JP7013935B2 - 局部洗浄装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回転体の回転により進退が可能なノズルを有する局部洗浄装置に関する。
従来、この種の局部洗浄装置としては、略洋杯状の弁操作体を含む弁装置本体と、弁操作体内で回動するシリンダと、洗浄水を噴出可能なノズル孔を有し回動するシリンダ内を摺動するノズル本体と、シリンダ後端の外周部に設けられた外歯の駆動ギヤと、駆動ギヤを回転させる電動機と、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この局部洗浄装置では、シリンダの内壁には螺旋形凹溝(螺旋溝)が形成され、ノズル本体の外周部には螺旋形凹溝を摺動する突起が設けられており、電動機でシリンダを回転駆動することで、ノズル本体をシリンダに対して進退させることができる。
特開2001-271403号公報
しかしながら、上述した局部洗浄装置では、局部洗浄を行なった後、ノズルをシリンダ内に収容する際に、ノズルの表面に付着した水がシリンダ内に侵入し、シリンダ後端の開口部から漏れ出てしまう虞がある。また、シリンダ内に水が溜まると、ノズルの進退移動の抵抗となり、モータの負荷が増大する虞がある。
本発明の局部洗浄装置は、回転体の内周面に設けられた螺旋溝とノズルの後端部に設けられた嵌合部とが嵌合し、回転体の回転に伴ってノズルが進退移動するものにおいて、シリンダ内に浸入した水の排水性を向上させることを主目的とする。
本発明の局部洗浄装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の局部洗浄装置は、
人体の局部を洗浄する局部洗浄装置であって、
前方に向かって下方に傾斜すると共に内周面に螺旋溝を有する円筒状の回転体と、
前記回転体に該回転体と同軸に設けられた回転ギヤと、
前記回転ギヤを回転させるモータと、
前記回転体の外周面を覆って該回転体を回転自在に支持するケースと、
前記回転体の内部に設けられ、先端部に洗浄水を噴出可能な噴出口を有すると共に後端部に前記螺旋溝と嵌合する嵌合部を有し、前記回転体の回転に伴って後方の収容位置と前方の進出位置との間で該回転体の軸方向に沿って進退移動が可能なノズルと、
を備え、
前記回転体の内周面には、前記螺旋溝を横切るように軸方向に延びる1つ以上の排水溝を有する、
ことを要旨とする。
この本発明の局部洗浄装置では、回転体の内周面に設けられた螺旋溝とノズルの後端部に設けられた嵌合部とが嵌合し、回転体の回転に伴ってノズルが進退移動するものにおいて、回転体の内周面に、螺旋溝を横切るように軸方向に延びる1つ以上の排水溝を設ける。これにより、ノズルに水が付着した状態で当該ノズルが回転体の収容位置へ収容されて回転体内に水が浸入しても、浸入した水を良好に排出することができる。この結果、回転体の後端部から装置内部に水漏れしたり、回転体の螺旋溝に水が溜まりノズルの摺動抵抗が増加してモータの負荷が増大したりするのを抑制することができる。
こうした本発明の局部洗浄装置において、前記排水溝は、前記回転体の周方向に間を空けて複数設けられているものとしてもよい。こうすれば、回転体の回転位置に拘わらず、回転体内部の水を良好に排出することができる。
また、本発明の局部洗浄装置において、前記回転体は、径方向に貫通する貫通孔を先端部に有し、前記貫通孔は、周方向に間を空けて複数設けられているものとしてもよい。こうすれば、回転体の回転位置に拘わらず、排水溝を伝って前方へ流れる水を貫通孔を介して外部へ排出することができる。
さらに、本発明の局部洗浄装置において、前記ケースは、先端部の下側に、内部の水を排出するための排水部を有し、前記排水部は、下方に突出した筒状に形成されているものとしてもよい。こうすれば、ケースから排出される水がケース外面に伝わるのを抑制し、ケースの清潔性を保つことができる。
また、本発明の局部洗浄装置において、前記ノズルは、先端部に向かって進退方向に延びると共に先端部手前で途切れるガイド溝を外周部に有し、前記ケースは、前記回転体を回転自在に支持する支持面よりも先端側に、前記ガイド溝と嵌合して前記ノズルの進退移動をガイドする突起を有するものとしてもよい。こうすれば、簡易な構成によりノズルの回り止めを行なうことができる。このため、ノズルを円筒状に形成することも可能となり、汚れを付着しにくくすることができる。この態様の本発明の局部洗浄装置において、前記突起は、前記ケースの下側に設けられ、前記ケースの上側に、前記ノズルを洗浄するためのノズル洗浄器が設けられているものとしてもよい。こうすれば、突起をケースの下側に設けることで、ケースの上側に空きスペースをつくることができ、ノズル洗浄器を配置しつつ装置全体をコンパクトにすることができる。
本実施形態の局部洗浄装置を含む衛生洗浄便座装置10が取り付けられた便器1の外観斜視図である。 局部洗浄装置に含まれるノズルユニット20の外観斜視図である。 ノズルユニット20の分解斜視図である。 ノズル30の外観斜視図である。 ノズル30の内部を示す斜視図である。 シリンダ40の外観斜視図である。 シリンダ40の一部を構成する半円筒部材41の外観斜視図および内周面側の平面図である。 ノズルユニット20の動作の様子を示す説明図である。 変形例のノズル30Bの外観斜視図である。 変形例のノズルユニット120の外観斜視図である。 変形例のノズル130の外観斜視図である。 ノズル130のノズル本体131とノズルカバー132とを分離した状態の外観斜視図である。 ノズルユニット120の下面図およびA-A断面図である。 下面側の半円筒部材152の外観斜視図である。 半円筒部材152の前面図,上面図,側面図,下面図および後面図である。 ノズルユニット120の収容時の断面図である。 ノズルユニット120の進出時の断面図である。
本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本実施形態の局部洗浄装置を含む衛生洗浄便座装置10が取り付けられた便器1の外観斜視図であり、図2は局部洗浄装置に含まれるノズルユニット20の外観斜視図であり、図3はノズルユニット20の分解斜視図である。便器1は、洋式便器であり、便器1の上面に衛生洗浄便座装置10が設置されている。衛生洗浄便座装置10は、図1に示すように、便器1の後方に設置される便座装置本体12と、便座装置本体12に回動自在に支持された便座14と、便座装置本体12に回動自在に支持された便蓋16と、使用者により操作される操作パネル18と、を備える。
便座装置本体12は、給水管(水道配管)に接続された洗浄水流路、止水弁、熱交換ユニット、洗浄の強さを調整する脈動ポンプ、洗浄水を噴出するノズルユニット20、切替バルブなどを含む局部洗浄装置を備えており、これらは樹脂製のハウジング内に収容されている。熱交換ユニットは、水タンクやヒータ、温度センサが設けられ、給水管からの水をヒータによって温水にする。
また、便座装置本体12は、衛生洗浄便座装置10を制御する図示しない制御装置を備える。制御装置は、操作パネル18や着座センサ13(図1参照)、水タンクの温度センサなどからの信号に基づいて、水タンク内のヒータや脈動ポンプ、ノズルユニット20、切替バルブを制御する。操作パネル18には、図示しないが、おしり洗浄を指示するおしり用洗浄スイッチやビデ洗浄を指示するビデ用洗浄スイッチ、洗浄の強さを調整するための洗浄強さ調整スイッチ、洗浄位置を前後に調整するための洗浄位置調整スイッチ(前スイッチ,後スイッチ)、洗浄の停止を指示する停止スイッチなどが設けられている。
ノズルユニット20は、前方に向けて下方に傾斜したノズル30,シリンダ40およびケース50等を備える。また、ノズルユニット20は、ノズル30を洗浄するためのノズル洗浄器60も備える。
ノズル30は、収容位置(図2(a)参照)と洗浄位置(図2(b)参照)との間で進退移動すると共に洗浄位置において人体の局部に洗浄水を噴出可能に構成される。図4は、ノズル30の外観斜視図であり、図5は、ノズル30内部の斜視図である。ノズル30は、後端が開口した略長円形の筒状に形成されたノズル本体31と、ノズル本体31の先端部に形成された2つのノズル孔31a,31bと、を有する。本実施形態では、ノズル孔31aは、おしり洗浄用のノズル孔として構成され、ノズル孔31bは、ビデ洗浄用のノズル孔として構成される。ノズル本体31の内部には、図5に示すように、2つの洗浄水流路38a,38bが設けられており、洗浄水流路38aの出口はノズル孔31aと連通され、洗浄水流路38bの出口はノズル孔31bと連通されている。洗浄水流路38a,38bの入口には、それぞれホース21,22の一端がノズル本体31の後端の開口から挿入されて接続され、ホース21,22の他端には、切替バルブが接続される。また、ノズル本体31の後端には、図4に示すように、後述する螺旋溝44aに沿うように、軸方向および周方向に対して斜めに延びる複数(例えば、2つ)のリブ35が形成されている。
シリンダ40は、前端と後端とが開口した円筒状の回転体であり、ノズル30を包囲するようにノズル30の外径よりも若干大きい内径を有する。図6はシリンダ40の外観斜視図であり、図7はシリンダ40の一部を構成する半円筒部材41の外観斜視図および内周面側の平面図である。シリンダ40は、2つの半円筒部材41,42の周方向の端面同士が突き合わされて形成される。半円筒部材41,42の外周面には、図3および図6に示すように、半円筒部材41,42の周方向の端面同士が突き合わされた状態で環状をなすようにそれぞれ半円状に形成された外周リブ43が形成されている。また、半円筒部材41,42の内周面には、図6および図7に示すように、それぞれシリンダ40の軸方向に対して傾斜して延びる複数の内周リブ44が形成されている。複数の内周リブ44は、半円筒部材41,42の周方向の端面同士が突き合わされた状態で、隣接する内周リブ44間の溝が螺旋状につながる螺旋溝44aを形成する。また、複数の内周リブ44は、図7に示すように、周方向に分割されており、周方向に隣接する内周リブ44間の溝により排水溝44bを形成する。排水溝44bは、螺旋溝44aを横切るようにシリンダ40の軸方向に延びており、シリンダ40内に浸入した水を当該シリンダ40の傾斜により溝に沿って排出する。排水溝44bは、本実施形態では、図7(b)に示すように、半円筒部材41,42のそれぞれに3本ずつ、合計6本形成されている。
シリンダ40の先端部には、径方向に貫通する貫通孔48が形成されている。貫通孔48は、排水溝44bに沿って前方に流れてきた水を外部へ排出するためのものであり、シリンダ40の回転位置に拘わらず水を排出できるように周方向に等角度間隔で複数(例えば、4つ)設けられている。
シリンダ40(半円筒部材41)の後端部の外周面には、図6および図7に示すように、シリンダ40と同軸に回転する外歯の回転ギヤ45が設けられている。本実施形態では、回転ギヤ45は、ケース50の外径からはみ出さないよう、ケース50の外径よりも小さな外径を有するように形成されている(図2参照)。回転ギヤ45はモータ24の回転軸に取り付けられた駆動ギヤ25と噛合されており、シリンダ40は、モータ24により回転ギヤ45を回転駆動することで回転ギヤ45と一体に回転する。シリンダ40の内周面に形成される螺旋溝44aには、ノズル30の後端部の外周面に設けられたリブ35が嵌合し、ノズル30は、シリンダ40が回転することによりリブ35が螺旋溝44aに沿って相対的に移動しながら収容位置と進出位置との間で前後に進退する。
また、半円筒部材41,42は、本実施形態では、外周面を形成する凹型と内周面を形成する凸型との間の空間に樹脂材料を射出注入し、樹脂材料を冷却固化させる射出成形によって形成され、半円筒部材41,42には回転ギヤ45や外周リブ43、内周リブ44が一体に形成されている。また、内周リブ44は、図7に示すように、半円筒部材41,42の内周面の周方向における両端部には形成されておらず、射出成形の際の型抜き(凸型の型抜き)をスムーズに行なうことができる。
ケース50は、前端がノズル30の外形に沿った略長円形に開口されると共に後端が円形に開口された円筒部材であり、シリンダ40を包囲してシリンダ40を回転自在に支持するようにシリンダ40の外径よりも若干大きな内径を有する。ケース50は、図3に示すように、2つの半円筒部材51,52の周方向の端面同士が突き合わされて形成される。ケース50の内周面には2つの半円筒部材51,52の周方向の端面同士が突き合わされた状態で環状をなすように半円状の内周溝53が形成されており、内周溝53には、シリンダ40の外周リブ43が嵌合される。本実施形態では、内周溝53は外周リブ43の高さよりも浅い深さを有しており、シリンダ50は、少ない摩擦抵抗で回転自在にケース50に支持される。また、ケース50の後端部の外周面には、径方向に延びる固定板52aが一体的に設けられ、固定板52aには、モータ24のハウジングが固定されている。
ケース50の先端部の外周面には、下方に貫通する排水孔55が設けられている。排水孔55は、ケース50の外周面から下方に向かって筒状に突出しており、ケース50の傾斜によりケース50内の先端側に溜まった水を外部(便器1の便鉢内)へ排出する。排水孔55は、筒状に突出しているから、排水孔55から排水される水がケース50の外周面に伝わるのを抑制し、ケース50の清潔性を保つことができる。
ノズル洗浄器60は、ケース50の先端部の開口縁に取り付けられ、ノズル30の外周面に向かって洗浄水を噴出する噴出孔を有する。ノズル洗浄器60には、図2に示すように、ホース23の一端が接続され、ホース23の他端には、切替バルブが接続される。
切替バルブは、脈動ポンプよりも下流の洗浄水流路の洗浄水の供給先を複数のノズル孔31a,31bとノズル洗浄器60の噴出孔のいずれから噴出させるかを切り替えるものであり、例えば、モータにより駆動されるロータリバルブとして構成される。
次に、こうして構成された実施形態の衛生洗浄便座装置10(局部洗浄装置のノズルユニット20)の動作について説明する。図8は、ノズルユニット20の動作の様子を示す説明図である。衛生洗浄便座装置10の制御装置は、着座センサ13により使用者が便座14に着座していると判定し、かつ、操作パネル18のおしり用洗浄スイッチが押下されておしり洗浄の開始が指示されたと判定すると、モータ24により駆動ギヤ25と噛合する回転ギヤ45を回転させて、シリンダ40を回転させる。シリンダ40が回転すると、ノズル30に設けられた複数のリブ35がシリンダ40の内周面に形成された螺旋溝44aに沿って相対的に移動し、ノズル30はおしり洗浄用の洗浄位置に向かって進出する。ノズル30が洗浄位置に到達すると、制御装置は、ノズル30のノズル孔32aに脈動ポンプからの洗浄水がホース21を介して供給されるよう切替バルブ(モータ)を制御する。これにより、ノズル孔32aから人体の肛門部に向かって洗浄水が噴出され、おしり洗浄が開始される。制御装置は、操作パネル18の停止スイッチが押下されて、おしり洗浄の停止が指示されたと判定すると、ノズル30への給水を停止する。そして、モータ24により回転ギヤ45を逆回転させて、ノズル30を収容位置に向かって後退させ、シリンダ40内に収容させる。制御装置は、ノズル30が洗浄位置から収容位置へ向かう途中または収容位置に到達したときに、ノズル洗浄器60からノズル30に向かって洗浄水が噴出されるよう切替バルブ(モータ)を制御し、ノズル30を洗浄する。
また、制御装置は、着座センサ13により使用者が便座14に着座していると判定し、かつ、操作パネル18のビデ用洗浄スイッチが押下されてビデ洗浄の開始が指示されたと判定すると、モータ24によりシリンダ40を回転させ、ノズル30をビデ洗浄用の洗浄位置に向かって進出させる。ノズル30が洗浄位置に到達すると、制御装置は、ノズル30のノズル孔32bに脈動ポンプからの洗浄水がホース22を介して供給されるよう切替バルブ(モータ)を制御する。これにより、ノズル孔32bから人体のビデ部に向かって洗浄水が噴出され、ビデ洗浄が開始される。制御装置は、操作パネル18の停止スイッチが押下されてビデ洗浄の停止が指示されたと判定すると、ノズル30への給水を停止する。そして、モータ24により回転ギヤ45を逆回転させて、ノズル30を収容位置に向かって後退させ、シリンダ40内に収容させる。制御装置は、ノズル30が洗浄位置から収容位置へ向かう途中または収容位置に到達したときに、ノズル洗浄器60からノズル30に向かって洗浄水が噴出されるよう切替バルブ(モータ)を制御し、ノズル30を洗浄する。
ノズル30には、局部洗浄やノズル洗浄器60によるノズル洗浄等によって外周面に水が付着し、ノズル30がシリンダ40内へ収容される際に、付着した水がシリンダ40の内部に浸入する場合がある。シリンダ40内に水が浸入すると、シリンダ40の回転に伴って螺旋溝44aを摺動するリブ35により浸入した水がシリンダ40の後方に送り出され、シリンダ40の後端の開口から漏れ出て、局部洗浄装置の故障の原因となる虞がある。また、シリンダ40内に水が浸入すると、螺旋溝44aを摺動するリブ35の摺動抵抗が増加し、モータ24が負荷が増大する虞もある。本実施形態では、シリンダ40の内周面に、螺旋溝44aを横切るように軸方向に延びる複数の排水溝44bを形成したから、シリンダ40内に水が浸入しても、浸入した水をシリンダ40の傾斜により排水溝44bに沿って排出することができる。したがって、本実施形態のノズルユニット20では、シリンダ40内への水の浸入に伴う上述した不具合は生じない。
以上説明した実施形態の局部洗浄装置では、シリンダ40の内周面に設けられた螺旋溝44aとノズル30の後端部に設けられたリブ35とが嵌合し、シリンダ40の回転に伴ってノズル30が進退移動するものにおいて、シリンダ40の内周面に、螺旋溝44aを横切るように軸方向に延びる排水溝44bを設ける。これにより、局部洗浄を行なった後、ノズル30に水が付着した状態で当該ノズル30がシリンダ40の収容位置へ引き込まれてシリンダ40内に水が浸入しても、シリンダ40内の水を良好に排出することができる。
また、実施形態の局部洗浄装置では、排水溝44bを、シリンダ40の周方向に間を空けて複数(4つ)設けるから、シリンダ40の回転位置に拘わらず、シリンダ40内の水を良好に排出することができる。
さらに、実施形態の局部洗浄装置では、シリンダ40の先端部に、径方向に貫通する貫通孔48を周方向に間を空けて複数設けるものとしたから、シリンダ40の回転位置に拘わらず、排水溝44bを伝って前方へ流れる水をいずれかの貫通孔48を介して外部(便器1の便鉢内)へ排出することができる。
また、実施形態の局部洗浄装置では、ケース50の先端部に、外周面から下方に向けて筒状に突出した排水孔55を設けるから、ケース50の先端部に溜まった水を良好に外部(便器1の便鉢内)へ排出することができると共に、ケース50から排出される水がケース50の外周面に伝わるのを抑制してケース50の清潔性を保つことができる。
実施形態では、シリンダ40の先端部に径方向に貫通する貫通孔48を形成するものとしたが、貫通孔48を省略するものとしてもよい。この場合、排水溝44bを、シリンダ40の先端の開口縁まで延出するものとすれば、シリンダ40内に浸入した水を排水溝44bに沿ってシリンダ40の外部へ排出することができる。
実施形態では、シリンダ40の外周面に環状の外周リブ43を形成し、ケース50の内周面に外周リブ43に嵌合される環状の内周溝53を形成するものとしたが、シリンダ40の外周面に外周溝を形成し、ケース50の内周面に外周溝に嵌合する内周リブを形成してもよい。リブは、必ずしも環状に形成されたものに限られず、円弧状に形成されてもよく、溝と嵌合可能であれば如何なる形状であってもよい。
実施形態では、シリンダ40の螺旋溝44aと嵌合する嵌合部として、ノズル30の後端部の外周面に、螺旋溝の形状に倣うようにノズル本体31の軸方向に対して傾斜して延びるリブ35を設けるものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、図9に示す変形例のノズル30Bに示すように、円形の複数の突起35Bを設けるものとしてもよい。また、ノズル本体31の後端部の外周面に転動可能なボールを配設するものとしてもよい。
実施形態では、シリンダ40と同軸に回転するようにシリンダ40の後端部の外周面に外歯の回転ギヤ45を設けるものとしたが、これに限定されるものではなく、シリンダ40の後端面にシリンダ40と同軸に回転するようにフェースギヤなどの環状のかさ歯車を設け、回転軸に取り付けられる駆動ギヤがかさ歯車と噛合するようにモータを配置するものとしてもよい。
実施形態では、シリンダ40は、2つの半円筒部材41,42により形成されるものとしたが、これに限定されるものではなく、単一の円筒部材により形成されてもよいし、3つ以上の円弧状に湾曲した部材により形成されてもよい。
実施形態では、ケース50の排出孔55は、貫通孔により形成されたが、先端部の端縁から切り欠かれた切り欠き部により形成されてもよい。
実施形態では、ノズル30に2つのホース21,22を接続し、対応するホースからの洗浄水を噴出する2つのノズル孔31a,31bをそれぞれおしり洗浄用とビデ洗浄用として用いるものとしたが、それぞれおしりパワフル洗浄用とおしりマイルド洗浄用として用いる等、他の異なる用途に用いるものであってもよい。また、用途ごとにノズル(ノズルユニット)を別々に備えるものとしてもよい。この場合、上述したように、シリンダ40の後端部に設けられる回転ギヤ54がケース50の外径からはみ出さないよう、回転ギヤ54の外径をケース50の外径よりも小さくしているため、複数のノズルユニットを並べて配置する場合であっても、ユニット全体をよりコンパクトにすることができる。
実施形態では、ノズル30を略長円形の筒状に形成すると共にケース50の先端にノズル30の外形に沿った略長円形の開口を形成するものとしたが、これに限定されるものではなく、図10の変形例のノズルユニット120に示すように、ノズル30を略円筒状に形成すると共にケース50の先端にノズル30の外形に沿った略円形の開口を形成してもよい。図11はノズル130の外観斜視図であり、図12はノズル130のノズル本体131とノズルカバー132とを分離した状態の外観斜視図であり、図13はノズルユニット120の下面図およびA-A断面図である。また、図14は下面側の半円筒部材152の外観斜視図であり、図15は半円筒部材152の前面図,上面図,側面図,下面図および後面図である。
変形例のノズルユニット120が備えるノズル130は、図11および図12に示すように、円筒状のノズル本体131と、ノズル本体131を覆うノズルカバー132と、を備える。ノズル本体131は樹脂製のノズルであり、先端部の上面側には、それぞれ洗浄水を噴出するノズル孔131a,131bが形成され、下面側には、先端部手前と後端部手前との間で軸方向(進退方向)に延びるガイド溝131c(凹溝)が形成されている。ノズルカバー132はノズル孔131a,131bおよびガイド溝131cを除いてノズル本体131を覆う金属製のカバーであり、上面側のノズル孔131a,131bと重なる位置には、ノズル孔131a,131bと連通する連通孔132a,132bが形成され、下面側のガイド溝131cと重なる位置には、軸方向に延びるスリット132cが形成されている。
また、ノズルユニット120が備えるケース150の下面側の半円筒部材152には、図14に示すように、上方に突出したガイドリブ154が設けられている。ガイドリブ154は、ケース150のシリンダ40の外周面を支持する支持面150aよりも先端側に形成されており、ノズル131のガイド溝131cに嵌合することで、ノズル131の進退移動をガイドする。これにより、シリンダ40の回転に伴うノズル130の供回りが防止される。したがって、他の実施形態のノズルユニット120では、ノズル130を円筒状に形成することが可能となり、ノズル130に汚れが付着し難くし、清潔性をより向上させることができる。
また、ガイドリブ154の両脇には、図15に示すように、実施形態の排水孔55と同様に、下方に向かって筒状に突出した排水孔155が形成されており、シリンダ40から排出されてケース150の先端部に溜まった水を良好に外部(便器1の便鉢内)へ排出することができると共に、ケース150から排出される水がケース150の外周面に伝わるのを抑制してケース150の清潔性を保つことができる。
ノズル130は、図16に示すように、収容位置に収容されているときには、ケース150のガイドリブ154がガイド溝131cの先端が当接しており、シリンダ40が回転すると、ガイドリブ154によって軸方向にガイドされながら進出する。上述したように、ノズル130が円筒状に形成されているが、ガイドリブ154がノズル130の下面のガイド溝131cに嵌合しているため、シリンダ40の回転によりノズル130が供回りすることはない。そして、ノズル130は、図17に示すように、進出端(ビデ洗浄用の洗浄位置)まで移動すると、ガイドリブ154がガイド溝131cの後端と当接する。これにより、ノズル130は、ケース150に対して抜け止めされる。
また、ケース150の先端部の上面側にはノズル洗浄器160が取り付けられている。ノズル洗浄器160は、図16および図17に示すように、下方に向けて洗浄水を噴出する噴出孔161が形成されており、噴出孔161から洗浄水を噴出することで、ノズル130のノズル孔131a付近やノズル孔131b付近を含む外周面を洗浄することができる。上述したように、ガイドリブ154や排水孔155は、ケース150の下面側に設けられているから、ケース150の上面側の空きスペースにノズル洗浄器160を配置することができ、ノズルユニット120をコンパクトにすることができる。
実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施形態では、シリンダ40が「回転体」に相当し、回転ギヤ45が「回転ギヤ」に相当し、螺旋溝44aが「螺旋溝」に相当し、モータ24が「モータ」に相当し、ケース50が「ケース」に相当し、ノズル30が「ノズル」に相当し、リブ35や突起35Bが「嵌合部」に相当し、排水溝44bが「排水溝」に相当する。また、貫通孔48が「貫通孔」に相当する。また、排水孔55が「排水部」に相当する。ガイド溝131cが「ガイド溝」に相当し、ガイドリブ154が「突起」に相当する。
なお、実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施形態が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施形態は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、局部洗浄装置の製造産業などに利用可能である。
1 便器、10 衛生洗浄便座装置、12 便座装置本体、13 着座センサ、14 便座、16 便蓋、18 操作パネル、20 ノズルユニット、21,22,321 ホース、24 モータ、25 駆動ギヤ、30,30B,130 ノズル、31 ノズル本体、31a,31b,131a,131b ノズル孔、38a,38b 洗浄水流路、40 シリンダ、41,42 半円筒部材、43 外周リブ、44 内周リブ、44a 螺旋溝、44b 排水溝、45 回転ギヤ、48 貫通孔、50 ケース、51,52 半円筒部材、52a 固定板、53 内周溝、55,155 排水孔、60,160 ノズル洗浄器、131c ガイド溝、132a,132b 連通孔、132c スリット、150a 支持面、154 ガイドリブ、161 噴出孔。

Claims (6)

  1. 人体の局部を洗浄する局部洗浄装置であって、
    前方に向かって下方に傾斜すると共に内周面に螺旋溝を有する円筒状の回転体と、
    前記回転体に該回転体と同軸に設けられた回転ギヤと、
    前記回転ギヤを回転させるモータと、
    前記回転体の外周面を覆って該回転体を回転自在に支持するケースと、
    前記回転体の内部に設けられ、先端部に洗浄水を噴出可能な噴出口を有すると共に後端部に前記螺旋溝と嵌合する嵌合部を有し、前記回転体の回転に伴って後方の収容位置と前方の進出位置との間で該回転体の軸方向に沿って進退移動が可能なノズルと、
    を備え、
    前記回転体の内周面には、前記螺旋溝を横切るように軸方向に延びる1つ以上の排水溝を有する、
    局部洗浄装置。
  2. 請求項1に記載の局部洗浄装置であって、
    前記排水溝は、前記回転体の周方向に間を空けて複数設けられている、
    局部洗浄装置。
  3. 請求項1または2に記載の局部洗浄装置であって、
    前記回転体は、径方向に貫通する貫通孔を先端部に有し、
    前記貫通孔は、周方向に間を空けて複数設けられている、
    局部洗浄装置。
  4. 請求項1ないし3いずれか1項に記載の局部洗浄装置であって、
    前記ケースは、先端部の下側に、内部の水を排出するための排水部を有し、
    前記排水部は、下方に突出した筒状に形成されている、
    局部洗浄装置。
  5. 請求項1ないし4いずれか1項に記載の局部洗浄装置であって、
    前記ノズルは、先端部に向かって進退方向に延びると共に先端部手前で途切れるガイド溝を外周部に有し、
    前記ケースは、前記回転体を回転自在に支持する支持面よりも先端側に、前記ガイド溝と嵌合して前記ノズルの進退移動をガイドする突起を有する、
    局部洗浄装置。
  6. 請求項5に記載の局部洗浄装置であって、
    前記突起は、前記ケースの下側に設けられ、
    前記ケースの上側に、前記ノズルを洗浄するためのノズル洗浄器が設けられている、
    局部洗浄装置。
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