており、第二段キャリア103に連結されている。第三段遊星歯車112は、第三段伝達軸111の周囲に複数が設けられている。第三段遊星歯車112は、第三段伝達軸111に形成された太陽ギア歯と、減速機ケーシング61の内周面に形成された第三段内ギア歯にかみ合っている。第三段遊星歯車112は、第三段キャリア113に自転可能かつ軸線O回りに公転可能に支持されている。第三段キャリア113は、出力軸70に連結されている。
伝達部80は、このような複数段の遊星歯車機構によって、回転軸40の回転を複数回減速させた後に出力軸70に伝達させる。
ブレーキ機構120は、図3及び図4に示すように、減速機ケーシング61内における第一段遊星歯車機構90の軸線O方向上側に配置されている。
ブレーキ機構120は、図4に示すように、ディスク支持部121、ブレーキディスク122、ブレーキプレート123、ブレーキピストン130及びブレーキバネ140を有している。
ブレーキプレート123は、円環状をなす部材であって、減速機ケーシング61の内周面から張り出すように軸線O方向に間隔をあけて複数が配置されている。複数のブレーキプレート123と複数のブレーキディスク122は、軸線O方向上側から軸線O方向下側に向かって、ブレーキプレート123、ブレーキディスク122の順に交互に配置されている。ブレーキプレート123とブレーキディスク122は、互いに当接可能とされている。
ブレーキピストン130における環状の下面は、プレート当接面134とされている。プレート当接面134は、ブレーキプレート123に対して軸線O方向上側から周方向全域にわたって当接する。
ブレーキピストン130における環状の上面には、軸線O方向上側から凹むとともに周方向に間隔をあけて形成された複数のピストン側収容凹部135が形成されている。ピストン側収容凹部135の周方向位置は、それぞれ電動機ケーシング21の第二ケーシング25に形成された電動機側収容凹部27eの周方向位置に対応している。
図3に示すように、潤滑油循環部150は、電動機ケーシング21内の第一収容空間R1内に潤滑油を供給して、減速機ケーシング61内の第二収容空間R2内から回収した潤滑油を、再度第一収容空間R1内に供給する。
潤滑油循環部150は、潤滑油流路151、潤滑油ポンプ152、冷却部153、及びストレーナ154を有する。
潤滑油流路151の下流側の端部となる第二端は、回転軸40の上端における中心孔40aの開口に接続されている。潤滑油流路151の第二端は、ロータ38内の冷却流路を介して、電動機ケーシング21内の第一収容空間R1に接続されている。
ストレーナ154は、潤滑油流路151における潤滑油ポンプ152よりも上流側の部分に設けられている。ストレーナ154は、潤滑油流路151を通過する潤滑油から塵や埃を除去するフィルタを有している。ストレーナ154は、例えば減速機60のギア歯から発生した鉄粉を除去する磁気フィルタを備えていることが好ましい。
ブレーキ機構120によるブレーキが解除されると、減速機60及び電動機20が回転可能な状態となる。
そして、インバータ239を介して電動機20のステータ30の各コイル32に交流電力が供給され、これらコイル32によって生成される回転磁界に各永久磁石が追従することでロータ38がステータ30に対して回転する。ロータ38の回転軸40の回転は、減速機60に内の伝達部80を介して減速されて出力軸70に伝達される。本実施形態では、三段の遊星歯車機構を介して順次減速が行われる。出力軸70の回転によって上部旋回体230の旋回動作が行われる。
環状空間Aから第一ケーシング22のケーシング流路186に導入された潤滑油は、該ケーシング流路186の径方向外側の端部から第一収容空間内R1に供給され、ステータ30のコイル32やステータコア31を冷却する。
一方、外周側流路Fを通過した潤滑油は、主として外周側排油孔50cを通過して電動機20の軸線O方向下側に排出される。
外周側流路Fは、径方向の寸法が一様をなして周方向に延びているため、周方向にわたって均一に潤滑油流通させることができる。これによって、ステータコア31の外周面を周方向で大きく偏ることなく冷却することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
実施形態では、本発明を作業機械としての油圧ショベル200の回転駆動システム1に適用した例について説明したが、他の作業機械の一部を旋回又は回転させる機構に上記回転駆動システム1に適用してもよい。
本願発明は、電動機20と減速機60とを有する回転駆動システム1のみならず、電動機単体に適用してもよい。
実施形態では、電動機20の回転軸線となる軸線Oを上下方向に延びるものとしたが、例えば軸線Oが水平方向を向く横置きの電動機に本願発明を適用してもよい。
Claims (5)
- 軸線回りに回転可能に設けられた回転軸、及び、該回転軸の外周面に固定されたロータコアを有するロータと、
該ロータコアを外周側から囲う円筒状をなすコア本体、該コア本体の外周面から突出して前記軸線方向に延びるとともに周方向に間隔をあけて複数が形成されたコア凸部、及び前記コア本体に取り付けられた複数のコイルを有するステータと、
前記ロータ及び前記ステータを収容する第一収容空間を形成するとともに、前記コア凸部の径方向外側の頂部が当接する当接内周面を含む内周面を有する電動機ケーシングと、
を備え、
周方向に隣り合う前記コア凸部同士の間に、前記コア本体の外周面と前記電動機ケーシングの内周面とによって、潤滑油が流通可能な外周側流路が区画形成されており、
前記当接内周面は、軸線に直交する断面視で該軸線を中心とした円形をなし、
各前記コア凸部の頂部が、前記当接内周面の内径に対応する外径をなして該当接内周面に周方向にわたって嵌合する円筒面状をなし、
前記電動機ケーシングは、
前記内周面として前記当接内周面と該当接内周面から前記軸線方向一方側に向かうに従って拡径するテーパ内周面とを有する第一筒部、及び、該第一筒部を前記軸線方向他方側から閉塞する第一底部を有する第一ケーシングと、
前記第一筒部に内側から嵌合する第二筒部、及び、該第二筒部を前記軸線方向一方側から閉塞する第二底部を有する第二ケーシングと、
を有し、
前記第二筒部が、
前記コア本体の外周面に対応する内径を有して、該コア本体の外周面に嵌合する嵌合内周面を有し、
前記第二筒部における前記嵌合内周面の径方向外側の部分に、該第二筒部を前記軸線方向に貫通する外周側排油孔が形成され、
前記第二底部に該第二底部を前記軸線方向に貫通する主排油孔が形成されている電動機。 - 前記回転軸は、上下方向に延びる前記軸線回りに回転可能に設けられており、
該回転軸が、該回転軸の前記軸線方向上側の端部から前記軸線方向下側に向かって延びる中心孔、該中心孔から前記回転軸の外周面に延びる第一径方向孔、及び、前記第一径方向孔よりも前記軸線方向上側で前記中心孔から前記回転軸の外周面に延びる第二径方向孔と、を有し、
前記ロータコアが、前記第一径方向孔に連通するとともに前記ロータの外部に開口するロータコア流路を有し、
前記電動機ケーシングが、
前記第二径方向孔に連通するとともに前記電動機ケーシング内における前記ステータよりも前記軸線方向上側で開口するケーシング流路を有する請求項1に記載の電動機。 - 前記回転軸における前記ロータコアよりも前記軸線方向上側で前記回転軸を前記電動機ケーシングに対して前記軸線回りに回転可能に支持する上部軸受をさらに備え、
該上部軸受は、前記第二径方向孔と前記ケーシング流路との間に設けられており、
該上部軸受は、
前記回転軸の外周面に固定される環状をなす外輪と、
該外輪を外周側から囲うとともに前記電動機ケーシングに固定された内輪と、
これら外輪と内輪との間に配置された転動体と、
前記外輪と前記内輪との間の空間における前記転動体の前記軸線方向下側に配置されて環状をなす軸受シールドと、
を有する請求項2に記載の電動機。 - 前記回転軸が上下方向に延びる前記軸線回りに回転可能に設けられた請求項1から3のいずれか一項に記載の電動機と、
前記電動機ケーシングから前記軸線方向下側に突出する前記回転軸の前記軸線方向下側で前記軸線回りに回転可能に設けられた出力軸、前記回転軸の回転を減速して前記出力軸に伝達する伝達部、及び、前記出力軸と前記伝達部とを収容する第二収容空間を形成する減速機ケーシングを有する減速機と、
前記第一収容空間内に潤滑油を供給するとともに、該第一収容空間から前記第二収容空間に導入された前記潤滑油を回収して、再度前記第一収容空間に供給する潤滑油循環部と、
を備える回転駆動システム。 - 下部走行体と、
下部走行体上に設けられた上部旋回体と、
前記下部走行体に対して前記上部旋回体を前記軸線回りに旋回させる請求項4に記載の回転駆動システムと、
を備える油圧ショベル。
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