JP7017187B1 - 透明導電性フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
これらの問題を解決するために、優れたペン摺動耐久性と優れたペン重加圧耐久性を両立する透明導電性フィルムが要望されている。更に、これら耐久性を向上させながらも、優れた入力性を満たす必要がある。このため、当然ながら、抵抗膜式タッチパネルでは位置入力性にも優れた透明導電性フィルムが要望されている。
[1]透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも一方の面にインジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜が積層された透明導電性フィルムであって、以下のペン摺動耐久性試験による透明導電フィルムの透明導電膜のON抵抗が10kΩ以下であり、
以下のペン重加圧試験による透明導電フィルムの透明導電膜の表面抵抗値の増加率が1.5以下であり、
さらに以下の表面抵抗値分布評価が20%以下である透明導電性フィルム。
(ペン摺動耐久性試験方法)
本発明に係る透明導電性フィルムを一方のパネル板として用い、他方のパネル板として、ガラス基板上にスパッタリング法で厚みが20nmのインジウム-スズ複合酸化物薄膜(酸化スズ含有量:10質量%)からなる透明導電性薄膜を用いる。前記2枚のパネル板を透明導電性薄膜が対向するように、直径30μmのエポキシビーズを介して配置し、厚みが170μmの両面テープでフィルム側のパネル板とガラス側のパネル板を貼り付けて、タッチパネルを作製する。次にポリアセタール製のペン(先端の形状:0.8mmR)に2.5Nの荷重をかけ、18万往復の直線摺動試験をタッチパネルに行う。この試験において、本発明に係る透明導電性フィルム面に対してペンの荷重を印加する。
この時の摺動距離は30mm、摺動速度は180mm/秒とする。この摺動耐久性試験後に、ペン荷重0.8Nで摺動部を押さえた際の、ON抵抗(可動電極(フィルム電極)と固定電極とが接触した時の抵抗値)を測定する。
(ペン重加圧試験方法)
50mm×50mmにカットした、本発明に係る透明導電性フィルムを一方のパネル板として用い、他方のパネル板として、ガラス基板上にスパッタリング法で厚みが20nmのインジウム-スズ複合酸化物薄膜(酸化スズ含有量:10質量%)からなる透明導電性薄膜を用いる。この2枚のパネル板を透明導電性薄膜が対向するように、直径30μmのエポキシビーズを介して配置し、厚みが120μmとなるように調整した両面テープでフィルム側のパネル板とガラス側のパネル板を貼り付けて、タッチパネルを作製した。両面テープの端から2.0mmの位置をポリアセタール製のペン(先端の形状0.8mmR)で35Nの荷重をかけ、両面テープと平行に10回(往復5回)の直線摺動を実施する。この試験において、本発明に係る透明導電性フィルム面に対してペンの荷重を印加する。このときの摺動距離は30mm、摺動速度は20mm/秒とする。エポキシビーズがない位置で摺動を行う。摺動後に、透明導電性フィルムを取り外して、摺動部の任意の5か所の表面抵抗(4端子法)を測定し、平均値を出す。表面抵抗を測定するときは、摺動部と垂直になる方向に4端子を並べ、2端子目と3端子目の間に摺動部が来るようにする。摺動部の表面抵抗値の平均値を未摺動部の表面抵抗値(4端子法で測定)で除して、表面抵抗値の増加率を算出する。
(表面抵抗値分布評価)
透明導電性フィルムロールを長手(MD)方向に330mm切り出す。切り出したフィルムを165℃75分加熱処理する。加熱処理した透明導電フィルムにおける12点の部位における表面抵抗値を測定し、式1で表面抵抗値分布を計算する。
[(表面抵抗値の最大値)-(表面抵抗値の最小値)]÷(表面抵抗値の最大値)×100 (式1)
[2]インジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜の結晶粒径が10~100nmであり、インジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜の結晶化度が20~80%である、上記[1]に記載の透明導電性フィルム。
[3]インジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜が、酸化スズを0.5~10質量%含み、インジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜の厚みが、10~30nmであり、インジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜の三次元表面粗さSRaが、1~100nmであり、透明導電性フィルムの幅(TD)方向の厚み分布が、5%以下である上記[1]又は[2]に記載の透明導電性フィルム。
(透明導電性フィルムの幅(TD)方向の厚み分布評価)
透明導電性フィルムロールを長手(MD)方向に50mm切り出す。切り出したフィルムを幅(TD)方向の端部の最端部から幅(TD)方向に50mm毎に厚みを測定し、反対の最端部まで厚みを測定し、式2で透明導電性フィルムの厚み分布を計算する。
また、反対の最端部とその1点前の測定部位との間隔は50mm未満となってもよい。
[(透明導電性フィルムの厚みの最大値)-(透明導電性フィルムの厚みの最小値)]÷(透明導電性フィルムの厚みの最大値)×100 (式2)
[4]透明導電膜の表面において付着性試験(JIS K5600-5-6:1999)において透明導電膜が剥離せず、
透明導電性フィルムのインジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜側において耐屈曲性試験(JIS K5600-5-1:1999)をし、10倍のルーペで屈曲部を観察した時に割れや剥れが起こるマンドレル直径が20mmより小さい上記[1]~[3]のいずれかに記載の透明導電性フィルム。
[5]透明導電性フィルムの厚みが100~250μmである上記[1]~[4]のいずれかに記載の透明導電性フィルム。
[6]インジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜と透明プラスチックフィルム基材の間に硬化型樹脂層を有する上記[1]~[5]のいずれかに記載の透明導電性フィルム。
(ペン摺動耐久性試験)
本発明に係る透明導電性フィルムを一方のパネル板として用い、他方のパネル板として、ガラス基板上にスパッタリング法で厚みが20nmのインジウム-スズ複合酸化物薄膜(酸化スズ含有量:10質量%)からなる透明導電性薄膜を用いた。この2枚のパネル板を透明導電性薄膜が対向するように、直径30μmのエポキシビーズを介して配置し、厚みが170μmの両面テープでフィルム側のパネル板とガラス側のパネル板を貼り付けて、タッチパネルを作製した。次にポリアセタール製のペン(先端の形状:0.8mmR)に2.5Nの荷重をかけ、18万往復の直線摺動試験をタッチパネルに行った。この試験において、本発明に係る透明導電性フィルム面に対してペンの荷重を印加する。この時の摺動距離は30mm、摺動速度は180mm/秒とした。この摺動耐久性試験後に、ペン荷重0.8Nで摺動部を押さえた際の、ON抵抗(可動電極(フィルム電極)と固定電極とが接触した時の抵抗値)を測定した。
(ペン重加圧試験)
本発明に係る透明導電性フィルムを50mm×50mmにカットした透明導電性フィルムを一方のパネル板として用い、他方のパネル板として、ガラス基板上にスパッタリング法で厚みが20nmのインジウム-スズ複合酸化物薄膜(酸化スズ含有量:10質量%)からなる透明導電性薄膜を用いた。この2枚のパネル板を透明導電性薄膜が対向するように、直径30μmのエポキシビーズを介して配置し、厚みが120μmとなるように調整した両面テープでフィルム側のパネル板とガラス側のパネル板を貼り付けて、タッチパネルを作製した。両面テープの端から2.0mmの位置をポリアセタール製のペン(先端の形状0.8mmR)で35Nの荷重をかけ、両面テープと平行に10回(往復5回)の直線摺動を実施する。この試験において、本発明に係る透明導電性フィルム面に対してペンの荷重を印加する。このときの摺動距離は30mm、摺動速度は20mm/秒である。ただし、エポキシビーズがない位置で摺動を行う。摺動後に、透明導電性フィルムを取り外して、摺動部の任意の5か所の表面抵抗(4端子法)を測定し、平均値を出す。表面抵抗を測定するときは、摺動部と垂直になる方向に4端子を並べ、2端子目と3端子目の間に摺動部が来るようにする。摺動部の表面抵抗値の平均値を未摺動部の表面抵抗値(4端子法で測定)で除して、表面抵抗値の増加率を算出する。
(表面抵抗値分布評価)
透明導電性フィルムロールを長手(MD)方向に330mm切り出す。切り出したフィルムを165℃75分加熱処理する。加熱処理した透明導電フィルムにおける12点の黒点部の表面抵抗値を測定し、式1で表面抵抗値分布を計算する。
{(表面抵抗値の最大値)-(表面抵抗値の最小値)}÷(表面抵抗値の最大値)×100 (式1)
ここで、12点の黒点部は、詳細を後述する図6のように例示される。
本発明であれば、このように、ペンによる入力に対しても、優れた摺動耐久性を有しており、タッチパネルにペンで入力し続ける場合においても、フィルム電極側に配置される本発明に係る透明導電性薄膜において、クラック、剥離、摩耗等の破壊を抑制できる。
本発明は、もちろん、指によるタッチパネルへの入力においても、優れた摺動耐久性を有することができる。
指と比較して、ペンはタッチパネルにかかる力が強くなることが多い。本発明であれば、このように、ペンによる入力に対しても、優れたペン重加圧耐久性を有しており、タッチパネルにペンで入力し続けたとしても、フィルム電極側に配置される本発明に係る透明導電性薄膜において、クラック、剥離、摩耗等の破壊を抑制できる。
本発明は、もちろん、指によるタッチパネルへの入力においても、優れた重加圧耐久性を有することができる。
更に、本発明は、優れた位置入力性を有する透明導電性フィルムを提供できる。このため、様々なディスプレイ装置において、正確な位置入力性を示すことができる。特に、抵抗膜式タッチパネル等の用途に極めて有用である。
以下、ペン摺動耐久性とペン重加圧耐久性を両立させることができ、更に、正確な位置入力性を示す透明導電膜を有する透明導電性フィルムについて説明する。
ON抵抗は、より小さい値であることが好ましく、例えば5kΩ以上であってよく、3kΩ以上であってもよい。一態様において、0kΩ以上であり、例えば、0.05kΩ以上であってよい。
ON抵抗がこのような範囲内であることにより、タッチパネルにペンで連続入力しても透明導電膜に対してクラック、剥離、摩耗などが抑えられる。
一態様において、これら上限及び下限を適宜組み合わせてもよい。
ここで、本発明に係る透明導電膜の表面抵抗値の増加率は1.0以上であることが好ましい。
上述のように、通常、ペン摺動耐久性とペン重加圧耐久性は相反する性質である。本発明においては、このような範囲内で、これら2つの耐久性をバランスよく有することができる。また、タッチパネルにペンで連続入力しても透明導電膜に対してクラック、剥離、摩耗などを抑制でき、その上、ペン摺動、ペン重加圧による負荷に対しても、優れた耐久性を示すことができる。なお、数値範囲は、本明細書において記載の範囲、値を選択できる。
一方、インジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜の結晶粒径が100nm以下であれば、透明導電膜の結晶粒の周りのひずみによる透明導電膜が硬過ぎないため、ペン重加圧耐久性に優れるため好ましい。より好ましくはインジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜の結晶粒径が90nm以下である。
一態様において、インジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜の結晶粒径は、10nm以上95nm以下であり、例えば、30nm以上90nm以下である。例えば、40nm以上80nm以下である。
例えば、透過型電子顕微鏡下で観察される結晶粒径において、すべての結晶粒の最長部を測定し、それらの測定値の平均値を結晶粒径とする。ここで、図1~4に結晶粒の最長部の測定時における最長部の認定方法に関する例を示す。
一態様において、インジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜の結晶化度は、25%以上78%以下であり、例えば、25%以上76%以下である。
硬化型樹脂層があることにより透明導電膜の密着力増加や透明導電膜にかかる力を分散することができるため、ペン摺動試験での透明導電膜に対してクラック、剥離、摩耗などが抑えられ、さらに、ペン重加圧試験での透明導電膜に対してクラック、剥離などが抑えられるため好ましい。
(表面抵抗値分布評価)
透明導電性フィルムロールを長手(MD)方向に330mm切り出す。切り出したフィルムを165℃75分加熱処理する。加熱処理した透明導電フィルムにおける12点の部位における表面抵抗値を測定し、式1で表面抵抗値分布を計算する。
例えば、加熱処理した透明導電フィルムを、図6に例示される12点の黒点部の表面抵抗値を測定し、式1で表面抵抗値分布を計算してもよい。
[(表面抵抗値の最大値)-(表面抵抗値の最小値)]÷(表面抵抗値の最大値)×100 (式1)
本発明の透明導電性フィルムであれば、図6に示すようなフィルム全面において、良好な表面抵抗値を示すことができる。このため、タッチパネルの広範囲において更に均一な表面抵抗を有することができ、優れた入力性、更にはより正確な入力特性を示すことができる。
このように、本発明であれば、ペン摺動試験での透明導電膜に対してクラック、剥離、摩耗などが抑えられ、さらに、ペン重加圧試験での透明導電膜に対してクラック、剥離、摩耗などが抑えられる。その上、本発明であれば、優れた表面抵抗値分布、優れた入力性を示すことができる。このため、様々なサイズのタッチパネルに使用できる。例えば、3.5インチ程度のタッチパネルから、20インチ程度のタッチパネル、特に抵抗膜式タッチパネル用途に良好に使用できる。
表面抵抗値分布は、0%に近いことが好ましく、例えば、10%以上であり、5%以上であってよく、0%以上であることが好ましい。一態様において、これら上限及び下限を適宜組み合わせてもよい。
本発明者らは、透明導電膜を半結晶状態としながら、更に、透明導電性フィルム全面に均一な半結晶性を維持することに成功した。その結果、透明導電膜を、本発明に係る半結晶状態にし、かつ、透明導電性フィルムの幅(TD)方向の厚み分布をより均一にすることにより、表面抵抗値分布を所定の範囲内に収めることに成功した。
(透明導電性フィルムの幅(TD)方向の厚み分布評価)
透明導電性フィルムロールを長手(MD)方向に50mm切り出す。切り出したフィルムを幅(TD)方向の端部の最端部から幅(TD)方向に50mm毎に厚みを測定し、反対の最端部まで厚みを測定し、式2で透明導電性フィルムの厚み分布を計算する。
{(透明導電性フィルムの厚みの最大値)-(透明導電性フィルムの厚みの最小値)}÷(透明導電性フィルムの厚みの最大値)×100 (式2)
なお、上記反対の最端部とその1点前との間隔は50mm未満となってもよい。
ただし、単に、透明導電性フィルムの幅(TD)方向の厚み分布が所定の範囲に含まれるだけでは、本発明によって奏される効果を得られるものではない。すなわち、本発明においては、ペン摺動耐久性試験の評価結果、ペン重加圧耐久性試験の評価結果についても、本発明の範囲内に含まれることにより、例えば表面抵抗値分布等により導かれる種々の効果をより高く発揮できる。
透明導電性フィルムの幅(TD)方向の厚み分布は、小さいほど好ましく、例えば、3%以上であり、1%以上であってよく、0%以上であることが好ましい。一態様において、これら上限及び下限を適宜組み合わせてもよい。
透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも一方の面に結晶性のインジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜を成膜する方法としてはスパッタリング法が好ましく用いられる。透明導電性フィルムを高い生産性で製造するためには、フィルムロールを供給し、成膜後、フィルムロールの形状に巻き上げる所謂ロール式スパッタリング装置を使用することが好ましい。成膜雰囲気中にマスフローコントローラーで水素原子含有ガス(水素、アンモニア、水素+アルゴン混合ガスなど、水素原子が含まれているガスであれば特に限定しない。ただし、水は除く。)を下記に記載の量を導入し、さらに、スパッタリング時のフィルム温度を0℃以下にして、酸化スズを0.5~10質量%含むインジウム-スズ複合酸化物の焼結ターゲットを用い、インジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜の厚みが10~30nmになるように調整し、インジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜の三次元表面粗さSRaが、1~100nmである透明プラスチックフィルム上に透明導電膜を成膜することが好ましく採用され得る。スパッタリング時の成膜雰囲気中で、水素原子含有ガスが透明導電膜の結晶化を阻害する効果がある。成膜雰囲気中に水素ガスを流す場合には、(水素ガス流量)÷(不活性ガス流量+水素ガス流量)×100の値(単に水素濃度と記載する場合がある)が0.01~3.00%であることが望ましい。水素濃度は、例えば、0.01%以上2.00%であり、0.01%以上1.00%以下であってもよい。
水素濃度がこのような範囲内であることにより、例えば、ペン摺動耐久性試験ON抵抗値、ペン重加圧耐久性試験のいずれにおいても、良好な結果が導かれることに寄与し得る。
一態様において、透明導電膜の前駆体の厚みが、透明導電膜の総厚みの35~65%になるまで透明導電膜の前駆体を成膜する。本発明において、このような条件で得られた透明導電膜の前駆体を、シード層という。
さらに、シード層の成膜時に水素原子含有ガスを使用する場合は、フィルムロールへのスパッタリング時の成膜雰囲気における不活性ガスに対する水分圧の比(水分圧/不活性ガス分圧)の中心値X、すなわち、上記比の最大値と最小値の中間の値を、1.00×10-3~4.80×10-3に制御することが望ましい。
透明導電膜の前駆体の厚みが、透明導電膜の総厚みの35~65%になるまで透明導電膜の前駆体を成膜する、すなわち、シード層を成膜することにより、基材フィルムの上に透明導電膜が成膜されるため、フィルムから発生する水及び有機ガスの発生を十分抑制でき、フィルムの面内各所からの水及び/又は有機ガスの発生量の不均一性を十分軽減できる。
また、水素原子含有ガスを使用の場合は、Xが、1.00×10-3~4.80×10-3に制御することにより、本発明のフィルム面内において均一性の高い半結晶質の透明導電膜を成長させるシード層になる。シード層は1層でも2層以上でも良い。
さらに、XとYの平均Zを、0.58×10-3~2.80×10-3に制御することが望ましい。シード層の上に透明導電膜は1層でも2層以上でも良い。結果として、フィルム面内において均一性の高い半結晶質の透明導電膜ができる。また、透明導電性フィルム面内において均一性の高い半結晶質の透明導電膜が得られ、更に、表面抵抗値分布が低くなる。さらにZについて、成膜開始時から成膜終了時までの最大値と最小値の差が1.00×10-3以下であればフィルムの全長にわたって透明導電膜の結晶性の均一性が保たれる。例えば、スパッタ機の排気装置としてよく使用されるロータリーポンプ、ターボ分子ポンプ、クライオポンプに加えて、下記のボンバード工程、下記のフィルムロール端面の凹凸の高低差の限定、透明導電膜を成膜する面の反対面に吸水率の低い保護フィルムを貼るなど、透明導電膜を成膜するときにフィルムから放出される水分量を少なく、フィルム全長にわたって均一な水分量を放出するようにすれば、水分量の精密制御が不要となり好ましい。ただし、Zは、インジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜中の酸化スズの含有率、透明導電膜の厚みなどにも、いくらか依存している。インジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜中の酸化スズの添加量が多い場合、透明導電膜が薄い場合等は、Zを前記の範囲の中で低めに設定することが望ましい。逆に、インジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜中の酸化スズの含有率が少ない場合、透明導電膜が厚い場合等は、不活性ガスに対する水分圧の比の中心値であるZを前記の範囲のなかで高めに設定することが望ましい。
ここで、図5に本発明において好適に使用されるスパッタリング装置の一例の模式図を示しており、走行するフィルム1がセンターロール2の表面に部分的に接触して走行している。チムニー3を介してインジウム-スズのスパッタリングターゲット4が設置され、センターロール2上を走行するフィルム1の表面にインジウム-スズ複合酸化物の薄膜が堆積して積層される。各ターゲットは仕切り5によって仕切られている。センターロール2は図示しない温調機によって温度制御される。フィルム温度が0℃以下であれば、透明導電膜の結晶性をばらつかせるフィルムからの水、有機ガス等の不純物ガスの放出を抑制できるため、成膜開始時から成膜終了時までの透明導電膜の結晶性が均一化しやすいので好ましい。水素原子含有ガスを使用する場合は、XとYの平均Zは、0.58×10-3~2.80×10-3であることが望ましい。 Zが前記の範囲であれば、水素原子含有ガスによる透明導電膜の結晶性の阻害が効果的に作用するため望ましい。また、透明導電性フィルムの表面抵抗および全光線透過率を実用的な水準にするために、スパッタリング時に酸素ガスを添加することが望ましい。この製造方法は、透明導電膜の結晶性をばらつかせる要因の水による結晶性の影響を極力排除して、水素含有ガスにより結晶性をコントロールすることを主眼としている。
本発明で用いる透明プラスチックフィルム基材とは、有機高分子をフィルム状に溶融押出し又は溶液押出しをして、必要に応じ、長手方向及び/又は幅方向に延伸、冷却、熱固定を施したフィルムであり、有機高分子としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン4、ナイロン66、ナイロン12、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルファン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリアリレート、セルロースプロピオネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキサイド、ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ノルボルネン系ポリマー等が挙げられる。
前記無機粒子の配合量が紫外線硬化型樹脂100質量部当たり0.1~20質量部であると、硬化型樹脂層表面に形成される凸部が小さ過ぎず、効果的に三次元表面粗さを付与でき、ペン重加圧試験をしたときに表面突起の変形量が小さくなり透明導電膜のクラック発生が抑制され、さらに透明導電膜に多少の表面突起があるためフィルム巻取り性も保持できるため好ましい。
JIS-K7361-1:1997に準拠し、日本電色工業(株)製NDH-2000を用いて、全光線透過率を測定した。
JIS-K7194:1994に準拠し、4端子法にて測定した。測定機は、(株)三菱化学アナリテック製 Lotesta AX MCP-T370を用いた。
三次元中心面平均表面粗さSRaは、ISO 25178に規定されるものであり、3次元表面形状測定装置バートスキャン(菱化システム社製、R5500H-M100(測定条件:waveモード、測定波長560nm、対物レンズ10倍))を用いて、三次元中心面平均表面粗さSRaを求めた。測定数を5とし、それらの平均値を求めた。ここで、nm単位の小数点第一位を四捨五入した。
透明導電性薄膜層を積層したフィルム試料片を1mm×10mmの大きさに切り出し、導電性薄膜面を外向きにして適当な樹脂ブロックの上面に貼り付けた。これをトリミングしたのち、一般的なウルトラミクロトームの技法によってフィルム表面にほぼ平行な超薄切片を作製した。
この切片を透過型電子顕微鏡(JEOL社製、JEM-2010)で観察して著しい損傷がない導電性薄膜表面部分を選び、加速電圧200kV、直接倍率40000倍で写真撮影を行った。
透過型電子顕微鏡下で観察される結晶粒において、すべての結晶粒の最長部を測定し、それらの測定値の平均値を結晶粒径とする。ここで、図1~4に結晶粒の最長部の測定時における最長部の認定方法に関する例を示す。即ち、最も各結晶粒の粒径を最も大きく測定できる直線の長さによって最長部を認定している。
透明導電性薄膜層を積層したフィルム試料片を1mm×10mmの大きさに切り出し、電子顕微鏡用エポキシ樹脂に包埋した。これをウルトラミクロトームの試料ホルダに固定し、包埋した試料片の短辺に平行な断面薄切片を作製した。次いで、この切片の薄膜の著しい損傷がない部位において、透過型電子顕微鏡(JEOL社製、JEM-2010)を用い、加速電圧200kV、明視野で観察倍率1万倍にて写真撮影を行って得られた写真から膜厚を求めた。
本発明に係る透明導電性フィルムを一方のパネル板として用い、他方のパネル板として、ガラス基板上にスパッタリング法で厚みが20nmのインジウム-スズ複合酸化物薄膜(酸化スズ含有量:10質量%)からなる透明導電性薄膜を用いた。この2枚のパネル板を透明導電性薄膜が対向するように、直径30μmのエポキシビーズを介して、配置しタッチパネルを作製した。次にポリアセタール製のペン(先端の形状:0.8mmR)に2.5Nの荷重をかけ、18万往復の直線摺動試験をタッチパネルに行った。この試験において、本発明に係る透明導電性フィルム面に対してペンの荷重を印加する。この時の摺動距離は30mm、摺動速度は180mm/秒とした。この摺動耐久性試験後に、ペン荷重0.8Nで摺動部を押さえた際の、ON抵抗(可動電極(フィルム電極)と固定電極とが接触した時の抵抗値)を測定した。ON抵抗は10kΩ以下であるのが望ましい。
なお、比較例においては、本発明に係る透明導電性フィルムに代わり、各比較例におけるフィルムを使用した。
本発明に係る透明導電性フィルムを50mm×50mmにカットした透明導電性フィルムを一方のパネル板として用い、他方のパネル板として、ガラス基板上にスパッタリング法で厚みが20nmのインジウム-スズ複合酸化物薄膜(酸化スズ含有量:10質量%)からなる透明導電性薄膜を用いた。この2枚のパネル板を透明導電性薄膜が対向するように、直径30μmのエポキシビーズを介して配置し、厚みが120μmとなるように調整した両面テープでフィルム側のパネル板とガラス側のパネル板を貼り付けて、タッチパネルを作製した。両面テープの端から2.0mmの位置をポリアセタール製のペン(先端の形状0.8mmR)で35Nの荷重をかけ、両面テープと平行に10回(往復5回)の直線摺動を実施する。この試験において、本発明に係る透明導電性フィルム面に対してペンの荷重を印加する。このときの摺動距離は30mm、摺動速度は20mm/秒である。ただし、エポキシビーズがない位置で摺動を行う。摺動後に、透明導電性フィルムを取り外して、摺動部の任意の5か所の表面抵抗(4端子法)を測定し、平均値を出す。表面抵抗を測定するときは、摺動部と垂直になる方向に4端子を並べ、2端子目と3端子目の間に摺動部が来るようにする。摺動部の表面抵抗値の平均値を未摺動部の表面抵抗値(4端子法で測定)で除して、表面抵抗値の増加率を算出する。
なお、比較例においては、本発明に係る透明導電性フィルムに代わり、各比較例におけるフィルムを使用した。
試料を切りとって(約15cm2)石英製三角フラスコにいれ、6mol/l塩酸20mlを加え、酸の揮発がないようにフィルムシールをした。室温で時々揺り動かしながら9日間放置し、透明導電膜を溶解させた。残フィルムを取り出し、透明導電膜が溶解した塩酸を測定液とした。溶解液中のIn、Snは、ICP発光分析装置(メーカー名;リガク、装置型式;CIROS-120 EOP)を用いて、検量線法により求めた。各元素の測定波長は、干渉のない、感度の高い波長を選択した。また、標準溶液は、市販のIn、Snの標準溶液を希釈して用いた。
JIS K5600-5-6:1999に準拠して実施した。
JIS K5600-5-1:1999に準拠して実施した。ただし、マンドレル直径が13mmまで割れや剥れが起こらない場合は、これ以上の耐屈曲試験は行わず、すべて13mmと記載した。
透明導電性フィルムロールを長手(MD)方向に330mm切り出す。切り出したフィルムを165℃75分加熱処理した。加熱処理した透明導電フィルムを図6の12点の黒点部の表面抵抗値を測定し、式1で表面抵抗値分布を計算した。
{(表面抵抗値の最大値)-(表面抵抗値の最小値)}÷(表面抵抗値の最大値)×100(式1)
透明導電性フィルムロールを長手(MD)方向に50mm切り出した。切り出したフィルムを幅(TD)方向の端部の最端部から幅(TD)方向に50mm毎に厚みを測定し、反対の最端部まで厚みを測定し、式2で透明導電性フィルムの厚み分布を計算した。ただし、反対の最端部とその1点前との間隔は50mm未満となる場合もあった。
透明導電性フィルムの厚みはマイクロメーターで測定した。
[(透明導電性フィルムの厚みの最大値)-(透明導電性フィルムの厚みの最小値)]÷(透明導電性フィルムの厚みの最大値)×100 (式2)
各実施例水準は表1に示した条件のもと、以下の通り実施した。
真空槽にフィルムを投入し、1.5×10-4Paまで真空引きをした。次に、酸素導入後に不活性ガスとしてアルゴン、水素含有ガスとして水素ガスを表1に記載の濃度を導入し全圧を0.6Paにした。
インジウム-スズ複合酸化物の焼結ターゲット、あるいは酸化スズを含まない酸化インジウム焼結ターゲットに4.5W/cm2の電力密度で電力を投入し、DCマグネトロンスパッタリング法により、シード層、次に透明導電膜を成膜した。膜厚についてはフィルムがターゲット上を通過するときの速度を変えて制御した。また、スパッタリング時の成膜雰囲気の不活性ガスに対する水分圧の比については、ガス分析装置(インフィコン社製、トランスペクターXPR3)を用いて測定した。各実施例水準において、スパッタリング時の成膜雰囲気の不活性ガスに対する水分圧の比X、Y、および、XとYの平均Zを調節すべく、表1に記載されるように、ボンバード工程の有無、保護フィルムの有無、フィルムロール端面の凹凸高低差、フィルムが接触走行しているセンターロールの温度を制御する温調機の温媒の温度を調節した。フィルムロールへの成膜開始時から成膜終了時までの温度の最大値と最小値の丁度真ん中に当たる温度を中心値として表1に記載した。
透明導電膜を成膜積層したフィルムは、表1に記載の熱処理をした後、測定を実施した。測定結果を表1に示した。
表1に記載の条件で実施例1と同様に透明導電性フィルムを作製して評価した。ただし、比較例7は硬化型樹脂層を設けていない。ただし、比較例8は硬化型樹脂層の塗膜の厚みが20μmになるように調整した。結果を表2に示した。
しかしながら、表2に記載の通り、比較例1~11はペン摺動耐久性およびペン重加圧耐久性を両立できていない。また、位置入力性が乏しい比較例もあった。
2.センターロール
3.チムニー
4.インジウム-スズ複合酸化物のターゲット
5.チャンバー
Claims (6)
- 透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも一方の面にインジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜が積層された透明導電性フィルムであって、以下のペン摺動耐久性試験による透明導電フィルムの透明導電膜のON抵抗が10kΩ以下であり、
以下のペン重加圧試験による透明導電フィルムの透明導電膜の表面抵抗値の増加率が1.5以下であり、
さらに以下の表面抵抗値分布評価が20%以下である透明導電性フィルム。
(ペン摺動耐久性試験方法)
本発明に係る透明導電性フィルムを一方のパネル板として用い、他方のパネル板として、ガラス基板上にスパッタリング法で厚みが20nmのインジウム-スズ複合酸化物薄膜(酸化スズ含有量:10質量%)からなる透明導電性薄膜を用いる。前記2枚のパネル板を透明導電性薄膜が対向するように、直径30μmのエポキシビーズを介して配置し、厚みが170μmの両面テープでフィルム側のパネル板とガラス側のパネル板を貼り付けて、タッチパネルを作製する。次にポリアセタール製のペン(先端の形状:0.8mmR)に2.5Nの荷重をかけ、18万往復の直線摺動試験をタッチパネルに行う。この試験において、本発明に係る透明導電性フィルム面に対してペンの荷重を印加する。
この時の摺動距離は30mm、摺動速度は180mm/秒とする。この摺動耐久性試験後に、ペン荷重0.8Nで摺動部を押さえた際の、ON抵抗(可動電極(フィルム電極)と固定電極とが接触した時の抵抗値)を測定する。
(ペン重加圧試験方法)
50mm×50mmにカットした、本発明に係る透明導電性フィルムを一方のパネル板として用い、他方のパネル板として、ガラス基板上にスパッタリング法で厚みが20nmのインジウム-スズ複合酸化物薄膜(酸化スズ含有量:10質量%)からなる透明導電性薄膜を用いる。この2枚のパネル板を透明導電性薄膜が対向するように、直径30μmのエポキシビーズを介して配置し、厚みが120μmとなるように調整した両面テープでフィルム側のパネル板とガラス側のパネル板を貼り付けて、タッチパネルを作製した。両面テープの端から2.0mmの位置をポリアセタール製のペン(先端の形状0.8mmR)で35Nの荷重をかけ、両面テープと平行に10回(往復5回)の直線摺動を実施する。この試験において、本発明に係る透明導電性フィルム面に対してペンの荷重を印加する。このときの摺動距離は30mm、摺動速度は20mm/秒とする。エポキシビーズがない位置で摺動を行う。摺動後に、透明導電性フィルムを取り外して、摺動部の任意の5か所の表面抵抗(4端子法)を測定し、平均値を出す。表面抵抗を測定するときは、摺動部と垂直になる方向に4端子を並べ、2端子目と3端子目の間に摺動部が来るようにする。摺動部の表面抵抗値の平均値を未摺動部の表面抵抗値(4端子法で測定)で除して、表面抵抗値の増加率を算出する。
(表面抵抗値分布評価)
透明導電性フィルムロールを長手(MD)方向に330mm切り出す。切り出したフィルムを165℃75分加熱処理する。加熱処理した透明導電フィルムにおける12点の部位における表面抵抗値を測定し、式1で表面抵抗値分布を計算する。
[(表面抵抗値の最大値)-(表面抵抗値の最小値)]÷(表面抵抗値の最大値)×100 (式1) - インジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜の結晶粒径が10~100nmであり、インジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜の結晶化度が20~80%である、請求項1に記載の透明導電性フィルム。
- インジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜が、酸化スズを0.5~10質量%含み、インジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜の厚みが、10~30nmであり、インジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜の三次元表面粗さSRaが、1~100nmであり、透明導電性フィルムの幅(TD)方向の厚み分布が、5%以下である請求項1または2に記載の透明導電性フィルム。
(透明導電性フィルムの幅(TD)方向の厚み分布評価)
透明導電性フィルムロールを長手(MD)方向に50mm切り出す。切り出したフィルムを幅(TD)方向の端部の最端部から幅(TD)方向に50mm毎に厚みを測定し、反対の最端部まで厚みを測定し、式2で透明導電性フィルムの厚み分布を計算する。
また、反対の最端部とその1点前の測定部位との間隔は50mm未満となってもよい。
[(透明導電性フィルムの厚みの最大値)-(透明導電性フィルムの厚みの最小値)]÷(透明導電性フィルムの厚みの最大値)×100 (式2) - 透明導電膜の表面において付着性試験(JIS K5600-5-6:1999)において透明導電膜が剥離せず、
透明導電性フィルムのインジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜側において耐屈曲性試験(JIS K5600-5-1:1999)をし、10倍のルーペで屈曲部を観察した時に割れや剥れが起こるマンドレル直径が20mmより小さい請求項1~3のいずれかに記載の透明導電性フィルム。 - 透明導電性フィルムの厚みが100~250μmである請求項1~4のいずれかに記載の透明導電性フィルム。
- インジウム-スズ複合酸化物の透明導電膜と透明プラスチックフィルム基材の間に硬化型樹脂層を有する請求項1~5のいずれかに記載の透明導電性フィルム。
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