JP7012831B2 - 空調機器メンテナンスシステム及びメンテナンス支援方法 - Google Patents

空調機器メンテナンスシステム及びメンテナンス支援方法 Download PDF

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Description

本発明は、ビル等の大規模な建物に設置された空調機器をメンテナンスするための技術に関する。
オフィスビル、商業ビル等、複数のフロアの空調を行っている建物では、複数の空調機器(室外機)を屋上に並べて設置するのが一般的である。
そのように設置された空調機器のメンテナンスを担当するメンテナンス担当者は、通常、管理対象となる全空調機器の各々についての情報(以下、メンテナンス情報という。)が保存された端末を携帯する。このメンテナンス情報には、設置された建物の名称あるいは当該建物のある地名、当該空調機器の型番、型名等の識別情報、メンテナンスの履歴等が含まれている。
そして、空調機器のメンテナンスを行う際、メンテナンス担当者は、メンテナンス対象の空調機器の筐体から型番、型名等の識別情報を目視により読み取り、端末に入力して、対応するメンテナンス情報を表示させる等して、かかるメンテナンス情報を把握し、メンテナンス作業で利用する。
しかし、空調機器の設置台数が多い場合、上記のように空調機器を1台ずつメンテナンスする度に識別情報を目視で読み取って端末に入力するのは、手間がかかり、作業効率も低下する。
例えば、特許文献1に開示される製品サービス管理システムでは、室外機を設置した際、サービス店のサービスマンは、携帯電話機を操作して、当該携帯電話機が備えるGPSを用いた位置検出手段により、製品(即ち、設置した室外機)の位置情報を取得させる。携帯電話機は、取得した位置情報と、顧客名と、設置年月日と、製品とを設置した建物の名称等を含む顧客情報を作成する。作成された顧客情報は、携帯電話機の記憶手段に保存されると共に、インターネットを介して、サービスセンタのコンピュータに送信され、当該コンピュータの記憶手段に保存される。以後、この製品サービス管理システムでは、製品の位置情報に基づいて顧客情報が特定され、当該製品のアフターサービスに用いられる。
特開2009-93292号公報
しかし、特許文献1には、アフターサービスの際に、サービスマンが携帯電話機を操作して、アフターサービスの対象となる製品の位置情報を取得し、取得した位置情報から当該製品の顧客情報を取得することについて一切の言及がない。また、特許文献1には、サービスセンタのコンピュータで管理される顧客情報において、当該製品に共通する故障情報が格納されることが記載されているものの、各製品のメンテナンスの履歴等のメンテナンスに関する情報は含まれておらず、特許文献1における顧客情報は、メンテナンス作業で用いられる情報としては、有意なものとはいえない。
したがって、特許文献1に開示される技術では、空調機器の設置台数が多い建物においてメンテナンス作業をする際の上述した問題を解決することは困難である。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、空調機器のメンテナンス作業の効率向上が図れる空調機器メンテナンスシステム等を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る空調機器メンテナンスシステムは、
メンテナンス端末と、管理サーバと、を備え、
前記メンテナンス端末は、
GPS信号を受信して位置情報を取得するGPS信号受信手段と、
前記位置情報を前記管理サーバに送信する位置情報送信手段と、
前記位置情報で示される位置に設置された空調機器のメンテナンス結果に関する結果情報を前記管理サーバに送信する結果情報送信手段と、を備え、
前記管理サーバは、
位置情報と建物情報と機種名と製造番号とソフトウェアバージョンとを含む機器情報と、メンテナンスの手順に関する手順情報と、メンテナンスの履歴に関する履歴情報と、を含むメンテナンス情報が、管理対象の空調機器毎に登録されたデータベースを記憶する記憶装置と、
前記メンテナンス端末から前記位置情報を受信すると、前記受信した位置情報に対応する前記メンテナンス情報に含まれる前記機器情報と、前記手順情報とを前記メンテナンス端末に送信する情報送信手段と、
前記メンテナンス端末から前記結果情報を受信すると、前記結果情報に基づいて、前記受信した位置情報に対応する前記メンテナンス情報に含まれる前記履歴情報を更新する情報更新手段と、を備え
前記管理サーバの前記情報送信手段は、前記受信した位置情報に対応するメンテナンス情報が前記データベースに登録されていない場合、未登録通知を前記メンテナンス端末に送信し、
前記メンテナンス端末は、
前記管理サーバから前記未登録通知を受信すると、前記空調機器から、機種名と、製造番号と、ソフトウェアバージョンとを含む機器情報を取得する機器情報取得手段と、
前記管理サーバから前記未登録通知を受信すると、地図情報サーバから、前記空調機器が設置された建物に対応する建物情報を取得する建物情報取得手段と、
前記取得された位置情報と、前記取得された機器情報と、前記取得された建物情報とを含む登録要求通知を前記管理サーバに送信する登録要求手段と、をさらに備え、
前記管理サーバは、
前記メンテナンス端末から前記登録要求通知を受信すると、前記受信した登録要求通知で示される空調機器に対応するメンテナンス情報を前記データベースに登録する情報登録手段をさらに備える
本発明によれば、空調機器のメンテナンス作業の効率向上が図れる。
本発明の実施の形態に係る空調機器メンテナンスシステムの構成を示す図 本実施の形態に係るメンテナンス端末の構成を示すブロック図 本実施の形態に係るメンテナンス端末が備える制御部の機能構成を示す図 本実施の形態に係る管理サーバの構成を示すブロック図 本実施の形態に係る管理サーバで管理されるメンテナンス情報の構成を示す図 本実施の形態のメンテナンス情報に含まれる機器情報の構成を示す図 本実施の形態のメンテナンス情報に含まれる手順情報の構成を示す図 本実施の形態のメンテナンス情報に含まれる履歴情報の構成を示す図 本実施の形態に係る管理サーバが備える制御部の機能構成を示す図 本実施の形態において、メンテナンス情報の登録に係る処理シーケンスを示す図 本実施の形態において、メンテナンスの実施に係る処理シーケンスを示す図
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る空調機器メンテナンスシステム1の全体構成を示す図である。空調機器メンテナンスシステム1は、例えば、オフィスビル、商業ビル等の建物の空調を行う空調機器のメンテナンスを管理するためのシステムであり、複数の空調機器2と、メンテナンス端末3と、管理サーバ4と、地図情報サーバ5とを備える。
メンテナンス端末3及び複数の空調機器2の各々は、設備ネットワークであるネットワークN1を介して相互に通信可能となるように接続される。また、メンテナンス端末3、管理サーバ4及び地図情報サーバ5は、インターネット等のネットワークN2を介して相互に通信可能となるように接続される。
メンテナンス端末3は、例えば、スマートフォン、タブレット端末等のスマートデバイスである。詳細には、メンテナンス端末3は、図2に示すように、ディスプレイ30と、操作受付部31と、GPS信号受信部32と、可視カメラ33と、熱画像カメラ34と、第1通信インタフェース35と、第2通信インタフェース36と、制御部37と、二次記憶装置38とを備える。これらの構成部は、バス39を介して相互に接続される。
ディスプレイ30は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示デバイスを含んで構成される。ディスプレイ30は、制御部37の制御の下、空調機器2のメンテナンスを行うための各種の画面等を表示する。
操作受付部31は、押しボタン、タッチパネル又はタッチパッド等の1つ以上の入力デバイスを含んで構成され、ユーザからの操作入力を受け付け、受け付けた操作に係る信号を制御部37に送出する。
GPS信号受信部32は、本発明に係るGPS信号受信手段の一例である。GPS信号受信部32は、メンテナンス端末3に内蔵又は外付けで設けられ、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を受信し、受信したGPS信号に基づいて、緯度、経度情報を含む位置情報を算出して出力する。
可視カメラ33は、CCD(Charge-Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサである。熱画像カメラ34は、赤外線サーモグラフィであり、メンテナンス端末3に内蔵又は外付けで設けられる。
第1通信インタフェース35は、ネットワークN1を介して各空調機器2と無線又は有線にて通信するためのインタフェースである。ネットワークN1は、例えば、RS-485等のシリアル通信規格に基づいて構築された設備ネットワークである。この他、ネットワークN1は、有線又は無線LAN(Local Area Network)であってもよいし、BLE(Bluetooth Low Energy)又は近距離無線通信の規格に基づいて構築されたネットワークであってもよい。第2通信インタフェース36は、インターネット等のネットワークN2を介して管理サーバ4等と通信するためのインタフェースである。
制御部37は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含んで構成され、メンテナンス端末3を統括制御する。
二次記憶装置38は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリ等の読み書き可能な不揮発性の半導体メモリ又はHDD(Hard Disk Drive)を含んで構成される。二次記憶装置38は、空調機器2のメンテナンス用のプログラム(以下、メンテナンス支援プログラムという。)を含む各種のプログラムとこれらのプログラムの実行時に使用されるデータを記憶する。
制御部37は、機能的には、図3に示すように、位置情報送信部370と、機器情報取得部371と、建物情報取得部372と、登録要求部373と、手順取得部374と、メンテナンス実行部375と、結果情報送信部376と、履歴情報取得部377とを備える。これらの機能部は、制御部37のCPUが二次記憶装置38に記憶されている上記のメンテナンス支援プログラムを実行することで実現される。
位置情報送信部370は、本発明に係る位置情報送信手段の一例である。位置情報送信部370は、GPS信号受信部32により算出された位置情報を取得し、取得した位置情報を管理サーバ4に第2通信インタフェース36を介して送信する。メンテナンス端末3を携帯するメンテナンス担当者等のユーザは、事前にメンテナンス対象の空調機器2の近くまで行き、位置情報の送信に係る予め定めた操作を操作受付部31を介して行う。かかる操作をトリガとして位置情報送信部370は、位置情報を管理サーバ4に送信する。その際、ユーザは、当該空調機器2の筐体から30cm以内まで近づくものとする。なお、位置情報送信部370は、GPS信号受信部32から出力された複数回の算出結果を平均する等して、位置情報の精度を高めるようにしてもよい。
機器情報取得部371は、位置情報送信部370により位置情報が送信された後、管理サーバ4から、当該空調機器2に対応する機器情報が未登録であることを示す通知(以下、未登録通知という。)が応答された場合、ユーザによる操作受付部31を介した予め定めた操作をトリガとして、当該空調機器2から機器情報を第1通信インタフェース35を介して取得する。詳細には、管理サーバ4から上記の未登録通知が応答されると、機器情報取得部371は、当該空調機器2の筐体に貼付された紙、プラスチック等に印字された二次元コードを読み取るようにユーザに報知する画面をディスプレイ30に表示する。この二次元コードには、当該空調機器2の機器アドレスがコード化されて含まれている。機器アドレスとは、ネットワークN1に接続される各空調機器2に割り振られた通信上のアドレスである。
可視カメラ33によって、当該二次元コードが撮像されると、機器情報取得部371は、撮像画像から二次元コードを読み取って、かかる二次元コードをデコードして機器アドレスを取得する。機器情報取得部371は、機器アドレスを取得すると、当該空調機器2に対して機器情報を要求するコマンド(以下、機器情報要求コマンド)を第1通信インタフェース35を介して送信する。かかる機器情報要求コマンドを受信すると、当該空調機器2は、自機器の機種名と、製造番号と、S/W(ソフトウェア)バージョンとを含む機器情報をメンテナンス端末3に送信する。機器情報取得部371は、当該空調機器2から送信された機器情報を第1通信インタフェース35を介して受信して取得し、二次記憶装置38に保存する。
建物情報取得部372は、管理サーバ4から上記の未登録通知が応答されると、地図情報サーバ5から、当該建物に対応する建物情報を第2通信インタフェース36を介して取得する。詳細には、建物情報取得部372は、建物情報を要求する通知(以下、建物情報要求通知)を第2通信インタフェース36を介して地図情報サーバ5に送信する。この建物情報要求通知には、位置情報送信部370によりGPS信号受信部32から取得された位置情報が格納されている。
地図情報サーバ5は、地図データ、建物情報を配信するサーバコンピュータであり、ネットワークN2に接続される装置から、地図データを要求する通知(以下、地図データ要求通知という。)又は上記の建物情報要求通知を受信すると、地図データ要求通知又は建物情報要求通知に含まれる位置情報(詳細には、緯度、経度情報)に対応する地図データ又は建物情報を要求元の装置に送信する。ここで建物情報には、当該位置情報で示される地点に存在する建物の名称、住所、業種、店名等が含まれている。
建物情報取得部372は、上記のようにして、地図情報サーバ5から送信された建物情報を第2通信インタフェース36を介して受信して取得し、二次記憶装置38に保存する。
登録要求部373は、機器情報取得部371により機器情報が取得され、建物情報取得部372により建物情報が取得されると、当該空調機器2に対応するメンテナンス情報の新規登録を要求する通知(以下、登録要求通知という。)を管理サーバ4に第2通信インタフェース36を介して送信する。この登録要求通知には、上記のようにして取得された位置情報、機器情報及び建物情報が含まれている。
手順取得部374は、位置情報送信部370により位置情報が送信された後、管理サーバ4から送信された当該空調機器2に対応する機器情報を第2通信インタフェース36を介して受信すると、ユーザが所望する手順情報を要求する通知(以下、手順要求通知という。)を管理サーバ4に第2通信インタフェース36を介して送信する。詳細には、手順取得部374は、管理サーバ4から送信された当該空調機器2に対応する機器情報を受信すると、所望の手順情報をユーザに問い合わせる画面をディスプレイ30に表示する。管理サーバ4が管理する手順情報には、試運転手順、点検手順及び不具合調査手順の3種類があり、ユーザは、上記画面を介して所望の手順情報の種類を選択する。
ユーザにより所望の手順情報の種類が選択されると、手順取得部374は、上記の手順要求通知を管理サーバ4に送信する。この手順要求通知には、ユーザが選択した手順情報の種類を示す情報が格納されている。
メンテナンス実行部375は、本発明に係るメンテナンス実行手段の一例である。メンテナンス実行部375は、上記の手順要求通知に応答して管理サーバ4から送信された手順情報を第2通信インタフェース36を介して受信すると、当該手順情報に従って、当該空調機器2に対するメンテナンスを実行する。手順情報には、空調機器2に対して送信すべき複数の制御コマンドと、その送信タイミングと、合否判定条件とが含まれている。
メンテナンス実行部375は、手順情報で示された通りに、複数の制御コマンドを当該空調機器2に送信する。複数の制御コマンドには、当該空調機器2の動作を変更させるコマンドと、現在の運転状態(例えば、室内温度、冷媒温度、冷媒配管にかかる圧力データ、圧縮機の回転数等)をモニタするためのコマンドとが含まれる。
メンテナンス実行部375は、手順情報で示された全ての制御コマンドを当該空調機器2に送信した後、手順情報で示される合否判定条件に従って当該メンテナンスの合否判定を行い、その結果をディスプレイ30に表示する。合否判定条件には、例えば、試運転の場合、以下のような判定項目が含まれる。
(1)圧縮機の回転数(ppm)が予め定めた適切な範囲に収まっていること
(2)運転開始から予め定めた時間経過後の冷媒温度(℃)が予め定めた適切な範囲に収まっていること
(3)運転開始から予め定めた時間経過後の室内機の吸込温度(℃)が予め定めた適切な範囲に収まっていること
結果情報送信部376は、本発明に係る結果情報送信手段の一例である。結果情報送信部376は、当該メンテナンスの実行結果に関する結果情報を管理サーバ4に第2通信インタフェース36を介して送信する。
履歴情報取得部377は、本発明に係る履歴情報取得手段の一例である。履歴情報取得部377は、ユーザにより所望の履歴情報の閲覧を要求する操作が行われると、ユーザが所望する履歴情報を要求する通知(以下、履歴要求通知という。)を管理サーバ4に第2通信インタフェース36を介して送信する。管理サーバ4が管理する履歴情報には、試運転履歴、点検履歴、故障履歴、部品交換履歴及び冷媒充填量履歴の5種類があり、ユーザは、この中から所望の履歴情報の種類を選択することができる。
履歴情報取得部377は、上記の履歴要求通知に応答して、管理サーバ4から送信された履歴情報を第2通信インタフェース36を介して受信して取得し、かかる履歴情報をディスプレイ30に表示する。
続いて、管理サーバ4について説明する。管理サーバ4は、空調機器2のメーカ又は販売会社によって設置され、運用されるサーバコンピュータであり、一般的なWebサーバとしての機能を有し、インターネット等のネットワークN2に接続される。図4に示すように、管理サーバ4は、通信インタフェース40と、制御部41と、二次記憶装置42とを備える。これらの構成部は、バス43を介して相互に接続される。
通信インタフェース40は、インターネット等のネットワークN2を介してメンテナンス端末3等と通信するためのインタフェースである。制御部41は、CPU、ROM、RAM等を含んで構成され、管理サーバ4を統括制御する。
二次記憶装置42は、本発明に係る記憶装置の一例である。二次記憶装置42は、EEPROM、フラッシュメモリ等の読み書き可能な不揮発性の半導体メモリ又はHDDを含んで構成される。二次記憶装置42は、空調機器2を管理するための管理プログラム(図示せず)と、メンテナンス情報DB420とを記憶する。
メンテナンス情報DB420は、管理対象の空調機器2のメンテナンスに関する情報(以下、メンテナンス情報という。)を管理するためのデータベースである。
メンテナンス情報は、メンテナンス端末3から上述した登録要求通知を受信することによって、制御部41により生成され、メンテナンス情報DB420に登録される。図5に、本実施の形態において、メンテナンス情報DB420に登録されるメンテナンス情報の構成を示す。メンテナンス情報は、機器情報421と、手順情報422と、履歴情報423とを含む複数の項目で構成される。
機器情報421は、図6に示すように、位置情報4210と、建物情報4211と、機種名4212と、製造番号4213と、S/Wバージョン4214とを含む複数の項目で構成される。制御部41は、メンテナンス端末3からの登録要求通知から抽出した情報を機器情報421の各項目に格納する。但し、位置情報4210には、登録要求通知から抽出した位置情報そのものではなく、当該位置情報にマージンを持たせた情報が格納される。例えば、位置情報4210に格納される情報は、登録要求通知から抽出した位置情報に基づく地点を中心とした半径30cm以内の全ての地点が含まれることを意味する。
手順情報422は、図7に示すように、試運転手順4220と、点検手順4221と、不具合調査手順4222とを含む複数の項目で構成される。試運転情報4220には、試運転の手順に関する情報が格納される。点検手順4221には、点検の手順に関する情報が格納される。不具合調査手順4222には、不具合調査の手順に関する情報が格納される。手順情報422における上記の各項目には、空調機器2のメーカ等の担当者によって対応する手順の情報が格納される。
履歴情報423は、図8に示すように、試運転履歴4230と、点検履歴4231と、故障履歴4232と、部品交換履歴4233と、冷媒充填量履歴4234とを含む複数の項目で構成される。
試運転履歴4230には、当該空調機器2の試運転の履歴に関する情報(例えば、実施日、運転状態等が含まれる。)が格納される。試運転履歴4230に格納されている情報から、試運転時と現時点での運転状態の違いによる当該空調機器2の経年変化状況が診断可能となる。点検履歴4231は、当該空調機器2の点検の履歴に関する情報(実施日、実施者、点検項目、点検結果等が含まれる。)が格納される。
故障履歴4232には、当該空調機器2で発生した故障の履歴に関する情報(例えば、発生日時、異常コード等が含まれる。)が格納される。部品交換履歴4233には、当該空調機器2の部品交換を行った際の履歴に関する情報(例えば、実施日、実施者、交換前後の運転状態等が含まれる。)が格納される。冷媒充填量履歴4234には、設置工事又はメンテナンスの際に追加充填した冷媒の量の履歴に関する情報(実施日、実施者、充填前後の運転状態等が含まれる。)が格納される。
続いて、管理サーバ4の制御部41の機能について詳細に説明する。制御部41は、機能的には、図9に示すように、情報登録部410と、情報送信部411と、情報更新部412とを備える。これらの機能部は、制御部41のCPUが二次記憶装置42に記憶されている上述した管理プログラムを実行することで実現される。
情報登録部410は、メンテナンス端末3から登録要求通知を受信すると、当該登録要求通知で示される空調機器2に対応するメンテナンス情報のレコードをメンテナンス情報DB420に登録する。その際、情報登録部410は、当該登録要求通知から抽出した情報をメンテナンス情報の機器情報421に格納する。但し、上述したように、情報登録部410は、機器情報421の位置情報4210には、登録要求通知から抽出した位置情報にマージンを持たせた情報を格納する。
情報送信部411は、本発明に係る情報送信手段の一例である。情報送信部411は、メンテナンス端末3から位置情報を受信すると、当該位置情報に対応する機器情報421に格納されている情報を機器情報としてメンテナンス端末3に送信する。但し、受信した位置情報に対応する機器情報421が存在しない、即ち、当該空調機器2に対応するメンテナンス情報のレコードがメンテナンス情報DB420に登録されていない場合、情報送信部411は、未登録通知をメンテナンス端末3に送信する。
また、情報送信部411は、メンテナンス端末3から手順要求通知を受信すると、当該手順要求通知で示される手順情報を手順情報422から読み出し、メンテナンス端末3に送信する。また、情報送信部411は、メンテナンス端末3から履歴要求通知を受信すると、当該履歴要求通知で示される履歴情報を履歴情報423から読み出し、メンテナンス端末3に送信する。
情報更新部412は、本発明に係る情報更新手段の一例である。情報更新部412は、メンテナンス端末3から結果情報を受信すると、当該結果情報の内容に基づいて、履歴情報423の内容を更新する。
図10に、メンテナンス情報の登録に係る空調機器メンテナンスシステム1の処理シーケンスを示す。先ず、メンテナンス端末3は、GPS信号に基づいて算出された位置情報を管理サーバ4に送信する(ステップS101)。
管理サーバ4は、メンテナンス情報DB420から対応するメンテナンス情報を検索する。ここでは、対応するメンテナンス情報が存在しないため、管理サーバ4は、未登録通知をメンテナンス端末3に送信する(ステップS102)。
メンテナンス端末3は、機器情報要求コマンドを当該空調機器2に送信する(ステップS103)。機器情報要求コマンドを受信した空調機器2は、自機器の機種名と、製造番号と、S/Wバージョンとを含む機器情報をメンテナンス端末3に送信する(ステップS104)。
メンテナンス端末3は、建物情報要求通知を地図情報サーバ5に送信する(ステップS105)。地図情報サーバ5は、メンテナンス端末3から建物情報要求通知を受信すると、受信した建物情報要求通知に含まれる位置情報(詳細には、緯度、経度情報)に対応する建物情報をメンテナンス端末3に送信する(ステップS106)。
メンテナンス端末3は、上記のようにして取得された位置情報、機器情報及び建物情報が含まれる登録要求通知を管理サーバ4に送信する(ステップS107)。管理サーバ4は、メンテナンス端末3から登録要求通知を受信すると、当該登録要求通知で示される空調機器2に対応するメンテナンス情報のレコードをメンテナンス情報DB420に登録し、メンテナンス情報の登録が完了したことを示す完了通知をメンテナンス端末3に送信する(ステップS108)。
図11に、メンテナンスの実施に係る空調機器メンテナンスシステム1の処理シーケンスを示す。先ず、メンテナンス端末3は、GPS信号に基づいて算出された位置情報を管理サーバ4に送信する(ステップS201)。管理サーバ4は、メンテナンス情報DB420から対応するメンテナンス情報を検索する。ここでは、対応するメンテナンス情報が存在するため、管理サーバ4は、検索したメンテナンス情報の機器情報421に格納されている情報を機器情報としてメンテナンス端末3に送信する(ステップS202)。
メンテナンス端末3は、管理サーバ4から送信された当該空調機器2に対応する機器情報を受信すると、ユーザが所望するメンテナンス手順を要求する手順要求通知を管理サーバ4に送信する(ステップS203)。
この手順要求通知には、ユーザが選択した手順情報の種類を示す情報が格納されている。管理サーバ4は、メンテナンス端末3から手順要求通知を受信すると、当該手順要求通知で示される手順情報を手順情報422から読み出して、メンテナンス端末3に送信する(ステップS204)。
メンテナンス端末3は、管理サーバ4から手順情報を受信すると、当該手順情報に従って、当該空調機器2に対するメンテナンスを実行する(ステップS205)。例えば、メンテナンス端末3は、動作変更コマンドを当該空調機器2に送信する。当該空調機器2は、受信した動作変更コマンドに従って動作を変更する(ステップS206)。メンテナンス端末3は、動作変更コマンドを送信してから一定時間が経過すると、状態要求コマンドを当該空調機器2に送信する。当該空調機器2は、状態要求コマンドを受信すると、現在の運転状態をメンテナンス端末3に送信する(ステップS207)。
メンテナンス端末3は、メンテナンスの実行結果をディスプレイ30に表示すると共に、当該実行結果に関する結果情報を管理サーバ4に送信する(ステップS208)。管理サーバ4は、メンテナンス端末3から結果情報を受信すると、当該結果情報の内容に基づいて、履歴情報423の内容を更新する(ステップS209)。
以上詳細に説明したように、本実施の形態に係る空調機器メンテナンスシステム1によれば、メンテナンス担当者等のユーザは、メンテナンス対象の空調機器2の近傍に行き、メンテナンス端末3を介して簡易な操作を行うことで、当該空調機器2に対するメンテナンスに関する有意な情報を容易に取得できる。また、メンテナンス端末3によって当該空調機器2に対するメンテナンスを自動で実施できるため、作業効率が向上する。
本発明は、上記の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の変更は勿論可能である。
例えば、空調機器2の筐体に貼付された紙、プラスチック又は金属で構成される情報保持体に当該空調機器2の機器情報(即ち、機種名、製造番号、S/Wバージョン)が印字又は打刻されている場合には、メンテナンス端末3は、可視カメラ33で当該情報保持体を撮像し、撮像した画像を解析することで、当該空調機器2の機器情報を取得してもよい。
また、メンテナンス担当者等のユーザによって行われる、目視での点検、部品交換、冷媒の充填等のメンテナンスの結果については、ユーザは、メンテナンス端末3に手動で入力可能であり、これらの履歴についても管理サーバ4に保存可能である。
また、管理サーバ4に蓄積された各空調機器2における各種の履歴情報は、メンテナンス端末3以外の端末からでも、ユーザー名及びパスワード等で認証された特定ユーザについては、閲覧を可能としてもよい。
上記の実施の形態では、管理サーバ4において、手順情報は、空調機器2毎に対応付けて管理されていたが、機種が同一又は類似する複数の空調機器2のグループ毎に対応付けて管理されるようにしてもよい。
上記の実施の形態では、メンテナンス端末3の制御部37が備えるCPUによって二次記憶装置38に記憶されているメンテナンス支援プログラムが実行されることで、制御部37の各機能部(図3参照)が実現された。また、管理サーバ4の制御部41が備えるCPUによって二次記憶装置42に記憶されている管理プログラムが実行されることで、制御部41の各機能部(図9参照)が実現された。しかし、制御部37又は制御部41の機能部の全部又は一部が、専用のハードウェアで実現されるようにしてもよい。専用のハードウェアとは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらの組み合わせである。
上記メンテナンス支援プログラム又は管理プログラムは、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、光磁気ディスク(Magneto-Optical Disc)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード、HDD等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布することも可能である。そして、このように配布したメンテナンス支援プログラム又は管理プログラムを特定の又は汎用のコンピュータにインストールすることによって、当該コンピュータを上記の実施の形態におけるメンテナンス端末3又は管理サーバ4として機能させることも可能である。
また、メンテナンス支援プログラム又は管理プログラムをインターネット上の図示しないサーバが有する記憶装置に格納しておき、当該サーバからメンテナンス端末3又は管理サーバ4にメンテナンス支援プログラム又は管理プログラムがダウンロードされるようにしてもよい。
本発明は、広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能である。また、上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
本発明は、空調機器のメンテナンスに好適に採用され得る。
1 空調機器メンテナンスシステム、2 空調機器、3 メンテナンス端末、4 管理サーバ、5 地図情報サーバ、30 ディスプレイ、31 操作受付部、32 GPS信号受信部、33 可視カメラ、34 熱画像カメラ、35 第1通信インタフェース、36 第2通信インタフェース、37,41 制御部、38,42 二次記憶装置、39,43 バス、40 通信インタフェース、370 位置情報送信部、371 機器情報取得部、372 建物情報取得部、373 登録要求部、374 手順取得部、375 メンテナンス実行部、376 結果情報送信部、377 履歴情報取得部、410 情報登録部、411 情報送信部、412 情報更新部、420 メンテナンス情報DB

Claims (4)

  1. メンテナンス端末と、管理サーバと、を備え、
    前記メンテナンス端末は、
    GPS信号を受信して位置情報を取得するGPS信号受信手段と、
    前記位置情報を前記管理サーバに送信する位置情報送信手段と、
    前記位置情報で示される位置に設置された空調機器のメンテナンス結果に関する結果情報を前記管理サーバに送信する結果情報送信手段と、を備え、
    前記管理サーバは、
    位置情報と建物情報と機種名と製造番号とソフトウェアバージョンとを含む機器情報と、メンテナンスの手順に関する手順情報と、メンテナンスの履歴に関する履歴情報と、を含むメンテナンス情報が、管理対象の空調機器毎に登録されたデータベースを記憶する記憶装置と、
    前記メンテナンス端末から前記位置情報を受信すると、前記受信した位置情報に対応する前記メンテナンス情報に含まれる前記機器情報と、前記手順情報とを前記メンテナンス端末に送信する情報送信手段と、
    前記メンテナンス端末から前記結果情報を受信すると、前記結果情報に基づいて、前記受信した位置情報に対応する前記メンテナンス情報に含まれる前記履歴情報を更新する情報更新手段と、を備え
    前記管理サーバの前記情報送信手段は、前記受信した位置情報に対応するメンテナンス情報が前記データベースに登録されていない場合、未登録通知を前記メンテナンス端末に送信し、
    前記メンテナンス端末は、
    前記管理サーバから前記未登録通知を受信すると、前記空調機器から、機種名と、製造番号と、ソフトウェアバージョンとを含む機器情報を取得する機器情報取得手段と、
    前記管理サーバから前記未登録通知を受信すると、地図情報サーバから、前記空調機器が設置された建物に対応する建物情報を取得する建物情報取得手段と、
    前記取得された位置情報と、前記取得された機器情報と、前記取得された建物情報とを含む登録要求通知を前記管理サーバに送信する登録要求手段と、をさらに備え、
    前記管理サーバは、
    前記メンテナンス端末から前記登録要求通知を受信すると、前記受信した登録要求通知で示される空調機器に対応するメンテナンス情報を前記データベースに登録する情報登録手段をさらに備える、空調機器メンテナンスシステム。
  2. 前記メンテナンス端末は、前記手順情報に従って前記空調機器のメンテナンスを実行するメンテナンス実行手段をさらに備え、
    前記手順情報には、前記空調機器に対する制御コマンドが含まれている、請求項1に記載の空調機器メンテナンスシステム。
  3. 前記メンテナンス端末は、前記空調機器の履歴情報を前記管理サーバとの通信により取得する履歴情報取得手段をさらに備える、請求項1又は2に記載の空調機器メンテナンスシステム。
  4. メンテナンス端末が、
    GPS信号受信手段により取得された位置情報を管理サーバに送信し、
    前記位置情報で示される位置に設置された空調機器のメンテナンス結果に関する結果情報を前記管理サーバに送信し、
    前記管理サーバは、
    前記メンテナンス端末から前記位置情報を受信すると、位置情報と建物情報と機種名と製造番号とソフトウェアバージョンとを含む機器情報と、メンテナンスの手順に関する手順情報と、メンテナンスの履歴に関する履歴情報と、を含むメンテナンス情報が、管理対象の空調機器毎に登録されたデータベースを参照して、前記受信した位置情報に対応する前記メンテナンス情報に含まれる前記機器情報と、前記手順情報とを前記メンテナンス端末に送信し、
    前記メンテナンス端末から前記結果情報を受信すると、前記結果情報に基づいて、前記受信した位置情報に対応する前記メンテナンス情報に含まれる前記履歴情報を更新し、
    前記管理サーバは、前記受信した位置情報に対応するメンテナンス情報が前記データベースに登録されていない場合、未登録通知を前記メンテナンス端末に送信し、
    前記メンテナンス端末は、
    前記管理サーバから前記未登録通知を受信すると、前記空調機器から、機種名と、製造番号と、ソフトウェアバージョンとを含む機器情報を取得し、地図情報サーバから、前記空調機器が設置された建物に対応する建物情報を取得し、
    前記取得した位置情報と、前記取得した機器情報と、前記取得した建物情報とを含む登録要求通知を前記管理サーバに送信し、
    前記管理サーバは、前記メンテナンス端末から前記登録要求通知を受信すると、前記受信した登録要求通知で示される空調機器に対応するメンテナンス情報を前記データベースに登録する、メンテナンス支援方法。
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