JP7277749B2 - 鋼材 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼材に関する。
火力発電所の火炉および廃棄物焼却施設の焼却炉では、水蒸気、硫黄酸化物、塩化水素などを含む排ガスが発生する。この排ガスは、排ガス煙突などにおいて冷却されると、凝縮して硫酸および塩酸となり、硫酸露点腐食および塩酸露点腐食として知られるように、排ガス流路を構成する鋼材に対し、著しい腐食を引き起こす。
このような問題に対し、耐硫酸・塩酸露点腐食鋼および高耐食ステンレス鋼が提案されている。例えば、特許文献1~4では、Cu、Sb、Co、Crなどを添加した耐硫酸露点腐食性に優れた鋼材が提案されている。また、特許文献5では、CrおよびNiなどを添加した高耐食ステンレス鋼が提案されている。
特開2001-164335号公報 特開2003-213367号公報 特開2007-239094号公報 特開2012-57221号公報 特開平7-316745号公報
Cu、Sb、Cr、Coなどを含有する鋼材は、排ガス煙突のような硫酸腐食環境において、優れた耐食性を発揮する。しかし、発電設備および焼却設備を長寿命化するために、さらなる耐食性の向上が期待されている。
また、排ガス煙突に加えて、ガス化溶融炉、熱交換器、ガス-ガスヒータ、脱硫装置、電気集塵機などの焼却炉煙道に使用される鋼材は、鋼板または鋼管として設置されるため、耐食性だけでなく、熱間加工性および溶接性も要求される。
本発明は上記の問題を解決し、硫酸腐食環境および塩酸腐食環境において、優れた耐食性を有し、かつ、熱間加工性および溶接性に優れた鋼材の提供を課題とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、下記の鋼材を要旨とする。
(1)化学組成が、質量%で、
C:0.010%以上0.20%未満、
Si:0.10~0.50%、
Mn:0.10~1.00%、
S:0.0005~0.015%、
Cu:0.10~0.50%、
Cr:0.10~1.75%、
Sb:0.005~0.15%、
Ni:0.01~0.50%、
Ti:0.010~0.150%、
Al:0.005~0.10%、
P:0.025%以下、
N:0.0005~0.0090%、
O:0.0005~0.0035%、
残部:Feおよび不純物であり、
下記(i)式で定義されるBIが4.5~60.0であり、
下記(ii)式で定義されるCIが4.0~33.0であり、
下記(iii)式で定義されるDIが0.96~3.00であり、
下記(iv)式で定義されるCeqが0.180~0.320である、
鋼材。
BI=(Cr/52)/(N/14) ・・・(i)
CI=(Cu/64)/(S/32) ・・・(ii)
DI=(Cu/64)/(Ni/59) ・・・(iii)
Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/5+(Cr+Mo+V)/15 ・・・(iv)
但し、上記式中の元素記号は、鋼材中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合は0を代入するものとする。
(2)前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、
Mo:0.50%以下、
W:0.50%以下、
Sn:0.30%以下、
As:0.30%以下、
Co:0.30%以下、および
Bi:0.010%以下、
から選択される1種以上を含有するものである、
上記(1)に記載の鋼材。
(3)前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、
Nb:0.10%以下、
V:0.10%以下、
Zr:0.050%以下、
Ta:0.050%以下、および
B:0.010%以下、
から選択される1種以上を含有するものである、
上記(1)または(2)に記載の鋼材。
(4)前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、
Ca:0.010%以下、
Mg:0.010%以下、および
REM:0.010%以下、
から選択される1種以上を含有するものである、
上記(1)から(3)までのいずれかに記載の鋼材。
本発明によれば、酸腐食環境において耐食性を有し、熱間加工性および溶接性の両方に優れた鋼材を提供することが可能となる。
本発明者らは前記した課題を解決するために、鋼材の耐食性、熱間加工性、溶接性を詳細に調査した結果、以下の知見を得るに至った。
Cu、Sb、Crを含む耐食性鋼に生じた腐食の原因を検討したところ、鋼材表面で生成する窒化物および介在物が起点であることが分かった。Crは鋼材の耐食性向上のために有効であるが、含有量が過剰となると窒化物を形成し、腐食の起点となる。そこで、まず、窒化物の生成を抑制するためには、耐酸性腐食指数BI=(Cr/52)/(N/14)の値を4.5~60.0とすることが重要であるという知見を得た。
また、Sの含有量を減少させることで介在物の生成を抑制することができる。しかし、CuとSとを同時に含有させると、鋼材表面にCuSの難溶性被膜を形成し、予想以上に鋼材の耐食性を向上させることが分かった。つまり、CuおよびSの含有量のバランスが重要であり、耐酸性腐食指数CI=(Cu/64)/(S/32)の値を4.0~33.0とすることで、鋼板表面でCuSの被膜を形成させつつ、腐食の起点となりやすい介在物の生成を抑制することができる。
一方で、Cuは耐食性に有効であるものの表面赤熱脆性を生じ、鋼中の固溶限を超えたCuが結晶粒界および地鉄表面に偏析して、表面割れの原因となる。そこで、Cuの含有量について検討を重ねた結果、CuとNiとを同時に含有させ、赤熱脆化指数DI=(Cu/64)/(Ni/59)の値を0.96~3.00とすることで、耐食性を維持しつつ、表面割れを抑制し、安定した熱間加工性を維持できることを明らかにした。
さらに、上記条件を満足し、溶接性に優れた鋼材を得るためには、炭素当量Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/5+(Cr+Mo+V)/15を0.180~0.320とすることが重要であることを見出した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものである。以下、本発明の各要件について詳しく説明する。
(A)化学組成
各元素の限定理由は下記のとおりである。なお、以下の説明において含有量についての「%」は、「質量%」を意味する。
C:0.010%以上0.20%未満
Cは、鋼材の強度を向上させる元素である。しかしながら、Cが過剰に含有された場合、炭化物が増加し、耐食性が劣化する。そのため、C含有量は0.010%以上0.20%未満とする。C含有量は0.030%以上であるのが好ましく、0.050%以上であるのがより好ましい。また、C含有量は0.15%以下であるのが好ましく、0.10%以下であるのがより好ましい。
Si:0.10~0.50%
Siは、脱酸および強度の向上に寄与し、酸化物の形態を制御する元素である。しかしながら、Siが過剰に含有された場合、酸化物が増加し、耐食性を損なう。そのため、Si含有量は0.10~0.50%とする。Si含有量は0.15%以上であるのが好ましく、0.20%以上であるのがより好ましい。また、Si含有量は0.40%以下であるのが好ましく、0.30%以下であるのがより好ましい。
Mn:0.10~1.00%
Mnは、強度および靭性を向上させる元素である。しかしながら、Mnが過剰に含有された場合、粗大なMnSが生成し、耐食性および機械特性が劣化する。そのため、Mn含有量は0.10~1.00%とする。Mn含有量は0.30%以上であるのが好ましく、0.50%以上であるのがより好ましい。また、Mn含有量は0.85%以下であるのが好ましく、0.70%以下であるのがより好ましい。
S:0.0005~0.015%
Sは、Cuとの組み合わせによってCuSを形成することで予想以上の耐食性を発揮する元素である。しかしながら、Sが過剰に含有された場合、熱間加工性および鋼材の機械特性を低下させる。そのため、S含有量は0.0005~0.015%とする。S含有量は0.0010%以上であるのが好ましく、0.0050%以上であるのがより好ましい。また、S含有量は0.008%以下であるのが好ましい。
Cu:0.10~0.50%
Cuは、Sbと同時に含有させると、硫酸および塩酸に対する耐食性を顕著に発現する極めて重要な元素である。しかしながら、Cuが過剰に含有された場合、熱間加工性が低下し、製造性を損なう。そのため、Cu含有量は0.10~0.50%とする。Cu含有量は0.15%以上であるのが好ましく、0.20%以上であるのがより好ましい。また、Cu含有量は0.40%以下であるのが好ましく、0.30%以下であるのがより好ましい。
Cr:0.10~1.75%
Crは、CuおよびSbと同様に耐食性を向上させる元素である。特に、CrをCuおよびSbと同時に含有させることで高温・高濃度となる酸性環境において優れた耐食性を発揮する。しかしながら、Crが過剰に含有された場合、腐食の起点となる窒化物の増加により耐食性を損なう。そのため、Cr含有量は0.10~1.75%とする。Cr含有量は0.15%以上であるのが好ましい。また、Cr含有量は1.60%以下であるのが好ましく、1.00%以下であるのがより好ましい。
Sb:0.005~0.15%
Sbは、上述のように、Cuと同時に含有させると耐食性を向上させる極めて重要な元素である。しかしながら、Sbが過剰に含有された場合、熱間加工性が低下する。そのため、Sb含有量は0.005~0.15%とする。Sb含有量は0.03%以上であるのが好ましい。また、Sb含有量は0.13%以下であるのが好ましい。
Ni:0.01~0.50%
Niは、Cuを含有する鋼において、製造性を高める効果を発現する。Cuは、耐食性を向上させる効果が大きいが、偏析し易く、単独で含有させると鋳造後の割れを助長する場合がある。これに対して、NiはCuの表面偏析を軽減する作用がある。Niを含有させることで、Cuの偏析および鋳片割れの抑制に加えて、偏析に起因する局部腐食の発生も抑制されるため、耐食性を向上させる効果が顕著に発現される。しかしながら、Niは高価な元素であり、多量の含有は製鋼コストの増大を招く。そのため、Ni含有量を0.01~0.50%とする。Ni含有量は0.05%以上であるのが好ましく、0.10%以上であるのがより好ましく、0.15%以上であるのがさらに好ましい。また、Ni含有量は0.30%以下であるのが好ましく、0.25%以下であるのがより好ましい。
Ti:0.010~0.150%
Tiは、窒化物を形成し、結晶粒の微細化および強度の向上に寄与する元素である。しかしながら、Tiが過剰に含有された場合、腐食の起点となる介在物の増加により、耐食性を損なう。そのため、Ti含有量を0.010~0.150%とする。Ti含有量は0.020%以上であるのが好ましい。また、Ti含有量は0.100%以下であるのが好ましく、0.060%以下であるのがより好ましい。
Al:0.005~0.10%
Alは、脱酸剤として添加される。しかしながら、Alが過剰に含有された場合、介在物の増加によって耐食性を損なう。そのため、Al含有量は0.005~0.10%とする。Al含有量は0.020%以上であるのが好ましい。また、Al含有量は0.050%以下であるのが好ましい。
P:0.025%以下
Pは、不純物であり、鋼材の機械特性および製造性を低下させる。そのため、P含有量に上限を設けて0.025%以下とする。P含有量は0.020%以下であるのが好ましく、0.015%以下であるのがより好ましい。なお、P含有量は可能な限り低減することが好ましく、つまり含有量が0%でもよいが、極度の低減は製鋼コストの増大を招く。そのため、P含有量は0.001%以上であるのが好ましい。
N:0.0005~0.0090%
Nは、窒化物を形成する元素である。しかしながら、Nが過剰に含有された場合、酸性環境において腐食の起点となる粗大な窒化物を形成して鋼材の耐食性を低下させる。そのため、N含有量は0.0005~0.0090%とする。N含有量は0.0006%以上であるのが好ましく、0.0007%以上であるのがより好ましい。また、N含有量は0.0085%以下であるのが好ましく、0.0083%以下であるのがより好ましい。
O:0.0005~0.0035%
Oは、酸化物を生成する元素であり、酸性環境において腐食の起点となる粗大な酸化物の生成を抑制するため、O含有量を0.0035%以下とする。O含有量は0.0030%以下であるのが好ましく、0.0025%以下であるのがより好ましい。なお、O含有量は可能な限り低減するのが好ましいが、極度の低減は製鋼コストの増大を招く。また、OはMnSと結合することで、MnSを無害化し、耐食性および機械特性の悪化を防ぐ効果を有する。そのため、O含有量は0.0005%以上とする。O含有量は0.0010%以上であるのが好ましく、0.0015%以上であるのがより好ましい。
本発明の鋼の化学組成において、上記の元素に加えて、さらにMo、W、Sn、As、CoおよびBiから選択される1種以上を、以下に示す範囲において含有させてもよい。各元素の限定理由について説明する。
Mo:0.50%以下
Moは、CuおよびSbと同時に含有させることにより、酸性環境での耐食性を向上させる元素であるため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Moは高価な元素であり、多量の含有は製鋼コストの増大を招く。そのため、Mo含有量は0.50%以下とする。Mo含有量は0.30%以下であるのが好ましい。なお、特に塩酸に対する耐食性を高める場合には、Mo含有量は0.01%以上であるのが好ましく、0.10%以上であるのがより好ましい。
W:0.50%以下
Wは、Moと同様にCuおよびSbと同時に含有させることにより、酸性環境での耐食性を向上させる元素であるため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Wは高価な元素であり、多量の含有は製鋼コストの増大を招く。そのため、W含有量は0.50%以下とする。W含有量は0.30%以下であるのが好ましい。なお、特に塩酸に対する耐食性を高める場合には、W含有量は0.01%以上であるのが好ましく、0.10%以上であるのがより好ましい。
Sn:0.30%以下
Snは、酸性環境での耐食性を向上させる元素であるため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Snが過剰に含有された場合、熱間加工性が低下する。そのため、Sn含有量は0.30%以下とする。Sn含有量は0.20%以下であるのが好ましい。なお、上記の効果を得たい場合には、Sn含有量は0.01%以上であるのが好ましく、0.02%以上であるのがより好ましく、0.05%以上であるのがさらに好ましい。
As:0.30%以下
Asは、SbおよびSnに比べて顕著な効果はないが、酸性環境における耐食性の向上に有効な元素であるため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Asが過剰に含有された場合、熱間加工性が低下する。そのため、As含有量は0.30%以下とする。As含有量は0.20%以下であるのが好ましく、0.10%以下であるのがより好ましい。なお、上記の効果を得たい場合には、As含有量は0.01%以上であるのが好ましく、0.02%以上であるのがより好ましく、0.05%以上であるのがさらに好ましい。
Co:0.30%以下
Coは、SbおよびSnに比べて顕著な効果はないが、酸性環境における耐食性を向上させる元素であるため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Coが過剰に含有された場合、経済性が低下する。そのため、Co含有量は0.30%以下とする。Co含有量は0.20%以下であるのが好ましく、0.10%以下であるのがより好ましい。なお、上記の効果を得たい場合には、Co含有量は0.01%以上であるのが好ましく、0.02%以上であるのがより好ましく、0.05%以上であるのがさらに好ましい。
Bi:0.010%以下
Biは、SbおよびSnに比べて顕著な効果はないが、酸性環境における耐食性を向上させる元素であるため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Biが過剰に含有された場合、熱間加工性が低下する。そのため、Bi含有量は0.010%以下とする。Bi含有量は0.007%以下であるのが好ましく、0.005%以下であるのがより好ましい。なお、上記の効果を得たい場合には、Bi含有量は0.001%以上であるのが好ましく、0.002%以上であるのがより好ましく、0.005%以上であるのがさらに好ましい。
本発明の鋼の化学組成において、上記の元素に加えて、機械特性などを向上させるために、さらにNb、V、Zr、TaおよびBから選択される1種以上を、以下に示す範囲において含有させてもよい。各元素の限定理由について説明する。
Nb:0.10%以下
Nbは、Tiと同様に、窒化物を形成する元素であり、結晶粒の微細化および強度の向上を目的として、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Nbが過剰に含有された場合、機械特性が劣化することがある。そのため、Nb含有量は0.10%以下とする。Nb含有量は0.050%以下であるのが好ましく、0.030%以下であるのがより好ましく、0.020%以下であるのがさらに好ましい。なお、上記の効果を得たい場合には、Nb含有量は0.001%以上であるのが好ましく、0.005%以上であるのがより好ましい。
V:0.10%以下
Vは、TiおよびNbと同様に、窒化物を形成する元素であり、主に、析出強化による強度の改善のために、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Vが過剰に含有された場合、機械特性が劣化することがある。そのため、V含有量は0.10%以下とする。V含有量は0.050%以下であるのが好ましく、0.030%以下であるのがより好ましく、0.020%以下であるのがさらに好ましい。なお、上記の効果を得たい場合には、V含有量は0.005%以上であるのが好ましい。
Zr:0.050%以下
Zrは、Ti、NbおよびVと同様に、窒化物を形成する元素であり、主に、析出強化による強度の改善のために、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Zrは高価な元素であり、多量の含有は製鋼コストの増大を招く。そのため、Zr含有量は0.050%以下とする。Zr含有量は0.040%以下であるのが好ましく、0.030%以下であるのがより好ましく、0.020%以下であるのがさらに好ましい。なお、上記の効果を得たい場合には、Zr含有量は0.005%以上であるのが好ましい。
Ta:0.050%以下
Taは、強度の向上に寄与する元素であり、また、メカニズムは必ずしも明らかでないが、耐食性の向上にも寄与するため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Taは高価な元素であり、多量の含有は製鋼コストの増大を招く。そのため、Ta含有量は0.050%以下とする。Ta含有量は0.040%以下であるのが好ましく、0.030%以下であるのがより好ましく、0.020%以下であるのがさらに好ましい。なお、上記の効果を得たい場合には、Ta含有量は0.001%以上であるのが好ましく、0.005%以上であるのがより好ましい。
B:0.010%以下
Bは焼入性を向上させ、強度を高める元素であるため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Bを過剰に含有させても効果が飽和し、母材およびHAZの靭性が低下する場合がある。そのため、B含有量は0.010%以下とする。B含有量は0.0050%以下であるのが好ましく、0.0030%以下であるのがより好ましく、0.0020%以下であるのがさらに好ましい。なお、上記の効果を得たい場合には、B含有量は0.0003%以上であるのが好ましく、0.0005%以上であるのがより好ましい。
本発明の鋼の化学組成において、上記の元素に加えて、さらに、脱酸および介在物の制御を目的として、Ca、MgおよびREMから選択される1種以上を、以下に示す範囲において含有させてもよい。各元素の限定理由について説明する。
Ca:0.010%以下
Caは、主に硫化物の形態の制御に用いられる元素であり、また、微細な酸化物を形成させるために、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Caが過剰に含有された場合、機械特性が損なわれる場合がある。そのため、Ca含有量は0.010%以下とする。Ca含有量は0.005%以下であるのが好ましい。なお、上記の効果を得たい場合には、Ca含有量は0.0005%以上であるのが好ましく、0.001%以上であるのがより好ましく、0.002%以上であるのがさらに好ましい。
Mg:0.010%以下
Mgは、微細な酸化物を形成させるために、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Mgを過剰に添加することは製鋼コストの増大を招く。そのため、Mg含有量は0.010%以下とする。Mg含有量は0.005%以下であるのが好ましく、0.003%以下であるのがより好ましい。なお、上記の効果を得たい場合には、Mg含有量は0.0001%以上であるのが好ましく、0.0003%以上であるのがより好ましく、0.0005%以上であるのがさらに好ましい。
REM:0.010%以下
REM(希土類元素)は、主に脱酸に用いられる元素であり、微細な酸化物を形成させるために、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、REMを過剰に添加することは製鋼コストの増大を招く。そのため、REM含有量は0.010%以下とする。REM含有量は0.005%以下であるのが好ましく、0.003%以下であるのがより好ましい。なお、上記の効果を得たい場合には、REM含有量は0.0001%以上であるのが好ましく、0.0003%以上であるのがより好ましく、0.0005%以上であるのがさらに好ましい。ここで、REMはSc、Yおよびランタノイドを示し、REM含有量はこれらの元素の含有量の総量を示す。
本発明の鋼の化学組成において、残部はFeおよび不純物である。ここで不純物とは、鋼を工業的に製造する際に、鉱石、スクラップ等の原料その他の要因により混入する成分であって、本発明に係る鋼材に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。
BI:4.5~60.0
上記のように、CrおよびNは、鋼材の耐食性に影響を及ぼす。下記(i)で定義されるBIが60.0を超えると、鋼中にCrが過剰に含有され、腐食の起点となる窒化物が形成されやすくなる。しかしながら、BIが4.5未満となると、Crが不足し耐食性の向上効果が不十分となる。そのため、BIは4.5~60.0とする。BIは、5.5以上であるのが好ましく、6.5以上であるのがより好ましい。また、BIは、55.0以下であるのが好ましく、45.0以下であるのがより好ましく、40.0以下であるのがさらに好ましく、30.0以下であるのがより一層好ましい。
BI=(Cr/52)/(N/14) ・・・(i)
CI:4.0~33.0
CuおよびSは、鋼材の耐食性に影響を及ぼす。下記(ii)式で定義されるCIが33.0を超えると、CuS被膜が鋼材表面に形成しにくくなり、十分な耐食性を得ることができない。しかしながら、CIが4.0未満となると、介在物が腐食の起点となりやすくなり、耐食性が低下する場合がある。そのため、CIは4.0~33.0とする。CIは、18.0以上であるのが好ましく、20.0以上であるのがより好ましい。また、CIは、28.0以下であるのが好ましく、26.0以下であるのがより好ましい。
CI=(Cu/64)/(S/32) ・・・(ii)
DI:0.96~3.00
CuおよびNiは、鋼材の熱間加工性に影響を及ぼす。Cuの含有量に対してNi含有量が少なく、下記(iii)式で定義されるDIが3.00を超えると、熱間加工性が低下する。しかしながら、DIは小さくすることが熱間加工性を確保するためには好ましいが、0.96未満では効果が飽和する。また、Cuが不足すると耐食性向上の効果が不十分となる。そのため、DIは0.96~3.00とする。DIは1.20以上であるのが好ましく、1.40以上であるのがより好ましい。また、DIは2.80以下であるのが好ましく、2.60以下であるのがより好ましい。
DI=(Cu/64)/(Ni/59) ・・・(iii)
Ceq:0.180~0.320
また、C、Mn、Cu、Ni、Cr、MoおよびVは、鋼材の溶接性に影響を及ぼす。下記(iv)式で定義されるCeqは鋼材の硬さの上昇による溶接性の劣化を示す指標であり、溶接性を確保するために、0.320以下とする。しかしながら、Ceqが0.180未満となると、機械特性が不十分となる。そのため、Ceqは0.180~0.320とする。Ceqは0.220以上であるのが好ましく、0.250以上であるのがより好ましい。また、Ceqは0.300以下であるのが好ましい。
Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/5+(Cr+Mo+V)/15 ・・・(iv)
但し、式(iv)において、鋼中にMoおよびVを含有しない場合は0として計算する。
(B)製造方法
本発明に係る鋼材の製造方法について特に制限は設けないが、例えば、熱間圧延を施し、さらに必要に応じて冷間圧延を施して製造される鋼板、形鋼、鋼管などが含まれる。
鋼材を製造する場合は、常法で鋼を溶製し、成分の調整後、鋳造して得られた鋼片を熱間圧延し、さらに必要に応じて冷間圧延を施して製造される。熱間圧延後は、そのまま水冷するか、または空冷した後、再加熱して焼入れてもよい。熱間圧延後は、コイル状に巻き取ってもよい。熱間圧延後、冷間圧延して、さらに熱処理を施してもよい。
鋼管を製造する場合は、鋼板を管状に成形して溶接してもよく、UO鋼管、電縫鋼管、鍛接鋼管、スパイラル鋼管などにすることができる。鋼片に熱間押出または穿孔圧延を施して製造されるシームレス鋼管も本発明の鋼材に含まれる。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明する。なお、以下に示す実施例での条件は、本発明の実施可能性および効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。また本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
表1および表2に示す化学組成を有する鋼を溶製し、鋼塊を1150℃で2時間加熱後、熱間圧延を行って空冷し、厚さが20mmの鋼板とした。
Figure 0007277749000001
Figure 0007277749000002
得られた各鋼板を用いて、以下に示す各種の性能評価試験を行った。
<耐硫酸性、耐塩酸性>
各鋼板から板厚4mm、幅25mm、長さ25mmの試験片を板厚中央部から採取し、湿式#400研磨で仕上げ、耐食性評価用の試験片とした。耐食性の評価は硫酸浸漬試験および塩酸浸漬試験によって行った。硫酸浸漬試験では、試験片を70℃の50%硫酸水溶液に6時間浸漬し、塩酸浸漬試験では、試験片を80℃の10%塩酸水溶液中に5時間浸漬した。
その後、硫酸浸漬試験および塩酸浸漬試験による試験片の腐食減量を算出した。比較例AAを基準として、腐食減量が50%以下であったものを◎、腐食減量が50%超70%以下であったものを○、腐食減量が70%を超えたものを×として、耐硫酸性および耐塩酸性を評価した。
<熱間加工性>
上記条件で圧延した熱間圧延材の表面を外観目視し、割れが生じていたものを×、割れが生じていないものを〇として、熱間加工性を評価した。
<溶接割れ>
JIS Z 3158:2016に準拠して、y型溶接割れ試験を行った。厚さ20mmの試験片を用い、電流170Aで両面側から溶接後、48時間が経過してから表面および断面の割れの有無を確認した。
<引張強さ>
JIS Z 2241:2011に準拠して引張試験片を作製し、引張試験を行い、引張強さを求めた。引張強さが400MPa以上のものを○、400MPa未満のものを×とした。
表3に、耐硫酸浸漬試験、耐塩酸浸漬試験、熱間加工性、溶接割れ試験、引張試験の測定結果を併せて示す。
Figure 0007277749000003
表3に示すとおり、鋼A~Zは、化学組成、BI、CI、DI、Ceqが本発明の範囲内であるため、塩酸および硫酸に対する耐食性、熱間加工性、溶接性、引張強さの全てが良好な結果となった。一方、鋼AA~AKは、化学組成、BI、CI、DI、Ceqのいずれかが本発明の範囲外であるため、塩酸および硫酸に対する耐食性、熱間加工性、溶接性、引張強さの少なくともいずれかが劣化する結果となった。
鋼AAは塩酸腐食試験および硫酸腐食試験の評価の基準とした鋼であるが、BIが高いため、本発明例の鋼に比べて塩酸および硫酸に対する耐食性が低下していた。鋼ABはBIが低いため、耐食性が低下していた。CIが規定値未満の鋼AC、CIが規定値を超える鋼AD、DIが規定値未満である鋼AE、Cu含有量が少ない鋼AIも、耐食性が低下していた。また、鋼AKは、Cr含有量が過剰であり、BIが規定値を超えたため、本発明例の鋼に比べて塩酸および硫酸に対する耐食性が低下していた。
さらに、鋼AFはDIが規定値を超えるため、熱間加工性が低下していた。鋼AGはCeqの値が過剰であるため、溶接割れが生じ、鋼AHはCeqが低すぎ、および鋼AJはTi含有量が少ないため、引張強さが不十分となった。
本発明の鋼材は、重油、石炭などの化石燃料、液化天然ガスなどのガス燃料、都市ごみなどの一般廃棄物、廃油、プラスチック、排タイヤなどの産業廃棄物および下水汚泥などを燃焼させるボイラーの排煙設備に使用することができる。具体的には、排煙設備の煙道ダクト、ケーシング、熱交換器、2基の熱交換器(熱回収器および再加熱器)で構成されるガス-ガスヒータ、脱硫装置、電気集塵機、誘引送風機、回転再生式空気予熱器のバスケット材および伝熱エレメント板、フィン材などに好適に使用することができる。

Claims (4)

  1. 化学組成が、質量%で、
    C:0.010%以上0.20%未満、
    Si:0.10~0.50%、
    Mn:0.10~1.00%、
    S:0.0005~0.015%、
    Cu:0.10~0.50%、
    Cr:0.10~1.75%、
    Sb:0.005~0.15%、
    Ni:0.01~0.50%、
    Ti:0.010~0.150%、
    Al:0.005~0.10%、
    P:0.025%以下、
    N:0.0005~0.0090%、
    O:0.0005~0.0035%、
    残部:Feおよび不純物であり、
    下記(i)式で定義されるBIが4.5~60.0であり、
    下記(ii)式で定義されるCIが4.0~33.0であり、
    下記(iii)式で定義されるDIが0.96~3.00であり、
    下記(iv)式で定義されるCeqが0.180~0.320である、
    鋼材。
    BI=(Cr/52)/(N/14) ・・・(i)
    CI=(Cu/64)/(S/32) ・・・(ii)
    DI=(Cu/64)/(Ni/59) ・・・(iii)
    Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/5+(Cr+Mo+V)/15 ・・・(iv)
    但し、上記式中の元素記号は、鋼材中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合は0を代入するものとする。
  2. 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、
    Mo:0.50%以下、
    W:0.50%以下、
    Sn:0.30%以下、
    As:0.30%以下、
    Co:0.30%以下、および
    Bi:0.010%以下、
    から選択される1種以上を含有するものである、
    請求項1に記載の鋼材。
  3. 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、
    Nb:0.10%以下、
    V:0.10%以下、
    Zr:0.050%以下、
    Ta:0.050%以下、および
    B:0.010%以下、
    から選択される1種以上を含有するものである、
    請求項1または請求項2に記載の鋼材。
  4. 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、
    Ca:0.010%以下、
    Mg:0.010%以下、および
    REM:0.010%以下、
    から選択される1種以上を含有するものである、
    請求項1から請求項3までのいずれかに記載の鋼材。
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