JP5055890B2 - 触媒層および触媒層の製造方法 - Google Patents

触媒層および触媒層の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は固体高分子形燃料電池の触媒層に係わり、より詳細には固体高分子形燃料電池の耐久性を向上させうる触媒層に係わる。
水素および酸素を燃料とする固体高分子形燃料電池は、発電効率が高いことや環境負荷が低いことなどから一般車両向けに実用化されることが強く望まれている。しかしながら、従来公知の固体高分子形燃料電池は耐久性が低く、一般車両に適用することが困難である。
非特許文献1には、固体高分子形燃料電池用の膜電極接合体(以下「MEA」と記載する)を用いて各種試験を行った結果、電池の運転に伴い電極触媒粒子が溶解してゆくことが報告されている。電極触媒粒子が溶解すると、担体の存在しない領域に電極触媒粒子が再析出したり、再析出した電極触媒粒子同士が凝集体を形成したりするため、電極触媒として働くことのできる粒子の割合や、電極触媒粒子の有効表面積が低下し、電池性能が低下してゆく。言い換えると、固体高分子形燃料電池の耐久性が低下する。
独立法人新エネルギー、産業技術総合開発機構、平成16年度成果報告書 固体高分子形燃料電池の劣化要因に関する研究 劣化要因の基礎的研究(2)作動条件による劣化要因
本発明者等は、特開2005−228497号公報に記載の六員複素環部分を含む化合物が、電極触媒粒子の表面への有機化合物の付着をブロックするのに有効であるだけでなく、電極触媒粒子の溶解の抑制にも有効であることを発見した。
しかしながら、これと同時に前記公報に記載の構成では、前記六員複素環部分を含む化合物を過剰に用いる必要があるという新規な課題も発見した。より詳細には、本発明者等は、前記六員複素環部分を含む化合物は電極触媒粒子の表面に吸着することによって、溶解を抑制する効果を発揮することを見いだしたが、前記六員複素環部分を含む化合物は電極触媒粒子と同じく触媒層に含まれる電解質のイオン伝導性基と結合し易く、電極触媒粒子の表面に吸着させようとすると過剰に使用する必要が生じるという問題を発見した。
従って本発明は、電極触媒粒子の溶解、六員複素環部分を含む化合物の使用量を抑制することのできる触媒層を提供することを目的とする。
本発明者等は、電解質の有するイオン伝導性基のH(以下「対イオン」と記載する)を金属イオンで置換すると、イオン伝導性基と六員複素環部分を含む化合物との結合を妨害できることに着目し、これにより六員複素環部分を含む化合物の使用量を抑制できることを見いだした。
即ち本発明は、イオン伝導性基、および対イオンが金属イオンで置換されたイオン伝導性基を含む被置換電解質と、六員複素環部分を含む化合物が表面に吸着している電極触媒粒子と、を含むことを特徴とする触媒層により、上記課題を解決する。
本発明により、電極触媒粒子の溶解、および六員複素環部分を含む化合物の使用量を抑制することのできる触媒層を提供することができる。
本発明の第一はイオン伝導性基、および対イオンが金属イオンで置換されたイオン伝導性基を含む被置換電解質と、六員複素環部分を含む化合物が表面に吸着している電極触媒粒子と、を含むことを特徴とする触媒層である。
以下、本発明の触媒層を構成する電極触媒粒子、六員複素環部分を含む化合物、および被置換電解質、ならびに本発明の触媒層の構成要素となりうるものの詳細を記載する。
[電極触媒粒子]
固体高分子形燃料電池の燃料極側に配置された電極触媒粒子は、燃料であるHから2Hおよび2eを生成する反応を促進する。生成された2Hおよび2eは、電気エネルギーを取り出すための電気化学反応に使用される。酸化剤極側に配置された電極触媒粒子は、前記2Hおよび2eと、酸化剤であるOとを用いてHOと電気エネルギーとを生成する前記電気化学反応を促進する。これらの各種反応は電極触媒粒子の表面で行われることから、電極触媒粒子が溶出および再析出して凝集体を形成すると、単位質量あたりの有効表面積が低下してしまい、固体高分子形燃料電池の性能も低下してしまう。
本発明で用いられる電極触媒粒子としては特に限定されないが、白金、白金合金、白金黒、パラジウム、ロジウム、金、銀、オスミウム、およびイリジウムからなる群より選択される1種が好ましく、より好ましくは白金または白金合金である。白金合金としては、白金と、アルミニウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ガリウム、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、バナジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、チタンおよび鉛からなる群より選択される少なくとも1種との合金が好ましい。白金または白金合金は、六員複素環部分を含む化合物を吸着させ易いという利点や、触媒作用に優れるといった利点を有する。
触媒層における電極触媒粒子の含有量、および電極触媒粒子の平均粒子径は特に限定されず、目的の電池出力等に応じて適宜決定することができる。
[六員複素環部分を含む化合物]
六員複素環部分を含む化合物が電極触媒粒子の表面に吸着することにより、電極触媒粒子の溶解を抑制することができる。酸化された電極触媒粒子は溶解度が高いことが知られているため、現段階では、電極触媒粒子の溶解は電極触媒粒子の酸化を経て起こるものと考えられている。このことから、六員複素環部分を含む化合物は電極触媒粒子表面の酸化され易い部分に吸着することで酸化を防ぎ、溶解を抑制しているものと推測される。
六員複素環部分を含む化合物は六員複素環部分に含まれるヘテロ原子を介して金属配位することで触媒粒子の表面に吸着することができる。前記ヘテロ原子としては窒素、酸素、硫黄、リン、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、およびアスタチンからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、より好ましくは窒素である。これらの原子は電極触媒粒子への吸着能に優れる。
六員複素環部分はピリジン構造を有することが好ましい。ピリジン構造部分を含む化合物は、電極触媒粒子の溶解、析出を抑制する機能が高い。ピリジン構造を有する六員複素環部分を含む化合物は、ビピリジン類、ターピリジン類、およびフェナントロリン類からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの化合物が形成するブリッジ構造は電極触媒粒子の触媒機能サイトを確保しつつ、高い酸素の還元能を発揮することができる。言い換えると、これらの化合物は電極触媒粒子の溶解、溶出を抑制することができ、さらに電極触媒粒子の触媒としての機能を阻害しにくい。
前記ビピリジン類としては、下記化学式1に示す2,2’−ビピリジンが好ましい。
前記ターピリジン類としては、下記化学式2に示す2,6−ジ(2−ピリジル)ピリジンが好ましい。
前記フェナントロリン類としては、下記化学式3に示す1,10−フェナントロリン、下記化学式4に示す1,7−フェナントロリン、下記化学式5に示すバソフェナントロリン、下記化学式6に示すバソフェナントロリンスルフォン酸、下記化学式7に示すバソクプロイン、または下記化学式8に示すバソクプロインスルフォン酸が好ましい。
電極触媒粒子の表面における六員複素環部分を含む化合物の吸着量は、0.1〜1.5nmol/cmであることが好ましい。吸着量が0.1nmol/cm以上であると、電極触媒粒子の溶出を抑制し易く、1.5nmol/cm以下であると、触媒反応を阻害し難い。
六員複素環部分を含む化合物の吸着量は、後述の実施例1の[六員複素環部分を含む化合物の吸着量の確認]の欄に記載の方法により測定することができる。実施例1では、触媒層を形成した時点で金属イオン置換率の測定を行っているが、完成した固体高分子形燃料電池における吸着量を測定したい場合には、固体高分子形燃料電池からMEAを取り出し、触媒層と電解質膜またはガス拡散層との界面を割いて触媒層を露出させ、実施例1と同様の測定を行うことができる。
触媒層において六員複素環部分を含む化合物は、電極触媒粒子100質量部に対して1〜20質量部含まれることが好ましい。1質量部以上であると電極触媒粒子の溶出を抑制し易く、20質量部以下であると触媒反応を阻害し難い。
[電極触媒粒子の担体]
電極触媒粒子は担体に担持させて用いることが好ましい。担体に担持させることにより電極触媒粒子を分散させることができる。また、担体は燃料極側の電極触媒粒子によりHから生成されたeを外部回路に伝導し、外部回路から伝導されたeを酸化剤極側の電極触媒粒子に伝導する役割も果たす。
担体としては、カーボン担体など従来公知のものを用いることができる。カーボン担体としてはケッチェンブラック(登録商標)またはバルカン(登録商標)などが好ましい。ただし、電極触媒粒子として白金黒などの多孔質構造を有する触媒金属粒子を用いる場合には、電極触媒粒子を担体に担持させずに用いることもできる。
また、本発明では電極触媒粒子が担体に担持された状態で商品化されているものも用いることができる。この様な電極触媒粒子担持体としては、田中貴金属工業株式会社製のTEC10E40E、TEC10E50E、TEC10E60TPM、TEC10E70TPM、TEC10V30E、TEC10V40E、TEC10V50E、TEC66E50、TEC61E54、またはTEC62E58などを挙げることができる。
[電解質]
電解質は−SOH基などのイオン伝導性基を有しており、前記イオン伝導性基が、燃料極側の電極触媒粒子によりHから生成されたHを伝導する。燃料極側の電極触媒粒子と酸化剤極側の電極触媒粒子とを電解質でつなぐことにより、燃料極で発生したHを酸化剤極まで伝導することができる。
上述したように電極触媒粒子の溶解を抑制するために六員複素環部分を含む化合物を触媒層に加えると、六員複素環部分を含む化合物がイオン伝導性基と結合してしまい、六員複素環部分を含む化合物を過剰に使用する必要が生じる。さらに、六員複素環部分を含む化合物は直接発電には関わらないため、触媒層に六員複素環部分を含む化合物を過剰に含むことにより、固体高分子形燃料電池のエネルギー密度が低下する虞がある。
しかしながら、対イオンが金属イオンで置換されたイオン伝導性基は六員複素環部分を含む化合物と結合し難いため、前記基を含む電解質を用いることにより、六員複素環部分を含む化合物の使用量を抑制することができる。以下、対イオンが金属イオンで置換されたイオン伝導性基を含まない電解質と区別するため、少なくとも一部の対イオンが金属イオンで置換されたイオン伝導性基を含む電解質を「被置換電解質」と記載する。
前記金属イオンとしては特に限定されないが、ナトリウムイオン、カリウムイオン、またはリチウムイオンなどが好ましい。
被置換電解質においては、イオン伝導性基の対イオンの少なくとも一部が金属イオンで置換されている。対イオンが金属イオンで置換されていないイオン伝導性基はHを伝導するが、六員複素環部分を含む化合物と結合してしまい、対イオンが金属イオンで置換されたイオン伝導性基は六員複素環部分を含む化合物が結合することを抑制できるが、Hを伝導することはできない。このため、これらをバランス良く含むことにより、Hの伝導性と、六員複素環部分を含む化合物の使用量の抑制効果との双方を発揮することができる。これらの基における対イオンが金属イオンで置換されたイオン伝導性基の割合は、金属イオンによる置換率で示すことができる。前記金属イオンによる置換率は、5%以下であることが好ましく、より好ましくは0.005〜5%であり、さらに好ましくは0.05〜2%である。5%以下であるとH伝導性と、六員複素環部分を含む化合物の使用量の抑制効果とのバランスに優れる。
金属イオンによる置換率は、後述の実施例4〜6の[金属イオン置換率の測定]に記載の方法により算出することができる。実施例4〜6では、電解質膜と触媒層との接合体、または電極を形成した時点で金属イオン置換率の測定を行っているが、完成した固体高分子形燃料電池における金属イオン置換率を測定したい場合には、固体高分子形燃料電池から電解質膜と触媒層との接合体、または電極を取り出して、同様の測定を行うことができる。
触媒層において、被置換電解質は、電極触媒粒子100質量部に対して10〜100質量部含まれることが好ましい。10質量部以上であると触媒層中での電解質のネットワークの形成が可能であり優れたプロトン伝導性が得られる、100質量部以下であると触媒相中でのガスの拡散が良好となる。
電解質として、パーフルオロスルホン酸系のポリマーからなるもの、および炭化水素系のポリマーからなるものが知られているが、本発明ではいずれの電解質も好ましく、これらの従来公知の電解質に含まれる一部の対イオンを金属イオンで置換して被置換電解質として使用することもできる。パーフルオロスルホン酸系のポリマーからなるものは電気的特性、化学的安定性、または機械的強度に優れ、炭化水素系のポリマーからなるものは材料コスト、または骨格部分の選択性に優れる。パーフルオロスルホン酸系のポリマーからなる電解質としては、デュポン社製のナフィオン(登録商標)、ダウケミカル社製のダウ膜(登録商標)、旭硝子株式会社製のフレミオン(登録商標)、または旭化成株式会社製のアシプレックス(登録商標)などが挙げられる。また、本発明では被置換電解質と電解質とを併用することもできる。
[触媒層]
本発明の触媒層は、固体高分子形燃料電池における燃料極側触媒層および酸化剤極側触媒層のいずれにも用いることができるが、より好ましくは酸化剤極側触媒層として用いる。燃料極側触媒層に比べて酸化剤極側触媒層の方が電極触媒粒子の溶出が起こりやすい傾向にあるため、酸化剤極側触媒層に用いると、発電特性と耐久性との双方を向上させることができる。
本発明の触媒層の厚み等は特に限定されず目的の電池出力等に応じて適宜決定することができる。本発明の触媒層には、本発明を阻害しない範囲で上述した構成要素以外の要素も含みうる。
本発明の第二は、上述の触媒層の製造方法である。本発明の触媒層の好ましい製造方法は、電解質における少なくとも一部のイオン伝導性基の対イオンを、金属イオンで置換して、被置換電解質を得る工程(1)と、前記被置換電解質、電極触媒粒子、六員複素環部分を含む化合物、および溶媒、を混合して触媒インクを調製する工程(2)と、基材表面に、前記触媒インクを用いて触媒インク層を形成する工程(3)と、を含む。
前記工程(1)は、被置換電解質を得る工程である。電解質のイオン伝導性基における対イオンを金属イオンで置換することにより被置換電解質を得ることができる。対イオンを金属イオンで置換するには電解質を金属イオンと接触させればよく、この方法として金属塩を含む溶液に電解質を浸漬させる方法、または電解質を溶媒に溶解したものに金属塩を添加する方法などが挙げられる。
前記電解質としては、上述の本発明の第一の項に記載したものを好ましく用いることができる。前記金属塩としては特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、または水酸化リチウムなどが挙げられる。
対イオンを金属イオンで置換する割合は、金属塩の量、電解質に金属イオンを接触させる時間、または温度などにより適宜調節することができる。
金属塩の添加量は下記式に従い決定することができる。
電解質に金属イオンを接触させる時間は1分〜24時間が好ましい。
電解質に金属イオンを接触させる際の温度は、10〜100℃が好ましい。10℃以上であると置換速度に優れ、100℃以下であると置換工程を簡素化できる。
前記工程(2)は、触媒インクを調製する工程である。触媒インクは、少なくとも前記被置換電解質、電極触媒粒子、六員複素環部分を含む化合物、および溶媒を混合することにより得られる。
触媒インクを作製するための前記被置換電解質、電極触媒粒子、六員複素環部分を含む化合物の具体例、添加割合などは上述の本発明の第一の項の記載を適用することができる。ただし、前記金属イオンを対イオンに戻す工程(4)を含む場合には、金属イオン置換率は後述の工程(4)に記載の範囲を適用することが好ましい。工程(4)についての詳細は後述する。電極触媒粒子は、上述したように担体に担持された状態で用いることもできる。電極触媒粒子は従来公知の方法により担持することができる。前記溶媒としては特に限定されず従来公知のものを用いることができるが、イソプロピルアルコールまたはイソプロピルアルコール水溶液などが挙げられる。
前記工程(3)は、触媒インク層を形成する工程である。触媒インクを用いて触媒インク層を形成する方法としては特に限定されないが、スクリーン法、沈積法、スプレー法またはダイコーター法などの塗布方法が挙げられる。
触媒インク層を形成するための基材としては、電解質膜、ガス拡散層、または剥離性シートが挙げられる。言い換えると、触媒層は、固体高分子形燃料電池の要素である電解質膜またはガス拡散層上に直接形成してもよいし、剥離性シート上に形成してから、触媒層を電解質またはガス拡散層上に貼り付けることでこれらの表面に触媒層を形成してもよい。電解質膜およびガス拡散層については、後述の本発明の第三の項に詳細を記載する。剥離性シートとしては特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン製シートなどが挙げられる。
上述の工程(3)の後に、前記触媒インク層を酸水溶液に接触させる工程(4)を含むことが好ましい。
工程(4)は、前記金属イオンを対イオンに戻す工程である。工程(4)を経ることにより触媒層のプロトン伝導性が向上する。また、六員複素環部分を含む化合物は、主に工程(2)においてイオン伝導性基と結合しようとするため、工程(3)の後に金属イオンを対イオンに戻しても六員複素環部分を含む化合物の使用量を低減させることができる。
工程(4)を含む場合、前記工程(2)における対イオンの前記金属イオンによる置換率は90〜100%が好ましく、より好ましくは95〜100%である。工程(4)を含む場合、工程(2)において電解質のH伝導性を犠牲にして六員複素環部分を含む化合物との結合を抑制しても、工程(4)を含むことにより電解質のH伝導性を回復させられる。
前記酸としては特に限定されないが、硫酸、リン酸などが挙げられる。金属イオンを対イオンに交換する割合は、酸の濃度、酸のpH、触媒インク層に酸を接触させる時間、または温度などにより適宜調節することができる。
酸の添加量は下記式に従い決定することができる。
酸の濃度は0.0001〜10mol/Lが好ましい。0.0001mol/L以上であると置換速度に優れ、10mol/L以下であると触媒インク層の劣化抑制に優れる。
触媒インク層に酸を接触させる時間は1分〜24時間が好ましい。
触媒インク層に酸を接触させる際の温度は、10〜100℃が好ましい。10℃以上であると置換速度に優れ、100℃以下であると置換工程を簡素化できる。
上述の工程(3)または工程(4)を経て得られた触媒インク層の、溶媒を除去することにより、触媒層を得ることができる。溶媒の除去方法としては特に限定されないが、減圧、送風、または加熱などが挙げられる。
本発明の触媒層の製造方法は、固体高分子形燃料電池における酸化剤極側触媒層を製造するために用いられることが好ましい。理由は本発明の第一の項に記載したとおりである。
本発明の第三は、上述の触媒層または上述の方法により得られた触媒層と、電解質膜と、ガス拡散層と、を含むことを特徴とするMEAである。MEAは少なくとも、ガス拡散層、燃料極側触媒層、電解質膜、酸化剤極側触媒層、およびガス拡散層がこの順で配置されてなる。以下に、触媒層、電解質膜、およびガス拡散層の詳細を記載する。
[触媒層]
燃料極側触媒層と酸化剤極側触媒層との双方として本発明の触媒層を用いてもよいし、いずれか一方として本発明の触媒層を用いてもよいが、好ましくは酸化剤極側触媒層として本発明の触媒層を用いる。いすれか一方に本発明の触媒層を用いる場合、他方には従来公知の触媒層を用いることができる。
[電解質膜]
電解質膜は燃料極側触媒層と酸化剤極側触媒層とを隔離して、燃料ガスが酸化剤極側触媒層に侵入してしまうこと、または酸化剤ガスが燃料極側触媒層に侵入してしまうことを抑制する役割を担う。また、電解質膜は燃料極側触媒層から酸化剤極側触媒層にHを伝導する役割を担う。
本願発明で用いられる電解質膜としては、上述の本発明の第一の項に記載した電解質を膜状にしたものを好ましく用いることができる。電解質膜の厚み等は、目的の電池のエネルギー密度等に応じて適宜決定することができる。
[ガス拡散層]
ガス拡散層は多孔質構造を有し、燃料極側触媒層の適切な部位に燃料ガスを供給する役割、または酸化剤極側触媒層の適切な部位に酸化剤ガスを供給する役割を担う。
本発明で用いられるガス拡散層としては特に限定されないが、カーボンペーパーなどが挙げられる。また、ガス拡散層にはガス流路が彫られていてもよく、前記ガス流路の形状は特に限定されない。ガス拡散層の厚み等は、目的の電池のエネルギー密度等に応じて適宜決定することができる。
[MEAの製造方法]
上述の本発明の第二を引用しながらMEAの製造方法を説明する。MEAの製造方法は、触媒インク層をどの様な基材上に形成したかにより異なる。
〔基材として電解質膜を用い、この上に触媒インク層を形成した場合〕
電解質膜の両面に触媒インク層または触媒インク層から溶媒を除去して触媒層としたものを形成した後、2枚のガス拡散層で挟持することによりMEAを作製することができる。触媒インク層の状態でガス拡散層と接合した場合、接合に必要な温度や圧力を低減でき、MEAの劣化を抑制できるため好ましい。触媒層の状態で接合した場合、ガス拡散層のガス流路を触媒インクが塞いでしまうことを抑制できるため好ましい。接合の際の温度または圧力は適宜決定することができる。
上述の前記金属イオンを対イオンに戻すための工程(4)を行う場合、ガス拡散層と接合する前に工程(4)を行ってもよいし、ガス拡散層と接合した後に工程(4)を行ってもよい。
〔基材としてガス拡散層を用い、この上に触媒インク層を形成した場合〕
2枚のガス拡散層を用意し、触媒インク層または触媒層を形成した後、触媒インク層または触媒層が接触するように電解質膜を挟持することによりMEAを作製することができる。触媒インク層の状態で接合した場合、接合に必要な温度や圧力を低減でき、MEAの劣化を抑制できるため好ましい。触媒層の状態で接合した場合、ガス拡散層のガス流路を触媒インクが塞いでしまうことを抑制できるため好ましい。接合の再の温度または圧力は適宜決定することができる。
上述の前記金属イオンを対イオンに戻すための工程(4)を行う場合、電解質膜と接合する前に工程(4)を行ってもよいし、電解質膜と接合した後に工程(4)を行ってもよい。
〔基材として剥離性シートを用い、この上に触媒インク層を形成した場合〕
まず、2枚の剥離性シートを用意し、それぞれに触媒インク層を形成する。触媒インク層から溶媒を除去して触媒層を形成した後、触媒層と接触するように電解質膜またはガス拡散層と接合する。特に電解質膜と接合する場合、一度で電解質膜の両面に触媒層を形成できるため好ましい。次に、ガス拡散層または電解質膜を接合することによりMEAを作製することができる。各接合の際の温度または圧力は適宜決定することができる。
本発明の第四は上述のMEAを含む固体高分子形燃料電池である。
上述したように、従来の固体高分子形燃料電池には電極触媒粒子が溶解、再析出するという問題があった。これに対して、本発明の固体高分子形燃料電池は電極触媒粒子の表面に溶解を抑制する化合物を配置しているため、電極触媒粒子の溶解、再析出に伴い耐久性が低下することを抑制することができる。
また、本発明の固体高分子形燃料電池は、電極触媒粒子の溶解を抑制する化合物の使用量を抑制することができるため、固体高分子形燃料電池のエネルギー密度の低下を抑制することができる。
固体高分子形燃料電池におけるMEA以外の構成要素については特に限定されず、従来公知のものを適宜用いることができる。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は何ら本発明を制限するものではない。
(実施例1)
[被置換電解質の作製]
5質量%ナフィオン水溶液に、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加え、1時間攪拌してナフィオンのイオン伝導性基の対イオンをナトリウムイオンで置換して被置換電解質の水溶液(ナフィオンの濃度は3.56質量%)を得た。前記水酸化ナトリウム水溶液は前記ナフィオン水溶液100質量部に対して、45.6質量部用いた。
[触媒インクの調製]
白金担持濃度38質量%の白金担持カーボン粉末(田中貴金属工業株式会社製)、水、およびイソプロピルアルコールを混合した後、2,2’−ビピリジンを加えて攪拌し、上述の工程により得られた被置換電解質の水溶液をと混合して、攪拌、超音波分散処理を行うことで触媒インクを調製した。
各材料は、白金担持カーボン粉末100質量部に対して、水312.5質量部、イソプロピルアルコール250質量部、2,2−ビピリジン0.63質量部(白金100質量部に対して1.66質量部)、被置換電解質水溶液342.5質量部(白金100質量部に対して被置換電解質32.05質量部)用いた。
[測定用電極の作製]
上述の工程により得られた触媒インク層をグラッシーカーボン(インターケミス株式会社製)上に形成した後、25℃、1Mの硫酸に15分浸漬した。次に、イオン交換水で3回洗浄し、グラッシーカーボンと本発明の触媒層とからなる測定用電極を得た。
[電極触媒粒子の溶出量の測定]
サイクリックボルタンメトリーにより、電極触媒粒子の溶出量を測定した。サイクリックボルタンメトリーの条件を下記表1に記載する。
また、対照実験として、白金線をサイクリックボルタンメトリーで用いた電解質溶液にサイクリックボルタンメトリーに要したのと同じ時間浸した。
[電極触媒粒子の溶出の確認]
サイクリックボルタンメトリーを行った後、作用電極を浸した電解質溶液と、対照実験で用いた電解質溶液とを用いて、ICP発光分析装置(株式会社島津製作所製、型番:ICPE9000)を用いて、白金の溶出量を測定した。ICPの測定結果を図1に示す。
[六員複素環部分を含む化合物の吸着量の確認]
上述の[測定用電極の作製]で作製された触媒層の表面を、X線光電子分光装置(XPS、株式会社島津製作所製、型番ESCA−1000)を用いて分析した。測定は0〜1200eVまでのワイドスキャンを行った後、各元素の結合エネルギー領域に関してナロースキャンを行い、元素組成を算出した。XPSの測定結果を下記表2に示す。また、XPSの測定結果から算出した、電極触媒粒子の表面における六員複素環部分を含む化合物の吸着量も下記表2に示す。
(実施例2)
[触媒インクの調製]において白金担持カーボン粉末100質量部に対して、1.85質量部(白金100質量部に対して4.86質量部)の2,2−ビピリジンを用いたこと以外は実施例1と同様にして、測定用電極を作製し、各測定を行った。ICPの測定結果を図1に示し、XPSの測定結果および吸着量を下記表2に示す。
(実施例3)
[触媒インクの調製]において白金担持カーボン粉末100質量部に対して、2.85質量部(白金100質量部に対して7.5質量部)の2,2−ビピリジンを用いたこと以外は実施例1と同様にして、測定用電極を作製し、各測定を行った。ICPの測定結果を図1に示し、XPSの測定結果および吸着量を下記表2に示す。
(実施例4)
[触媒インクの調製]において白金担持カーボン粉末100質量部に対して、3.05質量部(白金100質量部に対して8.03質量部)の2,2−ビピリジンを用いたこと以外は実施例1と同様にして、測定用電極を作製し、各測定を行った。ICPの測定結果を図1に示し、XPSの測定結果および吸着量を下記表2に示す。
(比較例1)
[触媒インクの調製]において2,2−ビピリジンを用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、測定用電極を作製し、各測定を行った。ICPの測定結果を図1に示し、XPSの測定結果および吸着量を下記表2に示す。
(比較例2)
実施例1の被置換電解質の作製工程を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、測定用電極を作製し、各測定を行った。ICP分析結果を図1に示し、XPSの測定結果および吸着量を下記表2に示す。
表2における実施例1と比較例1とを比較すると、実施例1のNの欄は0.04となっているのに対して、比較例1のNの欄は0.00となっている。実施例1と比較例1とは、2,2−ビピリジンを用いているか否かという点のみが異なることから、表2に示されるNの量は2,2’-ビピリジンに由来する窒素原子の量であると考えられる。
表1に示すXPS測定から白金表面積あたりの2,2’-ビピリジンの吸着量を算出したところ、実施例1と比較例2では、同量の2,2’-ビピリジンを使用して触媒インクを作製したにもかかわらず、実施例1は0.13nmol/cm、比較例2は0.03nmol/cmであった。これは、比較例2では対イオンを金属イオンに置換する工程を行わなかったため、イオン伝導性基と2,2’-ビピリジンが反応し、2,2’-ビピリジンが選択的に白金電極に吸着しなかったためであると考えられる。一方、実施例1では対イオンを金属塩に置換する工程を行ったため、2,2’-ビピリジンが選択的に白金電極に吸着しているものと考えられる。そして、図1を見ると、対イオンを金属イオンに置換する工程を行わなかった比較例2は、実施例1に比べて白金電極の溶出を抑制する効果が少ないことがわかる。
実施例1〜4および比較例1の白金溶出量の測定結果を示す図1を見ると、白金電極に六員複素環部分を含む化合物が吸着することで白金電極の溶出量が1/4から1/5に減少させられたことを確認できる。
(実施例5)
[触媒層の形成]
実施例1で調製した触媒インクを、電解質膜(デュポン社製、ナフィオン112)の両面に塗布および乾燥し、電解質膜の両面に触媒層を形成した。各触媒層の白金量は、1mg/cmであった。
[金属イオン置換率の測定]
上述の電解質膜と触媒層との接合体を、25℃、1Mの硫酸水溶液に1時間浸漬してイオン伝導性基に結合していたナトリウムイオンをHで置換することにより、硫酸水溶液にナトリウムイオンを溶解させた。次に、硫酸水溶液をICP発光分析装置(株式会社島津製作所製、型番:ICPE9000)で分析することにより、硫酸水溶液中のナトリウムイオンを定量し、ナトリウムイオンの置換率を算出した。結果を下記表3に示す。
[金属イオンから対イオンへの置換]
上述の電解質膜と触媒層との接合体を25℃、1Mの硫酸に1時間浸漬し、Naイオンを対イオンであるHで置換した。次に、イオン交換水で3回洗浄した後、乾燥させた。
[MEAの作製]
カーボンペーパー(東レ株式会社製、型番TGP−H−060)からなる2枚のガス拡散層で上述の[金属イオンから対イオンへの置換]で得た電解質膜と触媒層との接合体を挟持して、MEAを作製した。
[発電特性]
上述のMEAを、エレクトロケム社製グラファイトセルFC05−01SPに組み込んだ。次に、70℃、湿度60%に制御された水素、および70℃、湿度60%に制御された酸素をセル内にフローし、セル電圧を計測した。表4に発電特性を示す。
(実施例6)
[触媒層の形成]
実施例2で調製した触媒インクを、2枚の剥離性シート(テフロン(登録商標)シート)上に塗布および乾燥し、前記シート上に触媒層を形成した。触媒層の白金量は、1mg/cmであった。
次に、両面に触媒層が接するように電解質膜(デュポン社製、ナフィオン112)を2枚の前記シートで挟持した後、130℃、2.0MPaで10分間ホットプレスし、剥離性シートを剥がして電解質膜の両面に触媒層を形成した。
[金属イオン置換率の測定]
上述の電解質膜と触媒層との接合体を用い、実施例5と同様にしてナトリウムイオンの置換率を算出した。結果を下記表3に示す。
[MEAの作製]
カーボンペーパー(東レ株式会社製、型番:TGP−H−060)からなる2枚のガス拡散層で上述の[触媒層の形成]で得た電解質膜と触媒層との接合体を挟持して、MEAを作製した。
[発電特性]
実施例5と同様にしてセル電圧を計測した。表4に発電特性を示す。
(実施例7)
[触媒層の形成]
実施例3で調製した触媒インクを、カーボンペーパーからなる2枚のガス拡散層(東レ株式会社製、型番:TGP−H−060)の片面に塗布および乾燥し、ガス拡散層の片面に触媒層を形成し、電極を得た。各触媒層の白金量は、1mg/cmであった。
[金属イオン置換率の測定]
上述の電極を用い、実施例5と同様にしてナトリウムイオンの置換率を算出した。結果を下記表3に示す。
[MEAの作製]
触媒層が接するように上述の[触媒層の形成]で得た2枚の電極で、電解質膜(デュポン社製、ナフィオン112)を挟持して、MEAを作製した。
[発電特性]
実施例5と同様にしてセル電圧を計測した。表4に発電特性を示す。
(実施例8)
[触媒層の形成]
実施例4で調製した触媒インクを、カーボンペーパーからなる2枚のガス拡散層(東レ株式会社製、型番:TGP−H−060)の片面に塗布および乾燥し、ガス拡散層の片面に触媒層を形成し、電極を得た。各触媒層の白金量は、1mg/cmであった。
[金属イオン置換率の測定]
上述の電極を用い、実施例5と同様にしてナトリウムイオンの置換率を算出した。結果を下記表3に示す。
[MEAの作製]
触媒層が接するように上述の[触媒層の形成]で得た2枚の電極で、電解質膜(デュポン社製、ナフィオン112)を挟持して、MEAを作製した。
[発電特性]
実施例5と同様にしてセル電圧を計測した。表4に発電特性を示す。
(比較例3)
比較例1で調製した触媒インクを使用したこと以外は、実施例5と同様にしてナトリウムイオンの置換率およびセル電圧を調べた。結果を下記表3および表4に示す。
(比較例4)
比較例2で調製した触媒インクを使用したこと以外は、実施例5と同様にしてナトリウムイオンの置換率およびセル電圧を調べた。結果を下記表3および表4に示す。
表3から、実施例5〜8の膜電極接合体は金属イオンに置換されていることがわかる。さらに表4から、本発明の電極触媒を用いた燃料電池セルでは、連続運転を行っても、燃料電池の劣化を抑制する効果を発揮していることを確認できた。表4におけるセル電圧は、発電試験開始時の比較例3のセル電圧を1とした相対値で示されている。
実施例1〜3、比較例1で得られた測定用電極における白金の溶出量を示す棒グラフである。

Claims (15)

  1. イオン伝導性基の対イオンの少なくとも一部が金属イオンで置換された被置換電解質と、
    六員複素環部分を含む化合物が表面に吸着している電極触媒粒子と、
    を含み、
    前記六員複素環部分を含む化合物は、ビピリジン類、ターピリジン類、およびフェナントロリン類からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする触媒層。
  2. 前記対イオンの前記金属イオンによる置換率は、5%以下であることを特徴とする請求項1に記載の触媒層。
  3. 固体高分子形燃料電池における酸化剤極側触媒層として用いられることを特徴とする請求項1または2に記載の触媒層。
  4. 前記電極触媒粒子は、白金または白金合金を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の触媒層。
  5. 前記ビピリジン類は、2,2’−ビピリジンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の触媒層。
  6. 前記電極触媒粒子の表面における、前記六員複素環部分を含む化合物の吸着量は、
    0.1〜1.5nmol/cmであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の触媒層
  7. 電解質における少なくとも一部のイオン伝導性基の対イオンを、金属イオンで置換して、被置換電解質を得る工程(1)と、
    前記被置換電解質、電極触媒粒子、六員複素環部分を含む化合物、および溶媒、を混合して触媒インクを調製する工程(2)と、
    基材表面に、前記触媒インクを用いて触媒インク層を形成する工程(3)と、
    を含み、
    前記六員複素環部分を含む化合物は、ビピリジン類、ターピリジン類、およびフェナントロリン類からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする触媒層の製造方法。
  8. 前記ビピリジン類は、2,2’−ビピリジンであることを特徴とする請求項7に記載の触媒層の製造方法。
  9. 前記工程(3)の後に、
    さらに、前記触媒インク層を酸水溶液に接触させる工程(4)を含むことを特徴とする請求項7または8に記載の触媒層の製造方法。
  10. 得られた触媒層において、前記六員複素環部分を含む化合物は、前記電極触媒粒子100質量部に対して1〜20質量部含まれることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の触媒層の製造方法。
  11. 得られた触媒層において、前記被置換電解質は、前記電極触媒粒子100質量部に対して10〜100質量部含まれることを特徴とする請求項10のいずれかに記載の触媒層の製造方法。
  12. 前記基材は、電解質膜、ガス拡散層、または剥離性シートであることを特徴とする請求項11のいずれかに記載の触媒層の製造方法。
  13. 固体高分子形燃料電池における酸化剤極側触媒層を製造するための、請求項12のいずれかに記載の触媒層の製造方法。
  14. 請求項1〜のいずれかに記載の触媒層、または請求項13のいずれかに記載の製造方法により得られた触媒層と、
    電解質膜と、
    ガス拡散層と、
    を含むことを特徴とする膜電極接合体。
  15. 請求項14に記載の膜電極接合体を含むことを特徴とする固体高分子形燃料電池。
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