以下、熱交換器及びそれを備えた熱交換ユニットの実施形態について、図面に基づいて説明する。
(1)空気調和装置の全体構成
図1は、本開示の一実施形態にかかる熱交換器としての室外熱交換器11及びそれを備えた熱交換ユニットとしての室外ユニット2が採用された空気調和装置1の概略構成図である。
空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行うことによって、建物等の室内の冷房及び暖房を行うことが可能な装置である。空気調和装置1は、主として、室外ユニット2と、室内ユニット3a、3bと、室外ユニット2と室内ユニット3a、3bとを接続する液冷媒連絡管4及びガス冷媒連絡管5と、室外ユニット2及び室内ユニット3a、3bの構成機器を制御する制御部24と、を有している。そして、空気調和装置1の蒸気圧縮式の冷媒回路6は、室外ユニット2と、室内ユニット3a、3bとが冷媒連絡管4、5を介して接続されることによって構成されている。
室外ユニット2は、室外(建物の屋上や建物の壁面近傍等)に設置されており、冷媒回路6の一部を構成している。室外ユニット2は、主として、アキュムレータ7、圧縮機8と、四路切換弁10と、熱交換器としての室外熱交換器11と、膨張機構としての室外膨張弁12と、液側閉鎖弁13と、ガス側閉鎖弁14と、室外ファン15と、を有している。各機器及び弁間は、冷媒管16~22によって接続されている。
室内ユニット3a、3bは、室内(居室や天井裏空間等)に設置されており、冷媒回路6の一部を構成している。室内ユニット3aは、主として、室内膨張弁31aと、室内熱交換器32aと、室内ファン33aと、を有している。室内ユニット3bは、主として、膨張機構としての室内膨張弁31bと、室内熱交換器32bと、室内ファン33bと、を有している。
冷媒連絡管4、5は、空気調和装置1を建物等の設置場所に設置する際に、現地にて施工される冷媒管である。液冷媒連絡管4の一端は、室内ユニット2の液側閉鎖弁13に接続され、液冷媒連絡管4の他端は、室内ユニット3a、3bの室内膨張弁31a、31bの液側端に接続されている。ガス冷媒連絡管5の一端は、室内ユニット2のガス側閉鎖弁14に接続され、ガス冷媒連絡管5の他端は、室内ユニット3a、3bの室内熱交換器32a、32bのガス側端に接続されている。
制御部24は、室外ユニット2や室内ユニット3a、3bに設けられた制御基板等(図示せず)が通信接続されることによって構成されている。尚、図1においては、便宜上、室外ユニット2や室内ユニット3a、3bとは離れた位置に制御部24を図示している。制御部24は、図示しないセンサの検出値等に基づいて、空気調和装置1(ここでは、室外ユニット2や室内ユニット3a、3b)の構成機器8、10、12、15、31a、31b、33a、33bの制御、すなわち、空気調和装置1全体の運転制御を行うようになっている。
(2)空気調和装置の動作
次に、図1を用いて、空気調和装置1の動作について説明する。空気調和装置1では、圧縮機8、室外熱交換器11、室外膨張弁12及び室内膨張弁31a、31b、室内熱交換器32a、32bの順に冷媒を循環させる冷房運転と、圧縮機8、室内熱交換器32a、32b、室内膨張弁31a、31b及び室外膨張弁12、室外熱交換器11の順に冷媒を循環させる暖房運転と、が行われる。また、暖房運転時においては、室外熱交換器11に付着した霜を融解させるための除霜運転が行われる。ここでは、除霜運転として、冷房運転時と同様に、圧縮機8、室外熱交換器11、室外膨張弁12及び室内膨張弁31a、31b、室内熱交換器32a、32bの順に冷媒を循環させる逆サイクル除霜運転が行われる。尚、冷房運転、暖房運転及び除霜運転は、制御部24によって行われる。
冷房運転時には、四路切換弁10が室外放熱状態(図1の実線で示される状態)に切り換えられる。冷媒回路6において、冷凍サイクルの低圧のガス冷媒は、圧縮機8に吸入され、冷凍サイクルの高圧になるまで圧縮された後に吐出される。圧縮機8から吐出された高圧のガス冷媒は、四路切換弁10を通じて、室外熱交換器11に送られる。室外熱交換器11に送られた高圧のガス冷媒は、冷媒の放熱器として機能する室外熱交換器11において、室外ファン15によって冷却源として供給される室外空気と熱交換を行って放熱して、高圧の液冷媒になる。室外熱交換器11において放熱した高圧の液冷媒は、室外膨張弁12、液側閉鎖弁13及び液冷媒連絡管4を通じて、室内膨張弁31a、31bに送られる。室内膨張弁31a、31bに送られた冷媒は、室内膨張弁31a、31bによって冷凍サイクルの低圧まで減圧されて、低圧の気液二相状態の冷媒になる。室内膨張弁31a、31bで減圧された低圧の気液二相状態の冷媒は、室内熱交換器32a、32bに送られる。室内熱交換器32a、32bに送られた低圧の気液二相状態の冷媒は、室内熱交換器32a、32bにおいて、室内ファン33a、33bによって加熱源として供給される室内空気と熱交換を行って蒸発する。これにより、室内空気は冷却され、その後に、室内に供給されることで室内の冷房が行われる。室内熱交換器32a、32bにおいて蒸発した低圧のガス冷媒は、ガス冷媒連絡管5、ガス側閉鎖弁14、四路切換弁10及びアキュムレータ7を通じて、再び、圧縮機8に吸入される。
暖房運転時には、四路切換弁10が室外蒸発状態(図1の破線で示される状態)に切り換えられる。冷媒回路6において、冷凍サイクルの低圧のガス冷媒は、圧縮機8に吸入され、冷凍サイクルの高圧になるまで圧縮された後に吐出される。圧縮機8から吐出された高圧のガス冷媒は、四路切換弁10、ガス側閉鎖弁14及びガス冷媒連絡管5を通じて、室内熱交換器32a、32bに送られる。室内熱交換器32a、32bに送られた高圧のガス冷媒は、室内熱交換器32a、32bにおいて、室内ファン33a、33bによって冷却源として供給される室内空気と熱交換を行って放熱して、高圧の液冷媒になる。これにより、室内空気は加熱され、その後に、室内に供給されることで室内の暖房が行われる。室内熱交換器32a、32bで放熱した高圧の液冷媒は、室内膨張弁31a、31b、液冷媒連絡管4及び液側閉鎖弁13を通じて、室外膨張弁12に送られる。室外膨張弁12に送られた冷媒は、室外膨張弁12によって冷凍サイクルの低圧まで減圧されて、低圧の気液二相状態の冷媒になる。室外膨張弁12で減圧された低圧の気液二相状態の冷媒は、室外熱交換器11に送られる。室外熱交換器11に送られた低圧の気液二相状態の冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する室外熱交換器11において、室外ファン15によって加熱源として供給される室外空気と熱交換を行って蒸発して、低圧のガス冷媒になる。室外熱交換器11で蒸発した低圧の冷媒は、四路切換弁10及びアキュムレータ7を通じて、再び、圧縮機8に吸入される。
上記の暖房運転時において、室外熱交換器11における冷媒の温度が所定温度よりも低くなる等によって室外熱交換器11における着霜が検知された場合、すなわち、室外熱交換器11の除霜を開始する条件に達した場合には、室外熱交換器11に付着した霜を融解させる除霜運転を行う。
除霜運転は、冷房運転時と同様に、四路切換弁22を室外放熱状態(図1の実線で示される状態)に切り換えて室外熱交換器11を冷媒の放熱器として機能させることによって行われる。これにより、室外熱交換器11に付着した霜を融解させることができる。除霜運転は、除霜前における暖房運転の状態等を考慮して設定された除霜時間が経過するまで、又は、室外熱交換器11における冷媒の温度が所定温度よりも高くなる等によって、室外熱交換器11における除霜が完了したものと判定されるまで行われ、その後、暖房運転に復帰する。尚、除霜運転時の冷媒回路10における冷媒の流れは、冷房運転と同様であるため、ここでは説明を省略する。
(3)室外ユニットの全体構成
次に、図1~図4を用いて、室外ユニット2の全体構成について説明する。ここで、図2は、室外ユニット2の概略の外観斜視図である。図3は、室外ユニット2の概略前面図である。図4は、室外ユニット2の概略平面図(後述のファンモジュール44を取り外した状態を図示)である。尚、図2~図4においては、アキュムレータ7、圧縮機8及び室外熱交換器11以外の冷媒回路構成部品の図示を省略している。また、以下の説明では、方向や位置関係を説明するために、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」といった表現を用いる場合があるが、これらの表現が示す方向は、特にことわりのない限り、図面中に示された矢印の方向に従うものとする。
室外ユニット2は、ケーシング40の側面から空気を吸い込んでケーシング40の天面から空気を吹き出す上吹き型の熱交換ユニットである。室外ユニット2は、主として、略直方体箱状のケーシング40と、室外ファン15と、冷媒回路6の一部を構成する冷媒回路構成部品と、を有している。冷媒回路構成部品としては、アキュムレータ7、圧縮機8、四路切換弁10、室外熱交換器11、室外膨張弁12、閉鎖弁13、14及び冷媒管16~22等が含まれる。室外ファン15及び冷媒回路構成部品は、ケーシング40内に収容されている。
ケーシング40は、主として、左右方向に延びる一対の据付脚41上に架け渡される底フレーム42と、底フレーム42の角部から上下方向に延びる支柱43と、支柱43の上端に取り付けられるファンモジュール44と、底フレーム42からファンモジュール44まで上下方向に延びる前面パネル45及び左側面パネル46と、を有している。ケーシング40の側面(ここでは、背面、左右両側面及び前面)には、空気の吸込口40a、40b、40c、40dが形成され、ケーシング40の天面には、空気の吹出口40eが形成されている。
底フレーム42は、ケーシング40の底面を形成しており、底フレーム42上には、アキュムレータ7、圧縮機8及び室外熱交換器11等が設けられている。また、底フレーム42は、冷房運転や除霜運転時に室外熱交換器11において発生するドレン水を受けるドレンパンとして機能する。
室外熱交換器11は、ケーシング40の平面視において、ケーシング40の左側面、背面、右側面及び前面に沿うように、略四角形状に形成されている。但し、ケーシング40の前面の左部及び左側面の前部には、室外熱交換器11が配置されておらず、室外熱交換器11は、ケーシング40の平面視において、一部(ここでは、ケーシング40の前面の左部及び左側面の前部に沿う部分)が欠落した略四角形状に形成されている。ここで、室外熱交換器11のうちケーシング40の左側面に沿って前後方向に延びる部分は、第1部11aである。室外熱交換器11のうち第1部11aの後方向側の端部からケーシング40の背面に沿う方向に曲がる部分は、第2部11bである。室外熱交換器11のうち第2部11bの後方向側の端部からケーシング40の背面に沿って左右方向に延びる部分は、第3部11cである。室外熱交換器11のうち第3部11cの右方向側の端部からケーシング40の右側面に沿う方向に曲がる部分は、第4部11dである。室外熱交換器11のうち第2部11bの後方向側の端部からケーシング40の右側面に沿って前後方向に延びる部分は、第5部11eである。室外熱交換器11のうち第5部11eの前方向側の端部からケーシング40の前面に沿う方向に曲がる部分は、第6部11fである。室外熱交換器11のうち第6部11fの前方向側の端部からケーシング40の前面に沿って左右方向に延びる部分は、第7部11gである。
室外熱交換器11の上側には、ファンモジュール44が設けられており、ケーシング40の前面、背面及び左右両面の支柱43よりも上側の部分と、ケーシング40の天面と、を形成している。ここで、ファンモジュール44は、上面及び下面が開口した略直方体形状の箱体に室外ファン15が収容された集合体である。ファンモジュール44の天面の開口は、吹出口40eであり、吹出口40eには、吹出グリル47が設けられている。室外ファン15は、ケーシング40内において吹出口40eに面して配置されており、空気を吸込口40a、40b、40c、40dからケーシング40内に取り込んで吹出口40eから排出させる送風機である。
前面パネル45及び左側面パネル46は、概ね、ケーシング40の前面、背面及び左右両面のうち室外熱交換器11が配置されない部分(ここでは、ケーシング40の前面の左部及び左側面の前部)に沿うように配置されている。前面パネル45は、ケーシング40の前面の左部に沿って配置されており、ケーシング40の前面のうち前面パネル45の右側の部分が吸込口40dを形成している。左側面パネル46は、ケーシング40の左側面の前部に沿って配置されており、ケーシング40の左側面のうち前左側面パネル46の後側の部分が吸込口40bを形成している。室外ユニット2では、前面パネル45を取り外すことによってケーシング40内が見えるようになっている。
(4)室外熱交換器及び室外熱交換器に接続されるガス集合管及び分流器
次に、図1~図10を用いて、室外熱交換器11及び室外熱交換器11に接続されるガス集合管85及び分流器90について説明する。ここで、図5は、ガス集合管85及び分流器90が接続された室外熱交換器11の概略斜視図である。図6は、室外熱交換器11の熱交換部50の部分拡大斜視図である。図7は、室外熱交換器11を風下側から見た概念的な構成図である。図8は、室外熱交換器11を風上側から見た概念的な構成図である。尚、図7及び図8は、室外熱交換器11に形成される熱交換パス60A~60Kや、室外熱交換器11における冷媒の流れを説明するための模式的な図面であり、室外熱交換器11等の構造や形状を正確に示したものではない。例えば、図示の都合上、図7及び図8において、室外熱交換器11は平面的に描画されている。また、図7及び図8では、分流器本体92の上部側に液側分流管94が下部側に液側主管96が接続された状態で描画されている(実際には、図5のように、分流器本体92の上部側に液側主管96が下部側に液側分流管94が接続される)。図9は、熱交換パス60A~60Kにおける冷媒の流れを概念的に示す図である。図9(a)は第1熱交換パス60Aにおける冷媒の流れを、図9(b)は第2~第11熱交換パス60B~60Kにおける冷媒の流れを、概念的に示す図である。尚、図7~図9に示した冷媒の流れを示す矢印は、暖房運転時(室外熱交換器11を冷媒の蒸発器として機能させる場合)の冷媒の流れ方向である。冷房運転時や除霜運転時には、図7~図9に示した冷媒の流れを示す矢印とは反対向きに冷媒が流れる。図10は、ガス集合管85及び分流器90周辺の概略斜視図である。
<分流器>
分流器90は、暖房運転時に冷媒回路6を室外膨張弁12から室外熱交換器11へと流れる気液二相状態又は液状態の冷媒を、室外熱交換器11において形成される複数の熱交換パス60A~60Kに分流させる機構である。熱交換パス60A~60Kについては後述する。また、分流器90は、冷房運転時及び除霜運転時に、複数の熱交換パス60A~60Kを通って室外熱交換器11から流出する液状態の冷媒を合流させる機構である。
分流器90は、分流器本体92と、複数(ここでは、11本)の液側分流管94と、液側主管96と、を有している。11本の液側分流管94のそれぞれは、熱交換パス60A~60Kの1つに接続される。液側主管96は、液冷媒管20を介して室外膨張弁12に接続される。以下の説明では、熱交換パス60A~60Kのそれぞれに接続される液側分流管94を、液側分流管94A~94Kと呼び分ける場合がある。分流器本体92、複数の液側分流管94及び液側主管96は、アルミニウム製又はアルミニウム合金製である。
分流器本体92は、上部に接続された液側主管96から流入する冷媒(室外膨張弁12から室外熱交換器11へと流れる気液二相状態又は液状態の冷媒)を、分流器本体92の下部に接続された複数の液側分流管94A~94Kに分流させる機構である。分流器本体92は、液側分流管94を介して熱交換部50に接続されている。熱交換部50については後述する。分流器本体92により複数の液側分流管94A~94Kに所定の割合で(例えば均等に)分配供給された冷媒は、室外熱交換器11の複数の熱交換パス60A~60Kへと流入する。分流器本体92は、分流器本体92の下部に接続された液側分流管94から流入する主に液状態の冷媒を合流させる機構である。分流器本体92で合流した冷媒は、分流器本体92の上部に接続された液側主管96を介して室外膨張弁12へと送られる。尚、ここでは、分流器本体92の上部に液側主管96が、下部に液側分流管94が接続されている。しかし、これに限定されるものではなく、分流器90の仕様によっては、分流器本体92の取り付け姿勢は上下逆転してもよい。つまり、分流器本体92は、分流器本体92の上部に液側分流管94が、下部に液側主管96が接続されるような構造であってもよい。
複数の液側分流管94のそれぞれの一端は、分流器本体92の下部に接続されている。つまり、複数の液側分流管94A~94Kのそれぞれは、分流器本体92の内部空間と連通している。また、複数の液側分流管94A~94Kのそれぞれの他端は、熱交換部50を構成する風上側熱交換部50aの第1前端部50a1側、又は、熱交換部50を構成する風下側熱交換部50bの第1前端部50b1側に接続されている。ここで、第1前端部50a1、50b1は、室外熱交換器11の第1部11aの前方向側の端部である。尚、風上側熱交換部50aの第1前端部50a1は、後述する風上側熱交換部50aの扁平管52の一端側の端部(第2前端部50a2とは反対側の端部)であり、風下側熱交換部50bの第1前端部50b1は、後述する風下側熱交換部50bの扁平管52の一端側の端部(第2前端部50b2とは反対側の端部)である。具体的には、液側分流管94B~94Kは、風上側熱交換部50aの第1前端部50a1側に配置される、後述する室外熱交換器11の第1ヘッダ70に接続された連絡配管74(74B~74K)に接続されている。また、液側分流管94Aは、風下側熱交換部50bの第1前端部50b1側に配置される、後述する室外熱交換器11の第2ヘッダ80に接続された連絡配管74(74A)に接続されている。接続方法を限定するものではないが、液側分流管94と連絡配管74とはロウ付けにより接続されている。尚、他の形態では、液側分流管94は、連絡配管74を介してではなく、第1ヘッダ70や第2ヘッダ80に直接接続されてもよい。
<ガス集合管>
ガス集合管85は、暖房運転時に室外熱交換器11から流出したガス冷媒を集合させる配管である。また、ガス集合管85は、冷房運転時及び除霜運転時に圧縮機8から室外熱交換器11へと送られるガス冷媒を、室外熱交換器11の第2ヘッダ80に分配供給する配管である。
ガス集合管85は、一端側が閉じられ、他端側が第1ガス冷媒管19の一部を構成する冷媒管87に接続される。形状を限定するものではないが、ガス集合管85は、閉じられた端部から上方に延び、上部で折り返すようにU字状に形成された配管である。ガス集合管85と室外熱交換器11の第2ヘッダ80とは、複数の連絡配管84により接続されている。尚、ガス集合管85及び連絡配管84は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製である。また、接続方法を限定するものではないが、ガス集合管85と連絡配管84とはロウ付けにより接続されており、第2ヘッダ80と連絡配管84とは、ロウ付けにより接続されている。
<室外熱交換器>
室外熱交換器11は、冷媒と室外空気との熱交換を行う熱交換器である。
室外熱交換器11は、主として、複数列の(ここでは2列)の熱交換部50(風上側熱交換部50a及び風下側熱交換部50b)と、第1ヘッダ70と、第2ヘッダ80と、連結ヘッダ75と、を有している。各熱交換部50は、複数の扁平管52と、複数のフィン54を含む。ここでは、熱交換部50、第1ヘッダ70、第2ヘッダ80、連結ヘッダ75のすべてが、アルミニウム製またはアルミニウム合金製であり、互いにロウ付けによって接合されている。
第1ヘッダ70は、上端及び下端が閉じた縦長中空の筒形状の部材である。第1ヘッダ70は、室外熱交換器11の風上側熱交換部50aの第1前端部50a1側に立設されている。第1ヘッダ70は、室外ユニット2の左前方部に配置されている。第1ヘッダ70には、風上側熱交換部50aの各扁平管52が接続され、第1ヘッダ70の内部空間と風上側熱交換部50aの各扁平管52とは連通している。また、第1ヘッダ70には、複数の連絡配管74(連絡配管74B~74K)の一端が接続され、第1ヘッダ70の内部空間と連絡配管74(連絡配管74B~74K)とは連通している。連絡配管74B~74Kの第1ヘッダ70と接続されない側の端部には、それぞれ分流器90の液側分流管94B~94Kの一端が接続されている。液側分流管94B~94Kの他端(連絡配管74と接続されない側の端部)は、分流器90の分流器本体92に接続されている。接続方法を限定するものではないが、第1ヘッダ70と、風上側熱交換部50aの扁平管52及び連絡配管74とは、ロウ付けにより接合されている。また、接続方法を限定するものではないが、連絡配管74B~74Kと液側分流管94B~94Kとは、ロウ付けにより接合されている。
第2ヘッダ80は、上端及び下端が閉じた縦長中空の筒形状の部材である。第2ヘッダ80は、室外熱交換器11の風下側熱交換部50bの第1前端部50b1側に立設されている。第2ヘッダ80は、室外ユニット2の左前方部に配置されている。第2ヘッダ80は、第1ヘッダ70よりも右方側(内側)かつ後方側に配置されている。第2ヘッダ80には、風下側熱交換部50bの各扁平管52が接続され、第2ヘッダ80の内部空間と風下側熱交換部50bの各扁平管52とは連通している。また、第2ヘッダ80には、複数の連絡配管84の一端と1本の連絡配管74(連絡配管74A)の一端とが接続され、第2ヘッダ80の内部空間と連絡配管84及び連絡配管74Aとは連通している。連絡配管84の第2ヘッダ80と接続されない側の端部には、ガス集合管85が接続されている。連絡配管74Aの第2ヘッダ80と接続されない側の端部には、分流器90の液側分流管94Aの一端が接続されている。液側分流管94Aの他端(連絡配管74Aと接続されない側の端部)は、分流器90の分流器本体92に接続されている。接続方法を限定するものではないが、第2ヘッダ80と、風下側熱交換部50bの扁平管52、連絡配管74A及び連絡配管84とは、ロウ付けにより接合されている。また、接続方法を限定するものではないが、連絡配管74Aと液側分流管94Aとは、ロウ付けにより接合されている。
連結ヘッダ75は、連結部の一例である。連結ヘッダ75は、上端及び下端が閉じた縦長中空の筒形状の部材である。連結ヘッダ75は、室外熱交換器11の熱交換部50の第2前端部側(風上側熱交換部50aの第2前端部50a2側及び風下側熱交換部50bの第2前端部50b2側)に立設されている。連結ヘッダ75は、室外ユニット2の右前方部に配置されている。連結ヘッダ75は、複数列の熱交換部50(風上側熱交換部50a及び風下側熱交換部50b)の第2前端部同士(風上側熱交換部50aの第2前端部50a2及び風下側熱交換部50bの第2前端部50b2)を連結する。接続方法を限定するものではないが、連結ヘッダ75と、風上側熱交換部50aの扁平管52及び風下側熱交換部50bの扁平管52とは、ロウ付けにより接合されている。
熱交換部50は、複数列(ここででは2列)の熱交換部50a、50bを含む。複数列の熱交換部50は、室外ファン15によって生成される空気の流れ方向に並べて配置されている。具体的には、熱交換部50は、風上側に配置される風上側熱交換部50aと、風下側に配置される風下側熱交換部50bと、を含む。風上側熱交換部50a及び風下側熱交換部50bのそれぞれは、複数の扁平管52と、複数のフィン54と、を有する。
扁平管52は、伝熱管の一例である。ここでは、扁平管52は、伝熱面となる鉛直方向を向く平面部52aと、内部に形成された冷媒が流れる多数の小さな貫通孔からなる通路52bと、を有する扁平多穴管である。
各熱交換部50a、50bの各扁平管52は、熱交換部50a、50bの第2前端部50a2、50b2側(連結ヘッダ75側)から熱交換部50a、50bの第1前端部50a1、50b1側(第1ヘッダ70及び第2ヘッダ80側)へと、(平面視において)延びる方向を変化させながら、略水平方向に延びる。具体的には、各熱交換部50a、50bの各扁平管52は、熱交換部50a、50bの第2前端部50a2、50b2から右方に延び、室外ユニット2の右前方角部近傍で延びる方向を変えて後方へと延び、室外ユニット2の右後方角部近傍で延びる方向を変えて左方へと延び、室外ユニット2の左後方角部近傍で延びる方向を変えて前方へと熱交換部50a、50bの第1前端部50a1、50b1まで延びる。つまり、室外熱交換器11は、複数列の熱交換部50a、50bの扁平管52が延びる方向が変化している曲げ部11b、11d、11fを、室外ユニット2の右前方角部近傍、右後方角部近傍及び左後方角部近傍の3ヶ所に有する。風上側熱交換部50a及び風下側熱交換部50bの扁平管52は、熱交換部50a、50bの第1前端部50a1、50b1では前後方向に延びる。
各熱交換部50a、50bでは、扁平管52は、上下方向(段方向)に多段に配置されている。風上側熱交換部50aの各扁平管52は、一端(風上側熱交換部50aの第1前端部50a1側)が第1ヘッダ70に接続されており、他端(風上側熱交換部50aの第2前端部50a2側)が連結ヘッダ75に接続されている。風下側熱交換部50bの各扁平管52は、一端(風下側熱交換部50bの第1前端部50b1側)が第2ヘッダ80に接続されており、他端(風下側熱交換部50bの第2前端部50b2側)が連結ヘッダ75に接続されている。
フィン54は、上下方向(段方向)に隣り合う扁平管52の間を、空気が流れる複数の通風路に区画している。フィン54には、複数の扁平管52を差し込めるように、水平に細長く延びる複数の切り欠き部54aが形成されている。言い換えれば、フィン54は、扁平管52に差し込まれる差し込み式のフィンである。切り欠き部54aは、水平方向であって、かつ扁平管52の長手方向と交差する方向に延びるように形成される。切り欠き部54aの延びる方向は、室外ファン15の生成する空気の流れ方向(通風方向)と略一致している。言い換えれば、切り欠き部54aの延びる方向は、熱交換部50a、50bの並べられた列方向と略一致している。切り欠き部54aは、扁平管52が通風方向の風下側から風上側に向かって挿入されるように風下側に開口している。フィン54の切り欠き部54aの上下方向の幅は、扁平管52の上下方向の高さ(厚み)とほぼ一致している。フィン54の切り欠き部54aは、上下方向(扁平管52の段方向)に所定の間隔を空けて形成されている。
室外熱交換器11は、扁平管52の積層方向(上下方向)に多段(ここでは、11段)に並ぶ複数の熱交換パス60A~60Kに区分されている。
例えば、ここでは、室外熱交換器11には、下から上に向かって順に、最下段の熱交換パスである第1熱交換パス60A、第2熱交換パス60B・・・第10熱交換パス60J、第11熱交換パス60Kが形成されている。
第1熱交換パス60Aは、2段2列の扁平管52を有している。つまり、第1熱交換パス60Aは、風上側熱交換部50aの最下段及び下から2段目の扁平管52と、風下側熱交換部50bの最下段及び下から2段目の扁平管52と、を有している。
尚、以下では、第1熱交換パス60Aの風上側熱交換部50aの扁平管52を第1風上側扁平管61Aと呼び、第1熱交換パス60Aの風下側熱交換部50bの扁平管52を第1風下側扁平管62Aと呼ぶ。また、以下では、第1風上側扁平管61Aの1段目(下段)の扁平管52を下段第1風上側扁平管61A1と呼び、第1風上側扁平管61Aの2段目(上段)の扁平管52を上段第1風上側扁平管61A2と呼ぶ。また、第1風下側扁平管62Aの1段目(下段)の扁平管52を下段第1風下側扁平管62A1と呼び、第1風下側扁平管62Aの2段目(上段)の扁平管52を上段第1風下側扁平管62A2と呼ぶ。
第2熱交換パス60Bは、13段(下から3段目~15段目)2列(計26本)の扁平管52を有している。第3熱交換パス60Cは、13段(下から16段目~28段目)2列(計26本)の扁平管52を有している。第4熱交換パス60Dは、12段(下から29段目~40段目)2列(計24本)の扁平管52を有している。第5熱交換パス60Eは、12段(下から41段目~52段目)2列(計24本)の扁平管52を有している。第6熱交換パス60Fは、11段(下から53段目~63段目)2列(計22本)の扁平管52を有している。第7熱交換パス60Gは、10段(下から64段目~73段目)2列(計20本)の扁平管52を有している。第8熱交換パス60Hは、9段(下から74段目~84段目)2列(計18本)の扁平管52を有している。第9熱交換パス60Iは、8段(下から83段目~90段目)2列(計16本)の扁平管52を有している。第10熱交換パス60Jは、4段(下から91段目~94段目)2列(計8本)の扁平管52を有している。第11熱交換パス60Kは、3段(下から95段目~97段目)2列(計6本)の扁平管52を有している。
以下では、第2熱交換パス60Bの風上側熱交換部50aの扁平管52を第2風上側扁平管61Bと呼び、第2熱交換パス60Bの風下側熱交換部50bの扁平管52を第2風下側扁平管62Bと呼ぶ。同様に、第3熱交換パス60C~第11熱交換パス60Kの風上側熱交換部50aの扁平管52を第3風上側扁平管61C~第11風上側扁平管61Kと呼ぶ。また、第3熱交換パス60C~第11熱交換パス60Kの風下側熱交換部50bの扁平管52を第3風下側扁平管62C~第11風下側扁平管62Kと呼ぶ。
尚、ここで示した熱交換パスの数や、各熱交換パスに含まれる扁平管52の数や、室外熱交換器11の熱交換部50a、50bが有する扁平管52の総数は、例示に過ぎず、室外熱交換器11の構造等を限定するものではない。
第1ヘッダ70は、その内部空間が仕切部71によって上下に仕切られることによって、各熱交換パス60A~60Kに対応する連通空間72A~72Kが形成されている。連通空間72A以外の連通空間72B~72Kは、連絡配管74B~74Kと連通しており、液側分流管94B~94Kを介して分流器本体92と連通している。以下では、連通空間72B~72Kを、液側出入口空間72B~72Kと呼ぶ場合がある。また、以下では、連通空間72Aを、縦折り返し空間72Aと呼ぶ場合がある。
連通空間72Aは、第1熱交換パス60Aの下段第1風上側扁平管61A1及び上段第1風上側扁平管61A2と、風上側熱交換部50aの第2端部50a2側で連通している。液側出入口空間72Bは、第2熱交換パス60Bの13本の第2風上側扁平管61Bと、風上側熱交換部50aの第2端部50a2側で連通している。液側出入口空間72Cは、第3熱交換パス60Cの13本の第3風上側扁平管61Cと、風上側熱交換部50aの第1前端部50a1側で連通している。液側出入口空間72Dは、第4熱交換パス60Dの12本の第4風上側扁平管61Dと、風上側熱交換部50aの第1前端部50a1側で連通している。液側出入口空間72Eは、第5熱交換パス60Eの12本の第5風上側扁平管61Eと、風上側熱交換部50aの第1前端部50a1側で連通している。液側出入口空間72Fは、第6熱交換パス60Fの11本の第6風上側扁平管61Fと、風上側熱交換部50aの第1前端部50a1側で連通している。液側出入口空間72Gは、第7熱交換パス60Gの10本の第7風上側扁平管61Gと、風上側熱交換部50aの第1前端部50a1側で連通している。液側出入口空間72Hは、第8熱交換パス60Hの9本の第8風上側扁平管61Hと、風上側熱交換部50aの第1前端部50a1側で連通している。液側出入口空間72Iは、第9熱交換パス60Iの8本の第9風上側扁平管61Iと、風上側熱交換部50aの第1前端部50a1側で連通している。液側出入口空間72Jは、第10熱交換パス60Jの4本の第10風上側扁平管61Jと、風上側熱交換部50aの第1前端部50a1側で連通している。液側出入口空間72Kは、第11熱交換パス60Kの3本の第11風上側扁平管61Kと、風上側熱交換部50aの第1前端部50a1側で連通している。
第2ヘッダ80の内部空間は、その内部空間が仕切部81によって上下に仕切られることによって、連通空間82Uと連通空間82Dとが形成されている。仕切部81及びその周辺の構成については後述する。
連通空間82Uは、熱交換パス60B~60Kの風下側扁平管62B~62K及び熱交換パス60Aの上段第1風下側扁平管62A2と、風下側熱交換部50bの第1前端部50b1側で連通している。また、連通空間82Uは、複数の連絡配管84と連通している。以下では、連通空間82Uをガス側出入口空間82Uと呼ぶ場合がある。尚、連通空間82Uは、単一空間(仕切られていない空間)でなくてもよく、仕切部によってさらに上下に仕切られてもよい。例えば、連通空間82Uには、仕切部が配置され、それぞれが各熱交換パス60A~60Kに対応する複数の空間が形成されてもよい。
連通空間82Dは、連絡配管74Aと連通しており、液側分流管94Aを介して分流器本体92と連通している。以下では、連通空間82Dを、液側出入口空間82Dと呼ぶ場合がある。
連結ヘッダ75は、その内部空間が仕切部77によって上下に仕切られている。仕切部77は、熱交換部50a、50bの扁平管52を段毎に区画している。連結ヘッダ75の内部空間は、仕切部77によって各熱交換パス60A~60Kに対応する折り返し空間76A~76Kが形成されている。折り返し空間76A~76Kは、対応する熱交換パス60A~60Kを構成する扁平管52に連通している。
折り返し空間76Aでは、第1風上側扁平管61Aと第1風下側扁平管62Aとが、熱交換部50a、50bの第2前端部50a2、50b2側で連通している。具体的に説明する。
折り返し空間76Aは、仕切部77により上下2つの区画に分割されており、それぞれの区画には、同一の段の扁平管52が連通している。つまり、下側の区画は、下段第1風上側扁平管61A1及び下段第1風下側扁平管62A1と連通し、上側の区画は、上段第1風上側扁平管61A2及び上段第1風下側扁平管62A2と連通する。
このように構成されることで、第1熱交換パス60Aでは、例えば暖房運転時には、以下のように冷媒が流れる。第2ヘッダ80の液側出入口空間82Dから下段第1風下側扁平管62A1に流入した冷媒は、折り返し空間76Aを経て下段第1風上側扁平管61A1に流入する。下段第1風上側扁平管61A1を第1ヘッダ70まで流れた冷媒は、第1ヘッダ70の縦折り返し空間72Aを介して上段第1風上側扁平管61A2に流入する。上段第1風上側扁平管61A2に流入した冷媒は、折り返し空間76Aを経て上段第1風下側扁平管62A2に流入し、上段第1風下側扁平管62A2から第2ヘッダ80のガス側出入口空間82Uに流入する。
折り返し空間76Bでは、13本の第2風上側扁平管61Bと、13本の第2風下側扁平管62Bとが、熱交換部50a、50bの第2前端部50a2、50b2側で連通している。折り返し空間76Bは、仕切部77により上下に13個の区画に分割されており、それぞれの区画には、同一の段の扁平管52が連通している。
折り返し空間76C~76Kについても、それぞれ、第3風上側扁平管61C~第11風上側扁平管61Kと、第3風下側扁平管62C~第11風下側扁平管62Kとが、熱交換部50a、50bの第2前端部50a2、50b2側で連通している。折り返し空間76C~76Kは、仕切部77により、それぞれの空間に連通する、第3風上側扁平管61C~第11風上側扁平管61Kの段数(第3風下側扁平管62C~第11風下側扁平管62Kの段数)と同数の区画に分割されている。それぞれの区画には、同一の段の扁平管52が連通している。
このように構成されることで、第2熱交換パス60B~第11熱交換パス60Kでは、例えば暖房運転時には、以下のように冷媒が流れる。第1ヘッダ70の液側出入口空間72B~72Kのそれぞれから、風上側熱交換部50aの扁平管52(第2風上側扁平管61B~第11風上側扁平管61K)のそれぞれに流入した冷媒は、折り返し空間76B~76Kを経て、同一熱交換パスの同一段の風下側熱交換部50bの扁平管52(第2風下側扁平管62B~第11風下側扁平管62K)に流入する。第2風下側扁平管62B~第11風下側扁平管62Kを第2ヘッダ80まで流れた冷媒は、第2ヘッダ80のガス側出入口空間82Uに流入する。
尚、ここでは、列方向に隣り合う同一段の扁平管52同士(風上側熱交換部50a及び風下側熱交換部50bの同一段の扁平管52同士)を、熱交換部50a、50bの第2前端部50a2、50b2側で連通させるように仕切部77が設けられている。しかし、このような態様に限定されるものではなく、例えば、同じ熱交換パス60B~60K内では、列方向に隣り合う異なる段の扁平管52同士を連通させるように仕切部77の一部が省略されてもよい。
<室外熱交換器及びその周りにおける冷媒の流れ>
上記の構成を有する室外熱交換器11及びその周りの冷媒の流れについて説明する。
暖房運転時には、室外熱交換器11は、室外膨張弁12において減圧された冷媒の蒸発器として機能する。暖房運転時には、図7~図9における冷媒の流れを示す矢印の方向に冷媒が流れる。
室外膨張弁12において減圧された冷媒は、液冷媒管20を通じて分流器90に送られる。分流器90に送られた冷媒は、液側主管96を通過して分流器本体92に流入し、分流器本体92から液側分流管94A~94Kに分流される。液側分流管94A~94Kを流れた冷媒は、連絡配管74A~74Kを介して、第2ヘッダ80の液側出入口空間82D及び第1ヘッダ70の液側出入口空間72B~72Kに送られる。
各液側出入口空間72B~72Kに送られた冷媒は、各熱交換パス60B~60Kの風上側扁平管61B~61Kに分流される。風上側扁平管61B~61Kのそれぞれに送られた冷媒は、その通路52bを流れる間に室外空気との熱交換によって加熱されて、連結ヘッダ75の折り返し空間76B~76Kを通じて、各熱交換パス60B~60Kの風下側扁平管62B~62Kに送られる。各扁平管52(風下側扁平管62B~62Kのそれぞれ)に送られた冷媒は、その通路52bを流れる間に室外空気との熱交換によってさらに加熱されて、第2ヘッダ80のガス側出入口空間82Uにおいて合流する。すなわち、熱交換パス60B~60Kでは、冷媒は、風上側扁平管61B~61K、風下側扁平管62B~62Kの順に、熱交換パス60B~60Kを通過する。熱交換パス60B~60Kでは、冷媒は、液状態又は気液二相状態から蒸発して飽和ガス状態又は過熱ガス状態になるまで加熱される。
一方、液側出入口空間82Dに送られた冷媒は、下段第1風下側扁平管62A1に送られる。下段第1風下側扁平管62A1に送られた冷媒は、その通路52bを流れる間に室外空気との熱交換によって加熱され、連結ヘッダ75の下段側の折り返し空間76Aを通じて、下段第1風上側扁平管61A1に送られる。下段第1風上側扁平管61A1に送られた冷媒は、その通路52bを流れる間に室外空気との熱交換によってさらに加熱され、第1ヘッダ70の縦折り返し空間72Aを通じて、上段第1風上側扁平管61A2に送られる。上段第1風上側扁平管61A2に送られた冷媒は、その通路52bを流れる間に室外空気との熱交換によってさらに加熱されて、連結ヘッダ75の上段側の折り返し空間76Aを通じて、上段第1風下側扁平管62A2に送られる。上段第1風下側扁平管62A2に送られた冷媒は、その通路52bを流れる間に室外空気との熱交換によってさらに加熱されて、第2ヘッダ80のガス側出入口空間82Uに送られる。すなわち、冷媒は、下段第1風下側扁平管62A1、下段第1風上側扁平管61A1、上段第1風上側扁平管61A2、上段第1風下側扁平管62A2の順に、第1熱交換パス60Aを通過する。第1熱交換パス60Aでは、冷媒は、液状態又は気液二相状態から蒸発して飽和ガス状態又は過熱ガス状態になるまで加熱される。
第2ヘッダ80のガス側出入口空間82Uに送られた冷媒は、ガス集合管85に送られる。ガス集合管85に流入した冷媒は、第1ガス冷媒管19を通じて圧縮機8の吸入側に送られる。
冷房運転時には、室外熱交換器11は、圧縮機8から吐出された冷媒の放熱器として機能する。冷房運転時には、図7~図9における冷媒の流れを示す矢印とは反対の方向に冷媒が流れることになる。
圧縮機8から吐出された冷媒は、第1ガス冷媒管19を通じてガス集合管85に送られる。ガス集合管85に流入した冷媒は、連絡配管84に分流されて、第2ヘッダ80のガス側出入口空間82Uに送られる。
第2ヘッダ80のガス側出入口空間82Uに送られた冷媒は、熱交換パス60Aの上段第1風下側扁平管62A2と、熱交換パス60B~60Kの風下側扁平管62B~62Kに分流される。
各風下側扁平管62B~62Kに送られた冷媒は、その通路52bを流れる間に室外空気との熱交換によって放熱して、連結ヘッダ75の折り返し空間76B~76Kを通じて、それぞれ各熱交換パス60B~60Kの風上側扁平管61B~61Kに送られる。各風上側扁平管61B~61Kに送られた冷媒は、その通路52bを流れる間に室外空気との熱交換によってさらに放熱して、第1ヘッダ70の各液側出入口空間72B~72Kにおいて合流する。すなわち、冷媒は、熱交換パス60B~60Kでは、風下側扁平管62B~62K、風上側扁平管61B~61Kの順に、熱交換パス60B~60Kを通過する。熱交換パス60B~60Kでは、冷媒は、過熱ガス状態から飽和液状態又は過冷却液状態になるまで放熱する。
上段第1風下側扁平管62A2に送られた冷媒は、その通路52bを流れる間に室外空気との熱交換によって放熱し、連結ヘッダ75の上段側の折り返し空間76Aを通じて、上段第1風上側扁平管61A2に送られる。上段第1風上側扁平管61A2に送られた冷媒は、その通路52bを流れる間に室外空気との熱交換によってさらに放熱し、第1ヘッダ70の縦折り返し空間72Aを通じて、下段第1風上側扁平管61A1に送られる。下段第1風上側扁平管61A1に送られた冷媒は、その通路52bを流れる間に室外空気との熱交換によってさらに放熱して、連結ヘッダ75の上側の折り返し空間76Aを通じて、下段第1風下側扁平管62A1に送られる。下段第1風下側扁平管62A1に送られた冷媒は、その通路52bを流れる間に室外空気との熱交換によってさらに放熱して、第2ヘッダ80の液側出入口空間82Dに送られる。すなわち、冷媒は、上段第1風下側扁平管62A2、上段第1風上側扁平管61A2、下段第1風上側扁平管61A1、下段第1風下側扁平管62A1の順に、第1熱交換パス60Aを通過する。第1熱交換パス60Aでは、冷媒は、過熱ガス状態から飽和液状態又は過冷却液状態になるまで放熱する。
各液側出入口空間82D、72B~72Kに送られた冷媒は、連絡配管74A~74Kを介して分流器90の液側分流管94A~94Kに送られて、分流器本体92において合流する。分流器本体92において合流した冷媒は、液冷媒管20を通じて室外膨張弁12に送られる。
除霜運転時には、室外熱交換器11は、冷房運転時と同様に、圧縮機8から吐出された冷媒の放熱器として機能する。尚、除霜運転時の室外熱交換器11における冷媒の流れは、冷房運転時と同様であるため、ここでは説明を省略する。但し、冷房運転時とは異なり、除霜運転時は、冷媒が、主として、熱交換パス60A~60Kに付着した霜を融解させつつ放熱することになる。
尚、ここでは、上記のように、熱交換部50の最下段の扁平管52を含む最下段の第1熱交換パス60Aのパス有効長を、他の熱交換パス60B~60Kのパス有効長よりも長くしている。その結果、第1熱交換パス60Aにおける冷媒の流れ抵抗は、他の熱交換パス60B~60Kにおける冷媒の流れ抵抗より大きい。
このような室外熱交換器11を、暖房運転と(逆サイクル)除霜運転とを切り換えて行う空気調和装置1に採用したことで、暖房運転時に第1熱交換パス60Aに液状態の冷媒が流入しにくくなり、最下段の熱交換パスを流れる冷媒の温度が上昇しやすくなる。そのため、暖房運転時に第1熱交換パス60Aにおける着霜を抑制することができる。しかも、ここでは、第1熱交換パス60Aのパス有効長が長くなることによって、第1熱交換パス60Aにおける伝熱面積を大きくすることができるため、第1熱交換パス60Aを流れる冷媒の温度の上昇を促進することができる。これにより、除霜運転時の第1熱交換パス60Aにおける融け残りを減少させることができる。
(5)仕切部及びその周辺の構成
次に、図1~図17を用いて、仕切部81及びその周辺の構成について説明する。ここで、図11は、第2ヘッダ80周辺の分解斜視図である。図12は、第2ヘッダ80の仕切部81周辺を示す断面図(シール部材110を設けていない状態)である。図13は、図12のI-I断面図である。図14は、図13を矢印A方向から見た図である。図15は、第2ヘッダ80の仕切部81周辺を示す断面図(シール部材110を設けた状態)である。図16は、図15のI-I断面図である。図17は、図16を矢印A方向から見た図である。
<仕切部>
第2ヘッダ80は、上記のように、上端及び下端が閉じた縦長中空の筒形状の部材である。ここでは、第2ヘッダ80は、伝熱管側部材83と、中間部材86と、集合管側部材88と、端板89と、仕切部81と、を有している。
伝熱管側部材83、中間部材86及び集合管側部材88は、伝熱管側部材83と集合管側部材88の間に中間部材86が挟まれた状態で、それぞれの長手方向が一致するように組み合わされて一体化されている。第2ヘッダ80においては、2枚の端板89によって上端と下端が閉じられている。また、第2ヘッダ80においては、仕切部81が下端付近に配置されており、第2ヘッダ80の内部空間が、連通空間82Uと連通空間82Dとに分割されている。伝熱管側部材83、中間部材86、集合管側部材88、端板89及び仕切部81は、互いにロウ付けによって接合されている。
伝熱管側部材83は、上下方向に垂直な平面で切断した断面が弧状の部材である。伝熱管側部材83には、扁平管52の端部を挿入するための開口が複数形成されている。
中間部材86には、伝熱管側部材83側と集合管側部材86側との間で冷媒を流すための開口86a、86bが複数形成されている。ここで、開口86aは、連通空間82Dに対応して中間部材86の下端付近に形成されており、開口86bは、連通空間82Uに対応して中間部材86の開口86aよりも上側の部分に形成されている。また、中間部材86には、仕切部81を挿入するための開口103が形成されている。
集合管側部材88は、上下方向に垂直な平面で切断した断面が弧状の部材である。集合管側部材88には、連絡配管74(連絡配管74A)及び連絡配管84の端部を挿入するための開口88a、88bが複数形成されている。ここで、開口88aは、連絡配管74(連絡配管74A)の端部を挿入するために集合管側部材88の下端付近に形成されており、開口88bは、連絡配管84の端部を挿入するために集合管側部材88の開口88aよりも上側の部分に形成されている。また、集合管側部材88には、仕切部81を挿入するための開口104が形成されている。
仕切部81は、2つの仕切板101、102を有している。第1仕切板101及び第2仕切板102は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製の板状の部材である。ここでは、第1仕切板101と第2仕切板102とは、上下に逆方向に配置される点を除き、同じ構成である。したがって、第1仕切板101及び第2仕切板102は、同じ成形機により成形することができる。第1仕切板101と第2仕切板102とは、それぞれの厚さ方向(上下方向)に後述の検知空間107を空けた状態で中間部材86の開口103及び集合管側部材88の開口104に挿入されている。第1仕切板101は、開口103、104の厚さ方向の(上下方向)の一端側(ここでは、上側)に配置され、第2仕切板102は、開口103、104の厚さ方向の(上下方向)の他端側(ここでは、下側)に配置されている。
第1仕切板101は、主として、略楕円板状の第1板部101aと、第1板部101aから集合管側部材88側に突出する第1突起部101bと、を有している。第1板部101aの外周面は、集合管側部材88の開口104に面する部分を除いて、第2ヘッダ80(すなわち、伝熱管側部材83、中間部材86及び集合管側部材88)の内周面に接しており、第2ヘッダ80との第1接合部105を構成している。第1突起部101bは、集合管側部材88の開口104からガス集合管85側(前方向)に突出している。ここで、第1板部101aは、中間部材86の開口103の上端側に挿入され、第1突起部101bは、集合管側部材88の開口104の上端側から突出している。
第2仕切板102は、主として、略楕円板状の第2板部102aと、第2板部102aから集合管側部材88側に突出する第2突起部102bと、を有している。第2板部102aの外周面は、集合管側部材88の開口104に面する部分を除いて、第2ヘッダ80(すなわち、伝熱管側部材83、中間部材86及び集合管側部材88)の内周面に接しており、第2ヘッダ80との第2接合部106を構成している。第2突起部102bは、集合管側部材88の開口104からガス集合管85側(前方向)に突出している。ここで、第2板部102aは、中間部材86の開口103の下端側に挿入され、第2突起部102bは、集合管側部材88の開口104の下端側から突出している。
そして、第1仕切板101と第2仕切板102との間(上下方向間)には、仕切板101、102と第2ヘッダ80との接合部105、106を通じて流体空間(ここでは、連通空間82D、82Uから漏洩する流体が流入する検知空間107が形成されている。検知空間107は、開口104を通じて第2ヘッダ80の外部と連通している。
<流体の漏洩検知>
次に、仕切部81の第2ヘッダ80との接合部105、106における流体の漏洩検知について説明する。上記のように、仕切部81を第2ヘッダ80にロウ付けで接合したとしても、ロウ材が接合部105、106にうまく行き渡らない等により、第2ヘッダ80と仕切部81との接合が不十分になるおそれがある。この場合には、接合部105、106に隙間ができてしまい、室外熱交換器11を含む室外ユニット2の運転時に、冷媒が漏洩するおそれがある。そこで、ここでは、室外熱交換器11や室外ユニット2の製造後に、以下のようにして、流体の漏洩検知を行うようにしている。
まず、製造後の室外熱交換器11や室外熱交換器11を含む室外ユニット2に対して、漏洩検知用の流体を流通させる。ここで、仕切部81の接合部105、106のどこかに隙間が形成されているならば、流体空間(ここでは、連通空間82Dや連通空間82U)に存在する流体は、接合部105、106の隙間を通じて、検知空間107に流入する。そして、流体空間から検知空間107に流入した流体は、開口104を通じて第2ヘッダ80の外部に流出するため、ガスセンサ等を用いて、流体漏洩の有無を検知することができる。
<検知空間における水分の凍結対策>
上記のような流体の漏洩検知のために検知空間107を形成した室外熱交換器11を採用すると、第2ヘッダ80の外部から水分が検知空間107に入り込むことがある。そして、室外熱交換器11を含む室外ユニット2の運転等によって、この水分が検知空間107内で凍結すると、その体積膨張によって仕切部81や第2ヘッダ80が損傷するおそれがある。
そこで、ここでは、検知空間107にシール部材110を設けるようにしている。すなわち、上記の仕切部81の第2ヘッダ80との接合部105、106における流体の漏洩検知流体の漏洩検知を行って流体の漏洩が無いことを確認した後に、検知空間107にシール部材110を設けるようにしている。
シール部材110は、ここでは、弾性を有する素材からなる。例えば、シール部材110は、シリコンを含んでいる。より具体的には、シール部材110は、液状シリコンのような固化状態でゲル状になる素材からなり、第2ヘッダ80の外部から検知空間107の開口104を通じて注入されることによって、検知空間107に設けられている。尚、ここでは、開口104がシール部材110によって塞がれるとともに、検知空間107のうち集合管側部材88側の部分がシール部材110のよって埋められている。
このため、ここでは、水分が第2ヘッダ80の外部から検知空間107に入り込むことをシール部材110によって抑えることができ、これにより、検知空間107内における水分の凍結によって、仕切部81や第2ヘッダ80が損傷するおそれを抑えることができるようになっている。
(6)特徴
次に、室外熱交換器11(熱交換器)及びそれを備えた室外ユニット2(熱交換ユニット)の特徴について説明する。
<A>
ここでは、上記のように、室外熱交換器11が、複数の扁平管52(伝熱管)と、扁平管52の端部が接続される第2ヘッダ80(ヘッダ)と、第2ヘッダ80に接合された仕切部81と、を有している。仕切部81は、第2ヘッダ80の内部を扁平管52の端部に連通する連通空間82D、82U(複数の流体空間)に仕切っている。ここで、仕切部81は、第2ヘッダ80の内部に、仕切部81と第2ヘッダ80との接合部105、106を通じて連通空間82D、82Uから漏洩する流体が流入する検知空間107を形成しており、検知空間107は、第2ヘッダ80の外部と連通している。しかも、ここでは、検知空間107にシール部材110が設けられている。
これにより、ここでは、水分が第2ヘッダ80の外部から検知空間107に入り込むことをシール部材110によって抑えることができ、仕切部81や第2ヘッダ80が損傷するおそれを抑えることができる。
また、室外ユニット2(熱交換ユニット)においては、上記のように、検知空間107にシール部材110を設けることで仕切部81や第2ヘッダ80が損傷するおそれを抑えることが可能な室外熱交換器11を有しているため、信頼性を向上させることができる。
<B>
また、ここでは、上記のように、シール部材110が、弾性を有する素材からなる。
これにより、ここでは、第2ヘッダ80の外部から検知空間110に入り込んだとしても、この水分が検知空間110内で凍結する際の体積膨張を、シール部材110の弾性によって緩和することができる。
<C>
また、ここでは、上記のように、シール部材110が、シリコンを含んでいる。
これにより、ここでは、第2ヘッダ80の外部から検知空間107にシール部材110を注入することによって設けることができる。
<D>
また、ここでは、上記のように、仕切部81が、2つの仕切板101、102を有しており、検知空間107が、仕切板101、102間に形成されている。
これにより、ここでは、2つの仕切板101、102間に検知空間107を容易に形成することができる。
<E>
また、ここでは、上記のように、仕切部81が、第2ヘッダ80の内部を、液状態又は気液二相状態の流体が流れる流体空間である連通空間82D(液側空間)と、ガス状態の流体が流れる流体空間である連通空間82U(ガス側空間)と、に仕切っている。
これにより、ここでは、液側空間とガス側空間との間における流体の漏洩を検知することができる。
<F>
また、ここでは、上記のように、仕切部81が、第2ヘッダ80の内部を、扁平管52(伝熱管)へ流出する前の流体が流れる流体空間である上流側空間(暖房運転の場合は連通空間82D、冷房運転及び除霜運転の場合は連通空間82U)と、扁平管52(伝熱管)から流出した後の流体が流れる流体空間である下流側空間(暖房運転の場合は連通空間82U、冷房運転及び除霜運転の場合は連通空間82D)と、に仕切っている。
ここでは、上流側空間と下流側空間との間における流体の漏洩を検知することができる。
<G>
また、ここでは、上記のように、第2ヘッダ80が、上下方向に延びており、仕切部81が、第2ヘッダ80の内部を、第2ヘッダ80の最下部に位置する流体空間である連通空間82D(第1下側空間)と、第1下側空間の上側の流体空間である連通空間82U(第2下側空間)と、に仕切っている。
ここでは、第1下側空間82Dと第2下側空間82Uとの間における流体の漏洩を検知することができる。
(7)変形例
<A>
上記実施形態では、開口104を塞ぐようにシール部材110を検知空間107に設けている(図16参照)。しかし、図18に示すように、開口104を塞がない程度にシール部材110を検知空間107に設けるようにしてもよい。
この場合であっても、第2ヘッダ80の外部から検知空間110に入り込んだ水分が検知空間110内で凍結する際の体積膨張を、シール部材110の弾性によって緩和することができるため、仕切部81や第2ヘッダ80が損傷するおそれを抑えることができる。
<B>
上記実施形態では、シール部材110として、液状シリコンのような弾性を有する素材を使用している(図16、18参照)。しかし、図19に示すように、シール部材110として、蓋部材を使用してもよい。ここでは、シール部材110として、開口104の断面形状に合う形状の蓋部材(ここでは、略T字形状の断面を有する蓋部材)を使用している。尚、蓋部材としてのシール部材110の形状はこれに限定されるものではなく、開口104を塞ぐことができる形状であればよい。
この場合であっても、第2ヘッダ80の外部から検知空間107をシール部材110によって塞ぐことで、水分が第2ヘッダ80の外部から検知空間107に入り込むことをシール部材110によって抑えることができ、仕切部81や第2ヘッダ80が損傷するおそれを抑えることができる。
<C>
上記実施形態では、第2ヘッダ80の仕切部81について、流体の漏洩検知のための検知空間107、及び、検知空間107における水分の凍結対策としてのシール部材110を設けている。しかし、第1ヘッダ70や連結ヘッダ75の仕切部71、77について、検知空間107及びシール部材110を設けるようにしてもよい。
<D>
上記実施形態では、第2ヘッダ80として、伝熱管側部材83、中間部材86及び集合管側部材88の3つの部材を一体化することで縦長中空の筒形状を形成した構造を採用しているが、これに限定されるものではない。例えば、特許文献1と同様に、1つの部材で縦長中空の筒形状を形成した構造であってもよい。
<E>
上記実施形態では、室外熱交換器11が2列の熱交換部50a、50bを有しているが、これに限定されるものではない。例えば、室外熱交換器11は、3列以上の熱交換部を有するものであってもよい。
<F>
上記実施形態では、室外熱交換器11は伝熱管として扁平管52を有しているが、これに限定されるものではない。例えば、室外熱交換器11は、円管状の伝熱管を有するものであってもよい。
<G>
上記実施形態では、室外熱交換器11は、3ヶ所に曲げ部(第2部11b、第4部11d、第6部11f)を有しているが、これに限定されるものではない。例えば、室外熱交換器11は、曲げ部を1ヶ所に有しており、熱交換部がL字状に形成されていてもよい。また、室外熱交換器11は、曲げ部を2ヶ所に有しており、熱交換部がU字状に形成されていてもよい。また、室外熱交換器11は、曲げ部を4ヶ所以上に有してもよい。
<H>
上記実施形態では、風上側熱交換部50aの第1前端部50a1側及び風下側熱交換部50bの第1前端部50b1の側の両方に分流器90の液側分流管94が接続されているが、これに限定されるものではない。
例えば、設計によっては、風上側熱交換部50aの第1前端部50a1側(第1ヘッダ70)のみ、又は、風下側熱交換部50bの第1前端部50b1側(第2ヘッダ80)のみ、に液側分流管94が接続されてもよい。
<I>
上記実施形態で説明した室外熱交換器11における冷媒の流し方(冷媒の流れるルート)は一例に過ぎず、冷媒のパス取りは適宜設計されればよい。
例えば、上記実施形態では、第1熱交換パス60Aと、それ以外の熱交換パス60B~60Kで冷媒の流し方が異なるが、これに限定されるものではなく、第1熱交換パス60Aにも、それ以外の熱交換パス60B~60Kと同様の経路で冷媒が流れるような設計が行われてもよい。つまり、第1熱交換パス60Aのパス有効長は、他の熱交換パス60B~60Kのパス有効長と同一であってもよい。
また、上記実施形態では、空気の流れ方向に並べられた熱交換部50の、同一段(同一高さ)の伝熱管を冷媒が流れるように冷媒の流れるルートが設計されているが、これに限定されるものではない。例えば、ある熱交換部の伝熱管を流れた冷媒は、同一の熱交換部又は他の熱交換部の異なる段の(異なる高さ位置の)伝熱管を流れるように冷媒の流れるルートが設計されてもよい。
<J>
上記実施形態では、空気調和装置1を例として説明したが、上記実施形態の特徴が他の種類の冷凍装置に適用されてもよい。
<K>
上記実施形態では、室外ユニット2は上吹き型の熱交換ユニットであり、室外ユニット2の側面側から空気が吸い込まれ、室外ユニット2の上部から上方に空気が吹き出される。しかし、室外ユニット2は、上吹き型に限定されるものではなく、例えば、横吹き型の熱交換ユニットであってもよい。
<L>
上記実施形態では、室外熱交換器11及び室外熱交換器11を備えた室外ユニット2(熱交換ユニット)を例に説明をしたが、上記実施形態の特徴は、室内熱交換器32a、32b及び室内熱交換器32a、32bを備えた室内ユニット3a、3b(熱交換ユニット)に適用されてもよい。
以上、本開示の実施形態を説明したが、請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能であることが理解されるであろう。