JP7021381B2 - プロペラシャフト - Google Patents

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Description

本発明は、例えば車両の変速装置から駆動輪に動力を伝達するプロペラシャフトの改良技術に関する。
近時、例えば車両に取り付けられるプロペラシャフトは、軸方向の前端部が車両のトランスミッション側に接続された筒状部材と、軸方向の後端部がデファレンシャルキャリア側に接続され、前記筒状部材に軸方向から接続された軸部材と、を備えている。
前記筒状部材は、後端部の内周面に雌スプラインが形成されている一方、軸部材は、前端部の外周面に、前記雌スプラインに軸方向から挿通係合する雄スプラインが形成されている。これら両スプラインが軸方向から係合することによって、例えば車両の衝突時などに前記トランスミッションから筒状部材に過度な入力荷重が作用すると、前記筒状部材が前記両スプラインを介して軸部材の方向へ相対移動して衝撃を緩和するようになっている。
また、前記筒状部材の後端部の前記雌スプラインよりも先端側の内周面に内周シール面が形成されている一方、前記軸部材の前端部の前記雄スプラインの後端部側寄りの外周面に環状シール溝が形成され、この環状シール溝に環状シールリングの内周部が嵌着固定されている。この環状シール部材は、合成ゴム材などによって一体に形成されて、外周部が前記筒状部材の内周シール面に所定の弾性力によって当接して、前記軸部材と筒状部材との接続箇所をシールするようになっている。
特開平09-123774号公報(図3)
しかしながら、前記特許文献1に記載されたプロペラシャフトにあっては、前記シール部材が、前記軸部材の雄スプラインよりも後端側に形成された環状シール溝に嵌着固定されている。このため、前記筒状部材に軸方向から前記入力荷重が作用して軸部材に対して筒状部材が両スプラインを介して相対的に短縮移動すると、前記シール部材が筒状部材の雌スプラインに噛み込まれてしまう。
この結果、前記両スプラインでの摺動(移動)抵抗が大きくなって、筒状部材と軸部材間の短縮方向のスムーズな移動性が得られずに衝撃吸収性能が悪化するおそれがある。
本発明は、前記従来の技術的課題に鑑みて案出されたもので、筒状部材と軸部材との短縮移動時における両スプライン間へのシール部材の噛み込みによる移動抵抗の上昇を抑制して、衝撃吸収性能の低下を抑制できるプロペラシャフトを提供することを目的としている。
本発明は、筒状の第1軸と、一部が前記第1軸に挿入された第2軸とを備え、
前記第1軸は、内周面に設けられた雌スプラインと、前記雌スプラインよりも前記第1軸の端部寄りの前記内周面に設けられた第2環状シール溝と、前記第2環状シール溝よりも前記第1軸の端部寄りの内周面に設けられ、前記第2環状シール溝の内径よりも小さく形成された内周シール面と、を備え、
前記第2軸は、前記第1軸に挿入された端部から順に設けられ、前記雌スプラインと噛み合う雄スプラインと、外径が前記雄スプラインの外径より小さい外周シール面と、前記外周シール面の側部であって、前記内周シール面と径方向で対向した位置に設けられ、シール部材を保持する第1環状シール溝と、を備え、
前記シール部材は、環状に形成されていると共に、前記内周シール面と第1環状シール溝との間に挟持状態に設けられ、前記第1軸と前記第2軸との間に入力荷重が作用して前記第1軸が、前記第2軸に対して相対的に移動したときに、前記内周シール面がシール部材の外周縁を摺接しながら移動して前記第2環状シール溝内に嵌入して、該第2環状シール溝の底面と、前記第2軸の端部から前記第1環状シール溝よりも軸方向に離れた外周面と、の間に挟持状態に保持されることを特徴としている。
本発明によれば、筒状部材と軸部材との相対的な短縮方向の移動時における環状シール部材のスプラインへの噛み込みを抑制できるので、衝撃吸収性能の低下を抑制することができる。
本発明の第1実施形態を示す図2のA部拡大図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用プロペラシャフトの全体側面図である。 第2実施形態における要部を拡大して示す半断面図である。 本実施形態におけるフロント側シャフトが軸方向へ移動した際の状態を示す要部縦断面である。 第3実施形態における要部を拡大して示す縦断面図である。 第4実施形態における要部を拡大して示す縦断面図である。 第5本実施形態における要部を拡大して示す縦断面図である。
以下、本発明にかかるプロペラシャフトを車両用に適用した実施形態を図面に基づいて詳述する。
この車両用プロペラシャフトは、図2に示すように、車両フロント側の第1シャフト1と、リア側の第2シャフト2とを備え、該両シャフト1,2は等速ジョイント3を介して連結されている。前記第1シャフト1は、前端部が第1継手機構である第1十字継手4及びトランスファ軸4aを介して図外のトランスミッションに連結されていると共に、後端部にセンタベアリング5が設けられ、このセンタベアリング5を、車体に固定されたベアリングサポート6で弾性的に支持されることにより、プロペラシャフト全体の撓みが抑制されるようになっている。また、前記第2シャフト2は、後端部が第2継手機構である第2十字継手7を介して図外のリアデファレンシャルの入力軸と連結されている。
前記第1シャフト1は、図1にも示すように、前側の円筒状の筒状部材であるフロント側シャフト8と、後側の軸部材である円筒状のリア側シャフト9とによって軸方向に2分割形成されている。
フロント側シャフト8は、前記第1十字継手4と摩擦圧接によって接合された薄肉な金属製の第1チューブ10と、該第1チューブ10に軸方向から溶接によって接合された比較的肉厚な金属製の第2チューブ11と、から構成されている。
前記第2チューブ11は、リア側シャフト9側の後端部内周面に雌スプライン12が軸方向に沿って形成されていると共に、該雌スプライン12よりも後端側の内周面に内周シール面が形成されている。また、前記雌スプライン12と内周シール面との間には、第1係合孔13が径方向に沿って貫通形成されていると共に、該第1係合孔13よりも後端側の位置、つまり前記内周シール面の位置には、シール部材であるシールリング15を嵌合固定する環状シール溝14が形成されている。
この環状シール溝14は、第1係合孔13の近傍から第2チューブ11の内周面を後端縁まで円環状に切欠形成されて、該後端縁に開口部14aが形成されていると共に、その底面14bに前記シールリング15の外周部が収容保持されるようになっている。
一方、前記リア側シャフト9は、金属材によって外径がほぼ均一な円筒状に一体形成され、前端部の外周面に前記雌スプライン12に軸方向から係入されて、該雌スプライン12と係合する大径部である雄スプライン16が軸方向に沿って形成されていると共に、この雄スプライン16の後端部側の該雄スプライン16が形成されていない外周面には、該雄スプライン16の外径よりも小さな中径部である円環状の外周シール面17が形成されている。
また、前記リア側シャフト9は、前記雄スプライン16と外面シール部17との間に、有底状の第2係合孔18が径方向に沿って形成されている。この第1係合孔18は、前記リア側シャフト9が第2チューブ11内に前記雌雄スプライン12、16を介して挿通された際に、前記第1係合孔13と径方向で合致して、該両者13,18の間に抜け止めピン20が第1係合孔13の外方開口端から第2係合孔18内に向かって挿通配置されるようになっている。
前記抜け止めピン20は、金属材によって形成され、前記リア側シャフト9を第2チューブ11内に挿入した後に、前記両係合孔13,18に圧入固定されて、前記リア側シャフト9と第2チューブ11の抜け方向の移動を規制するようになっている。
前記シールリング15は、合成ゴムによって円環状一体に形成され、外周部が前記環状シール溝14内に保持固定されて、前記環状シール溝14の軸方向の内側壁面14bによって第1チューブ10方向への軸方向の移動が規制されていると共に、前記開口部14aを閉塞する円環状のリテーナ19によって他方軸方向への移動が規制されている。
そして、前記シールリング15は、前記環状シール溝14の底面14cと外周シール面17との間に挟圧状態に保持されている。
前記リテーナ19は、例えば鉄系金属材によって円環状に形成されて、横断面ほぼL字形状に折曲形成されており、ほぼ水平に折曲された外周部19aが、前記第2チューブ11の後端部外周に形成された小径段差部に軸方向から圧入固定されるようになっていると共に、前記第1係合孔13の外周側開口を覆うように被嵌して、前記抜け止めピン20の不用意な抜けを防止するようになっている。
また、リテーナ19は、前記圧入固定時に、ほぼ垂直に折曲された内周部19bが前記環状シール溝14の開口部14aを軸方向から閉塞して前記シールリング15の抜け出しを規制するようになっている。
〔本実施形態の作用〕
したがって、例えば車両の衝突時などにおいて、前記トランスファ側から第1十字継手4を介して第1シャフト1のフロント側シャフト8に、図1及び図2の矢印で示すような左側軸方向から過度な入力荷重が作用すると、該フロント側シャフト8の第2チューブ11が、雌スプライン12と雄スプライン16を介してリア側シャフト9方向への大きな移動力が働く。
そうすると、前記抜け止めピン20の軸方向のほぼ中央位置に剪断方向の大きな力が作用して、軸方向のほぼ中央位置から破断すると共に、前記雌スプライン12が雄スプライン16上を軸方向へ摺動しつつ前記第2チューブ11の内周面がリア側シャフト9の外周面に沿って摺動してフロント側シャフト8がリア側シャフト9に対して短縮方向へ移動する。
このとき、前記シールリング15は、図1の一点鎖線で示すように、外周部が前記環状シール溝14の内側壁面14bによってフロント側シャフト8の軸方向移動に伴って軸方向へ押し出されて、内周部が前記リア側シャフト9の外周面上を摺接しながら移動する。
すなわち、前記シールリング15は、雄スプライン16とは反対側の軸方向へ離間する形でリア側シャフト9の外周面をスムーズに摺動する。このため、シールリング15が、前記各スプライン12,16間に噛み込まれることない。
したがって、従来技術のように、前記フロント側シャフト8がリア側シャフト9に対して摺動する際に、シールリング15が摺動抵抗となることがなくなることから荷重の増加を抑制でき、前記フロント側シャフト8とリア側シャフト9による衝撃吸収性能の低下を十分に抑制することができる。
しかも、前記リテーナ19は、前記環状シール溝14の開口部14aを閉塞すると共に、第1係合孔13の開口端も同時に閉塞することから、前記シールリング15を内側壁面14bと相まって安定に保持できる。
したがって、シールリング15の良好なシール性能を維持できると共に耐久性の向上が図れる。
また、前記抜け止めピン20を、前記環状シール溝14と雌スプライン12との間に配置したことから、前記フロント側シャフト8が軸方向へ移動した際に、抜け止めピン20によっても前記シールリング15の移動を規制できるので、前記両スプライン12,16内への噛み込みをさらに抑制できる。
さらに、前記リテーナ19によって抜け止めピン20の不用意な抜けだしを抑制することが可能になり、特に、このリテーナ19は、前記抜け止めピン20が破断した後にも第1係止孔13の開口端を閉塞していることから、破断した抜け止めピン20の一部が外部に飛び出すことも抑制できる。
なお、このリテーナ19は、前記フロント側シャフト8の短縮移動時には、内周部19bの内端縁がリア側シャフト9の外周面に摺動することなく移動するようになっていることから、前記フロント側シャフト8の摺動抵抗にならない。
〔第2実施形態〕
図3は本発明の第2実施形態を示し、基本構造は第1実施形態と同じであるが、異なるところは、前記リア側シャフト9の外周面に前記外周シール面17の外径よりも小径な小径部である非シール面21が形成されているところにある。
すなわち、前記非シール面21は、前記外周シール面17の外径よりの小径な円筒状に形成され、前記外周シール面17の軸方向の一端縁位置からリア側シャフト9のほぼ全域aに亘って連続して形成されている。
したがって、前述のように、車両の衝突時などにおいて、第1シャフト1のフロント側シャフト8に、図3の矢印で示すような左側軸方向から過度な入力荷重が作用すると、フロント側シャフト8の第2チューブ11が、雌スプライン12と雄スプライン16を介してリア側シャフト9方向への大きな移動力が働く。これによって、前記抜け止めピン20の軸方向のほぼ中央位置に剪断方向の大きな力が作用して、軸方向のほぼ中央位置から破断すると共に、前記雌スプライン12が雄スプライン16上を軸方向へ摺動しつつ前記第2チューブ11の内周面がリア側シャフト9の外周面に沿って摺動してフロント側シャフト8がリア側シャフト9に対して短縮移動する。
このとき、前記シールリング15は、図4に示すように、外周部が前記環状シール溝14の内側壁面14bによって第2チューブ11の軸方向移動に伴って軸方向へ押し出されて、内周部が前記リア側シャフト9の非シール面21上を僅かに摺接しながら移動する。
すなわち、前記シールリング15は、雄スプライン16とは反対側の軸方向へ離間する形でリア側シャフト9の非シール面21の外周面上を殆ど摺動抵抗がなくスムーズに摺動する。このため、シールリング15が、前記各スプライン12,16間に噛み込まれることない。
よって、本実施形態も第1実施形態と同じく、シールリング15が摺動抵抗となることがなくなることから荷重の増加を抑制でき、前記フロント側シャフト8とリア側シャフト9による衝撃吸収性能の低下を十分に抑制することができる。
特に、この実施形態では、フロント側シャフト8の短縮移動時には、シールリング15が前記非シール面21に対して殆ど摺接することなく移動することから、より一層フロント側シャフト8とリア側シャフト9の衝撃吸収作用が良好になる。
また、前記シールリング15を、環状シール溝14内に組み付ける際には、第2チューブ11の雌スプライン12にリア側シャフト9の雄スプライン16を予め軸方向から係入して両シャフト8,9を連結しておき、この状態で前記シールリング15をリア側シャフト9の外周面後端側から嵌入して前記非シール面21の外周側を利用して環状シール溝14内に嵌着する。このように、小径な非シール面21の外周側を利用することによって嵌入時の摺動摩擦、つまり締め代がないことから、シールリング15の捩れや破断が抑制されてシールリング15の嵌入作業が容易になると共に、環状シール溝14内に安定して保持できる。この結果、シールリング15によるシール性能に低下を抑制できる。
また、前記非シール面21は、前記外周シール面17と連続的に形成されていることから、前記シールリング15の摺動開始直後から摺動抵抗を速やかに低下させることができる。
さらに、前記リア側シャフト9の雄スプライン16以外の箇所に、外周シール面17を確保したことによってシールリング15によるシール性能を向上させることができる。他の作用効果は第1実施形態と同じである。
〔第3実施形態〕
図5は本発明の第3実施形態を示し、基本構造は第2実施形態と同じであるが、異なるところは各係止孔や抜け止めピン、さらには前記リテーナを廃止すると共に、シール部材として前記シールリング(Oリング)に代えてオイルシール22に変更したものである。
このオイルシール22は、横断面ほぼコ字形状に形成された一般的な構造であって、環状シール溝14の底面14cに圧入固定された円環状の基部22aと、該基部22aに一体に形成され、前記内側壁面14bに当接した支持部22bと、該支持部22bの内周側に一体に形成されて、前記リア側シャフト9の外周シール面17に当接するシール部22cと、を備えている。このシール部22cは、バックアップスプリング22dのばね力によって前記外周シール面17に常時弾接するようになっている。
したがって、この実施形態によれば、リア側シャフト9に対してフロント側シャフト8が軸方向へ相対的に移動した場合は、第2実施形態と同じくオイルシール22が環状シール溝14の内側壁面14bに押し出されて、非シール面21の外周面に移動することから、両スプライン12,16間への噛み込みが十分に抑制できる。この結果、良好な衝撃吸収作用が得られる。
また、本実施形態では、前記各実施形態の前記抜け止めピンやリテーナなどを廃止できることから、製造作業や組み立て作業能率の大幅な向上が図れる。
〔第4実施形態〕
図6は第4実施形態を示し、基本構造は第2実施形態と同様であるが、この実施形態では抜け止めピン23を、第2チューブ11の前端部11aとリア側シャフト9の前端部9aに設けたものである。
すなわち、前記抜け止めピン23は、内部中空状の円筒状に形成されていると共に、その長さが前記第2チューブ11の前端部11aの外径よりも僅かに小さく形成されている。
前記前記第2チューブ11の前端部11aは、大径状に形成されていると共に、肉厚に形成されて、該前端部11aの内部径方向に沿って第1係合孔24が貫通形成されている。この第1係合孔24は、内径が前記抜け止めピン23の外径よりも僅かに大きく形成されて、ここに軽圧入するようになっている。
一方、前記リア側シャフト9は、内部中実状に形成されて、前記第2チューブ11の内部奥まで挿入された小径な前端部9aの内部径方向に沿って第2係合孔25が貫通形成されている。この第2係合孔25は、内径が前記抜け止めピン23の外径よりも大きく形成されて、該抜け止めピン23が遊嵌状態に配置されるようになっている。
そして、前記抜け止めピン23を、両者9、11間に連結固定するには、まず、前記第1チューブ11の内部に、前記リア側シャフト9の前端部9aを挿通配置して、前記両係合孔24,25を径方向で合致させる。
次に、前記抜け止めピン23を、第1係合孔24の径方向の一方側24aから挿入して、そのまま第2係合孔25を通過させて、第1係合孔24の他方側24bに挿通すれば、抜け止めピン23の両端部23a、23bを第1係合孔24の両端部24a、24bに軽圧入しつつ、両者9,11間に連結固定することができる。
したがって、この実施形態も第2実施形態と同様に、リア側シャフト9に対してフロント側シャフト8が軸方向へ相対的に移動した場合は、抜け止めピン23は、第1係合孔24の各端部24a、24bに剪断方向の力が働いて所定以上の剪断力が作用すると、第1係合孔24の両端部24a、24bに軽圧入した両端部23a、23bが第2係合孔25の両端縁位置から破断しつつフロント側シャフト8が図中右方向へ移動する。よって、第2実施形態と同じくシールリング15が環状シール溝14の内側壁面14bに押し出されて、非シール面21の外周面に移動することから、両スプライン12,16間への噛み込みが十分に抑制できる。この結果、良好な衝撃吸収作用が得られる。
この実施形態では、抜け止めピン23の外径を他の実施形態のものよりも大きくした分、前記軸方向の入力荷重がさらに大きいものに対応することができる。したがって、車両の大きさなどに応じて適宜対応することが可能になる。
〔第5実施形態〕
図7は第5実施形態を示し、例えば、第1実施形態における前記シールリング15の収容固定位置を、フロント側シャフト8に代えて、リア側シャフト9の外周側としたものである。
すなわち、前記リア側シャフト9の外周シール面に対応した位置に、シールリング15を収容保持する第1環状シール溝26が形成されている一方、前記フロント側シャフト8の第1チューブ11の内周シール面27と雌スプライン12との間、つまり前記第1環状シール溝26の軸方向の側部近傍に第2環状シール溝28が形成されている。
前記第1環状シール溝26は、雄スプライン16のセンタベアリング5寄りの端縁側部に形成された外周シール面29のさらにセンタベアリング5寄りの側部位置に横断面ほぼコ字形状に形成されて、前記シールリング15の内周部を収容保持するようになっている。
また、前記シールリング15は、第1環状シール溝26内に保持されていると共に、外周部が前記内周シール面27に弾接して、両者間に挟圧状態に保持されており、これによってシール性能を発揮している。
なお、第1実施形態のようなリテーナや抜け止めピンなどは存在していない。
前記第2環状シール溝28は、同じく横断面ほぼコ字形状に形成されていると共に、前記外周シール面29に径方向から対向配置されている。
したがって、前述と同様に、フロント側シャフト8に軸方向の入力荷重が働いて該フロント側シャフト8が、図7の矢印で示すように、リア側シャフト9に対して軸方向へ相対的に移動すると、この移動初期の段階において、フロント側シャフト8の内周シール面27が前記シールリング15の外周縁を摺接しながら移動して、第2環状シール溝28がシールリング15の位置に達すると、このシールリング15が自身の弾性反力によって第2環状シール溝28内に瞬間的に嵌入して保持される。つまり、フロント側シャフト8の移動に伴ってシールリング15が、第1環状シール溝26から第2環状シール溝28に乗り移って、該第2環状シール溝28の底面と外周シール面29との間に挟圧状態に保持される。
続いて、フロント側シャフト8がそのまま同方向へ移動すると、シールリング15は、図7の一点鎖線で示すように、第2環状シール溝28内に保持されながらリア側シャフト9の外周面に摺接しつつ前記両スプライン12,16とは離間する方向へ移動する。
したがって、前記各実施形態と同様に、シールリング15の両スプライン12,16間への噛み込みを十分に抑制することができ、この結果、良好な衝撃吸収作用が得られる。
また、本実施形態では、単に第1、第2環状シール溝26,28を設けるだけで、第1実施形態のようなリテーナや抜け止めピンなどを設けていないので、この点で製造作業や組み立て作業が容易になる。
本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、例えばプロペラシャフトとして船舶用などに適用することができ、また、環状シール溝の深さやシールリングの断面径の大きさなどはプロペラシャフトの適用対象や外径の大きさなどによって任意に設定することができる。
前記実施形態から把握される前記請求項以外の発明の技術的思想について以下に説明する。
〔請求項a〕
前記シール作用解除部は、前記外周シール面の外径よりも小径な非シール面または前記内周シール面の内径よりも大径な非シール面によって構成したことを特徴とするプロペラシャフト。
シール作用解除部を単に外径を異ならせるだけで形成できるので、その成形作業が容易である。
〔請求項b〕
前記非シール面は、前記軸部材と筒状部材が短縮移動した際に、前記シール部材が移動する位置の前記外周シール面または内周シール面に形成されていることを特徴とするプロペラシャフト。
〔請求項c〕
前記非シール面は、前記外周シール面または内周シール面の軸方向から連続して形成されていることを特徴とするプロペラシャフト。
非シール面を各シール面に対して連続して形成したため、シール部材の摺動開始直後から摺動抵抗を速やかに低下させることができる。
〔請求項d〕
前記各シール面は、前記軸部材の雄スプラインが形成されていない部位と筒状部材の雌スプラインが形成されていない部位に形成されていることを特徴とするプロペラシャフト。
〔請求項e〕
前記軸部材の前記雄スプラインと外周シール面との間、及び前記筒状部材の雌スプラインと内周シール面との間に、それぞれ係合孔を径方向に沿って形成すると共に、該両係合孔間に抜け止めピンを挿通固定したことを特徴とするプロペラシャフト。
前記筒状部材の軸方向移動時に、抜け止めピンによってシール部材が各スプライン形成部方向へ移動するのを規制できるので、シール部材の各スプライン間への噛み込みを抑制でき、摺動性が向上する。
〔請求項f〕請求項10に記載のプロペラシャフトにおいて、
前記シール作用解除部の軸方向の長さを、予め設定した前記軸部材と筒状部材との短縮移動における前記両スプラインの軸方向の摺動長さ以上に形成したことを特徴とするプロペラシャフト。
シール作用解除部の軸方向の長さを十分に確保したため、シール部材の摺動抵抗を効果的に抑制できる。
〔請求項g〕
前記軸部材は、前記雄スプラインが形成された大径部と、該大径部に隣接し、前記外周シール面が形成された中径部と、該中径部に隣接し、前記非シール面が形成された小径部と、を有し、
前記シール部材を、前記小径部側から装着したことを特徴とするプロペラシャフト。
シール部材を小径部側から装着できるので、かかる装着作業が容易になる。
〔請求項h〕
前記軸部材は、前記雄スプラインが形成された大径部と、該大径部に隣接し、前記外周シール面が形成された中径部と、該中径部に隣接し、前記非シール面が形成された小径部と、を有し、
前記シール部材を、前記小径部側から装着したことを特徴とする車両用プロペラシャフト。
〔請求項i〕
前記非シール面の軸方向の長さを、前記軸部材と筒状部材との短縮移動における前記両スプラインの軸方向の摺動長さ以上に形成したことを特徴とする車両用プロペラシャフト。
〔請求項j〕
前記小径部は、前記外周シール面または内周シール面の軸方向端縁から連続して形成されていることを特徴とする車両用プロペラシャフト。
1…第1シャフト
2…第2シャフト
8…フロント側シャフト(筒状部材)
9…リア側シャフト(軸部材)
10…第1チューブ
11…第2チューブ
12…雌スプライン
13・18…第1、第2係合孔
14…環状シール溝
14a…開口部
14b…内側壁面
15…シールリング(シール部材)
16…雄スプライン
17…外周シール面
19…リテーナ
20・23…抜け止めピン
21…非シール面
22…オイルシール(シール部材)
24・25…第1,第2係合孔
26…第1環状シール溝
27…内周シール面
28…第2環状シール溝
29…外周シール面

Claims (2)

  1. 筒状の第1軸と、一部が前記第1軸に挿入された第2軸とを備え、
    前記第1軸は、内周面に設けられた雌スプラインと、前記雌スプラインよりも前記第1軸の端部寄りの前記内周面に設けられた第2環状シール溝と、前記第2環状シール溝よりも前記第1軸の端部寄りの内周面に設けられ、前記第2環状シール溝の内径よりも小さく形成された内周シール面と、を備え、
    前記第2軸は、前記第1軸に挿入された端部から順に設けられ、前記雌スプラインと噛み合う雄スプラインと、外径が前記雄スプラインの外径より小さい外周シール面と、前記外周シール面の側部であって、前記内周シール面と径方向で対向した位置に設けられ、シール部材を保持する第1環状シール溝と、を備え、
    前記シール部材は、環状に形成されていると共に、前記内周シール面と第1環状シール溝との間に挟持状態に設けられ、前記第1軸と前記第2軸との間に入力荷重が作用して前記第1軸が、前記第2軸に対して相対的に移動したときに、前記内周シール面がシール部材の外周縁を摺接しながら移動して前記第2環状シール溝内に嵌入して、該第2環状シール溝の底面と、前記第2軸の端部から前記第1環状シール溝よりも軸方向に離れた外周面と、の間に挟持状態に保持されることを特徴とするプロペラシャフト。
  2. 請求項1に記載のプロペラシャフトにおいて、
    前記外周シール面の外径は、前記第2軸の前記第1環状シール溝を挟んだ前記雄スプラインと反対側の外周面の外径と同じ大きさに形成されていることを特徴とするプロペラシャフト。
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