JP7021851B2 - in vitroで成長させた感染性Plasmodiumスポロゾイト - Google Patents

in vitroで成長させた感染性Plasmodiumスポロゾイト Download PDF

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Description

関連出願への相互参照
この出願は、2014年5月2日に出願された米国仮出願第61/987,834号および2014年6月25日に出願された米国仮出願第62/016,981号(各々の内容は、それらの全体が参考として本明細書に援用される)に対する優先権を主張する。
本発明は、一般に、寄生虫学、マラリア研究およびマラリアワクチン開発の分野に関する。より具体的には、本発明は、ヒト宿主域のPlasmodiumスポロゾイトと、ヒト宿主域の感染性Plasmodium寄生生物の蚊体内発育期(mosquito stage)、特に、スポロゾイト期までのin vitro培養と、ワクチンおよび他の試薬の免疫原性成分としてのin vitro培養されたPlasmodiumスポロゾイトの使用に関する。
毎年、Plasmodium falciparum(Pf)マラリアは、>2億件の臨床症例、600,000名を超える死亡を引き起こし、アフリカにおける12Bドルを超える国内総生産の損失の原因となる[1~3]。マラリアは、旅行者および軍事要員に対する深刻な懸念でもある。2010~2011年の間に、英国からの旅行者におけるマラリアの症例数は、30%増加した[4]。2011年に、米国は、過去40年間におけるどの年よりも多くのマラリア症例を有した[5、6]。過去150年間の高度マラリア流行地域におけるあらゆる米国軍事行動において、米軍は、敵の砲火よりも多くのマラリアによる死傷者を有した[7]。高度に有効なワクチンは、国際保健市場におけるおよそ25億人の「リスクがある」個体に劇的な影響を有するであろう。
国際社会は現在、殺虫剤を浸透させた蚊帳、殺虫剤および抗マラリア薬の使用によりマラリアを管理するために、毎年およそ20億ドルを費やしている。これは、アフリカに生まれる子供毎に年間およそ80ドルに達し、一部の区域では、この量の5~10倍が費やされている。これらのアプローチは、多くの地域で優れた効果を有している。しかし、薬物および殺虫剤抵抗性は依然として発生しており、このような努力を維持する財政支援者および地方自治体の能力は限られている。高度伝染地域からのマラリアの排除が、新たなツールを必要とすることが明らかである。2010年の論説に記載されている通り、高度に有効なワクチンは、世界中でマラリアの予防、管理および排除のための理想的なツールとなるであろう:
「いずれかの感染性疾患を真に克服したことがある唯一のツール:有効で…手頃なワクチンが、依然として必要とされている…そこで、世界的なマラリア共同体は、あまりにも現状に甘んじていた…GlaxoSmithKlineの…RTS,SプラスアジュバントAS01は、中程度かつ期限付きの有効性を有する第一世代の前赤内期(pre-erythrocyte-stage)ワクチンである…我々は、次世代…ワクチンをさらに20年間待つ余裕がない…。」
- 匿名、The Lancet、2010年4月24日
また、2011年のmalERA発議報告に記載されている通り、理想的なワクチンは、寄生生物が肝臓から血流へと出ることを予防し、これにより疾患および伝播を予防する前赤内期ワクチンとなるであろう[8]。これは、「マラリア伝播を中断するワクチン」(「VIMT」)と命名された。
Glaxo Smith Klineは、組換えタンパク質(B型肝炎表面抗原とPfスポロゾイト周囲タンパク質(CSP)の一部とを融合)と強力なアジュバント(AS01)を使用する、RTS,S/AS01と命名されたワクチン候補を開発した。5~27月齢のヒトにおける近年の第3相治験[9~12]は、1年間のマラリアの発生率の36%低下と、最初の1年間にマラリアに感染した比率の56%低下と、最初の1年間の重篤マラリアの47%低下を実証した。残念ながら、乳児における結果はそれほど強くなかった。6~12週齢のヒトにおいて、ワクチンは、1年間のマラリアの発生率の16%低下と、最初の1年間にマラリアに感染した比率の31%低下と、最初の1年間の重篤マラリアの36%低下(処置する意図による26%)を実証した。これらの結果は、期待外れと呼ばれ、このワクチンを高度に有効またはVIMTとは認定しないであろう。
ここ10年間、高度に有効なVIMTマラリアワクチンの開発の焦点は、一部には、ワクチン免疫原としてのPlasmodiumの寄生生物全体、スポロゾイト(SPZ)期の利用へとシフトした。国立アレルギー感染病研究所(National Institute of Allergy and Infectious Disease)(NIAID)のワクチン研究センター(Vaccine Research Center)(VRC)で近年完了した試験において、放射線弱毒化されたPf SPZで構成されたSanaria(登録商標)PfSPZワクチンを静脈内(IV)注射により投与したところ、最高用量を与えた6名のボランティアのうち6名(100%)を保護した。保護有効性(次に高い総用量で6/9名を保護)に関して用量応答があり、Pf SPZに対する抗体の力価および保護の間に有意な相関があった。したがってSanaria(登録商標)PfSPZワクチンは、ヒトにおいて証明できるほどに強力かつ高度に保護性である。これらの歴史的な結果は、2013年8月にScienceにオンラインで、2013年9月に印刷物で発表された[13]。
SPZは、クロロキン等の無性赤血球期抗マラリア薬の存在下で生きた感染性Plasmodium SPZが投与される、Sanaria(登録商標)PfSPZ-CVacと呼ばれるワクチン接種のための感染および処置アプローチの寄生生物成分としても使用されている[14]。
最後に、生きた感染性Pf SPZは、マラリアワクチンおよび他の治療法を検査するための手段として、管理されたヒトマラリア感染(CHMI)のために使用されている[15、16]。
蚊から抽出された唾液腺から調製されたおよび培養で成長した、実質的に精製されたPlasmodiumスポロゾイトは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,043,625号に記載されている。
現在、上述のワクチンおよび試薬に使用される寄生生物Pf SPZ全体は、無菌的Anopheles蚊を飼育し、これに無菌的Pf生殖母細胞を感染させ、Pf寄生生物を、蚊の中でin vivoでスポロゴニーを経てスポロゾイト期へと進行させ、続いて蚊から唾液腺を手作業で解剖し、無菌的スポロゾイトを単離および精製することにより得られた(米国特許第7,229,627号;米国特許第8,367,810号)[17]。この製造アプローチは、これらの産物の全臨床治験における使用のために十分な量の生きた無菌的精製Pf SPZを産生することができるが、この方法論は、労働集約的であり、昆虫飼育管理および寄生生物解剖のために相当な資源を必要とする。特に、蚊の唾液腺からの解剖は、ヒト宿主域のPf SPZおよび他のPlasmodium種SPZの産生における技術的で時間のかかるステップである。
Plasmodium寄生生物発達の蚊宿主期を図1に示す。in vitroでPlasmodium生活環の無性部分(脊椎動物宿主期)を樹立するための努力は成功したが[18]、有性(蚊宿主期)およびスポロゴニー部分でこれを達成するための相当な努力が為されたものの、ヒト宿主域の臨床的に関連した感染性Plasmodiumスポロゾイト、特に、Pf SPZを産生するためのこのような努力は不成功であった。P.gallinaceum(鳥類宿主域)およびPfオーキネートのin vitro変態は、少数のオーシストおよびSPZをもたらしたが、これらのスポロゾイトの感染性は実証されなかった[19~20]。P.berghei(齧歯類宿主域)のin vitro変態は、オーシストおよびSPZを産生したが、SPZは、蚊由来のSPZよりもはるかに低い感染性であった[21]。
米国特許第7,229,627号明細書 米国特許第8,367,810号明細書
Sachs Jら、Nature(2002)415:680~685 Murray CJら、Lancet(2012)379:413~431
生殖母細胞期からスポロゾイト期までのスポロゴニーが蚊に対して外側にある、ヒト宿主域のin vitro飼育された感染性Plasmodiumスポロゾイト(SPZ)、特に、Plasmodium falciparum(Pf)SPZが本明細書で提供される。一部の実施形態では、in vitro飼育された感染性Plasmodiumスポロゾイトは、いかなる付随する蚊材料もない。
ヒト宿主域のin vitro飼育されたPlasmodium寄生生物、特に、Pf寄生生物であって、in vitroでスポロゴニー発達を起こした前記寄生生物の培養物がさらに提供される。一部の実施形態では、培養物は、いかなる付随する蚊材料もない。
ヒト宿主域のPlasmodiumスポロゾイトを前記スポロゾイトのスポロゴニー発達の間にin vitroで培養する方法であって、赤血球細胞の存在下で、鞭毛放出培養培地においてヒト宿主域Plasmodium生殖母細胞を培養するステップと、レクチンを使用して赤血球細胞を凝集させるステップと、接合子、配偶子、生殖母細胞および凝集細胞を含む混合物(例えば、ペレット)を収集するステップと、収集された混合物(例えば、ペレット)を、マトリックスを含む担体(substrate)上でオーキネート培養培地において培養するステップと、培地を交換し、オーシスト培地において培養を続けるステップと、これにより産生されたPlasmodiumスポロゾイトを回収するステップとを含む方法がさらに提供される。
蚊における等しい数のヒト宿主域Plasmodium生殖母細胞からのオーシスト産生と比べて、ヒト宿主域Plasmodiumオーシストの産生を増加させるための方法であって、鞭毛放出培養培地においてヒト宿主域Plasmodium生殖母細胞を培養するステップと、接合子、配偶子、生殖母細胞および凝集細胞を含む混合物(例えば、ペレット)を収集するステップと、収集された混合物(例えば、ペレット)を、マトリックスを含む担体上でオーキネート培養培地において培養するステップと、培地を交換し、オーシスト培地において培養を続けるステップと、Plasmodiumオーシストの数を定量化するステップとを含み、等しい数のPlasmodium生殖母細胞から蚊において発達した同じ種のオーシストと比較して、in vitroで発達したより多くのオーシストを産生する前記方法も提供される。
Plasmodium種特異的抗原に対する被験体における免疫応答を誘導する方法であって、ヒト宿主域のPlasmodium飼育されたスポロゾイトを被験体に投与するステップを含む方法も提供される。
ヒト宿主域のin vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイトを含むワクチン組成物も提供される。一部の実施形態では、ワクチンは、いかなる付随する蚊材料もない。
本明細書に開示されている本発明は、例えば、次の新機軸を提供する:i)蚊において発達し、かつ等しい数のステージV生殖母細胞に由来する同じPlasmodium種のオーシストと比較して、in vitroで発達した平均39倍多いオーシストの達成;ii)in vitro飼育された感染性Pf SPZの産生;およびiii)蚊で産生されたPf SPZと少なくとも同じほど効率的な、in vitro産生されたPf SPZによるヒト肝臓細胞の感染性の到達。
本研究は、所定の数の生殖母細胞からin vitroで産生されたPf SPZの量と、in vitro産生されたPf SPZの完全に機能的な感染活性の実証とにおいて固有であるように際立つ。例えば、本明細書において、in vitro産生されたPf SPZが、ヒト肝細胞細胞株HC-04への侵入[24、25]および感染性を実証するタンパク質であるメロゾイト表面タンパク質1(Pf MSP1)を発現するシゾントへの発達に成功したことが記載されており;このin vitro感染性が、蚊で産生されたPf SPZと少なくとも同じほど効率的であったことが実証された。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
生殖母細胞期からスポロゾイト期までのスポロゴニーが蚊に対して外側にある、ヒト宿主域のin vitro飼育された感染性Plasmodiumスポロゾイト。
(項目2)
いかなる付随する蚊材料もない、項目1に記載のin vitro飼育された感染性Plasmodiumスポロゾイト。
(項目3)
蚊において飼育されたヒト宿主域のPlasmodiumスポロゾイトの少なくとも70%、80%または90%のヒト肝細胞感染性である、項目1または2に記載のin vitro飼育された感染性Plasmodiumスポロゾイト。
(項目4)
無菌的である、項目1~3のいずれかに記載のin vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイト。
(項目5)
薬学的使用に適する、項目4に記載のin vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイト。
(項目6)
前記Plasmodiumスポロゾイトの種が、P.falciparumである、項目1~5のいずれかに記載のin vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイト。
(項目7)
ヒト宿主域のin vitro飼育されたPlasmodium寄生生物の培養物であって、前記寄生生物が、in vitroでスポロゴニー発達を起こした培養物。
(項目8)
前記寄生生物が、発達のスポロゾイト期に達した、項目7に記載の培養物。
(項目9)
前記スポロゾイト期寄生生物が、蚊において飼育された同じ種のヒト宿主域Plasmodiumスポロゾイトの少なくとも70%、80%または90%のヒト肝細胞感染性である、項目8に記載の培養物。
(項目10)
無菌的である、項目7~9のいずれかに記載の培養物。
(項目11)
前記スポロゾイト期寄生生物が、薬学的使用に適する、項目10に記載の培養物。
(項目12)
ヒト宿主域の前記Plasmodiumの種が、P.falciparumである、項目7~11のいずれかに記載の培養物。
(項目13)
等しい数のステージV生殖母細胞から蚊において発達した同じPlasmodium種のオーシストと比較して、少なくとも10~20、10~30、10~39または10~40倍多いオーシストが、in vitroで発達する、項目7~12のいずれかに記載の培養物。
(項目14)
ヒト宿主域の感染性Plasmodiumスポロゾイトの培養物であって、いかなる付随する蚊材料もない培養物。
(項目15)
前記Plasmodiumスポロゾイトが、蚊において飼育された同じ種のヒト宿主域Plasmodiumスポロゾイトの少なくとも70%、80%または90%のヒト肝細胞感染性である、項目14に記載の培養物。
(項目16)
前記Plasmodiumスポロゾイトが、無菌的である、項目14または15に記載の培養物。
(項目17)
前記Plasmodiumスポロゾイトが、薬学的使用に適する、項目16に記載の培養物。
(項目18)
前記Plasmodiumスポロゾイトの種が、P.falciparumである、項目14~17のいずれかに記載の培養物。
(項目19)
ヒト宿主域のPlasmodiumスポロゾイトを前記スポロゾイトのスポロゴニー発達の間にin vitroで培養する方法であって、
a.赤血球細胞の存在下で、鞭毛放出培養培地においてヒト宿主域Plasmodium生殖母細胞を培養するステップと、
b.レクチンにより前記赤血球細胞を凝集させるステップと、
c.接合子、配偶子、生殖母細胞および凝集した赤血球細胞を含む混合物を収集するステップと、
d.マトリックスを含む担体上で、オーキネート培養培地において前記混合物を培養するステップであって、オーキネート期寄生生物が、前記マトリックスに浸透するステップと、
e.前記オーキネート培地をオーシスト培地に交換するステップと、
f.これにより産生されたPlasmodiumスポロゾイト期寄生生物を回収するステップと
を含む、方法。
(項目20)
前記Plasmodiumスポロゾイトの種が、P.falciparumである、項目19に記載の方法。
(項目21)
蚊における同じ種の等しい数のヒトPlasmodium生殖母細胞からのオーシスト産生と比べて、ヒト宿主域Plasmodiumオーシストの産生を増加させるための方法であって、
a.赤血球細胞の存在下で、鞭毛放出培養培地においてヒト宿主域Plasmodium生殖母細胞を培養するステップと、
b.レクチンにより前記赤血球細胞を凝集させるステップと、
c.接合子、配偶子、生殖母細胞および凝集した赤血球細胞を含む混合物を収集するステップと、
d.マトリックスを含む担体上で、オーキネート培地においてステップcの前記混合物を培養するステップであって、前記寄生生物が、オーキネートへと分化し、前記オーキネートが、前記マトリックスに進入し、オーシスト期へと分化するステップと、
e.前記オーキネート培地をオーシスト培養培地と置き換えるステップと、
f.ヒト宿主域のオーシスト期Plasmodium寄生生物を定量化するステップと
を含み、
g.等しい数のヒト宿主域Plasmodium生殖母細胞から、蚊において発達した同じ種のオーシストと比較して、in vitroで発達したヒト宿主域のより多くのPlasmodiumオーシストを産生する、方法。
(項目22)
前記Plasmodiumオーシストの種が、P.falciparumである、項目21に記載の方法。
(項目23)
項目1~6のいずれかに記載のin vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイトを含むワクチン組成物。
(項目24)
Plasmodium特異的抗原に対する被験体における免疫応答を誘導する方法であって、項目1~6のいずれかに記載のin vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイトまたは項目23に記載のワクチンを前記被験体に投与するステップを含む、方法。
図1は、蚊におけるPlasmodium falciparumのスポロゴニー発達を図解する。
図2A~図2Bは、in vitroで産生されたPlasmodium falciparumの接合子後期発達の試料画像を提示する。(A)は、初期レトルト(retort)、中期レトルトおよび後期レトルト(左から右)を示し、(B)は、成熟オーキネートを示す。寄生生物は、誘導18日後の生殖母細胞培養物から採取した。初期レトルトが先ずオーキネート培養開始後約14時間で、オーキネートが24時間目から観察される。培養物のギムザ染色されたスメアを示した。
図3A~図3Bは、グリコホリンAおよびPfs25に対する抗体を使用した、(A)生殖母細胞および(B)オーキネートの免疫染色を示す。グリコホリンA(白矢印は赤色染色を指す)およびPfs25(黒矢印は緑色染色を指す)に対する抗体。
図4は、in vitroで発達するPfオーシストのIFAおよび明視野像を示す。抗Pfs25および抗PfCSP mAbを使用したIFAによって検出される3日目(上パネル)および8日目(下パネル)のオーシストを示す。8日間培養物をIFAのために透過処理した。8日目のオーシストにおける点状染色は、出芽Pf SPZを示唆する。中央パネルは、培養において発達する7~8日目のオーシストを示す。矢印は、オーシストを示す。
図5A~図5Bは、(A)in vitroおよび(B)マーキュロクロム染色された蚊中腸における7日目のオーシストを示す。
図6A~図6Bは、in vitro産生されたPf SPZを示す:(A)ウェルの固定後に検出された、培養ウェルにおいて発達したPf SPZおよび(B)抽出されたPf SPZ。両者共に、蛍光標識された抗Pf CSP mAbを使用したIFAによって検出された。
図7は、in vitro 3D培養系の例を図解する。
図8A~図8Cは、遠心分離によって抽出された、トランズウェルインサート(transwell insert)改変3Dマトリックス由来のオーシストの試料画像を示す:(AおよびB)定量化に使用されるセロメーター(cellometer)におけるオーシストの位相差像および(C)蛍光標識された抗Pf CSP mAbを使用した、懸濁液(透過処理なし)における抽出されたオーシストのIFA。
図9A~図9Bは、HC-04細胞におけるin vitro産生されたおよび蚊で産生されたPf SPZの発達を示す。(A)in vitro産生されたPf SPZ(上部パネル)または(B)蚊で産生された、無菌的、精製、凍結保存されたPf SPZ(下部パネル)感染後の、HC-04細胞における6日肝臓期(6 day liver stage)の共焦点顕微鏡像。
定義
本明細書において、寄生生物発達に関する「in vitro」とは、インタクトな宿主生物(宿主生物全体とも称される)に依存せず、かつそれに対して外側を意味する。例えば、ヒト宿主域のPlasmodium寄生生物のin vitro発達は、生きた動物宿主、例えば、蚊に対して外側かつそれに依存しない発達ステージを経て進む寄生生物の培養を含む。
本明細書において、「飼育する」または「飼育された」は、Plasmodium成長および発達の整然とした個体発生的進行の促進および支持を意味する。
本明細書において、「スポロゴニー」(またはスポロゴニー発達)は、生殖母細胞からスポロゾイトへの特徴的な有性期を経た、Plasmodium発達の整然とした個体発生的進行を意味する。
本明細書において、「ヒト宿主域のPlasmodium種」(ヒト宿主域Plasmodium種、ヒト宿主域のPlasmodium寄生生物およびヒト宿主域Plasmodium寄生生物と互換的に使用)は、次の種のPlasmodiumを含む:P.falciparum、P.vivax、P.ovale、P.malariaeおよびP.knowlesi。
本明細書において、「培養」は、ヒト宿主域のin vitro飼育されたPlasmodium寄生生物の文脈において、培地およびヒト宿主域のPlasmodium寄生生物を含む、生きた動物宿主(例えば、蚊)に対して外側の系を意味する。ある特定の実施形態では、培養は、担体をさらに含む。
「担体」は、本明細書において、成長表面を意味する。一部の実施形態では、担体は、例えば、ポリスチレンマトリックスおよび/またはマトリゲルを含む細胞培養マトリックスを含む[27、28]。
「培地」は、本明細書において、栄養素組成物を意味する。ある特定の実施形態では、培地は、例えば、血液摂取後の蚊の管腔条件を模倣することにより、生殖母細胞からの配偶子の出現を容易にする鞭毛放出培地であり、これは続いて、受精を起こして接合子となる。ある特定の実施形態では、培地は、接合子からオーキネートへの分化を容易にするオーキネート培地である。ある特定の実施形態では、培地は、スポロゾイト期へのin vitroスポロゴニーのための栄養素を提供するオーシスト培地である。
「ヒトの薬学的使用に適した」は、本明細書において、例えば、FDAまたはUSP標準に従って許容できる、ヒトにおける認可された臨床使用に十分な量、滅菌性(無菌性)および純度を有することを指す。
「無菌的」は、本明細書において、細菌、真菌、病理学的ウイルスその他等、検出可能な微生物汚染の導入または存在がないことを意味する。スポロゾイト調製の無菌的方法は、スポロゾイトの滅菌調製をもたらす-いかなる他の種類の微生物または感染病原体も含まない。滅菌組成物の無菌的調製は、臨床および薬学的使用に必要とされる。無菌的方法論のモニターに使用される微生物学的アッセイは、汚染の存在または非存在を評価する。そのようなものとして、参照により本明細書に組み込まれる、微生物限度試験、現行のUSP<61>および滅菌性検査、現行のUSP<71>が挙げられるがこれらに限定されない。
「付随する材料」は、本明細書において、培地もしくは培地成分またはキャリアもしくは賦形剤ではない、それ自体スポロゾイトに特異的ではない、スポロゾイトの培養物または調製物における材料を指す。ある特定の実施形態では、付随する材料は、例えば、生物学的残渣を含む。一部の実施形態では、付随する材料は、スポロゾイトが産生される手段の結果である。
「付随する蚊材料」は、本明細書において、蚊に由来し、これに特異的な、生物学的材料または残渣である。
「防御免疫を付与する」は、本明細書において、攻撃後に、宿主における疾患の臨床的症状発現、病理学または症状が、無処置宿主と比較して低下されるような、あるいは感染または疾患の臨床的症状発現、病理学もしくは症状が集団内に現れる比率が、無処置集団と比較して低下されるような、集団または宿主(すなわち、個体)に、病原体(例えば、Plasmodium falciparum)に起因する疾患(例えば、マラリア)に対し防御的な免疫応答を生じる能力を与えることを指す。
本明細書における「免疫応答」は、Plasmodium特異的抗原の文脈において、抗体および/または細胞性免疫応答の産生によって一般に特徴付けられるがこれらに限定されない、レシピエントにおけるスポロゾイトの導入に対する応答を意味する。一般に、免疫応答は、Plasmodium種エピトープに特異的なCD4+T細胞もしくはCD8+T細胞の誘導または活性化等の細胞性応答、Plasmodium特異的抗体の産生増加の液性応答、または細胞性および液性応答の両方となり得る。マラリアワクチンに関して、スポロゾイトを含むワクチンによって確立される免疫応答として、寄生生物が宿主細胞、特に、肝細胞および樹状細胞等の単核細胞に進入した後の、細胞外スポロゾイトもしくは他のステージの寄生生物によって発現されるタンパク質に対するおよび/または前記寄生生物の成分に対する応答が挙げられるがこれらに限定されない。本発明の実施形態では、免疫応答は、スポロゾイト特異的抗原に対する測定可能な抗体および/または細胞性応答である。他の実施形態では、感染性生物によるその後の攻撃後に、免疫応答は、疾患を引き起こす赤血球期への病原性寄生生物の発達を予防する。
「ワクチン」は、本明細書において、賦形剤、アジュバントおよび/または添加物または保護剤と組み合わせる可能性がある、免疫原性作用物質および薬学的に許容される希釈剤を含む調製物である。免疫原は、感染病原体全体または感染病原体の分子サブセット(感染病原体によって、合成によりまたは組換えにより産生)で構成されていてよい。ワクチンが被験体に投与されると、免疫原は、免疫応答を刺激し、これは、感染病原体によるその後の攻撃後に、疾病から被験体を保護する、または該病原体によって引き起こされる病理学、症状もしくは臨床的症状発現を軽減する。治療(処置)ワクチンは、感染後に与えられ、疾患進行の低下または抑止が企図される。予防(予防法的)ワクチンは、初期感染の予防または感染の比率もしくは負荷の低下が企図される。マラリア等の寄生虫病に対するワクチンにおいて使用される因子は、死滅した(不活性)寄生生物全体、生きた寄生生物、生きた弱毒化された寄生生物(その生活環を十分に進行することができない)または寄生生物に関連する精製もしくは人工的に製造された分子-例えば、組換えタンパク質、合成ペプチド、Plasmodiumタンパク質を発現するDNAプラスミドおよび組換えウイルスまたは細菌となり得る。ワクチンは、当業者であれば容易に理解できる通り、賦形剤、希釈剤、キャリア、保存料、アジュバントもしくは他の免疫強化薬またはこれらの組合せ等、他の成分と共にスポロゾイトを含むことができる。
「弱毒化」は、本明細書において、その正常な生活環を完了する能力を失うような、むしろ、発達の特定のステージで停止するような、Plasmodium寄生生物等、生物の遺伝子変更または突然変異を意味する。本発明のPlasmodium生物において、弱毒化された突然変異体が、宿主に感染し、肝臓内の肝細胞に侵入する能力を保持するが、肝臓期において発達を停止するように、放射線弱毒化または遺伝的に弱毒化された寄生生物(GAP)の1種または複数の遺伝子の機能が破壊される。
「肝細胞侵入」は、本明細書において、宿主の循環器系への初期導入後に、特定の標的細胞、この場合は、培養における肝細胞[24、25]またはin vivoの肝性細胞のいずれかの宿主肝細胞を探し出し、これに進入する、スポロゾイト期のPlasmodium寄生生物の能力を指す。続いて、非弱毒化寄生生物は、さらなるステージ特異的発達を起こすであろう。
「代謝的に活性」は、本明細書において、生きており、維持的機能およびいくつかの生活環過程を行うことができることを意味する。弱毒化スポロゾイトに関して、このようなものとして、肝臓内でいくつかの発達ステージを経て分裂および進行する限定的な能力を潜在的に有する、培養およびin vivoの肝細胞に侵入することができ、そしてステージ特異的タンパク質のde novo発現ができるスポロゾイトが挙げられるがこれらに限定されない。
in vitroスポロゾイト
in vitro飼育された生きた感染性スポロゾイト、特に、Plasmodiumスポロゾイト-弱毒化されたスポロゾイトおよび病原性スポロゾイトの組成物が開示されている。ある特定の実施形態では、本願は、生殖母細胞期からスポロゾイト期までのスポロゴニーが蚊に対して外側にある、ヒト宿主域のin vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイトの培養物を対象とする。一部の実施形態では、in vitro飼育された感染性Plasmodiumスポロゾイトは、いかなる付随する蚊材料もない。ある特定の実施形態では、生殖母細胞期からスポロゾイト期までのスポロゴニーは、蚊に対して外側で発生した。
一部の実施形態では、in vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイトは、ヒト肝細胞に対して、蚊において飼育されたヒト宿主域のPlasmodiumスポロゾイトの少なくとも70%、80%または90%の感染性である。一部の実施形態では、in vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイトは、ヒト肝細胞に対して、蚊において飼育されたヒト宿主域のPlasmodiumスポロゾイトの70~100%、80~100%または90~100%の間の感染性である。一部の実施形態では、感染性は、in vitroまたはin vivoで測定される。
一部の実施形態では、感染性は、HC-04(1F9)細胞(ヒト肝性細胞株)に感染し[24、25]、PfMSP-1を発現する後期肝臓期寄生生物へと発達する[15]in vitro Pf SPZの能力の決定に使用される、in vitro Pf 6日間肝細胞効力アッセイを使用して測定される。斯かる方法の例として、次のものを挙げることができる:
a.ECLコーティングされたLab-Tekスライドの細胞培養および播種。8ウェルPermanox Lab-Tekチャンバースライドを、ECL細胞付着マトリックスで1~2時間、37±2℃でコーティングする。HC-04(1F9)細胞を完全DMEM/F-12培地(CM)で希釈して、ウェル当たり0.3mLにおける4×10の生存可能な細胞で播種する。洗浄し、24±4時間、37±2b℃および5±2%COでインキュベートする;
b.感染およびウェル当たりの添加したSPZの数の計算:in vitro産生されたPfスポロゾイトを2分間、13,200rpm(相対遠心力16,100)、22±2℃で、固定角ローターを使用して遠心分離する。上清を廃棄し、ペレットをCMに再懸濁する。Lab Tekスライドの各ウェルから培地を吸引し廃棄する。50μLのin vitro SPZ懸濁液/ウェルを3連で添加する。感染スポロゾイト懸濁液をCMにおいて1:10希釈し、セロメーターおよび位相差顕微鏡を使用して、スポロゾイトの数を計数し、ウェル当たりの添加したSPZの数を計算する。チャンバースライドを37±2℃および5±2%COで3時間±10分間インキュベートする。対照ウェルをPf SPZで汚染しないように慎重に、1000μLピペットチップを使用して、各ウェルからスポロゾイトを含有する過剰な培養培地を穏やかに吸引することにより、単層を0.3mL DMEM/F-12完全培地で3回洗浄する。最終洗浄後に、各ウェルに0.3mLのDMEM/F-12完全培地を添加する;
c.培養物の維持:培養培地を毎日交換して、肝臓期の成功裏の発達および培養物の維持を確実にする。感染6日後にチャンバースライド培養物を氷冷メタノールで固定する。4±2℃で貯蔵する;
d.間接免疫蛍光アッセイ(IFA)のための染色:スライドからPBSを廃棄し、続いて各ウェルに2~3滴のイメージiT-FXシグナルエンハンサーを添加し、37±2℃で30±3分間インキュベートする。イメージエンハンサー溶液を廃棄し、培養物をPBSで3回洗浄する。100μLの希釈された抗PfMSP-1モノクローナルマウス抗体を3連のウェルに添加し、37±2℃で60~70分間インキュベートする。インキュベーション期間の終わりに、抗体溶液を廃棄し、PBSで洗浄する。Alexa Fluor 488抗マウスIgGを、0.02%エバンスブルー入りのPBSにおいて1:200希釈する。100μLの希釈されたAlexa 488抗マウスIgGを3連のウェルに添加する。スライドを37±2℃で60~70分間インキュベートする。DAPI入りのVectashieldマウント用媒体を使用して、カバーガラスをマウントし、観察時まで光を避けて2~8℃で貯蔵する;および
e.Pf肝臓期の評価および数え上げ:400×倍率の落射蛍光顕微鏡を使用して、抗体反応性を示すPf肝臓期/ウェルの数を評価および記録する。全3個のウェルにおける肝臓期寄生生物の数を計数し、平均を報告する。
一部の実施形態では、in vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイトは、無菌的である。一部の実施形態では、in vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイトは、宿主生物、例えば、蚊(宿主蚊の唾液腺から解剖されたスポロゾイトによる場合のように)由来の付随する材料による汚染のリスクが低下している。
一部の実施形態では、in vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイトは、ヒト宿主域のものである。一部の実施形態では、in vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイトの種は、P.falciparumである。
一部の実施形態では、in vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイトは、薬学的使用に適する。一部の実施形態では、in vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイトは、ワクチンにおいて使用される。一部の実施形態では、in vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイトは、弱毒化される。
in vitro飼育されたPf SPZは、培養物におけるヒト肝細胞に侵入し、そこで発達するその能力に関して検査される。in vitro飼育されたPfSPZは、Pf生活環を完了する能力に関してin vivoで検査することもできる。これは、ヒト血液を輸血したヒト肝臓キメラマウスを使用することにより行うことができる。
培養物
ある特定の実施形態では、本願は、ヒト宿主域のin vitro飼育されたPlasmodium寄生生物の培養物を対象とし、前記寄生生物は、in vitroでスポロゴニー発達を起こしているか、またはそれを起こした。
ある特定の実施形態では、培養物は、スポロゴニー発達の等価なステージにおけるヒト宿主域のPlasmodium寄生生物を含む。ある特定の実施形態では、培養物は、ヒト宿主域のPlasmodium寄生生物の継続的なスポロゴニー発達を維持することができる。
一部の実施形態では、寄生生物は、発達のスポロゾイト期に達した。一部の実施形態では、ヒト宿主域のin vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイトは、蚊において飼育された同じ種のPlasmodiumスポロゾイトの少なくとも70%、80%または90%の肝細胞感染性である。一部の実施形態では、ヒト宿主域のin vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイトは、蚊において飼育された同じ種のPlasmodiumスポロゾイトの70~100%、80~100%または90~100%の間のヒト肝細胞感染性である。一部の実施形態では、感染性は、HC-04細胞の培養物において測定され、一部の実施形態では、感染性は、in vivoの肝臓感染により測定される。
一部の実施形態は、ヒト宿主域のin vitro飼育された感染性Plasmodiumスポロゾイトの培養物を対象とし、前記培養物は、いかなる付随する蚊材料もなく、前記in vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイトは、ヒト宿主域の同じ種の、蚊において飼育されたPlasmodiumスポロゾイトの少なくとも70%、80%または90%のヒト肝細胞感染性である。一部の実施形態では、in vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイトは、ヒト宿主域の同じ種の、蚊において飼育されたPlasmodiumスポロゾイトの70~100%、80~100%または90~100%の間のヒト肝細胞感染性である。
一部の実施形態では、培養物は、例えば、血液摂取後の蚊の管腔条件を模倣することにより、生殖母細胞からの配偶子の出現を容易にする、第1の(鞭毛放出と称される)培地を含む。一部の実施形態では、鞭毛放出培地は、ウシ胎仔血清(FBS)、グルコース、重炭酸ナトリウムおよびキサンツレン酸(xanthruenic acid)を含む。一部の実施形態では、鞭毛放出培地は、10~30%、15~25%または18~22%FBSを含む。一部の実施形態では、鞭毛放出培地は、0.05%~0.5%、0.075%~0.5%または0.075%~0.25%グルコースを含む。一部の実施形態では、鞭毛放出培地は、0.05%~0.5%、0.075%~0.5%または0.075%~0.25%重炭酸ナトリウムを含む。一部の実施形態では、鞭毛放出培地は、0.01%~0.05%、0.01%~0.04%または0.02%~0.04%キサンツレン酸を含む。一部の実施形態では、鞭毛放出培地は、FBS、0.05%~0.5%グルコース(例えば、0.1%)、0.05%~0.5%重炭酸ナトリウム(例えば、0.1%)および0.01%~0.05%キサンツレン酸(例えば、0.022%)を含む。
一部の実施形態では、第1の培地が除去され、培養は、接合子からオーキネートへの分化および3Dマトリックス担体へのオーキネートの侵入を容易にする、第2の(オーキネートと称される)培地を含む。一部の実施形態では、オーキネート培地は、FBS、RPMIおよびトレハロースを含む。一部の実施形態では、オーキネート培地は、10~30%、15~25%または18~22%FBSを含む。一部の実施形態では、オーキネート培地は、0.1%~0.5%、0.15%~0.3%または0.2%~0.3%トレハロースを含む。一部の実施形態では、オーキネート培地は、0.1%~0.5%、0.15%~0.3%または0.2%~0.3%デキストロースを含む。一部の実施形態では、オーキネート培地は、0.01%~0.08%、0.02%~0.06%、0.03%~0.05%重炭酸ナトリウムを含む。一部の実施形態では、オーキネート培地は、抗生物質をさらに含む。一部の実施形態では、抗生物質は、ペニシリン、ストレプトマイシンまたはこれらの組合せである。一部の実施形態では、オーキネート培地は、1~50ユニット/mL、1~40ユニット/mL、5~30ユニット/mLまたは10~20ユニット/mLの抗生物質を含む。一部の実施形態では、オーキネート培地は、1~50μg/mL、1~40μg/mL、5~30μg/mLまたは10~20μg/mLの抗生物質を含む。一部の実施形態では、オーキネート培地は、10~30%FBS(例えば、20%)、0.1%~0.5%トレハロース(例えば、0.25%)、0.1%~0.5%デキストロース(例えば、0.25%)、0.01%~0.08%重炭酸ナトリウム(例えば、0.04%)、1~50ユニット/mLペニシリン(例えば、10ユニット/mL)および1~50μg/mLストレプトマイシン(例えば、10μg/mL)を含有するRPMI培地を含む。
一部の実施形態では、第2の培地が除去され、培養は、スポロゾイト期へのPlasmodium寄生生物のin vitroスポロゴニーのための栄養素を提供する、第3の(オーシストと称される)培地を含む。一部の実施形態では、オーシスト培地は、SchneiderのDrosophila培地[26]、FBS、重炭酸ナトリウム、トレハロース、ヒポキサンチン、HEPES、必須アミノ酸、パラ-アミノ安息香酸(PABA)、抗生物質(例えば、ペニシリンおよびストレプトマイシン)、リポタンパク質、コレステロールおよびビタミンを含む。一部の実施形態では、オーシスト培地は、10~30%、15~25%または18~22%FBSを含む。一部の実施形態では、オーシスト培地は、0.01%~0.08%、0.02%~0.06%、0.03%~0.05%重炭酸ナトリウムを含む。一部の実施形態では、オーシスト培地は、0.1%~0.5%、0.15%~0.3%または0.2%~0.3%トレハロースを含む。一部の実施形態では、オーシスト培地は、10~100μg/mL、20~100μg/mL、25~75μg/mLまたは40~60μg/mLヒポキサンチンを含む。一部の実施形態では、オーシスト培地は、0.05M~0.25M、0.075M~0.2Mまたは0.075M~1.5M HEPESを含む。一部の実施形態では、オーシスト培地は、0.01%~0.08%、0.02%~0.06%、0.03%~0.05%PABAを含む。一部の実施形態では、オーシスト培地は、抗生物質をさらに含む。一部の実施形態では、抗生物質は、ペニシリン、ストレプトマイシンまたはこれらの組合せである。一部の実施形態では、オーシスト培地は、1~50ユニット/mL、1~40ユニット/mL、5~30ユニット/mLまたは10~20ユニット/mLの抗生物質を含む。一部の実施形態では、オーシスト培地は、1~50μg/mL、1~40μg/mL、5~30μg/mLまたは10~20μg/mLの抗生物質を含む。一部の実施形態では、オーシスト培地は、0.05%~0.5%、0.075%~0.5%または0.075%~0.25%リポタンパク質を含む。一部の実施形態では、オーシスト培地は、0.05%~0.5%、0.075%~0.5%または0.075%~0.25%コレステロールを含む。一部の実施形態では、オーシスト培地は、SchneiderのDrosophila培地、10~30%FBS(例えば、20%)、0.01%~0.08%重炭酸ナトリウム(例えば、0.04%)、0.1%~0.5%トレハロース(例えば、0.25%)、10~100μg/mLヒポキサンチン(例えば、50μg/mL)、0.05M~0.25M HEPES(例えば、0.1M)、必須アミノ酸(例えば、1×、GIBCO)、0.01%~0.08%パラ-アミノ安息香酸(PABA、例えば、0.04μg/mL)、1~50ユニット/mLペニシリン(例えば、10ユニット/mL)および1~50μg/mLストレプトマイシン(例えば、10μg/mL)、0.05%~0.5%リポタンパク質(例えば、1.5%)、0.05%~0.5%コレステロール(例えば、0.1%)およびビタミン(例えば、1×、GIBCO)を含む。
一部の実施形態では、培養担体は、3D培養マトリックスを含む。一部の実施形態では、3D培養マトリックスは、Drosophila Schneider S2細胞を予め播種される[26]。一部の実施形態では、培養マトリックスは、マトリゲルでコーティングされたポリスチレンマトリックス(例えば、AMS Biotechnology Ltd、UK)を含む[27、28]。例えば、1mg/mLのマトリゲルをポリスチレンマトリックスの上に慎重に重層し、続いて37℃でインキュベーションすることにより、ポリスチレンマトリックスをマトリゲルでコーティングすることができる。一部の実施形態では、培養マトリックスは、ポリスチレンマトリックス、マトリゲルおよびDrosophila Schneider S2細胞を含む。一部の実施形態では、マトリックスは、細胞外マトリックスタンパク質、例えば、ラミニン、コラーゲンまたはこれらの組合せでコーティングされる。
一部の実施形態では、培養物は、無菌的である。一部の実施形態では、培養物に由来するスポロゾイトは、薬学的使用に適する。
Plasmodium寄生生物を培養する方法
Plasmodium寄生生物を培養するおよび/またはin vitro飼育された生きた感染性Plasmodiumスポロゾイトの培養物を作製する方法、ならびにin vitro飼育された弱毒化Plasmodiumスポロゾイトを培養および/またはその組成物を作製する方法が開示されている。
ある特定の実施形態では、本願は、ヒト宿主域のPlasmodium寄生生物を前記寄生生物のスポロゴニー発達の間にin vitroで培養する方法であって、
a.赤血球細胞の存在下で、鞭毛放出培養培地においてヒト宿主域Plasmodium生殖母細胞を培養するステップと、
b.レクチンを使用して赤血球細胞を凝集させるステップと、
c.接合子、配偶子、生殖母細胞および凝集細胞を含む混合物を収集するステップと(一部の実施形態では、これは、遠心分離およびペレットの収集によって達成される)、
d.マトリックスを含む担体上でオーキネート培地において前記混合物を培養するステップであって、前記寄生生物が、オーキネートへと分化し、前記オーキネートが、前記マトリックスに進入し、オーシスト期へと分化するステップと、
e.前記オーキネート培地をオーシスト培養培地と置き換えるステップと、
f.これにより産生されたPlasmodiumスポロゾイト期寄生生物を回収するステップと
を含む方法を対象とする。
例えば、培養するための方法は、(a)鞭毛放出培地にステージV生殖母細胞を懸濁するステップと(1時間)(このステップにおいて、雄性配偶子および雌性配偶子が、小生殖母細胞および大生殖母細胞から出現し、相互作用(受精)して接合子を形成する);(b)レクチン、例えば、コムギ胚芽凝集素、コムギから精製されたレクチンを添加することにより、赤血球を凝集させるステップと(1時間);(c)培養懸濁液を遠心分離して、接合子、赤血球残渣ならびに分化を起こさなかったあらゆる生殖母細胞および配偶子を含有するペレットを収集するステップと;(d)オーキネート培地にペレットを懸濁し、Drosophila Schneider S2細胞を予め播種した3D細胞培養マトリックス[26]に播種するステップとを含むことができる。8ウェル培養プレートまたは他の組織培養バイアルもしくはトランズウェル培養インサートにおけるマトリゲル[27、28]を使用して、3D培養マトリックスを開発した。次に、発達したオーキネートは、運動能力があるため(運動能力がない生殖母細胞、配偶子および接合子とは異なり)、続く20~24時間にマトリックスに侵入する;(e)20~24時間後、トランズウェルインサートまたは8ウェル培養プレートを洗浄して、マトリックスに侵入しなかったあらゆるオーキネートならびに残る生殖母細胞、配偶子および接合子(オーキネートに発達しなかった)を除去し、培養培地をオーシスト培地と置き換える。マトリックス中のオーキネートは、侵入12~24時間後にオーシストへと変態する。(f)2~3日間に1回オーシスト培地を交換する;(g)培養開始後7、8および11日目に、7、8および11日目のオーシストを決定する;(h)培養開始後15、18および21日目に、8ウェルまたはトランズウェル培養プレートから培地を収集し、続いて研和することにより、培地からSPZを回収する。セロメーターを使用して、PfSPZを計数する;次に、6日間肝細胞効力アッセイを使用して効力を決定するために、回収されたSPZをHC-04細胞に播種することができる。
ある特定の実施形態では、ヒト宿主域Plasmodium生殖母細胞は、例えば、参照により本明細書に組み込まれるTrager W、およびJensen JB.、Science 193巻:673~675頁、1976年に開示されている通り、赤血球細胞(赤血球)におけるヒト宿主域Plasmodiumの培養物に由来する。
Plasmodiumオーシストの産生増加方法
ある特定の実施形態では、本願は、同じ種の、等しい数のヒト宿主域Plasmodium生殖母細胞から蚊において発達したオーシストと比較して、Plasmodiumオーシストの産生を増加させるためのin vitro方法であって、
a.赤血球細胞の存在下で、鞭毛放出培養培地においてヒト宿主域Plasmodium生殖母細胞を培養するステップと、
b.レクチンを使用して前記赤血球細胞を凝集させるステップと、
c.接合子、配偶子、生殖母細胞および凝集細胞を含む混合物を収集するステップと(一部の実施形態では、これは、遠心分離およびペレットの収集により達成される)、
d.マトリックスを含む担体上でオーキネート培地において、前記混合物を培養するステップであって、前記寄生生物が、オーキネートに分化し、前記オーキネートが、前記マトリックスに進入し、オーシスト期へと分化するステップと、
e.前記オーキネート培地をオーシスト培養培地と置き換えるステップと、
f.オーシスト培地を、S2細胞を含有するオーシスト培地(S2細胞は、培地交換の際の細胞損失を補充するために添加される)に40~80(好ましくは、48~72時間)毎に置き換えることにより、寄生生物培養を続けるステップと、
g.ヒト宿主域のオーシスト期Plasmodium寄生生物を定量化するステップと
を含み、
h.等しい数のヒト宿主域Plasmodium生殖母細胞から蚊において発達した同じ種のオーシストと比較して、in vitroで発達したヒト宿主域のより多くのPlasmodiumオーシストを産生する方法を対象とする。
ある特定の実施形態では、ヒト宿主域Plasmodium生殖母細胞は、例えば、Trager(1976年)に開示されている通り、赤血球細胞(赤血球)におけるヒト宿主域Plasmodiumの培養物に由来する。
一部の実施形態では、in vitroにおけるステージV生殖母細胞からオーキネートへの変態の効率は、1~25%、5~25%、5~21%または8~21%の範囲内である。
一部の実施形態では、ステージV生殖母細胞から7、8または11日目のオーシストへの変態の効率は、1~15%、2~14%、2~25%または2.4~12.5%の範囲内である。
一部の実施形態では、等しい数のステージV生殖母細胞から蚊において発達したオーシストと比較して、少なくとも10~20、10~30、10~39または10~60倍多いオーシストが、in vitroで発達する。一部の実施形態では、等しい数のステージV生殖母細胞から蚊において発達したオーシストと比較して、10~20、10~30、10~39または10~60倍多いオーシストが、in vitroで発達する。
使用方法
マラリアを予防するためのワクチンにおける免疫原として、in vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイトおよび弱毒化されたin vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイト(例えば:両者共に参照により本明細書に組み込まれる、U.S.7,229,627;USSN61/783,326を参照)を使用する方法が開示されている。抗マラリア薬およびワクチンの有効性の評価に有用な、また、抗マラリア剤、特に、Plasmodium感染の無性赤血球期を標的とするクロロキン等の抗マラリア薬と併せて、防御免疫を付与するためのワクチンレジメンにおいて有用な、in vitro飼育された病原性寄生生物を使用する方法も開示されている。
ある特定の実施形態では、本願のヒト宿主域のin vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイトは、ワクチン組成物において使用される。一部の実施形態では、ヒト宿主域のin vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイトは、弱毒化される。一部の実施形態では、ヒト宿主域のin vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイトは、弱毒化されない。一部の実施形態では、ヒト宿主域のin vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイトは、弱毒化されず、抗マラリア剤、例えば、クロロキンと共に使用される。一部の実施形態では、ヒト宿主域のin vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイトは、ヒト被験体における免疫応答を誘導する。一部の実施形態では、ヒト宿主域のin vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイトは、相当するPlasmodiumスポロゾイトに対する免疫応答を生じ、一部の実施形態では、ヒト宿主域のin vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイトは、ヒト被験体に防御免疫をもたらす。
(実施例1)
in vitroで多数のP.falciparumオーキネートを再現性よく産生および精製するための最適化方法
異なる齢数の、高いおよび低い生殖母細胞密度での生殖母細胞培養物からのオーキネート産生を評価した。生殖母細胞誘導14~22日後の(表1)、高および低密度培養物の両方に由来するオーキネートおよび後期レトルトを再現性よく産生した(図2A~図2B)。レトルトは、接合子からオーキネートへのその発達における、寄生生物の中間形態であり、オーキネートおよび後期レトルトは両者共に(図2A~図2B)、蚊においてオーシストへと変態する。誘導18日後の生殖母細胞培養物から寄生生物を採取した。初期レトルト(図2A)が先ず、ほぼ14時間で観察され、オーキネートは、オーキネート培養開始24時後から観察された。光学顕微鏡で検鏡した培養物のギムザ染色したスメアは、培養物における丸い大配偶子および接合子、ならびに三日月形の生殖母細胞およびオーキネートの混合物を示した。顕著な核の存在によって、接合子を大配偶子から区別した。顕著な核の存在および周囲の赤血球膜の欠如によって、オーキネートを生殖母細胞から区別した。2種の他のアプローチを使用して、変換および精製率の推定をもたらした。先ず、寄生生物の異なるステージで発現される分子に対するモノクローナル抗体(mAb)をスクリーニングした:Pfs48/45は、成熟大生殖母細胞および大配偶子において、Pfs230は、大配偶子および接合子において、Pfs25は、配偶子およびオーキネートにおいて、PfCelTOSは、オーキネートおよびPfSPZにおいて発現された(データ図示せず)。Pfs230は、生殖母細胞および大配偶子に局在化した一方、Pfs48/45は、配偶子およびレトルトに局在化した。Pfs25は、生殖母細胞に変動して局在化したが、レトルトおよびオーキネートに強く発現された。Pfs25(黒矢印は、緑色染色を指す)および赤血球抗原、グリコホリンA(白矢印は、赤色染色を指す)(図3A~図3B)に対する抗体で培養寄生生物を標識することにより、それぞれ赤血球膜の存在または非存在に基づき、生殖母細胞をオーキネートから区別した。
いくつかのアプローチを採用して、非感染赤血球から離して、培養されたオーキネートを精製および濃縮した。Lympholyte-H勾配遠心分離を使用して、非感染赤血球のおよそ90%を除去することができたが、オーキネートは、生殖母細胞、配偶子および接合子と同時精製された。精製および濃縮のための3ステップ手順を開発した。この手順は成功し、>70%濃縮を達成した。in vitroでのステージV生殖母細胞からオーキネートへの変態の平均効率は、13%であった(範囲=8~21%、表1)。
Figure 0007021851000001
(実施例2)
in vitroにおけるオーキネートからのP.falciparumスポロゾイトの産生
第1のステップは、オーシストを効率的に産生することであった。簡潔に説明すると、in vitro培養物からステージV生殖母細胞を鞭毛放出培地(FBS、0.1%グルコース、0.1%重炭酸ナトリウムおよび0.022%キサンツレン酸)へと移し、インキュベーション後に、接合子を改変オーキネート培地(20%FBS、RPMI培地、0.25%トレハロース、0.25%デキストロース、0.04%重炭酸ナトリウム、10ユニット/mLペニシリンおよび10μg/mLストレプトマイシン)へと移し、改変マトリゲルコーティングされた8ウェルスライド上に重層した。8ウェルスライドをコーティングするために、マトリゲルをRPMI培地で希釈し、8ウェルスライドに注いだ。このようなスライドを37℃で2時間インキュベートし、過剰な培地を除去した。接合子を重層する前に、マトリゲルの上にDrosophila Schneider S2細胞を播種することにより、マトリゲルコーティングされたスライドをさらに改変した。分化したオーキネートは、マトリゲルに侵入した。インキュベーション24時間後に、オーキネートからオーシスト培地(SchneiderのDrosophila培地、20%FBS、0.04%重炭酸ナトリウム、0.25%トレハロース、50μg/mLヒポキサンチン、0.1M HEPES、必須アミノ酸(1×、GIBCO)、0.04μg/mLパラ-アミノ安息香酸(PABA)、10ユニット/mLペニシリンおよび10μg/mLストレプトマイシン、1.5%リポタンパク質、0.1%コレステロールおよびビタミン(1×、GIBCO))への交換の際に、マトリゲルに侵入しなかった未分化接合子およびオーキネートを洗い流した。オーキネートおよびオーシスト培地の両方において、S2細胞を添加した(図4)。抗Pfs25および抗Pf CSP mAbを使用したIFAによって検出された3日目(図4、上パネル)および8日目(図4、下パネル)のオーシストを示す。8日間培養物をIFAのために透過処理した。8日目のオーシストにおける点状染色は、出芽PfSPZを示唆した。中央パネル(図4)において、矢印は、培養において発達する7~8日目のオーシストを示す。初期実験後に、コーティングに使用されるマトリゲルの濃度および各ウェルに播種される接合子の数等、培養条件を改変して、ステージV生殖母細胞から8日目のオーシストへの発達の変態効率を有意に増加させた。この改変in vitro培養プロトコールを使用して、ステージV生殖母細胞から8日目のオーシストへの2.4~12.5%(平均8.3%)変態が、一貫して達成された(表2)。これは、in vitro培養プロトコールの改変前の初期に記録された0.13%の大きな改善であった。蚊におけるステージV生殖母細胞からオーシストへの変態効率は、Sanaria(Liら、発表準備中)で行われた74回の独立的膜供給アッセイにおいて0.22%であった。この変態効率は、文献[22、23]において報告されたものに匹敵した。in vitroでの8.3%の変態効率は、蚊において観察されるものよりも39倍高かった(表2、3)。in vitroで(図4、図5A、図8A~図8C)および蚊において(図5B)発達するオーシストのサイズおよび構造は同様であった。図5Aは、抗(ant-)PfCSP mAbで染色されたin vitro培養された7日目のオーシストのIFAを示し、マーキュロクロム染色された蚊中腸の7日目のオーシストを示す(図5B)。
付着していないS2細胞を含むウェルからの培養上清を収集することにより、15日目および/または18日目にin vitro培養物を回収した。形態学的に発達したPfSPZの数をセロメーターにおいて計数し、確認のために蛍光抗PfCSP mAbを使用してアリコートを染色した(図6B、表4)。蛍光抗Pf CSP mAbで染色するウェルの固定後に、培養ウェルにおいて発達したPf SPZを検出した(図6A)。7回の独立的実験において、10枚の8ウェルスライドから回収あたり180,000~350,000個の間の成熟Pf SPZを産生した。全実験において、2種の形態学的に異なる形態のPf SPZが存在した。唾液腺Pf SPZと同一に見えた形態学的に成熟したPf SPZは、運動能力があり、10~13μm長であり、抗Pf CSP mAbに対し高度に反応性であった(図6A~図6B、表4)。短い形態の、未成熟Pf SPZは、<10μm長であったが、依然として運動能力があり、抗Pf CSP mAbに対し高度に反応性であった。報告された全実験において、形態学的に成熟したPf SPZのみを定量化した。同じ培養物からの15および18日目の両方における回収は、10枚のスライド当たりほぼ500,000PfSPZまで収量を増加させた。
その後、3Dトランズウェル系を検査した。このアプローチを使用した2回の独立的培養実験において、228,000および208,000個の形態学的に成熟したPf SPZを1枚の6ウェルプレート培養物から回収した。最初に、オーシストのin vitro培養に適していることが判明した2種の市販の3Dマトリックスを使用した。3D Life Hydrogel(Cellendes GmbH、ドイツ)を使用して、生物模倣型3D環境において細胞を培養し、AlgiMatrix(商標)3D培養系(Gibco/Invitrogen)は、3D細胞培養を容易にする動物起源不含生物足場である。両者共に、Pfスポロゴニーを支持する。3D Life Hydrogelは、Pf SPZをマトリックスから放出するためにガラクトシダーゼ消化を必要としたが、成熟Pf SPZは、Algimatrixマトリックスに捕捉された。したがって、本発明者らは、代替としてのAlvetex 3D培養技術(AMS Biotechnology(Europe)Limited、UK)と併せて、トランズウェルインサートに基づく培養系を開発した。トランズウェルインサートは、プレートウェルに挿入されると、2区画培養を可能にした(図7)。この系において、マトリゲルでコーティングされた、不活性200μm厚多孔性ポリスチレン足場を、インサートの多孔性膜上に配置した。この3Dマトリックス上に播種された接合子は、オーキネートへと分化し、マトリゲルコーティングされたポリスチレン足場に侵入し、オーシストへと変態した。上部区画には、S2細胞を播種した。このマトリックスにおいて発達したオーシストおよびPfSPZを下部区画に放出させ、ここから収集した。予備実験において、この系は、Pfスポロゴニー発達を支持し(表5)、オーシスト発達および保持は、チャンバースライド培養と極めて類似した(表2、3)。スポロゴニー発達を評価するために、マトリックスと共に多孔性膜を除去し、遠心分離によってオーシストを収集した。ステージV生殖母細胞から7および11日目のオーシストへの変態効率(図8A~図8C)は、それぞれ10.3%(範囲9~11.5)および9.0%(範囲7.8~10.7)であった(表5)。11日目のオーシストの数は、おびただしい増加を表し、培養におけるオーシストの有意な保持を示した。さらに、抽出されたオーシストは、11日目の蚊中腸において発達したオーシストと外観が同様であり、これらのin vitro形成されたオーシストは、PfCSPを発現した(図8C)。図8A~図8Bは、定量化に使用されるセロメーターにおけるオーシストの位相差像を示し(図8A&図8B)、蛍光標識された抗Pf CSP mAbを使用した懸濁液(透過処理なし)における抽出されたオーシストのIFAを示す(図8C)。透過処理なしの懸濁液におけるオーシストの染色を行ったところ、PfCSP染色されたオーシストは、点状パターンではなく均一なPfCSP発現を有していた(図8C)。
2回の独立的培養実験において、228,000および208,000個の形態学的に発達したPfSPZを、6個の改変インサートを使用した1枚の6ウェルプレート培養から回収した。これは、8ウェルスライドにより達成される数と比較して、収量において最小で3倍増加であった(表4、5)。特に、表4は、8ウェル培養の結果を示す一方、表5は、トランズウェル培養の結果を示す。このトランズウェルインサート培養条件は、i)培地交換の際のマトリゲルの損失を低下させ、ii)単一の培養からのPfSPZの反復回収を可能にし、iii)ラミニンおよびコラーゲン等、異なる細胞外マトリックスタンパク質によるマトリックスのコーティングに適しており、iv)適した液体取り扱い系を使用したスケールアップおよび自動化に適していたため、いくつかの利点を提供した。
この結果は、以前の実験と比較して、オーシストから回収される成熟Pf SPZの数において最小で3倍増加を表す。
Figure 0007021851000002
Figure 0007021851000003
(実施例3)
in vitro飼育されたP.falciparumスポロゾイトおよびAnopheles stephensi蚊において個体発生的に発達したP.falciparumスポロゾイトがそれぞれ、同様の効率でヒト肝細胞細胞株(HC-04)内に侵入および発達することの実証。
効力の評価に慣例的に使用される6日間肝細胞アッセイにおいて、in vitro飼育されたPf SPZをその感染性に関して検査した。このアッセイは、典型的には、凍結保存前後のPf SPZにより行われる。新鮮および凍結保存されたPf SPZは、形態学的に同一の6日肝臓期寄生生物を産生するが、凍結保存による効力の5~25%損失がある[5]。in vitro飼育されたPf SPZは、新鮮蚊由来PfSPZとより類似しており、したがって、製造キャンペーンにおいて作製された新鮮PfSPZ由来の読み出し情報と比較を行った。7連続産生キャンペーンにおいて、Pf MSP-1を発現する20.7~32.7の成熟した6日目の寄生生物は、50,000の蚊で産生された新鮮Pf SPZから発達した(表4)。in vitro飼育されたPfSPZを、HC-04細胞(in vivoで産生されたPf SPZの感染を支持することが示されたヒト肝細胞細胞株)を蒔いた3ウェルに接種し[24、25]、6日間インキュベートした(図9A上パネル、表4)。図9A~図9Bは、in vitro飼育されたPf SPZ(図9A上パネル)または蚊で産生された、無菌的、精製、凍結保存されたPf SPZ(図9B下パネル)による感染後の、HC-04細胞における6日肝臓期の共焦点顕微鏡像を示す。4回の独立的6日間肝細胞アッセイにおいて、56,598±7,294 Pf SPZ/ウェルで播種されたin vitro産生されたPf SPZは、28.6±7.0 Pf MSP1を発現する6日目の寄生生物を産生した(表4)。これは、このアッセイにおける新鮮、無菌的、精製されたPf SPZにより観察される25.7±4.1 Pf MSP1発現寄生生物に匹敵し(表4)、凍結保存されたPf SPZによるものよりも僅かに多かった(データ図示せず)。これらのデータは、18日目のin vitro産生されたPf SPZが、15日目のin vitro飼育されたPf SPZよりも感染性であったことも示唆した。in vitroおよびin vivo(蚊)産生されたPf SPZ由来のHC-04細胞において発達した6日目の寄生生物のサイズは、同様であった(図9A~図9B)。顕微鏡写真のための陽性対照として、蚊唾液腺由来の無菌的、精製、凍結保存されたPf SPZをHC-04細胞においてインキュベートし、Pf MSP1発現を評価した(図9B)。これらのデータは、in vitro産生されたPf SPZが、蚊で産生された新鮮Pf SPZと同じほどに肝細胞培養物において感染性であったことを実証した。
Figure 0007021851000004
Figure 0007021851000005
これらの結果は、蚊において産生されるオーシストよりも39倍優れた効率で、in vitroでPfオーシストを産生するための方法を示す。in vitro飼育されたPf SPZは、侵入し、蚊から新鮮に解剖されたPf SPZと少なくとも同じほど優れた効率で、Pfメロゾイト表面タンパク質1を発現する成熟した6日肝臓期シゾントへと発達した。
前述において、本発明は、適した実施形態を参照しつつ記載されているが、これらの実施形態は、本発明の理解のみを目的としており、様々な変更または改変が可能である。
Figure 0007021851000006
Figure 0007021851000007
Figure 0007021851000008

Claims (16)

  1. 生殖母細胞期から成熟かつ運動能力があるスポロゾイト期までのスポロゴニーが蚊の生体外で起こ、ヒト宿主域のin vitro飼育された感染性Plasmodiumスポロゾイトであって、ここで、前記in vitro飼育された感染性Plasmodiumスポロゾイトは、蚊において飼育されたヒト宿主域のPlasmodiumスポロゾイトの少なくとも70%のヒト肝細胞感染性であり、前記in vitro飼育された感染性Plasmodiumスポロゾイトが、以下:
    a.マトリックスの非存在下かつ赤血球細胞の存在下で、鞭毛放出培養培地においてヒト宿主域PlasmodiumステージV生殖母細胞を接合子期まで培養するステップと、
    b.接合子、配偶子および生殖母細胞を含む混合物を収集するステップと、
    c.マトリックスを含む担体上で、オーキネート培養培地において前記混合物を培養するステップであって、オーキネート期寄生生物が、前記マトリックスに浸透するステップと、
    d.前記オーキネート培養培地をオーシスト培地に交換するステップと、
    e.aからdのステップにより産生された前記in vitro飼育された感染性Plasmodiumスポロゾイト期寄生生物を回収するステップと
    を含む方法により産生される、in vitro飼育された感染性Plasmodiumスポロゾイト
  2. 前記in vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイトが無菌的である、請求項1に記載のin vitro飼育された感染性Plasmodiumスポロゾイト
  3. 前記in vitro飼育されたPlasmodiumスポロゾイトが薬学的使用に適する、請求項2に記載のin vitro飼育された感染性Plasmodiumスポロゾイト
  4. 前記Plasmodiumスポロゾイトの種が、P.falciparumである、請求項1~3のいずれか1項に記載のin vitro飼育された感染性Plasmodiumスポロゾイト
  5. 請求項1に記載のin vitro飼育された感染性Plasmodiumスポロゾイトを含む培養物。
  6. 前記スポロゾイトが、発達の成熟スポロゾイト期に達した、請求項5に記載の培養物。
  7. 無菌的である、請求項5または6に記載の培養物。
  8. 前記in vitro飼育された感染性スポロゾイトが、薬学的使用に適する、請求項7に記載の培養物。
  9. ヒト宿主域の前記Plasmodiumの種が、P.falciparumである、請求項5~8のいずれかに記載の培養物。
  10. 等しい数のステージV生殖母細胞から蚊において発達した同じPlasmodium種のオーシストと比較して、少なくとも10~20倍多いオーシストが、in vitroで発達する、請求項~9のいずれかに記載の培養物。
  11. ヒト宿主域のPlasmodiumスポロゾイトをin vitroで産生する方法であって、
    a.マトリックスの非存在下かつ赤血球細胞の存在下で、鞭毛放出培養培地においてヒト宿主域PlasmodiumステージV生殖母細胞を接合子期まで培養するステップと
    ステップaの培養物から、接合子、配偶子および生殖母細胞を含む混合物を収集するステップと、
    .マトリックスを含む担体上で、オーキネート培養培地において前記混合物を培養するステップであって、オーキネート期寄生生物が、前記マトリックスに浸透するステップと、
    .前記オーキネート培養培地をオーシスト培地に交換するステップと、
    .aからのステップにより産生されたPlasmodiumスポロゾイト期寄生生物を回収するステップと
    を含む、方法。
  12. 前記Plasmodiumスポロゾイトの種が、P.falciparumである、請求項11に記載の方法。
  13. 蚊における同じ種の等しい数のヒトPlasmodium生殖母細胞からのオーシスト産生と比べて、ヒト宿主域Plasmodiumオーシストの産生を増加させるための方法であって、
    a.マトリックスの非存在下かつ赤血球細胞の存在下で、鞭毛放出培養培地においてヒト宿主域PlasmodiumステージV生殖母細胞を接合子期まで培養するステップと
    .接合子、配偶子および生殖母細胞を含む混合物を収集するステップと、
    .マトリックスを含む担体上で、オーキネート培地においてステップcの前記混合物を培養するステップであって、前記寄生生物が、オーキネートへと分化し、前記オーキネートが、前記マトリックスに進入し、オーシスト期へと分化するステップと、
    .前記オーキネート培地をオーシスト培養培地と置き換えるステップと、
    .ヒト宿主域のオーシスト期Plasmodium寄生生物を定量化するステップとを含み、
    しい数のヒト宿主域Plasmodium生殖母細胞から、蚊において発達した同じ種のオーシストと比較して、in vitroで発達したヒト宿主域のより多くのPlasmodiumオーシストを産生する、方法。
  14. 前記Plasmodiumオーシストの種が、P.falciparumである、請求項13に記載の方法。
  15. 請求項1~4のいずれかに記載のin vitro飼育された感染性Plasmodiumスポロゾイトを含むワクチン組成物。
  16. Plasmodium特異的抗原に対する被験体における免疫応答を誘導するための組成物であって、請求項1~4のいずれかに記載のin vitro飼育された感染性Plasmodiumスポロゾイトまたは請求項15に記載のワクチン組成物を含む、組成物。
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