JP7020839B2 - 二酸化炭素還元装置 - Google Patents
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非特許文献3では、イオン液体である1-エチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EMIM-BF4)を電解液に含有させることで、二酸化炭素の還元反応が促進されることが報告されている。このような二酸化炭素の還元反応の促進に関して、イオン液体と二酸化炭素が相互作用し、活性化エネルギーを低下させるというメカニズムが提唱されている(非特許文献4)。
[1]第1電極と、電解液及びイオン輸送膜の少なくともいずれかと、第2電極とを備える二酸化炭素還元装置であって、
前記第1電極が二酸化炭素を還元する還元触媒を含み、二酸化炭素を還元する同一空間に双性イオン化合物を含有する、二酸化炭素還元装置。
[2]前記双性イオン化合物が、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、及び下記式(1)で表されるアニオンからなる群から選択される一種以上のアニオン部位を有する、上記[1]に記載の二酸化炭素還元装置。
(式(1)において、Zは炭素数1~15のアルキル基、炭素数1~15のハロゲン化アルキル基、炭素数6~15のアリール基、炭素数6~15のハロゲン化アリール基、又はハロゲンを表し、*は結合手を表す)
[3]前記双性イオン化合物が、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、及びピペリジニウムイオンからなる群から選択される一種以上のカチオン部位を有する、上記[1]又は[2]に記載の二酸化炭素還元装置。
[4]前記双性イオン化合物が、下記式(2)~(4)で表される少なくともいずれかの化合物を含む、上記[2]に記載の二酸化炭素還元装置。
(式(2)において、R1~R4は、それぞれ独立して一級アミノ基及び二級アミノ基の一方又は両方を有していてもよい有機基または水素原子であり、X1はスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、又は式(1)で表されるアニオンのいずれかを含有する炭素数0~15の基を表す)
(式(3)において、R5~R9は、それぞれ独立して一級アミノ基及び二級アミノ基の一方又は両方を有していてもよい有機基または水素原子であり、X2はスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、又は式(1)で表されるアニオンのいずれかを含有する炭素数0~15の基を表す)
(式(4)において、X3及びX4はそれぞれ独立して、
(i)一級アミノ基及び二級アミノ基の一方又は両方を有していてもよい有機基、
(ii)水素原子、又は
(iii)スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、若しくは式(1)で表されるアニオンのいずれかを含有する炭素数0~15の基
のいずれかであり、X3及びX4の少なくとも一方は、(iii)で表される基である)
[5]前記双性イオン化合物が第1電極上に担持されている、上記[1]~[4]のいずれかに記載の二酸化炭素還元装置。
[6]前記二酸化炭素還元装置が、前記電解液を備え、前記双性イオン化合物が電解液に含有されている、上記[1]~[4]のいずれかに記載の二酸化炭素還元装置。
[7]前記二酸化炭素還元装置が、前記イオン輸送膜を備え、前記双性イオン化合物がイオン輸送膜に含有されている、上記[1]~[4]のいずれかに記載の二酸化炭素還元装置。
本発明の二酸化炭素還元装置では、二酸化炭素を還元する同一空間に双性イオン化合物が含有される。ここで、二酸化炭素を還元する同一空間とは、二酸化炭素を還元する触媒が存在している第1電極、又は第1電極近傍であり二酸化炭素の還元が可能な領域を意味する。第1電極近傍であり二酸化炭素の還元が可能な領域とは、例えば電解液、イオン輸送膜が存在する領域が該当する。
双性イオン化合物とは、同一分子内にカチオン部位とアニオン部位とを有し、カチオン部位とアニオン部位はそれぞれ共有結合により分子内のいずれかの原子と結合している化合物である。双性イオン化合物は、例えば、X+-A-Y-などで表され、同一分子内にカチオン部位(X+)と、アニオン部位(Y-)とを有する。Aは、カチオン部位(X+)とアニオン部位(Y-)を共有結合で結ぶ連結基である。なお、連結基Aは通常、単結合又は炭素数1~20の有機基である。
双性イオン化合物が、二酸化炭素と相互作用し、還元反応における活性化エネルギーを低下させることで、還元効率が高くなる。双性イオン化合物は、カチオン部位とアニオン部位が共有結合により同一分子内に存在するため、電極近傍の電場によるイオンの拡散が生じ難く、これにより、触媒の腐食が防止されるものと考えられる。これに対して、これまで報告されている二酸化炭素還元装置に利用されたイオン液体は、カチオンとアニオンのイオン対を形成した化合物であるため、イオンが拡散しやすく、このため、触媒の劣化が進みやすく、耐久性が劣るものと推察される。
本発明で使用することができる双性イオン化合物は、特に限定されず、公知の双性イオン化合物を使用することが可能である。
双性イオン化合物におけるアニオン部位としは、例えば、ハロゲンイオン、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、リン酸アニオン、リン酸エステルアニオン、ホスホン酸アニオン、炭酸エステルアニオン、硫酸エステルアニオン、ヒドロキシアニオン、下記式(1)で表されるアニオンなどであればよい。中でも、二酸化炭素還元装置の還元効率及び耐久性を良好とする観点から、双性イオン化合物は、スルホン酸アニオン(SO3 -)、カルボン酸アニオン(COO-)、及び下記式(1)で表されるアニオンからなる群から選択される一種以上のアニオン部位を有することが好ましい。
式(1)において、Zは炭素数1~15のアルキル基、炭素数1~15のハロゲン化アルキル基、炭素数6~15のアリール基、炭素数6~15のハロゲン化アリール基、又はハロゲンを表し、*は結合手を表す。中でもZは、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のハロゲン化アルキル基、ハロゲンであることが好ましい。なお、式(1)における紙面の一番左の硫黄原子が双性イオン化合物中のいずれかの原子と共有結合を形成する。
双性イオン化合物のアニオン部位としては、上記例示したアニオン部位の中でも、スルホン酸アニオンが好ましい。双性イオン化合物がスルホン酸アニオンを含む場合には、二酸化炭素還元装置の還元効率及び耐久性が良好となる傾向がある。
式(2)において、R1~R4は、それぞれ独立して一級アミノ基及び二級アミノ基の一方又は両方を有していてもよい有機基または水素原子であり、X1はスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、又は式(1)で表されるアニオンのいずれかを含有する炭素数0~15の基を表す。
式(2)においてR1~R4は、それぞれ独立して炭素数1~10の有機基又は水素原子であることが好ましく、それぞれ独立して炭素数1~5の有機基又は水素原子であることがより好ましい。中でも、R1は炭素数1~5のアルキル基であるとともに、R2~R4はいずれも水素原子であることがさらに好ましく、R1は炭素数1~3のアルキル基であるとともに、R2~R4はいずれも水素原子であることがさらに好ましい。
式(2)において、X1はスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、又は式(1)で表されるアニオンのいずれかを含有する炭素数1~15の有機基であることが好ましい。中でも、式(2)において、X1はスルホン酸アニオンを含有する炭素数1~10の有機基であることがより好ましく、炭素数1~5のスルホナトアルキル基(-(CH2)n-SO3 -;nは1~5の整数)であることがさらに好ましい。
式(3)において、R5~R9は、それぞれ独立して一級アミノ基及び二級アミノ基の一方又は両方を有していてもよい有機基または水素原子であり、X2はスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、又は式(1)で表されるアニオンのいずれかを含有する炭素数0~15の基を表す。
式(3)においてR5~R9は、それぞれ独立して炭素数1~10の有機基又は水素原子であることが好ましく、それぞれ独立して炭素数1~5のアルキル基又は水素原子であることがより好ましい。中でも、R5~R9はいずれも水素原子であることがさらに好ましい。
式(3)において、X2はスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、又は式(1)で表されるアニオンのいずれかを含有する炭素数1~15の有機基であることが好ましい。中でも、式(3)において、X2はスルホン酸アニオンを含有する炭素数1~10の有機基であることがより好ましく、炭素数1~5のスルホナトアルキル基(-(CH2)n-SO3 -;nは1~5の整数)であることがさらに好ましい。
式(4)において、X3及びX4はそれぞれ独立して、(i)一級アミノ基及び二級アミノ基の一方又は両方を有していてもよい有機基、(ii)水素原子、又は(iii)スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、若しくは式(1)で表されるアニオンのいずれかを含有する炭素数0~15の基である。式(4)において、X3及びX4の少なくとも一方は、(iii)で表される基である。
式(4)において、X3が(iii)で表される基であり、X4が(i)で表される基、又は水素原子であることが好ましい。この中でも、X3は、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、若しくは式(1)で表されるアニオンのいずれかを含有する炭素数1~15の有機基であることが好ましい。そして、X3は、スルホン酸アニオンを含有する炭素数1~10の有機基であることがより好ましく、炭素数1~5のスルホナトアルキル基(-(CH2)n-SO3 -;nは1~5の整数)であることがさらに好ましい。
X4は、炭素数1~5のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~3のアルキル基であることがより好ましい。
第1電極上に担持する方法としては、例えば、後述する還元触媒を含有するカーボンペーパー等の基材上に、双性イオン化合物が含有された溶液を塗布し、乾燥させればよい。
第1電極に、双性イオン化合物を含有させる場合は、二酸化炭素還元装置の還元効率及び耐久性を向上させる観点から、双性イオン化合物の含有量は、還元触媒100質量部に対して、1~1000質量部であることが好ましく、5~200質量部であることがより好ましい。
双性イオン化合物は、イオン輸送膜に含有されていてもよい。この場合、双性イオン化合物の含有量は、イオン輸送膜全量基準で1~60質量%であることが好ましく、1~40質量%であることがより好ましい。
本発明の二酸化炭素還元装置は、第1電極(カソード)と、イオン輸送膜及び電解液の少なくともいずれかと、第2電極(アノード)を備えている。
本発明の二酸化炭素還元装置は、第1電極において二酸化炭素が還元されて、生成物が生じる。生成物としては、例えば、CO(一酸化炭素)、HCO3-、OH-、HCO-、H2CO、(HCO2)-、H2CO2、CH3OH、CH4、C2H4、CH3CH2OH、CH3COO-、CH3COOH、C2H6、O2、(COOH)2、(COO-)2が挙げられるが、一酸化炭素が生成されることが好ましい。第2電極では、任意の物質に対して酸化反応を行えばよいが、水に対して酸化反応を行うことが好ましい。
二酸化炭素還元装置では、第1電極においてアニオンが生成される。第1電極で生成されたアニオンは、イオン輸送膜及び電解液の少なくともいずれかを介して第2電極側に供給される。アニオンとしては水酸化物イオンが好ましい。
カチオン、アニオンは、いずれか一方が生成されればよいが、両方が生成されてもよい。第2電極でカチオンが生成され、第1電極側に供給されることが好ましい。
そのような膜-電極接合体を使用した具体例を図1に模式的に示す。図1に示すように、二酸化炭素還元装置10は、第1電極11、第2電極12、及びイオン輸送膜13を有する膜-電極接合体14を備える。二酸化炭素還元装置10では、セルが膜-電極接合体14により区画され、カソード室15とアノード室16が形成される。このように、二酸化炭素還元装置10は、膜-電極接合体14によって二室に隔てられた二室型隔膜式セルを有する。
アノード室16には、水素、水、又は、水酸化物イオン若しくは水素などを含む水溶液などが充填又は導入され、第2電極12では酸化反応が行われる。アノード室16に充填された水又は水溶液には、適宜ヘリウムなどの不活性ガスが吹き込まれてもよい。
カソード室15では、気体状の二酸化炭素を導入して、第1電極11に接触させることが好ましい。アノード室16には水を充填することが好ましい。
このように電解質を使用した二酸化炭素還元装置20でも、第1導入口17Aから導入された二酸化炭素が第1電極11にて還元され、一酸化炭素が生成される。第2電極12では、電解液22中の水、水酸化物イオン、水素又はその他の物質が酸化されるとよい。水素などの気体は図示しない第2導入口により第2電極12側の電解液22中に吹き込まれてもよい。
本発明の二酸化炭素還元装置に使用されるイオン輸送膜としては、固体膜が使用され、プロトンなどのカチオンを輸送できるカチオン輸送膜、アニオンを輸送できるアニオン輸送膜が挙げられる。
カチオン輸送膜としては、ポリエチレンスルホン酸、フラーレン架橋ポリスルホン酸、ポリアクリル酸のような炭化水素樹脂系のポリスルホン酸類やカルボン酸類、パーフルオロエチレンスルホン酸のようなフッ素樹脂系のスルホン酸類やカルボン酸類などが好ましく挙げられる。SiO2-P2O5のようなリン酸ガラス類、ケイタングステン酸やリンタングステン酸のようなヘテロポリ酸類、ペロブスカイト型酸化物等のセラミックス類等も用いることができる。
アニオン輸送膜としては、ポリ(スチリルメチルトリメチルアンモニウムクロリド)のような4級アンモニウム塩を有する樹脂やポリエーテル類等が好ましく挙げられる。
上記した中では、カチオン輸送膜が好ましく、中でもパーフルオロエチレンスルホン酸樹脂が好ましい。パーフルオロエチレンスルホン酸樹脂の市販品としてはナフィオン(デュポン社の商標)が挙げられる。
第1電極は、二酸化炭素を還元する還元触媒を含有し、還元反応を起こすことができるものであればよい。還元触媒としては、例えば、各種金属又は金属化合物を使用することができる。
第1電極に使用する金属としては、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Sn、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Hf、Ta、W、Re、Ir、Pt、Au、Hg、Al、Si、In、Sn、Tl、Pb、Bi、Sb、Te、U、Sm、Tb、La、Ce、及びNdなどが挙げられる。金属化合物としては、これら金属の無機金属化合物及び有機金属化合物等の金属化合物を使用することができ、具体的には、金属ハロゲン化物、金属酸化物、金属水酸化物、金属硝酸塩、金属硫酸塩、金属酢酸塩、金属リン酸塩、金属カルボニル、及び金属アセチルアセトナト等が挙げられる。
第1電極としては、上記金属又は金属化合物の他に導電性炭素材料を含むことが好ましい。導電性炭素材料としては、電気伝導性を有する種々の炭素材料を使用することができ、例えば、活性炭、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、グラファイト、カーボンファイバー、カーボンペーパー、及びカーボンウィスカー等が挙げられる。
上記含フッ素化合物は、第1電極を形成する際の結着剤としても使用できる。この場合、金属又は金属化合物及び上記フッ素化合物を溶媒中に分散して、カーボンペーパーなどの導電性炭素材料に塗布して加熱することで、第1電極を作製すればよい。
第2電極としては、酸化反応を起こすことができるものであればよいが、例えば、各種金属、金属化合物、及び導電性炭素材料からなる群から選択される1種又は2種以上を含む材料を使用することができる。
第2電極に使用する金属としては、鉄、金、銅、ニッケル、白金、パラジウム、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム等が挙げられる。金属化合物としては、これら金属の無機金属化合物及び有機金属化合物等の金属化合物を使用することができ、具体的には、金属ハロゲン化物、金属酸化物、金属水酸化物、金属硝酸塩、金属硫酸塩、金属酢酸塩、金属リン酸塩、金属カルボニル、及び金属アセチルアセトナト等が挙げられる。
導電性炭素材料としては、電気伝導性を有する種々の炭素材料を使用することができ、例えば、メソポーラスカーボン、活性炭、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、グラファイト、カーボンファイバー、カーボンペーパー、及びカーボンウィスカー等が挙げられる。
上記含フッ素化合物は、第2電極を形成する際の結着剤としても使用できる。したがって、上記した複合体を形成するとき、金属及び金属化合物の少なくともいずれかと、導電性炭素材料に、さらに含フッ素化合物を混合させるとよい。
本発明の二酸化炭素還元装置に使用される電解液は、アニオン、カチオンを移動できるものである。電解液としては、従来公知の電解液を使用すればよい。例えば、炭酸水素ナトリウム水溶液、硫酸ナトリウム水溶液、塩化カリウム水溶液、塩化ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液などが挙げられる。
30mgの銀ナノ粒子(アルドリッチ社製)と、3mgのPTFEを0.3mLのイソプロパノールに分散させ、カーボンペーパー上に塗布した。さらに、該カーボンペーパー上に、30mgの下記式で表される双性イオン化合物(1-メチル-3-(3-スルホナトプロピル)イミダゾリウム;IMS)をアセトニトリル0.3mLに溶解させた溶液を塗布した。これを80℃で1時間、120℃で1時間加熱乾燥させ、双性イオン化合物が担持された第1電極を得た。
続いて、30mgの白金ナノ粒子(アルドリッチ社製)と10mgのメソポーラスカーボン(アルドリッチ社製)、3mgのPTFEを、0.5mlのイソプロパノールに分散させ、カーボンペーパー上に塗布し、300℃で1時間加熱することで第2電極を得た。得られた第1電極と第2電極を、ナフィオン(商標名)からなるイオン輸送膜に積層し,59MPa、413Kで熱プレスすることで膜-電極接合体を作製した。カソード室とアノード室の空間を有する二室型隔膜式セル中央に膜-電極接合体をセットし、二酸化炭素還元装置とした。
IMSの代わりに下記式で表される双性イオン化合物(1-(3-スルホナトプロピル)ピリジニウム;PS1)を用いたこと以外は実施例1と同様にして二酸化炭素還元装置とした。
IMSの代わりに下記式で表される双性イオン化合物(1-メチル-1-(3-スルホナトプロピル)ピペリジニウム;PS2)を用いたこと以外は実施例1と同様にして二酸化炭素還元装置とした。
IMSの代わりに下記式で表される化合物(下記式;EMIM-BF4)を用いたこと以外は実施例1と同様にして二酸化炭素還元装置とした。なお、EMIM-BF4は、カチオンとアニオンがイオン対を形成している化合物であり、双性イオン化合物ではない。
IMSの代わりに下記式で表される化合物(下記式;EMIM-MeSO3)を用いたこと以外は実施例1と同様にして二酸化炭素還元装置とした。なお、EMIM-MeSO3は、カチオンとアニオンがイオン対を形成している化合物であり、双性イオン化合物ではない。
IMSを用いなかったこと以外は実施例1と同様にして二酸化炭素還元装置とした。
電流効率については、70%以上をA、60%以上70%未満をB、60%未満をCとして評価した。
維持率については、70%以上をA、60%以上70%未満をB、60%未満をCとして評価した。
11 第1電極
12 第2電極
13 イオン輸送膜
14 膜-電極接合体
15 カソード室
16 アノード室
17A~17B 導入口
18A,18B 排出口
19 電源
Claims (5)
- 第1電極と、電解液及びイオン輸送膜の少なくともいずれかと、第2電極とを備える二酸化炭素還元装置であって、
前記第1電極は電解液と接触しておらず、
前記第1電極が二酸化炭素を還元する還元触媒及び双性イオン化合物を含有する、二酸化炭素還元装置。 - 前記双性イオン化合物が、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、及びピペリジニウムイオンからなる群から選択される一種以上のカチオン部位を有する、請求項1又は2に記載の二酸化炭素還元装置。
- 前記双性イオン化合物が、下記式(2)~(4)で表される少なくともいずれかの化合物を含む、請求項2に記載の二酸化炭素還元装置。
(式(2)において、R1~R4は、それぞれ独立して一級アミノ基及び二級アミノ基の一方又は両方を有していてもよい有機基または水素原子であり、X1はスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、又は式(1)で表されるアニオンのいずれかを含有する炭素数0~15の基を表す)
(式(3)において、R5~R9は、それぞれ独立して一級アミノ基及び二級アミノ基の一方又は両方を有していてもよい有機基または水素原子であり、X2はスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、又は式(1)で表されるアニオンのいずれかを含有する炭素数0~15の基を表す)
(式(4)において、X3及びX4はそれぞれ独立して、
(i)一級アミノ基及び二級アミノ基の一方又は両方を有していてもよい有機基、
(ii)水素原子、又は
(iii)スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、若しくは式(1)で表されるアニオンのいずれかを含有する炭素数0~15の基
のいずれかであり、X3及びX4の少なくとも一方は、(iii)で表される基である) - 前記双性イオン化合物が第1電極上に担持されている、請求項1~4のいずれかに記載の二酸化炭素還元装置。
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