JP2023133965A - 二酸化炭素還元装置および人工光合成装置 - Google Patents

二酸化炭素還元装置および人工光合成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低いセル電位かつ高い変換効率でギ酸イオンを得ることができる二酸化炭素還元装置および人工光合成装置を提供する。【解決手段】水を酸化して酸素を生成するアノード16、およびアノード16にアノード溶液を供給するアノード溶液流路18を備えるアノード部10と、二酸化炭素を還元してギ酸またはギ酸イオンを生成するカソード22、およびカソード22に二酸化炭素ガスを供給するガス流路24を備えるカソード部12と、アノード部10とカソード部12により挟持されるアニオン交換膜14と、を備え、カソード22は、アニオン交換膜14側から順に、カソード触媒として金属錯体を含む触媒層26と、ガス拡散層28と、を備え、アノード溶液として、アルカリ性溶液を供給する、二酸化炭素還元装置1である。【選択図】図1

Description

本発明は、二酸化炭素還元装置および人工光合成装置に関する。
近年、石油や石炭等の化石燃料の枯渇が懸念され、持続的に利用できる再生可能エネルギーへの期待が高まっている。そのようなエネルギー問題、さらに環境問題等の観点から、太陽光等の再生可能エネルギーを用いて二酸化炭素を電気化学的に還元し、貯蔵可能な化学エネルギー源を作り出す人工光合成技術の開発が進められている。
二酸化炭素を還元する方法の一つとして、水溶液中に溶解させた二酸化炭素を電気化学的にギ酸に還元する方法が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。しかし、特許文献1の方法のような従来の二酸化炭素還元電解装置は、溶液中に溶解した二酸化炭素を還元する手法であった(例えば、特許文献1の図1参照)。この例では、二酸化炭素還元触媒として銅(Cu)等の金属ナノワイヤ、水(HO)酸化触媒として白金(Pt)が用いられている。
近年では、ガス拡散型の二酸化炭素還元電極の開発が進められており、例えば、非特許文献1では、ガス拡散型の二酸化炭素還元用の負極(カソード)と、HO酸化用の正極(アノード)との間に、負極室用の電解質溶液(炭酸水素カリウム(KHCO)水溶液)、イオン電導性メンブレン膜および正極室用の電解質溶液(水酸化カリウム(KOH)水溶液)が配置された二酸化炭素還元装置が報告されている(非特許文献1の図2参照)。この例では、二酸化炭素還元触媒として酸化スズ、水酸化触媒としてニッケル(Ni)が用いられている。
別の例として、非特許文献2では、ガス拡散型の負極と、正極との間に、陰イオン交換膜、水溶液層および陽イオン交換膜からなる二酸化炭素還元装置が記載されている(非特許文献2の図3参照)。この例では、二酸化炭素還元触媒としてスズナノ粒子、水酸化触媒として酸化イリジウム(IrO)が用いられている。
特許文献1のような、電極浸漬方式の場合、水溶液中に溶解する二酸化炭素の濃度は室温、常圧では希薄であるため、二酸化炭素に優先して、共存するプロトン(H)の還元が進行し、水素(H)が副生される。また、水溶液中での二酸化炭素の物質拡散が遅いため、二酸化炭素還元の反応電流密度の理論限界は<30mAcm-2と小さい。
非特許文献1,2のようなガス拡散方式の場合、二酸化炭素ガスを水蒸気ガスと混合して負極に直接供給するので、水に対する二酸化炭素の濃度比が大きいため、水素(H)の副生が抑制される。また、拡散速度の速い気相中で反応が進行するので、反応電流密度の限界が大幅に増大する。さらに、正極室と負極室に異なる電解質溶液を用いることができるので、正極を水の酸化が容易なアルカリ性環境としながら、負極に二酸化炭素を供給し、両極におけて最適な反応環境を構築することができる。しかしながら、非特許文献1の方法では、正極と負極が、2種類の電解質溶液およびメンブレン膜を介して配置され、非特許文献2の方法では、正極と負極が、陰イオン交換膜、イオン伝導樹脂層および陽イオン交換膜を介して配置されているため、これらの抵抗によって、大きなiR電位降下が生じ、動作電位が高電位になってしまう。
また、従来技術のほとんどにおいて、二酸化炭素還元触媒は、スズ(Sn)等の金属またはその酸化物であった。一方、二酸化炭素還元触媒として金属イオンと有機配位子とからなる金属錯体が知られている。金属イオンと有機配位子とからなる金属錯体の場合、有機配位子の設計を自在に変調できることから、触媒の性質を大きく変えることができる。しかし、従来技術のほとんどで用いられている金属または金属酸化物は、その性質を金属-金属結合や、金属-酸素結合の調整によってしか変調することができない。このため、触媒としての二酸化炭素還元反応における活性化エネルギーを小さくし、反応電位を低下させることが困難である。
以上のような理由から、従来技術の二酸化炭素還元装置の動作電位はまだ高い。すなわち、動作のときの電気エネルギーから化学エネルギーへのエネルギー変換効率が低い。例えば、セル電位2Vの二酸化炭素の電解でギ酸イオン(HCOO)を生成する場合のエネルギー変換効率は53%に相当する。セル電位1.5Vでの動作を実現すれば、エネルギー変換効率は74%に達する。望ましくは、エネルギー変換効率90%以上に相当する1.24V以下での駆動が望まれる。
特開2017-057438号公報
ACS Sustainable Chem. Eng. 2021, 9, 11, 4213-4223 https://dioxidematerials.com/technology/formic-acid/
本発明の目的は、低いセル電位かつ高い変換効率でギ酸イオンを得ることができる二酸化炭素還元装置および人工光合成装置を提供することにある。
本発明は、水を酸化して酸素を生成するアノード、および前記アノードにアノード溶液を供給するアノード溶液流路を備えるアノード部と、二酸化炭素を還元してギ酸またはギ酸イオンを生成するカソード、および前記カソードに二酸化炭素ガスを供給するガス流路を備えるカソード部と、前記アノード部と前記カソード部により挟持されるアニオン交換膜と、を備え、前記カソードは、前記アニオン交換膜側から順に、カソード触媒として金属錯体を含む触媒層と、ガス拡散層と、を備え、前記アノード溶液として、アルカリ性溶液を供給する、二酸化炭素還元装置である。
前記二酸化炭素還元装置において、前記金属錯体は、中心金属として、Ru、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Reからなる群より選択される少なくとも1つの金属を有し、配位子として、ジイミン配位子を有することが好ましい。
前記二酸化炭素還元装置において、前記ジイミン配位子は、電子求引性の置換基が導入されたジイミン配位子であることが好ましい。
前記二酸化炭素還元装置において、前記電子求引性の置換基は、構造式が-COORのカルボン酸エステルであり、Rは、アルキル基とピロール部位からなる化学構造を有し、前記ピロール部位は、ポリピロール鎖により重合していることが好ましい。
前記二酸化炭素還元装置において、前記触媒層は、イオン伝導体およびバインダーとなる高分子化合物と、導電性カーボンと、を含むことが好ましい。
前記二酸化炭素還元装置において、前記ガス拡散層は、疎水性多孔質カーボン基材を含むことが好ましい。
前記二酸化炭素還元装置において、前記アノードは、Ni、Ti、Fe、Cからなる群より選択される少なくとも1つの材料から構成される基材を備え、前記基材は、多孔体、メッシュ材、繊維焼結体からなる群より選択される少なくとも1つの形状を有し、前記アノードは、アノード触媒として、Ni、Fe、Co、Mn、Ru、Irからなる群より選択される少なくとも1つの元素を含む金属、前記金属を含む酸化物、前記金属を含む水酸化物、および前記金属を含むオキシ水酸化物からなる群より選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。
前記二酸化炭素還元装置において、前記アノードは、前記アノード触媒として、オキシ水酸化鉄およびオキシ水酸化ニッケルからなる群より選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。
前記二酸化炭素還元装置において、前記アルカリ性溶液は、pH12以上のアルカリ性水溶液であり、前記アノードと前記カソードとの間のセル電圧が2V以下であり、前記カソード部において前記ギ酸を生成することが好ましい。
本発明は、前記二酸化炭素還元装置と、前記アノードおよび前記カソードに供給される電力を生成する太陽電池セルと、を備える、人工光合成装置である。
本発明により、低いセル電位かつ高い変換効率でギ酸イオンを得ることができる二酸化炭素還元装置および人工光合成装置を提供することができる。
本実施形態に係る二酸化炭素還元装置の一例を示す概略構成図である。 比較例1で用いた電極浸漬方式の二酸化炭素還元装置を示す概略構成図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
図1に、本実施形態に係る二酸化炭素還元装置の一例の概略構成を示す。
図1に示す二酸化炭素還元装置1は、水を酸化して酸素を生成するアノード16、およびアノード16にアノード溶液を供給するアノード溶液流路18を備えるアノード部10と、二酸化炭素を還元してギ酸またはギ酸イオンを生成するカソード22、およびカソード22に二酸化炭素ガスを供給するガス流路24を備えるカソード部12と、アノード部10とカソード部12により挟持されるアニオン交換膜14と、を備え、カソード22は、アニオン交換膜14側から順に、カソード触媒として金属錯体を含む触媒層26と、ガス拡散層28と、を備え、アノード溶液として、アルカリ性溶液を供給する装置である。二酸化炭素還元装置1は、アノード集電板20とカソード集電板30とを備える。
二酸化炭素還元装置1は、二酸化炭素ガスをカソード22の触媒層26に直接供給するガス拡散型電解フローセルである。二酸化炭素ガスとは、二酸化炭素を含むガスであり、好ましくは二酸化炭素および水蒸気を含むガスである。
アノード16は、アニオン交換膜14とアノード溶液流路18との間に、それらと接するように配置されている。アノード溶液流路18は、アノード16にアノード溶液を供給する流路であり、例えば、アノード集電板20に設けられたピット(溝部または凹部)により形成されている。カソード22は、ガス流路24とアニオン交換膜14との間に、それらと接するように配置されている。ガス流路24は、カソード22に二酸化炭素ガスを供給する流路であり、カソード集電板30に設けられたピット(溝部または凹部)により形成されている。アニオン交換膜14は、アノード部10とカソード部12により挟持されている。アノード部10とカソード部12とはアニオン交換膜14により分離されている。
アノード集電板20には、例えば、溶液導入口と溶液導出口(いずれも図示せず)とが接続されている。そして、アノード溶液が、溶液導入口を介してアノード溶液流路18内に導入され、アノード16と接触しながらアノード溶液流路18内を通り、アノード溶液導出口から排出される。
カソード集電板30には、例えば、ガス導入口とガス導出口(いずれも図示せず)とが接続されている。そして、二酸化炭素ガスが、ガス導入口を介してガス流路24内に導入され、ガス拡散層28を介して触媒層26に接触しながらガス流路24内を通り、ガス導出口から排出される。
二酸化炭素還元装置1は、アノード16とカソード22との間を電気的に接続し、電力を供給する電源32を備える。
次に、図1に示す二酸化炭素還元装置1の動作例について説明する。
アノード16とカソード22との間に電源32から電流が供給されると、アノード溶液と接するアノード16で水(HO)の酸化反応が生じる。具体的には、アノード溶液中に含まれる水(HO)が酸化されて、酸素(O)が生成する。
カソード22側では、ガス流路24からガス拡散層28を介して触媒層26に供給された二酸化炭素(CO)ガスに含まれる二酸化炭素(CO)が還元されてギ酸(HCOOH)が生成する。生成するギ酸(HCOOH)は電離して、ギ酸イオン(HCOO)の形で得られる。カソード22で得られたギ酸イオン(HCOO)は、アニオン交換膜14を透過して、アノード部10のアノード溶液中に得られる。全体としては、下記の式(1)の反応式に示すように、二酸化炭素(CO)からギ酸イオン(HCOO)が生成する。
CO+OH → HCOO+1/2O ΔG=215.7kJ/mol ・・・(1)
以下、アノード部10、カソード部12、およびアニオン交換膜14の各構成について説明する。
アノード16は、前述したように、アノード溶液中の水(HO)の酸化反応を促し、酸素(O)や水素イオン(H)を生成する電極(酸化電極)である。
アノード16は、酸化反応の過電圧を低減させることが可能な点で、Ni、Ti、Fe、Cからなる群より選択される少なくとも1つの材料から構成される基材を備えることが好ましい。Ni、Ti、またはFeの金属材料は、Ni、Ti、Feの金属を少なくとも1つ含む合金も含まれる。また、基材は、アニオン交換膜14とアノード溶液流路18との間でアノード溶液やイオンを移動させることが可能な構造であることが好ましく、例えば、多孔体、メッシュ材、繊維焼結体からなる群より選択される少なくとも1つの形状を有することが好ましい。
アノード16は、アノード触媒を含む。アノード触媒は、酸化反応の過電圧を低減させることが可能な点で、例えば、Ni、Fe、Co、Mn、Ru、Irからなる群より選択される少なくとも1つの元素を含む金属、前記金属を含む酸化物、前記金属を含む水酸化物、および前記金属を含むオキシ水酸化物からなる群より選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。これらは1種単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。アノード触媒は、水の酸化を低電位で進行させることができる等の点で、オキシ水酸化鉄およびオキシ水酸化ニッケルからなる群より選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。アノード触媒を用いる場合には、前述の基材上にアノード触媒を担持することが好ましい。
アノード集電板20は、化学反応性が低く、導電性が高い材料を用いることが好ましい。そのような材料としては、TiやSUS等の金属材料、カーボン等が挙げられる。
アノード溶液は、アルカリ性溶液である。アルカリ性溶液としては、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、炭酸水素カリウム水溶液等が挙げられ、水酸化物イオン濃度が高いほど水の酸化に有利に進行することから、1mol/L以上の濃度の水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。
アルカリ性のアノード溶液は、例えば、セル電圧の低下等の点で、pH12以上のアルカリ性水溶液であることが好ましい。
カソード22は、前述したように、二酸化炭素(CO)の還元反応を促し、ギ酸(HCOOH)またはギ酸イオン(HCOO)を生成する電極(還元電極)である。
カソード22を構成するガス拡散層28は、触媒層26と電源32との電気的導通を確保し、かつ二酸化炭素ガスを触媒層26に効率よく供給するものであればよく、特に制限されないが、例えば、疎水性多孔質カーボン基材、カーボンブラック、カーボンナノチューブ等が挙げられる。ガス拡散層28は、カソード22側から移動してきた水の量を減らすことができる等の点で、疎水性多孔質カーボン基材であることが好ましい。
カソード22を構成する触媒層26は、前述したように、二酸化炭素ガス中の二酸化炭素の還元反応を促し、ギ酸(HCOOH)またはギ酸イオン(HCOO)を生成する。触媒層26は、カソード触媒として金属錯体を含む。触媒層26は、さらにイオン伝導体およびバインダーとなる高分子化合物と、導電性カーボンと、を含むことが好ましい。触媒層26は、二酸化炭素ガスの拡散性を向上させる等の点で、基材としてカーボンペーパー等の多孔質構造体を含むことが好ましい。触媒層26の厚みは、例えば、5~200μmの範囲である。
カソード触媒である金属錯体は、例えば、中心金属と、ジイミン配位子と、を有する金属錯体である。金属錯体の中心金属は、二酸化炭素の還元反応を触媒する金属であればよく、特に限定されないが、例えば、二酸化炭素の還元反応における過電圧を低減させることが可能となる点で、Ru、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Reからなる群より選択される少なくとも1つの金属であることが好ましく、MnまたはRuであることがより好ましい。
金属錯体のジイミン配位子は、例えば、2,2’-ビピリジン誘導体、1,10-フェナントロリン誘導体等が挙げられる。ジイミン配位子は、二酸化炭素の還元反応による過電圧を低減させることができる等の点で、電子求引性の置換基が導入されたジイミン配位子であることが好ましい。
ジイミン配位子に導入される電子求引性の置換基は、カルボン酸基、カルボニル基、ニトロ基等の他に、構造式が-COORのカルボン酸エステル等が挙げられる。ここで、Rは、例えば、炭素数1~10の範囲の直鎖または分岐のアルキル基である。Rは、ジイミン配位子と電源との電気的導通を確保することができる等の点で、アルキル基とピロール部位からなる化学構造を有し、ピロール部位は、ポリピロール鎖により重合していることが好ましい。
金属錯体は、好ましくは、中心金属Ruであり、2,2’-ビピリジンとピロールが-COORのカルボン酸エステル(Rは、炭素数1~10のアルキル基)で化学結合により連結された分子、またはこのピロール部位が、ポリピロール鎖により重合して多量体化したポリマー等である。
金属錯体として、例えば、下記化学式で表される金属錯体[Ru{4,4’-di(1H-pyrrolyl-3-propylcarbonate)-2,2’-bipyridine}Cl(CO)(CHCN)]が挙げられる。
Figure 2023133965000002
触媒層26に含まれる導電性カーボンは、例えば、ケッチェンブラックやバルカンXC-72等のカーボンブラック、活性炭、カーボンナノチューブ等が挙げられる。導電性カーボンは、上記金属錯体が担持される担体として使用されることが好ましい。上記金属錯体を導電性カーボンに担持することによって、例えば、還元反応性を高めることができる。
触媒層26に含まれるイオン伝導体およびバインダーとなる高分子は、ナフィオン(デュポン社製)、フレミオン(旭硝子(株)製)等のカチオン交換樹脂、ネオセプタやセレミオン、サステニオン等のアニオン交換樹脂等が挙げられる。
触媒層26は、触媒活性を高めることができる点で、フェノールまたはその塩を含んでもよい。
カソード集電板30は、アノード集電板20と同様に、化学反応性が低く、導電性が高い材料を用いることが好ましい。そのような材料としては、Tiやステンレス(SUS)等の金属材料、カーボン等が挙げられる。
アノード溶液にアルカリ性溶液を使用し、主として水酸化物イオン(OH)の移動を行うために、アニオン交換膜14を用いる。アニオン交換膜14としては、例えば、ネオセプタ(登録商標)、セレミオン(登録商標)、サステニオン(登録商標)のようなアニオン交換膜を使用することができる。
電源32は、特に限定されるものではなく、化学的電池(一次電池、二次電池等を含む)、定電圧源、太陽電池セル等が挙げられる。電源32として太陽電池セルを用いることにより、二酸化炭素還元装置1と、二酸化炭素還元装置1のアノード16とカソード22に供給される電力を生成する太陽電池セルと、を備える人工光合成装置とすることができる。本実施形態に係る人工光合成装置は、二酸化炭素還元装置1のアノード16とカソード22が太陽電池セルを介して接続され、太陽光をエネルギー源として駆動される。
アノード16とカソード22との間のセル電圧が2V以下であることが好ましく、1.5V以下であることがより好ましく、1.2V以下であることがさらに好ましい。
本実施形態に係る二酸化炭素還元装置を用いることによって、低いセル電位で大きな反応電流密度を生じさせ、かつ高い変換効率でギ酸イオンを得ることができる。本実施形態に係る二酸化炭素還元装置は、低いセル電位、大きな反応電流密度、高い選択性で、二酸化炭素(CO)を還元してギ酸(HCOOH)にするとともに、水(HO)を酸化して酸素(O)を生成することを可能にするものである。アルカリ性溶液中では、実際には中和が生じるので、全体として、上記(1)の反応式で表される、電気エネルギーを化学エネルギーに貯蔵する反応を進行させることができる。
本実施形態に係るガス拡散型の二酸化炭素還元装置を用いることによって、二酸化炭素の気体としての供給が可能となり、二酸化炭素還元反応の電流密度が増大するとともに、水素(H)の副生を低減することができる。
膜/電極接合体を備えたガス拡散型の二酸化炭素還元装置を用いることによって、アノード/カソード間に電解質溶液を介さなくなるため、両極間の抵抗の低減によってiR電位降下を抑制することができる。
アノードの水(HO)の酸化は、アルカリ性溶液で進行しやすいが、二酸化炭素はアルカリ性環境では、HCO およびCO 2-との平衡により、二酸化炭素として存在できない。両極をアニオン交換膜で分離することによって、アノードをアルカリ性環境としながら、カソードに二酸化炭素を供給し、両極におけて最適な反応環境を構築することができる。
さらに、ジイミン配位子として電子求引性の置換基が導入された配位子を有するRu錯体等の金属錯体は、低電位での二酸化炭素還元ギ酸生成触媒として作用することができるため、膜/電極接合体を備えたガス拡散型の二酸化炭素還元装置に適用することによって、極めて低電位で二酸化炭素を還元してギ酸(HCOOH)を生成することが可能である。
また、水酸化用のアノードに、水酸化用のアノード触媒を導入することによって、さらなる低電位化が可能となる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
カソード触媒として下記(i)に示す化学構造のRu錯体ポリマーを用いて、図1に示すような二酸化炭素還元装置を作製し、評価を行った。
[電極の作製]
(カソードの作製)
<Ru錯体触媒担持ガス拡散型負極の作製>
ガス拡散層としてカーボンペーパーを用い、この上に触媒である金属錯体とイオン伝導体およびバインダーとなる高分子化合物と導電性カーボンとの混合物を含む触媒層を積層した。具体的には、金属錯体として下記(i)の化学構造を有する[Ru{4,4’-di(1H-pyrrolyl-3-propylcarbonate)-2,2’-bipyridine}Cl(CO)(CHCN)]17.1mg(0.0244mmol)を2.55mLのアセトニトリルに溶解させ、そこに0.5vol%ピロールのアセトニトリル溶液137μLおよび0.2MのFeClエタノール溶液686μLを加えることによって、下記(i)の構造式で表される金属錯体ポリマーの溶液を調製した。この溶液に導電性カーボンとしてカーボンブラック(Cabot社製、Vulcan XC-72R)を27.5mg、イオン伝導体およびバインダーとなる高分子化合物として5質量%Nafion(登録商標)117のアルコール-水混合溶液(Aldrich社製)229.5μLを加えた後、超音波分散を行った。この懸濁液を、基材としての1.13cmのマイクロポーラス層付カーボンペーパー(Avcarb社製、GDS3250)の上に、41μL滴下し、60℃で乾燥させる操作を30回繰り返すことによって担持した。12時間以上暗所下で静置した後、水中で洗浄し、反応触媒であるFeClを除去した。
Figure 2023133965000003
(i)
<Sn担持ガス拡散型負極の作製>
RFマグネトロンスパッタリングにより、マイクロポーラス層付カーボンペーパー(Avcarb社製、GDS3250)の上に、10nm相当量のSnをスパッタリングし、1.13cmに切り抜いた。
<Ru錯体触媒担持浸漬型負極の作製>
ステンレス板の上にマイクロポーラス層付カーボンペーパー(Avcarb社製、GDS3250)を貼り付けた電極上に、触媒である金属錯体とイオン伝導体およびバインダーとなる高分子化合物と導電性カーボンとの混合物を含む触媒層を積層した。具体的には、金属錯体として[Ru{4,4’-di(1H-pyrrolyl-3-propylcarbonate)-2,2’-bipyridine}Cl(CO)(CHCN)]18.76mgを3.3mLのアセトニトリルに溶解させ、そこに0.5vol%ピロールのアセトニトリル溶液75μLおよび0.2M FeClエタノール溶液375μLを加えることによって、上記(1)の構造式で表される金属錯体ポリマーの溶液を調製した。この溶液に導電性カーボンとしてカーボンブラック(Cabot社製、Vulcan XC-72R)15mgを加え、溶媒を減圧留去し、カーボンと触媒を複合化させた。この複合粉末に、1.1mLの2-プロパノールと、イオン伝導体およびバインダーとしての高分子化合物の5質量%Nafion(登録商標)117とのアルコール-水混合溶液(Aldrich社製)106μLを加えた後、超音波分散を行った。この懸濁液を、基材として1.5cm×2.5cmのマイクロポーラス層付カーボンペーパーの上に、117μL滴下し、60℃で乾燥させる操作を2回繰り返すことによって担持した。12時間以上暗所下で静置した後、水中で洗浄し、反応触媒であるFeClを除去した。
(アノードの作製)
<ニッケルフォーム電極の作製>
ニッケルフォーム(MTI社製、EQ-BCNF-16m)を1.13cmに切り出して、そのまま使用した。
<Fe-Ni添加β-FeOOH担持ニッケルフォームの作製>
0.1Mの塩化鉄水溶液、0.05M硝酸ニッケル水溶液およびエチレンジアミン塩酸塩水溶液を混合してpH2.3に調整することによって、Niドープβ-FeOOHコロイド溶液を作製した。このNiドープβ-FeOOHコロイド溶液10mLと0.063M塩化ニッケルおよび0.055mM塩化鉄を混合した水溶液10mLを混ぜ合わせ、基材としての1.13cmのニッケルフォーム(MTI社製、EQ-BCNF-16m)を浸漬させた後、150℃で8時間加熱乾燥することによって、Fe-Ni添加β-FeOOH担持ニッケルフォームを作製した。
[二酸化炭素の電解]
<膜/電極接合体を備えたガス拡散方式による二酸化炭素の電解>
図1に示す構成の電解槽を用いた。アノードとして上記の通りに作製したアノード電極を、カソードとして上記の通りに作製したカソード電極を用い、アニオン交換膜としてアニオン伝導性樹脂(Sustainion(登録商標) X37-50 Grade)を両者の電極の間に触媒と接するように配置した。この膜/電極接合体をガスの流路およびアルカリ性溶液の流路と接するように流路付のカソード集電板およびアノード集電板で挟んだ後、ボルトねじで締めた。ここで、カソード集電板にはステンレス製のものを、アノード集電板にはチタン製のものを用いた。カソード部の流路に二酸化炭素ガスを30mL/min、アノード部の流路にはアルカリ性溶液として1M水酸化カリウム水溶液を100mL/minの流速で供給した。この電解槽をポテンショスタットと二極方式で接続し、定電位を印加することによって、二酸化炭素の電解を行った。電解後、アノード側の電解液中のギ酸イオンの濃度をイオンクロマトグラフィ(Dionex製、ICS-1100)により定量した。
<電極浸漬方式による二酸化炭素の電解>
図2に示す構成の特許文献1に記載のような電極浸漬型の二酸化炭素還元装置50を用いた。電気化学測定は、ポテンショスタットを使用し、電解液槽62に、作用極54として上記のRu錯体触媒担持浸漬型負極、対極52として白金線、参照極56としてAg/AgCl電極を設置した三電極方式で行った。電解質溶液58としては、0.4mol/Lのリン酸バッファー水溶液を用いた。測定は、二酸化炭素を流通させた後、容器を密閉して行った。電源60によって-0.96V vs Ag/AgClの電位を所定の時間印加した後、セル内の気相をガスクロマトグラフィー(Inficon製、Fusion)で、液相をイオンクロマトグラフィで測定し、生成物を定量した。
[測定電極]
実施例および比較例として、以下の触媒を担持した電極を、上記の電解槽に設置して測定を行った。
<実施例1:膜/電極接合体ガス拡散方式におけるRu錯体ポリマー-Niフォームによる二酸化炭素の電解>
カソードとして、上記Ru錯体触媒担持ガス拡散型負極を用い、アノードとして、上記ニッケルフォーム電極を用い、上記膜/電極接合体を備えたガス拡散方式で二酸化炭素の電解還元を行った。
<実施例2:膜/電極接合体ガス拡散方式におけるRu錯体ポリマー-Fe-Ni添加β-FeOOH担持Niフォームによる二酸化炭素の電解>
カソードとして、上記Ru錯体触媒担持ガス拡散型負極を用い、アノードとして、上記Fe-Ni添加β-FeOOH担持ニッケルフォームを用い、上記膜/電極接合体を備えたガス拡散方式で二酸化炭素の電解還元を行った。
<比較例1:膜/電極接合体ガス拡散方式におけるSn-Fe-Ni添加β-FeOOH担持Niフォームによる二酸化炭素の電解>
カソードとして、上記Sn担持ガス拡散型負極を用い、アノードとして、上記Fe-Ni添加β-FeOOH担持ニッケルフォームを用い、上記膜/電極接合体を備えたガス拡散方式で二酸化炭素の電解還元を行った。
<比較例2:電極浸漬方式におけるRu錯体ポリマー-Ptによる二酸化炭素の電解>
カソードとして、上記Ru錯体触媒担持浸漬型負極を用い、アノードとして、Pt、参照極にAg/AgClを用いて、上記電極浸漬方式による二酸化炭素の電解還元を行った。
[結果]
(触媒の作用と効果)
ジイミン配位子に電子求引性の置換基が導入された配位子を有する金属錯体の触媒としての効果を比較するために、実施例1,2および比較例1において、種々のセル電位を印加したときに流れた、電極の単位体積当たりの電流値、電流値に対する各種生成物の割合(ファラデー効率(FE))を表1に示す。
Figure 2023133965000004
実施例1-1、実施例1-2、実施例1-3では、それぞれ1.2V、1.3V、1.4Vの電位で観測を行ったところ、それぞれ1.2,4.8,10.9mAcm-2の電流が観測された。さらに、その電流値の、それぞれファラデー効率FEHCOOH=81,89,89%に相当する量のギ酸イオン(HCOO)が得られた。
印加電位1.3Vにおいて、実施例1-2では、4.8mA cm-2の電流が流れ、その電荷量に対する生成物の割合(ファラデー効率)が約89%に相当する量のギ酸イオン(HCOO)が得られた。それとともに、副生成物として、ファラデー効率5%相当量の一酸化炭素(CO)および3%相当量の水素(H)が得られた。さらに、実施例2では、電流密度が12.5mAcm-2に増大し、ギ酸イオンのファラデー効率は89%であった。すなわち、Fe-Ni添加β-FeOOH担持Niフォームをアノードの触媒として用いることによって、ギ酸イオンの生成量は2.3倍に増加した。一方、比較例1では、流れた電流密度は0.04mAcm-2であり、ギ酸イオンの生成は確認されず、二酸化炭素還元反応がほとんど進行しなかった。これらの結果から、ジイミン配位子に電子求引性の置換基を導入したRu錯体等の金属錯体を触媒として用いることによって、従来の触媒では進行しなかった、セル電位1.3Vの低電位の条件で、選択的な二酸化炭素からギ酸イオンへの還元が進行していることがわかる。
このようにジイミン配位子を有する金属錯体で低い電位で優れた二酸化炭素還元性能を示した理由としては、ジイミン配位子の高い電子受容能が挙げられる。ジイミン配位子を有する金属錯体では、ジイミン配位子が中心金属イオンよりも低い電位で電子を受容することが可能なため、電極に電位を印加すると、ジイミン配位子に電子が受容される。この電子を受容した還元種となることによって、二酸化炭素との反応が可能になると推測される。ジイミン配位子に電子求引性の置換基を導入すると、より低い電位で電子を受容することが可能となるので、低電位での二酸化炭素還元を可能にしたと推測される。このようなジイミン配位子による二酸化炭素還元反応の低電位化は、Ru以外の他の中心金属であっても同様に生じると推測される。
(リアクターの作用と効果)
膜/電極接合体ガス拡散方式で二酸化炭素電解を行った実施例1と、電極浸漬方式で行った比較例2とを比較することによって、リアクターの作用を見積もった。実施例1および比較例2はともに、同じカソードを用いているが、アノードとしてそれぞれ、NiフォームとPtを用いているという点で違いがある。また、実施例1は2極式であるが、比較例2は参照極を用いた3極方式である。これらの結果を表1に示す。実施例1-2は、両極間に1.3Vを印加したときに、4.8mAcm-2の電流が生じ、その89%がギ酸イオンに変換された。比較例2は、標準水素可逆電位(RHE)に対して、-0.34V印加したときに、2.6mAcm-2の電流が生じ、その43%がギ酸イオンに変換された。比較例2は、正極の電位を無視したものになるが、理論的に水の酸化電位1.23V以上の電位が印加されていなければならない。したがって、アノードとカソードの間の電位差は1.57V以上である。したがって、実施例1は、比較例2よりも低い電位で、大きな二酸化炭素電解電流を生じさせ、高い変換効率でギ酸イオンを得ることができ、電極浸漬方式よりも膜/電極接合体ガス拡散方式の方が高い性能を示すことが明らかとなった。
このように、実施例の二酸化炭素還元装置によって、低いセル電位かつ高い変換効率でギ酸イオンを得ることができた。
1 二酸化炭素還元装置、10 アノード部、12 カソード部、14 アニオン交換膜、16 アノード、18 アノード溶液流路、20 アノード集電板、22 カソード、24 ガス流路、26 触媒層、28 ガス拡散層、30 カソード集電板、32,60 電源、50 電極浸漬型の二酸化炭素還元装置、52 対極、54 作用極、56 参照電極、58 電解液、62 電解液槽。

Claims (10)

  1. 水を酸化して酸素を生成するアノード、および前記アノードにアノード溶液を供給するアノード溶液流路を備えるアノード部と、
    二酸化炭素を還元してギ酸またはギ酸イオンを生成するカソード、および前記カソードに二酸化炭素ガスを供給するガス流路を備えるカソード部と、
    前記アノード部と前記カソード部により挟持されるアニオン交換膜と、
    を備え、
    前記カソードは、前記アニオン交換膜側から順に、カソード触媒として金属錯体を含む触媒層と、ガス拡散層と、を備え、
    前記アノード溶液として、アルカリ性溶液を供給することを特徴とする二酸化炭素還元装置。
  2. 請求項1に記載の二酸化炭素還元装置であって、
    前記金属錯体は、中心金属として、Ru、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Reからなる群より選択される少なくとも1つの金属を有し、配位子として、ジイミン配位子を有することを特徴とする二酸化炭素還元装置。
  3. 請求項2に記載の二酸化炭素還元装置であって、
    前記ジイミン配位子は、電子求引性の置換基が導入されたジイミン配位子であることを特徴とする二酸化炭素還元装置。
  4. 請求項3に記載の二酸化炭素還元装置であって、
    前記電子求引性の置換基は、構造式が-COORのカルボン酸エステルであり、Rは、アルキル基とピロール部位からなる化学構造を有し、前記ピロール部位は、ポリピロール鎖により重合していることを特徴とする二酸化炭素還元装置。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の二酸化炭素還元装置であって、
    前記触媒層は、イオン伝導体およびバインダーとなる高分子化合物と、導電性カーボンと、を含むことを特徴とする二酸化炭素還元装置。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の二酸化炭素還元装置であって、
    前記ガス拡散層は、疎水性多孔質カーボン基材を含むことを特徴とする二酸化炭素還元装置。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の二酸化炭素還元装置であって、
    前記アノードは、Ni、Ti、Fe、Cからなる群より選択される少なくとも1つの材料から構成される基材を備え、
    前記基材は、多孔体、メッシュ材、繊維焼結体からなる群より選択される少なくとも1つの形状を有し、
    前記アノードは、アノード触媒として、Ni、Fe、Co、Mn、Ru、Irからなる群より選択される少なくとも1つの元素を含む金属、前記金属を含む酸化物、前記金属を含む水酸化物、および前記金属を含むオキシ水酸化物からなる群より選択される少なくとも1つを含むことを特徴とする二酸化炭素還元装置。
  8. 請求項7に記載の二酸化炭素還元装置であって、
    前記アノードは、前記アノード触媒として、オキシ水酸化鉄およびオキシ水酸化ニッケルからなる群より選択される少なくとも1つを含むことを特徴とする二酸化炭素還元装置。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の二酸化炭素還元装置であって、
    前記アルカリ性溶液は、pH12以上のアルカリ性水溶液であり、
    前記アノードと前記カソードとの間のセル電圧が2V以下であり、前記カソード部において前記ギ酸を生成することを特徴とする二酸化炭素還元装置。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載の二酸化炭素還元装置と、
    前記アノードおよび前記カソードに供給される電力を生成する太陽電池セルと、を備えることを特徴とする人工光合成装置。
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