JP7018869B2 - 固定具 - Google Patents

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Description

本発明は、固定具に関する。
従来、柱をコンクリート基礎部に固定する技術の一つとして、コンクリート基礎部に埋め込まれた複数のアンカーボルトであって、当該複数のアンカーボルトの各々の上方部分が外部から露出するように設けられた複数のアンカーボルトを、柱の下端に設けられたベースプレートに挿入して取り付けることにより、柱をコンクリート基礎部に固定する技術が提案されている。
特開2017-20312号公報
しかしながら、上記従来の技術においては、上述したように、複数のアンカーボルトの各々の上方部分が外部から露出するように、複数のアンカーボルトがコンクリート基礎部に設けられているので、例えば、柱をコンクリート基礎部に取り付ける前において作業者がコンクリート基礎部の近傍で作業する際に、複数のアンカーボルトのいずれかと接触することにより、作業者が怪我をしたり、又は複数のアンカーボルトのいずれかが破損するおそれがあった。よって、作業者の安全性及び作業性を向上させ、且つアンカーボルトの如き固定部材の破損を防止する観点からは改善の余地があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、作業者の安全性及び作業性を向上させると共に、固定部材の破損を防止することが可能となる、固定具を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の固定具は、設置面に設けられるコンクリート基礎部に取り付けられる取付対象を、当該コンクリート基礎部に固定するための固定具であって、外部に露出しないように前記コンクリート基礎部に埋め込まれる第1固定部材と、前記取付対象を前記コンクリート基礎部に取り付けるための第2固定部材と、前記第2固定部材とは別体に形成された連結手段であって、前記第1固定部材と前記第2固定部材とを連結するための連結手段と、を備え、前記連結手段は、本体部であって、前記第1固定部材及び前記第2固定部材と接続される接続手段と、前記接続手段の移動を拘束する第1拘束手段とを有する本体部と、前記本体部を前記設置面に対して支持するための複数の支持部と、を備え、前記連結手段が、前記コンクリート基礎部よりも突出せず、且つ前記第2固定部材と接続できるように、前記連結手段を前記コンクリート基礎部に埋め込み可能とし、前記第1固定部材の上側部分にネジ加工が施され、且つ前記接続手段が、前記第1固定部材の上側部分及び前記第2固定部材に対して螺合構造によって着脱自在に接続可能なナット部材で構成されることにより、前記連結手段と前記設置面との相互間の距離を調整可能とし、前記複数の支持部の各々が全ネジボルトで構成され、且つ前記第1拘束手段に複数設けられた第1の挿通孔であって、前記支持部を挿通する第1の挿通孔がネジ孔で構成されることにより、前記設置面と前記本体部との相互間の距離を調整可能とした。
請求項2に記載の固定具は、請求項1に記載の固定具において、前記本体部は、前記第1の挿通孔と、前記接続手段の下側部分を挿通する第2の挿通孔とを有する前記第1拘束手段と、前記第1拘束手段よりも上方に設けられ、且つ前記接続手段の移動を拘束する第2拘束手段であって、前記接続手段の上側部分を挿通する挿通孔を有する第2拘束手段と、を備える。
請求項3に記載の固定具は、請求項1又は2に記載の固定具において、前記複数の支持部を、前記本体部の芯出しを行うことが可能な位置に設けた。
請求項4に記載の固定具は、請求項1から3のいずれか一項に記載の固定具において、前記取付対象が、柱体である。
請求項1に記載の固定具によれば、外部に露出しないようにコンクリート基礎部に埋め込まれる第1固定部材と、取付対象をコンクリート基礎部に取り付けるための第2固定部材と、第2固定部材とは別体に形成された連結手段であって、第1固定部材と第2固定部材とを連結するための連結手段と、を備え、連結手段が、コンクリート基礎部よりも突出せず、且つ第2固定部材と接続できるように、連結手段をコンクリート基礎部に埋め込み可能としたので、従来技術(コンクリート基礎部に埋め込まれたアンカーボルトの一部が外部から露出している技術)に比べて、第1固定部材及び連結手段をコンクリート基礎部に設置してから取付対象をコンクリート基礎部に取り付けるまでの間において作業者が作業する際に、作業者が第1固定部材及び連結手段と接触することを回避でき、作業者の安全性及び作業性を向上できると共に、第1固定部材及び連結手段の破損等を防止できる。また、コンクリート基礎部が施工された後の任意のタイミングで取付対象を第2固定部材を介してコンクリート基礎部に取り付けることができ、状況に応じた取付対象の取り付けを行うことができる。
また、連結手段及び第1固定部材を、連結手段と設置面との相互間の距離を調整可能に構成したので、連結手段及び第1固定部材によって連結手段と設置面との相互間の距離を調整できる。よって、設置状況に応じて連結手段の上下方向の位置を容易に変更でき、固定具の設置精度を高めることができる。
また、本体部及び複数の支持部を、設置面と本体部との相互間の距離を調整可能に構成したので、本体部及び複数の支持部によって設置面と本体部との相互間の距離を調整できる。よって、設置状況に応じて本体部の上下方向の位置を容易に変更でき、固定具の設置精度を一層高めることができる。
請求項3に記載の固定具によれば、複数の支持部を、本体部の芯出しを行うことが可能な位置に設けたので、本体部の芯出しを容易且つ正確に行うことができ、固定具の設置精度をさらに一層高めることができる。
請求項4に記載の固定具によれば、取付対象が柱体であるので、第1固定部材及び連結手段をコンクリート基礎部に設置してから柱体をコンクリート基礎部に取り付けるまでの間において作業者が作業する際に、作業者が第1固定部材及び連結手段と接触することを回避しやすくなるため、作業者の安全性及び作業性を向上できると共に、第1固定部材及び連結手段の破損等を防止できる。
本発明の実施の形態に係る固定具を用いて、取付対象がコンクリート基礎部に取り付けられている状態を示す斜視図である。 図1の取付対象及び固定具を分解した状態を示す斜視図である(一部図示省略)。 固定具を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である(一部図示省略)。 第1固定部材、第2固定部材、及び接続部を示す側面図であり、(a)は接続した状態を示す図、(b)は分解した状態を示す図である。 第1設置工程及び第1接続工程を示す正面図である。 第1打設工程を示す正面図である。 第2接続工程及び第2打設工程を示す正面図である。 固定具の変形例を用いて、取付対象がコンクリート基礎部に取り付けられている状態を示す斜視図である。 固定具の変形例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である(一部図示省略)。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る固定具の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、設置面に設けられるコンクリート基礎部に取り付けられる取付対象を、当該コンクリート基礎部に固定するための固定具に関する。
ここで、「コンクリート基礎部」とは、建設物を構成するコンクリート製(例えば、鉄筋コンクリート製、プレストレストコンクリート製)の基礎部を意味する。また、「建設物」の具体的な構造や種類は任意であり、例えば、アパートやマンションの如き集合住宅、オフィスビル、商業施設等の建築物や、橋等の土木建設物等を含む概念であるが、実施の形態では、オフィスビルとして説明する。また、「取付対象」とは、コンクリート基礎部に取り付けられる対象を意味し、例えば、鋼製又はコンクリート製の柱材(柱体)、梁材、壁材、床材等を含む概念である。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
(構成)
最初に、実施の形態に係る固定具30の構成、固定具30によって固定される取付対象20の構成、取付対象20が取り付けられるコンクリート基礎部1、及びコンクリート基礎部1に設置される床部10について説明する。
(構成-コンクリート基礎部)
まず、コンクリート基礎部1の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る固定具30を用いて、取付対象20がコンクリート基礎部1に取り付けられている状態を示す斜視図である。図2は、図1の取付対象20及び固定具30を分解した状態を示す斜視図である(一部図示省略)。以下の説明では、図1のX方向をコンクリート基礎部1の左右方向(-X方向をコンクリート基礎部1の左方向、+X方向をコンクリート基礎部1の右方向)、図1のY方向をコンクリート基礎部1の前後方向(+Y方向をコンクリート基礎部1の前方向、-Y方向をコンクリート基礎部1の後方向)、図1のZ方向をコンクリート基礎部1の上下方向(+Z方向をコンクリート基礎部1の上方向、-Z方向をコンクリート基礎部1の下方向)と称する。
コンクリート基礎部1は、建設物を構成する部材であり、例えば公知のコンクリート製の基礎部材(一例として、鉄筋コンクリート製の平板状の基礎部材)等を用いて構成されており、図1に示すように、略水平な設置面2(例えば、地盤の地表面)上において略水平に載置されている。
(構成-床部)
次に、床部10の構成について説明する。床部10は、建設物を構成する部材であり、例えば公知のコンクリート製のスラブ(一例として、鉄筋コンクリート製の平板状のスラブ)等を用いて構成されており、図1に示すように、コンクリート基礎部1の上面において略水平に載置されている。
(構成-取付対象)
次に、取付対象20の構成について説明する。取付対象20は、建設物を構成する柱体であり、例えば公知の鋼製の柱材を用いて構成されており、図1に示すように、取付対象本体21及びベース部22を備えている。
(構成-取付対象-取付対象本体)
取付対象本体21は、取付対象20の基本構造体である。この取付対象本体21は、例えば長尺な筒状体(図1では、平面形状が長方形状である筒状体)にて形成されており、図1に示すように、コンクリート基礎部1よりも上方において、取付対象本体21の長手方向が上下方向に略沿うように配置されている。
(構成-取付対象-ベース部)
ベース部22は、取付対象本体21を支持するためのものである。このベース部22は、例えば矩形状の板状体にて形成されており、図1に示すように、コンクリート基礎部1と取付対象本体21との相互間において略水平に設けられている。具体的には、ベース部22の下面が取付対象本体21の下面と当接し、且つベース部22の下面が床部10(又は後述する固定具30の連結部60)の上面と当接するように配置され、取付対象本体21に対して溶接等によって接続されている。
また、図2に示すように、ベース部22には、挿通孔23が設けられている。挿通孔23は、後述する固定具30の第2固定部材50を挿通するための貫通孔であり、図1に示すように、ベース部22の部分のうち取付対象本体21との接続部分以外の他の部分に相互に間隔を隔てて複数形成されている。
(構成-固定具)
図1に戻り、次に、固定具30の構成について説明する。図3は、固定具30を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である(一部図示省略)。固定具30は、取付対象20をコンクリート基礎部1に固定するための器具であり、図1から図3に示すように、第1固定部材40a~40l、第2固定部材50a~50l、及び連結部60を備えている。なお、第1固定部材40a~40lを特に区別する必要のないときは単に「第1固定部材40」と総称すると共に、第2固定部材50a~50lを特に区別する必要のないときは単に「第2固定部材50」と総称する。
(構成-固定具-第1固定部材)
第1固定部材40a~40lは、固定具30の基本構造体の一部である。これら第1固定部材40a~40lは、例えば公知のアンカー部材(例えば、鋼製のアンカー部材)等を用いて構成されており、具体的には、略L字状体にてそれぞれ形成されている。また、これら第1固定部材40a~40lは、外部に露出しないようにコンクリート基礎部1に埋め込まれるように設けられている。具体的には、図1に示すように、コンクリート基礎部1の内部において、第1固定部材40a~40lの各々におけるL字状の縦棒部分が取付対象20の対応する挿通孔23に対応するように位置し、且つ第1固定部材40a~40lの各々におけるL字状の横棒部分が固定具30の水平方向の外側に向けて張り出すようにそれぞれ配置されている。
(構成-固定具-第2固定部材)
第2固定部材50a~50lは、固定具30の基本構造体の一部であると共に、取付対象20をコンクリート基礎部1に取り付けるためのものである。これら第2固定部材50a~50lは、例えば公知のボルト部材(一例として、鋼製の全ネジボルト)等を用いて構成されており、具体的には、略直線状にてそれぞれ形成されている。また、これら第2固定部材50a~50lは、連結部60と連結可能な位置に設けられている。具体的には、図1に示すように、第2固定部材50a~50lの下側部分が取付対象20の対応する挿通孔23を介してコンクリート基礎部1の内部に位置するようにそれぞれ配置されている。
(構成-固定具-連結部)
連結部60は、第1固定部材40と第2固定部材50とを連結するための連結手段であり、図1から図3に示すように、本体部70及び支持部80a~80dを備えている。なお、支持部80a~80dを特に区別する必要のないときは、単に「支持部80」と総称する。
(構成-固定具-連結部-本体部)
図1に戻り、本体部70は、連結部60の基本構造体であり、図1から図3に示すように、接続部71a~71l、第1拘束部72、及び第2拘束部73を備えている。なお、接続部71a~71lを特に区別する必要のないときは、単に「接続部71」と総称する。
(構成-固定具-連結部-本体部-接続部)
図1に戻り、接続部71a~71lは、第1固定部材40及び第2固定部材50と接続される接続手段である。これら接続部71a~71lは、例えば公知のナット部材等を用いて構成されており、対応する第1固定部材40と対応する第2固定部材50との相互間にそれぞれ設けられている。具体的には、図1から図3に示すように、接続部71a~71lの各々に対応する第1固定部材40におけるL字状の縦棒部分の上側部分及び対応する第2固定部材50の下側部分が挿通されるようにそれぞれ配置されており、対応する第1固定部材40及び対応する第2固定部材50に対して螺合構造によって着脱自在にそれぞれ接続されている。
(構成-固定具-連結部-本体部-第1拘束部)
図1に戻り、第1拘束部72は、接続部71a~71lの移動(水平移動及び垂直移動)を拘束するための第1拘束手段である。この第1拘束部72は、平面形状が環状(図2では、矩形環状)である板状体にて形成されており、図1から図3に示すように、接続部71a~71lの下端部近傍において略水平に設けられている。具体的には、第1拘束部72に複数設けられた第1挿通孔(図示省略)に接続部71a~71lの各々の下側部分が挿通されるように配置されており、接続部71a~71lに対して回動可能な嵌合構造等によって着脱自在に接続されている。
(構成-固定具-連結部-本体部-第2拘束部)
第2拘束部73は、接続部71a~71lの移動(水平移動及び垂直移動)を拘束するための第2拘束手段である。この第2拘束部73は、平面形状が環状(図3では、矩形環状)である板状体にて形成されており、図3に示すように、接続部71a~71lの上端部近傍において略水平に設けられている。具体的には、第2拘束部73に複数設けられた挿通孔(図示省略)に接続部71a~71lの各々の上側部分が挿通されるように配置されており、接続部71a~71lに対して回動可能な嵌合構造等によって着脱自在に接続されている。
(構成-固定具-連結部-支持部)
支持部80a~80dは、本体部70を設置面2に対して支持するための支持手段である。これら支持部80a~80dは、例えば長尺な棒状体にて形成されており、設置面2と本体部70の上端部との相互間の間において、支持部80a~80dの各々の長手方向が上下方向に沿うようにそれぞれ設けられていると共に、相互に間隔を隔ててそれぞれ設けられている。具体的には、図1から図3に示すように、支持部80a~80dの各々の下端部が設置面2と当接し、且つ支持部80a~80dの各々の上側部分が第1拘束部72に複数設けられた第2挿通孔(図示省略)に挿通されるように配置されている。
(構成-固定具-連結部-その他の構成)
また、連結部60の形成方法については任意であるが、実施の形態では、第1固定部材40及び第2固定部材50とは別体に形成している。これにより、既製の部材を組み合わせることにより固定具30を製造することができ、固定具30の製造コストを低減できる。ただし、これに限らず、例えば、第1固定部材40と連結部60(例えば、接続部71等)とを一体に形成することにより、固定具30を組み立てる手間を軽減でき、固定具30の製造性を向上できる。
(構成-連結部の設置構造)
次に、連結部60の設置構造について説明する。固定具30は、連結部60をコンクリート基礎部1に設置するための設置構造を備えており、この設置構造の特徴については、実施の形態では、以下に示す通りとなる。
(構成-連結部の設置構造-第1の特徴)
まず、連結部60の設置構造の第1の特徴については、連結部60がコンクリート基礎部1よりも突出せず、且つ第2固定部材50a~50lと接続できるように、連結部60はコンクリート基礎部1に埋め込み可能となるように構成されている。
具体的には、連結部60の上下方向の長さについては、図1から図3に示すように、コンクリート基礎部1の上下方向の長さよりも短く設定している。また、連結部60の設置方法については、図1に示すように、第1固定部材40と接続された連結部60の上端部(具体的には、接続部71の上端部)がコンクリート基礎部1の上面と略面一になるように設置すると共に、連結部60に接続された第2固定部材50の上側部分が床部10よりも上方に位置するように(すなわち、第2固定部材50が外部に露出するように)設置している。また、連結部60の材質については、コンクリート基礎部1に埋め込み可能な材質で構成しており、例えば鋼材で構成している。
この場合において、第2固定部材50の上下方向の長さについては、床部10の上下方向の長さよりも長く設定している。また、取付対象20の取付方法については、第2固定部材50a~50lの各々の上側部分に第1ナット部51と、第1ナット部51よりも上方に位置する第2ナット部52を設けて、これら第1ナット部51と第2ナット部52との相互間に取付対象20のベース部22が位置するように第2固定部材50a~50lを取付対象20の対応する挿通孔23にそれぞれ挿通することにより、取付対象20を取り付けてもよい。このような取付方法により、床部10の上下方向の長さに応じて第1ナット部51及び第2ナット部52の上下方向の位置を調整しながら取付対象20を取り付けることができ、取付対象20の設置精度を高めることができる。
このような第1の特徴により、従来技術(コンクリート基礎部1に埋め込まれたアンカーボルトの一部が外部から露出している技術)に比べて、第1固定部材40及び連結部60をコンクリート基礎部1に設置してから取付対象20をコンクリート基礎部1に取り付けるまでの間において作業者が作業する際に、作業者が第1固定部材40及び連結部60と接触することを回避でき、作業者の安全性及び作業性を向上できると共に、第1固定部材40及び連結部60の破損等を防止できる。また、コンクリート基礎部1が施工された後の任意のタイミング(実施の形態では、床部10が施工された後のタイミング)で取付対象20を第2固定部材50を介してコンクリート基礎部1に取り付けることができ、状況に応じた取付対象20の取り付けを行うことができる。
(構成-連結部の設置構造-第2の特徴)
図4は、第1固定部材40、第2固定部材50、及び接続部71を示す側面図であり、(a)は接続した状態を示す図、(b)は分解した状態を示す図である。次に、連結部60の設置構造の第2の特徴については、連結部60及び第1固定部材40a~40lは、連結部60と設置面2との相互間の距離を調整可能に構成されている。
具体的には、図4に示すように、上述したように、連結部60の接続部71は、ナット部材で構成されている。また、第1固定部材40におけるL字状の縦棒部分の上側部分には、ネジ加工が施されている(以下、第1固定部材40のネジ加工が施されている部分41を「ネジ加工部41」と称する)。また、このネジ加工部41の長さについては、図4に示すように、対応する接続部71との接続に必要な長さよりも長く設定しており、例えば、対応する接続部71の上下方向の長さの略半分程度の長さに設定している。
このような第2の特徴により、接続部71a~71lの各々を対応する第1固定部材40に対してそれぞれ回動させることにより、連結部60と設置面2との相互間の距離を調整できる。よって、設置状況に応じて連結部60の上下方向の位置を容易に変更でき、固定具30の設置精度を高めることができる。
(構成-連結部の設置構造-第3の特徴)
図1に戻り、次いで、連結部60の設置構造の第3の特徴については、連結部60の本体部70及び支持部80a~80dは、設置面2と本体部70との相互間の距離を調整可能に構成されている。
具体的には、本体部70の第1拘束部72の第2挿通孔は、ネジ孔にて構成されている。支持部80は、全ネジボルトにて構成されている。また、支持部80の上下方向の長さについては、図1から図3に示すように、第1固定部材40が接続部71に接続されている状態において、第1固定部材40を設置面2から所定距離だけ上方に位置させることができる長さに設定しており、例えば、第1固定部材40におけるL字状の縦棒部分の上下方向の長さよりも長く(又は略同一)に設定している。
このような第3の特徴により、支持部80a~80dの各々を対応する第2挿通孔に対してそれぞれ回動させることにより、設置面2と本体部70との相互間の距離を調整できる。よって、設置状況に応じて本体部70の上下方向の位置を容易に変更でき、固定具30の設置精度を一層高めることができる。
(構成-連結部の設置構造-第4の特徴)
図1に戻り、次に、連結部60の設置構造の第4の特徴については、連結部60の支持部80a~80dは、連結部60の本体部70の芯出しを行うことが可能な位置に設けられている。
具体的には、図1から図3に示すように、第2挿通孔は、第1拘束部72の左側部分の略中央部、第1拘束部72の前側部分の略中央部、第1拘束部72の右側部分の略中央部、及び第1拘束部72の後側部分の略中央部にそれぞれ配置されている。そして、支持部80aは第1拘束部72の左側部分の第2挿通孔に挿通されるように配置され、支持部80bは第1拘束部72の前側部分の第2挿通孔に挿通されるように配置され、支持部80cは第1拘束部72の右側部分の第2挿通孔に挿通されるように配置され、支持部80dは第1拘束部72の後側部分の第2挿通孔に挿通されるように配置されている。
このような第4の特徴により、本体部70の芯出し(具体的には、水平方向の芯出し)を容易且つ正確に行うことができ、固定具30の設置精度をさらに一層高めることができる。
(取付対象の固定方法)
続いて、固定具30を用いた取付対象20の固定方法について説明する。図5は、第1設置工程及び第1接続工程を示す正面図である。図6は、第1打設工程を示す正面図である。図7は、第2接続工程及び第2打設工程を示す正面図である。図5から図7に示すように、実施の形態に係る取付対象20の固定方法は、第1設置工程、第1接続工程、第1打設工程、第2接続工程、第2打設工程、及び固定工程を含んでいる。
(取付対象の固定方法-第1設置工程、第1接続工程)
まず、第1設置工程及び第1接続工程について説明する。第1設置工程は、固定具30の第1固定部材40a~40lを所定位置に設ける設置工程である。また、第1接続工程は、第1固定部材40a~40lに固定具30の連結部60を接続する接続工程である。なお、実施の形態では、第1設置工程及び第1接続工程を共に実行するものとして説明する。
具体的には、まず、工場(又は現場)において、固定具30の本体部70(接続部71a~71l、第1拘束部72、及び第2拘束部73)を組み立て後に、固定具30の連結部60(本体部70及び支持部80a~80d)を組み立てる。次に、工場(又は現場)において、上記組み立てた連結部60の接続部71a~71lを、上方から対応する第1固定部材40にそれぞれ挿入して接続する。より具体的には、第1固定部材40a~40lの各々におけるL字状の縦棒部分が上下方向に略沿い、且つ第1固定部材40a~40lの各々におけるL字状の横棒部分が固定具30の水平方向の外側に向けて張り出すようにそれぞれ設ける。次いで、図5に示すように、上記接続した連結部60及び第1固定部材40a~40lを設置面2まで搬送した後、上記接続した連結部60及び第1固定部材40a~40lを設置面2上の所定領域(所定位置)に載置する。続いて、接続部71a~71lを対応する第1固定部材40に対してそれぞれ回動させたり、又は支持部80a~80dの下端部を設置面2に当接させた後に支持部80a~80dを連結部60の第2挿通孔に対して回動させることにより、設置面2と本体部70との相互間の距離を調整する。この場合において、上記調整される設置面2と本体部70との相互間の距離については、接続部71a~71lの上端部が後述する第1打設工程にて形成されるコンクリート基礎部1の上面と略面一になる距離に設定する。
(取付対象の固定方法-第1打設工程)
次に、第1打設工程について説明する。第1打設工程は、第1設置工程及び第1接続工程の後に、第1固定部材40a~40lを外部に露出させないと共に、連結部60がコンクリート基礎部1よりも突出せず、且つ第2固定部材50と接続できるように、コンクリート基礎部1のコンクリートを打設する打設工程である。
具体的には、まず、公知の方法を用いて、図示しない型枠を設置面2上に設置する。より具体的には、型枠によって第1固定部材40a~40l及び固定具30の連結部60の外周が覆われるように設置する。次に、公知の方法を用いて、図示しない鉄筋を型枠内に配筋する。次いで、図6に示すように、公知の方法を用いて、型枠内にコンクリートを打設する。続いて、コンクリートの硬化前に連結部60の第2拘束部73を撤去する。そして、コンクリートを硬化させることによりコンクリート基礎部1を形成した後、型枠を撤去する。
この場合において、上記コンクリートの打設量については、上記形成されるコンクリート基礎部1の上面が接続部71a~71lの上端部と略面一になる程度の打設量に設定する。また、コンクリート打設時に連結部60の接続部71a~71lの中にコンクリートが入ることを抑制するために、例えば、図示しない封止部(例えば、セットスクリュー等)を接続部71a~71lの各々の上端部に設けてもよい。あるいは、封止部に加えて、図示しない充填剤(例えば、ロックタイト剤等)が接続部71a~71lの各々の内部に充填してもよい。
(取付対象の固定方法-第2接続工程)
次に、第2接続工程について説明する。第2接続工程は、第1打設工程において打設されたコンクリートが硬化した後に、固定具30の連結部60に第2固定部材50a~50lを接続する工程である。
具体的には、まず、連結部60の接続部71a~71lに設けた封止部(又は、封止部及び充填剤)を撤去する。次に、第2固定部材50a~50lを、上方から連結部60の対応する接続部71に挿入して接続する。その後、第2固定部材50a~50lの各々の上側部分に、第1ナット部51及び第2ナット部52をそれぞれ挿通する。より具体的には、図7に示すように、第1ナット部51の上端部が後述する第2打設工程にて形成される床部10の上面と略面一になるように、第1ナット部51及び第2ナット部52を挿通する。
(取付対象の固定方法-第2打設工程)
次に、第2打設工程について説明する。第2打設工程は、第2接続工程の後に、第2固定部材50a~50lが取付対象20と接続できるように、床部10のコンクリートを打設する工程である。
具体的には、まず、公知の方法を用いて、図示しない型枠をコンクリート基礎部1の上面に設置する。より具体的には、型枠によって第2固定部材50a~50lの外周が覆われるように設置する。次に、公知の方法を用いて、図示しない鉄筋を型枠内に配筋する。次いで、図7に示すように、公知の方法を用いて、型枠内にコンクリートを打設する。そして、上記打設したコンクリートを硬化させることにより、コンクリート基礎部1を形成した後、型枠を撤去する。
この場合において、上記コンクリートの打設量については、接続部71a~71lの上端部及びその近傍部分がコンクリート基礎部1よりも突出する程度の打設量に設定する。
(取付対象の固定方法-固定工程)
次に、固定工程について説明する。固定工程は、第2打設工程の後に、取付対象20を第2固定部材50a~50lに取り付けることにより、取付対象20をコンクリート基礎部1に固定する工程である。
具体的には、まず、第2固定部材50a~50lの各々に取り付けた第2ナット部52を取り外す。次に、第2固定部材50a~50lに取付対象20の対応する挿通孔23を上方からそれぞれ挿通することにより、取付対象20を第2固定部材50a~50lに取り付ける。そして、図1に示すように、第2固定部材50a~50lの各々に第2ナット部52を再度挿通することにより(具体的には、第2ナット部52及び上記第2接続工程にて取り付けた第1ナット部51によって、取付対象20のベース部22を挟み込むように挿通することにより)、取付対象20をコンクリート基礎部1に固定する。これにて、取付対象20の固定を終了する。なお、上述した「第2接続工程」及び「固定工程」を含む工程は、特許請求の範囲における「固定工程」に対応する。
以上のような固定方法により、第1打設工程が行われてから第2接続工程及び固定工程が行われるまでの間において作業者が作業する際に、作業者が第1固定部材40及び連結部60と接触することを回避でき、作業者の安全性及び作業性を向上できると共に、第1固定部材40及び連結部60の破損等を防止できる。また、第1打設工程が行われた後の任意のタイミング(実施の形態では、第2打設工程が行われた後のタイミング)で取付対象20を第2固定部材50を介してコンクリート基礎部1に取り付けることができ、状況に応じた取付対象20の取り付けを行うことができる。
(実施の形態の効果)
このように実施の形態によれば、外部に露出しないようにコンクリート基礎部1に埋め込まれる第1固定部材40と、取付対象20をコンクリート基礎部1に取り付けるための第2固定部材50と、第2固定部材50とは別体に形成された連結部60であって、第1固定部材40と第2固定部材50とを連結するための連結部60と、を備え、連結部60が、コンクリート基礎部1よりも突出せず、且つ第2固定部材50と接続できるように、連結部60をコンクリート基礎部1に埋め込み可能としたので、従来技術(コンクリート基礎部1に埋め込まれたアンカーボルトの一部が外部から露出している技術)に比べて、第1固定部材40及び連結部60をコンクリート基礎部1に設置してから取付対象20をコンクリート基礎部1に取り付けるまでの間において作業者が作業する際に、作業者が第1固定部材40及び連結部60と接触することを回避でき、作業者の安全性及び作業性を向上できると共に、第1固定部材40及び連結部60の破損等を防止できる。また、コンクリート基礎部1が施工された後の任意のタイミングで取付対象20を第2固定部材50を介してコンクリート基礎部1に取り付けることができ、状況に応じた取付対象20の取り付けを行うことができる。
また、連結部60及び第1固定部材40を、連結部60と設置面2との相互間の距離を調整可能に構成したので、連結部60及び第1固定部材40によって連結部60と設置面2との相互間の距離を調整できる。よって、設置状況に応じて連結部60の上下方向の位置を容易に変更でき、固定具30の設置精度を高めることができる。
また、本体部70及び複数の支持部80を、設置面2と本体部70との相互間の距離を調整可能に構成したので、本体部70及び複数の支持部80によって設置面2と本体部70との相互間の距離を調整できる。よって、設置状況に応じて本体部70の上下方向の位置を容易に変更でき、固定具30の設置精度を一層高めることができる。
また、複数の支持部80を、本体部70の芯出しを行うことが可能な位置に設けたので、本体部70の芯出しを容易且つ正確に行うことができ、固定具30の設置精度をさらに一層高めることができる。
また、取付対象20が柱体であるので、第1固定部材40及び連結部60をコンクリート基礎部1に設置してから柱体をコンクリート基礎部1に取り付けるまでの間において作業者が作業する際に、作業者が第1固定部材40及び連結部60と接触することを回避しやすくなるため、作業者の安全性及び作業性を向上できると共に、第1固定部材40及び連結部60の破損等を防止できる。
また、第1設置工程及び第1接続工程の後に、第1固定部材40を外部に露出させないと共に、連結部60がコンクリート基礎部1よりも突出せず、且つ固定具30の第2固定部材50と接続できるように、コンクリート基礎部1のコンクリートを打設する第1打設工程と、第1打設工程において打設されたコンクリートが硬化した後に、第2固定部材50を連結部60に接続すると共に、取付対象20を第2固定部材50に取り付けることにより、取付対象20をコンクリート基礎部1に固定する工程(具体的には、第2接続工程及び固定工程)と、を含むので、第1打設工程が行われてから第2接続工程及び固定工程が行われるまでの間において作業者が作業する際に、作業者が第1固定部材40及び連結部60と接触することを回避でき、作業者の安全性及び作業性を向上できると共に、第1固定部材40及び連結部60の破損等を防止できる。また、第1打設工程が行われた後の任意のタイミングで取付対象20を第2固定部材50を介してコンクリート基礎部1に取り付けることができ、状況に応じた取付対象20の取り付けを行うことができる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
(取付対象について)
上記実施の形態では、取付対象20が固定具30を用いてコンクリート基礎部1に固定される場合において、取付対象20のベース部22の下面が床部10の上面と当接するように、取付対象20は配置されている(すなわち、床部10に埋め込まれないように配置されている)と説明したが、これに限らない。例えば、取付対象20の一部のみが床部10に埋め込まれるように配置されてもよい。
(コンクリート基礎部について)
上記実施の形態では、コンクリート基礎部1が、水平な設置面2上に略水平に載置されていると説明したが、これに限らず、例えば、略垂直な設置面2上に略垂直に設置されてもよい。
(床部について)
上記実施の形態では、床部10がコンクリート基礎部1の上面に設けられていると説明したが、これに限らない。例えば、床部10を省略して、取付対象20がコンクリート基礎部1の上面と当接するように設置されてもよい。この場合には、第1ナット部51を省略できると共に、第2固定部材50の上下方向の長さを、実施の形態に係る第2固定部材50よりも短くできる。また、取付対象20の固定方法において、第2打設工程を省略できる。
(第1固定部材について)
上記実施の形態では、第1固定部材40の設置数が12体であると説明したが、これに限らず、例えば、12体未満であってもよく、又は13体以上であってもよい。この場合には、第2固定部材50の設置数、ベース部22の挿通孔23、及び接続部71の設置数は、第1固定部材40の設置数に応じた数に設定される。図8は、固定具30の変形例を用いて、取付対象20がコンクリート基礎部1に取り付けられている状態を示す斜視図である。図9は、固定具30の変形例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である(一部図示省略)。一例として、図8、図9に示すように、第1固定部材40の設置数が4体である場合には、第2固定部材50の設置数=ベース部22の挿通孔23=接続部71の設置数=4体に設定される。
(支持部について)
上記実施の形態では、連結部60の支持部80の設置数が4体であると説明したが、これに限らず、例えば、3体未満であってもよく、又は5体以上であってもよい。この場合には、第1拘束部72の第2挿通孔の設置数は、支持部80の設置数に応じた数に設定される。
また、上記実施の形態では、固定具30に支持部80が設けられていると説明したが、これに限らず、例えば、支持部80を省略してもよい。
(連結部の設置構造について)
上記実施の形態では、連結部60及び第1固定部材40a~40lが、連結部60と設置面2との相互間の距離を調整可能に構成されていると説明したが、これに限らず、例えば、連結部60と設置面2との相互間の距離を調整不能に構成されてもよい。
また、上記実施の形態では、本体部70及び支持部80a~80dが、設置面2と本体部70との相互間の距離を調整可能に構成されていると説明したが、これに限らず、例えば、設置面2と本体部70との相互間の距離を調整不能に構成されてもよい。
また、上記実施の形態では、連結部60の支持部80a~80dが、本体部70の芯出しを行うことが可能な位置に設けられていると説明したが、これに限らず、例えば、本体部70の芯出しを行うことが困難な位置に設けられてもよい。
(取付対象の固定方法について)
上記実施の形態では、第1設置工程及び第1接続工程を共に実行するものとして説明したが、これに限らない。例えば、第1設置工程を実施した後に、第2接続工程を実行してもよい。一例として、第1設置工程において、第1固定部材40a~40lを設置面2上の所定領域に相互に間隔を隔ててそれぞれ設ける。また、第2接続工程において、まず、現場で、固定具30の本体部70を組み立てた後、固定具30の連結部60を組み立てる。次に、上記組み立てた連結部60の接続部71a~71lを、上方から対応する第1固定部材40にそれぞれ挿入して接続する。続いて、接続部71a~71lを対応する第1固定部材40に対してそれぞれ回動させたり、又は支持部80a~80dの下端部を設置面2に当接させた後に支持部80a~80dを連結部60の第2挿通孔に対して回動させることにより、設置面2と本体部70との相互間の距離を調整する。
(付記)
付記1の固定具は、設置面に設けられるコンクリート基礎部に取り付けられる取付対象を、当該コンクリート基礎部に固定するための固定具であって、外部に露出しないように前記コンクリート基礎部に埋め込まれる第1固定部材と、前記取付対象を前記コンクリート基礎部に取り付けるための第2固定部材と、前記第2固定部材とは別体に形成された連結手段であって、前記第1固定部材と前記第2固定部材とを連結するための連結手段と、を備え、前記連結手段が、前記コンクリート基礎部よりも突出せず、且つ前記第2固定部材と接続できるように、前記連結手段を前記コンクリート基礎部に埋め込み可能とした。
付記2の固定具は、付記1に記載の固定具において、前記連結手段及び前記第1固定部材を、前記連結手段と前記設置面との相互間の距離を調整可能に構成した。
付記3の固定具は、付記1又は2に記載の固定具において、請求項1又は2に記載の固定具において、前記連結手段は、本体部と、前記本体部を前記設置面に対して支持するための複数の支持部と、を備え、前記本体部及び前記複数の支持部を、前記設置面と前記本体部との相互間の距離を調整可能に構成した。
付記4の固定具は、付記3に記載の固定具において、前記複数の支持部を、前記本体部の芯出しを行うことが可能な位置に設けた。
付記5の固定具は、付記1から4のいずれか一項に記載の固定具において、前記取付対象は、柱体を含む。
付記6の取付対象の固定方法は、設置面に設置されるコンクリート基礎部に取り付けられる取付対象を、付記1から付記5に記載の固定具を用いて前記コンクリート基礎部に固定するための固定方法であって、前記固定具の第1固定部材を所定位置に設ける設置工程と、前記第1固定部材に、前記固定具の連結手段を接続する接続工程と、前記第1固定部材を外部に露出させないと共に、前記連結手段が前記コンクリート基礎部よりも突出せず、且つ前記固定具の第2固定部材と接続できるように、前記コンクリート基礎部のコンクリートを打設する打設工程と、前記打設工程において打設された前記コンクリートが硬化した後に、前記第2固定部材を前記連結手段に接続すると共に、前記取付対象を前記第2固定部材に取り付けることにより、前記取付対象を前記コンクリート基礎部に固定する固定工程と、を含む。
(付記の効果)
付記1に記載の固定具によれば、外部に露出しないようにコンクリート基礎部に埋め込まれる第1固定部材と、取付対象をコンクリート基礎部に取り付けるための第2固定部材と、第2固定部材とは別体に形成された連結手段であって、第1固定部材と第2固定部材とを連結するための連結手段と、を備え、連結手段が、コンクリート基礎部よりも突出せず、且つ第2固定部材と接続できるように、連結手段をコンクリート基礎部に埋め込み可能としたので、従来技術(コンクリート基礎部に埋め込まれたアンカーボルトの一部が外部から露出している技術)に比べて、第1固定部材及び連結手段をコンクリート基礎部に設置してから取付対象をコンクリート基礎部に取り付けるまでの間において作業者が作業する際に、作業者が第1固定部材及び連結手段と接触することを回避でき、作業者の安全性及び作業性を向上できると共に、第1固定部材及び連結手段の破損等を防止できる。また、コンクリート基礎部が施工された後の任意のタイミングで取付対象を第2固定部材を介してコンクリート基礎部に取り付けることができ、状況に応じた取付対象の取り付けを行うことができる。
付記2に記載の固定具によれば、連結手段及び第1固定部材を、連結手段と設置面との相互間の距離を調整可能に構成したので、連結手段及び第1固定部材によって連結手段と設置面との相互間の距離を調整できる。よって、設置状況に応じて連結手段の上下方向の位置を容易に変更でき、固定具の設置精度を高めることができる。
付記3に記載の固定具によれば、本体部及び複数の支持部を、設置面と本体部との相互間の距離を調整可能に構成したので、本体部及び複数の支持部によって設置面と本体部との相互間の距離を調整できる。よって、設置状況に応じて本体部の上下方向の位置を容易に変更でき、固定具の設置精度を一層高めることができる。
付記4に記載の固定具によれば、複数の支持部を、本体部の芯出しを行うことが可能な位置に設けたので、本体部の芯出しを容易且つ正確に行うことができ、固定具の設置精度をさらに一層高めることができる。
付記5に記載の固定具によれば、取付対象が柱体であるので、第1固定部材及び連結手段をコンクリート基礎部に設置してから柱体をコンクリート基礎部に取り付けるまでの間において作業者が作業する際に、作業者が第1固定部材及び連結手段と接触することを回避しやすくなるため、作業者の安全性及び作業性を向上できると共に、第1固定部材及び連結手段の破損等を防止できる。
付記6に記載の取付対象の固定方法によれば、設置工程及び接続工程の後に、第1固定部材を外部に露出させないと共に、連結手段がコンクリート基礎部よりも突出せず、且つ固定具の第2固定部材と接続できるように、コンクリート基礎部のコンクリートを打設する打設工程と、打設工程において打設されたコンクリートが硬化した後に、第2固定部材を連結手段に接続すると共に、取付対象を第2固定部材に取り付けることにより、取付対象をコンクリート基礎部に固定する固定工程と、を含むので、打設工程が行われてから固定工程が行われるまでの間において作業者が作業する際に、作業者が第1固定部材及び連結手段と接触することを回避でき、作業者の安全性及び作業性を向上できると共に、第1固定部材及び連結手段の破損等を防止できる。また、打設工程が行われた後の任意のタイミングで取付対象を第2固定部材を介してコンクリート基礎部に取り付けることができ、状況に応じた取付対象の取り付けを行うことができる。
1 コンクリート基礎部
2 設置面
10 床部
20 取付対象
21 取付対象本体
22 ベース部
23 挿通孔
30 固定具
40、40a~40l 第1固定部材
41 ネジ加工部
50、50a~50l 第2固定部材
51 第1ナット部
52 第2ナット部
60 連結部
70 本体部
71、71a~71l 接続部
72 第1拘束部
73 第2拘束部
80、80a~80d 支持部

Claims (4)

  1. 設置面に設けられるコンクリート基礎部に取り付けられる取付対象を、当該コンクリート基礎部に固定するための固定具であって、
    外部に露出しないように前記コンクリート基礎部に埋め込まれる第1固定部材と、
    前記取付対象を前記コンクリート基礎部に取り付けるための第2固定部材と、
    前記第2固定部材とは別体に形成された連結手段であって、前記第1固定部材と前記第2固定部材とを連結するための連結手段と、を備え、
    前記連結手段は、
    本体部であって、前記第1固定部材及び前記第2固定部材と接続される接続手段と、前記接続手段の移動を拘束する第1拘束手段とを有する本体部と、
    前記本体部を前記設置面に対して支持するための複数の支持部と、を備え、
    前記連結手段が、前記コンクリート基礎部よりも突出せず、且つ前記第2固定部材と接続できるように、前記連結手段を前記コンクリート基礎部に埋め込み可能とし、
    前記第1固定部材の上側部分にネジ加工が施され、且つ前記接続手段が、前記第1固定部材の上側部分及び前記第2固定部材に対して螺合構造によって着脱自在に接続可能なナット部材で構成されることにより、前記連結手段と前記設置面との相互間の距離を調整可能とし、
    前記複数の支持部の各々が全ネジボルトで構成され、且つ前記第1拘束手段に複数設けられた第1の挿通孔であって、前記支持部を挿通する第1の挿通孔がネジ孔で構成されることにより、前記設置面と前記本体部との相互間の距離を調整可能とした、
    固定具。
  2. 前記本体部は、
    前記第1の挿通孔と、前記接続手段の下側部分を挿通する第2の挿通孔とを有する前記第1拘束手段と、
    前記第1拘束手段よりも上方に設けられ、且つ前記接続手段の移動を拘束する第2拘束手段であって、前記接続手段の上側部分を挿通する挿通孔を有する第2拘束手段と、を備える、
    請求項1に記載の固定具。
  3. 前記複数の支持部を、前記本体部の芯出しを行うことが可能な位置に設けた、
    請求項1又は2に記載の固定具。
  4. 前記取付対象が、柱体である、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の固定具。
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