〔第1実施形態〕
以下、図1等を参照して、第1実施形態に係る灯色情報提供システムについて一例を説明する。図1は、灯色情報提供システムを組み入れた信号システムについて説明するための概念的な斜視図である。本実施形態に係る灯色情報提供システム100は、信号システム500において信号灯器LP等の信号機を構成する各部を制御する信号制御機50に一部組み込まれた装置とともに、信号制御機50に接続される無線装置30で構成されている。
灯色情報提供システム100は、信号制御機50から取得した信号灯器の灯色情報を、無線装置30によって信号システム500の周辺に存在する通信端末CTに向けて送信する。すなわち、灯色情報を含む電波RWを送信して通信端末CTに受信させる。ここでは、通信端末CTとして、例えばスマートフォン(あるいは、スマホ、スマートホン)等の汎用型の通信携帯端末が想定され(図2(B)参照)、これに専用のアプリがインストールされている。つまり、灯色情報提供システム100は、信号システム500の付近におり、これから横断をしようとする利用者(歩行者)が携帯する携帯型端末である通信端末CTに対して、信号灯器の灯色情報、より具体的には、どちらの信号が青になっていて、どちらの信号が赤になっているか、といった情報を提供するものとなっている。この場合、利用者(歩行者)としては、特に、視覚障害者や身体障害者、あるいは老人等が想定される。そして、この場合、通信端末CTは、通信端末CTを所持する利用者(歩行者)の手元まで灯色情報を届けることができる。なお、灯色情報提供システム100と通信端末CTとは、例えばBluetooth(登録商標)やZigBee(登録商標)、Wi-Fi(Wireless Fidelity、登録商標)通信等による通信といった種々の近距離無線通信によって情報の交換が可能となっているものとするが、上記例に限らず、通信可能とする種々の方法が適用可能であることは言うまでもない。なお、通信端末CTについては、上記の通信携帯端末のようなもののほか、図示のように、設置固定されるようなものについても考えられ、これらについては、他の実施形態にて具体的一例を説明する。
また、信号システム500の全体に関して、ここでは、一例として、図2(A)に示すようなAB方向(主方向)とCD方向(従方向)の十字路の交差点INに信号システム500を導入するものとする。さらに、図示のように、対象とする信号灯器あるいは信号機は、複数の歩行者用信号の信号灯器LPで構成されるものとする。すなわち、図2(B)に示すように、通信端末CTには、歩行者用信号に関する情報提供がなされるものとする。また、情報提供の方法、すなわち通信端末CTによる出力方法については、図示のように、表示部での表示VIによる出力(視覚)のほか、音声VO、振動VBによる出力(聴覚、触覚)が考えられる。さらに、例えば可変な点字をブロック状の突起部等で構成する可動式の部材を有することで、点字による出力(触覚)等も考えられる。例えば、スマートフォンやタブレット端末のような汎用型の携帯型端末には、障害者向けに各種機能を有していることが知られており、かかる機能を利用することで、人間の感覚のような物理的刺激を通じた種々の情報提供が可能である。
以上のような概要の灯色の状況について情報提供を行うシステムにおいて、例えば灯色の状態について通信端末CTに対して誤った情報提供がなされている等の異常がないかを確認して安全性を確保することは、非常に重要である。本実施形態では、かかる点に鑑みて、灯色情報の異常の有無を監視可能なシステムを構築している。
なお、ここで、従来の異種鳴き交わし(ピヨピヨ、カッコー)の場合、騒音等の観点から、早朝は夜間に使用できない、といった問題が考えられる。また、例えば近赤外線(すなわち特定の波長帯域の光線)を利用した専用端末を使用した場合、通信状況について高精度にすることが期待できる等の反面、高価なものとなり、一般に普及させるという観点からは、困難性があるかもしれない、といった問題が考えられる。これに対して、上記のように、音以外の多様な出力機能を有する汎用性が高くかつ普及率も高いスマートフォン等を、通信端末CTに採用した場合、これらの諸問題を解決できる可能性が高くなる。ただし、灯色の状況について情報提供を行うシステムの普及が進むほど、誤った情報提供がなされている等の異常がないかを確認して安全性を確保する、ということの重要性はさらに増すと考えられる。
以下、図3等を参照して、本実施形態に係る灯色情報提供システム100の具体的一構成について詳細に説明する。
図3は、灯色情報提供システム100を組み入れた信号システム500の一構成例を示すブロック図である。図示のように、信号システム500は、信号制御機50と、無線装置30とを備えている。このうち、信号制御機50は、信号システム500における信号灯器等の各部を統括制御する装置であり、本体部分として、信号制御部SCを有している。すなわち、信号制御部SCは、例えば信号機全体の動作制御を司るコンピュータで構成され、信号灯器の現示情報と各種の情報を有するとともにこれを管理統制している。一方、信号制御機50には、本実施形態の灯色情報提供システム100を構成するものとして、灯色情報出力部10や灯色監視部20で構成される灯色情報制御部ICが付加的に設けられている。灯色情報制御部ICは、信号制御部SCに接続されており、信号制御部SCから信号機(より具体的には信号灯器)の点灯情報を入手可能となっている。さらに、無線装置30が、灯色情報制御部ICに接続されており、これにより、無線装置30は、既述のように、通信端末CTに対して灯色情報の送信をする。
以下、上述のような構成の灯色情報提供システム100、すなわち、灯色情報出力部10及び灯色監視部20で構成される灯色情報制御部ICと、無線装置30とで構成される灯色情報提供システム100についてより詳しく説明する。
まず、灯色情報提供システム100のうち、灯色情報出力部10は、信号制御部SCから信号機の点灯情報を入手して、これに基づき情報提供に際して必要となる灯色情報を作成する情報生成部である。すなわち、灯色情報出力部10は、例えば回路機構等を有して構成され、各種情報の加工を行う。ここで、灯色情報の具体的構成内容(内訳)についての代表的一例としては、図中において、一部拡大して示すように、交差点情報、パケット通番、灯色、誤り検出符号等が考えられる。なお、これらについては、図4を参照して後述する。
また、灯色情報出力部10は、作成した灯色情報を無線装置30に送信する。特に、ここでは、無線装置30への送信と同時に(あるいは並行して)灯色監視部20に対しても、同一の信号を送信している。
次に、灯色情報提供システム100のうち、灯色監視部20は、無線装置30から送信している灯色情報の異常の有無を監視するための機構であり、例えばCPU等の各種制御回路を有して構成されている。灯色監視部20は、灯色情報出力部10から無線装置30によって送信する際の灯色情報を受けるとともに、無線装置30からも別途灯色情報を取得することで、これらに基づいて、送信している灯色情報について異常の有無を監視し、異常があると判断した場合には、灯色情報出力部10に対して、出力停止指令を送信することで、灯色情報の出力を停止させる。
最後に、無線装置30は、灯色情報を送信する送信機31と、送信機31から送信された灯色情報を受信する受信機32とを備えている。ここで、受信機32は、送信機31とは別個に独立して設けられている。
無線装置30のうち、送信機31は、例えば送信用のアンテナや増幅回路等を有し、灯色情報出力部10から送信された信号灯器の灯色情報を電波RWにのせて通信端末CTに送信する。この際、送信機31から送信される信号灯器の灯色情報(電波RW)については、受信機32においても受信され得るものとなる。
無線装置30のうち、受信機32は、例えば送信用のアンテナや増幅回路等を送信機31のものと共有することなく個別に有し、送信機31から送信される信号灯器の灯色情報(電波RW)を取得可能となっている。さらに、受信機32は、灯色監視部20に接続され、電波RWを介して受け取った信号灯器の灯色情報を灯色監視部20に対して送信する。
なお、受信機32における受信態勢の確立方法については、種々の態様が考えられ、例えば、起動中はずっと受信可能な状態としておく場合(受信要求不要の場合)のほか、図示に示す一例のように、送信機31と有線接続されて、受信要求を受けるものとしてもよい。すなわち、送信機31は、灯色情報の送信と同期して受信機32に対して受信要求信号を送信し、受信機32は、送信機31から受信要求を受けることで、受信機32による電波RWの受信態勢が確立されるようにしてもよい。
以上のような構成により、灯色情報提供システム100では、灯色監視部20において、無線装置30の送信機31から送信する際の灯色情報を、受信機32で受信した際の灯色情報と比較して、送信している灯色情報の異常の有無を監視することを可能にしている。より具体的に説明すると、上記の場合、まず、灯色情報出力部10から、同一の灯色情報が無線装置30の送信機31と灯色監視部20とに向けて同時に送信されている。したがって、灯色監視部20は、送信機31から送信する際の灯色情報と同一の灯色情報を取得できる。一方で、受信機32は、送信機31によって信号システム500の周辺(装置の外部)へ向けて電波RWとして送信されたものを受信した灯色情報を灯色監視部20に送信している。したがって、灯色監視部20は、受信機32を介して外部へ送信された後にこれを受信した灯色情報を取得できる。灯色監視部20は、上記のような経路の異なる灯色情報を比較することで、通信端末CTに向けて送信された提供情報に誤りが無いかといったことを的確に監視できるようになっている。
上記のような構成において確認される異常事態の発生については、例えば、灯色監視部20で受けた両灯色情報の間において不一致が生じる場合や、一方の灯色情報が灯色監視部20に送信されない場合、特に、受信機32から灯色情報が送信されない場合等が考えられる。したがって、ここでは、一例として、灯色監視部20において、送信機31から送信した灯色情報と、対応する受信機32からの灯色情報とが、所定回数(例えばN回)以上連続して不一致となっているか否かによって、灯色情報提供について異常があるか否かを判断するものとしている。また、灯色監視部20において、受信機32との通信が、所定回数(例えばM回)以上連続して又はM回に相当する所定時間(例えばT秒)以上継続して途絶えた場合に、灯色情報提供について異常があると判断するものとしている。あるいは、これらを組み合わせて異常があると判断するものとしている。灯色監視部20は、異常があるかと判断した場合、既述のように、灯色情報出力部10に対して、出力停止指令を送信する。これにより、灯色情報出力部10から送信機31への灯色情報の出力が停止するため、通信端末CTへの情報提供が中止されることになる。なお、上記異常判断のためのN回、M回やT秒の具体的に値については、装置の設計等によって様々なものとなり得るが、通信端末CTの利用者(すなわち横断しようとする歩行者)の安全性を考慮して、異常発生から例えば約3秒程度で判断可能とするように定められていることが望ましい。以上のような場合、各信号灯器の実際の現示の点灯情報を即座に提供する、あるいは、通信制御等により多少のラグがあってもそれをごく僅かなものにして提供する、といったリアルタイムな情報提供が可能になる。
なお、上記の例のように、受信機32において、送信機31から受信要求を受けることで受信態勢が確立されるようにした場合、例えば送信機31からの受信要求はあったが、電波RWが受信できない、といった状況まで確認できる。すなわち、この場合、異常の種類について区別する、といったことも可能になる。
以下、図4を参照して、灯色情報の具体的構成内容(内訳)についての代表的一例について、より詳細に説明する。既述のように、ここでは、灯色情報は、「交差点情報」、「パケット通番」、「灯色」及び「誤り検出符号」を主な構成源としている。
これらのうち、まず、「交差点情報」とは、交差点を識別(特定)するための情報であり、例えば、信号機の設置されている場所すなわち交差点IN(図2(A)参照)の位置、交差点名、予め割り振られた交差点番号等によって構成されるものである。これらの情報が利用者に提供されることで、利用者は、どの信号機(あるいは対応する交差点)に関する情報を受け取っているかを知ることができる。
次に、「パケット通番」とは、送信する灯色情報事態を識別(特定)するための番号であり、一定の期間内ではユニーク(不変)であるが、一回のまとまった送信ごとに変化する番号である。通信端末CTは、例えばパケット通番の変化によって信号の切り替わりのタイミング等を知ることができ、これを利用者に報知できる。
次に、「灯色」とは、各信号灯器の実際の現示の点灯情報である。例えば、各交差点に配置される主方向、従方向ごとの現在の信号の点灯状態を示す情報を示している。具体的には、図4に例示するように、図2(A)における各方向の信号の点灯状態の情報が含まれている。
最後に、「誤り検出符号」については、従来から知られるものであり、上記のような各種情報についての誤り検出に利用される。
以上のような情報が、送信機31からの送信によって灯色情報として通信端末CTに提供され、通信端末CTにおいて、これらの情報を受信するとともに各種出力のための処理がなされることで、利用者に信号機の点灯状態についての的確な情報提供がなされる。なお、本実施形態では、通信端末CT側においても、異常について対処する機能を有しているが、これについては、図10等を参照して、第2実施形態において、一例として説明する。
以下、図5等のフローチャートを参照して、灯色情報提供システム100を構成する各部の処理動作について一例を説明する。
図5は、灯色情報出力部10の処理動作の一例を示すフローチャートである。システムが起動すると、まず、灯色情報出力部10は、信号制御部SCから信号機の点灯情報を受け取ると(ステップS101a)、灯色情報作成用のパラメータを参照して、ステップS101aで受け取った点灯情報に基づいて灯色情報を作成する(ステップS102a)。次に、灯色情報出力部10は、灯色監視部20から出力停止指令を受けこれが有効となっているかを確認する(ステップS103a)。ステップS103aにおいて、出力停止指令が有効であると判断された場合(ステップS103a:Yes)、灯色情報出力部10は、送信機31への灯色情報の送信を停止する(ステップS104a)。
一方、ステップS103aにおいて、出力停止指令が有効でないと判断された場合(ステップS104a:No)、灯色情報出力部10は、さらに、灯色監視部20から自己チェック中である旨の信号を受けこれが有効となっているかを確認する(ステップS105a)。ここで、自己チェック中である旨の信号とは、灯色監視部20において初期起動時あるいは異常発生時であるために、自身のシステムを点検している最中(自己チェック中)であることを通知する指令を意味する。
ステップS105aにおいて、自己チェック中である旨の信号が有効であると判断された場合(ステップS105a:Yes)、灯色情報出力部10は、ステップS102aにおいて生成した灯色情報に加えて、灯色監視部20から受信した自己チェック中である旨の信号を灯色情報とともに送信する信号処理を行う(ステップS106a)。つまり、ステップS106aにおいて、条件付きで灯色情報の出力(送信)を行う(ステップS107a)。この場合、通信端末CT側には、システム側がチェック中であることが送信されることになる。
一方、ステップS105aにおいて、自己チェック中である旨の信号が有効でないと判断された場合(ステップS105a:No)、灯色情報出力部10は、送信機31への灯色情報を出力する、すなわち送信する、あるいは灯色情報の出力(送信)を再開する(ステップS107a)。こちらの場合は、ステップS106aを経た場合と異なり、通常の(条件付きでない)灯色情報の出力となる。
ステップS104aによる灯色情報の送信の停止、あるいは、ステップS107aによる灯色情報の出力(送信)あるいはその再開を行うと、灯色情報出力部10は、再びステップS101aからの動作を、システムが停止されるまで、繰り返す。
図6(A)は、送信機31の処理動作の一例を示すフローチャートである。システムが起動すると、まず、送信機31は、灯色情報出力部10からの灯色情報を受信する(ステップS201a)。次に、送信機31は、ステップS201aで受け取った灯色情報を外部に向けて電波RWとして送信する(ステップS202a)。すなわち、送信機31は、灯色情報を無線で送信する。また、ステップS202aの動作に合わせて、送信機31は、受信機32に対して受信要求信号を有線にて送信する(ステップS203a)。ステップS203aによる受信要求信号の送信を完了すると、送信機31は、再びステップS201aからの動作を、システムが停止されるまで、繰り返す。
図6(B)は、受信機32の処理動作の一例を示すフローチャートである。システムが起動すると、まず、受信機32は、送信機31から受信要求信号を受け付けたか否かを確認し(ステップS301a)、受信要求信号を受け付けるまでステップS301aの動作を繰り返す。ステップS301aにおいて、受信要求信号を受け付けたことを確認すると(ステップS301a:Yes)、受信機32は、電波RWの受信動作を開始し(ステップS302a)、ステップS302aにおいて受信した灯色情報を、灯色監視部20に送信する(ステップS303a)。なお、この際、併せて受信要求信号の受付け状況を灯色監視部20に送信してもよい。ステップS303aによる灯色情報の送信を完了すると、受信機32は、再びステップS301aからの動作を、システムが停止されるまで、繰り返す。
図7は、灯色監視部20の処理動作の一例のうち一部(初期動作)を示すフローチャートである。また、図8は、灯色監視部20の処理動作の一例のうち図7に示すもの以降の残りの動作(本動作)を示すフローチャートである。さらに、図9は、灯色監視部20によるシステムの自己チェック動作の一例を示すフローチャートであり、図7及び図8におけるセルフチェック処理の具体的一態様を示すものである。
以下、図7~図9を参照して、灯色監視部20の処理動作の一例について説明する。まず、図7に示すように、システムが起動すると、灯色監視部20は、初期動作として、灯色情報出力部10に対して、出力停止指令を送信し(ステップS401a)、灯色情報を出力させないようにし、その上で、システムの自己チェック動作であるセルフチェック処理を開始する(ステップS500a)。すなわち、本動作に入る前に、灯色情報を提供するシステムとして正常に機能し得るか否かを確認する。ステップS500aでのチェックが完了すると、ステップS401aでの出力停止指令を解除し(ステップS402a)、本動作を開始する。
次に、図8に示すように、本動作を開始すると、灯色監視部20は、まず、T秒以内に受信機32から灯色情報が有ったかを確認する(ステップS403a)。ステップS403aにおいて、T秒以内に灯色情報が無かったと判断した場合(ステップS403a:No)、連続不一致カウンタをカウントする、すなわち不一致回数を+1する(ステップS404a)。
一方、ステップS403aにおいて、T秒以内に灯色情報が有ったと判断した場合(ステップS403a:Yes)、灯色監視部20は、当該灯色情報を受信する(ステップS405a)。
次に、灯色監視部20は、灯色情報出力部10から受け取っている灯色情報と、ステップS405aにおいて受信機32から受信した灯色情報であって灯色情報出力部10からのものと対応する情報とを比較して、これらが一致するか否かを確認する。すなわち、図4で示したような諸情報が一致するか否かを確認する(ステップS406a)。ステップS406aにおいて、一致すると判断された場合(ステップS406a:Yes)、連続不一致カウンタをクリアする(ステップS407a)。すなわち、連続不一致カウンタを0にする。この場合、灯色監視部20は、システムの動作が正常であると判断していることになる。
一方、ステップS406aにおいて、一致しないと判断された場合(ステップS406a:No)、連続不一致カウンタをカウントする、すなわち不一致回数を+1する(ステップS404a)。
ステップS404a又はステップS407aを経ると、灯色監視部20は、連続不一致カウンタを確認し、N回以上連続不一致が発生した(不一致回数がN以上になった)か否かを確認する(ステップS408a)。ステップS408aにおいて、連続不一致がN回未満であると判断されると(ステップS408a:No)、灯色監視部20は、再びステップS403aからの本動作を、システムが停止されるまで、繰り返す。
一方、ステップS408aにおいて、連続不一致がN回以上であると判断されると(ステップS408a:Yes)、灯色監視部20は、システムの動作に異常があると判断し、灯色情報出力部10に対して、出力停止指令を送信する(ステップS409a)。すなわち、灯色情報の出力を停止させる。
ステップS409aにおいて、出力停止指令を送信した後、すなわち異常が発生したと判断した後、灯色監視部20は、システムの自己チェック動作であるセルフチェック処理を開始する(ステップS500a)。ステップS500aでのチェックが完了した場合、すなわち自己チェックにより問題が解決し、正常復帰できると判断した場合、ステップS409aでの出力停止指令を解除し(ステップS410a)、本動作を再開する。すなわち、灯色監視部20は、再びステップS403aからの本動作を、システムが停止されるまで、繰り返す。
以下、図9を参照して、上述したステップS500aの処理動作すなわち自己チェック動作の一例を説明する。
上記2つの例のように、自己チェックの動作が必要になると、まず、灯色監視部20は、自己チェック可能か否かについて判断する(ステップS501a)。灯色監視部20は、ステップS501aにおいて、自己チェック可能でない、すなわち修復不能であると判断すると、全ての動作を停止させ、本動作を終了する。
一方、灯色監視部20は、ステップS501aにおいて、自己チェック可能であると判断すると、灯色情報出力部10に対して、自己チェック中である旨の信号を送信する(ステップS502a)。さらに、灯色監視部20は、灯色情報出力部10に対して、出力停止指令を解除する旨の送信をする(ステップS503a)。ただし、この場合の解除指令は、ステップS410aのような場合と異なり、灯色情報出力部10からは、例えばステップS502aで送信した自己チェック中である旨の信号を灯色情報とともに送信する、といった条件付き(限定的)解除指令とする。立場を変えると、この状況下では、通信端末CT側では、既述のように、システム側がチェック中であり、正しい灯色情報が送信されないことになる。通信端末CT側は、これを受けて、例えばシステムチェック中であることや、システムチェック中のため一時的に使用不能であることを利用者に伝える出力動作をすることになる。
ステップS503aの後、灯色監視部20は、自己チェックを実施し(ステップS504a)、問題が解決したか否かを確認する(ステップS505a)。
ステップS505aにおいて、問題が解決しなかったと判断すると(ステップS505a:No)、灯色監視部20は、一定時間休止をし(ステップS506a)、再びステップS501aからの動作を繰り返す。なお、例えばステップS506aの動作に所定回数以上繰り返して戻るような場合には、強制的にステップS501aにおいて、自己チェック可能でない、すなわち修復不能であると判断させるようにしておくことが考えられる。
一方、ステップS505aにおいて、問題が解決したと判断すると(ステップS505a:Yes)、灯色監視部20は、まず、灯色監視部20は、連続不一致カウンタをクリアする、すなわち、連続不一致カウンタを0にする(ステップS507a)。さらに、灯色監視部20は、ステップS502aで送信した自己チェック中である旨の信号を解除する(ステップS507a)。
以上のようにして、初期起動時やトラブル発生時に、自己チェックの動作がなされ、問題が解決された状態になっていることを条件として、灯色監視部20の本動作がなされる。これにより、通信端末CTに誤った情報提供がなされないようにできる。
以上のように、本実施形態に係る灯色情報提供システム100では、灯色監視部20において、送信機31からの灯色情報の異常の有無を監視して、異常があると判断した場合に、灯色情報の出力を停止させる。これにより、通信端末CTへ提供する信号灯器の灯色情報について、例えば誤った情報提供がなされないように迅速に対処して、安全性の確保を図ることができる。すなわち、灯色情報提供システム100に異常がある場合には、情報提供を受ける通信端末CT側において、直ちに灯色情報が送られて来ない状態となり、出力停止されることになる。
なお、上記は一例であり、種々の変形等が可能である。例えば、上記では、通信端末として、スマートフォン等の汎用型の通信携帯端末としているが、これ以外にも種々の物が適用でき、例えば、汎用型ではなく、道路横断用の専用の通信端末において、本願発明を適用してもよい。また、通信態様においても、既述のように、種々の物が適用可能であり、例えば専用の通信端末であれば、特定の波長帯域の光線や電波を利用して送受信を行う、といったことも考えられる。なお、専用の通信端末として、携帯型や固定設置型の端末が考えられる。
〔第2実施形態〕
以下、図10等を参照して、第2実施形態に係る灯色情報提供システム用の通信端末について一例を説明する。
本実施形態に係る灯色情報提供システム用の通信端末は、第1実施形態で例示した灯色情報提供システムと通信可能な通信端末として採用可能なものの一例であるため、灯色情報提供システムそのものに関する説明は省略し、通信端末についてのみ説明する。
図10は、本実施形態に係る通信端末600の一構成例を示すブロック図である。図示のように、通信端末600は、受信部610と、受信監視部620と、UI出力制御部630と、UI出力部640と、位置情報取得部(位置検知部)650とを備える。なお、このほか、例えば受信監視部620用の計時部621を備える。通信端末600について、典型的には、第1実施形態に例示した場合と同様、例えばスマートフォン等の汎用型の通信携帯端末が想定される(図2(B)参照)。すなわち、通信端末600による出力方法については、パネル表示による出力(視覚)のほか、音声、振動による出力(聴覚、触覚)、あるいは点字による出力(触覚)等、人間の感覚のような物理的刺激を通じた種々の態様が考えられる。ここでは、これらを総称してUI出力とする。
受信部610は、例えばスマートフォン等に内蔵されるアンテナ装置であり、各種通信方式に応じて構成されるものである。受信部610は、灯色情報提供システム側から送信される、すなわち送信機31から送信される電波RW(図1等参照)を受信して、信号灯器の灯色情報を受信する。
受信監視部620は、各種制御回路等で構成され、受信部610により受信された灯色情報に異常が無いかを監視する。また、受信状況把握のため、例えば計時部621を有している。
UI出力制御部630は、受信監視部620からの灯色情報を受け、これに対応するUI出力をUI出力部640に行わせるための主制御部であり、各種制御回路等で構成されている。また、UI出力制御部630は、受信監視部620における監視下にあることで、例えば異常が発生した場合には、受信監視部620からの出力停止指令を受け、UI出力動作について制限や停止を受けるようになっている。
UI出力部640は、上述のように、視覚的出力(表示パネル)のほか、音声すなわち聴覚的出力(スピーカー)、振動すなわち触覚的出力(振動子)を行える装置等で構成され、UI出力制御部630に基づく制御下で、各種UI出力の動作を行う。
位置情報取得部(位置検知部)650は、自己の位置を検知するための装置であり、送信機31(図1等参照)から送信された灯色情報のうち例えば交差点情報から特定した信号機の設置位置と、自ら検知した自己の位置とを照合する。位置情報取得部650は、例えばGPS機能を利用することで、構成可能である。これにより、通信端末600は、送信機31から送信された灯色情報が位置的に適正なものであるかの判定をすることができる。例えば、近隣に同様のシステムを有する別の信号機が存在する、といった場合には、電波が混線し、意図しない灯色情報(別の交差点に設置された信号機についての灯色情報)を誤って受けてしまう可能性がある。さらに、利用者が不慣れな場所を歩行しているといった場合には、誤って情報を受けていることに気付かない可能性もある。このような場合に対して、かかる位置照合の機能を有することで、通信端末600が、自ら、位置関係に関して適正であるかを判断できる。
以下、図11を参照して、本実施形態に係る処理動作の一例について説明する。なお、通信端末600は、例えば通信機能等を有するスマートフォン等に上記通信を可能とするための専用アプリを搭載することで、実現可能となる。ここでは、スマートフォンにおいて当該専用アプリを起動し、アンテナ受信が可能となっている、すなわち受信部610での灯色情報受信が可能となっていることを前提として、動作を説明する。
まず、図11(A)は、通信端末600のうち、受信部610の処理動作の一例を示すフローチャートである。アプリが起動すると、まず、受信部610は、受信を開始し(ステップS101b)、受信した情報が灯色情報であるかを確認する(ステップS102b)。ステップS102bにおいて、灯色情報でないと判断されると(ステップS102b:No)、受信部610は、受信無と判断する(ステップS103b)。
一方、ステップS102bにおいて、灯色情報であると判断されると(ステップS102b:Yes)、受信部610は、さらに、灯色情報の誤り検出符号により妥当性を判断する(ステップS104b)。ステップS104bにおいて、妥当であると判断した場合(ステップS104b:Yes)、受信部610は、受信有と判断するとともに、受信監視部620に対して、受信した灯色情報を送信する(ステップS105b)。ステップS104bにおいて、妥当でないと判断した場合(ステップS104b:No)、受信部610は、受信無と判断する(ステップS103b)。
ステップS103b又はステップS105bを経た受信部610は、再びステップS101bからの動作を、アプリの動作が停止されるまで、繰り返す。
次に、図11(B)は、通信端末600のうち、受信監視部620の処理動作の一例を示すフローチャートである。アプリが起動すると、まず、受信監視部620は、受信部610において、T2秒間受信無の状態が継続されたかを確認する(ステップS201b)。この際、例えば、計時部621によってT2秒間の時間経過についての時間測定を行う。ステップS201bにおいて、T2秒間受信無の状態が継続されたと判断した場合(ステップS201b:Yes)、受信監視部620は、出力停止指令をUI出力制御部630に出力(送信)する(ステップS202b)。
一方、ステップS201bにおいて、T2秒間受信無の状態が継続されてはいないと判断した場合(ステップS201b:No)、受信監視部620は、さらに、受信した信号が、情報を提供するシステム側が点検している最中(自己チェック中)であることを通知する指令を含むものであるかを確認する(ステップS203b)。ステップS203bにおいて、上記指令を含んでいると判断した場合(ステップS203b:Yes)、受信監視部620は、出力停止指令をUI出力制御部630に出力(送信)する(ステップS202b)。すなわち、受信監視部620は、灯色情報は受信されたものの、受信した灯色情報には何らかの異常があると判断し、出力させないようにするための処理を行う。ただし、この場合、上記のような処理に代えて、以下のような処理をしてもよい。まず、上記と同様、通常の灯色情報については、出力停止させる出力停止指令をUI出力制御部630に出力(送信)する。次に、これに代わる表示として、例えば、システムチェック中のため一時的に使用不能であることを利用者に伝える出力動作をさせるようにUI出力制御部630への送信をする。以上のような処理をステップS202bでの処理として行うものとしてもよい。
一方、ステップS202bにおいて、上記指令を含んでいないと判断した場合(ステップS203b:No)、受信監視部620は、異常が無いと判断し、UI出力制御部630に対する出力停止指令を解除し(ステップS204b)、灯色情報をUI出力制御部630に送信する(ステップS205b)。
ステップS202b又はステップS205bを経た受信監視部620は、再びステップS201bからの動作を、アプリの動作が停止されるまで、繰り返す。
最後に、図11(C)は、通信端末600のうち、UI出力制御部630の処理動作の一例を示すフローチャートである。アプリが起動すると、まず、UI出力制御部630は、受信監視部620から出力停止指令を受けこれが有効となっているかを確認する(ステップS301b)。ステップS301bにおいて、出力停止指令が有効であると判断された場合(ステップS301b:Yes)、UI出力制御部630は、UI出力部640への灯色情報の送信を停止する(ステップS302b)。
一方、ステップS301bにおいて、出力停止指令が有効でない(出力停止指令が解除されている)と判断された場合(ステップS301b:No)、受信監視部620からの灯色情報に基づきUI出力部640において出力させる情報を生成する(ステップS303b)。
次に、UI出力制御部630は、ステップS303bにおいて生成した情報を出力可能であるかについてさらに判断を行う(ステップS304b)。例えば、位置情報取得部650(例えばGPS機能)による位置情報の適正等について判断をする。ステップS304bにおいて、出力可能であると判断した場合(ステップS304b:Yes)、UI出力制御部630は、ステップS303bにおいて生成した情報をUI出力部640へ送信する(ステップS305b)。
一方、ステップS304bにおいて、出力可能でないと判断した場合(ステップS304b:No)、UI出力制御部630は、UI出力部640への灯色情報の送信を停止する(ステップS302b)。
ステップS302b又はステップS305bを経た受信監視部620は、再びステップS301bからの動作を、アプリの動作が停止されるまで、繰り返す。
なお、上記の動作により、通信端末600は、一旦、出力停止指令を出してUI出力動作を停止させても、これを解除し動作の回復を行うことが可能になっている。具体的に説明すると、既述のように、まず、受信監視部620から出力停止指令がUI出力制御部630に対して出力された場合(図11(B)のステップS202b)、これに対応して、UI出力制御部630は、UI出力部640への灯色情報の送信を停止する(図11(C)のステップS302b)。一方、受信監視部620は、ステップS202bの後、再びステップS201bからの動作に戻る。ここで、一定の要件(ステップS201b,S203b)を満たせば、受信監視部620は、再び、UI出力制御部630に対する出力停止指令を解除し、灯色情報をUI出力制御部630に送信する(ステップS204b,S205b)。これに対応して、UI出力制御部630は、ステップS302bの後、再びステップS301bの動作に戻ったときに、出力停止指令が解除されていると判断し、さらに、一定の要件(ステップS303b,S304b)を満たせば、再びUI出力部640において出力させる情報をUI出力部640へ送信する(ステップS305b)。すなわち、一旦停止されたUI出力動作を回復させる。
以上のように、本実施形態に係る灯色情報提供システム用の通信端末は、上記した灯色情報提供システムからの灯色情報を受信して、受信した灯色情報を利用者に対して出力することで、提供される信号灯器の灯色情報について、例えば誤った情報提供がなされないようにして、安全性の確保を図ることができる。特に、本実施形態の場合、利用者の手元において、情報提供できる。
〔第3実施形態〕
以下、図12を参照して、第3実施形態に係る灯色情報提供システム用の通信端末について一例を説明する。
本実施形態に係る灯色情報提供システム用の通信端末は、設置型端末である点において、第2実施形態等に示した携帯型の通信端末と異なっている。なお、灯色情報提供システムとの通信確立のための構成については、第2実施形態において例示した通信端末600(図10参照)と同様であるため、受信監視部等の構造の詳細については、説明を省略し、UI出力部のみについて説明する。
図12は、本実施形態に係る通信端末の一例について説明するための外観図である。図示のように、本実施形態の通信端末700は、地面等に固定して設置するための支持部であるポール部POに、種々のUI出力部として、視覚的な出力装置である信号表示部710や聴覚的な出力装置である音声出力部720に加え、種々の方法で出力可能なパネル型出力部750を有している。
パネル型出力部750は、ポール部POの頂上部に設置され、利用者(歩行者)が手で触りやすいように適度の高さの位置にやや傾斜して配置されている。パネル型出力部750の表面は、一部拡大して示すように、スマートフォンやタブレット端末のような構成となっており、既述のようなスマートフォンやタブレット端末等と同様に、障害者向けに各種機能を有している。すなわち、表示による出力(視覚)のほか、音声、振動による出力(聴覚、触覚)を可能なものとすることができる。さらに、ここでは、例えばブロック等で構成される可動式の部材を有することで、点字等による出力(触覚)を可能とすることが考えられる。すなわちパネル型出力部750の表面部PAにおいて、信号灯器の状態が変化するごとに、可変の突起状のブロックで構成される点字(図示では右側の領域に例示)やボタン部(図示では左側の領域に例示)を変形させることで、視覚障害者に対して的確に情報を伝えることができる。
なお、信号表示部710や音声出力部720については、従来のLED表示による赤、青表示や、スピーカーによる音声出力等が考えられるが、上記のように、パネル型出力部750において、信号表示部710等に相当する機能も持たせて、信号表示部710や音声出力部720を省略するものとしてもよい。また、逆に、従来の押しボタン(思いやり信号等)を通信端末700に付加してもよい。
また、図示では、通信端末700は、ポール部POを一部地面に埋めて固定取付するタイプ(埋込型)であるものとしているが、これに限らず、例えば交差点の近隣にある電柱等に取り付けるタイプ(抱込型)としてもよい(例えば、図1等参照)。
以上のように、本実施形態に係る灯色情報提供システム用の通信端末においても、上記した灯色情報提供システムからの灯色情報を受信して、受信した灯色情報を利用者に対して出力することで、提供される信号灯器の灯色情報について、例えば誤った情報提供がなされないようにして、安全性の確保を図ることができる。特に、本実施形態の場合、例えば利用者が携帯端末のようなものを有していなくても、設置型端末から、情報提供を受けられる。
〔その他〕
この発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
まず、上記では、灯色情報提供システムについて、信号機側のみで完結した構成として記載しているが、利用者側すなわち通信端末までを含めて灯色情報提供システムと捉えることも可能である。
また、上記では、例えばステップS105aにおいて、灯色情報出力部10が灯色監視部20から自己チェック中である旨の信号を受けこれが有効となっているかを確認する等としている。この動作について、より具体的には、例えば、灯色情報について有効であるか無効であるかを識別する識別子を設けて、この識別子の情報を基準として、送受信されている灯色情報について有効なものとして取り扱うか無効のものとして取り扱うかを、各部で判断できるようにすることが考えられる。
また、信号機側での通信手順やタイミング、あるいは、通信端末側での通信手順やタイミング、さらには、信号機側と通信端末側との間での通信手順やタイミングについては、種々の態様が考えられ、送信機31は、電波RWの送信に関して、20msごとに所定回数(P回)続けて同じ信号を送信し、各送信ごとに受信機32での受信状況が確認され、これらを1セットとして自走受信確認の一動作とすることが考えられる。また、上記所定回数(P回)の連続送信について受信する通信端末側では、各送信に対応する受信機能を有し、例えばK回以上連続して不一致となった場合には、正常受信不能の状態が所定時間以上続いたと判断し、この場合に、受信監視部620によって、利用者への出力動作を停止させるようにできる。
また、不一致となっているか否かの判断については、例えばP回あるいはK回の送信のうち、一致するものと一致しないものが混在する場合に、多数決によって情報の正否を判断するようにしてもよい。
また、送信機31からの電波RWについても、種々考えられ、例えば3つ程度の互いに若干異なる波長帯域の電波(すなわち3つのチャンネル)を1セットとして送信する、といったことが考えられる。
また、信号灯器の灯色状態(現示の状態)が切り替わるタイミングによって、通知の仕方を変化させることも考えられる。例えば、赤から青に切り替わった瞬間のタイミングでの音声や表示等の出力(UI出力)のさせ方と、切り替わった後若干経過した(例えば2~3秒)後での出力のさせ方とに違いをもたせることで、信号灯器の灯色状態が変わったばかりなのかある程度時間が経過しているのかについてまで認知させるようにしてもよい。また、この出力のさせ方についての変化については、システム側(信号機側)からの情報を変更することが考えられるが、例えば利用者側(通信端末側)において、切り替わった瞬間が捉えられていればその時点から通信端末において計時して表示態様を変更するタイミングを独自に計測してもよい。
また、スマートフォンやタブレット端末等による各種出力(UI出力)について(図2(B)や図12参照)は、上記以外にも様々な態様が考えられ、例えば、振動を利用する場合において、利用者が触る表面のパネル部分において振動させる位置を局所的に限定したり、右から左へ、あるいは、下から上へ振動の位置を徐々に移動させたりするといったことで位置や方向性を利用者に伝え、信号灯器の灯色状態を示すようにしてもよい。また、例えばパネル部分に小さな熱源を設け、局所的に温度を変化させることで、信号灯器の灯色状態を示すようにしてもよい。