JP7022608B2 - バルブシート - Google Patents
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Description
図1を参照して、本発明の実施の形態におけるバルブシート1をシリンダヘッド2に圧入したときのバルブシート1の周辺構造について説明する。シリンダヘッド2は、吸気通路3と燃焼室5とを連通する開口部6を起点として吸気通路3側へ延びる保持領域8を有する。保持領域8は、バルブシート1が保持される領域である。バルブシート1は、燃焼室5側から保持領域8に圧入される。これにより、バルブシート1は、保持領域8で保持される。なお、シリンダヘッド2を構成する材料として、例えば、アルミニウム合金等の軽金属合金が挙げられるが、これに限定されるものではなく、シリンダヘッドの材料として使用可能なものならいずれであってもよい。
図1~図3を参照して、本発明の実施の形態におけるバルブシート1について説明する。バルブシート1は、材料を加工して、環状に形成される環状体である。当該環状体のバルブシート軸方向に切った断面は、図3に示すような形状となる。バルブシート1は、図2(A)に示すように、中心軸10と、奥側開口11と、手前側開口12と、内周面13と、外周面14と、粗面領域15とを有する。
バルブシート1の材料として、例えば、焼結体や溶製材等のバルブシートの製造に用いられる全ての材料が本発明に含まれる。特に、バルブシート1の材料として、鉄基焼結合金製の焼結体や溶製材等を用いることが好ましい。鉄基焼結合金は、加工性、製造性に優れ、バルブシートとして、備えるべき特性の調整等が容易であるからである。
中心軸10は、図2に示すように、バルブシート1を構成する環状体の中心軸である。奥側開口11は、図1および図2に示すように、バルブシート1がシリンダヘッド2の保持領域8に圧入されて保持領域8で保持されるとき、圧入方向(Y軸正方向)の奥側に位置するバルブシート1の開口である。手前側開口12は、バルブシート1がシリンダヘッド2の保持領域8に圧入されて保持領域8で保持されるとき、圧入方向(Y軸正方向)の手前側に位置するバルブシート1の開口である。
バルブシート1の内周面13は、図2に示すように、中心軸10周りを取り囲む環状の面である。また、バルブシート1の内周面13は、図3に示すように、軸方向延在面領域130と、傾斜面領域131と、を有する。バルブシート軸方向に垂直な平面で内周面13を切って、バルブシート1の内周面13を2つの領域に分けたとき、内周面13のうち、奥側開口11側の領域が軸方向延在面領域130に相当し、手前側開口12側の領域が傾斜面領域131に相当する。
バルブシート1の外周面14は、図1~図5に示すように、粗面領域15を有する。粗面領域15は、外周面14の少なくとも一部の領域を構成する。図1に示すように、バルブシート1がシリンダヘッド2の保持領域8に圧入されると、保持領域8に対応するシリンダヘッド2の接触表面部8Aに粗面領域15が噛み込む。結果、粗面領域15により、バルブシート1とシリンダヘッド2との接合力が高まり、バルブシート1がシリンダヘッド2から抜け落ちることを防止することができる。
次に、粗面領域15の具体的な構成について説明する。粗面領域15は、図3に示すように、凹凸部150を有する。凹凸部150は、バルブシート1の外周面14上に形成される凹凸部分である。粗面領域15の凹凸部150は、図4(A)に示すように、突出部151と、バルブシート軸方向(Y軸方向)において突出部151に隣接する窪み部152とにより構成される。突出部151と窪み部152とは、バルブシート軸方向に沿って交互に並ぶ。
次に、図6を参照して、粗面領域15における突出部151および窪み部152の構造の詳細について説明する。図6は、図5(C)のF-Fライン(バルブシート軸方向)に沿って凹凸部150をバルブシート径方向に切ったときの断面の概略図である。
突出部151は、基底面150Aからバルブシート径方向の外側へ突出する。基底面150Aは、窪み部152の一部を構成する。また、突出部151の少なくとも1つは、図6に示すように、基部155と、拡張部156と、反り面157とを有する。基部155は、凹凸部150の基底側からバルブシート径方向の外側へ突出する部分である。
拡張部156は、基部155に連続して外周面14の面方向に拡張する部分である。そして、拡張部156は、基底面150Aに覆い被さる。なお、外周面14の面方向とは、外周面14の面内における全ての方向を指す。そして、粗面領域15において、外周面14の面方向とは、粗面領域15が無い部分の外周面14を粗面領域15まで延長した仮想円筒面140(図6の点線参照)を基準外周面と定義したとき、当該基準外周面の面方向を指す。
上記のように、仮想円筒面140を基準外周面と定義したとき、凹凸部150の基底面150Aからバルブシート径方向の外側に延びる凹凸部150の突出部151の側面は、図6に示すように、バルブシート径方向の外側へ進むにしたがって、基準外周面の面方向に反り返る反り面157を有する。
窪み部152は、図6に示すように、バルブシート軸方向において突出部151に隣接する。また、基底面150Aは、窪み部152の一部を構成する。したがって、基底面150Aが拡張部156により覆い被される場合、窪み部152の少なくとも一部もまた拡張部156により覆い被される。
次に、図7を参照して、バルブシート径方向における粗面領域15に対向する側から粗面領域15の表面を光学装置18によりスキャンして得られる仮想的な表面形状159(以下、仮想表面形状と呼ぶ。)について説明する。光学装置として、例えば、ワンショット3D形状測定機(株式会社キーエンス)が一例として挙げられる。仮想表面形状159は、粗面領域15における実際の表面形状とは異なる部分がある。
(式1):0<A2/A1<1
次に、本願発明者は、測定用バルブシートとして、バルブシート1の外周面14に、図8(A)に示すような三角形状の粗面領域15を形成したものを複数用意した。そして、本願発明者は、測定用バルブシートに2種類の粗面領域15を形成した。2種類の粗面領域15のうち一方は、図8(B)に示すように、突出部151の基底面150Aからの高さT3(μm)が一定になるようにレーザー加工を行った態様のもの(以下、平面タイプ粗面領域と呼ぶ。)で、他方は、図8(C)に示すように、三角形の底辺15Fから三角形の頂点15Dに進むにしたがって突出部151の基底面150Aからの高さが直線状に減少するようにレーザー加工を行った態様のもの(以下、傾斜面タイプ粗面領域と呼ぶ。)である。なお、平面タイプ粗面領域には、厳密には高さT3(μm)が一定にならないようなものも含まれ、例えば、図4(B)に示すバルブシート径方向の高さ(深さ)が様々な突出部151(窪み部152)が混在するような粗面領域も含まれる。
測定用バルブシートにおける平面タイプ粗面領域のG-Gライン上の仮想表面形状159をワンショット3D形状測定機(株式会社キーエンス)により測定すると、例えば、図9に示すような結果が得られる。そして、図9の外側実部領域150B側の数値150BBは、外側実部断面積A1を表し、内側窪み領域150C側の数値150CBは、内側窪み断面積A2を表す。図9では、外側実部断面積A1は12165(μm2)、内側窪み断面積A2は8790(μm2)である。したがって、外側実部断面積A1と内側窪み断面積A2の和を総面積とした場合、総面積に対する外側実部断面積A1の比率(以下、外側実部断面積比率と呼ぶ。)は、58.1(%)となる。また、総面積に対する内側窪み断面積A2の比率(以下、内側窪み断面積比率と呼ぶ。)は、41.9(%)となる。この場合、A2/A1≒0.72となる。
図10(A)に示す表1は、本願発明者によって5つの測定用バルブシートそれぞれに形成された平面タイプ粗面領域(表1の(1)~(5))の仮想表面形状の測定結果である。外側実部断面積比率は、平均72.3(%)となる。また、内側窪み断面積比率は、平均27.7(%)となる。この場合、A2/A1≒0.38となる。
図12(A)に示す表10は、本願発明者によって4つの測定用バルブシートそれぞれに形成された傾斜面タイプ粗面領域(表10の(1)~(4))の仮想表面形状の測定結果である。外側実部断面積比率は、平均89.7(%)となる。また、内側窪み断面積比率は、平均10.3(%)となる。この場合、A2/A1≒0.11となる。
A2/A1の値が1に近ければ近いほど、拡張部156を有する突出部151の数が少ない。言い換えると、拡張部156により覆い被されている窪み部152の数が少ない。以上の<平面面タイプ粗面領域の仮想表面形状の測定結果>および<傾斜面タイプ粗面領域の仮想表面形状の測定結果>の測定結果からすると、平均値ベースでA2/A1の最大値は、略0.57(図10(D)に示す表4に対応)であった。したがって、A2/A1は、以下の(式2)を満たす。
(式2):0<A2/A1<3/4
次に、図13を参照して、バルブシート1の加工前における素材であるバルブシート素材9(図13の太線部分参照)について説明する。本実施形態においてバルブシート素材9の軸方向延在面領域は、バルブシート1の軸方向延在面領域130と共通する。また、本実施形態においてバルブシート素材9の傾斜面領域131Aは、図13に示すように、バルブシート1の傾斜面領域131よりもバルブシート軸方向の長さが長い。したがって、バルブシート素材9は、図13に示すように、バルブシート1よりもバルブシート軸方向の長さが長い。また、バルブシート素材9の傾斜面領域131Aは、図13に示すように、2つの傾斜面により構成されている。
2 シリンダヘッド
7 バルブ
8 保持領域
8A 接触表面部
9 バルブシート素材
10 中心軸
11 奥側開口
12 手前側開口
13 内周面
14 外周面
15 粗面領域
18 光学装置
130 軸方向延在面領域
131,131A 傾斜面領域
140 仮想円筒面(基準外周面)
150 凹凸部
150A 基底面
150B 外側実部領域
150BA,150CA 周囲輪郭
150BB,150CB 数値
150C 内側窪み領域
151 突出部
152 窪み部
152C 被覆部分
155 基部
156 拡張部
157 反り面
159 仮想表面形状
A1 外側実部断面積
A2 内側窪み断面積
Q バルブシート周方向
Y 圧入方向
Claims (2)
- 内燃機関用のシリンダヘッドに圧入されるバルブシートであって、
自身の外周面に、凹凸部を有する粗面領域が有る部分と、前記粗面領域が無い部分を備え、
前記粗面領域が無い部分の前記外周面を延長した円筒面を基準外周面と定義し、
前記バルブシートの径方向における前記粗面領域に対向する側から前記粗面領域の表面を光学手段によりスキャンして得られる仮想表面形状を前記粗面領域が有するものと仮定したとき、
前記凹凸部は、前記基準外周面から前記径方向の外側に飛び出す実部となる外側実部領域、及び、前記基準外周面から前記径方向の内側に凹んで窪みとなる内側窪み領域を有し、
前記バルブシートの軸方向に沿って切った前記粗面領域の断面において、前記外側実部領域の周囲輪郭で囲まれる外側実部断面積A1と、前記内側窪み領域の周囲輪郭で囲まれる内側窪み断面積A2とが以下の条件式を満たすことを特徴とする、
バルブシート。
0<A2/A1<1 - 前記外側実部断面積A1と、前記内側窪み断面積A2とが以下の条件式を満たすことを特徴とする、
請求項1に記載のバルブシート。
0<A2/A1<3/4
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