JP7021163B2 - 鞍乗り型車両の前部構造 - Google Patents
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Description
(1)本発明の態様に係る鞍乗り型車両の前部構造は、操舵軸(26)の後方かつ動力源(4)の上方の位置にサスペンション(24)が配置され、前記サスペンション(24)は、左右一対のアーム(22c)の間に設けられた支持軸(24b)に支持され、前記操舵軸(26)と前記サスペンション(24)との間には、前記左右一対のアーム(22c)の間を覆うカバー(40)が設けられ、前記カバー(40)は、前記左右一対のアーム(22c)に対応する左右一対の第一覆い部(42)と、前記サスペンション(24)に対応する第二覆い部(43)と、を備え、前記左右一対の第一覆い部(42)及び前記第二覆い部(43)は、それぞれ独立して変位可能であり、前記左右一対の第一覆い部(42)は、前記左右一対のアーム(22c)の動きにそれぞれ追従する。
サスペンションの要求仕様に応じて周囲の部品レイアウトが変わる場合(例えば、サスペンションの上部にアクチュエータ等の部品を配置する場合)には、左右一対の第一覆い部及び第二覆い部は、それぞれ異なる高さに設定できる。したがって、サスペンションのストローク量を保つことができる。加えて、左右一対の第一覆い部が左右一対のアームの動きにそれぞれ追従するため、左右一対の第一覆い部によって左右一対のアームの揺動時に生じる隙間を塞ぐことができる。加えて、アームの揺動時に第一覆い部が噛み込まれることを抑制することができる。
第二覆い部が左右一対の第一覆い部の高さ以上に位置する場合と比較して、サスペンションのストローク量を大きくすることができる。
左右一対の第一覆い部と第二覆い部との間に介在部がある場合と比較して、左右一対の第一覆い部及び第二覆い部はそれぞれ独立してスムーズに変位可能となる。したがって、サスペンションをスムーズにストロークさせることができる。
スリットの長さがサスペンションの揺動量以下の場合と比較して、ストローク量を大きくすることができる。加えて、大型のサスペンションを配置することができる。
左右一対の第一覆い部が左右一対のアームの動きにそれぞれ追従するため、左右一対の第一覆い部によって左右一対のアームの揺動時に生じる隙間を塞ぐことができる。加えて、アームの揺動時に第一覆い部が噛み込まれることを抑制することができる。
カバーが左右一対のアームの動きに追従するため、カバーによって左右一対のアームの揺動時に生じる隙間を塞ぐことができる。
拡幅部、第一覆い部および第二覆い部によって、サスペンションの周囲の隙間を可及的に小さくすることができる。
サスペンションの伸縮に左右されずにカバーを取り付けることができる。
図1は、鞍乗り型車両の一例として、前輪2と後輪3との間に水平対向6気筒のエンジン4(動力源)を備えた大型の自動二輪車1を示す。以下、自動二輪車を単に「車両」ということがある。
メインフレーム11の前部には、フロントサスペンション機構20が支持されている。フロントサスペンション機構20は、アッパリンク21、ロアリンク22、フォーク支持部23(ホルダ)、フロントクッションユニット24(サスペンション)及びフロントスイングアーム25を備える。
フォーク支持部23の下部後部には、支軸22bを介してロアリンク22の前端部が回動可能に連結されている。
左右アーム部28の下端部には、前輪2を回転可能に支持する前輪車軸2a(図1参照)が取り付けられている。ブリッジ部29には、前輪操舵軸26の下端部が取り付けられている。
図2に示すように、前輪操舵軸26とフロントクッションユニット24との間には、左右一対の下アーム22cの間を覆うカバー40が設けられている。カバー40は、可撓性を有する。例えば、カバー40は、ゴム等の弾性体によって形成されている。図3に示すように、カバー40の前部は、前輪操舵軸26を回動可能に支持する筒状のフォーク支持部23に、左右一対の第一ボルト51(第一固定部材)によって固定されている。具体的に、カバー40の前部は、左右一対の第一ボルト51によって、後方からフォーク支持部23に固定されている。図2の側面視で、カバー40の前部は、リブ23bの形状に沿って固定されている。
図6に示すように、拡幅部41、左右一対の第一覆い部42及び第二覆い部43は、同一の部材で一体に形成されている。図6の上面視で、カバー40の外形は、左右対称である。例えば、カバー40は、ゴム材料を用いた成型品である。
図6の上面視で、拡幅部41の上端部は、フォーク支持部23(図3参照)の後部に沿うように湾曲している。第一拡幅部41の上端部には、内側(下側)に湾曲して窪む凹部41aが設けられている。図6に示すように、拡幅部41の車幅方向外端部には、第一ボルト51(図3参照)を挿通可能に開口する筒状をなす第一ボス41bが設けられている。図7に示すように、第一ボス41bは、第一拡幅部41の後面から後方に膨出している。
図8の側面視で、左右一対の第一覆い部42は、L字状をなしている。図6に示すように、左右一対の第一覆い部42は、それぞれ拡幅部41の左右側部の下端から後方に延びている。左右一対の第一覆い部42は、それぞれ左右一対の下アーム22cの前部上面を覆っている(図3参照)。図6の上面視で、第一覆い部42は、拡幅部41の下端から後方に向かって一様の幅で延びた後、後側ほど幅が狭くなっている。
図6に示すように、第二覆い部43は、左右一対の第一覆い部42の車幅方向の間に間隔をあけて配置されている。第二覆い部43は、拡幅部41の中央部の下端からフロントクッションユニット24の下部後端に向けて延びている(図5参照)。図5に示すように、取付状態のカバー40の第二覆い部43は、左右一対の第一覆い部42よりも下方に位置している。
図8に示すように、第一延出部44は、拡幅部41の下端から下方に延びる前方延在部44aと、前方延在部44aの下端から後方に延びる中間延在部44bと、中間延在部44bの後端から後下方に延びる後方延在部44cと、を備える。
図6に示すように、カバー40は、左右一対の第一覆い部42と第二覆い部43との間に、前後方向に延びるスリット48を有する。スリット48の長さは、フロントクッションユニット24の揺動量よりも大きい。スリット48の長さは、カバー40を平面形状に展開したときのスリット48の全長を意味する。例えば、スリット48の長さは、フロントクッションユニット24の最大揺動量(または最大ストローク量)よりも大きいことが好ましい。
以上説明したように、上記実施形態の自動二輪車の前部構造は、前輪操舵軸26の後方かつエンジン4の上方の位置にフロントクッションユニット24が配置され、フロントクッションユニット24は、左右一対の下アーム22cの間に設けられた支軸24bに支持され、前輪操舵軸26とフロントクッションユニット24との間には、左右一対の下アーム22cの間を覆うカバー40が設けられ、カバー40は、左右一対の下アーム22cに対応する左右一対の第一覆い部42と、サスペンション24に対応する第二覆い部43と、を備え、左右一対の第一覆い部42及び第二覆い部43は、それぞれ独立して変位可能である。
この構成によれば、フロントクッションユニット24の要求仕様に応じて周囲の部品レイアウトが変わる場合(例えば、フロントクッションユニット24の上部にアクチュエータ24c等の部品を配置する場合)には、左右一対の第一覆い部42及び第二覆い部43は、それぞれ異なる高さに設定できる。したがって、フロントクッションユニット24のストローク量を保つことができる。
第二覆い部43が左右一対の第一覆い部42の高さ以上に位置する場合と比較して、フロントクッションユニット24のストローク量を大きくすることができる。
左右一対の第一覆い部42と第二覆い部43との間に介在部がある場合と比較して、左右一対の第一覆い部42及び第二覆い部43はそれぞれ独立してスムーズに変位可能となる。したがって、フロントクッションユニット24をスムーズにストロークさせることができる。
スリット48の長さがフロントクッションユニット24の揺動量以下の場合と比較して、ストローク量を大きくすることができる。加えて、大型のフロントクッションユニット24を配置することができる。
左右一対の第一覆い部42が左右一対の下アーム22cの動きにそれぞれ追従するため、左右一対の第一覆い部42によって左右一対の下アーム22cの揺動時に生じる隙間を塞ぐことができる。加えて、下アーム22cの揺動時に第一覆い部42が噛み込まれることを抑制することができる。
カバー40が左右一対の下アーム22cの動きに追従するため、カバー40によって左右一対の下アーム22cの揺動時に生じる隙間を塞ぐことができる。
拡幅部41、第一覆い部42および第二覆い部43によって、フロントクッションユニット24の周囲の隙間を可及的に小さくすることができる。
フロントクッションユニット24の伸縮に左右されずにカバー40を取り付けることができる。
なお、上記実施形態では、カバー40は、左右一対の第一覆い部42と第二覆い部43との間にスリット48を有する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、カバー40は、左右一対の第一覆い部42と第二覆い部43との間にスリット48を有しなくてもよい。例えば、左右一対の第一覆い部42と第二覆い部43との間に介在部があってもよい。例えば、カバー40は、左右一対の第一覆い部42と第二覆い部43との間に蛇腹構造を有していてもよい。すなわち、左右一対の第一覆い部42及び第二覆い部43は、それぞれ独立して変位可能であればよい。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
4 エンジン(動力源)
22c 下アーム(アーム)
23 フォーク支持部(ホルダ)
24 フロントクッションユニット(サスペンション)
24b 支軸(支持軸)
26 前輪操舵軸(操舵軸)
40 カバー
40a 屈曲部
41 拡幅部
42 第一覆い部
43 第二覆い部
44 第一延出部
45 第二延出部
Claims (8)
- 操舵軸(26)の後方かつ動力源(4)の上方の位置にサスペンション(24)が配置され、
前記サスペンション(24)は、左右一対のアーム(22c)の間に設けられた支持軸(24b)に支持され、
前記操舵軸(26)と前記サスペンション(24)との間には、前記左右一対のアーム(22c)の間を覆うカバー(40)が設けられ、
前記カバー(40)は、
前記左右一対のアーム(22c)に対応する左右一対の第一覆い部(42)と、
前記サスペンション(24)に対応する第二覆い部(43)と、を備え、
前記左右一対の第一覆い部(42)及び前記第二覆い部(43)は、それぞれ独立して変位可能であり、
前記左右一対の第一覆い部(42)は、前記左右一対のアーム(22c)の動きにそれぞれ追従することを特徴とする鞍乗り型車両の前部構造。 - 前記第二覆い部(43)は、前記左右一対の第一覆い部(42)よりも下方に位置することを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両の前部構造。
- 前記カバー(40)は、前記左右一対の第一覆い部(42)と前記第二覆い部(43)との間にスリット(48)を有することを特徴とする請求項1または2に記載の鞍乗り型車両の前部構造。
- 前記スリット(48)の長さは、前記サスペンション(24)の揺動量よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の鞍乗り型車両の前部構造。
- 前記左右一対の第一覆い部(42)は、前記左右一対のアーム(22c)にそれぞれ接していることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の鞍乗り型車両の前部構造。
- 前記カバー(40)は、可撓性を有し、
前記カバー(40)には、前記操舵軸(26)を回動可能に支持する筒状のホルダ(23)と前記アーム(22c)とに沿うように屈曲する屈曲部(40a)が設けられていることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の鞍乗り型車両の前部構造。 - 前記カバー(40)は、前記操舵軸(26)を回動可能に支持する筒状のホルダ(23)の後部に沿うように上下に延在するとともに車幅方向に拡がる拡幅部(41)を更に備え、
前記左右一対の第一覆い部(42)は、それぞれ前記拡幅部(41)の左右側部の下端から後方に延びるとともに前記左右一対のアーム(22c)の上面を覆い、
前記第二覆い部(43)は、前記左右一対の第一覆い部(42)の前記車幅方向の間に間隔をあけて配置され、前記拡幅部(41)の中央部の下端から前記サスペンション(24)の下部後端に向けて延びていることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の鞍乗り型車両の前部構造。 - 前記第二覆い部(43)は、
前記拡幅部(41)の下端から後下方に延びる第一延出部(44)と、
前記第一延出部(44)の後端から前下方に延びる第二延出部(45)と、を備え、
前記第二延出部(45)は、前記サスペンション(24)の軸線方向に沿って延びていることを特徴とする請求項7に記載の鞍乗り型車両の前部構造。
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