JP7014042B2 - 鋼材 - Google Patents

鋼材 Download PDF

Info

Publication number
JP7014042B2
JP7014042B2 JP2018092449A JP2018092449A JP7014042B2 JP 7014042 B2 JP7014042 B2 JP 7014042B2 JP 2018092449 A JP2018092449 A JP 2018092449A JP 2018092449 A JP2018092449 A JP 2018092449A JP 7014042 B2 JP7014042 B2 JP 7014042B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
amount
steel
corrosion resistance
corrosion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018092449A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019196534A (ja
Inventor
慎 長澤
正行 児玉
哲次 福里
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2018092449A priority Critical patent/JP7014042B2/ja
Publication of JP2019196534A publication Critical patent/JP2019196534A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7014042B2 publication Critical patent/JP7014042B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、鋼材に関する。
種々の燃料や、廃棄物、下水汚泥などを燃焼させるボイラーの排煙設備やガス化溶融炉などは、燃焼排ガス雰囲気に曝され、硫酸露点腐食、塩酸露点腐食環境又は、硫酸や塩酸の水溶液に接する環境となる。このような激しい腐食環境に曝される鋼材には、長期に亘って優れた耐酸性が求められる。
このような問題に対し、耐硫酸・塩酸露点腐食鋼や高耐食ステンレス鋼が提案されている。(例えば、特許文献1~5参照。)。このうち、特許文献1~4では、CuやSb、Co、Crなどを添加した耐硫酸露点腐食性に優れた鋼材が提案されている。また、特許文献5では、CrやNiなどを添加した高耐食ステンレス鋼が提案されている。
特開2001-164335号公報 特開2003-213367号公報 特開2007-239094号公報 特開2012-57221号公報 特開平7-316745号公報
Cu、Sb、Crなどを含有する鋼材は耐硫酸露点腐食性に優れ、ボイラーや焼却施設の排ガス煙突などの硫酸腐食環境において、優れた耐食性を発揮する。しかし、ボイラーや焼却設備などを長寿命化するために、更なる耐食性の向上が期待されている。
また、熱交換器、ガス-ガスヒータ、脱硫装置、電気集塵機、などの用途に使用される鋼材、特に伝熱材(フィン材)に使用される鋼材には、耐酸性だけでなく、冷間加工性も求められている。更に、製造性の観点から、熱間加工性も要求される。
本発明はこのような実情に鑑み、製造性に優れ、硫酸露点腐食や塩酸露点腐食の酸腐食環境において、長期の耐食性と、優れた冷間加工性と、を備える鋼材の提供を課題とするものである。
本発明では、CuとSに着目し、鋼板表面でCuSの皮膜を形成させつつ、腐食の起点となりやすい介在物を抑制することによる耐食性の向上を検討した。その結果、CuとSを同時に含有させると鋼板表面にCuSを生成して耐酸性を向上させることがわかった。ただし、Sは腐食の起点となる介在物を生成するため耐食性に悪影響を及ぼす。そこで、Cu、Sについて更に検討を行い、下記(1)式で求められる耐酸性腐食指数CIの値を17.0~30.0にすることで、予想を超える耐食性が発現されるという知見を得た。
CI=(Cu/64)/(S/32) … 式(1)
また、Cuは耐食性に有効であるものの表面赤熱脆性を生じ,鋼中の固溶限を超えたCuが結晶粒界や地鉄表面に偏析して、表面割れの原因となる。CuとともにNiを含有させることでCuの表面偏析を抑制する。CuとNiを同時に含有させることで、耐食性を維持しつつ表面割れの防止につながる。そこで、CuとNiについて、更に検討を行い、下記(2)式で求められる赤熱脆化指数DIの値を1.00~3.00とすることで、表面割れ防止し、熱間加工性を維持しつつ、優れた耐食性が発現されるという知見を得た。
DI=(Cu/64)/(Ni/59) … 式(2)
さらに、C含有量を0.010%未満とし、下記式(3)で求められるCeqを0.100~0.220にすることにより、冷間加工性を確保することができ、優れた耐食性、熱間加工性及び溶接性を有する鋼材を得ることに成功した。
Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/5+(Cr+Mo+V)/15 … 式(3)
本発明はこのような知見に基づいてなされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
[1] 質量%で、
C:0.0010%以上、0.010%未満、
Si:0.03~0.60%、
Mn:0.10~1.50%、
S:0.001~0.015%、
Cu:0.05~0.50%、
Sb:0.02~0.30%、
Ni:0.02~0.50%、
Al:0.005~0.080%、
P:0~0.025%、
N:0~0.008%、及び
O:0~0.0035%
を含有し、残部がFe及び不純物からなり、
下記(1)で求められるCIが17.0~30.0であり、下記(2)式で求められるDIが1.00~3.00であり、下記(3)式で求められるCeqが0.100~0.220であることを特徴とする鋼材。
CI=(Cu/64)/(S/32) … 式(1)
DI=(Cu/64)/(Ni/59) … 式(2)
Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/5+(Cr+Mo+V)/15 … 式(3)
ここで、式中、S、C、Mn、Cu、Sb、Ni、Cr、V、Nは各元素の質量%に基づく含有量を示し、含有しない場合は0である。
[2] 更に、質量%で、
Cr:1.00%以下、
Mo:0.50%以下
W :0.50%以下
Sn:0.30%以下、
As:0.30%以下、
Co:0.30%以下、及び
Bi:0.010%以下
からなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする[1]に記載の鋼材。
[3] 更に、質量%で、
Ti:0.050%以下、
Nb:0.10%以下、
V:0.10%以下、
Zr:0.050%以下、
Ta:0.050%以下、及び
B:0.010%以下
からなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする[1]又は[2]に記載の鋼材。
[4] 更に、質量%で、
Ca:0.010%以下、
Mg:0.010%以下、及び
REM:0.010%以下
からなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする[1]~[3]の何れか1項に記載の鋼材。
本発明によれば、ボイラーや焼却施設の排ガス煙突などの硫酸腐食環境やごみ焼却炉などの排ガス煙突などの塩酸腐食環境などの酸腐食環境において優れた耐食性を発現し、製造性及び冷間加工性にも優れた鋼材を提供することが可能になる。したがって、本発明は産業上の貢献が極めて顕著である。
本発明者らの検討により、Cu、Sbを含む耐酸性鋼の耐酸性向上には、鋼板表面に難溶性の皮膜を形成させつつ,鋼材表面で腐食起点となりやすい、介在物を抑制することが有効であることがわかった。CuSの皮膜を鋼材表面に生成させるためにはCuとSが必要である。ただし、Sは介在物を形成しやすく、腐食の起点となりやすいため、Cu及びSのバランスが重要であり、下記式(1)で求められる耐酸性腐食指数CIの値を適正な範囲とすることが必要であることがわかった。
CI=(Cu/64)/(S/32) … 式(1)
また、Cuは耐食性に有効であるが表面赤熱脆性を生じ、鋼中の固溶限を超えたCuが結晶粒界や地鉄表面に偏析して表面割れの原因となる。CuとともにNiを含有させることでCuの表面偏析を抑制する。すなわち、CuとNiを同時に含有させることで、耐食性を維持しつつ表面割れの防止につながる。そこで、CuとNiについて更に検討を行い、安定的な製造性を維持するためには、下記(2)式で求められる赤熱脆化指数DIの値を適正な範囲にすることが必要であることがわかった。
DI=(Cu/64)/(Ni/59) … 式(2)
さらに、耐食性を向上させつつ、冷間加工性を確保するため、C含有量を0.010%未満とし、下記式(3)で求められるCeqを適正な範囲にすることが重要であることがわかった。
Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/5+(Cr+Mo+V)/15 … 式(3)
これら式(1)~式(3)を満足することで、優れた耐食性、熱間加工性及び溶接性を有する鋼材を得ることに成功した。
本実施形態に係る鋼材の成分について説明する。なお、%の表記は特に断りがない場合は質量%を意味する。また、本明細書に記載される数値範囲は、別段の記載がない限り境界値を含む。
(C:0.0010%以上0.010%未満)
Cは、強度を高める元素であるが、冷間加工性に悪影響を及ぼす元素であるため、C量を0.010%未満とする。好ましくはC量を0.008%以下とする。冷間加工性を高めるには、C量は少ないほど好ましいが、製造コストを考慮して、C量を0.0010%以上とする。強度が要求される場合は、C量を0.0030%以上とすることが好ましい。
(Si:0.03~0.60%)
Siは、脱酸及び強度の向上に寄与する元素であり、また、酸化物の形態を制御するために、0.03%以上を含有させることが必要である。好ましくはSi量を0.05%以上とし、より好ましくは0.10%以上とする。一方、0.60%を超えるSiを含有させると酸化物が増加し、耐酸性を損なうため、Si量を0.60%以下とする。好ましくはSi量を0.40%以下、より好ましくは0.30%以下とする。
(Mn:0.10~1.50%)
Mnは、強度及び靭性を向上させる元素であり、0.10%以上を含有させる。好ましくはMn量を0.30%以上とする。更に好ましくは0.50%以上である。一方、1.50%を超える量のMnを含有させると、粗大なMnSが生成し、耐食性や機械特性が劣化するため、Mn量を1.50%以下とする。好ましくはMn量を1.00%以下、より好ましくは0.80%以下とする。
(S:0.001~0.015%)
Sは、Cuとの組み合わせによってCuSを形成することで予想以上の耐食性を発揮する元素であり、0.001%以上含有させることが必要である。好ましくは0.003%以上であり、より好ましくは0.005%以上とする。一方、熱間加工性や鋼材の機械特性を低下させるため、S量を0.015%以下とする。より好ましくは0.008%以下にするとよい。
(Cu:0.05~0.50%)
Cuは、Sbと同時に含有させると、硫酸や塩酸に対する耐食性を顕著に発現する極めて重要な元素である。酸性環境での耐食性を確保するために、Cu量を0.05%以上とすることが必要である。好ましくはCu量を0.15%以上、より好ましくは0.20%以上とする。一方、Cu量が0.50%を超えると熱間加工性が低下し、製造性を損なうため、0.50%以下とする。好ましくはCu量を0.40%以下、より好ましくは0.30%以下とする。
(Sb:0.02~0.30%)
Sbは、上述のように、Cuと同時に含有させると耐酸性を向上させる極めて重要な元素であり、酸性環境での耐食性を確保するため、0.02%以上を含有させることが必要である。好ましくはSb量を0.10%以上とする。一方、Sb量が0.30%を超えると熱間加工性が低下するので、0.30%以下とする。好ましくはSb量を0.15%以下とする。
(Ni:0.02~0.50%)
Niは、Cuを含有する鋼において、製造性を高める効果を発現する。Cuは、耐食性を向上させる効果が大きいが、偏析し易く、単独で含有させると鋳造後の割れを助長する場合がある。これに対して、NiはCuの偏析を軽減する作用がある。Niを含有させると、Cu偏析起因の鋳片の割れの抑制に加えて、偏析に起因する局部腐食の発生も抑制されるため、耐食性を向上させる効果が顕著に発現されるため、Ni量を0.02%以上含有させる。好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.10%以上、更に好ましくは0.15%以上とする。一方、Niも高価な元素であるため、コストの観点からNi量を0.50%以下とする。より好ましくは0.30%以下、更に好ましくは0.25%以下とする。
(Al:0.005~0.080%)
Alは、脱酸剤であり、0.005%以上を含有させることが必要である。好ましくはAl量を0.020%以上とする。一方、Alを過剰に含有させると、介在物の増加によって、耐酸性を損なうため、Al量を0.080%以下とする。好ましくはAl量を0.050%以下とする。
(P:0~0.025%)
Pは、不純物であり、鋼材の機械特性や製造性を低下させるため、P量を0.025%以下とする。P量の下限は限定せず、0%でもよいが、コストの観点からP量は0.001%以上であってもよい。
(N:0~0.008%)
Nは、不純物であり、鋼材の機械特性や製造性を低下させるため、N量を0.008%以下とする。N量の下限は限定せず、0%でもよいが、コストの観点からN量を0.001%以上にしてもよい。微細な窒化物を機械特性等の向上に利用する場合、N量は0.002%以上であってもよい。
(O:0~0.0035%)
Oは、酸化物を生成する元素である。酸性環境において腐食の起点となる粗大な酸化物の生成を抑制するために、O量を0.0035%以下とする。好ましくはO量を0.0030%以下、より好ましくは0.0025%以下とする。O量の下限は限定せず、0%でもよいが、コストの観点からO量は0.0005%以上であってもよい。
更に、酸性環境での耐食性を向上させるために、Cr、Mo、W、Sn、As、Co及びBiからなる群から選択される1種又は2種以上を含有させてもよい。なお、これらの元素は鋼材において必ずしも必須ではないことから、含有量の下限を0%とする。
(Cr:1.00%以下)
Crは焼入れ性を高めて強度を向上させる元素であり、0.01%以上を含有させてもよい。より好ましくはCr量を0.05%以上とする。また、Crは耐候性を高める元素であるが、酸性環境での耐食性を低下させる場合があり、Cr量を1.00%以下とする。好ましくはCr量を0.70%以下、より好ましくは0.50%以下、更に好ましくは0.30%以下、より一層好ましくは0.10%以下とする。
(Mo:0.50%以下)
Moは、Cu及びSbと同時に含有させることにより、酸性環境での耐食性を向上させる元素である。特に、塩酸に対する耐食性を高めるためには、Mo量を0.01%以上とする。好ましくは0.10%以上とする。一方、Moは高価な元素であるため、コストの観点から、含有量を0.50%以下とする。好ましくはMo量を0.30%以下とする。
(W:0.50%以下)
Wは、Mo同様にCu及びSbと同時に含有させることにより、酸性環境での耐食性を向上させる元素である。特に、塩酸に対する耐食性を高めるためには、W量を0.01%以上とする。好ましくは0.10%以上とする。一方、Wは高価な元素であるため、コストの観点から、含有量を0.50%以下とする。好ましくはW量を0.30%以下とする。
(Sn:0.30%以下)
Snは、酸性環境での耐食性を向上させる元素であり、0.01%以上を含有させてもよい。より好ましくはSn量を0.02%以上、更に好ましくはSn量を0.05%以上とする。一方、Snを過剰に含有させると熱間加工性が低下するので、Sn量を0.30%以下とする。より好ましくはSn量を0.20%以下とする。
(As:0.30%以下)
Asは、Sb、Snに比べて効果は顕著ではないが、酸性環境での耐食性の向上に有効な元素であり、0.01%以上を含有させてもよい。より好ましくはAs量を0.02%以上、更に好ましくはAs量を0.05%以上とする。一方、Asを過剰に含有させると熱間加工性が低下するので、As量を0.30%以下とする。より好ましくはAs量を0.20%以下、更に好ましくは0.10%以下とする。
(Co:0.30%以下)
Coは、Sb、Snに比べて効果は顕著ではないが、酸性環境での耐食性を向上させる元素であり、0.01%以上を含有させてもよい。より好ましくはCo量を0.02%以上、更に好ましくはCo量を0.05%以上とする。一方、Coを過剰に含有させると経済性が低下するので、Co量を0.30%以下とする。より好ましくはCo量を0.20%以下、更に好ましくは0.10%以下とする。
(Bi:0.010%以下)
Biは、Sb、Snに比べて効果は顕著ではないが、酸性環境での耐食性を向上させる元素であり、0.001%以上を含有させてもよい。より好ましくはBi量を0.002%以上、更に好ましくはBi量を0.005%以上とする。一方、Biを過剰に含有させると熱間加工性が低下するので、Bi量を0.010%以下とする。より好ましくはBi量を0.007%以下、更に好ましくは0.005%以下とする。
更に、機械特性などを向上させるために、Ti、Nb、V、Zr、Ta及びBからなる群から選択される1種又は2種以上を含有させてもよい。なお、これらの元素は鋼材において必ずしも必須ではないことから、含有量の下限を0%とする。
(Ti:0.050%以下)
Tiは、窒化物を形成し、結晶粒の微細化や強度の向上に寄与する元素であり、0.001%以上を含有させてもよい。より好ましくはTi量を0.005%以上とする。一方、0.050%超のTiを含有させると、窒化物が粗大になり、機械特性が劣化することがあるため、Ti量を0.050%以下とする。より好ましくはTi量を0.040%以下、更に好ましくは0.030%以下、より一層好ましくは0.020%以下とする。
(Nb:0.10%以下)
Nbは、Tiと同様に、窒化物を形成する元素であり、結晶粒の微細化や強度の向上を目的として、0.001%以上を含有させてもよい。より好ましくはNb量を0.005%以上とする。一方、0.10%超のNbを含有させると、機械特性が劣化することがあるため、Nb量を0.10%以下とする。より好ましくはNb量を0.050%以下、更に好ましくは0.030%以下、より一層好ましくは0.020%以下とする。
(V:0.10%以下)
Vは、Ti、Nbと同様、窒化物を形成する元素であり、主に、析出強化による強度の改善のために含有させてもよい。効果を得るために、V量を0.005%以上とすることが好ましい。一方、0.10%超のVを含有させると、機械特性が劣化することがあるため、V量を0.10%以下とする。より好ましくはV量を0.050%以下、更に好ましくは0.030%以下、より一層好ましくは0.020%以下とする。
(Zr:0.050%以下)
Zrは、Ti、Nb、Vと同様、窒化物を形成する元素であり、主に、析出強化による強度の改善のために含有させてもよい。効果を得るために、Zr量を0.005%以上とすることが好ましい。一方、Zrは高価な元素であり、また、0.050%超のZrを含有させると、機械特性が劣化することがあるため、Zr量を0.050%以下とする。より好ましくはZr量を0.040%以下、更に好ましくは0.030%以下、より一層好ましくは0.020%以下とする。
(Ta:0.050%以下)
Taは、強度の向上に寄与する元素であり、0.001%以上を含有させてもよい。また、メカニズムは必ずしも明らかでないが、Taは耐食性の向上にも寄与し、より好ましくはTa量を0.005%以上とする。一方、Taを過剰に含有させるとコストが上昇するため、Ta量を0.050%以下とする。より好ましくはTa量を0.040%以下、更に好ましくは0.030%以下、より一層好ましくは0.020%以下とする。
(B:0.010%以下)
Bは焼入性を向上させ、強度を高める元素である。効果を得るためには、B量を.0003%以上にすることが好ましい。より好ましくはB量を0.0005%以上とする。一方、0.010%を超えるBを含有させても、効果が飽和し、母材、HAZの靭性が低下する場合があり、B量を、0.010%以下とする。より好ましくはB量を0.0050%以下、更に好ましくは0.0030%以下、より一層好ましくは0.0020%以下とする。
更に、脱酸や介在物の制御を目的として、Ca、Mg及びREMからなる群から選択される1種又は2種以上を含有させてもよい。なお、これらの元素は鋼材において必ずしも必須ではないことから、含有量の下限を0%とする。
(Ca:0.010%以下)
Caは、主に硫化物の形態の制御に用いられる元素であり、また、微細な酸化物を形成させるために、0.0005%以上を含有させてもよい。好ましくはCa量を0.001%以上、より好ましくは0.002%以上とする。一方、0.010%を超えるCaを含有させると機械特性が損なわれる場合があるため、Ca量を0.010%以下とする。より好ましくはCa量を0.005%以下とする。
(Mg:0.010%以下)
Mgは、微細な酸化物を形成させるために、0.0001%以上を含有させてもよい。好ましくはMg量を0.0003%以上、より好ましくは0.0005%以上とする。一方、製造コストの観点から、Mg量を0.010%以下とする。より好ましくはMg量を0.005%以下、更に好ましくは0.003%以下とする。
(REM:0.010%以下)
REM(希土類元素)は、主に脱酸に用いられる元素であり、微細な酸化物を形成させるために、0.0001%以上を含有させてもよい。好ましくはREM量を0.0003%以上、より好ましくは0.0005%以上とする。一方、製造コストの観点から、REM量を0.010%以下とする。より好ましくはREM量を0.005%以下、更に好ましくは0.003%以下とする。
本実施形態に係る鋼材の化学成分の残部は、鉄(Fe)及び不純物である。不純物とは、鋼材を工業的に製造する際に、鉱石、スクラップ等の原料その他の要因により混入する成分であって、本実施形態に係る鋼材に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。ただし、不純物のうち、P、N及びOについては上述のように上限を制限する必要がある。
本実施形態に係る鋼材は、優れた耐食性、熱間加工性及び冷間加工性を有する鋼材を得るために、特定の元素の関係を制御することが必要である。
(CI:17.0~30.0)
耐酸性腐食指数CIは、鋼板表面にCuSの皮膜を形成させつつ、腐食の起点となりやすい介在物を抑制するために重要な指標である。皮膜を生成させるためにはCuとSが必要であるが、Sは過剰に含有させると腐食の起点となる介在物を形成するため、耐酸性を顕著に向上させるには、Cu及びSのバランスが重要となる。CIが30.0を超えると、CuS皮膜が鋼材表面に形成しにくくなり、十分な耐食性が得られない。一方、CIが17.0未満であると、介在物が腐食の起点となりやすくなり、耐食性が低下する場合がある。したがって、CI値は17.0~30.0とする。耐酸性腐食指数CIは、耐酸性を確実に良好なものとするために、好ましくは18.0以上、より好ましくは20.0以上である。また、耐酸性腐食指数CIは、耐食性をより一層向上させるために、好ましくは28.0以下、より好ましくは26.0以下である。
耐酸性腐食指数CIは、下記式(1)に示されるように、Cu原子及びS原子の数との比である。即ち、Cu/64、S/32は、それぞれ、Cu、Sの含有量を各元素の質量数で除した項である。
CI=(Cu/64)/(S/32) … 式(1)
本実施形態に係る鋼材は、顕著な耐食性を維持しつつ、熱間加工性や溶接性を向上させるために、特定の元素の関係を制御することが必要である。
(DI:1.00~3.00)
赤熱脆化指数DIは、結晶粒界や地鉄表面に偏析するCuによる表面割れをNiを含有させることにより抑制するための指標であり、熱間加工性を確保するために重要である。Cuの含有量に対してNiの含有量が少ないと熱間加工性が低下するため、赤熱脆化指数DIは3.00以下とする必要がある。赤熱脆化指数DIを小さくすることが熱間加工性を確保するためには好ましいが、1.00未満では効果が飽和する。また、Cuが不足して耐酸性の向上の効果が不十分にならないように、赤熱脆化指数DIを1.00以上にすることが必要である。赤熱脆化指数DIは、耐酸性を確実に良好なものとするために、好ましくは1.20以上、より好ましくは1.40以上である。また、赤熱脆化指数DIは、熱間加工性をより一層向上させるために、好ましくは2.80以下、より好ましくは2.60以下である。
赤熱脆化指数DIは、下記式(2)に示されるように、Cu原子及びNi原子の数との比である。即ち、Cu/64、Ni/59は、それぞれ、Cu、Niの含有量を各元素の質量数で除した項である。
DI=(Cu/64)/(Ni/59) … 式(2)
(Ceq:0.100~0.220)
Ceqは、硬さの上昇による冷間加工性の劣化を示す指標であり、冷間加工性を確保するために、0.220以下とする。好ましくはCeqを0.210以下、より好ましくは0.200以下とする。一方。Ceqが低すぎると機械特性が不十分になるため、0.100以上とする。好ましくはCeqを0.110以上、より好ましくは0.120以上とする。
Ceqは、下記式(3)に示される指標である。
Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/5+(Cr+Mo+V)/15 … 式(3)
以上の式(1)~式(3)において、S、C、Mn、Cu、Sb、Mo、W、Ni、Cr、Vは各元素の含有量であり、含有しない場合は0として計算する。
本実施形態に係る鋼材の製造方法について説明する。本実施形態に係る鋼材には、熱間圧延を施し、更に必要に応じて冷間圧延を施して製造される鋼板、形鋼、鋼管などが含まれる。
本実施形態に係る鋼材は、常法で鋼を溶製し、成分の調整後、鋳造して得られた鋼片を熱間圧延し、更に必要に応じて冷間圧延を施して製造される。熱間圧延後は、そのまま水冷するか、又は空冷した後、再加熱して焼入れてもよい。熱間圧延後は、コイル状に巻き取ってもよい。熱間圧延後、冷間圧延して、更に熱処理を施してもよい。
鋼管を製造する場合は、鋼板を管状に成形して溶接してもよく、UO鋼管、電縫鋼管、鍛接鋼管、スパイラル鋼管などにすることができる。鋼片に熱間押出や穿孔圧延を施して製造されるシームレス鋼管も本実施形態に含まれる。
以下、本発明の実施例を挙げながら、本発明の技術的内容について更に説明する。なお、以下に示す実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。また本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
表1、表2に示す成分の鋼を溶製し、鋼塊を1150℃で2時間加熱後、熱間圧延を行って空冷し、厚みが20mmの鋼板を製造した。なお、表1、表2に示す各鋼の成分の残部は、鉄及び不純物である。
Figure 0007014042000001
Figure 0007014042000002
得られた鋼板から25×25×4mmtの試験片を板厚中央部から採取し、湿式#400研磨で仕上げ、耐食性評価用の試験片とした。耐食性の評価は硫酸浸漬試験及び塩酸浸漬試験によって行った。硫酸浸漬試験は、60℃の40%硫酸水溶液に6時間浸漬し、塩酸浸漬試験は、60℃の3mol/L塩酸水溶液中に6時間浸漬し、それぞれ腐食減量によって評価した。
比較例AAを基準として、30%以上耐食性が向上した(腐食減量が比較例AAの70%以下に低下した)ものを○、50%以上耐食性が向上した(腐食減量が比較例AAの50%以下に低下した)ものを◎、30%未満(腐食減量が比較例AAの70%超)のものを×とした。
熱間加工性は上記条件で圧延した熱間圧延材表面で、外観目視で割れの有無を判別した。
また、JIS Z 2241に準拠して引張試験片を作製し、引張試験を行って引張強度及び全伸びを求めた。引張強度が350MPa以上のものを○、350MPa未満のものを×とした。全伸びは冷間加工性の指標であり、30%以上のものを○、30%未満のものを×とした。結果を表3に示す。
Figure 0007014042000003
表3に示すとおり、鋼No.A~Zは成分、CI値、DI値、Ceqが本発明の範囲内であり、塩酸及び硫酸に対する耐食性、熱間加工性、強度及び全伸びの全てが良好である。一方、鋼No.AA~AJは成分、CI値、DI値、Ceqの何れかが本発明の範囲内であり、塩酸及び硫酸に対する耐食性、熱間加工性、強度及び全伸びの何れかが低下している。
鋼No.AAは塩酸腐食試験及び硫酸腐食試験の評価の基準とした鋼であるが、CI値が低いため、本発明の鋼に比べて塩酸及び硫酸に対する耐食性が低下している。鋼No.ABはCI値が高いため、耐食性が低下している。Si含有量が少ない鋼No.AC、Si含有量が多い鋼No.AD、Sb含有量が少ない鋼No.AE、Al含有量が少ない鋼No.AFも、本発明の鋼に比べて塩酸及び硫酸に対する耐食性が低下している。
鋼No.AGはDI値が高いため、熱間加工性が低下している。鋼No.AHはCeqが小さく、強度が不十分である。一方、Ceqが大きい鋼No.AI、C含有量が多いAJは冷間加工性の指標である全伸びが低下している。
本発明の鋼材は、重油、石炭などの化石燃料、液化天然ガスなどのガス燃料、都市ごみなどの一般廃棄物、廃油、プラスチック、排タイヤなどの産業廃棄物及び下水汚泥などを燃焼させるボイラーの排煙設備に使用することができる。具体的には、排煙設備の煙道ダクト、ケーシング、熱交換器、2基の熱交換器(熱回収器及び再加熱器)で構成されるガス-ガスヒータ、脱硫装置、電気集塵機、誘引送風機、回転再生式空気予熱器のバスケット材及び伝熱エレメント板、フィン材などに好適に使用することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

Claims (4)

  1. 質量%で、
    C:0.0010%以上、0.010%未満、
    Si:0.03~0.60%、
    Mn:0.10~1.50%、
    S:0.001~0.015%、
    Cu:0.05~0.50%、
    Sb:0.02~0.30%、
    Ni:0.02~0.50%、
    Al:0.005~0.080%、
    P:0~0.025%、
    N:0~0.008%、及び
    O:0~0.0035%
    を含有し、残部がFe及び不純物からなり、
    下記(1)で求められるCIが17.0~30.0であり、下記(2)式で求められるDIが1.00~3.00であり、下記(3)式で求められるCeqが0.100~0.220であることを特徴とする鋼材。
    CI=(Cu/64)/(S/32) … 式(1)
    DI=(Cu/64)/(Ni/59) … 式(2)
    Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/5+(Cr+Mo+V)/15 … 式(3)
    ここで、式中、S、C、Mn、Cu、Sb、Ni、Cr、V、Nは各元素の質量%に基づく含有量を示し、含有しない場合は0である。
  2. 更に、質量%で、
    Cr:1.00%以下、
    Mo:0.50%以下
    W :0.50%以下
    Sn:0.30%以下、
    As:0.30%以下、
    Co:0.30%以下、及び
    Bi:0.010%以下
    からなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の鋼材。
  3. 更に、質量%で、
    Ti:0.050%以下、
    Nb:0.10%以下、
    V:0.10%以下、
    Zr:0.050%以下、
    Ta:0.050%以下、及び
    B:0.010%以下
    からなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼材。
  4. 更に、質量%で、
    Ca:0.010%以下、
    Mg:0.010%以下、及び
    REM:0.010%以下
    からなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の鋼材。
JP2018092449A 2018-05-11 2018-05-11 鋼材 Active JP7014042B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018092449A JP7014042B2 (ja) 2018-05-11 2018-05-11 鋼材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018092449A JP7014042B2 (ja) 2018-05-11 2018-05-11 鋼材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019196534A JP2019196534A (ja) 2019-11-14
JP7014042B2 true JP7014042B2 (ja) 2022-02-01

Family

ID=68537856

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018092449A Active JP7014042B2 (ja) 2018-05-11 2018-05-11 鋼材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7014042B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200065990A (ko) * 2018-11-30 2020-06-09 주식회사 포스코 황산 및 황산/염산 복합 응축 환경에서 내식성을 갖는 강판 및 그 제조방법

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001164335A (ja) 1999-12-06 2001-06-19 Nippon Steel Corp 高加工性・良溶接性耐硫酸露点腐食鋼板
JP2003213367A (ja) 2001-11-19 2003-07-30 Nippon Steel Corp 耐塩酸腐食性および耐硫酸腐食性に優れた低合金鋼およびその溶接継手
JP2004315936A (ja) 2003-04-18 2004-11-11 Nippon Steel Corp 粒界割れ抵抗性に優れた極低炭素系耐酸露点腐食鋼
JP2007239094A (ja) 2006-02-13 2007-09-20 Nippon Steel Corp 耐酸腐食鋼
CN103589972A (zh) 2013-10-10 2014-02-19 中天钢铁集团有限公司 一种低成本耐硫酸露点腐蚀用低合金钢及其生产工艺与用途
CN103882311A (zh) 2014-03-04 2014-06-25 南京钢铁股份有限公司 具有优异耐盐酸和硫酸腐蚀性的低合金钢板及其生产方法
CN104451457A (zh) 2014-11-20 2015-03-25 南京钢铁股份有限公司 一种耐盐酸和硫酸腐蚀热轧钢带及其生产方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6515282B2 (ja) * 2015-07-01 2019-05-22 日本製鉄株式会社 酸性環境用耐食鋼材及び防食方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001164335A (ja) 1999-12-06 2001-06-19 Nippon Steel Corp 高加工性・良溶接性耐硫酸露点腐食鋼板
JP2003213367A (ja) 2001-11-19 2003-07-30 Nippon Steel Corp 耐塩酸腐食性および耐硫酸腐食性に優れた低合金鋼およびその溶接継手
JP2004315936A (ja) 2003-04-18 2004-11-11 Nippon Steel Corp 粒界割れ抵抗性に優れた極低炭素系耐酸露点腐食鋼
JP2007239094A (ja) 2006-02-13 2007-09-20 Nippon Steel Corp 耐酸腐食鋼
CN103589972A (zh) 2013-10-10 2014-02-19 中天钢铁集团有限公司 一种低成本耐硫酸露点腐蚀用低合金钢及其生产工艺与用途
CN103882311A (zh) 2014-03-04 2014-06-25 南京钢铁股份有限公司 具有优异耐盐酸和硫酸腐蚀性的低合金钢板及其生产方法
CN104451457A (zh) 2014-11-20 2015-03-25 南京钢铁股份有限公司 一种耐盐酸和硫酸腐蚀热轧钢带及其生产方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019196534A (ja) 2019-11-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7135420B2 (ja) 鋼材
JP7099041B2 (ja) 鋼材
JP7348463B2 (ja) 鋼材
JP7385106B2 (ja) 鋼材
JP6813127B1 (ja) 鋼材
JP7269467B2 (ja) 鋼材
JP7127355B2 (ja) 鋼材
JP7124432B2 (ja) 鋼材
JP7127354B2 (ja) 鋼材
JP7014042B2 (ja) 鋼材
JP7218524B2 (ja) 鋼材
JP7218523B2 (ja) 鋼材
JP2022044093A (ja) 鋼材
JP7091968B2 (ja) 鋼材
JP7415140B2 (ja) 鋼材
JP7277749B2 (ja) 鋼材
JP6813128B1 (ja) 鋼材
JP6743996B1 (ja) 鋼材
JP6787530B1 (ja) 鋼材
JP2021085047A (ja) 鋼材
JP2023066027A (ja) 鋼材
JP2022044092A (ja) 鋼材
JP2023066026A (ja) 鋼材
JP2023140621A (ja) 熱間圧延鋼材

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190208

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20190419

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190422

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190426

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210112

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220103