以下、本開示の代替レシピ提示装置についてその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。なお以下の実施の形態では、本開示の代替レシピ提示装置として機能するレシピ提示装置を含み、クライアント装置を介してユーザに対して推奨レシピを提示するレシピ提示システムを挙げて説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1におけるレシピ提示システム100の構成を示すブロック図である。レシピ提示システム100はレシピサーバ装置1に対し、ユーザが用いる第1クライアント装置2、及びサービス提供者側で用いられる第2クライアント装置3がWebベースで情報をやりとりするクライアント・サーバシステムである。レシピサーバ装置1と、第1クライアント装置2及び第2クライアント装置3との間は、ネットワークNを介して通信接続が可能である。
レシピサーバ装置1は、レシピ提示システム100に基づくサービス提供者が管理するサーバコンピュータである。レシピサーバ装置1は基本的に、レシピDB101に記憶されているレシピをユーザの検索操作に応じて提示するか、又は検索履歴に基づいてレコメンドレシピを提示する機能を有している。そしてレシピサーバ装置1は、後述する処理によって、提示されたレシピに対して代替レシピを提示する機能を発揮する。レシピサーバ装置1は、制御部10、記憶部11、一時記憶部12及び通信部13を備える。なお本開示の実施形態では、レシピサーバ装置1は1台のサーバコンピュータとして説明するが、複数のサーバコンピュータで処理を分散させた構成としてもよい。例えば、機能別に処理を分散させてもよいし、また、同一の機能を持つ複数のレシピサーバ装置1を、第1クライアント装置2の属性(ハードウェア属性、ユーザ属性、装置の位置、ネットワーク等)毎に対応させて分散させるようにしてもよい。
制御部10は、CPU(Central Processing Unit )等を用いたプロセッサである。制御部10は、記憶部11に記憶されているレシピ提示プログラム11Pに基づく情報処理を実行する。制御部10は、図示しないWebサーバプログラムに基づき、第1クライアント装置2又は第2クライアント装置3へのWebページの提供、Webサービスへのログインの受け付け等を実行するWebサーバとしても機能する。一時記憶部12は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)の揮発性メモリを用いて制御部10の処理により生成される情報を一時的に記憶する。
記憶部11は、例えばハードディスク又はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを用いる。記憶部11には、上述したようにレシピ提示プログラム11P、及びWebサーバプログラムが記憶されている。レシピ提示プログラム11Pは、レシピの登録受け付け処理、登録されたレシピに対する代替レシピの作成・登録処理、及びレシピの検索(抽出)処理を含む処理を制御部10に実行させるサーバプログラムである。また記憶部11には、制御部10が参照する情報が記憶されている。例えば、第1クライアント装置2及び第2クライアント装置3からのログインを受け付けるために、ユーザ又はオペレータ毎のアカウント情報を記憶している。そして記憶部11の内部又はレシピサーバ装置1とは異なる外部記憶装置に、レシピDB101が記憶されている。制御部10から読み出しが可能であれば、レシピDB101が記憶されている物理的な場所は、レシピサーバ装置1の内部又は外部のいずれであってもよい。レシピDB101の内容については後述する。
通信部13は、ネットワークNを介した通信接続及びデータ送受信を実現する通信デバイスである。具体的には、ネットワークNに対応したネットワークカード等である。
第1クライアント装置2は、レシピを検索するユーザが使用するコンピュータであり、所謂スマートフォン又はタブレット型の通信端末である。なお第1クライアント装置2は、デスクトップ型若しくはラップトップ型のパーソナルコンピュータであってもよい。第1クライアント装置2はこれらに限らないことは勿論である。第1クライアント装置2は、制御部20、記憶部21、一時記憶部22、表示部23、操作部24及び通信部25を備える。
制御部20は、CPUを用いたプロセッサである。制御部20は、記憶部21に記憶されている端末用プログラム2Pを含む各種プログラムに基づき制御処理を実行する。一時記憶部22は、例えばDRAM等の揮発性メモリを用いて制御部20の処理により生成される情報を一時的に記憶する。
記憶部21は、例えばハードディスク又はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを用いる。記憶部21には端末用プログラム2Pが記憶されている。なお端末用プログラム2Pは使用するユーザのアカウント情報が対応付けられたWebブラウザプログラムである。汎用コンピュータである第1クライアント装置2におけるレシピ検索の処理は、端末用プログラム2Pに含まれるアカウント情報で自動的にログインされた状態にてWebブラウザ上で実行される。なお端末用プログラム2PはWebブラウザプログラムには限られず、独自のレシピ検索の端末用プログラムであってもよい。
表示部23は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイを用いる。表示部23は制御部20のWebブラウザプログラムに基づく処理により、レシピサーバ装置1から提供されたWebページのイメージを表示する。なお表示部23は、好ましくはタッチパネル内蔵型ディスプレイであるが、非内蔵型であってもよい。なお一部の第1クライアント装置2には、物理的に離隔した位置に設けられたディスプレイ装置4が接続されており、このディスプレイ装置4にてレシピの内容が表示されるようにしてもよい。例えば店頭等、多数のユーザが目にする場所に設置されているデジタルサイネージ用途のディスプレイ装置4を用いてもよい。
操作部24は、表示部23のディスプレイ内蔵のタッチパネル、又は筐体に設けられた物理ボタンを用いる。なお操作部24は、制御部20と入出力が可能なキーボード及びポインティングデバイス、若しくは音声入力部等のユーザインタフェースであってもよい。操作部24は、ユーザによる操作情報を制御部20へ通知する。
通信部25は、無線通信デバイスを用いる。通信部25は、後述する基地局BSに接続する移動通信用の無線通信デバイス、アクセスポイントAPへの接続に対応する無線通信デバイスを含むとよい。通信部25は、キャリアネットワークN2又は公衆網N1と通信接続が可能な通信デバイスである。なお通信部25は、有線通信用のネットワークカード等の通信デバイスでもよい。
第2クライアント装置3は、レシピを登録するサービス提供者側のオペレータが使用するコンピュータであり、デスクトップ型若しくはラップトップ型のパーソナルコンピュータであることが望ましい。なお第2クライアント装置3は、第1クライアント装置2同様にスマートフォン又はタブレット型の通信端末であってもよい。第2クライアント装置3は、制御部30、記憶部31、一時記憶部32、表示部33、操作部34及び通信部35を備える。これらの構成部のハードウェアは、第1クライアント装置2における各構成部と同様であるから対応する符号を付して詳細な説明を省略する。ただし第2クライアント装置3の記憶部31には、ユーザのアカウント情報ではなくオペレータ用のアカウント情報が記憶されている。汎用コンピュータである第2クライアント装置3におけるレシピ登録受け付けの処理は、端末用プログラム3Pに含まれるアカウント情報で自動的にログインされた状態にてWebブラウザ上で実行される。なおオペレータ用の端末用プログラム3PはWebブラウザプログラムには限られず、独自のレシピ登録用プログラムであってもよい。
ネットワークNは、所謂インターネットである公衆通信網N1と、所定の移動通信規格による無線通信を実現するキャリアネットワークN2とを含む。キャリアネットワークN2には基地局BSが含まれ、第1クライアント装置2は基地局BSからネットワークNを介したレシピサーバ装置1との通信接続を可能とする。公衆通信網N1にはアクセスポイントAPが接続されており、第1クライアント装置2はアクセスポイントAPからネットワークNを介してレシピサーバ装置1と通信接続することも可能である。
図2から図10は、レシピDB101の内容例を示す説明図である。レシピDB101はまず、レシピ内容をレシピIDに対応付けてデータベース化したレシピテーブルを含む。図2はレシピテーブルの内容例を示す説明図である。レシピテーブルの各レコードは、レシピID、レシピ名(メニューの名前)、レシピを出力するための情報(材料リスト及び各分量のテキスト、作り方のテキスト、栄養成分、並びにイメージ画像等を出力するための情報、例えばWebページ、pdf 等)を含む。図2では、Webページを例にして示しており、出力情報としてWebサーバ上のWebページのアドレスを記憶するようにしているが、実データの記憶場所を示す情報(ファイル名)であってもよい。またこのような出力用情報とは別に、図2の例で示すように、材料リストのテキスト、カロリー等の栄養価のテキストがレコードに含まれてもよい。更にレシピテーブルのレコードには図2に示すように、レシピ毎のカテゴリー、関連タグ、レシピの対象時期等が対応付けて記憶されていることが好ましい。図2の例においては、「野菜たっぷりメンチカツ」というレシピに対象時期として「夏季」が一例として対応付けられている。なお図2には、後述する処理によって作成される代替レシピのレシピIDが対応付けられて記憶されているレコード例が示されている。なお、レシピ毎に、該レシピに含まれる食材又は調理器具等のレシピの実施に必要なもののリスト、また作り方の工程のリストがレシピテーブルの各レコードに対応付けられており、リストの1つ1つに、関連が強い代替目的が対応付けられているとよい。図3は、レシピの材料及び工程のリストを示す説明図である。各材料及び工程に、代替食材又は代替工程の対応関係への関連が紐づけられている。図3の例では、後述の分別されたデータベースへの関連を示す情報が対応付けて記憶されている。
またレシピDB101は更に、例えば8つのグループに分別された第1DB1011、第2DB1012、第3DB1013、第4DB1014、第5DB1015、第6DB1016、第7DB1017、及び第8DB1018を含む。なお第1DB1011から第8DB1018は、物理的に異なるデータベースとして分けられている必要はなく、分別が可能であれば1つのデータベース内に含まれている構成としてもよい。これらは別のテーブルとして1つのデータベース内に含まれてもよい。また以下に例示する各データベースの内容は例示であって分類数も「8」とは限らないし、適宜設計されるとよい。
図4は、第1DB1011の内容例を示す説明図である。第1DB1011は例えば、アレルゲン毎の代替食材を記憶したデータベースであり、各アレルゲンについて、食材に対する代替食材が対応付けられて記憶されている。図4では例えば、鶏卵については、豆腐という代替食材が対応付けられている。またマヨネーズという食材に対し、代替食材として用途(備考)によって異なる代替食材である卵無しマヨネーズ又は和風ドレッシングが対応付けられている。また小麦については、小麦粉という食材に対し、代替食材として米粉が対応付けられ、パン粉という食材に対し、高野豆腐(粉砕工程を追加)が対応付けられている。なお対応関係には、分量の比率についても共に対応付けられているとよい。例えば製菓のときには小麦粉50g には、米粉45g (1割減)が対応するなど、食材によって、またレシピのカテゴリー(おかず、お菓子等)、工程の種別(焼く、蒸す等)によって代替する場合に分量(重量)が異なる場合にその比率が対応付けられているとよい。また代替食材の場合には他の食材(水分、油分に対応するもの)の追加が必要な場合は共に対応付けられているとよい。例えば第1DB1011を使用して代替食材を抽出するとすれば、図3のレシピの材料のリスト中の第1DB1011への関連が紐づけられている食材について代替食材を対応関係から抽出することが可能である。
図5は、第2DB1012の内容例を示す説明図である。第2DB1012は例えば、食材毎、又はレシピ完成メニュー毎のテクスチャ、香り、味覚の測定値のデータベースである。第2DB1012には、食材毎又は完成メニュー毎の官能検査の結果(評価値、表現)が記憶されていてもよい。図5では、第2DB1012はメニューテーブルと、食材テーブルとに分別されて記憶されている。メニューテーブルでは、相互に代替対象である3つのレシピ完成メニューのテクスチャについての数値A,B(例えば硬さ及び脆さを示す数値)、及び香りに関する数値(各成分毎の指標値、臭気寄与に係る指標値)が夫々示されている。食材テーブルでは、食材毎の数値が示されている。なお、これらの数値は各々完成メニュー又は食材について、硬さ、脆さなどサクサク感などの食感の評価の元となる物理量、においの評価の元となる物理量を、夫々1又は複数のセンサを用いて測定しておき、その測定結果に基づいて記憶されている。その他、舌触り、喉越し等のその他食感(モチモチ、プチプチ等)の評価の元となる粘り等の物理量、又は、味覚の評価の元となる苦み成分、甘味成分、旨み成分、塩味、酸味、若しくは渋み成分等に対応する物理量等が測定されてもよい。なおセンサは粒度測定装置、強度試験機、臭い識別装置、質量分析装置等を用いるとよく、食感測定装置として利用されているものを使用してもよい。官能検査については、評価を示す項目毎の評価値(点数)、又は表現(食感等)を記憶しておくとよい。
図6は、第3DB1013の内容例を示す説明図である。第3DB1013は例えば、食材毎の栄養価を記憶したデータベースである。第3DB1013は、図6に示すように、メニューテーブルと食材テーブルとに分別されており、各々レシピ完成メニュー毎、又は食材毎の栄養価、例えば52項目についての栄養価が記憶されている。なお食材テーブルには、食材同士を第1群から第6群までの食品群、更に食品群を種別、又は肉であれば部位夫々で食材を分けて種別で分けるなどしておく。例えば鶏肉であればモモ肉、胸肉、ひき肉、キモなどと食材を分け夫々の栄養価を対応付けて記憶しておく。この場合、モモ肉は、「第1群」の「肉」に所属し、更に「鶏肉」に所属する。同じ鶏肉であっても、モモ肉よりも胸肉の方がカロリー、脂質が低いなどと同一の所属間で用途に応じて選別が可能である。
図7は、第4DB1014の内容例を示す説明図である。第4DB1014は例えば、地域、季節等を考慮したグループに分けられた食材のデータベースである。図7に示す内容例では、代替可能な食材同士をグループに分別し、各グループの食材を季節又は月毎に分けて記憶している。図7の例であれば主に葉物野菜、例えばキャベツという食材に関しては、レタス、サラダ菜、白菜等が同グループに含まれており、季節に応じた代替食材として記憶してある。その他、季節毎、地域毎に代替可能な食材同士をグループに分別したものを記憶しておいてもよい。また第4DB1014には、各時点における食材毎の豊作・不作の情報、価格高騰の情報を適宜更新するように記憶しておき、不作の場合、及び価格が所定割合以上高騰している場合に、他の代替食材が適切に抽出されるようにしてもよい。
図8は、第5DB1015の内容例を示す説明図である。第5DB1015は例えば、信仰、信念に応じた代替食材を対応付けたデータベースである。図8に示す内容例では、信仰に関しては豚肉に対し羊肉が対応付けて記憶されている。信仰に対してはその宗派等によって詳細に細かく分けられているとよい。ベジタリアンに関してはグルテンミートが対応付けて記憶されている。なお図8の例では、豚肉に対してグルテンミート、(ポーク)ハムに対してソイハムが対応付けられている。
図9は、第6DB1016の内容例を示す説明図である。第6DB1016は例えば、健康状態毎に抑制しなければならない食品成分を記憶したデータベースである。図9で示す内容例では、高血圧の場合にはカロリー、カリウム、及び塩分の一回の食事当り摂取量の目安、肥満の場合には、カロリー及び脂質の目安、妊娠中である場合には葉酸の目安が記憶されている。第6DB1016と第3DB1013の成分表とを参照することで、代替食材の抽出が可能である。
図10は、第7DB1017の内容例を示す説明図である。第7DB1017は例えば、調理工程の代替条件を示すデータベースである。図10で示す内容では、調理器具の有無又は調理方法間の代替条件毎の代替工程への対応関係が対応付けられている。例えば図10では、揚げるという調理方法から焼くという調理方法とする条件では、フライパンで焼くのか、オーブンで焼くのかに応じて、後述の第8DB1018のいずれの対応関係を参照すべきかを示している。同様にして、蒸し器の有り無しの条件に対し、フライパンを用いるのか、オーブンを用いるのかに応じて、第8DB1018のいずれの対応関係を参照すべきかを示している。また、条件によっては他の既に存在するレシピを代替レシピとすることを示す情報が対応付けられている。なお、図7DB1017を参照するトリガは、図3で示した「工程リスト」中の「揚げる」などの調理法方法に対応する文言に含む工程に、第7DB1017への関連を示す情報が記憶されていることが用いられる。例えばカロリーオフを代替目的とした代替レシピにて「揚げる」調理方法を「焼く」調理方法へ変換する場合に、第7DB1017への関連を示す情報が記憶された工程に対しては、「焼く」調理方法へ代替する場合に、図8DB1018における対応する代替工程への対応関係を参照して変換する。調理器具の有無については、代替レシピ作成時に条件を入力させてもよいし、後述の属性情報にて条件を記憶しておき、これを参照していずれの対応関係を参照するかを特定することが可能である。
図11は、第8DB1018の内容例を示す説明図である。第8DB1018は例えば、作り方に含まれる工程に対する代替工程への代替関係を示すデータベースである。図11で示す内容例では、代替工程と代替方法とが各々の対応関係を識別する番号(No.)に対し対応付けられている。なお代替前の工程は、各レシピの作り方の工程リストに含まれる工程文言が対応する。具体例を挙げれば、図3のミンチカツのレシピに含まれる工程No.1の工程文言には、第8DB1018のNo.1が対応する。みじん切りにして炒めるという工程から、炒めるという工程を省くことで、カロリーを抑制させた代替レシピの作成が可能になる。代替工程の<食材>の部分には元のレシピの食材又は代替食材が挿入されるようにするとよい。なお、工程文言全てに対し、代替工程の工程文言が対応付けられていてもよく、予め登録されていない工程については、そこから類似する変換を推定して行なうようにしてもよい。代替工程の文言は、代替条件(衣用途、つなぎ用途)などに応じて代替される文言が異なるので、条件毎に対応関係が示されているとよい。
図12は、実施の形態1における代替レシピ作成・登録の処理手順の一例を示すフローチャートである。オペレータは、第2クライアント装置3を用い、そのオペレータに対し発行されているアカウント情報に基づきレシピサーバ装置1が提供するWebサービス内にログインすることで、レシピを登録することが可能である。レシピの登録は、レシピ名、材料リスト、各材料の分量等の図2に示したレコードの各項目に対応するテキスト又は数量などのデータを入力することで実行される。
これに対しレシピサーバ装置1では、以下のような処理を行なう。制御部10は、第2クライアント装置3からレシピの登録を受け付ける(ステップS101)。ステップS101の詳細な処理例としては、制御部10は上述した各項目に対応するテキスト又は数量の入力結果を第2クライアント装置3に表示させているWebページ内のフォームを介して受信し、レシピの通し番号等の識別情報を付与してレシピDB101のレシピテーブルに記憶して実現する。
制御部10は、登録されたレシピについて、代替レシピへの変換指示を受け付ける(ステップS102)。変換指示は、レシピ登録時のオプションとして登録と共に既に受け付けてもよいし、登録後にWebページ上に代替レシピへの変換を行なうか否かを受け付けるようにしてもよい。制御部10は、変換する代替レシピのカテゴリーの選択を受け付ける(ステップS103)。変換を行なうか否かの選択を受け付ける場合には、変換を行なう選択がされた場合に初めてステップS103のカテゴリーの選択を受け付けるようにするとよい。なお実施の形態1では、ステップS103におけるカテゴリーの選択肢の一例として、カロリーオフレシピ、及びアレルゲン除去レシピを挙げて説明する。
制御部10は、変換指示に応じて選択されたカテゴリー(分類)に応じて、第1DB1011から第8DB1018の内のいずれか一部又は全部のデータベースを適宜選択する(ステップS104)。例えば、選択されたカテゴリーがカロリーオフレシピである場合は、第3DB1013を選択する。この場合登録された食材と同一の所属内でよりカロリーが低い代替食材を抽出することができる。また、第3DB1013のみならず第2DB1012も選択することで、カロリーがより低い代替食材の内、テクスチャ、香り、味覚等が類似する代替食材を抽出することができる。また第2DB1012を用いて、基本のレシピの完成メニューの測定値に類似する測定値を持つ他のメニューのレシピに含まれる代替食材を抽出するようにしてもよい。また選択されたカテゴリーがアレルゲン別除去レシピである場合は第1DB1011を優先して選択する。なお、レシピDB101が複数のデータベースに分けられていない場合は、制御部10は分別されているカテゴリーのいずれを優先的に参照すべきかを選択すればよい。
制御部10は、選択したデータベースを参照して、ステップS101で登録されたレシピに含まれている材料の代替食材を抽出する(ステップS105)。ステップS104で制御部10は、カロリーオフレシピを代替レシピとして作成する場合、例えば、材料リストの中の「合いびき肉」に対し、第3DB1013内で同一のグループに所属している「合いびき(赤身)」とカロリーを比較し、カロリーがより低い方の「合いびき(赤身)」を代替食材として抽出する。なおステップS104において制御部10は、代替食材がデータベースに登録されているものを抽出し、例えば調味料、代替食材がないもの等についてはそのままとする。材料リストの中で分類が関連付けられていない食材の処理を省略してよい。なおアレルゲンの場合はそのまま除去してもよい。またステップS104で制御部10は、アレルゲン別除去レシピを代替レシピとして作成する場合、第1DB1011からアレルゲン別に、アレルゲン対象材料に対応付けられている代替食材を抽出する。
制御部10は、抽出された代替食材に基づき代替レシピを作成する(ステップS106)。このとき制御部10は、第7DB1017及び第8DB1018を参照し、適宜調理方法及び調理器具を変更しながらレシピに含まれる作り方の変換を行なうとよい。そして制御部10は作成した代替レシピにレシピIDを付与し、第3DB1013を参照して栄養価(熱量、栄養素毎の含有量等)を算出し(ステップS107)、レシピDB101のレシピテーブルに代替レシピのレコードを追加する(ステップS108)。
ステップS108において制御部10は、ステップS101で登録された基本のレシピに対する代替レシピであることを示す対応関係をレシピテーブルに記憶しておく(図2参照)。
そして制御部10は、作成した代替レシピを出力するための情報(Webページ、pdf 等)を作成して、登録元の第2クライアント装置3又は管理者が使用する第2クライアント装置3へ向けて通知し(ステップS109)、処理を終了する。
なおステップS108では、作成された代替レシピについてステップS109における通知に対し、オペレータ又は管理者からの承認を受けてからレシピテーブルに追加することが望ましい。そしてこの場合、作成された代替レシピについて、完成メニューのテクスチャ、香り、味覚の測定値を測定し、第2DB1012に追記することが望ましい。
なお、図12のフローチャートに示した処理手順は、図13の代替レシピの抽出処理手順(例えばステップS204の後)にてリアルタイムに実行されるようにしてもよい。
図13は、代替レシピの抽出処理の詳細な手順の一例を示すフローチャートである。第1クライアント装置2を使用するユーザが端末用プログラム2P(汎用Webブラウザプログラム)を起動すると、第1クライアント装置2の表示部23にはポータルページが表示される。ポータルページには、レシピの検索フォームが含まれているとよい。この検索フォームにユーザが操作部24によってキーワードを入力するなどした場合、レシピサーバ装置1では以下の処理が実行される。
制御部10は、レシピDB101に登録されている基本のレシピから、入力されたキーワード、又は各時点でのランキング等に基づきレシピのレシピIDを抽出する(ステップS201)。ステップS201にて制御部10は例えば、レシピ名、材料リストのテキスト、カテゴリー又は関連タグが、入力されたキーワードを含むレシピのレシピIDを抽出する。なおステップS201で抽出されるレシピから代替レシピが除外されるとよい。
制御部10は、抽出した複数のレシピのリストの情報を作成し(ステップS202)、第1クライアント装置2へ送信する(ステップS203)。ステップS202では例えば制御部10は、抽出したレシピ夫々のレシピIDに対応付けて記憶されているWebページをリンク先としたレシピリストを含むWebページを作成する。このWebページには、レシピの検索ランキング、季節毎のお勧めレシピ等を表示するためのWebページへのリンクが各々選択可能に表示されるように含まれていることが好ましい。
制御部10は、送信したレシピリストの情報から、いずれかのレシピの選択を受け付ける(ステップS204)。制御部10は、選択されたレシピのレシピIDを特定し、レシピDB101のレシピテーブルから、特定されたレシピIDに対応付けられている代替レシピのレシピIDを抽出する(ステップS205)。なおステップS205において制御部10は、特定されたレシピIDに対して複数の代替レシピが対応付けられている場合に、第2DB1012を参照して、選択されたレシピに対してテクスチャ、香り、味覚の測定値が類似する代替レシピを優先的に抽出するとよい。
次に制御部10は、ステップS204で選択されたレシピのレシピIDに対応付けて記憶されているレシピを出力するための情報を作成し、第1クライアント装置2へ送信する(ステップS206)。実施の形態1ではレシピはWebブラウザ上で表示させるから、制御部10はレシピを表示するためのWebページを作成する。具体的には制御部10は、レシピDB101のレシピテーブルから、選択されたレシピのレシピIDに対応付けられているWebページを読み出し、該ページに、ステップS205で抽出された代替レシピを表示するためのWebページへのインタフェースを追加する。これにより、検索に応じて基本のレシピが第1クライアント装置2の表示部23にてWebブラウザ上に表示される。基本のレシピを含むページには、上述のように代替レシピを表示させるためのインタフェースが含まれている。
制御部10は、代替レシピの表示が指示されたか、即ち代替レシピを表示させるためのインタフェースが選択されたか否かを判断する(ステップS207)。選択されたと判断された場合(S207:YES)、制御部10は選択されたインタフェースに対応する代替レシピのレシピIDに対応付けられているレシピ内容を出力するための情報(Webページ)を第1クライアント装置2へ送信し(ステップS208)、処理を終了する。選択されないと判断された場合(S207:NO)、そのまま処理を終了する。
なおステップS207,S208の処理手順においては、ユーザによるWebブラウザ上の操作に従う。基本のレシピを表示するページへ戻ったり、Webページの表示を中止したりする操作がされた場合、それに応じてWebページを表示させる。また基本のレシピを表示するページへ戻った場合、処理がステップS207へ戻され、制御部10はそのページから他の代替レシピのレシピIDが選択されたときには該他の代替レシピを出力するための情報を第1クライアント装置2へ送信する。
なおステップS206におけるレシピの出力情報は、上述の代替レシピの作成時に、この代替レシピの情報(リンク)を含む情報として更新されるようにしてもよい。
図14から図16は、表示画面例を示す説明図である。この図14から図16の説明図を参照して図12及び図13のフローチャートに示した手順について具体例を挙げて説明する。
図14は、検索された基本のレシピの表示例を示す説明図である。図14に示す表示例では、端末用プログラム2Pに基づき表示部23上に表示されているWebブラウザ画面230上で、ユーザが操作部24を用いて「メンチカツ」の検索を行なった結果として、「メンチカツ」のレシピが表示されている。表示されているレシピには、そのレシピIDに対応付けて記憶されているイメージ画像、材料のリスト、分量、作り方が含まれている。また表示されているレシピには、熱量(カロリー)、栄養成分の分布が含まれている。また図14に示す基本的なレシピのページには、代替レシピを表示するためのリンクボタン(インタフェース)2301及びリンクボタン2302が含まれている。図14の例ではカロリーオフレシピへのリンクボタン2301と、アレルゲン除去レシピへのリンクボタン2302とが含まれている。制御部10は、図14に示す表示画面のためのWebページを作成するに際し、「メンチカツ」の基本レシピ(レシピID:0012345 )に「カロリーオフ」レシピとして対応付けられているレシピID(0034567 )のWebページのアドレス情報をリンクボタン2301に対応付ける。同様にして制御部10は、「メンチカツ」の基本レシピ(レシピID:0012345 )にカテゴリーが「小麦粉除去」又は「卵除去」等のレシピとして対応付けられているレシピID(0034568, 0034570, …等)のWebページのアドレス情報をリンクボタン2302に対応付ける。
図15は、代替レシピの表示例の1つを示す説明図である。図15の表示例は、図14で表示されているリンクボタン2301及びリンクボタン2302の内、カロリーオフレシピへのリンクボタン2301が選択された場合に表示される内容例である。この場合制御部10は、レシピID(0034567 )に対応付けられているレシピの出力情報(Webページ)を第1クライアント装置2へ送信し、第1クライアント装置2ではこれを元にレシピを表示部23のWebブラウザ画面230に表示する。代替レシピについても、そのレシピIDに対応付けて記憶されているイメージ画像、材料のリスト、分量、作り方、熱量(カロリー)、栄養成分の分布が表示されている。
なお図15には、代替レシピの出力情報に基づくWebページに、基本のレシピへ戻るリンクボタン2309が含まれる例を示しているが関連するレシピとして基本のレシピ(図14)、及び他の代替レシピ(図16)へのリンクを含むようにしてもよい。
図16は、代替レシピの表示例の他の1つを示す説明図である。図16の表示例は、図14で表示されているリンクボタン2301及びリンクボタン2302の内、リンクボタン2302が選択された場合に表示される内容例である。なおアレルゲン除去レシピのリンクボタン2302が選択された場合、異なるアレルゲン別に、更にレシピの選択が受け付けられることが好ましい。具体的に制御部10は、図13のフローチャートに示した手順の内、ステップS206において、レシピテーブル(図2)に基づき図14の「メンチカツ」の基本レシピ(レシピID:0012345 )に対応付けられているレシピID(0034568, 0034570, …等)のレシピの内、アレルゲン除去の関連タグが対応付けられているレシピのリストの画面を作成する。作成された画面から、第1クライアント装置2にていずれかのレシピの選択が受け付けられる。第1クライアント装置2は選択されたレシピのレシピIDを含むレシピの情報をレシピサーバ装置1へ要求し、これに応じてレシピサーバ装置1の制御部10は、選択されたアレルゲン除去の代替レシピの出力情報(Webページ)を第1クライアント装置2へ送信する。
図16の例では、除去対象のアレルゲンとして「小麦」が選択された場合に表示される画面を示している。図13のフローチャートの内のステップS205において上述したように、制御部10は、第2DB1012を参照してテクスチャ、香り、味覚の測定値が選択されたレシピと類似する代替レシピを優先的に抽出する。図14の「メンチカツ」の基本レシピ(レシピID:0012345 )に対し、アレルゲン除去の関連タグが対応付けられており、しかも「小麦除去」が対応付けられている代替レシピは、図2及び図5を参照すれば、「メンチカツ(小麦粉・卵不使用)」及び「メンチカツ(小麦粉不使用)」の2つである。制御部10は、この2つの代替レシピの内、「揚げる(揚げ物)」というカテゴリーについてはテクスチャA,Bが類似するものを優先的に抽出する。第2DB1012の図5の内容例を参照すれば、「メンチカツ」の基本レシピ(レシピID:0012345 )に対しては、同じ小麦除去の代替レシピであっても、卵も除去した「メンチカツ(小麦粉・卵不使用)」の代替レシピの方が、テクスチャ(特にテクスチャB)が類似していると言える。したがって制御部10は、小麦除去の代替レシピとして、「メンチカツ(小麦粉・卵不使用)」の代替レシピ(レシピID:0034568 )を抽出して対応付けている。したがって、図14の画面の内のリンクボタン2302が選択された場合、図16に示すように「卵」及び「小麦粉」のいずれをも除去されたレシピの例が示されている。
なお図14の画面中、アレルゲン除去レシピのリンクボタン2302が選択された場合、アレルゲンのいずれを除去すべきかの選択を受け付け、選択されたアレルゲンに応じたレシピのリストの画面を作成して第1クライアント装置2で表示させるようにしてもよい。
また図16の例では、代替レシピの出力情報に基づくWebページに、基本のレシピへ戻るリンクボタン2309が表示されていると共に、「他の代替レシピ」へのリンクボタン2308も表示されている。このリンクボタン2308が選択された場合には、元の基本のレシピに対応するアレルゲン除去の関連タグが対応付けられているレシピのリストの画面が表示されるか、又は表示させているレシピと同一のアレルゲンを除去している他の代替レシピのリストが表示されるとよい。
このようにして、実施の形態1では基本のレシピがレシピDB101に登録される際に、多様なデータベースの内のいずれか1つ又は複数が適宜選択され、その選択されたデータベースを基に代替レシピが1つ又は複数作成されて登録される。したがって、代替可能な食材を単純に用いた代替レシピとは異なり、代替目的、カテゴリー、テーマ等の分類によって異なる代替レシピの検索が可能になる。例えば、第1DB1011の代替食材を選択した場合、アレルゲンを含む食材の代替食材を抽出することができるから、例えば「パンケーキ」に対し、小麦粉を使用しない「米粉のパンケーキ(小麦不使用)」の代替レシピを作成することができる。第5DB1015を選択したい場合、信仰によって異なる代替食材を抽出することができるから、「豚の生姜焼き」のレシピに対し、豚肉の代わりに羊肉を使用した「羊肉の生姜焼き」のレシピを作成することができる。第6DB1016を選択した場合、基本的なレシピに対して健康状態に応じて代替食材を抽出するための指標を得ることができるから、適切な代替レシピを作成することが可能になる。
また本実施の形態における代替レシピは、同一グループ内での代替、地域性・季節性の差異に対応する代替、又は栄養価による代替を、甘味、辛味、香り、弾力、食べ応え等について物理量が類似する代替食材を優先的に使用することで実現することもできる。このため、基本のレシピに対して再現性が高く、満足度の高い代替レシピを提示することが可能になる。そして代替レシピが登録されるに際し、オペレータによって代替レシピによるメニューによる完成品の甘味、辛味、香り、弾力、食べ応えを測定し、その結果を第2DB1012のメニューテーブルに登録しておくことで、代替レシピの検索時にその検索の目的に応じた類似の代替レシピを抽出することが可能になる。
なお実施の形態1では、第1クライアント装置2からのレシピ検索の処理を、端末用プログラム2Pに含まれるアカウント情報で自動的にログインされた状態にてWebブラウザ上で実行することとした。しかしながら、ログインされた状態ではなく不特定多数のWebブラウザを使用するクライアント装置からの検索に対し、レシピサーバ装置1にて、レシピDB101に記憶されているレシピ群の一部又は全部からレシピの抽出及び代替レシピの提示が実行される構成としてもよい。
(変形例)
上述したように表示部23に代替して、ディスプレイ装置4にレシピの内容を表示させてもよいとした。例えば、食品を扱う店舗にディスプレイ装置4を設置する。店舗への流通事情にて、レタスが高騰しているか、又はレタスが不作である代わりにサラダ菜の仕入れがよいとする。店舗管理者は、サラダ菜を用いたレシピを提示させて販売を促進させたいと考える。この場合店舗管理者は、第1クライアント装置2を用い、第4DB1014に登録されているその店舗へ仕入れ可能なレタスの産地に対応する地域テーブルからレタスの高騰に応じた代替食材としてサラダ菜を抽出し、このサラダ菜を用いた代替レシピ「サラダ菜チャーハン」を作成することができる。このとき、レシピサーバ装置1からは、複数の代替食材の候補が提示され、この候補から、操作を行なう店舗管理者が選択できるようなインタフェースが提供されるとよい。そして第1クライアント装置2は、作成された代替レシピのイメージをディスプレイ装置4に表示させる。なお、高騰、入手困難等の流通事情の情報を記録した第4DB1014は、一部第1クライアント装置2の側で記憶部21にローカルに保持しておき、この情報を用いてその地域におけるローカルな流通事情に応じた代替レシピを作成することも可能である。
(実施の形態2)
実施の形態2では、レシピの検索を行なうユーザのアカウント情報夫々に対し、健康状態、アレルゲン、又はその他の項目に対する属性情報が登録され、登録された属性情報に応じてユーザ個々に対する適切なレシピを自動的に提示する。実施の形態2におけるレシピ提示システム100の構成の内、以下に説明する詳細な処理手順以外のハードウェア構成については実施の形態1と同様である。したがって以下の説明の内、実施の形態1と共通する構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
まず、ユーザのアカウント情報の登録について説明する。ユーザがレシピ提示システム100によって提供されるWebサービスへの登録を行なう場合、レシピサーバ装置1は、アカウント情報の登録受け付け用のWebページを、ユーザが使用する第1クライアント装置2へ送信する。第1クライアント装置2では、ユーザは汎用のWebブラウザプログラムに基づいて表示部23に、登録受け付け用のWebページが表示される。登録受け付け用のWebページでは、ユーザ名、メールアドレス、及びパスワード等の認証情報を含むアカウント情報の入力を受け付ける。このとき制御部10は個別のユーザIDを発行してアカウント情報に追加し、更に、上述の登録受け付け用のWebページを表示させているWebブラウザプログラムのcookieをユーザIDに対応付けて記憶し、表示履歴、検索履歴等をユーザ毎に記憶部11に記憶しておくことが好ましい。認証情報、アカウント情報はユーザ名、メールアドレス、パスワードに限らない。電話番号、又は生体情報などユーザを特定できる情報であればよい。またアカウント情報は、他のサービスへログインするための情報を使用し、他のサービスとの連動を可能としてもよく、オープンIDを用いてもよい。
そしてアカウント情報の入力を受け付けた後、制御部10は、更に健康状態等の属性情報の登録を受け付ける。図17は、アカウント情報に対応付けられる属性情報の内容例を示す説明図である。図17は、表示部23のブラウザ画面230上に表示される属性情報の登録受け付け画面例にて属性情報の内容例を示している。図17に示すように、ユーザの健康状態を属性情報として選択することが可能な第1選択部2311と、ユーザのアレルギーの有無及び避けるべきアレルゲンを属性情報として選択することが可能な第2選択部2312とが必ず表示される。第1選択部2311及び第2選択部2312に含まれる選択肢がいずれも選択されない場合があってもよい。属性情報の登録受け付け画面には、図17に示すように「登録」のリンクボタン2319が表示されており、ユーザが操作部24を用いてこのリンクボタン2319を選択した場合、第1選択部2311及び第2選択部2312にて選択されている項目の内容がレシピサーバ装置1へ、アカウント情報(ユーザID、cookie等)と共に送信される。これに応じてレシピサーバ装置1では制御部10が、ユーザのアカウント情報に対応付けて、第1選択部2311及び第2選択部2312で選択された健康状態及びアレルギーの有無の情報を属性情報として記憶する。なお第1選択部2311及び第2選択部2312のいずれか一方又は両方で、選択肢がいずれも選択されない場合、制御部10は、ユーザのアカウント情報に対応する属性情報を、疾病等無し若しくはアレルギー無し、又は疾病等及びアレルギーのいずれも無しとして記憶する。
図17には、健康状態及びアレルギーに係る項目以外に、信仰等によって食べられない食材、苦手な食材等の項目を属性情報として選択することが可能な第3選択部2313が例示されている。また図17には、代替レシピの検索の目的を選択することが可能な第4選択部2314と、ユーザが住む地域を選択することが可能な第5選択部2315が例示されている。第3選択部2313から第5選択部2315は、第1選択部2311及び第2選択部2312と異なり、オプションとして選択されるべき項目であって、属性情報の登録受け付け画面に含まれていなくともよい。なお、属性情報として他には、使用可能な調理器具、家電であってもよい。
なお属性情報は、図17に示したような画面にて明示的に登録を受け付けるのみならず、他のサービスから情報を取得することが可能としてもよい。例えば他のサービスとアカウント情報を連動させている場合、他のサービスで享受したサービス内容と相関が高い代替目的に応じた代替レシピが抽出されるようにされるとよい。具体例であれば、オンラインショップでの買い物履歴から、食材、調理器具、健康グッズ等が認識され、この認識結果から、適切な代替食材及び工程を含む代替レシピが提示されるなどが可能である。また、アカウント情報に対応付けて表示履歴又はレシピに基づく料理の実践履歴から、アレルギーの有無、病歴、健康志向、嗜好等が学習され、ユーザに適した代替レシピが提示されるようにしてもよい。
このようにユーザのアカウント情報毎に、健康状態又はアレルギーに関する属性情報が登録された状態で、レシピサーバ装置1はユーザ個々に対する適切なレシピを自動的に提示する。図18は、実施の形態2における代替レシピの作成・抽出処理の手順の一例を示すフローチャートである。なお図18のフローチャートに示す処理手順の内、実施の形態1における図13のフローチャートに示した手順と共通する処理については同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。
実施の形態2における処理では、レシピサーバ装置1の制御部10はまず、代替レシピの提示対象、即ち検索を要求してきた第1クライアント装置2を使用するユーザのアカウント情報を特定する(ステップS210)。そして制御部10は、第1クライアント装置2からの検索キーワード、又はアカウント情報に対応付けて記憶されている検索履歴、若しくは表示履歴に基づいてレシピのレシピIDを抽出する(S201)。
そして抽出されたレシピIDに基づくレシピリストの中から、いずれかのレシピの選択を受け付けると(S204)、制御部10はステップS210で特定したアカウント情報に対応付けられている属性情報に基づき、第1DB1011から第8DB1018までのデータベースに対し、優先順位を付与する(ステップS215)。データベースの優先順位付与については後述する。なおステップS215における処理では、付与した優先順位に基づき、データベースを選択する処理としてもよい。
制御部10は、ステップS215で優先順位が高いデータベースを用いて、ステップS204で選択されたレシピに含まれている材料の代替食材を抽出する(ステップS216)。詳細には制御部10は、食材リストの各項目に関連付けられている分類の内、優先順位が高い分類のデータベースを参照して代替食材を抽出する。
制御部10は、ステップS216で抽出した代替食材に基づき、ステップS204で選択されたレシピに対する、ユーザに個別に向けた代替レシピを作成する(ステップS217)。制御部10は、作成した代替レシピにレシピIDを付与し、第3DB1013を参照して栄養価(熱量、栄養素毎の含有量等)を算出する(ステップS218)。
レシピサーバ装置1の制御部10は、作成した代替レシピを出力するための情報を用いながらステップS204で選択されたレシピのレシピIDに対応付けて記憶されているレシピを出力するための情報(Webページ)を作成し、第1クライアント装置2へ送信する(S206)。実施の形態2においてステップS206では、制御部10は、レシピDB101のレシピテーブルから、選択されたレシピのレシピIDに対応付けられているWebページを読み出す。制御部10は、読み出したWebページに、対応付けられているレシピ(カロリーオフレシピ、アレルゲン除去レシピ)を表示するWebページへのリンクと共に、ステップS217で作成された代替レシピを表示するためのWebページへのリンクを追加し、送信する。これにより、検索に応じて基本のレシピが第1クライアント装置2の表示部23にてWebブラウザ上に表示される。基本のレシピを含むページには、上述のように、第1クライアント装置2を使用するユーザに向けて個別に作成された代替レシピへのリンクが含まれている。
制御部10は、代替レシピが選択されたか否かを判断する(S207)。以後の処理は実施の形態1における処理手順と同様であるから同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。なお、ステップS215からステップS218までの代替レシピの作成処理は、ステップS207で代替レシピが選択されたタイミングで実行されるようにしてもよい。上述の処理によって、代替レシピ(代替食材)が抽出されないケースでは、何らかの相関を持つ他のレシピ、主な食材が共通する他のレシピ等、何らかのレシピが提示されるようにしてあるとよい。
図19は、データベースへの優先順位付与の処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、季節毎の代替食材に関する第4DB1014、食材又はメニュー毎の栄養価に関する第3DB1013に、順に優先順位を付与する(ステップS501)。この段階において、第4DB1014に付与されている優先順位が最も高く、第3DB1013に付与されている優先順位が次に高い。
制御部10は、選択されているレシピ(図18のステップS204)のカテゴリーがテクスチャを優先すべきメニューのレシピであるか否かを判断する(ステップS502)。例えば、選択されているレシピのカテゴリーが、サクサク感が重要視されるべき揚げ物であったり、フワフワ感が重要な洋菓子であったりする場合には、ステップS502にてテクスチャを優先すべきと判断される。ステップS502にて優先すべきメニューのレシピであると判断された場合(S502:YES)、制御部10は第2DB1012に高い優先順位を付与する(ステップS503)。この場合、第2DB1012に付与されている優先順位が最も高く、次いで第4DB1014、第3DB1013の順となる。
ステップS502にて優先すべきメニューのレシピでないと判断された場合(S502:NO)、制御部10は処理をそのままステップS504へ進める。この場合、第4DB1014に付与されている優先順位が最も高く、第3DB1013に付与されている優先順位が次に高いままとなる。
次に制御部10は、特定されているアカウント情報に対応付けられている属性情報として目的又は信仰が選択されているか否かを判断する(ステップS504)。ステップS504で目的又は信仰が選択されていると判断された場合(S504:YES)、制御部10は第5DB1015に最も高い優先順位を付与する(ステップS505)。この場合、第5DB1015に付与されている優先順位が最も高くなる。
ステップS504にて選択されていないと判断された場合(S504:NO)、制御部10は処理をそのままステップS506へ進める。なおこの場合、第5DB1015の参照は不要である。
そして制御部10は、特定されているアカウント情報に対応付けられている属性情報として健康状態に係る項目が選択されているか否かを判断する(ステップS506)。ステップS506で、高血圧、糖尿、腎臓病、あるいは妊娠中であるなどの状態のいずれかが選択されていると判断された場合(S506:YES)、制御部10は、健康状態に関する第6DB1016、及び栄養価の表である第3DB1013に最も高い優先順位に付与する(ステップS507)。この場合、第6DB1016に付与されている優先順位が最も高くなる。ステップS506でいずれも選択されていないと判断された場合(S506:NO)、制御部10は処理をそのままステップS508へ進める。またこの場合、健康状態に関する第6DB1016の参照は以下不要になる。
次に制御部10は、特定されているアカウント情報に対応付けられている属性情報としてアレルギーに係る項目が選択されているか否かを判断する(ステップS508)。ステップS508で、アレルギーに係る項目が選択されていると判断された場合(S508:YES)、制御部10は、アレルギーに関する第1DB1011に最も高い優先順位に付与する(ステップS509)。この場合、第1DB1011に付与されている優先順位が最も高くなる。そして制御部10は、図18のフローチャートにおけるステップS216へ処理を戻す。ステップS508でアレルギーに係る項目が選択されていないと判断された場合(S508:NO)、制御部10は、図18のフローチャートにおけるステップS216へそのまま処理を戻す。なおこの場合、アレルギーに関する第1DB1011の参照は不要である。
次に、実施の形態2における代替レシピの作成及び表示内容を、具体例を挙げて説明する。まず、あるユーザAのアカウント情報に基づき、属性情報として「高血圧、小麦アレルギー」という情報が対応付けられて記憶されているとする。この場合、図19のフローチャートに示した処理によって付与されたデータベースへの優先順位は、第1にアレルギーに関する第1DB1011、第2に健康状態に関する第6DB1016、第3に栄養価の表である第3DB1013、第4にテクスチャに関する第2DB1012、第5に季節、地域性に関する第4DB1014となる。
図20は、実施の形態2における表示画面例を示す説明図である。図20に示すように、アカウント情報を登録しているユーザがログイン状態で「メンチカツ」の検索を行なった場合、実施の形態1における図14に示した表示例に比して、推奨の代替レシピを選択するためのリンクボタン2303が追加されている。リンクボタン2303には、図18のフローチャートのステップS217により、第1クライアント装置2を使用するユーザに向けて個別に作成された代替レシピへのアドレス情報が対応付けられている。なお、図20に示すように、基本のレシピについての検索結果に対しては、実施の形態1同様に、「カロリーオフ」レシピへのリンクボタン2301、及び「アレルゲン除去」レシピへのリンクボタン2302に含まれている。なおリンクボタン2301,2302,2303の表示は図20に示した形態に限られないことは勿論であり、例えば、ログイン状態ではリンクボタン2303のみが表示されており、リンクボタン2303を選択したときにその属性に応じてリンクボタン2301,2302が表示されるようにしてもよい。
リンクボタン2303に対応付けられているアドレス情報によって表示されるWebページによって表示されるレシピは、以下のように作成される。
制御部10は、基本の「メンチカツ」のレシピに含まれる材料に対してまず最も優先順位が高い第1DB1011を参照し、アカウント情報に登録されている「小麦アレルギー」に基づき、「小麦」を含む食材、具体的には例えば「パン粉(つなぎ)」、「パン粉」を特定する。制御部10は「パン粉(つなぎ)」に対し、備考の「つなぎ」に基づき「片栗粉」を代替食材として抽出し、「パン粉」に対し、「高野豆腐(粉豆腐)」を代替食材として抽出する。制御部10は、基本のレシピに含まれる各材料の分量に対する比率に基づき、代替食材の分量を決定する。なお「高野豆腐(粉豆腐)」の備考欄に「粉砕工程追加」と記憶されているため、制御部10は「パン粉」を「高野豆腐」に代替する場合の対応工程を第8DB1018から参照して作り方に「高野豆腐をすりおろす」という工程を追加する。この場合、第8DB1018には「ブレンダですりおろす」という工程と、「おろしがねですりおろす」という工程とを別途記憶しておき、第7DB1017で器具の有無によって参照する対応関係を変更し、ブレンダが無いことが登録されている場合には「おろしがねですりおろす」という代替工程を抽出し、追加するようにしてもよい。この場合、より細やかなレシピが作成できる。
次に制御部10は、2番目に優先順位が高い健康状態に関する第6DB1016及び栄養価の表の第3DB1013を参照し、アカウント情報に登録されている「高血圧」に基づき、塩分及び熱量の制限、及び卵の回避推奨を特定する。なお第6DB1016を参照して制限等に応じた代替レシピを提示する際には、制限対象期間(一日の摂取量の制限、一週間での摂取量の制限等)、他に摂取する食事等とのバランスが考慮されるべきである。したがって、食事の摂取履歴、献立予定(ライフログ等)を参照できるようにユーザのアカウント情報に紐づいて他の情報を参照できるようにすることが望ましい。
まず制御部10は塩分及び熱量の制限に関し、上述の「小麦アレルギー」に関して抽出された代替食材に基づく栄養価を第3DB1013を参照して算出する。そして制御部10は、「メンチカツ」のレシピに含まれる材料に対し、第3DB1013の食材テーブルから、塩分又は熱量を夫々、軽減することができる代替食材を抽出する。例えば制御部10は、基本のレシピの材料の「合いびき肉」に対し、カロリーオフの場合には熱量制限のために第3DB103を優先して参照し、「合いびき肉(赤身)」を代替食材とするか、又は、第8DB1018を参照して「合いびき肉」若しくは代替後の「合いびき肉(赤身)」の分量を削減して「木綿豆腐」を材料に追加する。このとき制御部10は、基本のレシピに含まれる材料の分量から、代替食材の分量を決定する。「木綿豆腐」については第8DB1018において、対応する工程として「水気をきります」という工程が追加されるべきであることが「代替工程」に記憶されているので、制御部10はこの工程を代替レシピの作り方に追加する。また制御部10は、熱量を軽減するため、第8DB1018に基づき「メンチカツ」のレシピに含まれる作り方に対し、「玉ねぎ及びキャベツを粗みじんにし、炒める」という工程から「(油で)炒める」という部分を除いた「玉ねぎ及びキャベツを粗みじんにする」という工程へ変換するようにしてもよい。
そして制御部10は、卵の回避推奨に関し、第1DB1011を参照して「メンチカツ」のレシピに含まれる材料の内、「卵」を含む食材を特定する。なお制御部10はこの際、代替食材をも対象にしてもよい。具体的には制御部10は、「鶏卵」を除去するのみで代替食材は抽出しない。また、例えばレシピに含まれる「つなぎ」に「鶏卵」が含まれている場合、この工程リストには第8DB1018、より好ましくはつなぎ用のパン粉及び卵を削除する場合の代替工程が直接的に参照されていてもよい。これにより、制御部10は、図11に示すような代替工程への対応関係を参照し、元のレシピの工程を代替工程へ適宜食材を代替食材等へ変換して代替させるとよい。
同様にして制御部10は、4番目の優先順位の第2DB1012、5番目の優先順位の第4DB1014を参照して食材を代替させたり、工程を変換又は追加したりするとよい。
図21は、実施の形態2における代替レシピの表示例の1つを示す説明図である。図21の表示例は、図21で表示されているリンクボタン2303が選択された場合にWebブラウザ画面230に表示される内容例である。図21で示されている例では、卵及び小麦粉が除去され、予めアレルゲン除去の代替レシピとして作成されてある「メンチカツ(小麦粉・卵)」のレシピよりも、熱量が軽減されたレシピが示されている。また図21に示す代替レシピの表示画面には、他の代替レシピへのリンクボタン2308も含まれている。他の代替レシピへのリンクボタン2308が選択された場合には、他の代替食材を使用したレシピが作成されて表示されるとよい。
なお図18及び図19のフローチャートに示した処理は、ユーザのアカウント情報が特定可能なことが前提であるから、ログインを行なった状態、又はcookie若しくはMACアドレス等によって特定される第1クライアント装置2に対して行なわれる。なおログインを行なっていない状態の第1クライアント装置2では、実施の形態1における図13のフローチャートに示した処理手順が実行されるとよい。この場合、ログイン状態であるか否かによって提供される情報に差異が設けられる。
このようにして、ユーザに対して個別の食事事情、又は嗜好を考慮して代替食材又は代替レシピを提示することができる。ユーザは、基本的なレシピに対し、そのレシピに基づき調理されたメニューを食する人物の健康状態に合わせつつ、元のレシピのテクスチャ、香りなどの再現性の高い代替レシピを提供することができる。従来、基本のレシピに対して、特定の類似レシピが関連付けられており、基本のレシピを表示するWebページから関連の類似レシピへのリンクが選択可能としてあるといった形態が広く実施されているが、ユーザ個々の健康状態や信念をも考慮した細やかなレシピの提示はされてこなかった。これに対し実施の形態2で示したように、多様な項目に基づく代替食材のデータベースを個々の事情に合わせて優先順位を変更して参照することにより、事情に応じた個別の代替レシピの提示が可能であり、満足度を向上させることが期待される。
(実施の形態3)
実施の形態1及び2では、代替レシピを自動的に作成した。代替レシピの作成は、よりカロリーの低い同種の材料への変更、季節に応じた代替食材への変更等である場合は自動であっても容易であるが、例えば材料を追加したり、工程を追加したりするレシピを作成するためには、変換するための十分な情報をデータベースに記憶しておく必要がある。実施の形態3では、自動的に作成される代替レシピに対して、その代替レシピの作成通知と共に材料及び作り方の編集を受け付けることが可能なWebページが、レシピ提示システム100の管理者、オペレータが用いる第2クライアント装置3へ送信され、レシピの編集がされる構成とする。なお、その結果を受けてレシピサーバ装置1の制御部10が、代替レシピの自動作成について学習を行なうとよい。
実施の形態3におけるレシピ提示システム100の構成の内、以下に説明する詳細な処理手順以外のハードウェア構成については実施の形態1と同様である。したがって以下の説明の内、実施の形態1と共通する構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図22は、実施の形態3における代替レシピ作成・登録の処理手順の一例を示すフローチャートである。レシピ提示サービスの提供者側のオペレータがまず、第2クライアント装置3を用い、そのオペレータに対して発行されているアカウント情報に基づきレシピサーバ装置1によるWebサービスにログインする。そしてオペレータが例えばオペレータ用のポータルページに含まれている代替レシピの登録のメニューを選択した場合、以下の処理が開始される。
第2クライアント装置3から代替レシピの登録のメニューが選択されたことが通知される(ステップS301)。
レシピサーバ装置1の制御部10は、通信部13を介して第2クライアント装置3から代替レシピ登録メニューの選択が通知されるとこれを検知し(ステップS131)、代替レシピに対応する基本のレシピを選択するための画面を表示するためのWebページを第2クライアント装置3へ送信する(ステップS132)。
第2クライアント装置3では、Webページを受信し(ステップS302)、受信したWebページをWebブラウザプログラムである端末用プログラム3Pに基づき表示部33に表示させ(ステップS303)、基本のレシピの選択を受け付ける(ステップS304)。なおステップS301からステップS303の代わりに、新規のレシピの登録が受け付けられてもよい(S101)。制御部30は、Webブラウザ画面に表示されているWebページ上で代替レシピのカテゴリー、関連タグの入力を受け付ける(ステップS305)。ステップS305では例えばレシピサーバ装置1から送信されたWebページに含まれているボタンコントロール等のインタフェースによって受け付けられる。選択された基本のレシピ、そして受け付けられたカテゴリー、関連タグ等の情報はブラウザプログラムにより自動的にレシピサーバ装置1へ送信される(ステップS306)。
レシピサーバ装置1において制御部10は、送信されたカテゴリー又は関連タグに応じて、第1DB1011から第8DB1018の内のいずれか一部又は全部のデータベースを適宜選択する(ステップS133)。制御部10は、選択したデータベースを参照して、送信された基本のレシピに含まれている材料の代替食材を抽出する(ステップS134)。なお代替食材の抽出基準は、実施の形態1における図12のフローチャートのステップS105について説明したものと同様であるから詳細な説明を省略する。
レシピサーバ装置1の制御部10は、抽出された代替食材に基づき代替レシピを作成し(ステップS135)、作成した代替レシピを登録元の第2クライアント装置3又は管理者が使用する第2クライアント装置3へ向けて送信する(ステップS136)。ステップS135では代替レシピが作成されるとそれに伴い、第3DB1013の食材テーブルに基づき栄養価を計算し、ステップS135で共に送信するとよい。
第2クライアント装置3では、受信した代替レシピをWebブラウザ画面上に表示させ(ステップS307)、Webサービスにより代替レシピの編集を受け付ける(ステップS308)。このとき、編集内容については管理栄養士の資格者、料理研究家として実績のある人物からの監修を受けて代替レシピを編集させるとよい。編集ではカテゴリーの変更、タグの追加等を受け付けてよい。またこのとき、完成メニューのテクスチャに関する数値及び香りに関する数値について測定結果を共に入力するようにしてもよい。制御部30は、表示させているWebブラウザ画面上で受け付けた編集後の代替レシピの内容(テクスチャ等の測定結果)をレシピサーバ装置1へ送信する(ステップS309)。
レシピサーバ装置1の制御部10は、送信された編集後の代替レシピの栄養価を再び算出し(ステップS137)、レシピDB101のレシピテーブルに代替レシピのレコードを追加し(ステップS138)、代替レシピの登録処理を終了する。このとき、代替レシピのレコードは、選択された基本のレシピと対応付けられて記憶される。テクスチャ等の測定結果が送信されている場合は、第2DB1012に、代替レシピのレシピIDと対応付けて測定結果のレコードを追加する。
これにより、代替レシピの作成を自動化しつつ、更に基本のレシピのみならず代替レシピについても管理栄養士の監修を受けたものを提示するサービスを実現することができる。これらの代替レシピは、1つの基本のレシピに対して様々なカテゴリーに対して複数登録することができる。抽出処理の際に、選択肢として示されるカテゴリー、又は実施の形態2で示したようにユーザの属性情報に応じて代替レシピが抽出されるとよい。
例えば実施の形態3においては、実施の形態1及び2に示した「メンチカツ」の基本のレシピに対し、季節のテーマに応じた代替レシピを登録させることとし、以下、具体的に説明する。オペレータは「夏季」における「疲労回復」のためのレシピとして、「メンチカツ」の代替レシピの登録を行なうとする。この場合、レシピサーバ装置1では例えば制御部10が、第4DB1014から、「キャベツ」を「レタス」等の「夏季」を旬とする葉物野菜に代替した代替レシピを作成するなどしてもよい。これに対し、オペレータは、自動的に作成された代替レシピに対し、「野菜たっぷりメンチカツ」を代替レシピとして編集する。なおこの「野菜たっぷりメンチカツ」は、「夏季」特有の「夏バテ」に対して「疲労回復」を目的として監修を受けたレシピであるとする。編集後の代替レシピは、レシピDB101に、図2に示したように対象時期を「夏季」として、「メンチカツ」の基本のレシピ(レシピID:0012345 )に対応付けられて登録される。
このように編集された代替レシピは、実施の形態1の図13のフローチャートで示したような抽出処理によって、第1クライアント装置2からの検索に対して提示される。図23は、実施の形態3における表示画面例を示す説明図である。図23は、「メンチカツ」が第1クライアント装置2で検索された場合に表示される基本のレシピが表示されているWebブラウザ画面230の例を示している。図23に示す基本的なレシピのページには、代替レシピを表示するためのリンクボタン2301及びリンクボタン2302が含まれているほか、検索が行なわれた時期が夏季である場合のみに表示されるリンクボタン2304が含まれている。リンクボタン2301は、カロリーオフレシピを表示するためのリンクであり、リンクボタン2302は、アレルゲン除去レシピを表示するためのリンクである。リンクボタン2304は、図13のフローチャートに基づく抽出処理のステップS205において制御部10が、選択されたレシピに対して複数の代替レシピが対応付けられている場合に、その中に抽出を行なう時期に合致する「対象時期」をレコードに含む代替レシピが存在するケースでのみ表示される。
図24は、実施の形態3における代替レシピの表示例の1つを示す説明図である。図24の表示例は、図23で表示されているリンクボタン2301,2302,2304の内、リンクボタン2304が選択された場合に表示される内容例である。制御部10は、「夏季」用の代替レシピとして基本のレシピ(レシピID:0012345 )に対応付けられているレシピ(レシピID:(0034569 )に対応付けられているレシピの出力情報(Webページ)を第1クライアント装置2へ送信し、第1クライアント装置2ではこれを元にレシピを表示部23のWebブラウザ画面230に表示する。
このような多様なバリエーションの代替レシピについても、オペレータへの編集画面の提供によって提示することが可能となる。これらの代替食材、追加食材等のパターンをレシピサーバ装置1で学習しておくことにより、徐々にオペレータの編集を不要とするような多彩な代替レシピを自動的に提示することも期待できる。
実施の形態1では、第2クライアント装置3からの代替レシピ登録の処理を、基本のレシピの登録の際に行なう構成としたが、代替レシピは1つの基本のレシピに対して複数登録することができるから、実施の形態3におけるステップS303で示したように、既に登録済みのいずれかから選択するようにしてもよい。
また実施の形態2では、代替レシピの作成処理では、レシピ提示システム100に属するレシピDB101のレシピテーブルに登録されている基本のレシピの中から代替対象のレシピの選択を受け付ける構成とした(S204)。しかしながらこれに限らず、レシピ提示システム100外のレシピ検索提供サービスにて表示されるレシピのWebページをも取り込み可能とし、これに対して代替レシピを作成して提示するようにしてもよい。例えばWebページのアドレス情報(URL)を登録した場合に、ユーザのアカウント情報に基づく代替レシピの選択リストが表示されるなどとするとよい。また、ユーザが考えるレシピに対してレシピ提示システム100が代替レシピを提示するサービスを提供してもよい。この場合、ユーザが使用する第1クライアント装置2においてもレシピの入力フォームを含むWebページを提供するようにしてもよい。また入力フォームのみならず、一定のフォーマットが守られていれば、テキストデータ、Webページ等などであっても対応可能であるとよい。
本開示の実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。