JP7019733B2 - 不焼成れんが - Google Patents

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Description

本発明は、高炉、転炉、電気炉、真空脱ガス炉、溶鋼鍋あるいはAOD等の溶融金属容器、特に転炉や電気炉の内張りに好適に使用されるマグネシアカーボンれんが、アルミナカーボンれんが、スピネルカーボンれんが等の不焼成れんがに関する。
マグネシアカーボンれんが等の不焼成れんがは、鱗状黒鉛等の炭素質原料を含有しフェノール樹脂等の有機バインダーで結合されている。これらのれんがを溶融金属容器にライニングする際にモルタルを使用すると、モルタルが焼結するまでは通気率が高いため、空気によってれんが中の有機結合ボンドや炭素質原料が酸化されることがある。そのため、目地にはモルタルが使用されない場合が多い。
従来、モルタルを使用しないれんがの施工方法としては、れんが数個置きに膨張代としてのボール紙を挟んで、他のれんがは空目地とする方法が一般的であった。しかしながら、この方法では築炉作業時に決められた位置にボール紙を挟まなければならず、作業が煩雑になる問題がある。
この煩雑な作業の改善策として、例えば特許文献1には、れんがの表面に熱膨張吸収材として、セラミックスシート、セラミックファイバー、ボール紙、一般の紙類等をそれぞれ単独、混合、あるいは層状に重ねて使用し、これらを接着剤等を用いて貼り付けることが記載されている。そして、内張り煉瓦の表面に樹脂コーティング材を塗布しただけの場合のように熱膨張吸収部の厚さが不均一になることがなく、薄く均等に分散して設けることができると記載されている。
しかしながら、転炉内でマグネシアカーボンれんがのライニング作業を行う場合、特許文献1のように熱膨張吸収材を貼り付けたれんがは、作業性が悪くて使用できない問題がある。すなわち、転炉用のれんがは大きくて一人で持ち運び難いため、特に築炉時には必ずれんがどうしをすり合わせてれんがの位置決めを行う。このとき、れんが表面の熱膨張吸収材にせん断力や摩擦力が発生し熱膨張吸収材が破れたりあるいは剥がれてしまい、熱膨張吸収材の厚みにバラツキが発生する問題がある。さらに、れんがを搬送する際にはローラーコンベア等を使用することがあるが、同様にれんが表面の熱膨張吸収材が破れたり剥がれてしまうことが考えられる。さらに、れんがを持ち上げるときにはバランサーやロボットハンドに取り付けた真空吸着式の吸着パッドを使用する場合があるが、特許文献1の熱膨張吸収材は緻密性や平滑性に乏しく真空吸着できないため、真空吸着式の吸着パッドが使用できない問題もある。
一方現在では、表面に、膨張代と滑り止め機能とを有するコーティング層を形成したマグネシアカーボンれんがが主流である。膨張代は、有機系の粒子あるいは高分子樹脂等をコーティング層に含有することで、使用時の熱によって有機物が減容したり消失することで確保される。
例えば特許文献2には、顆粒ピッチ29.1重量%、木屑粉7.3重量%と水12.8重量%及び酢酸ビニル50重量%溶液50.8重量%を混合し、この混合液に外掛5重量%の金属シリコンと外掛15重量%の金属アルミニウムのピッチ・コート粒を加えてなるコーティング材を、れんが表面にローラーで約0.4mmの厚みに塗布することでれんが表面にコーティング層が形成されることが記載されている。また、コーティング材の有機顆粒物の配合割合を調整することによりコーティング層の厚みを0.8mm以下で任意に調整できることも記載されている。
コーティング層は十分な膨張代として機能するためには、0.25mm以上の厚みを要求されることが多く、0.25mm以上の厚みを確保するために、コーティング材には5000cP以上の高い粘性が必要とされ、その粘性の高さ故に、塗布した際に、れんがのふちに液ダマリを起こしやすい。その液ダマリがバリになりやすく、発生したバリについては、次の梱包工程にて手作業で取り除くため、作業効率の低下を招いている。梱包作業全体の30%はバリ取り作業で占められている。
また、実際のコーティング層厚みは、0.2~1.0mmの間で顧客の要求に応じてコーティング材を使い分けることで対応している。このため、多い場合には例えば8種類ものコーティング材を製造工場で管理しなればならず手間を要する問題がある。
さらに、1個のれんがで稼動面、上下面(炉長方向側面)、及び側面(円周方向側面)とで厚みの異なるコーティング層が必要な仕様となるれんがもあり、より一層製造時に手間を要する問題がある。
さらに、ローラー等の手作業による塗布厚みの管理は、高い熟練度を要求される作業である。例えば、コーティング材の粘性や濃度のバラツキ、れんがの温度、作業場の温度は塗布厚みに影響を与える。さらに、ローラーに含ませるコーティング材の量や塗る速さ、押し付け力など、作業者によるバラツキも大きい。これらのバラツキは、塗布厚みが厚くなる程大きくなる問題がある。
実用新案登録第2519918号公報 特許第2661717号公報
本発明が解決しようとする課題は、作業が簡便で膨張代のバラツキが小さく、しかも破れ及び剥がれ難い膨張代を有する不焼成れんがを提供することにある。
本発明者らは、不焼成れんがに膨張代として有機系粘着テープを貼り付けるという簡便な方法で、バラツキが非常に小さい膨張代が確保でき、しかも有機系粘着テープの粘着力と引張強さに着目し、それぞれの下限値を設けることで、築炉作業時の有機系粘着テープの破れや剥がれを防止できることを見出した。
すなわち、本発明によれば次の1からの不焼成れんがが提供される。
1.
鱗状黒鉛を8質量%以上含有し、転炉又は電気炉で使用される不焼成れんがであって、表面に、粘着力が2.4[N/10mm]以上、かつ引張強さが36[N/10mm]以上の有機系粘着テープが貼り付けられている、不焼成れんが。
2.
有機系粘着テープが繊維強化テープである、前記1に記載の不焼成れんが。
3.
有機系粘着テープの粘着力が3.6[N/10mm]以上、引張強さが175[N/10mm]以上である、前記1又は前記2に記載の不焼成れんが。
4.
表面の中央の長手方向に有機系粘着テープが貼り付けられている、前記1から前記3のいずれか一項に記載の不焼成れんが。
5.
表面の短辺側の両端部にそれぞれ有機系粘着テープが貼り付けられている、前記1から前記3のいずれか一項に記載の不焼成れんが。
6.
表面の長辺側の両端部にそれぞれ有機系粘着テープが貼り付けられている、前記1から前記3のいずれか一項に記載の不焼成れんが。
以下に、本発明をより詳しく説明する。
不焼成れんがはフェノール樹脂等の有機バインダーによる結合組織となっているため、表面が非常に緻密で滑らかになっており、特に鱗状黒鉛を8質量%以上含有する場合にはその傾向が強く、市販されている有機系粘着テープを貼り付けると十分な接着力が確保でき剥がれ難くなる。さらに、れんがどうしをすり合わせた時にこの有機系粘着テープが破れたり剥がれたりし難い利点もある。
また不焼成れんがにおいて表面に滑り止め及び膨張代として有機高分子樹脂系のコーティング材を塗布する場合があるが、このコーティング材も表面が緻密であり有機系粘着テープは十分な接着力を確保できる。
そして、ライニングされた不焼成れんがは使用時には高温になるため、有機系粘着テープは分解、溶融あるいは炭化し容積がほとんど無くなるため膨張代を確保することができる。
このように本発明によれば、れんがの表面に有機系粘着テープを貼り付けるだけで膨張代が確保できるために従来と比べて作業能率が向上する
膨張代の大きさは、炉の種類、大きさ、使用するれんがの膨張率、及びライニング構造等から公知の方法で計算することができる。本発明では、この膨張代は有機系粘着テープのみ、あるいは有機系粘着テープとコーティング層とで確保される。
有機系粘着テープにおいて粘着力が低いものは、築炉作業時のローラーコンベアによるれんがの搬送中や築炉中等にれんがどうしをすり合わせる場合に、有機系粘着テープが剥がれあるいは破れ易いため、有機系粘着テープの粘着力は2.4[N/10mm]以上必要である。粘着力は高くても悪影響は無い。また、れんがが大きな場合や築炉作業中にれんがどうしをすり合わせる頻度が高い使用条件においては、有機系粘着テープの粘着力を3.6[N/10mm]以上とすれば、剥がれや破れの防止効果をさらに高めることができる。
有機系粘着テープの引張強さが低すぎる場合にも前述と同様に、築炉作業時のローラーコンベアによるれんがの搬送中や築炉中等にれんがどうしをすり合わせる場合に、有機系粘着テープが傷ついて破れたり剥がれてしまうことがある。これを防止するため、有機系粘着テープの引張強さは36[N/10mm]以上必要である。また、れんがが大きな場合や築炉作業中にれんがどうしをすり合わせる頻度が高い使用条件においては、有機系粘着テープの引張強さを175[N/10mm]以上とすれば、破れや剥がれの防止効果をさらに高めることができる。
本発明の不焼成れんがは、表面に有機系粘着テープを貼り付けるだけで膨張代が確保できるため、従来と比べて作業能率が向上する。また、有機系粘着テープが、梱包、搬送、築炉時のれんがの取り扱い中に破れたり剥がれることがないため作業能率に優れている。
また、従来のコーティング材と併用して使用することで、コーティング材を薄く塗布することができ、塗膜厚みのバラツキを小さくする効果が得られる。さらに、コーティング材の種類を少なくすることができるため、コーティング材の製造管理を簡素化することができる。
本発明の一実施形態である不焼成れんがの平面図。 本発明の他の実施形態である不焼成れんがの平面図。 本発明のさらに他の実施形態である不焼成れんがの平面図。 一般的なばち形れんがの形状を示す斜視図。
本発明の不焼成れんがは、表面に有機系粘着テープが貼り付けられているところ、有機系粘着テープは、膨張代が必要な目地において、隣接するれんがとの間に均一な膨張代としての隙間を確保するように貼り付ける。このとき、有機系粘着テープを貼り付ける回数が少なく、かつ貼り付ける有機系粘着テープの長さが短い方が、作業能率が向上しかつ低コストになる。
ここで、転炉や電気炉で使用されるマグネシアカーボンれんが等の不焼成れんがは、図4に示すばち形れんが、あるいはこれに類似した形状である。
ばち形れんがとは溶融金属容器にライニングされたときのれんがの円周方向両側面13,14が同じ角度で傾斜するテーパ面となっており、溶融金属容器にライニングされたときのれんがの炉長方向側面が台形(ばち形)状又は扇型になっているれんがである。通常転炉や電気炉の側壁に使用されるマグネシアカーボンれんがは、背面幅W及び高さHが50~200mm、長さLが400~1200mmで、テーパ角度が0.5~8.0度と細長い形状をしている。
なお、本明細書では、れんがが溶融金属容器にライニングされたときの位置を基準として、れんがの背面16の円周方向を背面幅W、炉長方向を高さH、溶融金属容器の半径方向を長さLとする。また、2つの円周方向側面13,14がなす角度をテーパ角度とする。
有機系粘着テープで膨張代を確保する場合、必ずしもれんがの表面全体を有機系粘着テープで覆う必要はなく、れんががライニングされた時に隣接するれんがとの間に均一な幅の膨張代が確保されれば良い。
図1は、れんが10の炉長方向側面11において、その中央の長手方向に1本の有機系粘着テープ20を貼り付けた実施形態である。このとき、有機系粘着テープ20は、稼動面15及び背面16のそれぞれの端面まで貼り付けなくても良く、稼動面15側から背面16側まで膨張代ができるだけ均一になるような長さとすれば良い。すなわち、図1のれんが10の有機系粘着テープ20を貼り付けた面(炉長方向側面11)に、同形状で有機系粘着テープが貼り付けられていないれんがの面(炉長方向側面)を重ねた場合、2つのれんがの向かい合う面どうしをほぼ平行とすることができる。このとき、2つのれんがの面間の有機系粘着テープと隙間とが膨張代となるため膨張代の大きさはほぼ均一になる。また、この図1の実施形態では、有機系粘着テープ20の幅を広くすることで接触面積を大きく確保できるため、れんがのすり合わせによる破れや剥がれを防止する効果も得られる。このとき、有機系粘着テープは図1のように1本とすることで作業能率が良くなるが、断続的に貼り付けることもできる。なお、れんがの円周方向側面13(14)において、その中央の長手方向に有機系粘着テープを貼り付ける場合にも同様に膨張代の大きさを均一にすることができる。
図2は、れんが10の炉長方向側面11において、その短辺側の両端部にそれぞれ有機系粘着テープ20を1本ずつ貼り付けた実施形態である。この実施形態では有機系粘着テープの貼り付け作業は2回必要になるが、有機系粘着テープの使用量を少なくすることができる。また、2つのれんがを有機系粘着テープを挟んで重ねてもバランスが良く膨張代の大きさをより均一に保つことができる。なお、れんがの円周方向側面13(14)において、その短辺側の両端部にそれぞれ有機系粘着テープを貼り付ける場合にも同様に膨張代の大きさを均一にすることができる。
図3は、れんが10の炉長方向側面11において、その長辺側の両端部にそれぞれ有機系粘着テープ20を1本ずつ貼り付けた実施形態である。この実施形態では幅の細い有機系粘着テープを使用することができる。また、2つのれんがを有機系粘着テープを挟んで重ねてもバランスが良く膨張代の大きさをより均一に保つことができる。
以上の図1から図3の実施形態において、有機系粘着テープ20はれんがの稼動面15と背面16を除く4面において、それぞれ1面のみに貼り付けつけることができるし、4面全部に貼り付けることもできる。
膨張代の大きさは前述のとおり、溶融金属容器の種類、大きさ、使用するれんがの膨張率、及びライニング構造等から公知の方法で計算することができる。1個のれんがに必要な膨張代の大きさはれんがの面によって異なる場合もある。そして、この膨張代に応じて、有機系粘着テープの厚み及び/又は有機系粘着テープを貼り付ける(貼り重ねる)枚数を決める。
れんがの表面に有機系粘着テープを貼り付けた後、有機系粘着テープ及びれんがの表面に滑り止め機能を有しかつ膨張代となる公知のコーティング材を塗布することができる。この場合には、膨張代が有機系粘着テープによっても確保されるので、コーティング材を薄く塗布することができ、塗膜厚みのバラツキを小さくする効果が得られる。さらに、コーティング材の種類を少なくすることができるため、コーティング材の製造管理を簡素化することができる。
逆に、前述のコーティング材を塗布したれんがの表面に、そのコーティング材の上から有機系粘着テープを貼り付けることで膨張代を調整することもできる。この場合にも、コーティング材を薄く塗布することができるし、コーティング材の種類を少なくすることもできる。
本発明で使用する有機系粘着テープは、本発明の不焼成れんがが使用される温度で分解、溶融あるいは炭化することで減容又は消失する有機系粘着テープであれば、問題なく使用することができる。有機系粘着テープの基材は、紙、布、高分子樹脂、又は有機繊維あるいは無機繊維を含有する高分子樹脂等の有機材料が主体であるものが好ましい。例えば、クラフトテープ、布テープ、OPPテープ、及び繊維強化テープのうち1種又は2種以上を使用することができる。中でも繊維強化テープは非常に優れており、築炉中にれんがどうしをすり合わせる場合にもほとんど破れることがない。なお、繊維強化テープとは有機繊維あるいはガラス繊維を含有することで補強された有機系粘着テープであり強度が高い。繊維強化テープの例としてフィラメントテープが挙げられる。
また、有機系粘着テープに使用される粘着剤は、前述の有機系粘着テープの基材に一般的に使用されている粘着剤であれば、有機系の粘着剤が使用されているため加熱により分解後に炭化して減容又は消失するため問題なく使用することができる。
有機系粘着テープは、幅方向は切断することなくれんがの表面に貼り付けることができる。有機系粘着テープの幅に特に制限はないが、有機系粘着テープの幅を25mm以上とすることで、膨張代の面積を確保するための有機系粘着テープの貼り付け作業回数を少なくすることができる。また、有機系粘着テープの幅はれんがの最小幅以下とすることもできる。れんがの最小幅よりも大きいと余分な有機系粘着テープを切り取る手間を要するためである。ここで、れんがの最小幅とはれんがの稼動面の最小幅である。
有機系粘着テープの厚みは、必要な膨張代の大きさによって異なるが、0.1mm以上1mm以下の範囲であれば十分である。有機系粘着テープは重ねて貼り付けることができるため本発明で使用する有機粘着テープの厚みに特に制限はないが、0.05mm以上であれば破れ難くなる。また、1mm超は使用頻度が少ない。
本発明の対象となるれんがは、転炉、電気炉、真空脱ガス炉、溶鋼鍋あるいはAOD等の溶融金属容器の内張りに使用にされるマグネシアカーボンれんが、アルミナカーボンれんが、スピネルカーボンれんが等の不焼成れんがであり、好ましくは、鱗状黒鉛を8質量%以上含有する転炉又は電気炉で使用される不焼成れんがである。不焼成れんがにおいて、転炉や電気炉で使用される不焼成れんがは鱗状黒鉛を多く含んでおり、鱗状黒鉛を多く含む程表面が緻密で滑らかになっており、れんがどうしをすり合わせた時に有機系粘着テープが破れたりあるいは剥がれたりし難いためである。また、転炉や電気炉では、通常空目地でれんがが施工されるためでもある。
表1に、長さLが1170mm、背面幅Wが154mm、高さHが150mm、テーパ角度が2.2度で、70kgの転炉用マグネシアカーボンれんがにおいて、表面にコーティング層を有しないれんがと、表面に滑り止め機能を有しかつ膨張代となるアクリル樹脂系コーティング材を0.2mmの厚みで塗布して形成したコーティング層を有するれんがとのそれぞれのれんが表面に有機系粘着テープを貼り付けて、以下の試験を行った結果を示す。
なお、表1においてれんがの種類「A」とは、鱗状黒鉛を13質量%、電融マグネシアを82質量%、アルミニウムを3質量%含有する耐火原料配合物にフェノール樹脂を適量添加し、混練後、加圧成形し、250℃で乾燥することで製造したマグネシアカーボンれんがである。
れんがの種類「B」とは、Aにおいて鱗状黒鉛を8質量%とし、電融マグネシアを87質量%とし、これら以外はAと同様にして製造したマグネシアカーボンれんがである。
れんがの種類「C」とは、Aにおいて鱗状黒鉛を5質量%とし、電融マグネシアを90質量%とし、これら以外はAと同様にして製造したマグネシアカーボンれんがである。
また、表1においてテープ貼り付けパターン「図1」とは、図1のテープ貼り付けパターンにおいて、幅が50mm、長さが1120mmの1本の有機系粘着テープを稼動面15及び背面16から25mm、それぞれ離れた位置に貼り付けたものである。
テープ貼り付けパターン「図2」とは、図2のテープ貼り付けパターンにおいて、幅が25mmで、長さが90mmと134mmの2本の有機系粘着テープを、稼動面15及び背面16から25mm、円周方向両側面13,14から最大で約10mm、それぞれ離れた位置に貼り付けたものである。
テープ貼り付けパターン「図3」とは、図3のテープ貼り付けパターンにおいて、幅が25mm、長さが1120mmの2本の有機系粘着テープを、稼動面15及び背面16から25mm、円周方向両側面13,14から10mm、それぞれ離れた位置に貼り付けたものである
表1においてテープ種類「Aテープ」から「Hテープ」とは、表2に示すとおりのものである。なお、有機系粘着テープの粘着力、引張強さ及び厚さはJIS Z 0237に準拠して測定した。
表1に示す試験結果である「テープの剥がれ」及び「テープの破れ」については、有機系粘着テープを貼り付けたれんがを有機系粘着テープ面を上にして置き、このれんがの上に、有機系粘着テープを貼り付けていない同形状のれんがを重ねて置き、上のれんがを人の手によって水平方向に500mm往復移動する操作を3回繰り返したあと、有機系粘着テープの剥がれ及び破れを目視で観察して評価した。
具体的に剥がれについては、剥がれ無しの場合を◎(優)、全体の面積の10%以下で剥がれ発生の場合を〇(良)、全体の面積の10%超30%以下で剥がれ発生の場合を△(可)、全体の面積の30%超で剥がれ発生の場合を×(不可)として評価し、◎(優)、○(良)及び△(可)を合格レベルとした。
破れについては、破れ無しの場合を◎(優)、全体の面積の10%以下で破れ発生の場合を〇(良)、全体の面積の10%超30%以下で破れ発生の場合を△(可)、全体の面積の30%超で破れ発生の場合を×(不可)として評価し、◎(優)、○(良)及び△(可)を合格レベルとした。
Figure 0007019733000001
Figure 0007019733000002
実施例1はAテープ(クラフトテープ)を使用した例であり、テープの剥がれ及び破れは全体の面積の10%以下で発生したのみであり、合格レベルであった。
実施例2から実施例4は、Bテープ(ポリエステル繊維含有ポリエステルフィラメントテープ)を使用した例であり、テープの貼り付けパターンが異なるものであるが、テープの引張強さが高いことから破れは無く評価は◎(優)であり、テープの剥がれの評価も○(良)と良好であった。
実施例5はCテープ(ガラス繊維含有ポリエステルフィラメントテープ)を使用した例であり、これも良好な結果であった。
実施例6はDテープ(ガラス繊維含有ポリプロピレンフィラメントテープ)を使用した例であり、良好な結果であった。
実施例7は、Eテープ(布テープ)を使用した例であり、引張強さがやや低いためテープの破れの評価が△(可)であるが、合格レベルであった。
実施例8は、Fテープ(布テープ)を使用した例であり、粘着力がやや低いためテープの剥がれの評価が△(可)であるが、合格レベルであった。
比較例1はGテープ(マスキングテープ)を使用した例であり、粘着力が不十分でテープの剥がれの評価が×(不可)となった。
比較例2は、Hテープ(OPPテープ)を使用した例であり、引張強さが不十分でテープの破れの評価が×(不可)となった。
実施例9から実施例11は、Cテープを、表面にコーティング層を有するマグネシアカーボンれんがに貼り付けた例であり、いずれも良好な結果であった。
参考例12は、Aテープを、鱗状黒鉛の含有量が5質量%のマグネシアカーボンれんがCに貼り付けた例であり、同じくAテープを貼り付けた実施例1と比較して、ややテープの剥がれや破れが目立ったが合格レベルであった。
10 れんが(ばち形れんが)
11,12 れんがの炉長方向側面
13,14 れんがの円周方向側面
15 れんがの稼働面
16 れんがの背面
20 有機系粘着テープ

Claims (6)

  1. 鱗状黒鉛を8質量%以上含有し、転炉又は電気炉で使用される不焼成れんがであって、表面に、粘着力が2.4[N/10mm]以上、かつ引張強さが36[N/10mm]以上の有機系粘着テープが貼り付けられている、不焼成れんが。
  2. 有機系粘着テープが繊維強化テープである、請求項1に記載の不焼成れんが。
  3. 有機系粘着テープの粘着力が3.6[N/10mm]以上、引張強さが175[N/10mm]以上である、請求項1又は請求項2に記載の不焼成れんが。
  4. 表面の中央の長手方向に有機系粘着テープが貼り付けられている、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の不焼成れんが。
  5. 表面の短辺側の両端部にそれぞれ有機系粘着テープが貼り付けられている、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の不焼成れんが。
  6. 表面の長辺側の両端部にそれぞれ有機系粘着テープが貼り付けられている、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の不焼成れんが。
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