JP7025283B2 - 硬質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、硬質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物に関する。更に詳しくは、建材、電気冷蔵庫、冷蔵/冷凍倉庫、浴槽、配管等の断熱材、戸建住宅、マンションや産業用配管等の結露防止材等として好適に使用し得る硬質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物、及び該ポリオール組成物を用いる硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
硬質ポリウレタンフォーム(イソシアヌレート環含有のポリイソシアヌレートフォームを含む。以下同じ)は、良好な断熱特性を有することから、建材、電気冷蔵庫、冷蔵/冷凍倉庫、浴槽、配管等の断熱材として使用されている。
硬質ポリウレタンフォームは、例えば、家屋やビル建材等の断熱材として使用する場合には、高圧発泡機等により、ポリオールを主成分とする成分とポリイソシアネートを主成分とする成分とを、発泡剤、触媒、整泡剤及び必要に応じて他の助剤の存在下で混合し、型内に注入して発泡及び硬化させる方法、建設現場で壁面や天井等の目的部位にスプレーし被着面材上で発泡及び硬化させる方法、発泡及び硬化させた後に切り出す方法等によって製造されている。
従来は、発泡剤としてヒドロフルオロカーボンである1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)や1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(HFC-365mfc)等のフロン系発泡剤が用いられており、フロン系発泡剤は、断熱特性が良好であるのに加え、ポリオール組成物を構成する成分との相溶性が比較的良好という性質を有している。
近年、成層圏におけるオゾン層の破壊や地球温暖化等を回避するという地球環境保護の観点から、発泡剤として、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(HFO-1234ze-E)、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(HFO-1234yf)、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン(HCFO-1233zd-E)、トランス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(HFO-1336mzz-E)並びにシス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(HFO-1336mzz-Z)等のヒドロハロオレフィンが検討されている。これらの発泡剤は、フッ素系化合物ではあるがオゾン破壊係数が実質的にゼロであり、地球温暖化係数も10以下と非常に小さいものであることから、HFC-245faやHFC-365mfc等のヒドロフルオロカーボンの代替として期待されている。
また、硬質ポリウレタンフォームは前記のように特に断熱材としての用途に重用されるが、建材分野に使用される場合、発泡剤の断熱特性に加え、樹脂自身の耐熱性及び難燃性の向上がより一層求められる。耐熱性及び難燃性を向上させる方法として、芳香族系ポリエステルポリオールを原料に用いる試みがなされているが、一部の発泡剤との相溶性が低いことに起因してポリオールを主成分とする成分が相分離しやすく、ポリイソシアネートと反応させる際に発泡ムラを生じて、均質なフォームが得られないという課題がある。
オゾン破壊係数が小さく、地球温暖化係数も小さいヒドロハロオレフィンを発泡剤として用いる例として、特許文献1には、オゾン層破壊係数(ODP)を実質的に持たない、かつ、地球温暖化係数(GWP)を持たないか又は非常に低いGWPを有する発泡剤を使用することによって低い可燃性、良好な断熱性及び高い寸法安定性を提供する発泡体の製造に用いる、シス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテンと2個以上の活性水素を有する低い相溶性の活性水素含有化合物とを含む発泡成形用組成物が開示されている。
特許文献2には、ポリオール系と発泡剤との間の可溶化を達成するため、ポリウレタンフォームの製造に適した組成物であって、少なくとも1種のポリオール成分と、少なくとも1種の発泡剤と、ウレタン又はイソシアヌレート結合の形成に対して触媒作用を示す触媒と、ケイ素含有発泡安定剤と、任意成分としてのその他の添加剤と、任意成分としてのイソシアネート成分と、を含み、少なくとも1種の不飽和ハロゲン化炭化水素を発泡剤として含むと共に、ケイ素原子を有しておらず、10未満のHLB値を有する少なくとも1種の界面活性剤TDをさらに含み、前記組成物中の前記界面活性剤TDの合計割合が、前記ポリオール成分100質量部に対して0.05~20質量部であることを特徴とする組成物が開示されている。
特許文献3には、幾つかのアミン触媒と、1234ze、1233zd、1336mzzm、及び/又はこれらの組合せ等の幾つかのヒドロハロオレフィンとの反応に起因し、ポリオールプレミックス組成物がポリイソシアネートによる処理の前に経時変化していると、フォームはより低い品質のものになり、フォームの形成中に崩壊してしまうという課題を解決する、ヒドロハロオレフィン発泡剤、ポリオール、シリコーン界面活性剤、及び単独か又はアミン触媒と組み合わせて用いられる非アミン触媒の組合せを含むポリオールプレミックス組成物が開示されている。
特表2010-534253公報 特表2017-504678公報 特表2013-514452公報
発泡剤としてのHFO-1336mzz-Zは、地球環境に優しく、優れた断熱特性を示すという利点を有するものの、HCFO-1233zd-Eに比べて芳香族系ポリエステルポリオールとの相溶性が低く、芳香族系ポリエステルポリオールに対して発泡剤としてHFO-1336mzz-Zを用いる場合には、発泡及び硬化反応の前工程として貯蔵タンク内で強い攪拌を行う必要があり、作業性を著しく低下させてしまう。さらに容易に発泡剤が分離してしまうことから、ポリイソシアネートとの反応も不均質となり、製造した硬質ポリウレタンフォームにボイドの発生や、セル乱れを生じ、均質な硬質ポリウレタンフォームを得ることが困難である。
本発明は、均一な状態を保つために攪拌を必要とすることなく、長期間相分離しないHFO-1336mzz-Zと芳香族系ポリエステルポリオールを含有する硬質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物、及び該ポリオール組成物を用いる硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
本発明は、
〔1〕 成分A:水酸基価が100mgKOH/g以上500mgKOH/g以下の芳香族ポリエステルポリオール(成分A-1)を50質量%以上含有するポリオール、
成分B:シス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(成分B-1)を50質量%以上含有する発泡剤、及び
成分C:式(I):
O-(CHCHO)n-H (I)
(式中、Rは炭素数8以上12以下のアルキル基であり、nはCHCHOの平均付加モル数であって、0以上3以下である)
で表される化合物
を含有する硬質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物であって、前記成分B-1の含有量が、前記成分A100質量部に対して28質量部以上50質量部以下である、硬質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物、並びに
〔2〕 前記〔1〕記載のポリオール組成物とポリイソシアネートとを混合する工程を含む、硬質ポリウレタンフォームの製造方法
に関する。
本発明の硬質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物は、HFO-1336mzz-Z及び芳香族系ポリエステルポリオールを併用していても、均一な状態を保つために攪拌を必要とすることなく、長期間相分離しないという優れた効果を奏するものである。
本発明の硬質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物は、オゾン破壊係数が実質的にゼロであり、地球温暖化係数も10以下と非常に小さく、優れた断熱特性を示すシス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(HFO-1336mzz-Z)を発泡剤として含有し、さらに、後述の式(I)で表される化合物を含有する。これにより、HFO-1336mzz-Zとの相溶性が低いものの難燃性の高い芳香族系ポリエステルポリオールをポリオール成分として配合しても、長期間相分離しない安定なポリオール組成物が簡便に得られ、このポリオール組成物を用いることで、高い断熱性、難燃性、耐熱性を有する硬質ポリウレタンフォームを容易に製造することができる。
本発明のポリオール組成物により本発明の効果が発現される理由の詳細は定かではないが、以下のように考えられる。
硬質ポリウレタンフォームの原料に用いられるフタル酸系ポリエステルポリオールに代表される芳香族ポリエステルポリオールは、芳香族多価カルボン酸分子1モルに対してそのカルボン酸基数と等モル量又は等モル量より若干少ないモル数の多価アルコールを反応させた、末端に水酸基を有する低分子量のポリエステルポリオールであるため、ポリエステルポリオール分子間で各分子構造中の芳香環同士が比較的強く結合し、さらに多くの水酸基を含有することで極性が高い。そのため、極性及び溶解度パラメーターが大きく異なるHFO-1336mzz-Zはそのポリエステルポリオール分子間へ侵入できず、両者の相溶性が低いものと推定される。これに対し、本発明では、芳香族ポリエステルポリオールの分子間に、芳香族ポリエステルポリオールと相溶性の高い式(I)で表される化合物が侵入することで、HFO-1336mzz-Zが入る隙間が形成され、ポリエステルポリオールとHFO-1336mzz-Zが相溶し、長期間安定になるものと推定される。
<ポリオール(成分A)>
本発明におけるポリオール(成分A)としては、硬質ポリウレタンフォームの製造に用いられる通常のポリオールであればいずれのものも用いることができるが、水酸基価が100mgKOH/g以上500mgKOH/g以下の芳香族ポリエステルポリオール(成分A-1)を50質量%以上含有するものである。
ポリオールとしては、硬質ポリウレタンフォームを製造する際に従来用いられているものが例示される。ポリオールの代表例としては、例えば、岩田敬治編「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(昭和62年9月25日、日刊工業新聞社発行)に記載されている、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリマーポリオール、フェノール樹脂系ポリオール、マンニッヒポリオール等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
ポリエステルポリオールとしては、芳香族ポリエステルポリオール、脂肪族ポリエステルポリオール等が挙げられる。これらは、多塩基酸と多価アルコールとの縮合反応により製造することができ、芳香族ポリエステルポリオールには芳香族多塩基酸が、脂肪族ポリエステルポリオールには脂肪族多塩基酸が用いられる。また、芳香族多塩基酸と脂肪族多塩基酸の混合物と多価アルコールとの縮合反応により製造するポリエステルポリオールも一例として挙げられる。
多塩基酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の直鎖状飽和脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の環状飽和脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸;テトラブロモフタル酸等のハロゲン含有芳香族ジカルボン酸;これらのエステル形成性誘導体;これらの酸無水物等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。多塩基酸には、前述のジカルボン酸及びその誘導体に加えて、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3官能性以上の多塩基酸が所望により含有されていてもよい。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、デキストロース、ソルビトール等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリオキシアルキレン系ポリオールが挙げられる。
ポリオキシアルキレン系ポリオールは、水酸基、1級アミノ基、2級アミノ基、その他の活性水素含有基から選ばれた2個以上の官能基を有する化合物等を出発原料に、アルキレンオキシドを開環付加反応させて製造することができ、例えば、多価アミンや多価アルコール、アルカノールアミン、多価フェノール等にアルキレンオキシドを付加反応させて製造することができる。なお、前記の2個以上の官能基はそれぞれ同じであっても、異なるものであってもよい。
多価アミンとしては、エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等が例示される。多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ショ糖、デキストロース、ソルビトール等が例示される。アルカノールアミンとしては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等が例示される。多価フェノールとしては、ビスフェノールA等が例示される。これらは変性物であってもよく、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリマーポリオールとしては、前記ポリオキシアルキレン系ポリオール中にポリアクリロニトリル微粒子やポリスチレン微粒子等のポリマー微粒子が分散したもの等が挙げられる。
フェノール樹脂系ポリオールは、分子中にツエレビチノフ法により決定される2個以上の活性水素含有基を有する化合物である。具体的には、フェノール類とアルデヒド類とを触媒の存在下で縮合反応させることによって得られるノボラック型フェノール樹脂系ポリオール、レゾール型フェノール樹脂系ポリオール、ベンジリックエーテル型フェノール樹脂系ポリオール等をはじめ、フェノール樹脂の一部又は全部のフェノール性水酸基にアルキレンオキシド又はアルキレンカーボネート等を開環付加させて得られる変性フェノール樹脂系ポリオール等が挙げられる。
マンニッヒポリオールとしては、フェノール類、アルデヒド類、アルカノールアミン等を縮合反応させて得られるもの、更に必要に応じてエチレンオキシドやプロピレンオキシド等のアルキレンオキシドの開環付加反応を行って得られるものが挙げられる。
また、前記したポリオールの官能基数(1分子中の水酸基数)は、所望される硬質ポリウレタンフォームの物性等によって異なるので一概には決定することができないが、通常、2~8である。
<芳香族ポリエステルポリオール(成分A-1)>
芳香族ポリエステルポリオール(成分A-1)としては、硬質ポリウレタンフォームの難燃性及び耐熱性を向上させる観点から、フタル酸、テレフタル酸、及びイソフタル酸からなる群より選ばれた1種以上を主成分とする芳香族ジカルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、及びテトラエチレングリコールからなる群より選ばれた1種以上を主成分とする多価アルコールとの縮合反応により製造されたフタル酸系ポリエステルポリオールが好ましく、フタル酸ポリエステルポリオールがより好ましい。なお、テレフタル酸ポリエステルポリオールとしては、使用済みのPET製品として回収されたポリエチレンテレフタレートを原料に、エチレングリコールやジエチレングリコール等の多価アルコールにてグリコリシス分解して製造したものも、好適に用いることができる。
成分A-1中のフタル酸系ポリエステルポリオールの含有量は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上であり、100質量%以下である。
芳香族ポリエステルポリオール(成分A-1)の水酸基価は、硬質ポリウレタンフォームの強度を向上させる観点から、100mgKOH/g以上であり、好ましくは150mgKOH/g以上、より好ましくは200mgKOH/g以上であり、硬質ポリウレタンフォームの難燃性及び耐熱性を向上させる観点から、500mgKOH/g以下であり、好ましくは450mgKOH/g以下、より好ましくは400mgKOH/g以下である。ここで、成分A-1の水酸基価とは、成分A-1を構成するポリオールが1種類の場合はそのものの水酸基価を意味する。成分A-1を構成するポリオールが2種類以上の場合は加重平均した水酸基価を意味し、加重平均水酸基価が前記範囲内となるのであれば前記水酸基価を有さないポリオールが含まれていてもよい。なお、本明細書において、水酸基価はJIS K1557に基づいて求めたときの値である。
芳香族ポリエステルポリオール(成分A-1)としては、例えば、川崎化成工業(株)製のマキシモールシリーズ等が市販されている。無水フタル酸系ポリエステルポリオールとして、マキシモールRDK-121(水酸基価:260mgKOH/g)、RDK-133(水酸基価:315mgKOH/g)、RDK-142(水酸基価:400mgKOH/g)、RDK-342(水酸基価:420mgKOH/g)、テレフタル酸系ポリエステルポリオールとして、マキシモールRFK-505(水酸基価:250mgKOH/g)、RFK-509(水酸基価:200mgKOH/g)、RFK-556(水酸基価:250mgKOH/g)、RLK-035(水酸基価:150mgKOH/g)、RLK-085(水酸基価:200mgKOH/g)、RLK-087(水酸基価:200mgKOH/g)等が挙げられる。
芳香族ポリエステルポリオール(成分A-1)の含有量は、成分A中、50質量%以上であり、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上であり、100質量%以下である。
本発明のポリオール組成物中の成分Aの含有量は、硬質ポリウレタンフォームの強度を向上させる観点から、50質量%以上が好ましく、55質量%以上がより好ましい。また、硬質ポリウレタンフォームの難燃性及び耐熱性の向上並びに密度低減の観点から、77質量%以下が好ましく、72質量%以下がより好ましい。なお、本明細書において成分Aの含有量とは、成分Aが複数のポリオールを含む場合にはそれらの合計量を意味する。
<発泡剤(成分B)>
本発明における発泡剤(成分B)は、シス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(成分B-1)を含有する。硬質ポリウレタンフォームの断熱性を向上させる観点及び地球環境保護の観点から、発泡剤(成分B)中のシス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(成分B-1)の含有量は、50質量%以上であり、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましく、90質量%以上が更に好ましく、100質量%以下である。
成分B-1以外の発泡剤としては、硬質ポリウレタンフォームの製造に用いられる通常の発泡剤であればいずれのものも用いることができるが、地球環境保護の観点からオゾン破壊係数が実質的にゼロであり、地球温暖化係数が20以下のヒドロハロオレフィン等が挙げられ、取扱い容易性とポリウレタンフォームの発泡特性の観点から、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン(HCFO-1233zd-E)又はトランス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(HFO-1336mzz-E)が好ましく、トランス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(HFO-1336mzz-E)がより好ましい。また、その他の発泡剤としては、水(即ち、水とイソシアネートとの反応で二酸化炭素が発生し発泡剤となる)を併用できるほか、窒素、空気、二酸化炭素等のガス、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、ネオペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の低沸点脂肪族炭化水素、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン等のヒドロフルオロカーボンを併用してもよい。また、地球温暖化係数が20以下のヒドロフルオロオレフィンも好ましく、例えば、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン等を併用してもよい。
本発明のポリオール組成物中の成分Bの含有量は、硬質ポリウレタンフォームの密度や発泡剤の種類及び組み合わせにもよるが、硬質ポリウレタンフォームの断熱性を向上させる観点から、成分A100質量部に対して、28質量部以上であり、30質量部以上が好ましく、32質量部以上がより好ましい。また、硬質ポリウレタンフォームの強度物性を保持し、難燃性及び耐熱性を向上させる観点から、成分A100質量部に対して、50質量部以下であり、45質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましい。なお、本明細書において成分Bの含有量とは、成分Bが複数の発泡剤を含む場合にはそれらの合計量を意味する。
また、本発明のポリオール組成物中の成分B-1の含有量は、硬質ポリウレタンフォームの断熱性を向上させる観点から、成分A100質量部に対して、28質量部以上が好ましく、30質量部以上がより好ましく、32質量部以上が更に好ましい。また、硬質ポリウレタンフォームの強度物性を保持し、難燃性及び耐熱性を向上させる観点から、成分A100質量部に対して、50質量部以下が好ましく、45質量部以下がより好ましく、40質量部以下が更に好ましい。
<式(I)の化合物(成分C)>
本発明における成分Cは、式(I):
O-(CHCHO)n-H (I)
(式中、Rは炭素数8以上12以下のアルキル基であり、nはCHCHOの平均付加モル数であって、0以上3以下である)
で表される化合物である。
式(I)において、Rのアルキル基の炭素数は、ポリオール組成物の安定性向上の観点から、9以上が好ましく、11以下好ましく、10がより好ましい。Rのアルキル基は、直鎖、分岐鎖のいずれでもよいが、ポリオール組成物の安定性向上の観点から、直鎖が好ましい。CHCHOの平均付加モル数nは、ポリオール組成物の安定性向上の観点から、2以下が好ましく、1以下がより好ましく、0が更に好ましい。
本発明のポリオール組成物中の成分Cの含有量は、ポリオールと発泡剤の種類及び組み合わせにもよるが、相溶性を向上させる観点から、成分A100質量部に対して、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましく、8質量部以上が更に好ましい。また、硬質ポリウレタンフォームの難燃性及び耐熱性を向上させる観点から、成分A100質量部に対して、17質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましく、12質量部以下が更に好ましい。なお、本明細書において成分Cの含有量とは、成分Cが複数の化合物を含む場合にはそれらの合計量を意味する。
<触媒(成分D)>
本発明のポリオール組成物は、硬質ポリウレタンフォームの生産性、難燃性、接着性、及び液流れ性向上の観点から、触媒(成分D)を含有することが好ましい。本発明における触媒(成分D)としては、硬質ポリウレタンフォームの製造に用いられる通常の触媒であればいずれのものも用いることができる。例えば、1,4-ジアザビシクロ〔2,2,2〕オクタン、2-メチル-1,4-ジアザビシクロ〔2,2,2〕オクタン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチル-1,3-プロパンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチル-1,6-ヘキサンジアミン、トリス(3-ジメチルアミノプロピル)アミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N’,N’-トリメチルアミノエチルピペラジン、N,N-ジメチルピペラジン、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N’,N”-トリス(3-ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ-s-トリアジン、1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン-7、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、N-(ジメチルアミノエチル)モルホリン、ジモルホリノジエチルエーテル、N,N-ジメチルベンジルアミン、1-メチルイミダゾール、1-イソブチル-2-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、6-ジメチルアミノ-1-ヘキサノール、5-ジメチルアミノ-3-メチル-1-ペンタノール、ビス(3-ジメチルアミノプロピル)アミン、N,N-ビス(3-ジメチルアミノプロピル)イソプロパノールアミン、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N-メチルエタノールアミン、N,N-ジメチル-N’,N’-ビス(2-ヒドロキシプロピル)-1,3-プロパンジアミン、N,N-ジメチルアミノプロピルアミン、ジメチルエタノールアミン、2-(2-ジメチルアミノエトキシ)エタノール、2-〔2-(2-ジメチルアミノエトキシ)エトキシ〕エタノール、N-(2-ジメチルアミノエチル)-N-メチルエタノールアミン、N-〔2-(2-ジメチルアミノエトキシ)エチル〕-N-メチルエタノールアミン、N,N,N’,N”-テトラメチル-N”-(2-ヒドロキシプロピル)-ジエチレントリアミン及びN-〔2-(2-ジメチルアミノエトキシ)エチル〕-N-メチル-1,3-プロパンジアミン、3-ジメチルアミノプロピル)ウレア、2-ヒドロキシメチル-1,4-ジアザビシクロ〔2,2,2〕オクタン等の第3級アミン触媒、前記第3級アミンの誘導体、及び前記第3級アミンとカルボン酸や炭酸等の酸との塩;ジブチルジ酢酸錫、ジブチルジラウリン酸錫、ジ(2-エチルヘキシル)ジラウリン酸錫、ジ(2-エチルヘキサン酸)錫等の有機スズ化合物;トリス(2-エチルヘキサン酸)ビスマス、ジ(2-エチルヘキサン酸)鉛等の有機金属触媒;酢酸カリウム、オクチル酸カリウム等のカリウム塩;第4級アンモニウム塩等のイソシアヌレート化触媒等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、硬質ポリウレタンフォームの発泡及び硬化を迅速に行い、更にフォームの流動性を確保する観点から、第3級アミン触媒を使用することが好ましい。また、硬質ポリウレタンフォームをスプレー処方にて製造する際には、アミン系触媒との相乗効果により反応性を向上させる観点から、有機金属触媒を用いることが好ましく、硬質ポリウレタンフォームを断熱建材用途に使用する場合には、難燃性を付与する観点から、イソシアヌレート化触媒を用いることが好ましい。
本発明のポリオール組成物中の成分Dの含有量は、使用するポリオール成分及びポリイソシアネートとの反応性、硬質ポリウレタンフォームの用途等によって適宜決定すればよく、触媒の種類にもよるが、反応性(発泡性、硬化性)及び硬質ポリウレタンフォームの機能(難燃性、接着性、液流れ性等)を向上させる観点から、成分A100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、0.8質量部以上がより好ましく、1質量部以上が更に好ましい。また、反応性の制御及び硬質ポリウレタンフォームの機能を向上させる観点から、成分A100質量部に対して、15質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましく、8質量部以下が更に好ましい。なお、本明細書において成分Dの含有量とは、成分Dが複数の触媒を含む場合にはそれらの合計量を意味する。
<整泡剤(成分E)>
本発明のポリオール組成物は、セルの整泡安定性及び独立気泡率の確保の観点から、整泡剤(成分E)を含有することが好ましい。本発明における整泡剤(成分E)としては、硬質ポリウレタンフォームの製造に用いられる通常の整泡剤であればいずれのものも用いることができる。例えば、ポリオキシアルキレン-ポリジメチルシロキサン共重合体、ポリジアルキルシロキサン、ポリオキシアルキレンポリオール変性ジメチルポリシロキサン等のシリコーン系整泡剤、脂肪酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩、スルホン酸塩等の陰イオン界面活性剤等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では、強い整泡力及び寸法安定性の観点から、シリコーン系整泡剤が好ましく、ポリオキシアルキレン-ポリジメチルシロキサン共重合体がより好ましい。
本発明のポリオール組成物中の成分Eの含有量は、硬質ポリウレタンフォームの製造方法並びに硬質ポリウレタンフォームの密度や発泡剤の種類及び組み合わせにもよるが、セルの整泡安定性、独立気泡率の確保の観点から、成分A100質量部に対して、0.2質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、1.0質量部以上が更に好ましい。また、同様の観点から、成分A100質量部に対して、4.0質量部以下が好ましく、3.5質量部以下がより好ましく、3.0質量部以下が更に好ましく、2.0質量部以下がより更に好ましい。なお、本明細書において成分Eの含有量とは、成分Eが複数の整泡剤を含む場合にはそれらの合計量を意味する。
<難燃剤(成分F)>
本発明のポリオール組成物は、硬質ポリウレタンフォームの難燃性を向上させる観点から、難燃剤(成分F)を含有することが好ましい。本発明における難燃剤(成分F)としては、硬質ポリウレタンフォームの製造に用いられる通常の難燃剤であればいずれのものも用いることができる。例えば、トリクレジルホスフェート、トリス(2-クロロエチル)ホスフェート、トリス(2-クロロイソプロピル)ホスフェート、トリス(1,3-ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3-ジブロモプロピル)ホスフェート等のハロゲン系難燃剤、トリエチルホスフェート等の非ハロゲン系難燃剤が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では、トリス(2-クロロイソプロピル)ホスフェートが好ましい。
本発明のポリオール組成物中の成分Fの含有量は、硬質ポリウレタンフォームの密度や用途にもよるが、硬質ポリウレタンフォームの物性を損なわずに難燃性を向上させる観点から、成分A100質量部に対して、10質量部以上が好ましく、12質量部以上がより好ましく、15質量部以上が更に好ましい。また、同様の観点から、成分A100質量部に対して、40質量部以下が好ましく、35質量部以下がより好ましく、30質量部以下が更に好ましい。なお、本明細書において成分Fの含有量とは、成分Fが複数の難燃剤を含む場合にはそれらの合計量を意味する。
<その他の成分>
本発明のポリオール組成物には、前記の成分A~成分F以外に、必要により他の助剤が含まれていても構わない。他の助剤としては、一般に硬質ポリウレタンフォームの製造の際に使用されている助剤、例えば、架橋剤、顔料、充填剤等が挙げられる。これらの助剤は、本発明の目的を阻害しない範囲内で用いることができ、その含有量も公知技術に従って適宜調整することができる。
本発明のポリオール組成物は、前記の成分A~成分E、必要に応じてその他の成分を混合することにより、容易に調製することができる。
本発明のポリオール混合物は、芳香族ポリエステルポリオールと、芳香族ポリエステルポリオールとの相溶性が低いHFO-1336mzz-Zを発泡剤として含有しているにもかかわらず、均一な状態を保つために攪拌を行わなくても、両者が分離することなく長期間保存することができる。従って、本発明のポリオール組成物を用いることにより、硬質ポリウレタンフォームの製造の際に、作業性よく安定な製造を実現することができるため、本発明のポリオール組成物は硬質ポリウレタンフォームを製造するための原料として、より好適に使用しうるものである。
<硬質ポリウレタンフォームの製造方法>
本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法は、前記ポリオール組成物とポリイソシアネートとを混合する工程を含むものであり、混合により発泡及び硬化反応が生じ、硬質ポリウレタンフォームが得られる。
ポリイソシアネートとしては本発明分野で公知のものが挙げられ、例えば、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ウレタン結合、カルボジイミド結合、ウレトイミン結合、アロファネート結合、ウレア結合、ビューレット結合、イソシアヌレート結合等の1種以上を含有する前記ポリイソシアネート変性物等が挙げられる。これらのポリイソシアネートは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ポリイソシアネートの中では、硬質ポリウレタンフォームへの強度、難燃性及び耐熱性の向上の観点から、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートが好ましい。
ポリオール組成物とポリイソシアネートとの割合は、通常、イソシアネートインデックスが好ましくは100以上、より好ましくは105以上、更に好ましくは110以上であり、好ましくは400以下、より好ましくは300以下、更に好ましくは250以下となるように調整する。また、好ましくは100以上400以下、より好ましくは105以上300以下、更に好ましくは110以上250以下となるように調整する。
硬質ポリウレタンフォームは、例えば、ポリオール組成物とポリイソシアネートとを、高圧発泡機等により混合、攪拌した後、成形型内に注入又は被着面に噴霧し、発泡及び硬化反応させることにより得ることができる。より具体的には、例えば、タンク等を用いてポリオール組成物を15~25℃に調温したのち、スプレー式発泡機、自動混合注入型発泡機、自動混合射出型発泡機等の発泡機を用いてポリオール組成物とポリイソシアネートとを混合し、発泡及び硬化反応させることにより、硬質ポリウレタンフォームを得ることができる。
得られた硬質ポリウレタンフォームは、例えば、建材、電気冷蔵庫、冷蔵/冷凍倉庫、浴槽、配管等の断熱材、戸建住宅、マンションや産業用配管等の結露防止材等として好適に使用することができる。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
実施例1~16及び比較例1~8
(1) ポリオール組成物の製造
表1及び表2に示す質量(g)で成分B(ただし、水は除く)以外の各成分を300mLポリプロピレン製ディスポカップに投入し、T.K.ホモディスパー(特殊機化工業(株)製、L型)を用いて回転数3000r/minで20秒間攪拌し、15℃まで冷却した。なお、常温で固体の成分は加温して液状にして加えた。次に、成分Bを加え、同様に回転数3000r/minで20秒間攪拌し、ポリオール組成物を得た。攪拌終了後、110mL硼珪酸ガラス製スクリュー管瓶(スクリュー管瓶No.8、(株)マルエム製)に移し、室温にて24時間静置後の状態を目視観察し、下記の基準で評価した。結果を表1及び表2に示す。
1:透明均一
2:微濁
3:分離
4:固化
(2) 硬質ポリウレタンフォームの製造
実施例16及び比較例8では、さらに得られたポリオール組成物を用い、以下の手順により、硬質ポリウレタンフォームを製造した。
得られたポリオール組成物から採取した100gのポリオール組成物と、ポリイソシアネートとして、表2のポリオール組成物の組成から計算されるイソシアネートインデックスが180となる質量のポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート〔住化コベストロウレタン(株)製、商品名:スミジュール44V20〕とを、15℃でT.K.ホモディスパー(特殊機化工業(株)製、L型)を用いて回転数5000r/minで、5秒間攪拌し、直ちにポリエチレン袋を内装した成形型〔内寸:150mm×150mm×300mm(高さ)〕内に注入してフリーフォームを製造し、外観と内部状態を下記の基準で評価した。結果を表2に示す。
<外観>
ポリエチレン袋から取出したフリーフォームの外観を目視観察にて評価した。発泡剤が不均一になるためにできるボイド(空気溜まり)が発生せず均一な外観である方がフォームとして良好である。
1:均質
2:ボイドが発生している
<内部状態>
フリーフォームを縦に中央で切断し、断面を目視観察にて評価した。発泡剤が不均一になるためにできるボイド(空気溜まり)が発生せず均一な外観である方がフォームとして良好である。
1:均質
2:ボイドが発生している
尚、各実施例及び各比較例に使用した原料は、以下のとおりである。
<ポリオール(成分A)>
・RDK-133:無水フタル酸系ポリエステルポリオール〔水酸基価:315mgKOH/g、官能基数:2、川崎化成工業(株)製、商品名:マキシモールRDK-133〕
・RFK-505:テレフタル酸系ポリエステルポリオール〔水酸基価:250mgKOH/g、官能基数:2、川崎化成工業(株)製、商品名:マキシモールRFK-505〕
・EDP-300:エチレンジアミン系ポリエーテルポリオール〔水酸基価:768mgKOH/g、水酸基数:4、(株)ADEKA製、商品名:アデカポリエーテル EDP-300〕
<発泡剤(成分B)>
・HFO-1336mzz-Z:〔シス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン、ケマーズ社製、商品名:オプテオン1100〕
・HFO-1336mzz-E:〔トランス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン、ケマーズ社製、商品名:オプテオン1150〕
・HCFO-1233zd-E:〔トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン、ハネウエル社製、商品名:ソルスティスLBA〕
・水:オルガノ株式会社製純水装置G-10DSTSETで製造した1μS/cm以下の純水
<式(I)の化合物(成分C)>
・C-1:1-オクタノール(R:n-オクチル基、n:0)〔花王(株)製、商品名:カルコール0898〕
・C-2:1-デカノール(R:n-デシル基、n:0)〔花王(株)製、商品名:カルコール1098〕
・C-3:1-ドデカノール(R:n-ドデシル基、n:0)〔花王(株)製、商品名:カルコール2098〕
・C-4:ポリオキシエチレン(2.2)ラウリルエーテル(R:n-ドデシル基、n:2.2)〔青木油脂工業(株)製、商品名:ブラウノン EL-1502.2〕
・C-5:ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル(R:n-ドデシル基、n:3.0)〔青木油脂工業(株)製、商品名:ブラウノン EL-1503P〕
<触媒(成分D)>
・KL-1:N,N,N’,N’-テトラメチル-1,6-ヘキサンジアミン〔花王(株)製、商品名:カオーライザー No.1〕
・KL-410:イソシアヌレート化触媒〔花王(株)製、商品名:カオーライザー No.410〕
<整泡剤(成分E)>
・シリコーン系整泡剤〔東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:L-5340〕
<難燃剤(成分F)>
・TMCPP:トリス(2-クロロイソプロピル)ホスフェート〔大八化学工業(株)製、商品名:TMCPP〕
<その他の成分>
・G-1:1-テトラデカノール(R:n-テトラデシル基、n:0)〔東京化成工業(株)製〕
・G-2:ポリオキシエチレン(5)ラウリルエーテル(R:n-ドデシル基、n:5.0)〔青木油脂工業(株)製、商品名:ブラウノン EL-1505P〕
・G-3:ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(R:n-ヘキシル基、n:2.0)〔日本乳化剤(株)製、ヘキシルジグリコール〕
・G-4:ポリオキシエチレン(2)セチルエーテル(R:n-ヘキサデシル基、n:2.0)〔青木油脂工業(株)製、商品名:ブラウノン CH-302L〕
Figure 0007025283000001
Figure 0007025283000002
以上の結果より、実施例1~16のポリオール組成物は、配合成分が分離することなく24時間後も安定した性状を維持していることが分かる。また、実施例1、2と実施例10、11と比較例1、2をそれぞれ対比することで、テレフタル酸系ポリエステルポリオールよりも無水フタル酸系ポリエステルポリオールとの併用において、式(I)の化合物による効果がより顕著に発揮されることが分かる。
これに対し、式(I)の化合物を含有していない比較例1、2のポリオール組成物は、成分の分離が生じており、比較例3~7のように、式(I)の化合物と類似の構造を有する化合物を配合しても、分離を抑制することができない、あるいは固化してしまうことが分かる。
また、実施例16と比較例8の対比により、式(I)の化合物を配合することで、ポリオール組成物中に発泡剤を均一に分散させることができ、均質な構造の硬質ポリウレタンフォームが得られることが分かる。
本発明のポリオール混合物を用いて得られる硬質ポリウレタンフォームは、建材、電気冷蔵庫、冷蔵/冷凍倉庫、浴槽、配管等の断熱材、戸建住宅、マンションや産業用配管等の結露防止材等として好適に使用しうるものである。

Claims (8)

  1. 成分A:水酸基価が100mgKOH/g以上500mgKOH/g以下の芳香族ポリエステルポリオール(成分A-1)を50質量%以上含有するポリオール、
    成分B:シス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(成分B-1)を50質量%以上含有する発泡剤、及び
    成分C:式(I):
    O-(CHCHO)n-H (I)
    (式中、Rは炭素数8以上12以下のアルキル基であり、nはCHCHOの平均付加モル数であって、0以上3以下である)
    で表される化合物
    を含有する硬質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物であって、前記成分B-1の含有量が、前記成分A100質量部に対して28質量部以上50質量部以下である、硬質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
  2. 成分A-1が、フタル酸系ポリエステルポリオールを70質量%以上含有する、請求項1に記載のポリオール組成物。
  3. 成分B中の成分B-1の含有量が、80質量%以上である、請求項1又は2記載のポリオール組成物。
  4. 成分Bが、さらに、トランス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテンを含有する、請求項1~3いずれか記載のポリオール組成物。
  5. 成分Cの含有量が、成分A100質量部に対して3質量部以上17質量部以下である、請求項1~4いずれか記載のポリオール組成物。
  6. さらに、触媒(成分D)及び/又は整泡剤(成分E)を含有する、請求項1~5いずれか記載のポリオール組成物。
  7. さらに、難燃剤(成分F)を含有する、請求項1~6いずれか記載のポリオール組成物。
  8. 請求項1~7いずれか記載のポリオール組成物とポリイソシアネートとを混合する工程を含む、硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
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