JP7014020B2 - トレッドゴムの保管装置及び保管方法 - Google Patents
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本発明は、未加硫のトレッドゴムを保管するための保管装置、及び保管方法に関する。
タイヤの製造工程において、押出成形機により押し出された未加硫のトレッドゴムは、所定の長さに裁断され、その後、ローカバーと呼ばれる未加硫タイヤの成形に供されるまで保管装置により保管される。例えば下記特許文献1には、台車と、台車上に積層された複数のトレイとを備え、各トレイに複数枚の未加硫のトレッドゴムを載置することによってトレッドゴムを保管するようにした保管装置が開示されている。
押出成形機により押し出され裁断された後のトレッドゴムは、内部ひずみが残留しているので、保管装置で保管されている間に収縮する。そのため、保管装置により保管される期間にばらつきがあると、未加硫タイヤを成形するときのトレッドゴムの長さにもばらつきが生じ、これがタイヤのFV(フォースバリエーション)に悪影響を与える。そのため、特許文献1に記載された保管装置は、トレイに載置したトレッドゴムを上から押さえ付けることによって収縮を抑制し、トレッドゴムの長さのばらつきを防止している。
しかしながら、特許文献1及び2に記載の保管装置は、トレッドゴムを上から押さえ付けるものであるため、トレッドゴムに変形や傷などを生じさせる可能性がある。
また、トレッドゴムはトレイに密着し貼り付いた状態で載置されるため、トレイ上から剥がしたときに内部歪みが解放され、急速に収縮するおそれがある。また、スタッドレスタイヤに用いられる軟らかく粘着力の高いトレッドゴムの場合、トレイから剥がしたときに伸びてしまい、より長さにばらつきが生じる可能性もある。
また、トレッドゴムはトレイに密着し貼り付いた状態で載置されるため、トレイ上から剥がしたときに内部歪みが解放され、急速に収縮するおそれがある。また、スタッドレスタイヤに用いられる軟らかく粘着力の高いトレッドゴムの場合、トレイから剥がしたときに伸びてしまい、より長さにばらつきが生じる可能性もある。
本発明は、未加硫タイヤを成形するときのトレッドゴムの長さのばらつきを抑制することができる保管装置及び方法を提供することを目的とする。
(1) 本発明におけるトレッドゴムの保管装置は、
未加硫のトレッドゴムを載置するトレイと、
前記トレイを振動させる加振装置と、を備える。
未加硫のトレッドゴムを載置するトレイと、
前記トレイを振動させる加振装置と、を備える。
この構成によれば、未加硫のトレッドゴムを載置するトレイを振動させることでトレッドゴムの収縮を促進し、保管中に短時間で収縮しきった状態にすることができる。そのため、未加硫タイヤを成形するときのトレッドゴムの長さのばらつきを抑制することができ、良好なFVを有するタイヤを安定して製造することができる。
(2) 好ましくは、前記保管装置は、上下方向に積層された複数の前記トレイと、複数の前記トレイを支持する支持フレームとを備え、
前記加振装置が、前記支持フレームに設けられる。
この構成によれば、支持フレームを加振装置により振動させることで、支持フレームを介して複数のトレイを同時に振動させることができる。
前記加振装置が、前記支持フレームに設けられる。
この構成によれば、支持フレームを加振装置により振動させることで、支持フレームを介して複数のトレイを同時に振動させることができる。
(3) 好ましくは、前記保管装置が、上下方向に積層された複数の前記トレイを備えており、
前記加振装置が、複数の前記トレイの上下方向の中央に対応する高さに位置付けられる。
このような構成によって、加振装置から複数のトレイに与えられる振動のばらつきを少なくすることができる。
前記加振装置が、複数の前記トレイの上下方向の中央に対応する高さに位置付けられる。
このような構成によって、加振装置から複数のトレイに与えられる振動のばらつきを少なくすることができる。
(4) 好ましくは、前記保管装置は、前記トレイ上のトレッドゴムの長さを測定する測定装置を備えている。
このような構成によって、トレッドゴムの長さを測定装置で測定し、その長さに基づいて加振装置の動作時間等を適切に調整することができる。
このような構成によって、トレッドゴムの長さを測定装置で測定し、その長さに基づいて加振装置の動作時間等を適切に調整することができる。
(5) 好ましくは、前記加振装置が、前記トレイを上下方向に振動させる。
このような構成によって、トレイに対するトレッドゴムの過度な密着を抑制し、収縮を促進することができる。
このような構成によって、トレイに対するトレッドゴムの過度な密着を抑制し、収縮を促進することができる。
(6) 好ましくは、前記加振装置が、以下の(a)~(c)の条件で前記トレイを振動させる。
(a)周波数:50Hz以上1000Hz以下
(b)振幅:5.0mm以上10.0mm以下
(c)振動時間:60秒以上
このような構成によって、トレッドゴムの収縮を好適に促進することができる。
(a)周波数:50Hz以上1000Hz以下
(b)振幅:5.0mm以上10.0mm以下
(c)振動時間:60秒以上
このような構成によって、トレッドゴムの収縮を好適に促進することができる。
(7) 本発明におけるトレッドゴムの保管方法は、
トレッドゴムを保管装置のトレイ上に載置する第1のステップと、
前記トレイを振動させる第2のステップと、を含む。
トレッドゴムを保管装置のトレイ上に載置する第1のステップと、
前記トレイを振動させる第2のステップと、を含む。
この方法によれば、トレッドゴムを載置するトレイを振動させることでトレッドゴムの収縮を促進し、保管中に短時間で収縮しきった状態にすることができる。そのため、未加硫タイヤを成形するときのトレッドゴムの長さのばらつきを抑制することができ、良好なFVを有するタイヤを安定して製造することができる。
本発明の保管装置及び方法によれば、未加硫タイヤを成形するときのトレッドゴムの長さのばらつきを抑制することができる。
以下、本発明を実施の形態に基づいて、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係るトレッドゴムの保管装置を概略的に示す側面図である。
トレッドゴム50は、タイヤのトレッド面を構成するものであり、押出成形機により押し出された未加硫の帯状ゴムを所定の長さで裁断することによって製造される。そして、本実施形態の保管装置10は、製造されたトレッドゴム50が未加硫タイヤの成形に用いられるまでの間、当該トレッドゴム50を保管するために用いられる。また、本実施形態の保管装置10は、保管中にトレッドゴム50の内部歪みによる収縮を促進することにより、未加硫タイヤの成形に使用するトレッドゴム50の長さのばらつきを抑制するものとなっている。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係るトレッドゴムの保管装置を概略的に示す側面図である。
トレッドゴム50は、タイヤのトレッド面を構成するものであり、押出成形機により押し出された未加硫の帯状ゴムを所定の長さで裁断することによって製造される。そして、本実施形態の保管装置10は、製造されたトレッドゴム50が未加硫タイヤの成形に用いられるまでの間、当該トレッドゴム50を保管するために用いられる。また、本実施形態の保管装置10は、保管中にトレッドゴム50の内部歪みによる収縮を促進することにより、未加硫タイヤの成形に使用するトレッドゴム50の長さのばらつきを抑制するものとなっている。
(保管装置の具体的構成)
保管装置10は、台車11と、複数のトレイ12と、加振装置13とを備えている。
台車11は、下面に車輪21を有する下部フレーム22と、下部フレーム22の端部から上方へ立ち上がる支持フレーム23とを有する。台車11は、車輪21によって地面を走行することで、保管しているトレッドゴム50を容易に移動させることができる。
保管装置10は、台車11と、複数のトレイ12と、加振装置13とを備えている。
台車11は、下面に車輪21を有する下部フレーム22と、下部フレーム22の端部から上方へ立ち上がる支持フレーム23とを有する。台車11は、車輪21によって地面を走行することで、保管しているトレッドゴム50を容易に移動させることができる。
複数のトレイ12は、台車11によって支持されている。具体的に、複数のトレイ12は上下方向に積層され、下段側のトレイ12の上に上段側のトレイ12が載置されている。各トレイ12の上面12aは、トレッドゴム50を載置させるための載置面とされている。本実施形態の各トレイ12は、下段側のトレイ12に載置されたトレッドゴム50を覆う蓋としても機能している。ただし、保管装置10は、各トレイ12とは別の専用の蓋を備えていてもよい。
各トレイ12の端部は、支持軸23aを介して支持フレーム23に上下揺動可能に連結されている。そのため、上段側のトレイ12を上方に揺動させることで、下段側のトレイ12の載置面12aに載置されたトレッドゴム50を外部に露出することができる。
加振装置13は、複数のトレイ12に振動を与えるものである。本実施形態の加振装置13は、台車11における支持フレーム23に設けられている。また、加振装置13は、複数のトレイ12における上下方向の中央に対応する高さに位置付けられている。加振装置13は、支持フレーム23に上下方向の振動を付与することにより、この支持フレーム23に連結された各トレイ12を振動させる。また、加振装置13は、所定の周波数、振幅、振動時間でトレイ12を振動させる。振動の周波数、振幅、振動時間は、保管するトレッドゴム50の材料の厚さ、硬さ、及び内部ひずみ量等に応じて適宜設定される。一例として、後述する実験1の結果をふまえて、加振装置13は、周波数50Hz以上1000Hz以下、振幅5.0mm以上10.0mm以下、振動時間60秒以上の条件でトレイ12を振動させる。
図2は、時間の経過に伴うトレッドゴムの収縮量の変化を示すグラフである。
トレッドゴム50は、製造後、残留した内部歪みよって収縮する。トレッドゴム50の収縮量は、時間の経過に伴って変化する。具体的には、図2に示すように、製造後の経過時間が短いうちは単位時間当たりの収縮量s1が大きく、経過時間が長くなるほど単位時間当たりの収縮量s2が小さくなる。そして、経過時間が所定を超えると収縮しきった状態となり、トレッドゴム50の長さはほぼ一定に維持される。
トレッドゴム50は、製造後、残留した内部歪みよって収縮する。トレッドゴム50の収縮量は、時間の経過に伴って変化する。具体的には、図2に示すように、製造後の経過時間が短いうちは単位時間当たりの収縮量s1が大きく、経過時間が長くなるほど単位時間当たりの収縮量s2が小さくなる。そして、経過時間が所定を超えると収縮しきった状態となり、トレッドゴム50の長さはほぼ一定に維持される。
トレッドゴム50の収縮は、加振装置13により振動を与えることによって促進される。例えば、図3に2点鎖線で示すように、トレッドゴム50に振動を加えると、単位時間当たりの収縮量s3は、振動を与えない場合の収縮量s1に比べて大きくなる。したがって、収縮しきった状態に到るまでの経過時間を短縮することができる。本実施形態のトレッドゴム50の製造直後の長さ(裁断長さ)は、当該トレッドゴム50が収縮しきったときに、未加硫タイヤの成形に適した狙い長さ(目標長さ)となるように、トレッドゴム50の収縮量を予測して長めに設計される。
前述したように、トレッドゴム50の収縮は加振装置13により振動を与えることによって促進される。特に振動の周波数を50Hz以上1000Hz以下とし、振幅を5.0mm以上10.0mm以下とし、振動時間を60秒以上とする条件でトレイ12を振動させた場合に、トレッドゴム50の収縮は効果的に促進される。この場合、周波数に関しては、100Hz以上1000Hz以下がより好ましく、200Hz以上800Hz以下がさらに好ましい。
図3は、トレッドゴムの長さ測定装置の概略的な説明図である。
保管装置10は、さらに長さ測定装置14と制御装置15とを備えている。
長さ測定装置14は、トレイ12上に載置されたトレッドゴム50の長さを測定するものである。この長さ測定装置14は、長手方向の各端部を撮像する複数のカメラ(撮像器)25を有する。このカメラ25によって撮像された画像は、制御装置15に入力される。
保管装置10は、さらに長さ測定装置14と制御装置15とを備えている。
長さ測定装置14は、トレイ12上に載置されたトレッドゴム50の長さを測定するものである。この長さ測定装置14は、長手方向の各端部を撮像する複数のカメラ(撮像器)25を有する。このカメラ25によって撮像された画像は、制御装置15に入力される。
制御装置15は、例えばCPU等の演算部、RAM及びROMを含む記憶部等を有するマイクロコンピュータにより構成され、記憶部に記憶されたプログラムを演算部が実行することによって所定の機能を発揮する。
制御装置15は、長さ測定装置14の一構成要素として、カメラ25からの入力によってトレッドゴム50の長さを求める測定部27としての機能を有する。この測定部27は、各カメラ25によって撮像された画像を処理することによってトレッドゴム50の端部の位置を求め、各端部の位置からトレッドゴム50の長さを算出する。
また、制御装置15は、加振装置13の動作を制御する加振制御部26としての機能を有する。加振制御部26は、例えば、保管装置10の各トレイ12に対して所定数のトレッドゴム50が載置されたときに加振装置13の運転を開始し、所定の条件が満たされたときに加振装置13の運転を停止するように構成される。
本実施形態の加振制御部26は、次のいずれかの条件が満たされたときに加振装置13の運転を停止することができる。
(条件1)長さ測定装置14により測定されたトレッドゴム50の長さが、所定の長さ、例えばトレッドゴム50が目標長さ(狙い長さ)に達したとき
(条件2)トレッドゴム50の単位時間当たりの収縮量が所定値以下、例えば、収縮量が0に近い値になったとき
以下、これらの条件を用いて加振装置を制御する例について説明する。
(条件1)長さ測定装置14により測定されたトレッドゴム50の長さが、所定の長さ、例えばトレッドゴム50が目標長さ(狙い長さ)に達したとき
(条件2)トレッドゴム50の単位時間当たりの収縮量が所定値以下、例えば、収縮量が0に近い値になったとき
以下、これらの条件を用いて加振装置を制御する例について説明する。
(加振装置の制御手順)
図4は、制御装置による加振装置の制御手順を示すフローチャートである。
図4のステップS1において、加振装置13は運転を開始する。この運転開始の指示は、保管装置10の各トレイ12にトレッドゴム50の載置が完了したときに、当該完了をセンサ等により検出して自動で行ってもよいし、人為的に行ってもよい。
図4は、制御装置による加振装置の制御手順を示すフローチャートである。
図4のステップS1において、加振装置13は運転を開始する。この運転開始の指示は、保管装置10の各トレイ12にトレッドゴム50の載置が完了したときに、当該完了をセンサ等により検出して自動で行ってもよいし、人為的に行ってもよい。
ステップS2において、制御装置15は、長さ測定装置14によりトレッドゴム50の長さを測定する。そして、ステップS3において、制御装置15は、上記の条件1を満たすか否か、すなわち、測定されたトレッドゴム50の長さLが所定の目標長さLmに達しているか否か(L=Lm)を判定する。制御装置15は、条件1を満たすと判定した場合、処理をステップS5に進め、加振装置13の運転を停止する。これは、トレッドゴム50の長さが所定の目標長さに達した場合、トレッドゴム50はほぼ収縮しきったと判断することができ、それ以上トレッドゴム50を振動させたとしてもさらなる収縮は見込めず、加振装置13を無駄に運転させることになるからである。
ステップS3において、制御装置15が条件1を満たさないと判定した場合、制御装置15は、ステップS4において、上記の条件2を満たすか否か、すなわち、単位時間当たりの収縮量ΔLが所定値ΔLth以下になったか否か(ΔL≦ΔLth)を判定する。
制御装置15は、条件2を満たすと判定した場合、処理をステップS5に進め、加振装置13の運転を停止する。これは、条件2において、トレッドゴム50の単位時間当たりの収縮量が所定値ΔLth(0に近い値)以下である場合は、トレッドゴムはほぼ収縮しきったと判断することができ、それ以上トレッドゴム50を振動させたとしてもさらなる収縮は見込めず、加振装置13を無駄に運転させることになるからである。
制御装置15は、ステップS4において条件2を満たさないと判定した場合、処理をステップS2に戻し、以上の処理を繰り返し行う。
本実施形態の保管装置10は、加振装置13によってトレイ12に強制的に振動を与えることで、トレイ12上に保管されているトレッドゴム50の収縮を促進する。また、トレイ12に振動を与えることによってトレッドゴム50がトレイ12の載置面12aに過度に密着して貼り付いてしまうのを防止し、トレッドゴム50の収縮を容易にする。そのため、保管中にトレッドゴム50を収縮しきった状態にすることができる。したがって、トレッドゴム50の製造後、未加硫タイヤの成形に供されるまでの保管時間にばらつきがあったとしても、未加硫タイヤの成形に使用するトレッドゴム50の長さをほぼ一定にすることができ、良好なFVを有するタイヤを安定して製造することができる。また、保管装置10は、トレッドゴム50の保管中に振動を与えるので、トレッドゴム50の収縮に適した振動の周波数、振幅、及び振動時間等の条件を比較的自由に設定することができる。
また、本実施形態では、加振装置13が、複数のトレイ12に連結された支持フレーム23に振動を与えるので、この支持フレーム23を介して全てのトレイ12を振動させることができる。また、加振装置13が、複数のトレイ12の上下方向の中央の高さに位置付けられるので、加振装置13から各トレイ12に与えられる振動のばらつきを少なくすることができる。
本実施形態の保管装置10は、トレイ12上のトレッドゴム50の長さを測定する長さ測定装置14を備えているので、測定したトレッドゴム50の長さに基づいて加振装置13の動作を適切に制御することができる。
[第2の実施形態]
図5は、第2の実施形態に係るトレッドゴムの保管装置を概略的に示す側面図である。
本実施形態の保管装置10は、加振装置13が台車11における支持フレーム23の下部に設けられている。その他の構成は、第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
本実施形態においても、各トレイ12に連結された支持フレーム23に振動を与えることで、この支持フレーム23を介して各トレイ12を好適に振動させることができる。
図5は、第2の実施形態に係るトレッドゴムの保管装置を概略的に示す側面図である。
本実施形態の保管装置10は、加振装置13が台車11における支持フレーム23の下部に設けられている。その他の構成は、第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
本実施形態においても、各トレイ12に連結された支持フレーム23に振動を与えることで、この支持フレーム23を介して各トレイ12を好適に振動させることができる。
[実施例]
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
(実験1)
表1は、トレッドゴムに対する振動の有無及び振動条件について検証した結果を示すものである。具体的に、表1中のNo.1は、トレッドゴムを振動させずに保管装置で保管した比較例(従来例)、No.2~No.5は、それぞれ周波数、振幅、振動時間を互いに変化させてトレッドゴムを振動させながら保管装置で保管した実施例である。そして、各例について、未加硫タイヤの成形に使用する際のトレッドゴムの長さと、狙いの長さ(目標長さ)との差を求めた。また、そのトレッドゴムを使用したタイヤのRFV(ラジアルフォースバリエーション)を「JASO C607:2000」に規定されたユニフォミティ試験法に準拠して測定した。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
(実験1)
表1は、トレッドゴムに対する振動の有無及び振動条件について検証した結果を示すものである。具体的に、表1中のNo.1は、トレッドゴムを振動させずに保管装置で保管した比較例(従来例)、No.2~No.5は、それぞれ周波数、振幅、振動時間を互いに変化させてトレッドゴムを振動させながら保管装置で保管した実施例である。そして、各例について、未加硫タイヤの成形に使用する際のトレッドゴムの長さと、狙いの長さ(目標長さ)との差を求めた。また、そのトレッドゴムを使用したタイヤのRFV(ラジアルフォースバリエーション)を「JASO C607:2000」に規定されたユニフォミティ試験法に準拠して測定した。
試験に使用したタイヤサイズは、285/65R17、テスト本数は、各例とも100本ずつ、押出裁断から未加硫タイヤの成形に使用するまでの時間は1時間とした。
表1に示すように、No.1の比較例では、成形で使用するトレッドゴムの長さと狙いの長さとの差が10mm以上になったのに対して、No.2~No.5の実施例では、当該差が10mm未満となった。また、RFVについては、比較例を100とした場合に、実施例はいずれも85以下となった。したがって、いずれの実施例もトレッドゴムに振動を与えることによって、狙い長さとの差及びRFVについて比較例よりもよい結果が得られた。特に、No.5の実施例のように周波数、振幅、及び振動時間がそれぞれ50Hz、5.0mm、60秒である場合に、RFVが比較例の半分以下となり、よりよい結果が得られた。
(実験2)
表2は、トレッドゴムに対する振動の有無及び振動の方向について検証した結果を示すものである。表2中のNo.6は、トレッドゴムを振動させずに保管装置で保管した比較例(従来例)、No.7は、トレッドゴムを水平方向に振動させながら保管装置で保管した実施例、No.8は、トレッドゴムを垂直(上下)方向に振動させながら保管装置で保管した実施例である。
表2は、トレッドゴムに対する振動の有無及び振動の方向について検証した結果を示すものである。表2中のNo.6は、トレッドゴムを振動させずに保管装置で保管した比較例(従来例)、No.7は、トレッドゴムを水平方向に振動させながら保管装置で保管した実施例、No.8は、トレッドゴムを垂直(上下)方向に振動させながら保管装置で保管した実施例である。
各例とも、トレッドゴムが収縮しきったときに1800mmとなるように設計されたトレッドゴムをトレイ上に載置し、30分経過した後のトラブル回数、未加硫タイヤの成形に使用する際のトレッドゴムの長さを測定した。試験は、常温(20℃)の環境下で行い、No.7及びNo.8の実施例では、振動の周波数を50Hz、振幅を5.0mm、振動時間を60秒とした。テスト回数は、各例とも100回とした。
表2に示すように、No.6の比較例では、トレッドゴムがトレイに貼り付く過密着によるトラブルや、トレイからトレッドゴムを剥がしたときの伸びが10回発生した。また、トレッドゴムの長さの平均(Ave.)が1810mm、標準偏差(σ)が5.1mmとなり、狙い長さ1800mmとの差は10mmとなった。これに対して、No.7及びNo.8の実施例では、トレッドゴムに振動を与えることによって、過密着に伴うトラブル等の回数が比較例よりも大幅に減少した。また、トレッドゴムの長さの平均(Ave.)及び標準偏差(σ)についても比較例よりよい結果が得られた。
トレッドゴムを水平に振動させたNo.7の実施例と、垂直に振動させたNo.8の実施例とを比較すると、No.8の実施例の方がよりよい結果が得られ、特に、トレッドゴムの長さの平均(Ave.)及び標準偏差(σ)については、良好なFVを有するタイヤを製造するのに十分な結果を得ることができた。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、適宜変更できるものである。
例えば、長さ測定装置としてカメラを備えたものについて説明したが、トレッドゴムの長手方向の各端部の位置を検出する光センサを備えたものであってもよい。
例えば、長さ測定装置としてカメラを備えたものについて説明したが、トレッドゴムの長手方向の各端部の位置を検出する光センサを備えたものであってもよい。
また、長さ測定装置は省略することができる。この場合、加振装置は、トレッドゴムが収縮しきった状態になると予測される時間が経過したときに、運転を停止するように制御すればよい。
加振装置は、台車の下部フレームに設けられていてもよい。また、加振装置は、台車ではなく、一部のトレイ又は全トレイに設けられていてもよい。
加振装置は、台車の下部フレームに設けられていてもよい。また、加振装置は、台車ではなく、一部のトレイ又は全トレイに設けられていてもよい。
制御装置15は、上述した条件1及び条件2の一方のみを判定して加振装置13の運転を停止するように構成することもできる。
10 :保管装置
12 :トレイ
13 :加振装置
14 :長さ測定装置
15 :制御装置
23 :支持フレーム
50 :トレッドゴム
12 :トレイ
13 :加振装置
14 :長さ測定装置
15 :制御装置
23 :支持フレーム
50 :トレッドゴム
Claims (7)
- 未加硫のトレッドゴムを載置するトレイと、
前記トレイを振動させる加振装置と、を備える、トレッドゴムの保管装置。 - 前記保管装置は、上下方向に積層された複数の前記トレイと、複数の前記トレイを支持する支持フレームとを備え、
前記加振装置が、前記支持フレームに設けられる、請求項1に記載のトレッドゴムの保管装置。 - 前記保管装置が、上下方向に積層された複数の前記トレイを備えており、
前記加振装置が、複数の前記トレイの上下方向の中央に対応する高さに位置付けられる、請求項1又は2に記載のトレッドゴムの保管装置。 - 前記保管装置は、前記トレイ上のトレッドゴムの長さを測定する測定装置を備えている、請求項1~3のいずれか1項に記載のトレッドゴムの保管装置。
- 前記加振装置が、前記トレイを上下方向に振動させる、請求項1~4のいずれか1項に記載のトレッドゴムの保管装置。
- 前記加振装置が、以下の(a)~(c)の条件で前記トレイを振動させる、請求項1~5のいずれか1項に記載のトレッドゴムの保管装置。
(a)周波数:50Hz以上1000Hz以下
(b)振幅:5.0mm以上10.0mm以下
(c)振動時間:60秒以上 - トレッドゴムを保管装置のトレイ上に載置する第1のステップと、
トレイを振動させる第2のステップとを含む、トレッドゴムの保管方法。
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Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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