JP7020587B2 - リンク部品の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Description
本願は、2019年4月15日に、日本国に出願された特願2019-077157号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
そのうちの一つは、中空素管を成形加工して製品形状を得た後、ピアッシング加工により下穴を開ける方法である。この場合、下穴をそのまま前記連結穴として用いる場合もあるし、または、下穴にさらにバーリング加工を加えて前記連結穴とする場合もある。同製造方法でバーリング加工を行う場合、フロードリル等を用いた特殊な加工が必要となる。
そこで、他の製造方法として、平板素材に対して先に前記連結穴を形成しておき、その後に成形加工を加えて中空管状に成形し、製品形状を得る方法がある。この製造方法では、前記連結穴を平板素材の時点で形成するため、バーリング加工をする場合も特殊な加工を必要としない。
この製造方法は、
(1)他部材連結部ABに対応した一対の第1板材部分PA1と、この第1板材部分PA1に一体に連続しアーム本体AMに対応する第2板材部分PA2とを少なくとも含む板材としてのワークPを得る第1工程と、
(2)ワークPの各々の第1板材部分PA1にバーリング加工により円筒状のブッシュ保持部Hを成形する第2工程と、
(3)ワークPの第2板材部分PA2に対して、該第2板材部分PA2の幅方向中央部を基点としてその両側部分を筒状に巻くようにプレス成形することで、背板部1及び一対の巻き曲げ部2,3を一体に有したアーム本体AMを成形すると共に、両巻き曲げ部2,3の、ブッシュ保持部H側の端縁2e,3eの各一部に形成した円弧面2r,3rと、巻き曲げ部2に一体の重合接続片2sの側縁に形成した円弧面2srとを、ブッシュ保持部Hのアーム本体AM側の外周面Hrに突き合わせる第3工程と、
(4)一対の巻き曲げ部2,3及び重合接続片2sの前記円弧面2r,3r,2srと、ブッシュ保持部Hのアーム本体AM側の外周面Hrとの間を溶接w1すると共に、重合接続部2を他方の巻き曲げ部3の外面に溶接w2する第4工程と
を少なくとも含み、これら第1~第4工程が順次実行される。
(1)本発明の一態様に係るリンク部品の製造方法は、少なくとも一端部にそれぞれ下穴を有しかつ互いに対向配置された第1側壁及び第2側壁と、前記第1側壁の一方の側縁及び前記第2側壁の一方の側縁間を繋ぐ連結壁と、を有する一方向に沿って長い中間部品より、連結穴を有し前記一方向に沿った一方側に設けられた一端部と、前記一方向に沿った他方側に設けられた他端部とを備えたリンク部品を製造する方法であって、前記下穴に、芯金を入れる補強工程と;前記補強工程よりも後に、前記第1側壁の他方の側縁と前記第2側壁の他方の側縁とを互いに当接させるように、前記第1側壁及び前記第2側壁をO曲げするO曲げ工程と;を有する。
上記(1)に記載の態様によれば、O曲げ工程で第1側壁及び第2側壁に外力を与えても、その前に、芯金によって下穴がその内方より予め補強されているので、下穴の変形が効果的に抑えられる。なお、芯金を下穴に入れる形態としては、「挿入」と「圧入」がある。本願明細書において「挿入」とは、下穴の内形あるいは内径を、芯金を入れることによって元の寸法以上に大きくしない、芯金の入れ方を言う。一方、本願明細書において「圧入」とは、下穴の内形あるいは内径を、芯金を入れることによって元の寸法を超えて大きくする、芯金の入れ方を言う。ここで、挿入または圧入は、下穴の内形あるいは内径に対する、芯金の外形あるいは外径の大小関係を設定することによって決まる。
補強工程で、芯金を例えば「圧入」した場合には、芯金によって下穴の縁部に沿った引っ張り力が下穴に加わる。この引っ張り力によって下穴がその内方より予め補強されているので、下穴の変形がより効果的に抑えられる。例えば下穴が円形の場合には、前記引っ張り力は下穴に加わるフープ力となる。
なお、下穴の形状は、円形のみに限らず、非円形であってもよい。さらに、下穴としては、完全に閉じた周面により囲まれて形成されたもののみに限らず、その一部分が開放されていてもよい。よって、下穴は、例えば、開放された半円形であってもよい。下穴が半円形の場合も、芯金によって下穴がその内方より予め補強されるので、下穴の変形が効果的に抑えられる。さらに、補強工程で芯金を例えば「圧入」した場合には、芯金によって半円形の下穴の縁部に沿った引っ張り力が下穴に加わる。この引っ張り力によって下穴がその内方より予め補強されるので、後加工における下穴の変形が効果的に抑えられる。
また、下穴が円形の場合、芯金は、リング形状の治具でもよいし、中実円柱状の治具であってもよい。芯金は一体物が基本であるが、一対に分かれていてもよい。
また、下穴は、第1側壁及び第2側壁の両方に形成されていてもよいし、あるいは片方のみに形成されていてもよい。
上記(2)に記載の態様の場合、連結壁と芯金の両方に対して外力を同時に加えるので、連結壁の軸曲げ変形に遅れることなく芯金が追従していく。そのため、連結壁と一体をなす第1側壁及び第2側壁の変形に対しても芯金が追従できるので、芯金の移動が遅れて下穴を変形させることがない。
上記(3)に記載の態様の場合、側面視で直線状の加圧面により連結壁の内面を加圧するので、連結壁の内面が直線状を保ったまま軸曲げできる。一方、例えば側面視で凸曲線状をなす加圧面により連結壁の内面を加圧する場合は、連結壁の内面が凸曲線状の加圧面に応じた凹曲面に変形するため、連結壁に連なる第1側壁及び第2側壁も、連結壁の凹曲面に引っ張られる。これに対し、本態様によれば、凹曲面が連結壁に生じないので、下穴の周囲部分に対して部分的な引っ張りが加わるのを抑制することができ、下穴により形成される連結穴の寸法精度をさらに高めることができる。
上記(4)に記載の態様の場合、中子によって第1側壁及び第2側壁間の間隔及び平行度が一定に保持され、また、連結壁及び芯金間の間隔が一定に保持される。よって、O曲げ工程でO曲げする外力を加えても下穴の寸法精度及び位置に及ぼす影響を抑制できるので、より高い寸法精度のリンク部品を製造することができる。
上記(5)に記載の態様の場合、芯金を下穴に圧入できる。
上記(6)に記載の態様の場合も、上記(1)に記載の態様と同じ作用効果を得ることが出来る。すなわち、O曲げ工程で第1側壁及び第2側壁に外力を与えても、補強工程で入れた芯金によってバーリング加工穴が予め補強されているので、バーリング加工穴の変形が効果的に抑えられる。
なお、バーリング加工穴の形状は、円形のみに限らず、非円形であってもよい。さらに、バーリング加工穴としては、完全に閉じた周面により囲まれて形成されたもののみに限らず、その一部分が開放されていてもよい。よって、バーリング加工穴は、例えば、開放された半円形であってもよい。
上記(7)に記載の態様の場合も、上記(2)に記載の態様と同じ作用効果を得ることが出来る。すなわち、連結壁とバーリング縦壁の両方に対して外力を同時に加えるので、連結壁の軸曲げ変形に遅れることなくバーリング縦壁及び芯金が追従していく。そのため、連結壁と一体をなす第1側壁及び第2側壁の変形に対してもバーリング縦壁及び芯金が追従できるので、芯金の移動が遅れてバーリング加工穴を変形させることがない。
上記(8)に記載の態様の場合も、上記(3)に記載の態様と同じ作用効果を得ることが出来る。よって、本態様によれば、凹曲面が連結壁に生じないので、バーリング加工穴の変形をより抑制することができ、同バーリング加工穴により形成される連結穴の寸法精度をさらに高めることができる。
上記(9)に記載の態様の場合も、上記(4)に記載の態様と同じ作用効果を得ることが出来る。すなわち、中子によって第1側壁及び第2側壁間の間隔及び平行度が一定に保持され、また、連結壁及びバーリング縦壁間の間隔が一定に保持される。よって、O曲げ工程でO曲げする外力を加えてもバーリング加工穴の寸法精度及び位置に及ぼす影響を抑制できるので、より高い寸法精度のリンク部品を製造することができる。
上記(10)に記載の態様の場合、芯金をバーリング加工穴に圧入できる。
上記(11)に記載の態様の場合、中間部品を軸曲げする間、入れた芯金によって下穴の形状が常に保たれる。
上記(12)に記載の態様の場合、中間部品を軸曲げする間、入れた芯金によってバーリング加工穴の形状が常に保たれる。
上記(13)に記載の態様の場合、素材準備工程後のU曲げ工程により、下穴を有する中間部品を得ることが出来る。さらには、U曲げ工程前に、下穴にバーリング加工を行い、バーリング加工穴を区画するバーリング縦壁を形成してもよい。
上記(14)に記載の態様の場合、リンク部品より芯金を外す工程と、リンク部品の下穴、又は、バーリング加工穴を補強する後工程とが不要になる。よって、さらに生産性を高めることが可能になる。
上記(15)に記載の態様によれば、まず、下穴に芯金を入れる。その後、芯金によって下穴が補強された中間部品を、そのまま第1金型の第1凹面内に載置する。その後、中間部品を収容するように、第1駆動機構により第2金型及び第1金型間の相対位置を近付け、そして両者を合致させる。その際、第2金型の第2凹面が、第1側壁の他方の側縁及び第2側壁の他方の側縁の双方に当接して両者を互いに接近させ、そして合致させる。このO曲げにより、長手方向に垂直な断面が閉断面形状をなすリンク部品を得ることが出来る。しかも、O曲げの際も下穴の補強は芯金によって継続して行われる。よって、O曲げするために第1側壁及び第2側壁に外力を与えても、先に入れた芯金によって下穴が予め補強されているので、下穴の変形が効果的に抑えられる。
上記(16)に記載の態様の場合、連結壁の外面が第1円弧面に接し、第1側壁の外面が第1側面に接し、第2側壁の外面が第2側面に接するように、中間部品を第3金型内に配置する。そして、第2駆動機構の駆動力によって第3金型及び第4金型間の相対位置を近付けていく。これにより、第2円弧面が連結壁の内面に当接し、第3側面が第1側壁の内面に摺接し、第4側面が第2側壁の内面に摺接し、そして芯金抑え面が芯金の外周面に当たる。第3金型及び第4金型間の相対位置をさらに近付けていくと、連結壁が第1円弧面及び第2円弧面の形状に合わせて曲げられていく。そして、連結壁の変形に伴って第1側壁および第2側壁も曲げられていく。このようにして、中間部品の軸曲げが完了する。
この軸曲げの際、連結壁と芯金の両方に対して第2駆動機構の力を同時に加えることができるので、連結壁の軸曲げの変形動作に遅れることなく芯金を追従させられる。そのため、連結壁と一体をなす第1側壁及び第2側壁の変形に対しても芯金が追従していくので、芯金の移動が遅れて下穴を変形させることがない。
上記(17)に記載の態様の場合、縦断面で見て互いに直線状をなす受圧部及び第1加圧部間に、中間部品の連結壁のうちでリンク部品の一端部となる部分が挟み込まれるので、連結壁の内面が直線状を保ったまま軸曲げできる。よって、凹曲面が連結壁に生じないので、下穴の周囲が部分的に引っ張られて変形することをより抑制することができる。よって、下穴により形成される連結穴の寸法精度をさらに高めることができる。
上記(18)に記載の態様の場合、第2金型の第2凹面によって第1側壁の他方の側縁及び第2側壁の他方の側縁を互いに合致させるO曲げを行った結果、この合致した部分が、第2凹面の形状に従い、側面視で直線状をなす。これにより、合致した部分の内側を例えば中子で押しても凹曲面が生じないので、下穴の周囲が部分的に引っ張られて変形することをより抑制することができる。よって、下穴により形成される連結穴の寸法精度をさらに高めることができる。
上記(19)に記載の態様の場合、第3駆動機構の駆動力を受け、第1側壁及び第2側壁間と、芯金の外周面及び連結壁の内面間とに中子が入れられる。そして、中子によって第1側壁及び第2側壁間の間隔及び平行度が一定に保持され、また、連結壁及び芯金間の間隔が一定に保持される。よって、O曲げする外力を第1側壁及び第2側壁に加えても下穴の寸法精度及び位置に及ぼす影響を抑制できるので、より高い寸法精度のリンク部品を製造することができる。
上記(20)に記載の態様の場合も、上記(15)に記載の態様と同じ作用効果を得ることが出来る。すなわち、O曲げの際も一対のバーリング加工穴の補強が芯金によって継続して行われる。よって、O曲げするために第1側壁及び第2側壁に外力を与えても、前もって入れた芯金によってバーリング加工穴が予め補強されているので、バーリング加工穴の変形が効果的に抑えられる。
上記(21)に記載の態様の場合も、上記(16)に記載の態様と同じ作用効果を得ることが出来る。すなわち、連結壁の外面が第1円弧面に接し、第1側壁の外面が第1側面に接し、第2側壁の外面が第2側面に接するように、中間部品を第3金型内に配置する。そして、第2駆動機構の駆動力によって第3金型及び第4金型間の相対位置を近付けていく。これにより、第2円弧面が連結壁の内面に当接し、第3側面が第1側壁の内面に摺接し、第4側面が第2側壁の内面に摺接し、そして芯金抑え面がバーリング縦壁の外周面に当たる。第3金型及び第4金型間の相対位置をさらに近付けていくと、連結壁が第1円弧面及び第2円弧面の形状に合わせて曲げられていく。そして、連結壁の変形に伴って第1側壁および第2側壁も曲げられていく。このようにして、中間部品の軸曲げが完了する。
この軸曲げの際、連結壁とバーリング縦壁の両方に対して第2駆動機構の力を同時に加えることができるので、連結壁の軸曲げの変形動作に遅れることなくバーリング縦壁を追従させられる。そのため、連結壁と一体になって変形動作をする第1側壁及び第2側壁にも追従するので、芯金がバーリング縦壁を変形させることがない。
上記(22)に記載の態様の場合も、上記(17)に記載の態様と同じ作用効果を得ることが出来る。よって、本態様によれば、凹曲面が連結壁に生じないので、バーリング加工穴の変形を抑制することができ、バーリング加工穴により形成される連結穴の寸法精度をさらに高めることができる。
上記(23)に記載の態様の場合も、上記(18)に記載の態様と同じ作用効果を得ることが出来る。よって、本態様によれば、下穴により形成される連結穴の寸法精度をさらに高めることができる。
上記(24)に記載の態様の場合も、上記(19)に記載の態様と同じ作用効果を得ることが出来る。よって、本態様によれば、O曲げする外力を第1側壁及び第2側壁に加えてもバーリング加工穴の寸法精度及び位置に及ぼす影響を抑制できるので、より高い寸法精度のリンク部品を製造することができる。
上記(25)に記載の態様の場合、まず、連結壁の外面が第3円弧面に接し、第1側壁の外面が第5側面に接し、第2側壁の外面が第6側面に接するように、中間部品を第5金型内に配置する。続いて、一対の貫通穴の一方、中間部品の一対の下穴の一方、中間部品の一対の下穴の他方、一対の貫通穴の他方の全てを貫くように、芯金を、中間部品の一対の下穴に入れる。これにより、中間部品のうちで前記一端部となる第1端部と前記他端部となる第2端部との間の位置において、連結部が芯金により第5金型内の定位置に固定され、なおかつ連結壁のうちで第1端部及び第2端部間の一部が凸状の第3の円弧面に当たって支持された状態になる。このように中間部品を第5金型内に2点支持した状態で、第5駆動機構の駆動力によって第5金型及び第6金型間の相対位置を近付けていく。すると、第4円弧面が連結壁の第2端部側の内面に当接し、ここを押し下げていく。その結果、連結壁の外面のうちで第3の円弧面により支持した一部を支点として、中間部品が軸曲げされる。この軸曲げを行っても、予め入れた芯金によって一対の下穴が補強されているので、これらの寸法精度及び位置に及ぼす影響を抑制できる。
上記(26)に記載の態様の場合、一対の貫通穴の一方、中間部品の一対の下穴の一方、中間部品の一対の下穴の他方、一対の貫通穴の他方が全て同軸をなすように、中間部品を第5金型内に配置する。続いて、第1駆動部によって第1分割芯金を、一対の貫通穴の一方を介して、中間部品の一対の下穴の一方に入れる。同様に、第2駆動部によって第2分割芯金を、一対の貫通穴の他方を介して、中間部品の一対の下穴の他方に入れる。第1分割芯金を入れることと第2分割芯金を入れることとは、同時に行ってもよいし、どちらか一方を先に行って他方をその後に行ってもよい。以上の工程により、一対の下穴が第1分割芯金及び第2分割芯金によって補強される。
上記(27)に記載の態様の場合、連結壁となる部分が凹溝上に重なるよう、第7金型上に平板素材を載置する。そして、第3駆動機構の駆動力により、第7金型及び第8金型間を相対的に接近させる。そして、第8金型が凹溝内に入ることで平板素材がU曲げされる。その結果、下穴、又は、バーリング加工穴を有する中間部品を得ることが出来る。
本発明のリンク部品の製造方法及び製造装置の第1実施形態について、図面を参照しながら以下に説明を行う。まず始めに、本実施形態で製造されるリンク部品Lについて図1を参照しながら以下に説明する。
図1に示すように、リンク部品Lは、その軸線方向に沿って長く、なおかつ前記軸線方向の各位置で前記軸線に垂直な断面が閉断面形状を有する。リンク部品Lは、前記軸線方向の一方側に設けられた一端部LAと、前記軸線方向の他方側に設けられた他端部LBと、これら一端部LA及び他端部LB間を繋ぐ中央部LCと、を有する。
中央部LCは、前記軸線方向に沿った中央位置で外形寸法が最も細く、一端部LAに向かって外形寸法が徐々に大きくなっている。同様に、中央部LCは、他端部LBに向かって外形寸法が徐々に大きくなっている。
図3に示す凹溝11は、平面視でリンクLの外形に略合致する形状を有する。すなわち、前記一端部LAに対応する溝幅寸法の一端部11aと、前記他端部LBに対応する溝幅寸法の他端部11bと、前記中央部LCに対応する溝幅寸法の中央部11cと、を有する。一端部11a及び他端部11bの溝幅寸法は、中央部11cの溝幅寸法よりも広い。また、中央部11cの溝幅寸法は、その長手方向の中央位置で最も狭く、そして一端部11a及び他端部11bに近付くにつれて徐々に広くなっている。凹溝11は、部分P1及び部分P2が互いに平行をなすまで折り曲げるために十分な深さを有している。
上記U曲げ加工機によれば、図2(b)に示すように平板素材Pをダイ10上に載置し、この平板素材Pをパンチ20で凹溝11内に押し込むことにより、前記部分P1を境として前記部分P2及び前記部分P3が互いに対向するように折り曲げられる。そして、このように折り曲げられた平板素材Pをダイ10の凹溝11より取り出すことにより、図2(c)に示す中間部品Wが得られる。
芯金30は、所定幅寸法を有する環状体であり、中間部品Wのバーリング加工穴a1,b1よりも若干大きめの外径寸法を有する外周面と、前記第1保持機構によって保持される内周面とを有する構成を採用してもよい。なお、本実施形態の芯金30は、リンク部品Lを得る最終工程で取り外されるが、リンク部品Lの一部として圧入したままにしてもよい。一方、芯金30をリンク部品Lの一部としない場合には、環状体ではなく円柱体などとしてもよい。
この芯金抜入機によれば、まず中間部品Wを前記第1保持機構に固定する。続いて、芯金30を前記第2保持機構に装着した後、前記駆動機構の駆動力をもって前記第2保持機構を移動させ、芯金30を中間部品Wのバーリング加工穴a1,b1に同軸に入れる。これにより、図2(d)に示すように芯金30が中間部品Wに固定され、バーリング加工穴a1,b1の補強が完了する。
芯金は、リング形状の治具でもよいし、中実円柱状の治具であってもよい。2つのバーリング加工穴をそれぞれに分かれた芯金であってもよいが、バーリング加工穴の同軸度を向上させるためには、2つの芯金が一体化した芯金(一体化した結果、1つの心金となる。)とすることが好ましい。
なお、本実施形態では、中間部品Wを保持固定する金型として、前記U曲げ加工機のダイ10(図3)を兼用しているが、この形態のみに限らず、軸曲げ加工機の専用として他のダイを用いてもよい。一方、ダイ10を兼用してU曲げをする際(図2の(b),(c)の工程)には、凹溝11の底面に着くまで中間部品Wを押し下げないが、軸曲げをする際(図2の(e),(f)の工程)には、中間部品Wが凹溝11の底面に着くまで押し下げる。
また、図2(e)に示す軸曲げ加工機の前記パンチ駆動機構と、図2(b)に示したU曲げ加工機の前記パンチ駆動機構も、兼用としてもよいし、それぞれ専用に設けてもよい。
側面42,43は、それぞれ平面視で、凹溝11の一端部11a,中央部11c,そして他端部11bに対応した凹凸形状を有している。平面視における側面42,43間の間隔は、パンチ40の長手方向中央位置で最も狭く、長手方向両端位置に近付くに従って徐々に広くなっている。そして、側面42,43は、長手方向両端位置において互いに平行となっている。
以上により軸曲げ加工が行われるが、まだO曲げ加工を行う前であるので、第1側壁W2及び第2側壁W3の各上端縁同士は接合されていない。
前記金型駆動機構は、定位置に固定された下型50に対し、その上方から上型60を接近離間させる。下型50に上型60を合致させることで、凹溝51と凹溝61とが互いに合致してこれらの内部に閉断面空間を形成する。
第2中子80は、図6に示すように、円錐台形状の外周面81と、この外周面81に連なり互いに平行をなす一対の側面82,83と、を有する。外周面81は、リンク部品Lの他端部LBの内周面に合致する。側面82,83も、リンク部品Lの他端部LBの内周面に合致する。そして、第2中子80は、前記中子駆動機構によって矢印Fb方向に駆動されることで、第1側壁W2及び第2側壁W3間に入れられる。
このリンク部品の製造方法は、型抜き工程(素材準備工程)と、バーリング加工工程と、U曲げ工程と、補強工程と、軸曲げ工程と、O曲げ工程と、貫通穴形成工程と、芯金抜出工程と、を有する。
バーリング加工工程では、型抜き加工等で得られた平板素材Pをバーリング加工機のダイ上に固定する。そして、バーリング加工機のパンチ駆動機構により、パンチを第1下穴及び第2下穴に通すことで、これら第1下穴及び第2下穴のそれぞれにバーリング加工穴a1,b1が形成される。このようにして得られた平板素材Pを図2(a)に示す。
なお、芯金30をバーリング加工穴a1,b1に入れる形態としては、「挿入」と「圧入」がある。本実施形態において「挿入」とは、バーリング加工穴a1,b1の内形あるいは内径を、芯金30を入れることによって元の寸法以上に大きくしない、芯金30の入れ方を言う。一方、本実施形態において「圧入」とは、バーリング加工穴a1,b1の内形あるいは内径を、芯金30を入れることによって元の寸法を超えて大きくする、芯金30の入れ方を言う。ここで、挿入または圧入は、バーリング加工穴a1,b1の内形あるいは内径に対する、芯金30の外形あるいは外径の大小関係を設定することによって決まる。
芯金の外径(又は芯金外面の周長)をバーリング加工穴の内径(又は、バーリング加工穴内面の周長)とほぼ同じとしてもよい。例えば、径比(芯金の外径/バーリング穴の内径)又は周長比(芯金の外面の周長/バーリング穴の内面の周長)を1.000±0.005、1.000±0.003又は1.000±0.001の範囲としてもよい。しかし、芯金の外径(又は芯金外面の周長)をバーリング加工穴の内径(又は、バーリング加工穴内面の周長)よりやや大きい方が好ましい。例えば、径比(芯金の外径/バーリング穴の内径)又は周長比(芯金の外面の周長/バーリング穴の内面の周長)を1.000より大きくするか、または1.001以上としてもよい。この場合、芯金の外径とバーリング加工穴の内径の差により、バーリング加工穴の内面に引張応力が生じる。この引張応力によってバーリング加工穴a1,b1がその内方より補強されるので、バーリング加工穴a1,b1の変形が効果的に抑えられるためである。バーリング加工穴a1,b1は円形であるので、前記引張応力は、バーリング加工穴a1,b1に加わるフープ力となる。上記の径比又は周長比の下限を、1.002、1.003又は1.005としてもよい。バーリング加工穴に芯金が入れられる限り、その径比又は周長比の上限を規定する必要はないが、1.050、1.040又は1.030としてもよい。また、必要に応じて、芯金をバーリング加工穴a1,b1に容易に入れられるように、芯金の断面がテーパー形状としてもよい。この場合、上記の径比又は周長比は、芯金の最大径から算出される値とする。
なお、芯金30としては、その外周面がバーリング加工穴a1,b1の内周面に隙間無く密着すればよく、圧入ではなく単に挿入してもよい。
軸曲げ工程後の中間部品Wは、その上部形状及び下部形状が概ね対称形状となっているが、第1側壁W2の上端縁と第2側壁W3の上端縁とが合致していないため、この時点ではまだ閉断面形状が形成されていない。
続いて、金型駆動機構によって上型60を下型50に向けて下げていき、その凹溝61によって第1側壁W2及び第2側壁W3の各上端縁が互いに近付くようにO曲げ加工する。各上端縁が互いに合致することで、中間部品Wの長手方向各位置において、同長手方向に垂直な断面が閉断面形状となり、O曲げ工程が完了する。さらに、前記各上端縁同士を溶接等により接合してもよい。
O曲げ加工の際、中間部品Wのバーリング加工穴a1,b1の内周面は常に芯金30によって支持されているので、その加工精度が損なわれることなく維持される。
なお、中間部品Wの一端部及び他端部において、第1側壁W2の上端縁と第2側壁W3の上端縁との合わせ部分が、前記長手方向に垂直な断面で見て円形または楕円形である場合は、第1中子70及び第2中子80を入れる工程を省略してもよい。
芯金抜出工程では、バーリング加工穴a1,b1より芯金30を抜き出す。その結果、図1に示すリンク部品Lが完成する。なお、芯金30をリンク部品Lの一部としてそのまま用いる場合には、この芯金抜出工程を省略する。
なお、図2に示した製造工程では、連結穴としてバーリング加工穴a1,b1を形成する場合について例示した。しかし、本発明はこの形態のみに限らず、前記バーリング加工工程を省略してもよい。この場合、前記型抜き工程で平板素材Pを得た後、前記バーリング加工工程を行わずに、前記U曲げ工程を行うことになる。そして、前記型抜き工程で得た前記第1下穴及び第2下穴が、前記連結穴となる。
例えば、リンク部品Lの一端部LAから中央部LCにかけての縦断面形状は、図1に示した形状のみに限られない。すなわち、上記実施形態では、縦断面形状が、底壁部gのうち一端部LAの位置では下方に膨らみ、一端部LA及び中央部LC間の繋ぎ位置では上方に凹む形状とした。一方、例えば図7に示すように、バーリング加工穴a1,b1の上下面が側面視で平坦(直線状)であるリンク部品L1を採用してもよい。
一方、図7に示す変形例においては、軸曲げのためにパンチ40で連結壁W1の内面を加圧する際、部分的に膨らませずに真っ直ぐな状態を保ったまま軸曲げをするので、矢印F2に示した力を生じない。よって、芯金30による補強効果に加えて、より高い加工精度を得ることが可能になる。
例えば、連結穴を、図8に示す開口した半円形の下穴a3,a4とするリンク部品L2の場合、芯金30と第1中子70を兼ねた治具90を用いることができる。この治具90のうち、治具本体170が第1中子70に対応する部分となり、また、一対の凸部130が芯金30に対応する部分となる。一対の凸部130の外形寸法は、半円形の下穴a3,a4よりも少し大きめに形成されている。
この場合、O曲げ工程で第1側壁W2及び第2側壁W3に外力を与えても、その前に一対の凸部130を圧入することによって、半円形の下穴a3,a4それぞれの縁部に沿った引っ張り力が下穴a3,a4に加わる。この引っ張り力によって下穴a3,a4がその内方より予め補強されるので、後加工による、下穴a3,a4の変形及び軸ずれが効果的に抑えられる。
続いて、図9及び図10を参照しながら本発明の第2実施形態について以下に説明する。本実施形態では、上記第1実施形態で用いた芯金30の代わりに、図9及び図10に示すように、ダイ10に一対の芯金230を同軸配置し、凹溝11内外に挿抜させる点が、上記第1実施形態と異なっている。すなわち、一対の芯金230はダイ10の一部であり、リンク部品Lの製造後に抜出される。以下、上記第1実施形態との相違点を主に説明し、その他事項については上記第1実施形態と同じであるとして、重複説明を省略する。
また、パンチ40は、図9に示すように、連結壁W1の内面に接してかつ縦断面視で凹状をなす円弧面(第4円弧面)40A、第1側壁W2の内面に接する外側面(第7側面)40B、第2側壁W3の内面に接する外側面(第8側面)40C、を有する。
前記第5駆動機構は、芯金230aを貫通穴10A1に挿抜させる第1駆動部(不図示)と、芯金230bを貫通穴10B1に挿抜させる第2駆動部(不図示)と、を有する。
軸曲げ工程の完了後、まず芯金230a,230bを中間部品Wから抜出する抜出工程を行い、その後、パンチ40を上げてからダイ10内より取り出す。その後、第1の実施形態と同様にO曲げ工程などを行うことにより、リンク部品Lが得られる。
続いて、図11を参照しながら本発明の第3実施形態について以下に説明する。本実施形態では、バーリング加工穴a1,b1の代わりに下穴を有するリンク部品を製造する点が、上記第1実施形態と異なっている。そのため、上記第1実施形態との相違点を主に説明し、その他事項については上記第1実施形態と同じであるとして、重複説明を省略する。
なお、パンチとダイの組み合わせによる型抜きに代えて、レーザー加工による型抜きを行ってもよい。
軸曲げ前の中間部品Waはその底部が側面視で直線形状となっているが、本軸曲げ工程では、この底部が側面視で凹形状となるように中間部品Waを軸曲げしていく。この軸曲げの際、中間部品Waの第1下穴a1a及び第2下穴b1aは常に芯金30によって支えられているので、その加工精度(真円精度及び同軸精度)が損なわれることなく維持される。
軸曲げ工程後の中間部品Waは、その上部形状及び下部形状が概ね対称形状となっているが、第1側壁W2aの上端縁と第2側壁W3aの上端縁とが合致していないため、この時点ではまだ閉断面形状が形成されていない。
続いて、金型駆動機構によって上型60を下型50に向けて下げていき、その凹溝61によって第1側壁W2a及び第2側壁W3aの各上端縁が互いに近付くようにO曲げ加工する。各上端縁が互いに合致することで、中間部品Waの長手方向各位置において、同長手方向に垂直な断面が閉断面形状となり、O曲げ工程が完了する。さらに、前記各上端縁同士を溶接等により接合してもよい。
O曲げの際、中間部品Waの第1下穴a1a及び第2下穴b1aは常に芯金30によって支持されているので、その加工精度(真円精度及び同軸精度)が損なわれることなく維持される。
なお、中間部品Waの一端部及び他端部において、第1側壁W2aの上端縁と第2側壁W3aの上端縁との合わせ部分が、前記長手方向に垂直な断面で見て円形または楕円形である場合は、第1中子70及び第2中子80を入れる工程を省略してもよい。
芯金抜出工程では、第1下穴a1a及び第2下穴b1aより芯金30を抜き出す。その結果、リンク部品が完成する。なお、芯金30をリンク部品の一部としてそのまま用いる場合には、この芯金抜出工程を省略する。
なお、以上に説明の第2実施形態は本発明の一例であり、必要に応じて適宜の変更が可能である。例えば図7で示したように、上下面が側面視で平坦(直線状)であるリンク部品を採用してもよい。この場合、軸曲げのためにパンチ40で連結壁W1aの内面を加圧する際、部分的に膨らませずに真っ直ぐな状態を保ったまま軸曲げをするので、第1下穴a1a及び第2下穴b1aを部分的に径方向外側に引っ張る力を生じない。よって、芯金30による補強効果に加えて、より高い加工精度を得ることが可能になる。
続いて、図12を参照しながら本発明の第4実施形態について以下に説明する。本実施形態では、軸曲げ工程及び貫通穴形成工程を省略し、真っ直ぐな軸線を持つテーパー管形状のリンク部品を製造する点が、上記第1実施形態と異なっている。そのため、上記第1実施形態との相違点を主に説明し、その他事項については上記第1実施形態と同じであるとして、重複説明を省略する。
なお、パンチとダイの組み合わせによる型抜きに代えて、レーザー加工による型抜きを行ってもよい。
この補強工程で芯金30bを圧入した場合、バーリング加工穴a1b,b1bの内周面に沿った引っ張り力がバーリング加工穴a1b,b1bに加わる。この引っ張り力によってバーリング加工穴a1b,b1bがその内方より補強されるので、バーリング加工穴a1b,b1bの変形が効果的に抑えられる。バーリング加工穴a1b,b1bは円形であるので、前記引っ張り力は、バーリング加工穴a1b,b1bに加わるフープ力となる。
O曲げ加工の際、中間部品Wbのバーリング加工穴a1b,b1bの内周面は常に芯金30bによって支持されているので、その加工精度が損なわれることなく維持される。
なお、中間部品Wbの一端部及び他端部において、第1側壁W2bの上端縁と第2側壁W3bの上端縁との合わせ部分が、前記長手方向に垂直な断面で見て円形または楕円形である場合は、第1中子70b及び第2中子80bを入れる工程を省略してもよい。
なお、連結穴としてバーリング加工穴a1b,b1bを形成する場合について例示した。しかし、本発明はこの形態のみに限らず、さらに前記バーリング加工工程を省略してもよい。この場合、前記型抜き工程で平板素材Pbを得た後、前記バーリング加工工程を行わずに、前記U曲げ工程を行うことになる。そして、前記型抜き工程で得た前記第1下穴及び第2下穴が、前記連結穴となる。
(1)本実施形態リンク部品の製造方法は、第1下穴(下穴)を有する第1側壁W2と、第1下穴と同軸をなす第2下穴(下穴)を有し第1側壁W2に対して対向配置された第2側壁W3と、第1側壁W2の下縁(一方の側縁)及び第2側壁W3の下縁(一方の側縁)間を繋ぐ連結壁W1と、を有する一方向に沿って長い中間部品Wより、連結穴(第1下穴及び第2下穴、又は、バーリング加工穴a1,b1)を有し前記一方向に沿った一方側に設けられた一端部LAと、前記一方向に沿った他方側に設けられた他端部LBとを備えたリンク部品Lを製造する方法である。
そして、本実施形態リンク部品の製造方法は、前記連結穴に、芯金30を同軸に挿入あるいは圧入する補強工程と;補強工程よりも後に、第1側壁W2の上縁(他方の側縁)と第2側壁W3の上縁(他方の側縁)とを互いに当接させるように、第1側壁W2及び第2側壁W3をO曲げするO曲げ工程と;を有する。
上記(1)によれば、O曲げ工程で第1側壁W2及び第2側壁W3に外力を与えても、その前に、補強工程で入れた芯金30によって、連結穴が予め補強されているので、これらの変形が効果的に抑えられる。
なお、第1下穴及び第2下穴の形状は、円形のみに限らず、非円形であってもよい。さらに、第1下穴及び第2下穴としては、完全に閉じた周面により囲まれて形成されたもののみに限らず、その一部分が開放されていてもよい。よって、第1下穴及び第2下穴は、例えば、開放された半円形であってもよい。
上記(2)の場合、連結壁W1と芯金30の両方に対して外力を同時に加えるので、連結壁W1の軸曲げ変形に遅れることなく芯金30が追従していく。そのため、連結壁W1と一体をなす第1側壁W2及び第2側壁W3の変形に対しても芯金30が追従できるので、芯金30の移動が遅れて連結穴を変形させることがない。
上記(3)の場合、側面視で直線状の加圧面41により連結壁W1の内面を加圧する。連結壁W1の内面を部分的に膨らませることなく真っ直ぐな状態を保ったまま軸曲げするので、連結穴を局所的に引っ張る力を生じない。よって、芯金30による補強効果に加えて、より高い寸法精度のリンク部品L1を得ることが可能になる。
上記(4)の場合、第1中子70によって第1側壁W2及び第2側壁W3間の間隔及び平行度が一定に保持され、また、連結壁W1及び芯金30間の間隔が一定に保持される。よって、O曲げ工程でO曲げする外力を加えても、連結穴の寸法精度及び位置精度に及ぼす影響を抑制できるので、より高い寸法精度のリンク部品Lを製造することができる。
上記(5)に記載の態様の場合、芯金30を第1下穴及び第2下穴に圧入できる。
上記(6)の場合も、上記(1)と同じ作用効果を得ることが出来る。すなわち、O曲げ工程で第1側壁W2及び第2側壁W3に外力を与えても、補強工程で挿入あるいは圧入された芯金30によってバーリング加工穴a1,b1が予め補強されているので、連結穴の変形が効果的に抑えられる。
なお、バーリング加工穴a1,b1の形状は、円形のみに限らず、非円形であってもよい。さらに、バーリング加工穴a1,b1としては、完全に閉じた周面により囲まれて形成されたもののみに限らず、その一部分が開放されていてもよい。よって、バーリング加工穴a1,b1は、例えば、開放された半円形であってもよい。
上記(7)の場合も、上記(2)と同じ作用効果を得ることが出来る。すなわち、連結壁W1とバーリング縦壁a,bの両方に対して外力を同時に加えるので、連結壁W1の軸曲げ変形に遅れることなくバーリング縦壁a,b及び芯金30が追従していく。そのため、連結壁W1と一体をなす第1側壁W2及び第2側壁W3の変形に対してもバーリング縦壁a,b及び芯金30が追従できるので、芯金30の移動が遅れてバーリング加工穴a1,b1を変形させることがない。
上記(8)の場合も、上記(3)と同じ作用効果を得ることが出来る。よって、本態様によれば、凹曲面が連結壁W1に生じないので、バーリング加工穴a1,b1の変形を抑制することができ、同バーリング加工穴a1,b1により形成される連結穴の寸法精度をさらに高めることができる。
上記(9)の場合も、上記(4)と同じ作用効果を得ることが出来る。すなわち、第1中子70によって第1側壁W2及び第2側壁W3間の間隔及び平行度が一定に保持され、また、連結壁W1及びバーリング縦壁a,b間の間隔が一定に保持される。よって、O曲げ工程でO曲げする外力を加えてもバーリング加工穴a1,b1の寸法精度及び位置に及ぼす影響を抑制できるので、より高い寸法精度のリンク部品L1を製造することができる。
上記(10)に記載の態様の場合、芯金30をバーリング加工穴a1,b1に圧入できる。
上記(11)の場合、中間部品Wを軸曲げする間も、挿入あるいは圧入された一対の芯金230によって下穴(あるいはバーリング加工穴a1,b1)の形状が常に保たれる。
上記(12)の場合、中間部品Wを軸曲げする間、挿入あるいは圧入された芯金230によってバーリング加工穴a1,b1の形状が常に保たれる。
上記(13)の場合、型抜き工程後のU曲げ工程により、互いに同軸をなす第1下穴及び第2下穴を有する中間部品Wを得ることが出来る。さらには、U曲げ工程前に、第1下穴及び第2下穴にバーリング加工を行い、バーリング加工穴a1,b1を区画するバーリング縦壁a,bを形成してもよい。
上記(14)の場合、リンク部品Lより芯金30を外す工程と、リンク部品Lの第1下穴及び第2下穴、又は、バーリング加工穴a1,b1を補強する後工程とが不要になる。よって、さらに生産性を高めることが可能になる。
そして、このリンク部品の製造装置は、第1下穴及び第2下穴に、同軸に挿入あるいは圧入される芯金30と;中間部品Wを受け入れてかつ、リンク部品Lの外形に合致する形状の凹溝51(第1凹面)を有する下型50(第1金型)と;下型50と共に中間部品Wを収容し、第1側壁W2の上縁(他方の側縁)及び第2側壁W3の上縁(他方の側縁)の双方に当接して互いに接近させる凹溝61(第2凹面)を有する上型60(第2金型)と;下型50及び上型60間の相対位置を接近及び離間させる金型駆動機構(第1駆動機構)と;を備える。
上記(15)によれば、まず、第1下穴及び前記第2下穴に芯金30を同軸に挿入あるいは圧入する。その後、芯金によって第1下穴及び第2下穴が補強された中間部品Wを、そのまま下型50の凹溝51に載置する。その後、下型50と共に中間部品Wを収容するように、金型駆動機構により下型50及び上型60間の相対位置を近付け、そして両者を合致させる。その際、上型60の凹溝61が、第1側壁W2の上縁及び第2側壁W3の上縁の双方に当接して両者を互いに接近させ、そして合致させる。このO曲げにより、長手方向に垂直な断面が閉断面形状をなす中間部品Wを得ることが出来る。しかも、O曲げの際も第1下穴及び第2下穴の補強は芯金30によって継続して行われる。よって、O曲げするために第1側壁W2及び第2側壁W3に外力を与えても、先に挿入あるいは圧入された芯金30によって第1下穴及び第2下穴が予め補強されているので、これら第1下穴及び第2下穴の変形が効果的に抑えられる。
上記(16)の場合、連結壁W1の外面が底面11dに接し、第1側壁W2の外面が第1側面に接し、第2側壁W3の外面が第2側面に接するように、中間部品Wをダイ10内に配置する。そして、パンチ駆動機構の駆動力によってダイ10及びパンチ40間の相対位置を近付けていく。これにより、加圧面41が連結壁W1の内面に当接し、側面22が第1側壁W2の内面に摺接し、側面23が第2側壁W3の内面に摺接し、そして抑え面44が芯金30の外周面に当たる。ダイ10及びパンチ40間の相対位置をさらに近付けていくと、連結壁W1が底面11d及び加圧面41の形状に合わせて曲げられていく。そして、連結壁W1の変形に伴って第1側壁W2および第2側壁W3も曲げられていく。このようにして、中間部品Wの軸曲げが完了する。
この軸曲げの際、連結壁W1と芯金30の両方に対してパンチ駆動機構の力を同時に加えることができるので、連結壁W1の軸曲げの変形動作に遅れることなく芯金30を追従させられる。そのため、連結壁W1と一体をなす第1側壁W2及び第2側壁W3の変形に対しても芯金30が追従していくので、芯金30の移動が遅れて第1下穴及び第2下穴を変形させることがない。
上記(17)の場合、縦断面で見て互いに直線状をなす受圧部及び加圧面41間に、中間部品Wの連結壁W1のうちで一端部LAとなる部分が挟み込まれるので、連結壁W1の内面が直線状を保ったまま軸曲げできる。すなわち、連結壁W1の内面を部分的に膨らませることなく真っ直ぐな状態を保ったまま軸曲げするので、連結穴を局所的に引っ張る力を生じない。よって、芯金30による補強効果に加えて、より高い寸法精度を得ることが可能になる。
上記(18)の場合、上型60の凹溝61によって第1側壁W2の上縁及び第2側壁W3の上縁を互いに合致させるO曲げを行った結果、この合致した部分が、凹溝61の形状に従い、側面視で直線状をなす。これにより、O曲げの際に第1中子70を中間部品Wの一端部に入れても、前記合致した部分が直線状の凹溝61により支えられているため、芯金30より離れる方向に膨らむ変形が生じない。よって、第1下穴及び第2下穴の寸法精度を損なう虞をより低減できる。
上記(19)の場合、中子駆動機構の駆動力を受け、第1側壁W2及び第2側壁W3間と、芯金30の外周面及び連結壁W1の内面間とに第1中子70の一部が入れられる。そして、第1中子70によって第1側壁W2及び第2側壁W3間の間隔及び平行度が一定に保持され、また、連結壁W1及び芯金30間の間隔が一定に保持される。よって、O曲げする外力を第1側壁W2及び第2側壁W3に加えても第1下穴及び第2下穴の寸法精度及び位置精度に及ぼす影響を抑制できるので、より高い寸法精度のリンク部品Lを製造することができる。
上記(20)の場合も、上記(15)と同じ作用効果を得ることが出来る。すなわち、O曲げの際も一対のバーリング加工穴a1,b1の補強が芯金30によって継続して行われる。よって、O曲げするために第1側壁W2及び第2側壁W3に外力を与えても、前もって挿入あるいは圧入された芯金30によってバーリング加工穴a1,b1が予め補強されているので、バーリング加工穴a1,b1の変形が効果的に抑えられる。
上記(21)の場合も、上記(16)と同じ作用効果を得ることが出来る。すなわち、連結壁W1の外面が底面11dに接し、第1側壁W2の外面が第1側面に接し、第2側壁W3の外面が第2側面に接するように、中間部品Wをダイ10内に配置する。そして、パンチ駆動機構の駆動力によってダイ10及びパンチ40間の相対位置を近付けていく。これにより、加圧面41が連結壁W1の内面に当接し、側面42が第1側壁W2の内面に摺接し、側面43が第2側壁W3の内面に摺接し、そして抑え面44がバーリング縦壁a,bの外周面a2,b2に当たる。ダイ10及びパンチ40間の相対位置をさらに近付けていくと、連結壁W1が底面11d及び加圧面41の形状に合わせて曲げられていく。そして、連結壁W1の変形に伴って第1側壁W2および第2側壁W3も曲げられていく。このようにして、中間部品Wの軸曲げが完了する。
この軸曲げの際、連結壁W1とバーリング縦壁a,bの両方に対してパンチ駆動機構の力を同時に加えることができるので、連結壁W1の軸曲げの変形動作に遅れることなくバーリング縦壁a,bを追従させられる。そのため、連結壁W1と一体になって変形動作をする第1側壁W2及び第2側壁W3にも追従するので、芯金30がバーリング縦壁a,bを変形させることがない。
上記(22)の場合も、上記(17)と同じ作用効果を得ることが出来る。よって、本態様によれば、凹曲面が連結壁W1に生じないので、バーリング加工穴a1,b1の変形を抑制することができ、バーリング加工穴a1,b1により形成される連結穴の寸法精度をさらに高めることができる。
上記(23)の場合も、上記(18)と同じ作用効果を得ることが出来る。よって、本態様によれば、バーリング加工穴a1,b1の寸法精度を損なう虞をより低減できる。
上記(24)の場合も、上記(19)と同じ作用効果を得ることが出来る。よって、本態様によれば、O曲げする外力を第1側壁W2及び第2側壁W3に加えてもバーリング加工穴a1,b1の寸法精度及び位置に及ぼす影響を抑制できるので、より高い寸法精度のリンク部品Lを製造することができる。
すなわち、リンク部品の製造装置は、ダイ(第5金型)10と、パンチ(第6金型)40と、これらダイ10及びパンチ40間の相対位置を接近及び離間させる第4駆動機構(不図示)と、一対の芯金230をダイ10に備わる一対の貫通穴10A1,10B1に対して挿抜させる第5駆動機構(不図示)と、を備える。
ここで、ダイ10は、連結壁W1の外面に接してかつ縦断面視で凸状をなす円弧面(第3円弧面)11A、第1側壁W2の外面に接する内側面(第5側面)11B、第2側壁W3の外面に接する内側面(第6側面)11C、これら内側面11B,11Cを同軸に貫く一対の貫通穴10A1,10B1、を有する。また、パンチ40は、連結壁W1の内面に接してかつ縦断面視で凹状をなす円弧面(第4円弧面)40A、第1側壁W2の内面に接する外側面(第7側面)40B、第2側壁W3の内面に接する外側面(第8側面)40C、を有する。
上記(25)の場合、まず、連結壁W1の外面が円弧面11Aに接し、第1側壁W2の外面が内側面11Bに接し、第2側壁W3の外面が内側面11Cに接するように、中間部品Wをダイ10内に配置する。続いて、貫通穴10A1、中間部品Wの一対の下穴、貫通穴10B1の全てを貫くように(全てが同軸をなすように)、芯金230を、中間部品Wの一対の下穴に挿入あるいは圧入する。これにより、中間部品Wのうちで一端部LAとなる第1端部と他端部LBとなる第2端部との間の位置において、連結部が芯金により第5金型内の定位置に固定され、なおかつ連結壁W1のうちで第1端部及び第2端部間の一部が凸状の円弧面40Aに当たって支持された状態になる。このように中間部品Wをダイ10内に2点支持した状態で、前記第5駆動機構の駆動力によってダイ10にパンチ40を近付けていく。すると、円弧面40Aが連結壁W1の第2端部側の内面に当接し、ここを押し下げていく。その結果、連結壁W1の外面のうちで円弧面40Aにより支持した位置を支点として、中間部品Wが軸曲げされる。この軸曲げを行っても、予め入れた芯金230によって一対の下穴が補強されているので、これらの寸法精度及び位置に及ぼす影響を抑制できる。
すなわち、芯金230が、内側面(第5側面)11Bの貫通穴に挿抜される芯金(第1分割芯金)230aと、内側面(第6側面)11Cの貫通穴に挿抜されてかつ芯金230aと同軸をなす芯金(第2分割芯金)230bと、を有する。また、前記第5駆動機構が、芯金230aを第1側壁W2の貫通穴に挿抜させる第1駆動部(不図示)と、芯金230bを第2側壁W3の貫通穴に挿抜させる第2駆動部(不図示)と、を有する。
上記(26)の場合、内側面(第5側面)11Bの貫通穴が中間部品Wの一対の下穴の一方と同軸をなし、内側面(第6側面)11Cの貫通穴が中間部品Wの一対の下穴の他方と同軸をなすように、中間部品Wをダイ10内に配置する。続いて、前記第1駆動部によって芯金230aを、内側面11Bの貫通穴を介して、中間部品Wの下穴の一方に挿入あるいは圧入する。同様に、前記第2駆動部によって芯金230bを、内側面11Cの貫通穴を介して、中間部品Wの下穴の他方に挿入あるいは圧入する。これら芯金230a,230bを入れることにより、次工程に移る前に中間部品Wの一対の下穴を補強できる。
上記(27)の場合、連結壁W1となる部分P1が凹溝11上に重なるよう、ダイ10上に平板素材Pを載置する。そして、パンチ駆動機構の駆動力により、ダイ10及びパンチ20間を相対的に接近させる。その結果、パンチ20が凹溝11内に入ることで平板素材PがU曲げされる。そして、第1下穴及び第2下穴、又は、バーリング加工穴a1,b1を有する中間部品Wを得ることが出来る。
また、中間部品Wの材質は、引っ張り強度が440MPa~980MPaの鋼材、あるいはアルミ材を例示することができる。
製造に用いた中間部品Wと、製造したリンク部品Lは、板厚を含めて寸法形状を全て同じとした。また、全実施例において、引張強度が440MPaでかつ板厚が2.8mmの鋼材を用いた。
図2の(a)~(h)に示す各工程のうち、(d)に示す補強工程を行った場合には芯金有無を「有り」と表記し、補強工程を行わなかった場合には「無し」と表記した。
(2)芯金のタイプ
図2(d)に示す補強工程を行った実施例のうち、芯金が一体物のリングを用いた場合には「一体型」と表記し、芯金が一対のリングを用いて各バーリング加工穴をそれぞれ個別に補強した場合には「分離型」と表記した。
(3)芯金の周長差比
バーリング加工穴に芯金を入れる際のきつさの度合いを、周長差比により規定した。周長差比が0%である場合は、バーリング加工穴の周長と、芯金の外周面の周長とが等しいことを示す。この場合は「挿入」となる。一方、周長差比が0%を超えている場合は「圧入」となり、その値が大きくなるほど、バーリング加工穴の周長よりも芯金の外周面の周長の方が長く、圧入の度合いがきついことを示している。周長差比は、下式(1)で規定される。
図2(f)に示す軸曲げ工程の際、図5に示したような抑え面44による、芯金を入れた状態でのバーリング加工穴への外力印加を行った場合には「有り」と表記し、外力印加を行わなかった場合には「無し」と表記した。外力印加が「有り」の場合には、図5に示したような形状を持つパンチ40を用いて中間部品Wの軸曲げを行った。一方、外力印加が「無し」の場合には、図5に示すパンチ40のうち、抑え面44に相当する部分がバーリング加工穴の外周面に当たらない別のパンチを用いて中間部品Wの軸曲げを行った。
真円度の評価に際しては、バーリング加工穴の直径が最大となる箇所と最小となる箇所とで直径を測定し、その差を評価値とする方法により評価した。そして、その評価結果が0.5mmを超える場合には「Bad」、0.3mmを超えて0.5mm以下である場合には「Good」、0.1mmを超えて0.3mm以下である場合には「Very Good」、0.1mm以下である場合には「Excellent」と表記した。
また、同軸度の評価に際しては、一対のバーリング加工穴それぞれの図心の位置を求め、バーリング加工穴を平面視した際の図心同士の距離を評価値とする方法により評価した。そして、その評価結果が0.5mmを超える場合には「Bad」、0.3mmを超えて0.5mm以下である場合には「Good」、0.1mmを超えて0.3mm以下である場合には「Very Good」、0.1mm以下である場合には「Excellent」と表記した。
また、周長差比が0.0%であり、芯金を圧入ではなく挿入した実施例2,6では、真円度及び同軸度の両方において必要条件を満たした。
さらに、周長差比を0%超とする芯金を圧入した実施例3~5,7~9では、真円度及び同軸度の両方においてさらに優れた結果を示した。
また、周長差比を満たすものの、分離型の芯金を用いた実施例5では、一体型の芯金を用いた実施例3,4,7~9に比べて同軸度がやや低めになった。これより、芯金としては分離型よりも一体型の方が軸芯精度の点でより好ましいことが分かった。
10A1,10B1 貫通穴
11 凹溝
11A 円弧面(第3円弧面)
11B 内側面(第5側面)
11C 内側面(第6側面)
11d 底面(第1円弧面)
20 パンチ(第8金型)
30,230 芯金
40 パンチ(第4金型、第6金型)
40A 円弧面(第4円弧面)
40B 外側面(第7側面)
40C 外側面(第8側面)
41 加圧面(第2円弧面)
42 側面(第3側面)
43 側面(第4側面)
44 抑え面(芯金抑え面)
50 下型(第1金型)
51 凹溝(第1凹面)
60 上型(第2金型)
61 凹溝(第2凹面)
70 第1中子(中子)
230a 芯金(第1分割芯金)
230b 芯金(第2分割芯金)
a,b バーリング縦壁
a1,b1 バーリング加工穴
a1a,b1a 下穴
a2,b2 バーリング縦壁の外周面
L,L1,L2 リンク部品
LA リンク部品の一端部
LB リンク部品の他端部
P 平板素材
P1,P1a,P1b 連結壁となる部分
P2,P2a,P2b 第1側壁となる部分
P3,P3a,P3b 第2側壁となる部分
W,Wa,Wb 中間部品
W1,W1a,W1b 連結壁
W2,W2a,W2b 第1側壁
W3,W3a,W3b 第2側壁
Claims (27)
- 少なくとも一端部にそれぞれ下穴を有しかつ互いに対向配置された第1側壁及び第2側壁と、前記第1側壁の一方の側縁及び前記第2側壁の一方の側縁間を繋ぐ連結壁と、を有する一方向に沿って長い中間部品より、連結穴を有し前記一方向に沿った一方側に設けられた一端部と、前記一方向に沿った他方側に設けられた他端部とを備えたリンク部品を製造する方法であって、
前記下穴に、芯金を入れる補強工程と;
前記補強工程よりも後に、前記第1側壁の他方の側縁と前記第2側壁の他方の側縁とを互いに当接させるように、前記第1側壁及び前記第2側壁をO曲げするO曲げ工程と;
を有することを特徴とするリンク部品の製造方法。 - 前記補強工程よりも後でかつ前記O曲げ工程よりも前に、前記中間部品の前記連結壁の内面と、前記芯金の外周面との双方に外力を同時に加えることで、前記第1側壁を対向視したときに前記連結壁が凹状をなすように、前記中間部品を軸曲げする軸曲げ工程をさらに有する
ことを特徴とする請求項1に記載のリンク部品の製造方法。 - 前記軸曲げ工程で、側面視で直線状をなす加圧面を前記連結壁の内面に押し当てることにより、前記軸曲げを行う
ことを特徴とする請求項2に記載のリンク部品の製造方法。 - 前記O曲げ工程で、
前記O曲げをする前に、前記第1側壁及び前記第2側壁間に挟まれてかつ、前記芯金の外周面及び前記連結壁の内面間に挟まれる中子を、前記中間部品の端部に入れておく
ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載のリンク部品の製造方法。 - 前記芯金の外径を前記下穴の内径で除して算出される径比が1.000より大きいことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のリンク部品の製造方法。
- 前記補強工程よりも前に、前記下穴に、バーリング縦壁を有するバーリング加工穴を形成するバーリング加工工程を行い;
前記補強工程で、前記下穴に代わり、前記バーリング加工穴に前記芯金を入れる;
ことを特徴とする請求項1に記載のリンク部品の製造方法。 - 前記補強工程よりも後でかつ前記O曲げ工程よりも前に、前記中間部品の前記連結壁の内面と、前記芯金を入れた状態の前記バーリング縦壁の外周面との双方に外力を同時に加えることで、前記第1側壁を対向視したときに前記連結壁が凹状をなすように、前記中間部品を軸曲げする軸曲げ工程をさらに有する
ことを特徴とする請求項6に記載のリンク部品の製造方法。 - 前記軸曲げ工程で、側面視で直線状をなす加圧面を前記連結壁の内面に押し当てることにより、前記軸曲げを行う
ことを特徴とする請求項7に記載のリンク部品の製造方法。 - 前記O曲げ工程で、
前記O曲げをする前に、前記第1側壁及び前記第2側壁間に挟まれてかつ、前記バーリング縦壁の外周面及び前記連結壁の内面間に挟まれる中子を、前記中間部品の前記一端部に入れておく
ことを特徴とする請求項6~8の何れか一項に記載のリンク部品の製造方法。 - 前記芯金の外径を前記バーリング加工穴の内径で除して算出される径比が1.000より大きいことを特徴とする請求項6~9の何れか1項に記載のリンク部品の製造方法。
- 前記補強工程よりも後でかつ前記O曲げ工程よりも前に、
前記下穴に入れた前記芯金の位置を固定してかつ、前記連結壁のうちで前記リンク部品の前記一端部になる第1端部と前記他端部になる第2端部との間の任意の位置を支持した状態で、
前記第2端部に外力を加えることで、前記第1側壁を対向視したときに前記連結壁が凹状をなすように、前記中間部品を軸曲げする軸曲げ工程
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のリンク部品の製造方法。 - 前記補強工程よりも前に、前記下穴に、バーリング縦壁を有するバーリング加工穴を形成するバーリング加工工程を行い;
前記補強工程で、前記下穴に代わり、前記バーリング加工穴に前記芯金を入れる;
ことを特徴とする請求項11に記載のリンク部品の製造方法。 - 前記補強工程よりも前に、
前記第1側壁となる部分と、前記第2側壁となる部分と、前記連結壁となる部分と、を有する平板素材を準備する素材準備工程と;
前記連結壁となる部分を境として、前記第1側壁となる部分と前記第2側壁となる部分とが互いに対向するように、前記平板素材を折り曲げるU曲げ工程と;
を行うことを特徴とする請求項1~12の何れか一項に記載のリンク部品の製造方法。 - 前記芯金を前記リンク部品の一部とし、前記芯金の開口を前記連結穴とする
ことを特徴とする請求項1~13の何れか一項に記載のリンク部品の製造方法。 - 少なくとも一端部にそれぞれ下穴を有しかつ互いに対向配置された第1側壁及び第2側壁と、前記第1側壁の一方の側縁及び前記第2側壁の一方の側縁間を繋ぐ連結壁と、を有する一方向に沿って長い中間部品より、連結穴を有し前記一方向に沿った一方側に設けられた一端部と、前記一方向に沿った他方側に設けられた他端部とを備えたリンク部品を製造する装置であって、
前記下穴に入れる芯金と;
前記中間部品を受け入れてかつ、前記リンク部品の外形に合致する形状の第1凹面を有する第1金型と;
前記第1金型と共に前記中間部品を収容し、前記第1側壁の他方の側縁及び前記第2側壁の他方の側縁の双方に当接して互いに接近させる第2凹面を有する第2金型と;
前記第1金型及び前記第2金型間の相対位置を接近及び離間させる第1駆動機構と;
を備えることを特徴とするリンク部品の製造装置。 - 前記連結壁の外面に接する凸状の第1円弧面、前記第1側壁の外面に接する第1側面、前記第2側壁の外面に接する第2側面、を有する第3金型と;
前記連結壁の内面に接する凹状の第2円弧面、前記第1側壁の内面に接する第3側面、前記第2側壁の内面に接する第4側面、前記芯金の外周面に接する芯金抑え面、を有する第4金型と;
前記第3金型及び前記第4金型間の相対位置を接近及び離間させる第2駆動機構と;
をさらに備える
ことを特徴とする請求項15に記載のリンク部品の製造装置。 - 前記第1円弧面のうち、前記中間部品で前記リンク部品の前記一端部となる部分を受ける受圧部が、前記第1円弧面の延在方向を含む縦断面で見て直線状であり;
前記第2円弧面のうち、前記連結壁を介して前記受圧部に対向する第1加圧部が、前記縦断面で見て直線状である;
ことを特徴とする請求項16に記載のリンク部品の製造装置。 - 前記第2凹面のうち、前記中間部品で前記リンク部品の前記一端部となる部分を加圧する第2加圧部が、前記第2凹面の延在方向を含む縦断面で見て直線状である
ことを特徴とする請求項17に記載のリンク部品の製造装置。 - 前記第1側壁及び前記第2側壁間と、前記芯金の外周面及び前記連結壁の内面間とに入れる中子と;
前記中子を前記第1金型及び前記第2金型に対して挿抜する第3駆動機構と;
をさらに備える
ことを特徴とする請求項15~18の何れか一項に記載のリンク部品の製造装置。 - 前記中間部品の前記下穴に、バーリング縦壁を有するバーリング加工穴を形成するバーリング加工機をさらに備え;
前記芯金が、前記バーリング加工穴に入れられる;
ことを特徴とする請求項15に記載のリンク部品の製造装置。 - 前記連結壁の外面に接する凸状の第1円弧面、前記第1側壁の外面に接する第1側面、前記第2側壁の外面に接する第2側面、を有する第3金型と;
前記連結壁の内面に接する凹状の第2円弧面、前記第1側壁の内面に接する第3側面、前記第2側壁の内面に接する第4側面、前記バーリング縦壁を介して前記芯金の外周面に当たる芯金抑え面、を有する第4金型と;
前記第3金型及び前記第4金型間の相対位置を接近及び離間させる第2駆動機構と;
をさらに備える
ことを特徴とする請求項20に記載のリンク部品の製造装置。 - 前記第1円弧面のうち、前記中間部品で前記リンク部品の前記一端部となる部分を受ける受圧部が、前記第1円弧面の延在方向を含む縦断面で見て直線状であり;
前記第2円弧面のうち、前記連結壁を介して前記受圧部に対向する第1加圧部が、前記縦断面で見て直線状である;
ことを特徴とする請求項21に記載のリンク部品の製造装置。 - 前記第2凹面のうち、前記中間部品で前記リンク部品の前記一端部となる部分を加圧する第2加圧部が、前記第2凹面の延在方向を含む縦断面で見て直線状である
ことを特徴とする請求項22に記載のリンク部品の製造装置。 - 前記第1側壁及び前記第2側壁間と、前記バーリング縦壁の外周面及び前記連結壁の内面間とに入れる中子と;
前記中子を前記第1金型及び前記第2金型に対して挿抜する第3駆動機構と;
をさらに備える
ことを特徴とする請求項20~23の何れか一項に記載のリンク部品の製造装置。 - 前記連結壁の外面に接してかつ縦断面視で凸状をなす第3円弧面、前記第1側壁の外面に接する第5側面、前記第2側壁の外面に接する第6側面、前記第5側面及び前記第6側面を同軸に貫く一対の貫通穴、を有する第5金型と;
前記連結壁の内面に接してかつ縦断面視で凹状をなす第4円弧面、前記第1側壁の内面に接する第7側面、前記第2側壁の内面に接する第8側面、を有する第6金型と;
前記第5金型及び前記第6金型間の相対位置を接近及び離間させる第4駆動機構と;
前記芯金を前記一対の貫通穴に対して挿抜させる第5駆動機構と;
をさらに備える
ことを特徴とする請求項15に記載のリンク部品の製造装置。 - 前記芯金が、前記第5側面の前記貫通穴に挿抜される第1分割芯金と、前記第6側面の前記貫通穴に挿抜されてかつ前記第1分割芯金と同軸をなす第2分割芯金と、を有し;
前記第5駆動機構が、前記第1分割芯金を前記第5側面の前記貫通穴に挿抜させる第1駆動部と、前記第2分割芯金を前記第6側面の前記貫通穴に挿抜させる第2駆動部と、を有する;
ことを特徴とする請求項25に記載のリンク部品の製造装置。 - 前記第1側壁となる部分と、前記第2側壁となる部分と、前記連結壁となる部分と、を有する平板素材のうちの、前記連結壁となる部分に合致する凹溝を有する第7金型と;
前記平板素材を間に挟んで前記凹溝に挿抜される第8金型と;
前記第7金型及び前記第8金型間の相対位置を接近及び離間させる第3駆動機構と;
をさらに備える
ことを特徴とする請求項15~26の何れか一項に記載のリンク部品の製造装置。
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