JP7014580B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関するものである。
タイヤの高速耐久性向上を目的として、ベルト層の外周側に、有機繊維コードをタイヤ周方向に実質的に平行に配列してなるベルト補強層を設けることが知られている。しかしながら、ベルト補強プライに汎用されている66ナイロンや6ナイロンなどを代表するナイロン繊維は、高速走行時に発生する熱により収縮し、歪みが生じることがあった。そのため、ベルト補強層にナイロン繊維コードを用いた空気入りタイヤは、再走行時にタイヤの振動が生じる、いわゆるフラットスポットが生じやすいという問題を有している。
この問題を改善するために、特許文献1,2では、ベルト補強層に汎用のスチールコードを適用することが提案されている。しかしながら、ベルト補強層にナイロン繊維コードを用いた場合と比較し、ベルト補強層の重量の増加に繋がってしまい、さらには乗り心地が悪化するという問題があった。また、ベルト補強層にアラミド繊維を適用することも提案されているが、スチールコードよりも剛性が低いため、スチールコードと同等の耐フラットスポット性及び高速耐久性を得るためには、打ち込み本数を増やす必要があり、ベルト補強層の重量の増加に繋がってしまうという問題がある。
特開2009-40347号公報 特開2004-322718号公報 特開2015-227083号公報
本発明は、以上の点に鑑み、ベルト補強層の重量を増加させることなく、耐フラットスポット性及び乗り心地性を向上させることができる、空気入りタイヤを提供することを目的とする。
なお、特許文献3には、ベルトに、スチール製の主フィラメントを複数本撚り合わせることなく一列に引き揃えて主フィラメント束とし、1本のスチール製のラッピングフィラメントを主フィラメント束の周囲に巻き付けてなるn+1構造(但し、n=3~6)の扁平なスチールコードを、その長径方向がベルト面に平行になるように配置したベルトプライを備えた空気入りタイヤが開示されているが、ベルト補強層にn+1構造のスチールコードを用いたタイヤは知られていない。
本発明に係る空気入りタイヤは、カーカスと、カーカスのクラウン部の外周に配されたベルトと、ベルトの外周に配されたベルト補強層とを有する空気入りタイヤであって、上記ベルト補強層は、同一の径の4~6本のスチールフィラメントを撚り合わせることなく単一の層をなすように並列させて主フィラメント束とし、上記スチールフィラメントより小径で1本のスチールフィラメントをラッピングフィラメントとして上記主フィラメント束の周囲に巻き付けてなるn+1構造(n=4~6)のスチールコードを、その長径方向がベルト外周面と平行になるように配置したベルト補強プライを備え、ベルト補強層の面外剛性が3.5N/inch以下であり、上記スチールコードは、短径方向に押圧されたことにより、隣接する主フィラメントの間に形成される空間の少なくとも一部に、ラッピングフィラメントが空間の形状に沿って変形しその一部が侵入しているものとする。
本発明の空気入りタイヤによれば、ベルト補強層の重量を増加させることなく、優れた耐フラットスポット性及び乗り心地性が得られる。
本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの半断面図。 本発明の一実施形態に係るスチールコードの構成を示す平面図。 本発明の一実施形態に係るベルトプライの一部断面図。 面外剛性測定用サンプルを示す模式断面図。 面外剛性の測定方法を説明するための簡略図。 本発明の好ましい実施形態に係るスチールコードの構成を示す斜視図。 本発明の好ましい実施形態に係るスチールコードの構成を示す断面図。 轍乗り越し性の評価に使用した試験路の形状を示す模式断面図。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
図1に示す実施形態の空気入りタイヤは、乗用車用空気入りラジアルタイヤであって、左右一対のビード部1及びサイドウォール部2と、左右のサイドウォール部2の径方向外方端部同士を連結するように両サイドウォール部間に設けられたトレッド部3とを備えて構成されており、一対のビード部間にまたがって延びるカーカス4が設けられている。
カーカス4は、トレッド部3からサイドウォール部2をへて、ビード部1に埋設された環状のビードコア5にて両端部が係止された少なくとも1枚のカーカスプライからなる。カーカスプライは、有機繊維コード等からなるカーカスコードをタイヤ周方向に対して実質的に直角に配列してなる。
トレッド部3におけるカーカス4の外周側(即ち、タイヤ径方向外側)には、カーカス4とトレッドゴム部7との間に、ベルト6が配されている。ベルト6は、カーカス4のクラウン部の外周に重ねて設けられており、1枚又は複数枚のベルトプライ、通常は少なくとも2枚のベルトプライで構成することができ、本実施形態では、カーカス側の第1ベルトプライ6Aと、トレッドゴム部側の第2ベルトプライ6Bとの2枚のベルトプライで構成されている。ベルトプライ6A,6Bは、スチールコードをタイヤ周方向に対して所定の角度(例えば、15~35度)で傾斜させ、かつタイヤ幅方向に所定の間隔にて配列させてなるものである。各ベルトプライは、スチールコードがコーティングゴムで被覆されている。スチールコードは、上記2枚のベルトプライ6A,6B間で互いに交差するように配設されている。
ベルト6の外周側(即ち、タイヤ半径方向外側)には、ベルト6とトレッドゴム部7との間に、ベルト補強層8が設けられている。ベルト補強層8は、ベルト補強プライ8A(図3参照)によりベルト6をその全幅で覆うキャッププライであり、タイヤ周方向に実質的に平行に配列したスチールコード20からなる。すなわち、ベルト補強層8は、図3に示すように、スチールコード20をタイヤ周方向に沿って配列してなり、ベルト6の幅方向全体を覆うように、スチールコード20をタイヤ周方向に対して0~5度の角度で螺旋状に巻回することにより形成することができる。
図3に示すように、ベルト補強プライ8Aは、スチールコード20を、その長径方向Bがベルト面(即ち、ベルト外周面)に平行になるように配置することで形成されている。すなわち、ベルト補強プライ8A内において、スチールコード20は、その短径方向Aがベルト補強プライ8Aの厚み方向Kと一致するようにして、所定間隔でコーティングゴム11内に埋設されている。そのため、スチールコード20は、その長径方向Bがトレッド面に平行になるように配置される。このように構成することにより、スチールコード20をゴム被覆する際に加工しやすく、またベルト補強プライ8Aの厚みを薄くしてタイヤ重量の増加を抑えることができる。また、得られたベルト補強プライ8Aでは、タイヤ幅方向における曲げ剛性が高くなるので、操縦安定性能を向上させることができ、タイヤ径方向における曲げ剛性が低くなるので、エンベロープ性を高めて接地面積を上げることができる。
本実施形態のベルト補強層8は、面外剛性(N/inch)が3.5以下であることが好ましく、3.0以下であることがより好ましい。3.5N/inch以下であることにより、タイヤ径方向の剛性が高くなりすぎず、優れた乗り心地性が得られ易い。ここで、「面外剛性」とは、スチールコード20を短径方向(A)(図3における上下方向)に曲げる際の曲げ剛性であり、タイヤでは半径方向の剛性に相当する。面外剛性は、次のように測定するものとする。まず、スチールコード20を任意の打ち込み本数となるように、コーティングゴム11で被覆し、図4に示すように、スチールコード20を所定の間隔にて配列させたトッピング反を作成する。得られたトッピング反を例えば160℃×20分で加硫し、コード断面方向に1inchに切断し、測定用サンプル30とする。そして、図5に示すように、100mmの間隔で配された一対の断面円形の支えロール22(直径=20mm)と、一対の支えロールの中点から鉛直方向上方に位置する断面円形の押込み治具24(直径=15mm)を備える試験機を用いて測定することができる。詳細には、支えロール22上に測定用サンプル30を置き、押込み治具24を押込み速度300mm/minで下方(矢印方向)に移動させ、押込み量30mmで測定用サンプル30を10回押し込み、10回目の押込み時に5mm押し込んだときの荷重を測定し、この荷重を面外剛性とする。支えロール22は、回転時の負荷(回転抵抗)がほぼない回転自在のロールである。測定用サンプル30は、スチールコード20の長手方向Nが支えロール22の軸方向に垂直になるように配置し、かつ、図4に示した測定用サンプル30の上方から押込み治具で押し込まれるように配置する。
本実施形態に係る空気入りタイヤのベルト補強プライ用の各スチールコード20は、図2に示すように、スチールフィラメントのみからなり、同一の径の4~6本の主フィラメント12と、これを束ねる1本のラッピングフィラメント14とからなる。主フィラメント12の径dは、0.15~0.30mmであることが好ましく、より好ましくは、0.15~0.25mmである。主フィラメント12の径dが0.15mm以上である場合、タイヤ装着時の操縦安定性を維持しつつ、スチールコード20の剛性を低くし、乗り心地を向上させ易い。径dが0.30mm以下である場合、剛直になり過ぎず、圧縮変形に伴う表面歪みの増加を抑えることができるため、ベルト補強プライ8Aの耐疲労性を維持でき、タイヤの耐久性を維持し易い。ラッピングフィラメント14は、曲げ剛性が主フィラメント12よりも小さく、例えば、主フィラメント12の10~40%とすることができる。また、ラッピングフィラメント14の径d0は、0.10~0.15mmであることが好ましい。ラッピングフィラメント14の径d0がこの範囲内である場合、スチールコード20の径増大を抑えつつ、結束力を確保し易い。
これらの主フィラメント12は、一つの平面に沿って1層をなすように並列される。すなわち、スチールコード20の長さ方向に垂直の断面にて、一列をなすように引き揃えられる。そのため、各スチールコード20は、扁平であり、図3に示すように長径D1と短径D2を持つ。長径D1と短径D2の値は特に限定されないが、例えば長径D1が1.00~1.50mm、短径D2が0.30~0.60mmであるものとすることができ、長径/短径の比は、例えば1.5~5倍、好ましくは2~4倍である。
1本のコード中にて並列される主フィラメント12の本数は、束としての形状を安定に保ちつつ、コードの扁平度を増大させてベルト層などの厚さを小さくする観点から、4~6本が好ましく、より好ましくは4~5本である。すなわち、主フィラメント12の数が6本を越えると、一列をなすように並列させるのが困難となり、束としての形状が不揃いになり易い。なお、主フィラメント12は、必ずしも断面が円形でなくても良い。例えば、主フィラメント12として、断面が楕円形のものを用いることにより、スチールコード20をさらに扁平にすることができる。
主フィラメント12の炭素含有量(質量%)は、特に限定されないが、0.80質量%以上であることが好ましく、0.90質量%以上であることがより好ましい。
一方、ラッピングフィラメント14としては、特に限定はされないが、波付けが施されていないもの、すなわち、いわゆる「真直」のものが好適に用いられる。真っ直ぐの場合、巻き付けが容易で、巻き付けの拘束力を、一様に高いものとし易い。なお、ラッピングフィラメント14による拘束力により、引き揃えられた主フィラメント12にスチールコード20としての一体感をもたせることができ、走行中の路線変更やカーブを曲がる際のベルト材の面内変形に対する高い剛性が得られる。
上記実施形態のさらに好ましい態様として、図6,7に示すように主フィラメント束13の周りをラッピングフィラメント14で巻き付けてなる扁平なスチールコード20を、その短径方向Aに押圧して、ラッピングフィラメント14を変形させたものを用いることができる。押圧により、隣接する主フィラメント12の間に形成される空間の少なくとも一部に、ラッピングフィラメント14が空間の形状に沿って変形しその一部が侵入する。即ち、上記空間の少なくとも一部がラッピングフィラメント14の少なくとも一部によって埋められる。そのため、ラッピングフィラメント14による主フィラメント12の拘束力を大きくできる。また、ラッピングフィラメント14に比較的大きな塑性変形が加えられることにより、ラッピングフィラメント14に内在する回転トルク及び反発力が小さくなる。そのため、主フィラメント束13が1列に並ぶ形状を保持しやすく、扁平なコードによる優れた効果を発揮しやすい。
上記のように短径方向Aに押圧することにより変形させたラッピングフィラメント14を持つ本実施形態に係るスチールコード20の厚さ、即ち押圧後の短径Daは、変形前のラッピングフィラメント14を持つスチールコード20の厚さ、即ち押圧前の短径Db(図示せず)よりも小さいものとすることができる。押圧前のスチールコード20の短径Dbに対する押圧後のスチールコード20の短径Daの比(Da/Db)が0.80以下であることが好ましく、より好ましくは0.65~0.75である。このように、Da/Db≦0.80となる程度の大きさの力で押圧することにより、変形したラッピングフィラメント14の主フィラメント12間の空間への侵入が十分となり、ラッピングフィラメント14の拘束力を十分に確保することができる。また、ラッピングフィラメント14に内在する回転トルク及び反発力を十分に小さくできる。
ラッピングフィラメント14の押圧前の直径、即ちフィラメント径d0は、上記の通り主フィラメント12の直径dよりも小径であるのが好ましく、0.10~0.15mmであることがより好ましい。0.15mm以下である場合、ラッピングフィラメント14に内在する回転トルク及び反発力を押圧によって十分に小さくし易く、また、0.10mm以上である場合、押圧時に断線する可能性をより小さくできる。
上記押圧は不図示の圧延ロールを用いて行うことができ、ラッピングフィラメント14の巻き付け後の扁平なコードは、圧延ロールにより上下両面から挟まれて押圧される。ラッピングフィラメント14が外側に位置しており、かつその硬度が主フィラメント12よりも低いので、押圧によりラッピングフィラメント14を優先的に変形させることができる。隣接する主フィラメント12の間には断面が略扇形の空間が形成されており、圧延ロールによって押圧されると、ラッピングフィラメント14の内周側が該空間を埋めるように変形し、当該空間の形状に沿う突起14aが形成される。同時に、突起14a間に凹みが形成されるとともに、ラッピングフィラメントの外周側部分14bは平面状に変形する。
一実施形態として、主フィラメント12の炭素含有量(質量%)をCcとし、ラッピングフィラメント14の炭素含有量(質量%)をCwとして、両者の差であるCc-Cwは0.05~0.40質量%であることが好ましく、より好ましくは0.10~0.30質量%である。Cc-Cwが0.05質量%以上であることにより、ラッピングフィラメント14を押圧により変形させやすく、また、0.40質量%以下であることにより、ラッピングフィラメント14が押圧により断線する可能性を小さくすることができる。
本実施形態に係る空気入りタイヤの種類としては、特に限定されず、乗用車用タイヤ、トラックやバスなどに用いられる重荷重用タイヤなどの各種のタイヤが挙げられる。
上記実施形態においては、ベルト補強層8が、ベルト6をその全幅で覆うキャッププライであるものについて説明したが、これに限定されず、ベルト6のタイヤ幅方向外側の端部とその周辺を覆う、エッジプライであってもよく、エッジプライがキャッププライのタイヤ幅方向の両端部が折り返された部分からなるものであってもよい。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
下記表1に示す構造を持つスチールコードを作製した。従来例のベルト補強層は、有機繊維コードとして940dtex/2の66ナイロンコードを用いて、ベルト補強プライを2枚とした。比較例1のスチールコードは、引き揃えの2本の金属フィラメントからなる芯部の周りに、同一径の1本の金属フィラメントを撚り合わせてなる2+1の複層撚り構造(2+1×0.27)を持つ従来のスチールコードである。それ以外のスチールコードは、全て、複数本の主フィラメントを撚り合わせることなく1列に引き揃えて配置した主フィラメント束を、1本の真直のラッピングフィラメント(直径d0=0.15mm)でラッピングし、更に圧延ロールで、表1に示すDa/Dbとなるように押圧してなるn+1構造のスチールコードである。また、ラッピングフィラメントの巻きピッチpは5.0mmとした。なお、表1中の「4×0.22+1」の0.22は主フィラメント径dが0.22mmであることを示す。
スチールコードについての測定方法は以下の通りである。
・フィラメントの炭素含有量:JIS G 1211に準拠した赤外線吸収法(附属書3:全炭素定量法-高周波誘導加熱炉燃焼)。より詳細には、LECO製「CS-400」なる装置を用い、鋼を高周波加熱により溶解し、赤外線吸収法で定量分析した。
・フィラメント径、コード径:JIS G 3510に準拠し、所定の厚み計によりコード及びフィラメントの直径を計測した。
表1に示す構造を有する各コードにつき、面外剛性を測定した。各コードを表1の打ち込み本数となるように配置した上で、カレンダー装置を用いて、トッピング反とし、得られたトッピング反を160℃×20分で加硫し、コード断面方向に1inchに切断し、測定用サンプルとした。測定方法は、上述の通りであり、図5に示すように、支えロール22上に測定用サンプルを置き、押込み治具24を押込み速度300mm/minで下方(矢印方向)に移動させ、押込み量30mmで測定用サンプル30を10回押し込み、10回目の押込み時に5mm押し込んだときの荷重を測定した。
また、得られたコードをベルト補強層用のコードとして用いて、タイヤサイズが245/35R20 95Wのラジアルタイヤを、常法に従い加硫成形した。各タイヤについて、ベルト補強層以外の構成は、全て共通の構成とした。ベルトプライにおけるスチールコードは、2+2×0.25構造とし、打ち込み本数を20本/inchとした。ベルトプライ(6A)/(6B)におけるスチールコードの角度は、タイヤ周方向に対して+24°/-24°とした。ベルト補強プライは、スチールコードをその長径方向がベルト面に平行になるように、表1記載の打ち込み本数にて配置した上で、カレンダー装置を用いて、トッピング反とすることにより作製した。
なお、カーカスプライは、ポリエステルのコード1100dtex/2、打ち込み本数28本/25mmで2プライとした。
得られた各空気入りタイヤにつき、ベルト補強層の重量、耐フラットスポット性、及び、乗り心地性を評価した。各評価項目の評価方法を、以下に示す。
・ベルト補強層の重量:タイヤ1本当りに用いたベルト補強プライの総重量であり、従来例のベルト補強プライの総重量を100として指数表示した。数字が小さいほど軽い。
・耐フラットスポット性:内圧220kPaで組み込んだ試作タイヤを排気量2500ccの試験車両(セダン)に装着し、タイヤ1本当たりの荷重を4.31kNとして速度100km/hにて1時間走行させた後、16時間静置させた。その後、テストドライバーによる官能評価を行った。評価は、走りはじめの上下方向及び前後方向の振動の大きさについて行い、振動の大きなものを「×」、ほぼ振動を感じないものを「○」として評価した。
・乗り心地性:内圧200kPaで標準リムに組み込んだ試験タイヤを試験車両の前輪に装着し、一般道の轍を模した図8に示す断面形状を持つ試験路40(轍の高低差h=20mm)にて、タイヤの乗り越し性を官能評価した。轍をスムーズに乗り越せるものを「○」、振動がやや不快なものを「△」、振動が大きいものを「×」とした。
Figure 0007014580000001
結果は、表1に示す通りであり、従来例と比較し、実施例1~3はいずれもベルト補強層の重量を低減することができ、かつ優れた耐フラットスポット性及び乗り心地が得られることがわかった。
比較例1は、スチールコードの構成がn+1構造ではなく、従来例よりベルト補強層の重量が増加した。
また、比較例1,2は、ベルト補強層の面外剛性が3.5N/inchを超えており、タイヤ径方向の剛性が高く、乗り心地性が劣っていた。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車、ライトトラック、バス等の各種車両に用いることができる。
T……タイヤ
1……ビード部
2……サイドウォール部
3……トレッド部
4……カーカス
5……ビードコア
6……ベルト
6A…第1ベルトプライ
6B…第2ベルトプライ
7……トレッドゴム部
8……ベルト補強層
8A…ベルト補強プライ
11…コーティングゴム
12…主フィラメント
13…主フィラメント束
14…ラッピングフィラメント
20…スチールコード
30…測定用サンプル
40…試験路
A……スチールコードの短径方向
B……スチールコードの長径方向
D1…スチールコードの長径
D2…スチールコードの短径
Da…押圧後のスチールコードの短径
K……ベルトプライの厚み方向
d……主フィラメントの径
d0…ラッピングフィラメントの径

Claims (1)

  1. カーカスと、カーカスのクラウン部の外周に配されたベルトと、ベルトの外周に配されたベルト補強層とを有する空気入りタイヤであって、
    前記ベルト補強層は、同一の径の4~6本のスチールフィラメントを撚り合わせることなく単一の層をなすように並列させて主フィラメント束とし、前記スチールフィラメントより小径で1本のスチールフィラメントをラッピングフィラメントとして前記主フィラメント束の周囲に巻き付けてなるn+1構造(n=4~6)のスチールコードを、その長径方向がベルト外周面と平行になるように配置したベルト補強プライを備え、
    ベルト補強層の面外剛性が3.5N/inch以下であり、
    前記スチールコードは、短径方向に押圧されたことにより、隣接する主フィラメントの間に形成される空間の少なくとも一部に、ラッピングフィラメントが空間の形状に沿って変形しその一部が侵入している、空気入りタイヤ。
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