JP7016473B2 - 塵捕捉用シート体、その塗装ブース - Google Patents

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本発明は繰り返し使える塵捕捉用シート体に関し、更に詳しくは、繰り返し使用でき、空気中に浮遊する糸片、微細片、埃等のいわゆる塵を効率よく捕捉除去することができる塵捕捉用シート体に関する。
更には、塵捕捉用シート体を使った塗装ブース、そして塵の捕捉除去方法に関する。
近年、自動車とその部品、携帯電話等の家電製品、建材、家具等に高光沢面(鏡面等も含む)が多く使用されている。
これらの高光沢面は、塗装により現出することができるが、塗装を行う際に高光沢面に付着する塵(例えば糸片、微細片、埃等)は、目立ち易く、品質を大きく低下させる原因となる。
従来、塗装工程では、例えば小さなサイズの被塗装物に対しては、クリーンルームを作ってその中で塗装や乾燥を行っている。
しかし、大きなサイズの被塗装物は広い規模のクリーンルームが必要で、設備的に経費が極めて大となる。
ところで、現在行われているクリーンルームを使わない一般的な塗装工場では、その多くがカーテン材等で仕切られた乾式或は水洗式の塗装ブースの中で被塗装物に対して塗装が行われている。
この場合、塗装ブース内の空気中に浮遊する、糸片、微細片、埃等の塵が被塗装物に付着してしまってその塗装面に残ることとなる。
特に、塗装面が高光沢面の場合は、付着した異物が目立って、品質に悪い影響を及ぼすこととなる。
このような背景から、塗装ブースを仕切るカーテン材として粘着剤付きのダストキャッチネット(特許文献1、特許文献2、特許文献3)を使用することで、空気中に浮遊する糸片、微細片、埃等の塵を捕捉する方法が開発されている。
すなわち、塗装ブースには、ブース内の塗料ミスト、有機溶剤等を外部に排出するため排気ファンが設けられており、排出される空気とほぼ同量の空気が外部から自然給気されるようになっている。
排気ファンにより一方向に吸引することで、空気は外部からダストキャッチネットを通過して、塗装ブース内に引き込まれる。
そのため、空気が通過する際、その空気に含まれる糸片、微細片、埃等の塵がダストキャッチネットにより捕捉されることになる。
この方法は、単に塗装ブースを仕切るカーテン材の代わりにダストキャッチネットを使用するだけで効果があるため有用とされている。
しかし、ダストキャッチネットは、一定量の塵が捕捉された後は、捕捉効率が極端に悪くなるので、ダストキャッチネット全体を捕捉された塵と共に廃棄する必要がある。
このように、粘着剤付きのダストキャッチネットは、一度、使用したら塵の捕捉能力が無くなるため、使用済みとなってしまう欠点がある。
廃棄する場合ごとに、わざわざダストキャッチネットを取り外し、その後、また新しいダストキャッチネットの取り付けを行わなければならならず、多くの手数を要し効率的ではない。
また、一旦、取り外した後は、ダストキャッチネットそのもの全体を廃棄しなければならないため、そのための処理コストが余分に必要となる。
第特許4598281号 第特許3959485号 第特許5920882号
本発明は、以上のような問題点を解決するものである。
すなわち、本発明の目的は、繰り返し使え、空気中に浮遊する糸片、微細片、埃等のいわゆる塵を効率よく捕捉除去することができる塵捕捉用シート体及び塗装ブース、更にはそれを使った塵捕捉除去方法を提供することにある。
本発明者等は、以上のような問題点を背景に、鋭意研究したところ、粘着剤付きのネットを繰り返し使えるようにするため、粘着剤付きのネットに対し、取り外し可能な別の部材である塵捕捉用の通気性のあるフィルタシートを添着すればよいことを見出し、この知見により本発明を完成させるに至った。
本発明は、(1)塵を捕捉して除去する塵捕捉用シート体Aであって、多数のメッシュ目を有し粘着剤Nが付与されている通気性ネット1とその表面に添着された通気性フィルタシート2とよりなり、通気性ネット1の片面に通気性フィルタシート2が粘着力に逆らって引き剥がし可能に添着されており、通気性フィルタシート2の目孔が通気性ネット1のメッシュ目より小さいものであり、風上側に通気性フィルタシート2を配置し、風下側に通気性ネット1を配置して使用することを特徴とする塵捕捉用シート体Aに存する。
また、本発明は、(2)通気性ネット1のメッシュ目の最大部の大きさが、2mm~15mmであることを特徴とする上記(1)記載の塵補足用シート体Aに存する。
また、本発明は、()上記(1)記載の塵捕捉用シート体Aを使った塗装ブースPであり、塵捕捉用シート体Aで仕切られた塗装作業空間部Sと該塗装作業空間部Sの空気を吸引して該塗装作業空間部Sから外部に排出する排気手段Fを備えた塗装ブースPに存する。
また、本発明は、()塵捕捉用シート体Aが天井から垂下されている上記()記載の塗装ブースに存する。
また、本発明は、()上記(1)記載の塵捕捉用シート体を使った塗装ブースであり、塵捕捉用シート体よりなる側壁部と天井シートよりなる天井部とによって仕切られた塗装作業区間部と該塗装作業空間部の空気を吸引して該塗装作業空間部から外部に排出する排気手段を備え、上記側壁部には縦方向の複数の支持パイプが設けられており、この支持パイプの間には中心部を枢着されたX状の結合パイプが回動自在に取り付けられており、支持パイプ同士の間隔は、このX状の結合パイプにより自由に調整可能である塗装ブースに存する
(1)本発明の塵捕捉用シート体Aは、粘着剤Nが付与されている通気性ネット1とその表面に添着された通気性フィルタシート2とよりなるため、通気性フィルタシート2で塵が捕捉された後、通気性フィルタシート2だけを交換することで繰り返し使用することができる。
(2)通気性ネット1の片面に通気性フィルタシート2が添着されていることにより、風上側で確実に塵を捕捉することが可能である。
(3)通気性フィルタシート2の目孔が通気性ネット1のメッシュ目より小さいことにより、通気性ネット1より小さい塵を捕捉することができる。
(4)塵捕捉用シート体Aを使った塗装ブースであり、塵捕捉用シート体Aで仕切られた塗装作業空間部と該塗装作業空間部の空気を吸引して該塗装作業空間部から外部に排出する排気手段を備えたものであるので、塗装ブースの区画を取り外す必要がなく通気性フィルタシート2のみの交換で対応できるため極めて効率的である。
(5)塵捕捉用シート体Aが天井から垂下されていることにより、塵捕捉用シート体Aにより塗装ブースを仕切ることが極めて容易となる。
(6)塵捕捉用シート体を使った塗装ブースであり、塵捕捉用シート体よりなる側壁部と天井シートよりなる天井部とによって仕切られた塗装作業区間部と該塗装作業空間部の空気を吸引して該塗装作業空間部から外部に排出する排気手段を備え、前記側壁部には縦方向の複数の支持パイプが設けられており、この支持パイプの間には中心部を枢着されたX状の結合パイプが回動自在に取り付けられており、支持パイプ同士の間隔は、このX状の結合パイプにより自由に調整可能であることから、塗装ブースPの大きさ、すなわち容量を変えることが出来るので、塗装の対象となる製品の大きさに適宜対応することができる。
また、建屋内で塗装以外の他の工程作業が必要になった場合、塗装ブースPを最小限に縮小した状態とすることで、他の工程作業に対応することが可能となり、床面を有効に利用することができる。
図1は本発明の塵捕捉用シートを示す概略図である。 図2は本発明の塵捕捉用シート体を示す模式断面図である。 図3は本発明の塵捕捉用シートの構成を説明する概略図である。 図4は本発明の塵捕捉用シート体による捕捉原理を説明する図である。 図5は本発明の塵捕捉用シート体による捕捉原理を説明する図である。 図6は本発明の塵捕捉除去方法を示す工程ブロック図である。 図7は、通気性フィルタシートを取り除く状態を説明する図である。 図8は、塵捕捉用シート体を使った塗装ブースを示す概略平面図である。 図9は、上半分と下半分とで、メッシュ目の異なる通気性フィルタシートを添着した塵捕捉用シート体の例を説明する図である。 図10は、分離し易くした塵捕捉用シート体を説明する図であり、図10(A)は、摘まみ片を設けた通気性フィルタシート、また、図10(B)は、非粘着部を設けた通気性フィルタシートを説明する図である。 図11は、伸縮自在な塗装ブースを示す概略図である。 図12は、塗装ブースの縮小した状態を示す概略図である。 図13は、塗装ブースの側壁部の伸縮原理を説明する図である。
以下実施の形態に基づき更に具体的に説明するが、本発明はこれ等の実施例に限定されるものではない。
本発明の塵捕捉用シートAは、空気中に浮遊する糸片、微細片、埃等の塵を捕捉して除去するための塵捕捉用シート体Aである。
図1は、本発明の塵捕捉用シートAを示す概略図であり、図2は、本発明の塵捕捉用シート体Aを示す模式断面図である。
また、図3は本発明の塵捕捉用シートAの構成を説明する概略図である。
塵捕捉用シートAは、粘着剤Nが付与されている通気性ネット1とその表面に添着された通気性フィルタシート2とよりなる。
粘着剤Nは、その通気性ネット1に付与されているが、両面でなくても少なくとも片面には付与されていることが必要である。
通気性ネット1の粘着剤Nが付与されている部分に通気性フィルタシート2が添着されているが、この場合、通気性フィルタシート2と通気性ネット1とは粘着剤Nを介して相互に粘着し貼り付けられることとなる。
ここで、粘着剤Nとしては、例えば、アクリル系、SBR、天然ゴム系等の粘着剤Nが採用される。
(通気性ネット)
粘着剤Nが付与されている通気性ネット1は、多数のメッシュ目(網目、編目等)を有するもので通気性があり、メッシュ目は、通気性ネット1を構成する糸により区画形成されている。
通気性ネット1は製網機、編機、織機等によって製造され、そのメッシュ目の大きさは通気性の観点から2mm~15mm(最大部)が好ましく採用される。
製造装置を選択することにより、メッシュ目の形状は種々の形状(矩形、菱形、円、楕円等)が可能である。
また、通気性ネット1に使われる糸の形態としては、マルチフィラメント、モノフィラメント、紡績糸等が挙げられる。
(通気性フィルタシート)
本発明の通気性フィルタシート2は、通気性ネット1に粘着により添着されるもので、空気中に含まれる塵を空気の移動を利用して捕捉する機能を有する。
従って、塵を捕捉することができるもので、少なくとも有孔の通気性のあるシートが採用される。
通気性フィルタシート2の目孔の大きさは、通気性の観点から0.5mm~10mm(最大部)が好ましい。
素材としては、繊維布(織地、編地、不織布等)や粗目の紙が有効に採用される。
繊維布としては、天然繊維や合成繊維の布が挙げられ、糸の形態としてはマルチフィラメント、モノフィラメント、紡績糸等が挙げられる。
本発明の塵捕捉用シート体Aは、上記の構成よりなり、塵を含んだ空気がその中を移動して通過する際に、空気中に含まれる塵を捕捉するものであり、後述するように、通気性フィルタシート2を取り替えることにより、繰り返し使用できるもので、極めて有用である。
(捕捉原理)
図4及び図5は、本発明の塵捕捉用シート体Aによる捕捉原理を説明する図である。
また、図6は本発明の塵捕捉除去方法を示す工程ブロック図である。
図4、図5に示すように、今、左方から塵を含んだ空気が流れてくるとする。
塵を含んだ空気は塵捕捉用シート体Aに達し、その後、通気性のある通気性フィルタシート2と通気性ネット1とを通過する。
尚、図4及び図5については、詳しく後述する。
その際、第1の障壁である通気性フィルタシート2の空気中に含まれる塵が付着し絡んで捕捉される(塵捕捉作用)。
ここで、通気性フィルタシート2の裏面には、通気性ネット1の粘着剤が存在するので、通気性フィルタシート2の目孔に食い込んだ塵は、それだけで捕捉されるが、更に粘着剤によっても粘着されて捕捉される。
或いは、また、塵が通気性フィルタシート2に静電気により捕捉される作用も生じる。
これが塵を含む空気を通過させて、通気性フィルタシート2により塵を捕捉する塵捕捉工程である。
そして、通気性フィルタシート2を通過した空気は、次に第2の障壁である通気性ネットを通過する(空気逃がし作用)。
空気中の塵は、通気性フィルタシート2で捕捉された後なので、塵を捕捉された後の空気は通気性ネット1のメッシュ目から逃げる。
これが塵を捕捉された後の空気が通気性ネット1を通過して逃げる逃がし工程である。
このように風上側で通気性フィルタシート2による塵捕捉作用が達成され、風下側で空気逃がし作用が達成されて、塵捕捉用シート体全体による塵捕捉作用が有効に機能し完了する。
ここで、塵捕捉用シート体Aを使用することによって、通気性フィルタシート2に一定量の塵が捕捉された場合、この通気性フィルタシート2は、通気性ネット1から分離されて(すなわち剥離により引き剥がされて)塵と共に除去される。
図7は、通気性フィルタシート2を取り除く状態を説明する図である。
このように分離の際は、粘着剤Nの粘着力に逆らって通気性フィルタシート2を矢印の如く通気性ネット1から引き剥がせばよい。
これは、塵が捕捉された通気性フィルタシート2を通気性ネット1から分離させる分離工程である。
この分離は、通気性フィルタシート2に、塵が捕捉された結果、捕捉力が低下した後に行うものである。
この分離工程後は、通気性ネット1に、別の新しい、通気性フィルタシート2を添着する。
この場合、通気性ネット1には、依然として粘着剤Nが付与されているので、通気性フィルタシート2は、通気性ネット1の表面にこの粘着剤Nを介して、添着されることとなる。
新しい通気性フィルタシート2に交換された塵捕捉用シート体Aは、その後も使用されるが、通気性フィルタシート2に、また、一定量の塵が捕捉された場合、捕捉効率が悪くなるので分離して新しいものに交換する。
以下、同様な操作が繰り返される。
理論的には、通気性フィルタシート2は何回でも交換可能であるが、分離する毎に通気性ネット1に付着された粘着剤Nは徐々に少なくなっていくので、その粘着力が一定の限界を下回った場合は、次の新しい塵捕捉用シート体Aを採用して対応することになる。
通常は、通気性ネット1に対して3~5回程度、通気性フィルタシート2を交換することが可能である。
以上のように、本発明の塵捕捉用シート体Aは、通気性ネット1はそのままで、通気性フィルタシート2のみを新しいものと交換するだけで、繰り返し長期に使用することができる。
繰り返し使用できることにより、塵捕捉用シート体全体を取り換えるという手間が省け、また、廃棄物も少なくなり、当然、エネルギ―効率もよい。
因みに、従来のダストキャッチネットは、所定の塵が捕捉された後は、ダストキャッチネット全体を新しいものと取り換えなければならない。
そのため、使用後の古いダストキャッチネットは廃棄しなければならなく、手間を要し、エネルギ―効率も悪く廃棄物も多くなっていた。
なお、本発明の塵捕捉用シート体は、その一部である通気性フィルタシート2のみを交換するだけでよく、従来のようにダストキャッチネット全体を取り換えるのに較べ、その場合の時間や手間及びコストについても大きく低減される。
(捕捉塵調整作用)
本発明の塵捕捉用シート体Aにおいては、通気性フィルタシート2によって塵が捕捉される原理のため、捕捉される塵の大きさは通気性フィルタシート2の目孔の大きさに依存する。
そのため交換する通気性フィルタシート2の目孔の大きさを異なるものと交換することにより、捕捉する塵の大きさを意図的に変えることができる(捕捉塵調整作用)。
先述した、図4及び図5からこの捕捉塵調整作用が理解できよう。
ここでは、通気性フィルタシート2の目孔の大きさがL1、通気性ネット1のメッシュ目の大きさがKである場合を想定した。
図4に示すように、通気性フィルタシート2により、L1以上の大きさの塵Mが捕捉されるが、L1未満の塵Mは目孔を通過してしまって捕捉されない。
また、通気性フィルタシート2の目孔を通過したL1未満の塵Mは、その後、通気性ネット1のメッシュ目(大きさK)を逃げる。
図5は、図4とは大きさの異なる塵に対する別の捕捉原理を示している。
ここでは、通気性フィルタシート2の目孔の大きさがL2、通気性ネット1のメッシュ目の大きさがKである場合を想定した(尚、図4とは、L2>L1:K=Kの関係にある)。
図5に示すように、通気性フィルタシート2により、L2以上の大きさの塵Mが捕捉されるが、L2未満の塵は目孔を通過してしまって捕捉されない。
また、通気性フィルタシート2の目孔を通過したL2未満の塵Mは、その後、通気性ネット1のメッシュ目(大きさK)を逃げる。
尚、理論的には上述の通りだが、通気性フィルタシート2の目孔を通過したL1、或いはL2未満の塵Mであっても、粘着剤が付着した通気性ネット1によって捕捉されることも当然あり得る。
以上述べた塵捕捉原理から理解できるように、本発明の塵捕捉用シート体Aは、通気性フィルタシート2を目孔の大きさの異なったものと交換することにより、種々の大きさの塵を捕捉できるのである。
因みに、従来のダストキャッチネットでは、その網目の大きさより小さい塵は捕捉できない。
本発明の塵捕捉用シート体Aは、塵を効率よく捕捉できるためその適用分野は広い。
次に塗装ブースへ応用した実施の形態を示す。
(塗装ブースへの適用)
図8は、塵捕捉用シート体Aを使った塗装ブースPを示す概略平面図である。
この実施の形態の塗装ブースPにおいては、ブース後壁P1の前面空間に塵捕捉用シート体Aを天井から垂下し、空間を仕切って塗装作業空間部Sを区画形成する。
そして、塗装作業空間部Sの空気を吸引して外部に排出する排気手段(例えば排気ファン部)Fを設ける。
この仕切られて形成された塗装作業空間部Sの中で、図示しない塗装対象物(ワーク)に塗装を施す作業を行う。
この場合、図に示すように、一方側から排気手段Fにより排出力を生じさせ、塗装作業空間部Sに空気流の雰囲気を作る。
そのため、塗装ブースPにそれ以外の他の所から空気が流れ込んでくる現象が生じる。
この時、塵捕捉用シート体Aが塵捕捉除去機能を発揮するのである。
すなわち、前述したように、塗装ブースPの外にある塵を含んだ空気は、塵捕捉用シート体Aに達してそれを通過するが、空気中の塵は、最初に通気性フィルタシート2に衝突し絡むようにして捕捉されることになる。
その後、通気性フィルタシート2を通過した塵を捕捉された空気は、通気性ネット1を容易に通過し塗装ブース内に入る。
因みに、塗装ブース内の空気の流れは、排気手段の排出力の強弱により、例えば0.1m/秒~0.8m/秒程度の緩やかな流れとする。
その後、塗装作業空間部Sの空気は排気手段Fを通じて外部に流れ出る。
このようなブース内の塵が除去された環境では、塗装面に塵が付着するようなことが回避され品質の良い塗装物が得られる。
ところで、本発明の塵捕捉用シート体Aは、通気性ネット1から通気性フィルタシート2を分離することができるので、その通気性ネット1に対して目孔の異なる通気性フィルタシート2を添着することができる。
すなわち、通気性ネット1に対して、部分的に目孔の異なる通気性フィルタシート2を添着することが可能である。
例えば、通常、空間の上方は、長い糸片のような比重の小さい塵が存在する傾向があり、反対に下方は、細かい粉のような比重の大きい塵が存在する傾向がある。
そのため、例えば、通気性ネット1に対して、上半分は、粗い目孔を有する通気性フィルタシート2Aを添着し、下半分は、それより細かい目孔を有する通気性フィルタシート2Bを添着する。
このように区分けすることで、効率よく塵を捕捉除去することができるのである。
図9は、上半分と下半分とで、目孔の異なる通気性フィルタシート2A、2Bを添着した塵捕捉用シート体Aの例を説明する図である。
この場合、上半分と下半分とで通気性フィルタシート2を変えているが、上半分と下半分とに限らず、部分的に変えることも当然可能である。
通気性フィルタシート2を引き剥がす、すなわち分離する場合、それを手間取らなくて簡単に行えるように、通気性フィルタシート2の周縁の一部に被粘着部分21(図10参照)を設けておくことができる。
被粘着部分21は、例えば、通気性ネット1に付与された粘着剤に粘着しない非粘着剤(例えば、PTFE等)が付与されているものである。
通気性フィルタシート2を通気性ネット1から引き剥がす場合は、この被粘着部分21を摘まみ上げて簡単に引き剥がすことができる。
また、通気性フィルタシート2の周縁に摘まみ片22を設けておいても、この摘まみ片22を把持して簡単に引き剥がすことができる。
図10は、上述したような分離し易くした塵捕捉用シート体Aを説明する図であり、図10(A)は、摘まみ片22を設けた通気性フィルタシート2、また図10(B)は、非粘着部21を設けた通気性フィルタシート2を説明する図である。
このような工夫により、塵捕捉用シート体Aにおいて、通気性フィルタシート2を引き剥がして交換することが極めて容易となる。
(実施例)
本発明の塵捕捉用シート体A[粘着剤のついた通気性ネット(商品名;スーパーダストキャッチネット、株式会社メイテック社製)に通気性フィルタシートである不織布(商品名;まもるくん、第一ビニール株式会社製)を添着したもの]を天井からブース後壁部の前面空間に垂らして塗装作業のための一定空間(縦3m、横3m、高さ3.2mのスプレーヤード)を区画形成した。
また、天井は無発塵性の軟質シートで覆い、スプレーヤード内の床面は十分に散水状態にした。
ブース後壁部に設けられた排気フアンを作動させ、スプレーヤード内の空気を0.5m/秒の流れを有する排出状態に維持した。
この環境で無発塵性の作業服を着た作業者が、熱硬化性樹脂製の浴槽エプロンの表面にピアノブラック色の塗料を順次塗装する作業を30分間行った。
この塗装においては、高光沢の黒色仕上げとなるため、表面に塵等が付着すると容易に視認が可能であり、品質の良否が明確に確認できるものである。
30分の作業により5個の浴槽エプロンの塗装が終了した後、それらの表面の塵等の付着度合を確認したところ、全ての浴槽エプロンに塵等の付着はなく、高品質が保たれていることが分かった。
また、塗装終了後、塵捕捉用シート体Aの通気性ネットの一部から不織布を引き剥がして分離し視認したところ、糸片等の塵が不織布に捕捉されている状態が確認できた。
以上、本発明を説明してきたが、本発明は、実施の形態や実施例に拘束されるものではない。
例えば、塵捕捉用シート体Aを使った塗装ブースPの形や大きさは自由に設定でき、また、塗装ブース内の装置は排気手段F以外に必要に応じて備えることができる。
また、建屋のフロアー(床面)を有効利用できる塗装ブースPについていうと、塗装ブース自体を伸縮自在にすることが可能である。
建屋の中で、塗装作業を必要としない場合は、塗装ブース自体を縮小状態にしておくことができる便利さがある。
図11は、その伸縮自在な塗装ブースPを示す概略図であり、図12は、塗装ブースの縮小した状態を示す概略図である。
両側の側壁部には縦方向の複数の支持パイプ3が設けられており、この支持パイプ3の間には中心部を枢着されたX状の結合パイプ4が回動自在に取り付けてある。
支持パイプ同士の間隔は、このX状の結合パイプ4により自由に調整できる。
図13は、塗装ブースPの側壁部の伸縮原理を説明する図である。
各支持パイプ3の下端には、車輪31が設けられているため各支持パイプ3は建屋の床面を水平方向に移動することができる。
そして、両側の支持パイプ3には、側壁部全体に渡って塵捕捉用シート体Aが張設されている。
また、手前側(入口側)の側壁部には、支持パイプ3はなく、上方に両側の側壁部を結合する結合パイプが渡され、塵捕捉用シート体Aが張設されている。
また、奥側(出口側)の側壁部には、上方に両側の側壁部をつなぐように結合パイプが渡されている。
この奥側(出口側)の側壁部は、排気フアン等の排気手段が備わっており、この排気手段により、塗装作業空間部の空気を吸引して該塗装作業空間部から外部に排出する。
奥側(出口側)の側壁部は、必ずしも塵捕捉用シート体を設ける必要はなく、フイルタ等を備えた壁面であってよい。
一方、塗装ブースPの天井部分には屈曲性のあるプラスチックシート等よりなる天井シート5が張設され覆われている。
このような構造の塗装ブースPにおいて、塵捕捉用シート体よりなる側壁部とプラスチックシートよりなる天井部とによって仕切られた塗装作業区間部の中で、塗装作業が効率よく行われる。
今、両側の側壁部を最大限に伸ばした場合、塗装ブースPが最大の大きさとなり、逆に、両側の側壁部を最小限に縮めた場合、塗装ブースPが最小の大きさとなる。 この両側の側壁の伸縮状態により塗装ブースPの大きさが自由に変更される。
天井に張設された天井シート5は、屈曲性があるので支持パイプ3の移動に、すなわち側壁部の伸縮に、容易に追従することができる。
また、天井シート5を透明のものにすることで、建屋天井に設けられた照明を利用でき塗装ブース内を明るくすることができる。
以上のように、塗装ブースPの大きさ、すなわち容量を変えることが出来るので、塗装の対象となる製品の大きさに適宜対応することができる。
また、建屋内で塗装以外の他の工程作業が必要になった場合、塗装ブースPを最小限に縮小した状態とすることで、他の工程作業に対応することが可能となり、極めて便利である。
この様に、本発明の塗装ブースPは、床面を有効に利用することができる。
本発明の塵捕捉用シート体Aは、粘着剤Nが付与されている通気性ネット1とその表面に添着された通気性フィルタシート2とよりなるもので、通気性フィルタシート2を新しいものと交換することにより繰り返し使用することができ極めて効率的であり、廃棄物も削減できる等の利点がある。
そのため、塗装ブース以外にも、空調機器の空気取り入れ口用のフィルタ、防塵服等、本発明の原理を使ったものであれば種々の分野での適用が可能である。
1・・・通気性ネット
2・・・通気性フィルタシート
3・・・支持パイプ
31・・・キャスタ
4・・・X状の結合パイプ
5・・・天井シート
A・・・塵捕捉用シート体
K・・・通気性ネットのメッシュ目の大きさ
L1,L2・・・通気性フィルタシートの目孔の大きさ
M・・・塵
N・・・粘着剤
F・・・排気手段
P・・・塗装ブース
S・・・塗装作業空間部

Claims (5)

  1. 塵を捕捉して除去する塵捕捉用シート体であって、多数のメッシュ目を有し粘着剤が付与されている通気性ネットとその表面に添着された通気性フィルタシートとよりなり、
    通気性ネットの片面に通気性フィルタシートが粘着力に逆らって引き剥がし可能に添着されており、
    通気性フィルタシートの目孔が通気性ネットのメッシュ目より小さいものであり、
    風上側に通気性フィルタシートを配置し、風下側に通気性ネットを配置して使用することを特徴とする塵捕捉用シート体。
  2. 通気性ネットのメッシュ目の最大部の大きさが、2mm~15mmであることを特徴とする請求項1記載の塵捕捉用シート体。
  3. 上記請求項1記載の塵捕捉用シート体を使った塗装ブースであり、塵捕捉用シート体で仕切られた塗装作業空間部と該塗装作業空間部の空気を吸引して該塗装作業空間部から外部に排出する排気手段を備えたことを特徴とする塗装ブース。
  4. 塵捕捉用シート体が天井から垂下されていることを特徴とする請求項3記載の塗装ブース。
  5. 上記請求項1記載の塵捕捉用シート体を使った塗装ブースであり、塵捕捉用シート体よりなる側壁部と天井シートよりなる天井部とによって仕切られた塗装作業区間部と該塗装作業空間部の空気を吸引して該塗装作業空間部から外部に排出する排気手段を備え、
    上記側壁部には縦方向の複数の支持パイプが設けられており、この支持パイプの間には中心部を枢着されたX状の結合パイプが回動自在に取り付けられており、支持パイプ同士の間隔は、このX状の結合パイプにより自由に調整可能であることを特徴とする塗装ブース。
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