JP2005169167A - エアフィルタ濾材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)多孔質を使用したエアフィルタ濾材において、厚みを厚くすること無く前記PTFE多孔質膜の目詰まりが防止されたエアフィルタ濾材を提供する。
【解決手段】 フィルタ層11およびプレフィルタ層12が積層されたエアフィルタ濾材10において、前記フィルタ層11は、PTFE多孔質膜により形成し、前記プレフィルタ層12は、空気の流れ(矢印)の上流側に配置し、前記プレフィルタ層12に粘着剤を担持させる。前記粘着剤により、前記プレフィルタ層12の捕集効率が向上し、前記PTFE多孔膜11の目詰まりが防止できる。前記粘着剤としては、シリコーン系粘着剤が好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】 フィルタ層11およびプレフィルタ層12が積層されたエアフィルタ濾材10において、前記フィルタ層11は、PTFE多孔質膜により形成し、前記プレフィルタ層12は、空気の流れ(矢印)の上流側に配置し、前記プレフィルタ層12に粘着剤を担持させる。前記粘着剤により、前記プレフィルタ層12の捕集効率が向上し、前記PTFE多孔膜11の目詰まりが防止できる。前記粘着剤としては、シリコーン系粘着剤が好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、エアフィルタ濾材に関する。
従来、クリーンルーム等で使用されるエアフィルタユニットには、ガラス繊維にバインダーを加えて抄紙したガラス製エアフィルタ濾材が汎用されている。しかしながら、前記ガラス製エアフィルタ濾材には、その中に付着小繊維が存在し、加工による折り曲げ時に自己発塵するという問題があった。また、自己発塵を防止するためにバインダー量を増加させると、圧力損失が増大してしまうという問題もあった(特許文献1参照。)。
そのため、近年では、クリーンな材料であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)多孔質膜を含むエアフィルタ濾材が様々な分野で使用されている。PTFE多孔質膜は、圧力損失が非常に低く(高通気量で)、捕集効率が非常に高いため、塵埃捕集性能に優れている。しかしながら、PTFE多孔質膜は、粉塵の非常に少ないところでの使用(例えば、クリーンルーム内エアーの循環用フィルタ)では有効だが、ビル空調用やタービン用吸気フィルタ等で大気塵の濾過用に使用した場合、その高捕集効率故に多くの浮遊粒子を取り込んでしまい、その結果、目詰まりを起こして早期に圧力損失が増大してしまうという問題があった。そこで、PTFE多孔質膜より空気の流れの上流側に、プレフィルタ(不織布等の通気性部材)を設けることで、予め大きな粉塵を捕集し、PTFE多孔質膜の目詰まりを防止してエアフィルタ濾材の長寿命化を図る試みがなされている(特許文献2参照)。しかし、プレフィルタを厚くしないと、 PTFEの目詰まり防止効果が得られないため、費用と省資源の点で問題があった。また、プレフィルタを厚くすると、プリーツ加工(連続したW字状の折り曲げ)が困難になるという問題もあった。
特開昭63−16019号公報
特開2000−300921号公報
そこで、本発明の目的は、PTFE多孔質を使用したエアフィルタ濾材であって、厚みを厚くすること無く前記PTFE多孔質膜の目詰まりが防止されたエアフィルタ濾材を提供することである。
前記目標を達成するために、本発明のエアフィルタ濾材は、フィルタ層およびプレフィルタ層が積層されたエアフィルタ濾材であって、前記フィルタ層は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)多孔質膜を含み、前記プレフィルタ層は、空気の流れの上流側に位置し、前記プレフィルタ層が、粘着剤を有しているエアフィルタ濾材である。
本発明のエアフィルタ濾材では、プレフィルタ層が粘着剤を有しているので、これによって、プレフィルタ層を厚くすることなく、その捕集効率を向上することができ、この結果、PTFE多孔質膜の目詰まりを防止できる。したがって、本発明のエアフィルタ濾材は、圧力損失の上昇を遅らせることができて長寿命化し、またプリーツ加工にも支障が無い。
本発明のエアフィルタ濾材において、前記粘着剤は、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤およびアクリル系粘着剤が好ましく、これらのなかで、より好ましいのはシリコーン系粘着剤である。
本発明のエアフィルタ濾材において、前記プレフィルタ層は、例えば、フェルト、織布、不織布およびメッシュ(網状シート)等から形成することができる。
本発明のエアフィルタ濾材の前記PTFE多孔質膜において、粒子径0.3〜0.5μmの粒子の捕集効率が、99.97%以上であり、線速5.3cm/秒における圧力損失が50〜200Paの範囲であることが好ましく、より好ましくは、前記圧力損失が50〜150Paの範囲である。なお、前記捕集効率および圧力損失は、後述の方法により測定できる。
本発明のエアフィルタ濾材において、さらに、通気性保護層を含み、これがプレフィルタ層よりも空気の流れの上流に配置されていることが好ましい。前記プレフィルタ層が、前記粘着剤により粘着性を有するので、取り扱いが悪くなる場合があり、前記通気性保護層があれば、この問題が解決できる。
本発明のエアフィルタ濾材全体において、粒子径0.3〜0.5μmの粒子の捕集効率が、99.97%以上であり、線速5.3cm/秒における圧力損失が50〜300Paの範囲であることが好ましく、より好ましくは、前記圧力損失が50〜200Paの範囲である。なお、前記捕集効率および圧力損失は、後述の方法により測定できる。
本発明のエアフィルタ濾材全体の厚みは、0.06〜0.6mmの範囲であるのが好ましい。
本発明のエアフィルタユニットは、枠体内にエアフィルタ濾材を配置したエアフィルタユニットであって、前記エアフィルタ濾材が、前記本発明のエアフィルタ濾材である。本発明のエアフィルタユニットの用途は、特に制限されないが、例えば、クリーンルーム用、空調機用およびタービン用があげられ、好ましくは空調機用およびタービン用である。
つぎに、本発明のエアフィルタ濾材について詳しく説明する。
図1の断面図に、本発明のエアフィルタ濾材の一例を示す。図示のように、このエアフィルタ濾材10は、PTFE多孔質膜製のフィルタ層11およびプレフィルタ層12とが積層されており、空気の流れ(矢印)の上流側にプレフィルタ層12が配置されている。図示していないが、このプレフィルタ層12は、粘着剤を有する。
前記PTFE多孔質膜において、その厚さは、例えば、1〜100μmの範囲であり、好ましくは2〜50μmの範囲である。また、その孔径は、例えば、0.5〜50μmの範囲である。また、前記PTFE多孔質膜の捕集効率および圧力損失は、前述のとおりである。
前記PTFE多孔質膜の製造方法の一例を以下に示す。まず、未焼成のPTFE微粉末に液状潤滑剤を加えて均一に混和する。前記PTFE微粉末としては、特に制限されず、市販のものが使用できる。前記液状潤滑剤としては、前記PTFE粉末を濡らすことができ、後に除去できるものであれば特に制限されず、ナフサ、ホワイトオイル、流動パラフィン、トルエン、キシレン等の炭化水素油や、アルコール類、ケトン類およびエステル類の溶媒等が使用できる。また、これらは、単独で使用しても良く、若しくは二種類以上併用してもよい。
前記PTFE微粉末に対する液状潤滑剤の添加割合は、前記PTFE微粉末の種類、液状潤滑油の種類および後述するシート成形の条件等により適宜決定されるが、例えば、PTFE微粉末100重量部に対して、液状潤滑剤5〜50重量部の範囲である。
つぎに、前記混和物を未焼成状態でシート状に成形する。前記成形方法としては、例えば、前記混和物をロッド状に押し出した後、対になったロールにより圧延する圧延法や、板状に押し出してシート状にする押し出し法があげられる。また、両方法を組み合わせてもよい。このシート状成形体の厚みは、後に行なう延伸の条件等により適宜決定されるが、例えば、0.1〜0.5mmの範囲である。
なお、得られたシート状成形体に含まれる前記液状潤滑剤は、続いて行なう延伸工程前に、加熱法または抽出法等により除去しておくことが好ましい。前記抽出法に使用する溶媒は、特に制限されないが、例えば、ノルマルデカン、ドデカン、ナフサ、ケロシン、スモイル等があげられる。
つぎに、前記シート状成形体に対して延伸を行なう。前記シート状成形体を一軸延伸または二軸延伸で延伸し多孔化する。例えば、前記シート状成形体の長手方向において、その長さが2〜30倍の範囲になるように、温度30〜320℃で延伸し、続いて、前記シート状成形体の幅方向において、その長さが2〜30倍の範囲になるように、温度30〜320℃で延伸する。前記延伸後、その延伸状態を保持して、PTFEの融点(327℃)以上の温度に加熱して焼成することにより、機械的強度の向上と寸法安定性の増加を図ってもよい。以上のようにして、PTFE多孔質膜が製造できる。このようにして製造されたPTFE多孔質膜は、PTFE粒子が繊維化して多孔構造となっているが、その平均繊維径は、0.02〜0.3μmであるのが好ましい。
なお、本発明におけるPTFE多孔質膜は、前述の製造方法に制限されず、他の製造方法で製造されてもよい。
つぎに、前記プレフィルタ層は、比較的大きな粒子を捕捉する役目のものであるが、支持材としても機能することが好ましい。前記プレフィルタ層の形成材料は、特に制限されず、例えば、フェルト、織布、不織布、メッシュ(網目状シート)、その他の多孔質材料等が使用できる。なお、前記プレフィルタ層には、強度、捕集性、柔軟性、作業性の点からは不織布を使用することが好ましい。前記プレフィルタ層が繊維材料である場合には、その繊維として、例えば、セルロース、ビスコース等の半合成繊維、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、アクリル、ポリスルフォン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリフッ化ビニリデン等の合成繊維あるいはこれらの複合材等を用いることができる。
前記プレフィルタ層の厚さは、好ましくは0.05〜1.00mmの範囲であり、加工性の点から、より好ましくは0.05〜0.30mmの範囲である。粘着剤を持つ前のプレフィルタにおいて、粒子径0.3〜0.5μmの粒子の捕集効率が、20%以上であり、線速5.3cm/秒における圧力損失が5〜200Paの範囲であることが好ましく、より好ましくは、前記捕集効率が、40%以上であり、前記圧力損失が5〜100Paの範囲である。なお、前記捕集効率および圧力損失は、後述の方法により測定できる。
つぎに、前記プレフィルタ層は、粘着剤を有する。前記粘着剤には、特に制限はなく、例えば、ゴム系、アクリル系、シリコーン系等の粘着剤が使用できるが、耐熱性、耐候性の点からシリコーン系粘着剤が好ましい。シリコーン系粘着剤としては、例えば、東レ・ダウコーニングシリコーン社製商品名SD4570、SD4580、あるいは東芝シリコーン社製商品名TSR1512等があげられる。
前記プレフィルタ層に粘着剤を担持させる方法としては、特に制限はなく、例えば、粘着剤溶液を塗布し、その後乾燥する方法等がある。前記粘着剤溶液の濃度は、例えば、0.01〜5重量%、好ましくは0.01〜3重量%である。前記粘着剤溶液に使用する溶媒は、例えば、トルエン、キシレン等がある。前記塗布の方法は、特に制限されず、例えば、スプレー法、キスコート法、ディッピング法等があるが、粘着剤を均一に含浸できる点でディッピング法が好適である。ディッピング法では、例えば、プレフィルタ層を、前記粘着剤溶液に浸漬し、フィルタ内部に粘着剤溶液が浸透したところで引き上げて乾燥する。塗布後の乾燥は、特に制限されないが、60〜100℃の加熱乾燥が好ましい。なお、通気性を確保するため、粘着剤含浸後のプレフィルタ層の圧力損失上昇率を20%以下に抑えるよう、粘着剤の希釈濃度を調整して塗布するのが好ましい。プレフィルタ層における粘着剤の付着割合は、例えば、プレフィルタの単位面積1m2あたり0.1〜10(g/m2)の範囲、好ましくは0.1〜3(g/m2)の範囲であり、プレフィルタ層の表面積の10〜50%を覆うのが好ましい。また、粘着剤処理後のプレフィルタにおいて、粒子径0.3〜0.5μmの粒子の捕集効率が、30%以上であり、線速5.3cm/秒における圧力損失が5〜200Paの範囲であることが好ましく、より好ましくは、前記捕集効率が、50%以上であり、前記圧力損失が5〜100Paの範囲である。なお、前記捕集効率および圧力損失は、後述の方法により測定できる。
前記フィルタ層(PTFE多孔質膜)とプレフィルタ層とは、接着して一体化することが好ましい。その接着方法は、特に制限されず、例えば、予め熱接着性をもった通気性部材製のプレフィルタ層をPTFE多孔質膜にラミネートする方法、熱溶融性のネットないしメッシュを間に挟んで前記両層をラミネートする方法、微細な点状ないし線状に接着剤を塗布し接着する方法等が挙げられる。接着剤としては、2液混合型や熱による自己架橋型の接着剤等を用いることができる。2液混合型としてはエポキシ樹脂、熱による自己架橋型としては酢酸ビニル−エチレン共重合体やエチレン−塩化ビニル共重合体等が好適である。
本発明のエアフィルタ濾材は、前述の理由により、必要に応じて、図2に示すように、プレフィルタ層22より空気の流れ(矢印)の上流側に、さらに、通気性保護層23を積層した構造としてもよい。同図において、21はフィルタ層、20はエアフィルタ濾材を示す。前記通気性保護層は、前記プレフィルタ層と同様の材料を使用することができるが、通気性の高いものが好ましい。前記通気保護層と前記プレフィルタ層との接着方法は、前述の方法と同様である。前記通気性保護層の捕集効率および圧力損失は、粘着剤を有しないプレフィルタ層と同様である。通気性保護層の厚みは、例えば、0.03〜1mm、好ましくは0.05〜0.3mmの範囲である。
つぎに、本発明の実施例について、比較例と併せて説明する。なお、実施例および比較例における各特性の測定方法は、以下に示すとおりである。
(1)目付け量
ポリプロピレン不織布またはポリエチレン(PE)/ポリエチレンテレフタレート(PET)の芯鞘構造繊維製の不織布を100cm2にサンプリングし、その重さを電子天秤により測定して1m2当たりの質量を求めた。
ポリプロピレン不織布またはポリエチレン(PE)/ポリエチレンテレフタレート(PET)の芯鞘構造繊維製の不織布を100cm2にサンプリングし、その重さを電子天秤により測定して1m2当たりの質量を求めた。
(2)圧力損失
サンプル(粘着剤を持つ前のプレフィルタ層、粘着剤処理後のプレフィルタ層またはエアフィルタ濾材)を有効面積100cm2の円形ホルダーにセットし、入口側から大気塵を供給しつつ、前記入口側と出口側に圧力差を与え、線速(空気の透過速度)を流量計で5.3cm/秒に調製して前記大気塵を透過させ、圧力損失(単位:Pa)を圧力計(マノメーター)で測定した。なお、前記大気塵とは、雰囲気中に浮遊している塵埃をいう。
サンプル(粘着剤を持つ前のプレフィルタ層、粘着剤処理後のプレフィルタ層またはエアフィルタ濾材)を有効面積100cm2の円形ホルダーにセットし、入口側から大気塵を供給しつつ、前記入口側と出口側に圧力差を与え、線速(空気の透過速度)を流量計で5.3cm/秒に調製して前記大気塵を透過させ、圧力損失(単位:Pa)を圧力計(マノメーター)で測定した。なお、前記大気塵とは、雰囲気中に浮遊している塵埃をいう。
(3)捕集効率
捕集効率は、JIS K 3803の除菌用空気ろ過デプスフィルタのエアロゾル捕集性能試験方法により、粒子系0.3〜0.5μmのジオクチルフタレート(DOP)の粒子を用いて測定した。捕集効率は、下記(数1)による。
(数1) 捕集効率(%)=(1−下流側の粒子数/上流側の粒子数)×100
下流側の粒子数の単位:個/リットル
上流側の粒子数の単位:個/リットル
図1の構造のエアフィルタ濾材を作製した。すなわち、まず、PTFEファインパウダー(旭・ICIフロロポリマーズ社製、商品名フルオンCD−123)100重量部に対して液状潤滑剤(流動パラフィン)30重量部を均一に混合し、この混合物を圧力2MPaで予備成形した。ついで、予備成形物をロッド状に押し出し成形し、このロッド状物を一対の金属製圧延ロール間に通して、厚さ0.2mmのシート状PTFE成形体を得た。つぎに、ノルマルデカンを用いた抽出法により、前記シート状PTFE成形体から前記液状潤滑剤を除去した後、ロールに巻き取った。ロールに巻き取ったPTFE成形体をロール延伸法により、長さが長手方向の20倍になるように370℃で延伸を行った。続いて、テンターを用いてその長さが幅方向に10倍になるように100℃で延伸し、PTFE多孔質膜(フィルタ層)11を得た。つぎに、プレフィルタ層12として、繊維径約10μm、目付け量40g/m2、線速5.3cm/秒での圧力損失が50Paである市販のポリプロピレン不織布を用い、それをトルエンにて0.5重量%に希釈したシリコーン系粘着剤(東レ・ダウコーニングシリコーン社製、商品名SD4570)にディッピングコーティングし、100℃で2分間乾燥させた。粘着剤含浸後のプレフィルタ層の圧力損失は60Paであった。その後、PTFE多孔質膜(フィルタ層)11とプレフィルタ層12とを、不織布(繊維径20μm、目付け量30g/m2のPE/PETの芯鞘構造繊維製の不織布)を介して積層し、これを150℃に加熱した一対のロールの間に通過させることによりラミネートを行い、エアフィルタ濾材10を得た。作製したエアフィルタ濾材10の厚さは0.46mm、圧力損失は180Pa、捕集効率は99.9997%であった。このエアフィルタ濾材10について、前述の方法により、経時的な圧力損失の変化を調べた。その結果を図3のグラフに示す。
(比較例1)
粘着剤処理を行わない以外は、実施例1と同様にして、PTFE多孔質膜とPE/PETの芯鞘構造繊維製の不織布(目付け量30g/m2)の熱ラミネート積層体を作製した。作製した熱ラミネート積層体の厚さは0.46mm、圧力損失は170Pa、捕集効率99.9985%であった。この熱ラミネート積層体について、前述の方法により、経時的な圧力損失の変化を調べた。その結果を図4のグラフに示す。
(比較例2)
実施例1と同様にして、PTFE多孔質膜を作製した。このPTFE多孔質膜について、前述の方法により、経時的な圧力損失の変化を調べた。その結果を図5のグラフに示す。
(比較例3)
粘着剤処理を行わず、且つ、PE/PETの芯鞘構造繊維製の不織布(目付け量80g/m2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、PTFE多孔質膜と前記不織布の熱ラミネート積層体を作製した。作製した熱ラミネート積層体の厚さは0.72mm、圧力損失は220Pa、捕集効率99.9997%であった。この熱ラミネート積層体について、前述の方法により、経時的な圧力損失の変化を調べた。その結果を図6のグラフに示す。
捕集効率は、JIS K 3803の除菌用空気ろ過デプスフィルタのエアロゾル捕集性能試験方法により、粒子系0.3〜0.5μmのジオクチルフタレート(DOP)の粒子を用いて測定した。捕集効率は、下記(数1)による。
(数1) 捕集効率(%)=(1−下流側の粒子数/上流側の粒子数)×100
下流側の粒子数の単位:個/リットル
上流側の粒子数の単位:個/リットル
図1の構造のエアフィルタ濾材を作製した。すなわち、まず、PTFEファインパウダー(旭・ICIフロロポリマーズ社製、商品名フルオンCD−123)100重量部に対して液状潤滑剤(流動パラフィン)30重量部を均一に混合し、この混合物を圧力2MPaで予備成形した。ついで、予備成形物をロッド状に押し出し成形し、このロッド状物を一対の金属製圧延ロール間に通して、厚さ0.2mmのシート状PTFE成形体を得た。つぎに、ノルマルデカンを用いた抽出法により、前記シート状PTFE成形体から前記液状潤滑剤を除去した後、ロールに巻き取った。ロールに巻き取ったPTFE成形体をロール延伸法により、長さが長手方向の20倍になるように370℃で延伸を行った。続いて、テンターを用いてその長さが幅方向に10倍になるように100℃で延伸し、PTFE多孔質膜(フィルタ層)11を得た。つぎに、プレフィルタ層12として、繊維径約10μm、目付け量40g/m2、線速5.3cm/秒での圧力損失が50Paである市販のポリプロピレン不織布を用い、それをトルエンにて0.5重量%に希釈したシリコーン系粘着剤(東レ・ダウコーニングシリコーン社製、商品名SD4570)にディッピングコーティングし、100℃で2分間乾燥させた。粘着剤含浸後のプレフィルタ層の圧力損失は60Paであった。その後、PTFE多孔質膜(フィルタ層)11とプレフィルタ層12とを、不織布(繊維径20μm、目付け量30g/m2のPE/PETの芯鞘構造繊維製の不織布)を介して積層し、これを150℃に加熱した一対のロールの間に通過させることによりラミネートを行い、エアフィルタ濾材10を得た。作製したエアフィルタ濾材10の厚さは0.46mm、圧力損失は180Pa、捕集効率は99.9997%であった。このエアフィルタ濾材10について、前述の方法により、経時的な圧力損失の変化を調べた。その結果を図3のグラフに示す。
(比較例1)
粘着剤処理を行わない以外は、実施例1と同様にして、PTFE多孔質膜とPE/PETの芯鞘構造繊維製の不織布(目付け量30g/m2)の熱ラミネート積層体を作製した。作製した熱ラミネート積層体の厚さは0.46mm、圧力損失は170Pa、捕集効率99.9985%であった。この熱ラミネート積層体について、前述の方法により、経時的な圧力損失の変化を調べた。その結果を図4のグラフに示す。
(比較例2)
実施例1と同様にして、PTFE多孔質膜を作製した。このPTFE多孔質膜について、前述の方法により、経時的な圧力損失の変化を調べた。その結果を図5のグラフに示す。
(比較例3)
粘着剤処理を行わず、且つ、PE/PETの芯鞘構造繊維製の不織布(目付け量80g/m2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、PTFE多孔質膜と前記不織布の熱ラミネート積層体を作製した。作製した熱ラミネート積層体の厚さは0.72mm、圧力損失は220Pa、捕集効率99.9997%であった。この熱ラミネート積層体について、前述の方法により、経時的な圧力損失の変化を調べた。その結果を図6のグラフに示す。
図3に示すように、実施例のエアフィルタ濾材は、40時間を過ぎても圧力損失がほとんど上昇しなかった。これに対し、図4に示すように、比較例1では、40時間前から急激に圧力損失が上昇し、図5に示すように、比較例2では、10時間を過ぎる前から圧力損失が上昇した。また、図6に示すように、比較例3では、実施例と同様に、40時間を過ぎても圧力損失がほとんど上昇していないが、粘着剤処理を行っていないため、プレフィルタ層を厚くせねばならず、プリーツ加工が困難となる。
本発明のエアフィルタ濾材は、空調機、タービン、クリーンルーム内エアーの循環用フィルタ等のエアフィルタ濾材として利用可能である。
10、20 エアフィルタ濾材
11、21 フィルタ層
12、22 プレフィルタ層
23 通気性保護層
11、21 フィルタ層
12、22 プレフィルタ層
23 通気性保護層
Claims (9)
- フィルタ層およびプレフィルタ層が積層されたエアフィルタ濾材であって、前記フィルタ層は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)多孔質膜を含み、前記プレフィルタ層は、空気の流れの上流側に位置し、前記プレフィルタ層が、粘着剤を有しているエアフィルタ濾材。
- 前記粘着剤が、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤およびアクリル系粘着剤からなる群から選択される少なくとも一つである請求項1記載のエアフィルタ濾材。
- プレフィルタ層が、フェルト、織布、不織布およびメッシュからなる群から選択される少なくとも一つから形成されたものである請求項1または2記載のエアフィルタ濾材。
- PTFE多孔質膜において、粒子径0.3〜0.5μmの粒子の捕集効率が、99.97%以上であり、線速5.3cm/秒における圧力損失が50〜200Paの範囲である請求項1から3のいずれかに記載のエアフィルタ濾材。
- さらに、通気性保護層を含み、これがプレフィルタ層よりも空気の流れの上流に配置されている請求項1から4のいずれかに記載のエアフィルタ濾材。
- エアフィルタ濾材全体において、粒子径0.3〜0.5μmの粒子の捕集効率が、99.97%以上であり、線速5.3cm/秒における圧力損失が50〜300Paの範囲である請求項1から5のいずれかに記載のエアフィルタ濾材。
- エアフィルタ濾材全体の厚みが、0.06〜0.6mmの範囲である請求項1から6のいずれかに記載のエアフィルタ濾材。
- 枠体内にエアフィルタ濾材を配置したエアフィルタユニットであって、前記エアフィルタ濾材が、請求項1から7のいずれかに記載のエアフィルタであるエアフィルタユニット。
- その用途が、クリーンルーム用、空調機用およびタービン用からなる群から選択される少なくとも一つである請求項8記載のエアフィルタユニット。
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