以下、本開示のプログラム等について、自動運転が可能な自動車等の車両に搭載された車載システムに適用した実施形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
(実施形態1)
図1及び図2は、車載システムの構成例を示すブロック図である。本実施形態の車載システムは、目的地設定装置1、サーバ装置2、自動運転制御装置3、走行制御部4等を含み、目的地設定装置1、自動運転制御装置3及び走行制御部4は車両(移動体)に搭載されている。サーバ装置2は、複数台設けられてもよいし、1台の装置内に設けられた複数の仮想マシンによって実現されてもよい。目的地設定装置1及びサーバ装置2は、インターネット等のネットワークNに接続可能に構成されている。目的地設定装置1及び自動運転制御装置3は、有線通信又は無線通信を行うように構成されており、CAN(Controller Area Network)、Ethernet(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格の通信を行う。自動運転制御装置3及び走行制御部4は有線通信を行うように構成されており、例えばCANの通信規格の通信を行う。
走行制御部4は、ステアリングシステムを駆動するためのステアリング駆動部、ブレーキシステムを駆動するためのブレーキ駆動部、アクセルシステムを駆動するためのアクセル駆動部、ウインカの点滅及び消灯を制御するためのウインカ制御部等を含む。ステアリングシステムは車両を操舵するためのシステムであり、ステアリング駆動部による制御に従って車両の進行方向を変更する。ブレーキシステムは車両を減速させるためのシステムであり、ブレーキ駆動部による制御に従った速度まで車両を減速させる。アクセルシステムは車両を加速させるためのシステムであり、アクセル駆動部による制御に従った速度まで車両を加速させる。ウインカはウインカ制御部による制御に従って点滅又は消灯する。
走行制御部4には自動運転制御装置3から各種の制御信号が入力され、ステアリング駆動部、ブレーキ駆動部、アクセル駆動部及びウインカ制御部は、自動運転制御装置3からの制御信号に従って、ステアリングシステム、ブレーキシステム、アクセルシステム、ウインカの動作を制御する。これにより、走行制御部4は、自動運転制御装置3からの制御に従って、加速、減速、車線変更、追越、追従走行等の走行動作を車両に行わせることができる。
自動運転制御装置3は、制御部31、記憶部32、センサ部33、位置情報取得部34、入出力部35等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。制御部31はCPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro-Processing Unit)等のプロセッサを含む。制御部31は、記憶部32に記憶してある制御プログラムを適宜実行することにより、上述した各部の動作を制御すると共に、自動運転制御装置3に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。記憶部32は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含み、制御部31が実行する制御プログラム、及び制御プログラムの実行に必要な各種のデータを予め記憶している。また記憶部32は制御部31が制御プログラムを実行する際に発生するデータ等を一時的に記憶する。
センサ部33は、車両の状態を検知するための複数のセンサを含む。例えば、センサ部33は車両の走行状態を検知するための加速度センサ、ジャイロセンサ、車速センサ等を含む。またセンサ部33は自車両の周囲の状況を検知するための前方監視カメラ、後方監視カメラ、周辺監視カメラ、赤外線カメラ、超音波センサ、ミリ波レーダー、LiDAR(Light detection and ranging)等を含む。自車両の周囲の状況としては、例えば前方、後方又は周囲における他車両、障害物、二輪車、歩行者等の有無を検知する。更にセンサ部33は、路面の状態、車内の空調状態等を検知するためのセンサを含んでいてもよい。
位置情報取得部34は、車両の現在位置を検出し、現在位置を示す位置情報(例えば、経度及び緯度の座標値)を取得する。位置情報取得部34は、例えばGPS(Global Positioning System )衛星から送信される電波を、車両に設けられたGPSアンテナ(図示せず)を介して受信し、受信した電波に基づいて現在位置を検出する。なお、現在位置の検出方法は、GPS衛星からの電波に基づく方法に限らない。
入出力部35は、有線通信によって走行制御部4との間で信号の送受信を行う。例えば自動運転制御装置3は、入出力部35から走行制御部4のステアリング駆動部等へ制御信号を送信する。また入出力部35は、有線通信又は無線通信によって目的地設定装置1との間で信号の送受信を行う。例えば自動運転制御装置3は、目的地設定装置1から送信された信号を入出力部35にて受信する。
上述した構成の自動運転制御装置3において、制御部31は、センサ部33の各センサによる検知結果、走行制御部4の各システムの駆動状態等から車両の進行方向及び速度等を決定する。そして制御部31は、決定した進行方向及び速度等を実現するために走行制御部4の各システムを制御すべき制御値を特定し、特定した制御値を含む制御信号を走行制御部4の各駆動部へ送出する。走行制御部4の各駆動部は、自動運転制御装置3から取得した制御信号に従って各システムを駆動させ、その結果、車両が自動走行する。
目的地設定装置1は、制御部11、記憶部12、操作パネル13、通信部14、入出力部15等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。制御部11はCPU又はMPU等のプロセッサを含む。制御部11は、記憶部12に記憶してある制御プログラムを適宜実行することにより、目的地設定装置1に係る種々の情報処理、制御処理等を行い、本開示の情報処理装置としての動作を行う。記憶部12は、フラッシュメモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等を含む。記憶部12は、制御部11が実行する制御プログラム、及び制御プログラムの実行に必要な各種のデータを予め記憶している。また記憶部12は制御部11が制御プログラムを実行する際に発生するデータ等を一時的に記憶する。記憶部12に記憶される制御プログラムには、本開示のプログラムである目的地設定プログラム12aが含まれる。
操作パネル13は表示部13a及び入力部13bが一体として構成されたタッチパネルである。表示部13aは、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等を含み、制御部11からの指示に従って、ユーザに対して通知すべき情報、操作に必要な情報等を表示する。入力部13bは、ユーザによる操作入力を受け付け、操作内容に対応した制御信号を制御部11へ送出する。なお、操作パネル13を用いずに表示部13a及び入力部13bを各別に設けてもよい。
通信部14は、有線通信又は無線通信によってインターネット等のネットワークNに接続するためのインタフェースであり、ネットワークNを介して情報の送受信を行う。例えば目的地設定装置1は、通信部14を介してサーバ装置2との間で情報の送受信を行う。なお、目的地設定装置1は、ネットワークNを介して外部装置から目的地設定プログラム12aを取得して記憶部12に記憶してもよい。
入出力部15は、有線通信又は無線通信によって自動運転制御装置3との間で信号の送受信を行う。例えば目的地設定装置1は、入出力部15から自動運転制御装置3へ制御信号を送信する。
サーバ装置2は、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ等である。サーバ装置2は、制御部21、記憶部22、通信部23等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。制御部21はCPU又はMPU等のプロセッサを含む。制御部21は、記憶部22に記憶してある制御プログラムを適宜実行することにより、サーバ装置2に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。記憶部22は、フラッシュメモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等を含む。記憶部22は、制御部21が実行する制御プログラム、及び制御プログラムの実行に必要な各種のデータを予め記憶している。また記憶部22は制御部21が制御プログラムを実行する際に発生するデータ等を一時的に記憶する。記憶部22に記憶されるデータには、例えば日本の各地の地図を表示するための地図情報が記憶された地図データベース(以下、地図DBという)22aが含まれる。なお、地図DB22aには、少なくとも2種類の異なる縮尺の地図情報が登録されている。
通信部23は、有線通信又は無線通信によってネットワークNに接続するためのインタフェースであり、ネットワークNを介して情報の送受信を行う。例えば、サーバ装置2は、通信部23を介して目的地設定装置1との間で情報の送受信を行う。
サーバ装置2は、上述した構成のほかに表示部及び入力部等を備えていてもよい。
上述した構成の車載システムでは、車両のユーザは、目的地設定装置1を操作して目的地(行先)を入力し、目的地設定装置1は、入力された目的地を自動運転制御装置3(外部装置)に対して設定する。そして自動運転制御装置3は、設定された目的地への経路を特定し、特定した経路、センサ部33の各センサによる検知結果、走行制御部4の各システムの駆動状態等に基づいて、車両の進行方向及び速度等を決定する。更に自動運転制御装置3は、決定した進行方向及び速度等に基づいて走行制御部4の各システムを制御することにより、設定された目的地まで車両を自動走行させる。なお、車載システムにおいて、設定された目的地への経路はサーバ装置2で特定してもよい。この場合、例えば目的地設定装置1が、入力された目的地をサーバ装置2へ送信し、サーバ装置2で目的地への経路が特定された後、サーバ装置2から目的地設定装置1に目的地への経路が通知され、目的地設定装置1は、通知された経路を自動運転制御装置3に対して設定してもよい。
次に、目的地設定装置1が行う目的地設定処理をフローチャートに基づいて説明する。図3は、目的地設定装置1が行う処理の手順を示すフローチャートであり、図4乃至図6は、目的地設定装置1の画面例を示す模式図である。以下の処理は、目的地設定装置1の記憶部12に記憶してある目的地設定プログラム12aを含む制御プログラムに従って制御部11によって実行される。
車両にユーザが乗り込んだ場合、又は、車両に乗り込んだユーザが車両の走行開始を指示した場合、目的地設定装置1の制御部11は以下の処理を行う。具体的には、制御部11(第1表示制御部)は、通信部14を介してサーバ装置2に、小さい縮尺の地図情報を要求し、サーバ装置2から受信した地図情報に基づいて小さい縮尺の地図を操作パネル13(表示部13a)に表示する(S1)。ここでの小さい縮尺とは、例えばデフォルトの情報として予め記憶部12に記憶された縮尺であり、サーバ装置2の地図DB22aに記憶されている地図情報のうちの最大の縮尺以外の縮尺であればどのような縮尺でもよい。よって、制御部11は、記憶部12に記憶されている縮尺の地図情報をサーバ装置2から取得する。これにより、制御部11は、地図DB22aに記憶されている地図情報のうちの最大縮尺の地図情報以外のいずれかの地図情報をサーバ装置2から取得して表示部13aに表示する。
なお、目的地設定装置1がサーバ装置2から取得する地図情報の範囲(例えば関東地方、近畿地方等)は、例えば予め記憶部12に記憶された範囲であってもよいし、サーバ装置2で予め設定された範囲であってもよい。また、例えば自動運転制御装置3の位置情報取得部34が取得した車両の現在位置を中心として現在位置から所定距離の範囲であってもよい。なお、ステップS1で表示される地図の縮尺は、車両のユーザによって予め設定されていてもよいし、ユーザの車両の使用履歴に基づく縮尺としてもよい。例えば、車両で遠い場所に行く頻度が高い場合、広い範囲を表示する地図を表示すべく小さい縮尺としてもよいし、同じ場所に行く頻度が高い場合、現在位置とその場所とを含む範囲を表示する地図を表示できる縮尺としてもよい。
図4は、ステップS1で表示される地図の表示画面例を示す。図4に示す画面では、表示中の地図を用いて目的地の方向(方面)を設定する旨のメッセージが表示されている。また図4に示す画面では、詳細な(具体的な)目的地は車両の走行後に設定する旨のメッセージが表示されており、ユーザに対して、この画面では目的地を設定するのではなく目的地の方向(方面)を設定することを通知する。更に図4に示す画面では、例えば自動運転制御装置3の位置情報取得部34が取得した車両の現在位置を示すアイコンHが地図上に表示されている。
図4に示す画面において、ユーザは、表示された地図上で、行きたい場所の近傍をタッチ操作することにより、目的地の方向(方面)を指定する。例えばユーザは、栃木県内の観光地に行きたい場合、地図上の栃木県内の任意の位置をタッチ操作する。なお、図4に示す画面には、広域ボタン及び詳細ボタンが設けられており、表示中の地図では目的地近辺を指定しにくい場合に、ユーザが広域ボタン又は詳細ボタンを操作することによって、表示される地図の縮尺を切り替えることができる。図4に示す画面において広域ボタンが操作された場合、制御部11は、表示中の地図よりも小さい縮尺の地図情報をサーバ装置2から取得し、より小さい縮尺の地図に表示を切り替える。また、詳細ボタンが操作された場合、制御部11は、表示中の地図よりも大きい縮尺の地図情報をサーバ装置2から取得し、より大きい縮尺の地図に表示を切り替える。なお、目的地設定装置1が操作パネル13に表示する画面には、ユーザが地図上の任意の位置をタッチ操作することによって指定した目的地を最終目的地に決定するための決定ボタンが表示される。しかし、図4に示す画面は、目的地の方向(方面)を指定するための画面であり、ここでは決定ボタンは操作できない状態で表示されている。
制御部11は、図4に示す画面中の地図上の任意の位置に対してユーザによるタッチ操作が行われたか否かを判断しており(S2)、タッチ操作されていないと判断した場合(S2:NO)、タッチ操作されるまで待機する。ユーザによるタッチ操作が行われたと判断した場合(S2:YES)、制御部11(受付部)は、タッチ操作された地図上の任意の位置を受け付け、受け付けたタッチ操作された位置(タッチ位置)に基づいて仮目的地を決定する(S3)。それぞれの地図情報には、地図上のランドマーク、都道府県庁、市町村役場、駅、公園、学校、ビル等の目印となる建物の位置情報が、縮尺に応じた数ずつ含まれている。よって、制御部11は、地図上のタッチ位置に最も近い目印の建物を特定し、特定した目印の建物を仮の目的地(以下では、仮目的地という)に決定する。
そして制御部11は、決定した仮目的地を、自動運転制御装置3に対して車両の仮目的地に設定する(S4)。自動運転制御装置3は、目的地設定装置1によって設定された仮目的地への経路を特定し、特定した経路、センサ部33による検知結果、走行制御部4の各システムの駆動状態等に基づいて、車両の進行方向及び速度等を決定する。そして自動運転制御装置3は、決定した進行方向及び速度等に基づいて走行制御部4の各システムを制御することにより、仮目的地に向かう走行を車両に開始させる。なお、制御部11は、設定した仮目的地をユーザに通知するメッセージを、表示中の地図上に表示してもよく、目的地設定装置1が音声出力機能を有する場合、音声出力により仮目的地をユーザに通知してもよい。これにより、ユーザは、車両がどこに向かって走行を開始したのかを把握できる。
次に制御部11は、車両が走行(移動)を開始したか否かを判断する(S5)。例えば制御部11は、自動運転制御装置3の位置情報取得部34が取得する位置情報が変化したか否かを判断し、位置情報が変化した場合、車両が走行を開始したと判断する。なお、制御部11は、自動運転制御装置3のセンサ部33のいずれかのセンサによる検知結果に基づいて、車両が走行を開始したか否かを判断してもよい。また、目的地設定装置1が、車両の現在位置を検出して現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部を有する場合、制御部11は、目的地設定装置1の位置情報取得部で取得する位置情報が変化するか否かに基づいて、車両が走行を開始したか否かを判断してもよい。
車両が走行を開始していないと判断した場合(S5:NO)、制御部11は、車両が走行を開始するまで待機する。車両が走行を開始したと判断した場合(S5:YES)、制御部11(第2表示制御部)は、ステップS3で決定した仮目的地を含み、ステップS1で表示した地図よりも大きい縮尺の地図情報をサーバ装置2に要求し、サーバ装置2から受信した地図情報に基づいて、大きい縮尺の地図を操作パネル13(表示部13a)に表示する(S6)。なお、大きい縮尺とは、地図DB22aに記憶されている地図情報のうちで、ステップS1で表示した地図情報よりも大きい縮尺であれば、1段階大きい縮尺でも2段階大きい縮尺でも最大の縮尺でもよい。
制御部11は、ステップS6で表示した画面中の地図上の任意の位置に対してユーザによるタッチ操作が行われたか否かを判断しており(S7)、タッチ操作されていないと判断した場合(S7:NO)、タッチ操作されるまで待機する。ユーザによるタッチ操作が行われたと判断した場合(S7:YES)、制御部11は、タッチ位置に基づいて仮目的地を決定する(S8)。ここでも、制御部11は、地図上のタッチ位置に最も近い目印の建物を特定し、特定した目印の建物を仮目的地に決定する。そして制御部11は、決定した仮目的地を、自動運転制御装置3に対して車両の仮目的地に再設定する(S9)。自動運転制御装置3は、再設定された仮目的地への経路を特定し、特定した経路、センサ部33による検知結果、走行制御部4の各システムの駆動状態等に基づいて、車両の進行方向及び速度等を決定する。そして自動運転制御装置3は、決定した進行方向及び速度等に基づいて走行制御部4の各システムを制御することにより、再設定された仮目的地に向かう走行を車両に開始させる。
図4に示すように縮尺が小さい地図上ではタッチ操作にて最終目的地を指定することはできない。従って、図4に示す画面では決定ボタンが操作できない状態で表示されている。図5は、例えば地図DB22aに記憶されている地図情報のうちで最大縮尺の地図情報に基づく地図の表示例を示し、図5に示す画面は、図4に示す画面と同様の構成を有する。図5に示すように縮尺が大きい地図上ではタッチ操作にて最終目的地(具体的には、最終目的地とすべき建物等)を指定することができるので、図5に示す画面では決定ボタンが操作できる状態で表示されている。図5に示す画面において、例えばユーザはBBタワーに行きたい場合、地図中のBBタワーをタッチ操作する。図5に示す画面の地図中のBBタワーがタッチ操作された場合、制御部11は、BBタワーを仮目的地に決定して自動運転制御装置3に対して仮目的地の再設定を行う。このとき、制御部11は、図6に示すように、ユーザのタッチ操作によって設定された仮目的地がBBタワーであることをユーザに通知するメッセージを地図上に表示する。ユーザは、メッセージを確認し、設定された仮目的地が所望の目的地であれば、画面中の決定ボタンを操作する。なお、画面中の決定ボタンが操作可能に表示される地図は、図5に示すような最大縮尺の地図である必要はなく、地図上の任意の位置をタッチ操作することによって詳細な目的地(目的地に設定される建物等)を指定することができる程度の縮尺の地図であればよい。
制御部11は、操作パネル13(入力部13b)からの制御信号に基づいて、表示画面中の決定ボタンが操作されたか否かを判断する(S10)。決定ボタンが操作されていないと判断した場合(S10:NO)、制御部11は、ステップS6の処理に戻り、表示中の地図よりも大きい縮尺の地図情報をサーバ装置2から受信し、より大きい縮尺の地図を操作パネル13に表示する(S6)。制御部11は、表示画面中の決定ボタンが操作されるまで、ステップS6~S9の処理を繰り返す。これにより、制御部11は、決定ボタンが操作されるまでの間、表示された地図から仮目的地が指定される都度、操作パネル13に表示する地図を、指定された仮目的地を含み、表示中の地図よりも縮尺が大きい地図に切り替える処理を繰り返す。なお、決定ボタンが操作できない状態で表示されている画面が表示されている間は、制御部11は、決定ボタンが操作されていないと判断する。
決定ボタンが操作されたと判断した場合(S10:YES)、制御部11は、直前のステップS9で設定した仮目的地を最終目的地(目的地)に設定する(S11)。これにより、制御部11は目的地を受け付ける目的地受付部として機能し、受け付けた目的地を自動運転制御装置3に設定する。例えば制御部11は、ステップS9で設定した仮目的地を、自動運転制御装置3に対して車両の最終目的地に設定してもよい。なお、自動運転制御装置3は、ステップS9で制御部11によって設定された仮目的地に基づく走行制御部4の各システムに対する制御を開始しているので、ここでは何も行わなくてもよい。自動運転制御装置3に対する最終目的地の設定を行った場合、制御部11は、目的地の設定(入力)処理を終了する。
上述した処理により、ユーザは乗車した際に、表示された地図中の任意の位置をタッチ操作することにより仮目的地を指定でき、自動運転制御装置3は走行制御部4を制御して、指定された仮目的地への車両の走行を開始する。よって、ユーザが仮目的地(目的地の方向)を指定した時点で車両の走行が開始されるので、ユーザが乗車してから車両が走行を開始するまでの時間を短縮できる。このとき、図4に示すように小さい縮尺で広い範囲の地図を表示することにより、ユーザが仮目的地に指定する場所の選択肢が広がり、最初に表示された画面で仮目的地の設定が完了する可能性が高くなる。よって、ユーザが乗車してから車両が走行を開始するまでの時間をより短縮できる。また車両が走行を開始してから、表示される地図の縮尺を徐々に大きくすることにより、逐次表示が切り替えられる地図上の任意の位置をタッチ操作することによって最終目的地を設定できるので、目的地の設定が容易である。
本実施形態において、操作パネル13に表示された地図上の任意の位置をユーザがタッチ操作することにより目的地(仮目的地)の指定を受け付ける構成のほかに、目的地設定装置1が音声入力機能を有する場合、音声入力によって目的地の指定を受け付ける構成でもよい。また、目的地設定装置1は、操作パネル13(入力部13b)を介したユーザによる目的地の名称等の文字入力、予め記憶部12に記憶されている登録地に対するユーザの選択によって目的地の指定を受け付けてもよい。よって、ユーザは、例えば図4に示す地図上の栃木県内の任意の位置をタッチ操作する代わりに、「栃木県の方」と音声入力又は文字入力することによって、目的地又は目的地の方向を指定できる。
(実施形態2)
実施形態2の車載システムについて説明する。本実施形態の車載システムは、上述した実施形態1の車載システムと同様の構成を有し、同様の処理を行う。よって、本実施形態の車載システムでは、実施形態1と同様の効果が得られる。なお、上述の実施形態1と同一の構成及び処理については同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態の目的地設定装置1は、実施形態1と同様の処理だけでなく、更に以下の処理を行う。
以下に、本実施形態の目的地設定装置1が行う処理についてフローチャートに基づいて説明する。図7は、実施形態2の目的地設定装置1が行う処理の手順を示すフローチャートであり、図8及び図9は、実施形態2の目的地設定装置1の画面例を示す模式図である。なお、図7は図3に示す処理にステップS21~S27の処理を追加したものであり、図7では図3中のステップS4~S11の図示を省略する。
本実施形態においても、例えば車両にユーザが乗り込んだ場合、目的地設定装置1の制御部11は、通信部14を介してサーバ装置2から、小さい縮尺の地図情報を受信し、受信した地図情報に基づいて小さい縮尺の地図を操作パネル13に表示する(S1)。図8は、実施形態2においてステップS1で表示される地図の表示画面例を示す。図8に示す画面は、図4に示す画面と同様の構成を有し、近辺地図ボタン及び広域地図ボタンを更に有する。なお、図8に示す画面は、小さい縮尺で広い範囲の地図(広域地図)を表示しており、広域地図ボタンが操作された状態の画面である。
制御部11は、図8に示す画面中の地図上の任意の位置に対してユーザによるタッチ操作が行われたか否かを判断しており(S2)、タッチ操作されたと判断した場合(S2:YES)、図3中のステップS3以降の処理を行う。即ち、制御部11は、図3中のステップS3~S11の処理に基づく機能(具体的には、表示される地図の縮尺を徐々に大きく変更する機能)を実行する。任意の位置に対してタッチ操作されていないと判断した場合(S2:NO)、制御部11は、図8に示す画面中の近辺地図ボタンが操作されたか否かを判断する(S21)。なお、目的地が現在位置の近辺の場所である場合、ユーザは、地図上の任意の位置をタッチ操作せずに、近辺地図ボタンを操作する。近辺地図ボタンが操作されていないと判断した場合(S21:NO)、制御部11は、ステップS2の処理に戻る。
近辺地図ボタンが操作されたと判断した場合(S21:YES)、制御部11は、図3中のステップS3~S11の処理に基づく機能(即ち、表示される地図の縮尺を徐々に大きく変更する機能)をオフする。そして制御部11は、現在位置を含む最大縮尺の地図情報をサーバ装置2から受信し、受信した地図情報に基づいて、図9に示すように最大縮尺の地図を操作パネル13に表示する(S22)。なお、ここで表示される地図は最大縮尺の地図に限らず、地図DB22aに記憶されている地図情報のうちで、2番目に大きい縮尺の地図でも3番目に大きい縮尺の地図でもよい。図9に示す画面は、図5に示す画面と同様の構成を有し、近辺地図ボタン及び広域地図ボタンを更に有する。また図9に示す地図には、車両の現在位置を示すアイコンHが表示される。
制御部11は、ステップS22で表示した地図上の任意の位置に対してユーザによるタッチ操作が行われたか否かを判断する(S23)。タッチ操作が行われたと判断した場合(S23:YES)、制御部11は、タッチ位置に基づいて仮目的地を決定し、決定した仮目的地を、自動運転制御装置3に対して車両の仮目的地に設定する(S24)。これにより、自動運転制御装置3は、設定された仮目的地に向かう走行を車両に開始させる。
次に制御部11は、操作パネル13からの制御信号に基づいて、ステップS22で表示した画面中の決定ボタンが操作されたか否かを判断する(S25)。決定ボタンが操作されたと判断した場合(S25:YES)、制御部11は、ステップS24で設定した仮目的地を最終目的地(目的地)に設定し(S26)、目的地の設定(入力)処理を終了する。なお、決定ボタンが操作されていないと判断した場合(S25:NO)、制御部11は、ステップS23の処理に戻る。ステップS23でタッチ操作が行われていないと判断した場合(S23:NO)、制御部11は、図9に示す画面中の広域地図ボタンが操作されたか否かを判断する(S27)。制御部11は、広域地図ボタンが操作されていないと判断した場合(S27:NO)、ステップS23の処理に戻り、広域地図ボタンが操作されたと判断した場合(S27:YES)、ステップS1の処理に戻る。その後、ステップS1で表示した地図上の任意の位置に対してユーザによるタッチ操作が行われた場合(S2:YES)、制御部11は、図3中のステップS3~S11の処理に基づく機能(即ち、表示される地図の縮尺を徐々に大きく変更する機能)を実行する。
上述した処理により、ユーザが近辺地図ボタン又は広域地図ボタンを操作することにより、図8に示すような小さい縮尺の地図の表示と、図9に示すような大きい縮尺の地図の表示とを適宜切り替えることができる。よって、目的地が現在位置の近辺である場合に、ユーザは近辺地図ボタンを操作し、現在位置の近辺の地図を表示させることにより、地図上の任意の目的地を短時間で容易に指定できる。このように、ユーザが近辺地図ボタンを操作するか否かに応じて、目的地の設定処理を切り替えることができる。
(実施形態3)
実施形態3の車載システムについて説明する。本実施形態の車載システムは、上述した実施形態1の車載システムと同様の構成を有し、同様の処理を行う。よって、本実施形態の車載システムでは、実施形態1と同様の効果が得られる。なお、上述の実施形態1と同一の構成及び処理については同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態の目的地設定装置1は、実施形態1と同様の処理だけでなく、更に以下の処理を行う。
以下に、本実施形態の目的地設定装置1が行う処理についてフローチャートに基づいて説明する。図10は、実施形態3の目的地設定装置1が行う処理の手順を示すフローチャートである。なお、図10は、図3中のステップS3,S4の処理の間にステップS31~S37の処理を追加したものであり、図10では図3中のステップS5~S11の図示を省略する。
本実施形態の目的地設定装置1の制御部11は、図3中のステップS1~S3と同様の処理を行う。そして制御部11は、ステップS3で決定した仮目的地と現在位置との距離を計測する(S31)。なお、制御部11は、例えば自動運転制御装置3の位置情報取得部34から現在位置を取得し、取得した現在位置の緯度及び経度と、決定した仮目的地の緯度及び経度とに基づいて、両地点間の距離を算出する。制御部11は、算出した距離が所定距離未満であるか否かを判断し(S32)、所定距離以上であると判断した場合(S32:NO)、図3中のステップS4以降の処理を行う。即ち、図3中のステップS4~S11の処理に基づく機能(具体的には、表示される地図の縮尺を徐々に大きく変更する機能)を実行する。なお、制御部11は、表示中の地図上において現在位置とタッチ位置(仮目的地)との長さを算出し、算出した長さが所定の長さ未満であるか否かを判断してもよい。
仮目的地と現在位置との距離が所定距離未満であると判断した場合(S32:YES)、制御部11は、図3中のステップS4~S11の処理に基づく機能をオフする。そして制御部11は、現在位置を含む最大縮尺の地図情報をサーバ装置2から受信し、受信した地図情報に基づいて、図5に示すような最大縮尺の地図を操作パネル13に表示する(S33)。なお、ここで表示される地図には、図9に示す地図のように、車両の現在位置を示すアイコンHが含まれる。また、ここで表示される地図は最大縮尺の地図に限らず、地図DB22aに記憶されている地図情報のうちで、2番目に大きい縮尺の地図でも3番目に大きい縮尺の地図でもよい。
制御部11は、ステップS33で表示した地図上の任意の位置に対してユーザによるタッチ操作が行われたか否かを判断する(S34)。タッチ操作が行われていないと判断した場合(S34:NO)、制御部10はタッチ操作されるまで待機する。タッチ操作が行われたと判断した場合(S34:YES)、制御部11は、タッチ位置に基づいて仮目的地を決定し、決定した仮目的地を、自動運転制御装置3に対して車両の仮目的地に設定する(S35)。これにより、自動運転制御装置3は、設定された仮目的地に向かう走行を車両に開始させる。次に制御部11は、ステップS33で表示した画面中の決定ボタンが操作されたか否かを判断する(S36)。決定ボタンが操作されたと判断した場合(S36:YES)、制御部11は、ステップS35で設定した仮目的地を最終目的地(目的地)に設定し(S37)、目的地の設定処理を終了する。なお、決定ボタンが操作されていないと判断した場合(S36:NO)、制御部11はステップS34の処理に戻る。
上述した処理により、図4に示すような小さい縮尺の地図上でタッチ操作によって指定された仮目的地が現在位置から近い(所定距離未満である)場合には、図5に示すような大きい縮尺の地図の表示に切り替える。これにより、目的地が現在位置から近い場合には、早期に大きい縮尺の地図が表示されるので、地図上でのユーザによる目的地の指定を短時間で容易に行うことが可能となる。このように、指定された仮目的地が現在位置から近いか否かに応じて、目的地の設定処理を切り替えることができる。本実施形態の構成は、上述した実施形態2にも適用でき、実施形態2に適用した場合にも同様の効果が得られる。実施形態2に適用した場合、ユーザが表示画面中の近辺地図ボタンを操作した場合だけでなく、小さい縮尺の地図上で指定された目的地が現在位置から近い場合にも、大きい縮尺の地図の表示に切り替えられる。
(実施形態4)
実施形態4の車載システムについて説明する。本実施形態の車載システムは、上述した実施形態1の車載システムと同様の構成を有し、同様の処理を行う。よって、本実施形態の車載システムでは、実施形態1と同様の効果が得られる。なお、上述の実施形態1と同一の構成及び処理については同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態の目的地設定装置1は、実施形態1と同様の処理だけでなく、更に以下の処理を行う。
以下に、本実施形態の目的地設定装置1が行う処理についてフローチャートに基づいて説明する。図11は、実施形態4の目的地設定装置1が行う処理の手順を示すフローチャートであり、図12は、実施形態4の目的地設定装置1の画面例を示す模式図である。なお、図11は、図3中のステップS9,S10の処理の間にステップS41~S44の処理を追加したものであり、図11では図3中のステップS1~S5の図示を省略する。
本実施形態の目的地設定装置1の制御部11は、図3中のステップS1~S9と同様の処理を行う。そして制御部11は、ステップS8で決定した仮目的地に対して停車位置情報があるか否かを判断する(S41)。停車位置情報は、地図情報に含まれる目印の建物について各建物における駐停車場所の位置情報であり、例えば各建物の正面入口、従業員入口、地下駐車場の入口、近隣駐車場等の位置情報を含む。停車位置情報は、目印の建物の位置情報と共に、例えば最大縮尺の地図情報に含まれている。よって、制御部11は、表示中の地図情報に、ステップS8で仮目的地に決定した目印の建物における停車位置情報が含まれているか否かを判断する。なお、停車位置情報は、最大縮尺の地図情報だけでなく、地図DB22aに記憶されている地図情報のうちで、2番目に大きい縮尺の地図情報や3番目に大きい縮尺の地図情報等に含まれていてもよい。
停車位置情報がないと判断した場合(S41:NO)、制御部11は図3中のステップS10以降の処理を行う。停車位置情報があると判断した場合(S41:YES)、制御部11は、地図情報から、ステップS8で仮目的地に決定された建物における停車位置情報を読み出す。そして制御部11は、読み出した停車位置情報に基づいて仮目的地における停車位置を、図12に示すように表示中の地図上に表示する(S42)。図12に示す画面では、仮目的地としてBBタワーが設定されており、BBタワーにおける駐停車場所として、正面入口、従業員入口、地下駐車場、近隣駐車場の選択が可能となっている。ユーザは、仮目的地に設定された建物が所望の行先である場合、表示された停車位置のいずれかをタッチ操作することにより、いずれかの停車位置を最終目的地に指定する。なお、仮目的地に設定された建物が所望の行先でない場合、ユーザは、表示中の地図上の異なる位置をタッチ操作することにより、所望の行先を新たに指定する。
制御部11は、図12に示すように停車位置が表示された画面において、いずれかの停車位置が指定(選択)されたか否かを判断しており(S43)、指定されていないと判断した場合(S43:NO)、指定されるまで待機する。いずれかの停車位置が指定されたと判断した場合(S43:YES)、制御部11は、指定された停車位置を最終目的地に設定する(S44)。自動運転制御装置3は、目的地設定装置1によって設定された最終目的地への経路を特定し、特定した経路等に基づいて走行制御部4の各システムを制御し、車両を最終目的地に向けて走行させる。
上述した処理により、ユーザが地図上の任意の位置をタッチ操作することによって設定された仮目的地において、仮目的地である建物の周囲のどの場所を最終目的地とすべきかをユーザに提案できる。よって、ユーザは、提案されたいずれかの場所を選択することによって最終目的地とすべき場所を指定できる。車両はユーザが指定した最終目的地まで自動走行を行うので、例えば目的地近辺に到着した際に、ユーザが、どの場所に車両を停車させるべきか等を考慮及び指定する必要がない。よって、最終目的地までの自動走行が完了した際にスムーズな降車が可能となる。
本実施形態において、選択可能に表示される駐停車場所は、ユーザの過去の走行履歴から抽出してもよい。例えば、過去にユーザが同じ場所(建物)に来ていた場合、その時の走行終了場所を走行履歴から抽出し、抽出した場所を駐停車場所の1つとして表示してもよい。
本実施形態の構成は、上述した実施形態2,3にも適用でき、実施形態2,3に適用した場合にも同様の効果が得られる。
(実施形態5)
実施形態5の車載システムについて説明する。本実施形態の車載システムは、上述した実施形態1の車載システムと同様の構成を有し、同様の処理を行う。よって、本実施形態の車載システムでは、実施形態1と同様の効果が得られる。なお、上述の実施形態1と同一の構成及び処理については同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態の目的地設定装置1は、実施形態1と同様の処理だけでなく、更に以下の処理を行う。
以下に、本実施形態の目的地設定装置1が行う処理についてフローチャートに基づいて説明する。図13は、実施形態5の目的地設定装置1が行う処理の手順を示すフローチャートであり、図14は、実施形態5の目的地設定装置1の画面例を示す模式図である。なお、図13は、図3中のステップS1の処理の前にステップS51~S60の処理を追加したものであり、図13では図3中のステップS2~S11の図示を省略する。
本実施形態では、例えば車両にユーザが乗り込んだ場合、目的地設定装置1の制御部11は、例えば自動運転制御装置3のセンサ部33の各センサからの検知信号に基づいて、自車両の周囲に他車両が存在するか否かを判断する(S51)。なお、車両に、周囲の他車両と無線通信を行って現在位置及び走行速度等の車両の情報を送受信する車車間通信機能が搭載されている場合、制御部11は、車車間通信にて他車両から受信した情報に基づいて、自車両の周囲に他車両が存在するか否かを判断してもよい。
他車両が存在すると判断した場合(S51:YES)、制御部11は、図3中のステップS1以降の処理を行う。即ち、制御部11は、図3中のステップS1~S11の処理に基づく機能(具体的には、表示される地図の縮尺を徐々に大きく変更する機能)を実行する。他車両が存在しないと判断した場合(S51:NO)、制御部11は、図3中のステップS1~S11の処理に基づく機能をオフする。この場合、制御部11は、ステップS1と同様の小さい縮尺の地図情報を、通信部14を介してサーバ装置2から受信し、受信した地図情報に基づいて、図14に示すように小さい縮尺の地図を操作パネル13に表示する(S52)。
図14に示す画面は、図4に示す画面と同様の縮尺の地図を表示するが、目的地の方向を指定するための画面ではなく、詳細な(具体的な)目的地を指定するための画面である。よって、図14に示す画面では、決定ボタンが操作できる状態で表示されている。制御部11は、図14に示す画面中の詳細ボタンがユーザによって操作されたか否かを判断する(S53)。詳細ボタンが操作されたと判断した場合(S53:YES)、制御部11は、現在位置を含み、表示中の地図よりも大きい縮尺の地図情報をサーバ装置2から受信し、受信した地図情報に基づいて大きい縮尺の地図を表示する(S54)。詳細ボタンが操作されていないと判断した場合(S53:NO)、制御部11は、図14に示す画面中の広域ボタンがユーザによって操作されたか否かを判断する(S55)。広域ボタンが操作されたと判断した場合(S55:YES)、制御部11は、現在位置を含み、表示中の地図よりも小さい縮尺の地図情報をサーバ装置2から受信し、受信した地図情報に基づいて小さい縮尺の地図を表示する(S56)。広域ボタンが操作されていないと判断した場合(S55:NO)、制御部11は、ステップS57に処理を移行する。なお、表示中の地図が最大縮尺の地図である場合に詳細ボタンが操作された場合、又は、表示中の地図が最小縮尺の地図である場合に広域ボタンが操作された場合は、制御部11は何も行わない。
制御部11は、表示中の地図上の任意の位置に対してユーザによるタッチ操作が行われたか否かを判断しており(S57)、タッチ操作されていないと判断した場合(S57:NO)、ステップS53の処理に戻る。ユーザによるタッチ操作が行われたと判断した場合(S57:YES)、制御部11は、タッチ位置に基づいて目的地を決定する(S58)。ここでも、制御部11は、地図上のタッチ位置に最も近い目印の建物を地図情報から特定し、特定した目印の建物を目的地に決定する。なお、制御部11は、例えば図6に示すように、決定した目的地(目的地に決定した建物)を地図上に表示することにより、ユーザに通知する。
そして制御部11は、表示画面中の決定ボタンが操作されたか否かを判断し(S59)、決定ボタンが操作されないと判断した場合(S59:NO)、ステップS53の処理に戻る。決定ボタンが操作されたと判断した場合(S59:YES)、制御部11は、決定した目的地を、自動運転制御装置3に対して車両の最終目的地(目的地)に設定する(S60)。自動運転制御装置3は、設定された最終目的地への経路を特定し、特定した経路、センサ部33による検知結果、走行制御部4の各システムの駆動状態等に基づいて、車両の進行方向及び速度等を決定する。そして自動運転制御装置3は、決定した進行方向及び速度等に基づいて走行制御部4の各システムを制御することにより、設定された最終目的地に向かう走行を車両に開始させる。
上述した処理により、本実施形態では、ユーザが乗車した際に自車両の周囲に他車両が存在しない場合には、ユーザが乗車した時点で詳細な(具体的な)目的地の設定が行われる。よって、周囲に他車両が存在しない場合には、車両を急いで走行させる必要性が低いので、ユーザが最終目的地の設定まで行った後に車両の走行を開始させる。この場合、ユーザは目的地の設定に時間をかけることができるので、正確な目的地の設定が可能となる。このように、車両が走行を開始する際に周囲に他車両が存在するか否かに応じて、目的地の設定処理を切り替えることができる。
(実施形態6)
実施形態6の車載システムについて説明する。本実施形態の車載システムは、上述した実施形態5の車載システムの変形例である。よって、上述の実施形態5と同一の構成及び処理については同一の符号を付して説明を省略する。
以下に、本実施形態の目的地設定装置1が行う処理についてフローチャートに基づいて説明する。図15は、実施形態6の目的地設定装置1が行う処理の手順を示すフローチャートである。なお、図15は、図13中のステップS51の処理の前にステップS61の処理を追加したものであり、図15では図3中のステップS2~S11の処理及び図13中のステップS53~S60の処理の図示を省略する。
本実施形態では、車両にユーザが乗り込んだ場合、目的地設定装置1の制御部11は、車両の現在位置が駐車禁止エリア内であるか否かを判断する(S61)。目的地設定装置1がサーバ装置2から受信する地図情報には、地図上の道路及び交差点の情報と共に、駐車禁止エリア及び駐停車禁止エリアの情報が含まれている。よって制御部11は、自動運転制御装置3の位置情報取得部34が取得する現在位置と、サーバ装置2から取得した地図情報に含まれる駐車禁止エリアの情報とに基づいて、現在位置が駐車禁止エリア内であるか否かを判断できる。現在位置が駐車禁止エリア内であると判断した場合(S61:YES)、制御部11は、図3中のステップS1以降の処理を行う。即ち、制御部11は、図3中のステップS1~S11の処理に基づく機能を実行する。現在位置が駐車禁止エリア内ではないと判断した場合(S61:NO)、制御部11は、図13中のステップS51以降の処理を行う。
上述した処理により、本実施形態では、ユーザが乗車した際に車両の現在位置が駐車禁止エリア内であれば、表示された小さい縮尺の地図を介して仮目的地を受け付け、受け付けた仮目的地への走行を開始することにより、車両の走行を早期に開始できる。また、ユーザが乗車した際に車両の現在位置が駐車禁止エリア内ではなく、且つ、自車両の周囲に他車両が存在しない場合には、ユーザが乗車した時点で詳細な(具体的な)目的地の設定が行われる。よって、車両が駐車禁止エリアに停車中ではなく、且つ、周囲に他車両が存在しない場合には、車両を急いで走行させる必要性が低いので、ユーザが最終目的地の設定まで行った後に車両の走行を開始させる。このように、車両が走行を開始する際の場所(現在位置)が駐車禁止エリア内であるか否かに応じて、目的地の設定処理を切り替えることができる。
上述した各実施形態において、仮目的地又は最終目的地までの経路を決定する際に必要となる各種の条件も、ユーザが乗車して車両が自動走行を開始した後に設定するように構成してもよい。例えば、制御部11は、車両が自動走行を開始した後に、高速道路の使用の許否、経由地の指定等を設定するための画面を操作パネル13に表示し、操作パネル13を介して各種の条件を受け付けるようにしてもよい。この場合、車両が走行を開始した後に、受け付けた各種の条件に応じた経路を改めて特定し、特定した経路に沿った走行を実現するように車両(走行制御部4)を制御すればよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。