JP2022055956A - 硬質ポリウレタンフォーム製造用アミン触媒 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヒドロハロオレフィンによる保存安定性の低下を抑制し、かつ発泡反応を速やかに開始させることができる硬質ポリウレタンフォーム製造用アミン触媒の提供。【解決手段】式(I):TIFF2022055956000011.tif27136で表されるアミン化合物Aと、式(II):TIFF2022055956000012.tif27136で表されるアミン化合物Bとを含有する硬質ポリウレタンフォーム製造用アミン触媒。【選択図】なし
Description
本発明は、硬質ポリウレタンフォーム製造用アミン触媒に関する。さらに詳しくは、建材、電気冷蔵庫、冷蔵/冷凍倉庫、浴槽、配管等の断熱材、戸建住宅、マンションや産業用配管等の結露防止材等として好適に使用し得る硬質ポリウレタンフォームの製造に用いられるアミン触媒、該触媒を含むポリオール組成物、及び該ポリオール組成物を用いる硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
硬質ポリウレタンフォーム(イソシアヌレート環含有のポリイソシアヌレートフォームを含む。以下同じ)製造用のアミン触媒として、3級アミンが知られており、例えば、特許文献1には、得られるポリウレタンを構成する気孔の構造が均一で良好な構造を有し、かつ、ポリウレタンが低密度であることを課題として、特定の多価の鎖状3級アミンと特定のピペラジン環を有する環状3級アミンが併用されている。そして実施例では、直鎖3級アミンと分岐3級アミンからなる鎖状3級アミンと、中央にピペラジン環を含むものとその異性体からなる環状3級アミンを触媒として用い、ポリオール、水、界面活性剤、触媒、ポリイソシアネートを混合攪拌し、ポリウレタンフォームを形成させたことが開示されている。
一方、発泡剤として、近年、成層圏におけるオゾン層の破壊や地球温暖化等を回避するという地球環境保護の観点から、発泡剤として、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(HFO-1234ze-E)、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(HFO-1234yf)、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン(HCFO-1233zd-E)、トランス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(HFO-1336mzz-E)並びにシス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(HFO-1336mzz-Z)等のヒドロハロオレフィンが検討されている。これらの発泡剤は、フッ素系化合物ではあるがオゾン破壊係数が実質的にゼロであり、地球温暖化係数も10以下と非常に小さいものであることから、HFC-245faやHFC-365mfc等のヒドロフルオロカーボンの代替として期待されている。
しかしながら、ヒドロハロオレフィンは分解しやすく保存安定性が低いという欠点を有している。
そこで、発泡剤としてヒドロハロオレフィンを含むポリウレタンフォーム製造用のポリオール原料配合液の貯蔵安定性を改良し、且つ迅速な発泡反応を開始する触媒組成物を提供することを課題として、特定の酸や特定のアルコールと、特定の多価の3級アミンを含有するアミン触媒組成物が検討されている(特許文献2~4参照)。
特許文献1の実施例では、発泡剤として水が使用されており、ハロゲン化炭化水素を含むポリオール組成物を調製した際の発泡反応の開始時間や保存安定性についての開示はない。そして、特許文献1の化合物では発泡反応の速やかな開始と保存安定性の低下の抑制の両立は困難である。また、特許文献2~4の技術では、発泡反応を速やかに開始させることができるが、保存安定性の低下の抑制については、更なる向上が求められる。
本発明は、ヒドロハロオレフィンによる保存安定性の低下を抑制することができ、かつポリオールとイソシアネートの発泡反応を速やかに開始させることができる硬質ポリウレタンフォーム製造用アミン触媒、該触媒を含むポリオール組成物、及び該ポリオール組成物を用いる硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
本発明は、
〔1〕 式(I):
〔1〕 式(I):
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立して、炭素原子数が2以上8以下であり、酸素原子数が0以上2以下である、窒素原子に結合して環を形成している置換基であり、Xは-O-又は-NR3-であり、R3は炭素原子数が1以上8以下であり、酸素原子数が0以上2以下である1価の置換基であり、mは1以上3以下の整数である)
で表されるアミン化合物Aと、式(II):
で表されるアミン化合物Aと、式(II):
(式中、R4、R5、R6、及びR7はそれぞれ独立して、炭素原子数が1以上8以下であり、酸素原子数が0以上2以下である置換基であり、Yは-O-又は-NR8-であり、R8は炭素原子数が1以上8以下であり、酸素原子数が0以上2以下である1価の置換基であり、nは1又は2である)
で表されるアミン化合物Bとを含有する硬質ポリウレタンフォーム製造用アミン触媒、
〔2〕 前記〔1〕記載の硬質ポリウレタンフォーム製造用アミン触媒、ポリオール、及びハロゲン化炭化水素を含有するポリオール組成物であって、前記ハロゲン化炭化水素がヒドロハロオレフィンを含有する、硬質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物、並びに
〔3〕 前記〔2〕記載のポリオール組成物とポリイソシアネートとを混合する工程を含む、硬質ポリウレタンフォームの製造方法
に関する。
で表されるアミン化合物Bとを含有する硬質ポリウレタンフォーム製造用アミン触媒、
〔2〕 前記〔1〕記載の硬質ポリウレタンフォーム製造用アミン触媒、ポリオール、及びハロゲン化炭化水素を含有するポリオール組成物であって、前記ハロゲン化炭化水素がヒドロハロオレフィンを含有する、硬質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物、並びに
〔3〕 前記〔2〕記載のポリオール組成物とポリイソシアネートとを混合する工程を含む、硬質ポリウレタンフォームの製造方法
に関する。
本発明の硬質ポリウレタンフォーム製造用アミン触媒は、ヒドロハロオレフィンによる保存安定性の低下を抑制することができ、かつポリオールとイソシアネートの発泡反応を速やかに開始させることができるという優れた効果を奏するものである。
本発明における推定機構が不明であるが、以下の様に考えられる。本発明の硬質ポリウレタンフォーム製造用アミン触媒は、後述の環構造を有するアミン化合物Aと鎖状のアミン化合物Bとを含有するものである。そして、アミン触媒は、ポリオール及びヒドロハロオレフィンを含有するポリオール組成物として、硬質ウレタンフォームの製造に用いられる。ポリオール組成物を調製した際、特定の多価の3級アミンであるアミン化合物Bは発泡反応の活性に優れるが、ヒドロハロオレフィンと共存するとアミン化合物Bの失活やヒドロハロオレフィンの分解が生じてポリオール組成物の保存安定性の低下を生じると考えられる。これに対し、酸素原子数が0以上2以下である環式アミンを分子の両末端に有するアミン化合物Aを併用すると、アミン化合物Aの環式アミンがアミン化合物Bとヒドロハロオレフィンとの相互作用を抑制するため、ポリオール化合物とポリイソシアネートとの混合した際の発泡反応の活性を維持しつつ、ポリオール組成物の貯蔵安定性を両立できると考えられる。
アミン化合物Aは、式(I):
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立して、炭素原子数が2以上8以下であり、酸素原子数が0以上2以下である、窒素原子に結合して環を形成している置換基であり、Xは-O-又は-NR3-であり、R3は炭素原子数が1以上8以下であり、酸素原子数が0以上2以下である1価の置換基であり、mは1以上3以下の整数である)
で表される。
で表される。
R1及びR2で表される炭素原子数が2以上8以下であり、酸素原子数が0以上2以下である、窒素原子に結合して環を形成している置換基としては、アルキレン基(-R-)、アルキレンオキシアルキレン基(-R-O-R-)、アルキレンチオアルキレン基(-R-S-R-)等が挙げられ、これらの中では、アルキレンオキシアルキレン基が好ましい。
Xは、-O-又は-NR3-であり、-O-が好ましい。
R3で表される炭素原子数が1以上8以下であり、酸素原子数が0以上2以下である置換基としては、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシイソプロピル基等が挙げられ、炭素原子数が1以上4以下のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
mは1以上3以下の整数であり、1が好ましい。
式(I)のXが-O-で表されるアミン化合物としては、低臭性であること、凝固点が低く取り扱いが容易である観点から、ジモルホリノジエチルエーテル〔DMDEE;ビス(2-モルホリノエチル)エーテル〕が好ましい。
式(I)のXが-NR3-で表されるアミン化合物としては、N,N-ジモルホリノエチル-N-メチルアミン等が挙げられる。
アミン化合物Bは、式(II):
(式中、R4、R5、R6、及びR7はそれぞれ独立して、炭素原子数が1以上8以下であり、酸素原子数が0以上2以下である置換基であり、Yは-O-又は-NR8-であり、R8は炭素原子数が1以上8以下であり、酸素原子数が0以上2以下である1価の置換基であり、nは1又は2である)
で表される。
で表される。
R4、R5、R6、及びR7で表される炭素原子数が1以上8以下であり、酸素原子数が0以上2以下である置換基としては、アルキル基(-R)、アルコキシアルキル基(-R-O-R)、等が挙げられ、これらの中では、アルキル基が好ましい。
また、R4、R5、R6、及びR7で表される置換基としては、炭素原子数が1以上4以下のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
Yは、Xは-O-又は-NR8-であり、-NR8-が好ましい。
R8で表される炭素原子数が1以上8以下であり、酸素原子数が0以上2以下である1価の置換基としては、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシイソプロピル基等が挙げられ、炭素原子数が1以上4以下のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
式(II)で表されるアミン化合物Bとしては、発泡反応活性の観点から、N,N,N’,N’’,N’’-ペンタメチルジエチレントリアミン及び1,1,4,7,10,10-ヘキサメチルトリエチレンテトラミンの少なくともいずれかであることが好ましい。
式(I)で表されるアミン化合物Aと式(II)で表されるアミン化合物Bとの質量比(アミン化合物A/アミン化合物B)は、発泡反応活性の観点から、好ましくは97/3以下、より好ましくは95/5以下、さらに好ましくは90/10以下であり、そして、貯蔵安定性の観点から、好ましくは50/50以上、より好ましくは65/35以上、さらに好ましくは80/20以上である。
式(I)で表されるアミン化合物Aと式(II)で表されるアミン化合物Bの合計含有量は、硬質ポリウレタンフォーム製造用アミン触媒中、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上であり、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。
本発明の硬質ポリウレタンフォーム製造用アミン触媒は、さらに、他のアミン化合物を含有していてもよい。他のアミン化合物としては、例えば、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン、又はそのカルボン酸塩、ジメチルシクロヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の3級アルカノールアミン等が挙げられる。
また、本発明の硬質ポリウレタンフォーム製造用アミン触媒は、さらに、式(III):
(式中、R9、R10、R11、及びR12はそれぞれ独立して、水素原子、又は炭素原子数が1以上8以下であり、酸素原子数が0以上2以下である置換基であり、R11とR12は連結していてもよい)
で表されるイミダゾール系化合物を含むことが好ましい。イミダゾール系化合物により、より高いレベルでの発泡反応の活性と貯蔵安定性との両立が可能となる。
で表されるイミダゾール系化合物を含むことが好ましい。イミダゾール系化合物により、より高いレベルでの発泡反応の活性と貯蔵安定性との両立が可能となる。
R9、R10、R11、及びR12で表される水素原子、又は炭素原子数が1以上8以下であり、酸素原子数が0以上2以下である置換基としては、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、ヒドロキシアルコキシアルキル等が挙げられ、炭素原子数が1以上4以下のアルキル基が好ましい。具体的には、R9、R10、R11、及びR12は、水素原子、又はメチル基、エチル基、i-ブチル基等のアルキル基であることがより好ましい。
式(III)で表されるイミダゾール系化合物としては、樹脂化活性の観点から、R10が炭素原子数が1以上4以下のアルキル基、R11及びR12が水素原子である化合物が好ましく、R10がメチル基、R11及びR12が水素原子である化合物がより好ましく、R9が及びR10がメチル基、R11及びR12が水素原子である1,2-ジメチルイミダゾールがさらに好ましい。
式(III)で表されるイミダゾール系化合物の含有量は、式(I)で表されるアミン化合物A、式(II)で表されるアミン化合物B、及び式(III)で表されるイミダゾール系化合物の合計量中、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上であり、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下である。
本発明のアミン触媒は、低温領域での固結を防止する観点から、溶媒と混合し、アミン触媒と溶媒を含有する硬質ポリウレタンフォーム製造用アミン触媒組成物として用いてもよい。溶媒を含有することにより冬季でも予備加熱することなく、ハンドリングが可能となる。
溶媒としては、触媒に含まれる化合物に相溶性を示す溶媒であればよいが、炭素数2以上8以下の多価アルコール及び水から選ばれる1種以上が好ましく、溶媒の含有量を低減する観点から、水がより好ましい。炭素数2以上8以下の多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等が挙げられ、これらの中では、ジプロピレングリコールが好ましい。従って、溶媒としては、ジプロピレングリコール及び水から選ばれる1種以上がより好ましく、水がさらに好ましい。
水を含有する3級アミンは金属酸化性が高い。溶媒として水を用いた硬質ポリウレタンフォーム製造用アミン触媒組成物を運搬又は貯蔵する容器の素材は、容器の腐食を抑制する観点から、ステンレス素材、プラスチック素材、又はガラス素材が好ましく、強度、耐衝撃性及び耐腐食性に優れる点で、ステンレス素材がより好ましい。ステンレス素材としては、例えば、SUS304、SUS316等が挙げられ、プラスチック素材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。また、これらの素材で内部コーティングされた容器を用いてもよい。
なお、後述のポリオール組成物において、アミン触媒を溶媒と混合し、アミン触媒組成物として用い、硬質ポリウレタンフォームを製造する場合、炭素数2以上8以下の多価アルコールはポリオールの一部として、水は発泡剤の一部として、それぞれみなす。
アミン触媒組成物における溶媒の含有量は、アミン触媒100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは1質量部以上、さらに好ましくは2質量部以上であり、そして、好ましくは、50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、さらに好ましくは15質量部以下である。
本発明では、さらに、本発明の硬質ポリウレタンフォーム製造用アミン触媒と、ポリオール及びハロゲン化炭化水素を含有するポリオール組成物を提供する。
ポリオール組成物中の本発明のアミン触媒の含有量は、使用するポリオール及びポリイソシアネートとの反応性、硬質ポリウレタンフォームの用途等によって適宜決定すればよく、反応性(発泡性、硬化性)及び硬質ポリウレタンフォームの機能(難燃性、接着性、液流れ性等)を向上させる観点から、ポリオール100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは0.8質量部以上、さらに好ましくは1質量部以上であり、そして、反応性の制御及び硬質ポリウレタンフォームの機能を向上させる観点から、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは8質量部以下、さらに好ましくは6質量部以下である。
また、ポリオール組成物中の本発明のアミン触媒の含有量は、反応性(発泡性、硬化性)及び硬質ポリウレタンフォームの機能(難燃性、接着性、液流れ性等)を向上させる観点から、ポリオール組成物中、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは0.7質量%以上であり、そして、反応性の制御及び硬質ポリウレタンフォームの機能を向上させる観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは4質量%以下である。
なお、本明細書においてアミン触媒の含有量とは、アミン触媒として複数のアミン触媒を含む場合にはそれらの合計量を意味する。
また、ポリオール組成物中の本発明のアミン触媒の含有量は、反応性(発泡性、硬化性)及び硬質ポリウレタンフォームの機能(難燃性、接着性、液流れ性等)を向上させる観点から、ポリオール組成物中、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは0.7質量%以上であり、そして、反応性の制御及び硬質ポリウレタンフォームの機能を向上させる観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは4質量%以下である。
なお、本明細書においてアミン触媒の含有量とは、アミン触媒として複数のアミン触媒を含む場合にはそれらの合計量を意味する。
ポリオールとしては、硬質ポリウレタンフォームの製造に用いられる通常のポリオールであればいずれのものも用いることができる。
ポリオールとしては、硬質ポリウレタンフォームを製造する際に従来用いられているものが例示される。ポリオールの代表例としては、例えば、岩田敬治編「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(昭和62年9月25日、日刊工業新聞社発行)に記載されている、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリマーポリオール、フェノール樹脂系ポリオール、マンニッヒポリオール等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
ポリエステルポリオールとしては、芳香族ポリエステルポリオール、脂肪族ポリエステルポリオール等が挙げられる。これらは、多塩基酸と多価アルコールとの縮合反応により製造することができ、芳香族ポリエステルポリオールには芳香族多塩基酸が、脂肪族ポリエステルポリオールには脂肪族多塩基酸が用いられる。また、芳香族多塩基酸と脂肪族多塩基酸の混合物と多価アルコールとの縮合反応により製造するポリエステルポリオールも一例として挙げられる。
多塩基酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の直鎖状飽和脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の環状飽和脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸;テトラブロモフタル酸等のハロゲン含有芳香族ジカルボン酸;これらのエステル形成性誘導体;これらの酸無水物等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。多塩基酸には、前述のジカルボン酸及びその誘導体に加えて、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3官能性以上の多塩基酸が所望により含有されていてもよい。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、デキストロース、ソルビトール等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリオキシアルキレン系ポリオールが挙げられる。
ポリオキシアルキレン系ポリオールは、水酸基、1級アミノ基、2級アミノ基、その他の活性水素含有基から選ばれた2個以上の官能基を有する化合物等を出発原料に、アルキレンオキシドを開環付加反応させて製造することができ、例えば、多価アミンや多価アルコール、アルカノールアミン、多価フェノール等にアルキレンオキシドを付加反応させて製造することができる。なお、前記の2個以上の官能基はそれぞれ同じであっても、異なるものであってもよい。
1級アミノ基又は2級アミノ基を2個以上有する多価アミンとしては、エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等が例示される。多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ショ糖、デキストロース、ソルビトール等が例示される。アルカノールアミンとしては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等が例示される。多価フェノールとしては、ビスフェノールA等が例示される。これらは変性物であってもよく、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリマーポリオールとしては、前記ポリオキシアルキレン系ポリオール中にポリアクリロニトリル微粒子やポリスチレン微粒子等のポリマー微粒子が分散したもの等が挙げられる。
フェノール樹脂系ポリオールは、分子中にツエレビチノフ法により決定される2個以上の活性水素含有基を有する化合物である。具体的には、フェノール類とアルデヒド類とを触媒の存在下で縮合反応させることによって得られるノボラック型フェノール樹脂系ポリオール、レゾール型フェノール樹脂系ポリオール、ベンジリックエーテル型フェノール樹脂系ポリオール等をはじめ、フェノール樹脂の一部又は全部のフェノール性水酸基にアルキレンオキシド又はアルキレンカーボネート等を開環付加させて得られる変性フェノール樹脂系ポリオール等が挙げられる。
マンニッヒポリオールとしては、フェノール類、アルデヒド類、アルカノールアミン等を縮合反応させて得られるもの、さらに必要に応じてエチレンオキシドやプロピレンオキシド等のアルキレンオキシドの開環付加反応を行って得られるものが挙げられる。
また、前記したポリオールの官能基数(1分子中の水酸基数)は、所望される硬質ポリウレタンフォームの物性等によって異なるので一概には決定することができないが、通常、2~8である。
本発明のポリオール組成物中のポリオールの含有量は、硬質ポリウレタンフォームの強度を向上させる観点から、50質量%以上が好ましく、55質量%以上がより好ましい。また、硬質ポリウレタンフォームの難燃性及び耐熱性の向上並びに密度低減の観点から、77質量%以下が好ましく、72質量%以下がより好ましい。なお、本明細書においてポリオールの含有量とは、ポリオールが複数のポリオールを含む場合にはそれらの合計量を意味する。
ハロゲン化炭化水素は、ヒドロハロオレフィンを含有し、好ましくはヒドロフルオロオレフィン及びヒドロクロロフルオロオレフィンの少なくとも1種を含有する。
ヒドロフルオロオレフィンとしては、シス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(HFO-1336mzz-Z)、トランス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(HFO-1336mzz-E)、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(HFO-1234ze-E)、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(HCFO-1233xf)等が挙げられる。
ヒドロクロロフルオロオレフィンとしては、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン(HCFO-1233zd-E)、シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン(HCFO-1233zd-Z)、1-クロロ-2,3,3-トリフルオロ-1-プロペン(HCFO-1233yd)、1-クロロ-1,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233zb)、2-クロロ-1,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233xe)、2-クロロ-2,2,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233xc)、3-クロロ-1,2,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233ye)、3-クロロ-1,2,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233yc)、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233xf)、ジクロロトリフルオロプロペン(HCFO-1223)等が挙げられる。
前記のヒドロフルオロオレフィン及びヒドロクロロフルオロオレフィンの中では、各種ポリオールとの相溶性が良好であり、単位重量当たりの発泡倍率が高くしやすく、沸点も低すぎず取り扱いやすい観点から、ヒドロクロロフルオロオレフィンが好ましく、HCFO-1233zd-Eがより好ましい。
ヒドロフルオロオレフィン及びヒドロクロロフルオロオレフィンの含有量は、ハロゲン化炭化水素中、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは98質量%以上、さらに好ましくは100質量%である。
ポリオール組成物は、発泡剤としてヒドロハロオレフィンを含有しているが、本発明の効果を損なわない範囲で、ハロゲン化炭化水素以外の発泡剤やヒドロハロオレフィン以外のハロゲン化炭化水素を含有していてもよい。その他の発泡剤としては、水(即ち、水とイソシアネートとの反応で二酸化炭素が発生し発泡剤となる)、窒素、空気、二酸化炭素等のガス、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、ネオペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の低沸点脂肪族炭化水素、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン等のヒドロフルオロカーボン等が挙げられる。
ハロゲン化炭化水素の含有量は、硬質ポリウレタンフォームの密度や発泡剤の種類及び組み合わせにもよるが、十分な断熱性能を発揮させる観点から、ポリオール100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは15質量部以上であり、そして、ポリオールとの相溶性、及びポリオール組成物の保管容器開封時のポリオール組成物の突沸を防ぐ観点から、好ましくは80質量部以下、より好ましくは60質量部以下、さらに好ましくは40質量部以下、さらに好ましくは30質量部以下である。なお、本明細書においてハロゲン化炭化水素の含有量とは、ハロゲン化炭化水素が複数のハロゲン化炭化水素を含む場合にはそれらの合計量を意味する。
アミン触媒の代わりに水を溶媒として含有するアミン触媒組成物を用いる場合は、アミン触媒組成物由来の水が発泡剤となるため、ポリオール組成物に添加する水やハロゲン化炭化水素は適宜減量することが好ましい。
本発明のポリオール組成物は、セルの整泡安定性及び独立気泡率の確保の観点から、整泡剤を含有することが好ましい。本発明における整泡剤としては、硬質ポリウレタンフォームの製造に用いられる通常の整泡剤であればいずれのものも用いることができる。例えば、ポリオキシアルキレン-ポリジメチルシロキサン共重合体、ポリジアルキルシロキサン、ポリオキシアルキレンポリオール変性ジメチルポリシロキサン等のシリコーン系整泡剤、脂肪酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩、スルホン酸塩等の陰イオン界面活性剤等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では、強い整泡力及び寸法安定性の観点から、シリコーン系整泡剤が好ましく、ポリオキシアルキレン-ポリジメチルシロキサン共重合体がより好ましい。
本発明のポリオール組成物中の整泡剤の含有量は、硬質ポリウレタンフォームの製造方法並びに硬質ポリウレタンフォームの密度や発泡剤の種類及び組み合わせにもよるが、セルの整泡安定性、独立気泡率の確保の観点から、ポリオール100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは1.0質量部以上であり、そして、同様の観点から、好ましくは4.0質量部以下、より好ましくは3.5質量部以下、さらに好ましくは3.0質量部以下、さらに好ましくは2.0質量部以下である。なお、本明細書において整泡剤の含有量とは、整泡剤が複数の整泡剤を含む場合にはそれらの合計量を意味する。
本発明のポリオール組成物は、硬質ポリウレタンフォームの難燃性を向上させる観点から、難燃剤を含有することが好ましい。本発明における難燃剤としては、硬質ポリウレタンフォームの製造に用いられる通常の難燃剤であればいずれのものも用いることができる。例えば、トリクレジルホスフェート、トリス(2-クロロエチル)ホスフェート、トリス(2-クロロイソプロピル)ホスフェート、トリス(1,3-ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3-ジブロモプロピル)ホスフェート等のハロゲン系難燃剤、トリエチルホスフェート等の非ハロゲン系難燃剤が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では、トリス(2-クロロイソプロピル)ホスフェートが好ましい。
本発明のポリオール組成物中の難燃剤の含有量は、硬質ポリウレタンフォームの密度や用途にもよるが、硬質ポリウレタンフォームの物性を損なわずに難燃性を向上させる観点から、ポリオール100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは12質量部以上、さらに好ましくは15質量部以上であり、そして、同様の観点から、好ましくは40質量部以下、より好ましくは35質量部以下、さらに好ましくは30質量部以下である。なお、本明細書において難燃剤の含有量とは、難燃剤が複数の難燃剤を含む場合にはそれらの合計量を意味する。
本発明のポリオール組成物には、必要により他の助剤が含まれていてもよい。他の助剤としては、一般に硬質ポリウレタンフォームの製造の際に使用されている助剤、例えば、架橋剤、顔料、充填剤等が挙げられる。これらの助剤は、本発明の目的を阻害しない範囲内で用いることができ、その含有量も公知技術に従って適宜調整することができる。
本発明のポリオール組成物は、アミン触媒、ポリオール、及びハロゲン化炭化水素、さらに必要に応じてその他の成分を混合することにより、容易に調製することができる。
本発明のポリオール組成物とポリイソシアネートとを用いて、硬質ポリウレタンフォームを製造することができる。
本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法は、前記ポリオール組成物とポリイソシアネートとを混合する工程を含むものであり、混合により発泡及び硬化反応が生じ、硬質ポリウレタンフォームが得られる。
ポリイソシアネートとしては本発明分野で公知のものが挙げられ、例えば、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ウレタン結合、カルボジイミド結合、ウレトイミン結合、アロファネート結合、ウレア結合、ビューレット結合、イソシアヌレート結合等の1種以上を含有する前記ポリイソシアネート変性物等が挙げられる。これらのポリイソシアネートは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ポリイソシアネートの中では、硬質ポリウレタンフォームへの強度、難燃性及び耐熱性の向上の観点から、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートが好ましい。
ポリオール組成物とポリイソシアネートとの割合は、通常、イソシアネートインデックスが好ましくは100以上、より好ましくは105以上、さらに好ましくは110以上であり、好ましくは400以下、より好ましくは300以下、さらに好ましくは250以下となるように調整する。また、好ましくは100以上400以下、より好ましくは105以上300以下、さらに好ましくは110以上250以下となるように調整する。
硬質ポリウレタンフォームは、例えば、ポリオール組成物とポリイソシアネートとを、高圧発泡機等により混合、攪拌した後、成形型内に注入又は被着面に噴霧し、発泡及び硬化反応させることにより得ることができる。より具体的には、例えば、タンク等を用いてポリオール組成物を10~25℃、好ましくは15~25℃に調温したのち、スプレー式発泡機、自動混合注入型発泡機、自動混合射出型発泡機等の発泡機、分散機等を用いてポリオール組成物とポリイソシアネートとを混合し、発泡及び硬化反応させることにより、硬質ポリウレタンフォームを得ることができる。
得られた硬質ポリウレタンフォームは、例えば、建材、電気冷蔵庫、冷蔵/冷凍倉庫、浴槽、配管等の断熱材、戸建住宅、マンションや産業用配管等の結露防止材等として好適に使用することができる。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
実施例1~4及び比較例1~4
(1) ポリオール組成物の製造
表2に示す組成の触媒混合物と、発泡剤以外の表1に記載の各成分(g)を40℃に加熱し、300mL容のポリプロピレン製ディスポカップに投入し、T.K.ホモディスパー(特殊機化工業(株)製、L型)を用いて回転数3000r/minで20秒間攪拌し、15℃まで冷却した。なお、40℃で固体の成分は融点+5℃に加温し液状にして加えた。これに表1に示す発泡剤を添加し、回転数3000r/minでさらに20秒間攪拌し、ポリオール組成物を得た。
攪拌終了後、テフロン(登録商標)シールテープ(中興化成工業(株)製)を内ねじ部分に巻き付け気密性を確保した110mL容の硼珪酸ガラス製スクリュー管瓶(スクリュー管瓶No.8、(株)マルエム製)に移した。同一組成のポリオール組成物サンプルを各2本用意し、1本は直ちに15℃に温度調整し、後述の反応性評価に供し、クリームタイム(CT0)及びゲルタイム(GT0)を測定した。もう1本は40℃で保管し、2週間後に取り出して、15℃に温度調整した後、ゲルタイム(GT2)を測定した。
なお、配合した触媒量は、触媒配合直後のゲルタイム(GT0)が25秒になるように調整した量である。
(1) ポリオール組成物の製造
表2に示す組成の触媒混合物と、発泡剤以外の表1に記載の各成分(g)を40℃に加熱し、300mL容のポリプロピレン製ディスポカップに投入し、T.K.ホモディスパー(特殊機化工業(株)製、L型)を用いて回転数3000r/minで20秒間攪拌し、15℃まで冷却した。なお、40℃で固体の成分は融点+5℃に加温し液状にして加えた。これに表1に示す発泡剤を添加し、回転数3000r/minでさらに20秒間攪拌し、ポリオール組成物を得た。
攪拌終了後、テフロン(登録商標)シールテープ(中興化成工業(株)製)を内ねじ部分に巻き付け気密性を確保した110mL容の硼珪酸ガラス製スクリュー管瓶(スクリュー管瓶No.8、(株)マルエム製)に移した。同一組成のポリオール組成物サンプルを各2本用意し、1本は直ちに15℃に温度調整し、後述の反応性評価に供し、クリームタイム(CT0)及びゲルタイム(GT0)を測定した。もう1本は40℃で保管し、2週間後に取り出して、15℃に温度調整した後、ゲルタイム(GT2)を測定した。
なお、配合した触媒量は、触媒配合直後のゲルタイム(GT0)が25秒になるように調整した量である。
表1中の原料は、以下のとおりである。
<ポリオール>
・RDK-133:無水フタル酸系ポリエステルポリオール〔水酸基価:315mgKOH/g、官能基数:2、川崎化成工業(株)製、商品名:マキシモールRDK-133〕
・EDP-300:エチレンジアミン系ポリエーテルポリオール〔水酸基価:768mgKOH/g、水酸基数:4、(株)ADEKA製、商品名:アデカポリエーテル EDP-300〕
・RDK-133:無水フタル酸系ポリエステルポリオール〔水酸基価:315mgKOH/g、官能基数:2、川崎化成工業(株)製、商品名:マキシモールRDK-133〕
・EDP-300:エチレンジアミン系ポリエーテルポリオール〔水酸基価:768mgKOH/g、水酸基数:4、(株)ADEKA製、商品名:アデカポリエーテル EDP-300〕
<発泡剤>
・HCFO-1233zd-E:〔トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン、ハネウエル社製、商品名:ソルスティスLBA〕
・水:オルガノ(株)製純水装置G-10DSTSETで製造した1μS/cm以下の純水
・HCFO-1233zd-E:〔トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン、ハネウエル社製、商品名:ソルスティスLBA〕
・水:オルガノ(株)製純水装置G-10DSTSETで製造した1μS/cm以下の純水
<整泡剤>
・L-5340:シリコーン系整泡剤〔東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:L-5340〕
・L-5340:シリコーン系整泡剤〔東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:L-5340〕
<難燃剤>
・TMCPP:トリス(2-クロロイソプロピル)ホスフェート〔大八化学工業(株)製、商品名:TMCPP〕
・TMCPP:トリス(2-クロロイソプロピル)ホスフェート〔大八化学工業(株)製、商品名:TMCPP〕
(2) 硬質ポリウレタンフォームの製造(反応性試験)
ポリオール組成物と、イソシアネートインデックスが110となる質量のあらかじめ15℃に温度調整されたポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート〔住化コベストロウレタン(株)製、商品名:スミジュール44V20〕とを、合計量は40gとなるように300mL容のポリプロピレン製ディスポカップに量り取り、T.K.ホモディスパー(特殊機化工業(株)製、L型)を用いて回転数5000r/minで、5秒間攪拌した後、クリームタイム(CT0)及びゲルタイム(GT0)を測定した。なお、攪拌を開始した時点をスタートとし、クリームタイムは液面が上昇を開始する時間(秒)であり、ゲルタイムは発泡体表面を爪楊枝でついた際に、糸引き開始を認める時間である。
測定は3回行い、その平均値を算出した。これらの値から、以下に示す泡化活性及びポリオール組成物の保存安定性を評価した。結果を表2に示す。
ポリオール組成物と、イソシアネートインデックスが110となる質量のあらかじめ15℃に温度調整されたポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート〔住化コベストロウレタン(株)製、商品名:スミジュール44V20〕とを、合計量は40gとなるように300mL容のポリプロピレン製ディスポカップに量り取り、T.K.ホモディスパー(特殊機化工業(株)製、L型)を用いて回転数5000r/minで、5秒間攪拌した後、クリームタイム(CT0)及びゲルタイム(GT0)を測定した。なお、攪拌を開始した時点をスタートとし、クリームタイムは液面が上昇を開始する時間(秒)であり、ゲルタイムは発泡体表面を爪楊枝でついた際に、糸引き開始を認める時間である。
測定は3回行い、その平均値を算出した。これらの値から、以下に示す泡化活性及びポリオール組成物の保存安定性を評価した。結果を表2に示す。
〔泡化活性〕
配合直後のクリームタイム(CT0)から判断する。8秒以下が好ましい。
配合直後のクリームタイム(CT0)から判断する。8秒以下が好ましい。
〔ポリオール組成物の保存安定性〕
2週間保存後と配合直後のゲルタイムの差(△(GT2-GT0))から判断する。1.0秒以下が好ましい。
2週間保存後と配合直後のゲルタイムの差(△(GT2-GT0))から判断する。1.0秒以下が好ましい。
以上の結果より、実施例1~4のポリオール組成物は、ポリイソシアネートとの配合直後の泡化活性が高く、保存安定性も優れていることが分かる。
これに対し、式(I)のアミン化合物A及び式(II)のアミン化合物Bを用いていない比較例1及びアミン化合物Bを用いていない比較例2では、泡化活性が低く、アミン化合物Aを用いていない比較例2、3では、保存安定性に欠けている。また、比較例2と比較例3の対比から、特許文献4のように、アミン化合物を多価アルコールと併用しても、保存安定性にはあまり効果がないことが分かる。
これに対し、式(I)のアミン化合物A及び式(II)のアミン化合物Bを用いていない比較例1及びアミン化合物Bを用いていない比較例2では、泡化活性が低く、アミン化合物Aを用いていない比較例2、3では、保存安定性に欠けている。また、比較例2と比較例3の対比から、特許文献4のように、アミン化合物を多価アルコールと併用しても、保存安定性にはあまり効果がないことが分かる。
本発明のアミン触媒は、建材、電気冷蔵庫、冷蔵/冷凍倉庫、浴槽、配管等の断熱材、戸建住宅、マンションや産業用配管等の結露防止材等として好適に使用しうる硬質ポリウレタンフォームの製造に用いられるものである。
Claims (8)
- 式(I):
で表されるアミン化合物Aと、式(II):
で表されるアミン化合物Bとを含有する硬質ポリウレタンフォーム製造用アミン触媒。 - 式(III)において、R10がメチル基、R11及びR12が水素原子である、請求項2記載の硬質ポリウレタンフォーム製造用アミン触媒。
- 式(I)で表されるアミン化合物Aが、ジモルホリノジエチルエーテルである、請求項1~3いずれか記載の硬質ポリウレタンフォーム製造用アミン触媒。
- 式(II)で表されるアミン化合物Bが、N,N,N’,N’’,N’’-ペンタメチルジエチレントリアミン及び1,1,4,7,10,10-ヘキサメチルトリエチレンテトラミンの少なくともいずれかである、請求項1~4いずれか記載の硬質ポリウレタンフォーム製造用アミン触媒。
- 請求項1~5いずれか記載の硬質ポリウレタンフォーム製造用アミン触媒、ポリオール、及びハロゲン化炭化水素を含有するポリオール組成物であって、前記ハロゲン化炭化水素がヒドロハロオレフィンを含有する、硬質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
- ヒドロハロオレフィンが、ヒドロフルオロオレフィン及びヒドロクロロフルオロオレフィンの少なくとも1種である、請求項6載の硬質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
- 請求項6又は7記載のポリオール組成物とポリイソシアネートとを混合する工程を含む、硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
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