以下、実施の形態が、図面を参照しながら、説明される。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における電池1000の概略構成を示す図である。
図1(a)は、実施の形態1における電池1000の概略構成を示すx-z図(1A断面図)である。
図1(b)は、実施の形態1における電池1000の概略構成を示すx-y図(1B断面図)である。
実施の形態1における電池1000は、第1集電体110と、第1電極層221と、第1対極層212と、を備える。
第1対極層212は、第1電極層221の対極である。
第1集電体110は、第1表面領域111と、第1裏面領域112と、第2表面領域113と、第2裏面領域114と、第1折曲部分115と、を有する。
第1裏面領域112は、第1表面領域111の裏面に位置する領域である。
第2裏面領域114は、第2表面領域113の裏面に位置する領域である。
第1折曲部分115は、第1表面領域111と第2表面領域113との間に位置する。
第1集電体110は、第1折曲部分115において、折り曲げられている。これにより、第1裏面領域112と第2裏面領域114とは、互いに、対向して位置する。
第1電極層221は、第2表面領域113に接して配置される。
第1対極層212は、第1表面領域111に接して配置される。
以上の構成によれば、電池の構成部材の間の接合強度を高めることができる。すなわち、第1表面領域111および第2表面領域113(すなわち、第1集電体110の一部の領域であり、かつ、第1折曲部分115により連結している2つの領域)に、それぞれ、第1対極層212と第1電極層221とを、配置することができる。これにより、第1表面領域111に配置される第1対極層212と第2表面領域113に配置される第1電極層221との位置関係を、第1折曲部分115により(言い換えれば、1つの構成部材である第1集電体110により)、強固に維持することができる。したがって、例えば、第1集電体110を用いて積層型電池が構成される場合には、電池を構成する2つの電池セル(素電池)を、第1集電体110により、互いに、連結することができる。これにより、例えば、電池製造時または電池使用時における衝撃または振動などによって、電池を構成する各層(または、各素電池)が位置ずれまたは分離することを防止できる。すなわち、電池を構成する各層(または、各素電池)の接合の強度を、第1集電体110により、高めることができる。これにより、電池の信頼性を向上させることができる。
また、以上の構成によれば、第1対極層212が配置される第1表面領域111と第1電極層221が配置される第2表面領域113とを、第1折曲部分115により、低抵抗に接続できる。すなわち、第1表面領域111と第2表面領域113との間の抵抗を、低減することができる。これにより、例えば、電池を大電流で動作させる場合でも、第1裏面領域112と第2裏面領域114との接触抵抗に起因する発熱などを生じ難くできる。このため、例えば、第1集電体110として薄い集電体を用いても、性能低下が生じ難い。したがって、電池の軽量化を実現できる。
なお、実施の形態1における電池1000は、図1に示されるように、外側電極層211と、第1固体電解質層213と、をさらに備えてもよい。
外側電極層211は、第1対極層212の対極である。
第1固体電解質層213は、第1対極層212と外側電極層211との間に、配置される。
以上の構成によれば、外側電極層211と第1対極層212と第1固体電解質層213とにより、1つの固体電池セル(第1発電要素210)を構成することができる。
なお、実施の形態1における電池1000は、図1に示されるように、外側集電体140を、さらに備えてもよい。
外側集電体140は、外側電極層211に接して、配置される。
第1固体電解質層213は、第1集電体110と外側集電体140とに接して、配置される。
以上の構成によれば、電池の構成部材の間の接合強度を、より高めることができる。すなわち、第1固体電解質層213により、第1集電体110と外側集電体140との間の接合強度を高めることができる。これにより、第1集電体110から第1対極層212が剥がれることを抑制できる。さらに、外側集電体140から外側電極層211が剥がれることを抑制できる。このため、例えば、電池製造時または電池使用時における衝撃または振動などによって、第1発電要素210を構成する各層が位置ずれまたは分離することを防止できる。これにより、電池の信頼性を、より向上させることができる。
なお、実施の形態1における電池1000は、図1に示されるように、第2対極層222と、第2固体電解質層223と、をさらに備えてもよい。
第2対極層222は、第1電極層221の対極である。
第2固体電解質層223は、第1電極層221と第2対極層222との間に、配置される。
以上の構成によれば、第1電極層221と第2対極層222と第2固体電解質層223とにより、1つの固体電池セル(第2発電要素220)を構成することができる。これにより、第1集電体110を介して第1発電要素210と第2発電要素220とが直列接続されて成る積層型電池を構成することができる。このとき、第1発電要素210(すなわち、外側電極層211と第1対極層212と第1固体電解質層213)と第2発電要素220(すなわち、第1電極層221と第2対極層222と第2固体電解質層223)とを、第1集電体110により、強固に連結することができる。これにより、例えば、電池製造時または電池使用時における衝撃または振動などによって、電池を構成する各電池セル(第1発電要素210と第2発電要素220)が位置ずれまたは分離することを防止できる。すなわち、電池を構成する各電池セル(第1発電要素210と第2発電要素220)の接合の強度を、第1集電体110により、高めることができる。これにより、第1発電要素210と第2発電要素220との直列接続により電池電圧を高めながら、電池の信頼性を向上させることができる。
なお、実施の形態1における電池1000は、図1に示されるように、第2集電体120を、さらに備えてもよい。
第2集電体120は、第2対極層222に接して、配置される。
第2固体電解質層223は、第1集電体110と第2集電体120とに接して、配置される。
以上の構成によれば、電池の構成部材の間の接合強度を、より高めることができる。すなわち、第2固体電解質層223により、第1集電体110と第2集電体120との間の接合強度を高めることができる。これにより、第1集電体110から第1電極層221が剥がれることを抑制できる。さらに、第2集電体120から第2対極層222が剥がれることを抑制できる。このため、例えば、電池製造時または電池使用時における衝撃または振動などによって、第2発電要素220を構成する各層が位置ずれまたは分離することを防止できる。これにより、電池の信頼性を、より向上させることができる。
以上の効果の詳細が、下記の比較例1および2を用いて、説明される。
図34は、比較例1における電池9000の概略構成を示す断面図である。
比較例1における電池9000は、集電体910と集電体920とを備える。集電体910の表面領域911には、第1電極層221が配置される。また、集電体920の表面領域921には、第1対極層212が配置される。このとき、集電体910の裏面領域912と集電体920の裏面領域922とは、互いに接触して配置される。
ここで、比較例1における電池9000は、実施の形態1の電池1000における第1集電体110を備えていない。言い換えれば、集電体910と集電体920とは、第1折曲部分115に相当する部材により、互いに連結されていない。
このため、比較例1においては、電池の構成部材の間の接合強度を高めることができない。すなわち、互いに連結されていない集電体910と集電体920との位置関係にずれが生じる可能性が高まる。このため、例えば、電池製造時または電池使用時における衝撃または振動などによって、集電体910の表面領域911側に位置する構成部材(例えば、第2発電要素220)と、集電体920の表面領域921側に位置する構成部材(例えば、第1発電要素210)と、の位置関係にずれが生じる可能性が高まる。このため、比較例1の電池9000においては、電池の信頼性を向上させることができない。
これに対して、実施の形態1によれば、上述したように、第1折曲部分115を有する第1集電体110を備えることにより、電池の構成部材の間の接合強度を高めることができる。例えば、比較例1における電池9000において集電体910の裏面領域912と集電体920の裏面領域922との間に単に接着層が設けられる場合と比較して、実施の形態1によれば、第1折曲部分115により、より強固に電池の構成部材(例えば、第1発電要素210と第2発電要素220)の位置関係を維持できる。また、第1折曲部分115により、第1表面領域111と第2表面領域113との間の抵抗を、低減することができる。
図35は、比較例2における電池9100の概略構成を示す断面図である。
比較例2における電池9100は、集電体900を備える。集電体900は、裏面領域905と裏面領域906とが接触するように、折り曲げられている。集電体900の各表面領域(901、902、903、904)に接して、各発電要素(940a、940b、940c、940d)が配置される。すなわち、集電体900の各表面領域(901、902、903、904)に接して、各電極層(941a、941b、941c、941d)が、それぞれ、配置される。また、各電極層(941a、941b、941c、941d)に接して、各固体電解質層(943a、943b、943c、943d)が、それぞれ、配置される。また、各個体電解質層(943a、943b、943c、943d)に接して、各対極層(942a、942b、942c、942d)が、それぞれ、配置される。また、各対極層(942a、942b、942c、942d)に接して、各集電体(931、932、933、934)が、それぞれ、配置される。
ここで、比較例2における電池9100は、集電体900の折り曲げ部分を挟んで、互いに同極となる2つの電極層(すなわち、電極層941bと電極層941c)が配置される。すなわち、比較例2における電池9100は、実施の形態1の電池1000における第1集電体110を含むバイポーラ電極構造を備えていない。言い換えれば、比較例2における電池9100は、実施の形態1の電池1000のように、第1集電体110の第1折曲部分115を挟んで、互いに対極となる2つの電極層(すなわち、第1電極層221と第1対極層212)が、配置される構成ではない。
このため、比較例2においては、各発電要素が直列接続されて成る積層型電池を構成することができない。すなわち、比較例2における電池9100は、各発電要素(940a、940b、940c、940d)を並列に接続させることしかできない。このため、比較例2においては、各発電要素を直列接続することで、電池電圧を高めることができない。
これに対して、実施の形態1によれば、上述したように、第1集電体110を介して第1発電要素210と第2発電要素220とが直列接続されて成る積層型電池を構成することができる。さらに、電池を構成する各電池セル(第1発電要素210と第2発電要素220)の接合の強度を、第1集電体110により、高めることができる。これにより、第1発電要素210と第2発電要素220との直列接続により電池電圧を高めながら、電池の信頼性を向上させることができる。
また、比較例2における電池9100においては、集電体900の表面領域901と表面領域902との間には、集電体900と対極となる集電体(931と932)が配置される。また、比較例2における電池9100においては、集電体900の表面領域903と表面領域904との間には、集電体900と対極となる集電体(933と934)が配置される。すなわち、比較例2における電池9100は、実施の形態1の電池1000のように、両側の集電体に接して配置される固体電解質層を備えていない。
このため、比較例2においては、電池の構成部材の間の接合強度を高めることができない。すなわち、比較例2における電池9100においては、例えば、集電体931と集電体932とが(もしくは、集電体933と集電体934とが)剥がれ易い。また、比較例2における電池9100においては、各対極層(942a、942b、942c、942d)が、各集電体(931、932、933、934)から、剥がれ易い。このため、各発電要素間の位置ずれまたは分離が生じる可能性がある。
これに対して、実施の形態1によれば、上述したように、両側の集電体に接して配置される固体電解質層(すなわち、第1固体電解質層213と第2固体電解質層223)により、電池の構成部材の間の接合強度を、より高めることができる。すなわち、第1固体電解質層213により、第1集電体110と外側集電体140との間の接合強度を高めることができる。また、第2固体電解質層223により、第1集電体110と第2集電体120との間の接合強度を高めることができる。
第1集電体110と外側集電体140と第2集電体120とは、例えば、導電性を有する薄膜であってもよい。第1集電体110と外側集電体140と第2集電体120とを構成する材料としては、例えば、金属(SUS、Al、Cu、など)が用いられうる。第1集電体110の厚み(すなわち、第1表面領域111と第1裏面領域112との間の距離、または、第2表面領域113と第2裏面領域114との間の距離)は、例えば、5~100μmであってもよい。外側集電体140と第2集電体120との厚みは、例えば、5~100μmであってもよい。
第1発電要素210および第2発電要素220は、例えば、充電および放電の特性を有する発電部(例えば、電池)である。例えば、第1発電要素210および第2発電要素220は、単電池セルであってもよい。
なお、第1発電要素210および第2発電要素220は、固体電解質層を備えてもよい。すなわち、第1発電要素210および第2発電要素220は、全固体電池であってもよい。
また、第1発電要素210と第2発電要素220との構成(例えば、各層の厚み、形成面積、含有材料、など)は、互いに、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
外側電極層211と第1電極層221とは、電極材料(例えば、活物質)を含む層である。
なお、外側電極層211と第1電極層221との構成(例えば、各層の厚み、形成面積、含有材料、など)は、互いに、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第1対極層212と第2対極層222とは、対極材料(例えば、活物質)を含む層である。対極材料は、電極材料の対極を構成する材料である。
なお、第1対極層212と第2対極層222との構成(例えば、各層の厚み、形成面積、含有材料、など)は、互いに、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、図1に示されるように、外側電極層211と第1対極層212とは、それぞれ、外側集電体140と第1集電体110(すなわち、第1集電体110の第1表面領域111)よりも狭い範囲に、形成されてもよい。
また、図1に示されるように、第1電極層221と第2対極層222とは、それぞれ、第1集電体110(すなわち、第1集電体110の第2表面領域113)と第2集電体120よりも狭い範囲に、形成されてもよい。
第1固体電解質層213と第2固体電解質層223とは、固体電解質を含む固体電解質層である。
なお、第1固体電解質層213と第2固体電解質層223との構成(例えば、各層の厚み、形成面積、含有材料、など)は、互いに、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、図1に示されるように、第1固体電解質層213は、外側電極層211と第1対極層212よりも大面積に、配置されてもよい。すなわち、第1固体電解質層213は、外側電極層211と第1対極層212とを覆う形で、配置されてもよい。これにより、外側電極層211と第1対極層212との直接接触による短絡を防止できる。
また、図1に示されるように、第1固体電解質層213は、外側集電体140と第1集電体110(すなわち、第1集電体110の第1表面領域111)よりも狭い範囲に、配置されてもよい。もしくは、第1固体電解質層213の形成範囲は、外側集電体140と第1集電体110(すなわち、第1集電体110の第1表面領域111)と同じ範囲であってもよい。
また、図1に示されるように、第2固体電解質層223は、第1電極層221と第2対極層222よりも大面積に、配置されてもよい。すなわち、第2固体電解質層223は、第1電極層221と第2対極層222とを覆う形で、配置されてもよい。これにより、第1電極層221と第2対極層222との直接接触による短絡を防止できる。
また、図1に示されるように、第2固体電解質層223は、第1集電体110(すなわち、第1集電体110の第2表面領域113)と第2集電体120よりも狭い範囲に、配置されてもよい。もしくは、第2固体電解質層223の形成範囲は、第1集電体110(すなわち、第1集電体110の第2表面領域113)と第2集電体120と同じ範囲であってもよい。
ここで、外側電極層211と第1電極層221とは負極活物質層であってもよい。このとき、電極材料は負極活物質である。外側集電体140は負極集電体である。第1対極層212と第2対極層222とは正極活物質層である。対極材料は正極活物質である。第2集電体120は正極集電体である。
もしくは、外側電極層211と第1電極層221とは正極活物質層であってもよい。このとき、電極材料は正極活物質である。外側集電体140は正極集電体である。第1対極層212と第2対極層222とは負極活物質層である。対極材料は負極活物質である。第2集電体120は負極集電体である。
正極活物質層に含有される正極活物質としては、公知の正極活物質(例えば、コバルト酸リチウム、LiNO、など)が用いられうる。正極活物質の材料としては、Liを離脱および挿入することができる各種材料が用いられうる。
また、正極活物質層の含有材料としては、公知の固体電解質(例えば、無機系固体電解質など)が用いられうる。無機系固体電解質としては、硫化物固体電解質または酸化物固体電解質などが用いられうる。硫化物固体電解質としては、例えば、Li2S:P2S5の混合物が用いられうる。正極活物質の表面は、固体電解質でコートされていてもよい。また、正極活物質層の含有材料としては、導電材(例えば、アセチレンブラックなど)、結着用バインダー(例えば、ポリフッ化ビニリデンなど)、など、が用いられうる。
これら正極活物質層の含有材料を溶媒と共に練り込んだペースト状の塗料を正極集電体面上に塗工乾燥して正極活物質層が作製されうる。正極活物質層の密度を高めるために、乾燥後にプレスしておいてもよい。このようにして作製される正極活物質層の厚みは、例えば、5~300μmである。
正極集電体としては、金属箔(例えば、SUS箔、Al箔)、など、が用いられうる。
負極活物質層に含有される負極活物質としては、公知の負極活物質(例えば、グラファイト、など)が用いられうる。負極活物質の材料としては、Liを離脱および挿入することができる各種材料が用いられうる。
また、負極活物質層の含有材料としては、公知の固体電解質(例えば、無機系固体電解質など)が用いられうる。無機系固体電解質としては、硫化物固体電解質または酸化物固体電解質などが用いられうる。硫化物固体電解質としては、例えば、Li2S:P2S5の混合物が用いられうる。また、負極活物質層の含有材料としては、導電材(例えば、アセチレンブラックなど)、結着用バインダー(例えば、ポリフッ化ビニリデンなど)、など、が用いられうる。
これら負極活物質層の含有材料を溶媒と共に練り込んだペースト状の塗料を負極集電体上に塗工乾燥して負極活物質層が作製されうる。負極活物質層の密度を高めるために、負極板をプレスしておいてもよい。このようにして作製される負極活物質層の厚みは、例えば、5~300μmである。
負極集電体としては、金属箔(例えば、SUS箔、Cu箔)、など、が用いられうる。
正極活物質層と負極活物質層との形成範囲は、同じであってもよい。もしくは、正極活物質層の形成範囲よりも、負極活物質層の形成範囲を、大きくしてもよい。これにより、例えば、リチウム析出(または、マグネシウム析出)による電池の信頼性低下を防止することができる。
固体電解質層に含有される固体電解質としては、公知の固体電解質(例えば、無機系固体電解質など)が用いられうる。無機系固体電解質としては、硫化物固体電解質または酸化物固体電解質などが用いられうる。硫化物固体電解質としては、例えば、Li2S:P2S5の混合物が用いられうる。
また、固体電解質層の含有材料としては、結着用バインダー(例えば、ポリフッ化ビニリデンなど)、など、が用いられうる。
これらの含有材料を溶媒と共に練り込んだペースト状の塗料を正極活物質層または負極活物質層上に塗工乾燥して固体電解質層が作製されうる。
なお、図1に示されるように、固体電解質層の形成範囲は、隣接する集電体よりも狭い範囲であってもよい。もしくは、固体電解質層の形成範囲は、隣接する集電体と同じ範囲であってもよい。
なお、実施の形態1においては、第1折曲部分115は、第1固体電解質層213と第2固体電解質層223とのうちの少なくとも一方により、覆われてもよい。
以上の構成によれば、第1折曲部分115が露出することを防止できる。このため、例えば、第1集電体110と隣接する他の集電体(例えば、外側集電体140または第2集電体120)と第1集電体110とが、第1折曲部分115において、互いに接触することを、第1固体電解質層213または第2固体電解質層223により、防止できる。したがって、第1集電体110と隣接する他の集電体(例えば、外側集電体140または第2集電体120)と第1集電体110とが、短絡する可能性を低減することができる。これにより、電池の信頼性を、より向上させることができる。
図2は、実施の形態1における電池1100の概略構成を示す図である。
図2(a)は、実施の形態1における電池1100の概略構成を示すx-z図(2A断面図)である。
図2(b)は、実施の形態1における電池1100の概略構成を示すx-y図(2B断面図)である。
実施の形態1における電池1100は、上述の実施の形態1における電池1000の構成に加えて、下記の構成をさらに備える。
すなわち、実施の形態1における電池1100においては、第1折曲部分115は、第1固体電解質層213と第2固体電解質層223との両方により、覆われている。より具体的には、第1折曲部分115の一部(すなわち、第1表面領域111に隣接する部分)は、第1固体電解質層213により、覆われている。さらに、第1折曲部分115の一部(すなわち、第2表面領域113に隣接する部分)は、第2固体電解質層223により、覆われている。
なお、実施の形態1においては、第1折曲部分115は、第1固体電解質層213のみにより、覆われてもよい。もしくは、第1折曲部分115は、第2固体電解質層223のみにより、覆われてもよい。
なお、実施の形態1においては、図1および図2に示されるように、第1裏面領域112と第2裏面領域114とは、互いに、接触してもよい。
以上の構成によれば、互いに接触する第1裏面領域112および第2裏面領域114の間における導電が可能となる。これにより、第1折曲部分115により電池の構成部材の間の接合強度を高めながら、第1折曲部分115において電子の移動が可能であるとともに、互いに接触する第1裏面領域112および第2裏面領域114の間においても、電子の移動が可能となる。
なお、実施の形態1においては、図1および図2に示されるように、第1裏面領域112と第2裏面領域114との全面が、互いに、接触してもよい。もしくは、第1裏面領域112と第2裏面領域114との一部が、互いに、接触してもよい。もしくは、第1裏面領域112と第2裏面領域114とは、互いに、接触していなくてもよい。このとき、第1裏面領域112と第2裏面領域114との間に、別の部材が配置されていてもよい。
図3は、実施の形態1における電池1200の概略構成を示す図である。
図3(a)は、実施の形態1における電池1200の概略構成を示すx-z図(3A断面図)である。
図3(b)は、実施の形態1における電池1200の概略構成を示すx-y図(3B断面図)である。
実施の形態1における電池1200は、上述の実施の形態1における電池1000の構成に加えて、下記の構成をさらに備える。
すなわち、実施の形態1における電池1200は、第1接着部分310を、さらに備える。
第1接着部分310は、第1裏面領域112と第2裏面領域114とを接着する部材である。
第1接着部分310は、第1裏面領域112と第2裏面領域114との間に、配置される。
以上の構成によれば、電池の構成部材の間の接合強度を、より高めることができる。すなわち、第1表面領域111に配置される第1対極層212と第2表面領域113に配置される第1電極層221との位置関係を、第1折曲部分115に加えて、第1接着部分310により、より強固に維持することができる。これにより、例えば、電池製造時または電池使用時における衝撃または振動などによって、電池を構成する各層(または、各素電池)が位置ずれまたは分離することを防止できる。これにより、電池の信頼性を向上させることができる。
なお、実施の形態1においては、第1接着部分310は、導電性接着材料を含んでもよい。
以上の構成によれば、第1接着部分310に導電性を持たせることができる。すなわち、第1接着部分310において導電が可能となる。これにより、第1対極層212が配置される第1表面領域111と第1電極層221が配置される第2表面領域113とを、第1折曲部分115に加えて、第1接着部分310により、低抵抗に接続できる。すなわち、第1表面領域111と第2表面領域113との接触抵抗を、低減することができる。これにより、例えば、電池を大電流で動作させる場合でも、第1表面領域111と第2表面領域113との接触抵抗に起因する発熱などを生じ難くできる。
なお、実施の形態1においては、図3に示されるように、第1接着部分310は、第1裏面領域112と第2裏面領域114とが対向する領域の全体に、配置されてもよい。このとき、第1接着部分310は、一様に連続する膜状に形成されてもよい。もしくは、第1接着部分310は、第1裏面領域112と第2裏面領域114とが対向する領域の一部に、配置されてもよい。
図4は、実施の形態1における電池1300の概略構成を示す図である。
図4(a)は、実施の形態1における電池1300の概略構成を示すx-z図(4A断面図)である。
図4(b)は、実施の形態1における電池1300の概略構成を示すx-y図(4B断面図)である。
実施の形態1における電池1300は、上述の実施の形態1における電池1000の構成に加えて、下記の構成をさらに備える。
すなわち、実施の形態1における電池1300は、第1接着部分310として、接着部分310aと接着部分310bと接着部分310cとを、さらに備える。
接着部分310aと接着部分310bと接着部分310cとは、第1裏面領域112と第2裏面領域114とを接着する部材である。
接着部分310aと接着部分310bと接着部分310cとは、第1裏面領域112と第2裏面領域114との間に、配置される。
なお、接着部分310aと接着部分310bと接着部分310cのうちの少なくとも1つ(または、全部)は、導電性接着材料を含んでもよい。
また、実施の形態1における電池1300においては、接着部分310aと接着部分310bと接着部分310cとが配置されていない位置において、第1裏面領域112と第2裏面領域114とは、互いに、接触していてもよい。
なお、実施の形態1においては、第1接着部分310(または、接着部分310aと接着部分310bと接着部分310cのうちの少なくとも1つ)に含まれる接着材料としては、一般に公知の接着剤が用いられうる。例えば、接着材料としては、導電性接着材料である、シリコーン系軟質導電性接着剤(例えば、スリーボンド製のTB3303GまたはTB3333C、など)、銀入りエポキシ導電性接着剤(例えば、藤倉化成製のXA-874またはXA-910、など)、など、が用いられうる。
図5は、実施の形態1における第1集電体110の一例の概略構成を示す断面図である。
図5に示される第1集電体110は、第1表面領域111に、材料110aを含む。
また、図5に示される第1集電体110は、第2表面領域113に、材料110bを含む。このとき、材料110bは、材料110aとは異なる材料である。
また、図5に示される第1集電体110は、第1裏面領域112と第2裏面領域114と第1折曲部分115とを含む領域に、材料110cを含む。このとき、材料110cは、材料110aおよび材料110bとは異なる材料である。
図6は、実施の形態1における第1集電体110の一例の概略構成を示す断面図である。
図6に示される第1集電体110は、第1表面領域111に、材料110aを含む。
また、図6に示される第1集電体110は、第2表面領域113と第1裏面領域112と第2裏面領域114と第1折曲部分115とを含む領域に、材料110cを含む。このとき、材料110cは、材料110aとは異なる材料である。
図7は、実施の形態1における第1集電体110の一例の概略構成を示す断面図である。
図7に示される第1集電体110は、第2表面領域113に、材料110bを含む。
また、図7に示される第1集電体110は、第1表面領域111と第1裏面領域112と第2裏面領域114と第1折曲部分115とを含む領域に、材料110cを含む。このとき、材料110cは、材料110bとは異なる材料である。
図8は、実施の形態1における第1集電体110の一例の概略構成を示す断面図である。
図8に示される第1集電体110は、第1裏面領域112と第2裏面領域114と第1折曲部分115の一部とを含む領域(例えば、折り曲げ構造の内側の領域)に、材料110cを含む。
また、図8に示される第1集電体110は、第1表面領域111と第2表面領域113と第1折曲部分115の一部とを含む領域(例えば、折り曲げ構造の外側の領域)に、材料110dを含む。このとき、材料110dは、材料110cとは異なる材料である。
なお、実施の形態1においては、第1表面領域111は、第1材料を含んでもよい。例えば、第1表面領域111は、第1材料からなるか、または、第1材料を主成分として含んでもよい。
また、第2表面領域113は、第2材料を含んでもよい。例えば、第2表面領域113は、第2材料からなるか、または、第2材料を主成分として含んでもよい。
このとき、図5から図7のいずれかに示される例のように、第2材料は、第1材料とは異なる材料であってもよい。
以上の構成によれば、第1材料として第1対極層212との電気的な接続に適した材料を用いることができる。同時に、第2材料として第1電極層221との電気的な接続に適した材料を用いることができる。これらにより、第1折曲部分115により電池の構成部材の間の接合強度を高めながら、第1表面領域111と第1対極層212との電気的接続、および、第2表面領域113と第1電極層221との電気的接続を、より良好にできる。
なお、図5に示される例においては、第1材料は材料110aであり、第2材料は材料110bである。
また、図6に示される例においては、第1材料は材料110aであり、第2材料は材料110cである。
また、図7に示される例においては、第1材料は材料110cであり、第2材料は材料110bである。
なお、実施の形態1においては、図5から図8のいずれかに示される例のように、第1裏面領域112と第2裏面領域114とは、第3材料を含んでもよい。例えば、第1裏面領域112と第2裏面領域114とは、第3材料からなるか、または、第3材料を主成分として含んでもよい。すなわち、第1裏面領域112と第2裏面領域114とは、同じ材料110cを含んでもよい。
以上の構成によれば、第1折曲部分115により電池の構成部材の間の接合強度を高めながら、発電要素間の接続の信頼性を高めることができる。すなわち、第1裏面領域112を第2裏面領域114と同じ第3材料により構成することで、第1裏面領域112と第2裏面領域114との間における不具合の発生を、低減できる。より具体的には、例えば、第1裏面領域112と第2裏面領域114との間の微小な空隙領域に、環境ガス(例えば、第1発電要素210と第2発電要素220との積層体を内包する容器の中に、残存または侵入または発生するガス成分)が入り込んだ場合であっても、第1裏面領域112と第2裏面領域114とが同じ第3材料であることで、微小電位差またはイオン化率の違いなどが生じない。このため、例えば、長期使用時であっても、第1裏面領域112と第2裏面領域114との間に、腐食現象などの不具合は発生しない。
なお、実施の形態1においては、図5と図6と図8のいずれかに示される例のように、第1材料は、第3材料とは異なる材料であってもよい。
以上の構成によれば、第1材料として第1対極層212との電気的な接続に適した材料を用いることができる。これにより、第1折曲部分115により電池の構成部材の間の接合強度を高めながら、かつ、第1表面領域111と第1対極層212との電気的接続を第1材料の利用により良好としながら、第1裏面領域112を第2裏面領域114と同じ第3材料により構成できる。
また、第1表面領域111と第1裏面領域112とが1つの部材(すなわち、第1集電体110)として一体化(一体形成)されることで、第1表面領域111と第1裏面領域112との間には、微小な空隙領域が生じない(例えば、第1表面領域111と第1裏面領域112とは密着される)。このため、第1表面領域111と第1裏面領域112との間への環境ガスの侵入を防止できる。これにより、互いに構成する材料が異なる層間である第1表面領域111と第1裏面領域112との間においても、腐食現象などの不具合の発生を防止できる。
なお、図5に示される例においては、第1材料は材料110aであり、第3材料は材料110cである。
また、図6に示される例においては、第1材料は材料110aであり、第3材料は材料110cである。
また、図8に示される例においては、第1材料は材料110dであり、第3材料は材料110cである。
なお、実施の形態1においては、図5と図7と図8のいずれかに示される例のように、第2材料は、第3材料とは異なる材料であってもよい。
以上の構成によれば、第2材料として第1電極層221との電気的な接続に適した材料を用いることができる。これにより、第1折曲部分115により電池の構成部材の間の接合強度を高めながら、かつ、第2表面領域113と第1電極層221との電気的接続を第2材料の利用により良好としながら、第1裏面領域112を第2裏面領域114と同じ第3材料により構成できる。
また、第2表面領域113と第2裏面領域114とが1つの部材(すなわち、第1集電体110)として一体化(一体形成)されることで、第2表面領域113と第2裏面領域114との間には、微小な空隙領域が生じない(例えば、第2表面領域113と第2裏面領域114とは密着される)。このため、第2表面領域113と第2裏面領域114との間への環境ガスの侵入を防止できる。これにより、互いに構成する材料が異なる層間である第2表面領域113と第2裏面領域114との間においても、腐食現象などの不具合の発生を防止できる。
なお、図5に示される例においては、第2材料は材料110bであり、第3材料は材料110cである。
また、図7に示される例においては、第2材料は材料110bであり、第3材料は材料110cである。
また、図8に示される例においては、第2材料は材料110dであり、第3材料は材料110cである。
なお、第1対極層212が正極活物質層である場合(すなわち、対極材料が正極活物質である場合)には、第1表面領域111に含まれる第1材料としては、SUS(ステンレス鋼)、Al(アルミニウム)、など、が用いられうる。
もしくは、第1対極層212が負極活物質層である場合(すなわち、対極材料が負極活物質である場合)には、第1表面領域111に含まれる第1材料としては、SUS(ステンレス鋼)、Cu(銅)、など、が用いられうる。
なお、第1電極層221が正極活物質層である場合(すなわち、電極材料が正極活物質である場合)には、第2表面領域113に含まれる第2材料としては、SUS(ステンレス鋼)、Al(アルミニウム)、など、が用いられうる。
もしくは、第1電極層221が負極活物質層である場合(すなわち、電極材料が負極活物質である場合)には、第2表面領域113に含まれる第2材料としては、SUS(ステンレス鋼)、Cu(銅)、など、が用いられうる。
また、第1裏面領域112と第2裏面領域114とに含まれる第3材料としては、Al(アルミニウム)、Cu(銅)、Pt(白金)、Ni(ニッケル)、および、これらを含む合金、など、が用いられうる。第3材料として、Pt、Ni、および、これらを含む合金を用いれば、耐食性を向上させることができる。もしくは、第3材料としては、発電要素の周囲に微量に存在する可能性のある環境ガス(例えば、H2Sガス)などに対して、化学的耐性の高い材料であってもよい。例えば、第3材料としては、タンタル、金、インコネル、および、これらを含む合金、など、であってもよい。
なお、実施の形態1において、「所定の領域が、所定材料を、主成分として、含む」とは、例えば、「所定の領域が、所定材料を、当該所定の領域の全体に対して50重量%以上、含む」ことを意味する。
図9は、実施の形態1における電池1400の概略構成を示す断面図である。
実施の形態1における電池1400は、上述の実施の形態1における電池1000の構成に加えて、下記の構成をさらに備える。
すなわち、実施の形態1における電池1400は、第2集電体120と、第2電極層231と、第2対極層222と、第2固体電解質層223と、をさらに備える。
第2対極層222は、第1電極層221および第2電極層231の対極である。
第2集電体120は、第3表面領域121と、第3裏面領域122と、第4表面領域123と、第4裏面領域124と、第2折曲部分125と、を有する。
第3裏面領域122は、第3表面領域121の裏面に位置する領域である。
第4裏面領域124は、第4表面領域123の裏面に位置する領域である。
第2折曲部分125は、第3表面領域121と第4表面領域123との間に位置する。
第2集電体120が第2折曲部分125において折り曲げられていることで、第3裏面領域122と第4裏面領域124とは、互いに、対向して位置する。
第2電極層231は、第4表面領域123に接して配置される。
第2対極層222は、第3表面領域121に接して配置される。
第2固体電解質層223は、第1電極層221と第2対極層222との間に、配置される。
以上の構成によれば、電池の構成部材の間の接合強度を、より高めることができる。すなわち、第3表面領域121および第4表面領域123(すなわち、第2集電体120の一部の領域であり、かつ、第2折曲部分125により連結している2つの領域)に、それぞれ、第2対極層222と第2電極層231とを、配置することができる。これにより、第3表面領域121に配置される第2対極層222と第4表面領域123に配置される第2電極層231との位置関係を、第2折曲部分125により(言い換えれば、1つの構成部材である第2集電体120により)、強固に維持することができる。したがって、例えば、第1集電体110と第2集電体120とを用いて積層型電池が構成される場合には、電池を構成する3つの電池セル(素電池)を、第1集電体110と第2集電体120とにより、互いに、連結することができる。これにより、例えば、電池製造時または電池使用時における衝撃または振動などによって、電池を構成する各層(または、各素電池)が位置ずれまたは分離することを防止できる。すなわち、電池を構成する各層(または、各素電池)の接合の強度を、第1集電体110と第2集電体120とにより、高めることができる。これにより、電池の信頼性を向上させることができる。
また、以上の構成によれば、第2対極層222が配置される第3表面領域121と第2電極層231が配置される第4表面領域123とを、第2折曲部分125により、低抵抗に接続できる。すなわち、第3表面領域121と第4表面領域123との間の抵抗を、低減することができる。これにより、例えば、電池を大電流で動作させる場合でも、第3裏面領域122と第4裏面領域124との接触抵抗に起因する発熱などを生じ難くできる。このため、例えば、第2集電体120として薄い集電体を用いても、性能低下が生じ難い。したがって、電池の軽量化を実現できる。
なお、実施の形態1における電池1400は、図9に示されるように、第3対極層232と、第3固体電解質層233と、をさらに備えてもよい。
第3対極層232は、第2電極層231の対極である。
第3固体電解質層233は、第2電極層231と第3対極層232との間に、配置される。
以上の構成によれば、第2電極層231と第3対極層232と第3固体電解質層233とにより、1つの固体電池セル(第3発電要素230)を構成することができる。これにより、第1集電体110および第2集電体120をそれぞれ介して第1発電要素210と第2発電要素220と第3発電要素230とが直列接続されて成る積層型電池を構成することができる。このとき、第2発電要素220(すなわち、第1電極層221と第2対極層222と第2固体電解質層223)と第3発電要素230(すなわち、第2電極層231と第3対極層232と第3固体電解質層233)とを、第2集電体120により、強固に連結することができる。これにより、例えば、電池製造時または電池使用時における衝撃または振動などによって、電池を構成する各電池セル(第2発電要素220と第3発電要素230)が位置ずれまたは分離することを防止できる。すなわち、電池を構成する各電池セル(第2発電要素220と第3発電要素230)の接合の強度を、第2集電体120により、高めることができる。これにより、第2発電要素220と第3発電要素230との直列接続により電池電圧を高めながら、電池の信頼性を向上させることができる。
なお、実施の形態1における電池1400は、図9に示されるように、第3集電体130を、さらに備えてもよい。
第3集電体130は、第3対極層232に接して、配置される。
第3固体電解質層233は、第2集電体120と第3集電体130とに接して、配置される。
以上の構成によれば、電池の構成部材の間の接合強度を、より高めることができる。すなわち、第3固体電解質層233により、第2集電体120と第3集電体130との間の接合強度を高めることができる。これにより、第2集電体120から第2電極層231が剥がれることを抑制できる。さらに、第3集電体130から第3対極層232が剥がれることを抑制できる。このため、例えば、電池製造時または電池使用時における衝撃または振動などによって、第3発電要素230を構成する各層が位置ずれまたは分離することを防止できる。これにより、電池の信頼性を、より向上させることができる。
第2集電体120と第3集電体130とは、例えば、導電性を有する薄膜であってもよい。第2集電体120と第3集電体130とを構成する材料としては、例えば、金属(SUS、Al、Cu、など)が用いられうる。第2集電体120の厚み(すなわち、第3表面領域121と第3裏面領域122との間の距離、または、第4表面領域123と第4裏面領域124との間の距離)は、例えば、5~100μmであってもよい。第3集電体130との厚みは、例えば、5~100μmであってもよい。
なお、第2集電体120の構成としては、上述の第1集電体110として示された構成が、適宜、用いられうる。
また、第1集電体110と第2集電体120との構成(例えば、厚み、形成面積、含有材料、など)は、互いに、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第3発電要素230は、例えば、充電および放電の特性を有する発電部(例えば、電池)である。例えば、第3発電要素230は、単電池セルであってもよい。また、第3発電要素230は、全固体電池であってもよい。
また、第1発電要素210と第2発電要素220と第3発電要素230との構成(例えば、各層の厚み、形成面積、含有材料、など)は、互いに、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第2電極層231は、電極材料(例えば、活物質)を含む層である。
なお、外側電極層211と第1電極層221と第2電極層231との構成(例えば、各層の厚み、形成面積、含有材料、など)は、互いに、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第3対極層232は、対極材料(例えば、活物質)を含む層である。対極材料は、電極材料の対極を構成する材料である。
なお、第1対極層212と第2対極層222と第3対極層232との構成(例えば、各層の厚み、形成面積、含有材料、など)は、互いに、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、図9に示されるように、第2電極層231と第3対極層232とは、それぞれ、第2集電体120(すなわち、第2集電体120の第4表面領域123)と第3集電体130よりも狭い範囲に、形成されてもよい。
第3固体電解質層233は、固体電解質を含む固体電解質層である。
なお、第1固体電解質層213と第2固体電解質層223と第3固体電解質層233との構成(例えば、各層の厚み、形成面積、含有材料、など)は、互いに、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、図9に示されるように、第3固体電解質層233は、第2電極層231と第3対極層232よりも大面積に、配置されてもよい。すなわち、第3固体電解質層233は、第2電極層231と第3対極層232とを覆う形で、配置されてもよい。これにより、第2電極層231と第3対極層232との直接接触による短絡を防止できる。
また、図9に示されるように、第3固体電解質層233は、第2集電体120(すなわち、第2集電体120の第4表面領域123)と第3集電体130よりも狭い範囲に、配置されてもよい。もしくは、第3固体電解質層233の形成範囲は、第2集電体120(すなわち、第2集電体120の第4表面領域123)と第3集電体130と同じ範囲であってもよい。
ここで、外側電極層211と第1電極層221と第2電極層231とは負極活物質層であってもよい。このとき、電極材料は負極活物質である。外側集電体140は負極集電体である。第1対極層212と第2対極層222と第3対極層232とは正極活物質層である。対極材料は正極活物質である。第3集電体130は正極集電体である。
もしくは、外側電極層211と第1電極層221と第2電極層231とは正極活物質層であってもよい。このとき、電極材料は正極活物質である。外側集電体140は正極集電体である。第1対極層212と第2対極層222と第3対極層232とは負極活物質層である。対極材料は負極活物質である。第3集電体130は負極集電体である。
図10は、実施の形態1における電池1500の概略構成を示す断面図である。
実施の形態1における電池1500は、上述の実施の形態1における電池1400の構成に加えて、下記の構成をさらに備える。
すなわち、実施の形態1における電池1500は、第1接着部分310と第2接着部分320とを、さらに備える。
第2接着部分320は、第3裏面領域122と第4裏面領域124とを接着する部材である。
第2接着部分320は、第3裏面領域122と第4裏面領域124との間に、配置される。
以上の構成によれば、電池の構成部材の間の接合強度を、より高めることができる。すなわち、第3表面領域121に配置される第2対極層222と第4表面領域123に配置される第2電極層231との位置関係を、第2折曲部分125に加えて、第2接着部分320により、より強固に維持することができる。これにより、例えば、電池製造時または電池使用時における衝撃または振動などによって、電池を構成する各層(または、各素電池)が位置ずれまたは分離することを防止できる。これにより、電池の信頼性を向上させることができる。
なお、実施の形態1においては、第2接着部分320は、導電性接着材料を含んでもよい。
以上の構成によれば、第2接着部分320に導電性を持たせることができる。すなわち、第2接着部分320において導電が可能となる。これにより、第2対極層222が配置される第3表面領域121と第2電極層231が配置される第4表面領域123とを、第2折曲部分125に加えて、第2接着部分320により、低抵抗に接続できる。すなわち、第3表面領域121と第4表面領域123との接触抵抗を、低減することができる。これにより、例えば、電池を大電流で動作させる場合でも、第3表面領域121と第4表面領域123との接触抵抗に起因する発熱などを生じ難くできる。
なお、実施の形態1においては、図10に示されるように、第2接着部分320は、第3裏面領域122と第4裏面領域124とが対向する領域の全体に、配置されてもよい。このとき、第2接着部分320は、一様に連続する膜状に形成されてもよい。もしくは、第2接着部分320は、第3裏面領域122と第4裏面領域124とが対向する領域の一部に、配置されてもよい。
なお、第1接着部分310と第2接着部分320との構成(例えば、厚み、形成面積、含有材料、など)は、互いに、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
図11は、実施の形態1における電池1600の概略構成を示す断面図である。
実施の形態1においては、図11に示されるように、4つ以上の発電要素が積層されて、電池が構成されてもよい。
図11に示される電池1600においては、第3集電体130の上に、さらに4つ目以降の発電要素が積層される。複数の発電要素(単電池)が直列に接続されたバイポーラ電池であれば、例えば、高電圧を得ることができる。
実施の形態1における電池を構成する発電要素の積層数は、例えば、2~200個であってもよい。発電要素の積層数を調整することで、電池の用途(電子機器、電気器具装置、電気車輌、定置蓄電池、など)に応じた出力の調整を実現できる。
なお、実施の形態1においては、発電要素の積層構造の側面の一部(または、全部)は、絶縁材料(例えば、封止材)で被覆されてもよい。これにより、直列接続された発電要素を封止することができる。このとき、封止材は、例えば、防湿性のラミネートシートであってもよい。これにより、発電要素が水分によって劣化することを、封止材によって、防止できる。また、発電要素の積層構造は、封止ケースに内包されてもよい。封止ケースとしては、一般に公知の電池用ケース(例えば、ラミネート袋、金属缶、樹脂ケース、など)が用いられうる。
また、実施の形態1における電池は、一対の外部電極をさらに備えてもよい。一対の外部電極は、発電要素の積層構造の全体が封止材により封止される場合には、積層構造の上下面(または、側面)の外側に突出してもよい。外部電極の一方は、例えば、外側集電体140に接続されてもよい。このとき、外部電極のもう一方は、例えば、第2集電体120または第3集電体130に接続されてもよい。これにより、一対の外部電極に接続される負荷への放電、および、一対の外部電極に接続される充電装置により電池(各発電要素)の充電が可能となる。
また、実施の形態1における電池の製造方法は、後述の実施の形態2として、説明される。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2が説明される。上述の実施の形態1と重複する説明は、適宜、省略される。
図12は、実施の形態2における電池製造装置2000の概略構成を示す図である。
実施の形態2における電池製造装置2000は、電極層形成部410と、対極層形成部420と、集電体折曲部430と、を備える。
集電体折曲部430は、集電体100を折り曲げる。
集電体100は、第1表面領域111と、第1裏面領域112と、第2表面領域113と、第2裏面領域114と、第1折曲領域116と、を有する。
第1裏面領域112は、第1表面領域111の裏面に位置する領域である。
第2裏面領域114は、第2表面領域113の裏面に位置する領域である。
第1折曲領域116は、第1表面領域111と第2表面領域113との間に位置する領域である。
電極層形成部410は、第2表面領域113に接して、第1電極層221を形成する。
対極層形成部420は、第1表面領域111に接して、第1電極層221の対極である第1対極層212を形成する。
集電体折曲部430は、第1折曲領域116を折り曲げる。
集電体折曲部430により集電体100が第1折曲領域116において折り曲げられることで、第1裏面領域112と第2裏面領域114とは、互いに、対向して位置する。
図13は、実施の形態2における電池製造方法の一例を示すフローチャートである。
実施の形態2における電池製造方法は、実施の形態2における電池製造装置を用いた電池製造方法である。例えば、実施の形態2における電池製造方法は、実施の形態2における電池製造装置において実行される電池製造方法である。
実施の形態2における電池製造方法は、第1電極層形成工程S1101(=工程(a1))と、第1対極層形成工程S1201(=工程(b1))と、第1折曲領域折曲工程S1301(=工程(c1))と、を包含する。
第1電極層形成工程S1101は、電極層形成部410により、第2表面領域113に接して、第1電極層221を形成する工程である。
第1対極層形成工程S1201は、対極層形成部420により、第1表面領域111に接して、第1電極層221の対極である第1対極層212を形成する工程である。
第1折曲領域折曲工程S1301は、集電体折曲部430により、第1折曲領域116を折り曲げる工程である。
第1折曲領域折曲工程S1301において、集電体折曲部430により集電体100が第1折曲領域116において折り曲げられることで、第1裏面領域112と第2裏面領域114とは、互いに、対向して位置する。
以上の製造装置または製造方法によれば、電池の構成部材の間の接合強度を高めることができる。すなわち、第1表面領域111および第2表面領域113(すなわち、集電体100の一部の領域であり、かつ、第1折曲領域116により連結している2つの領域)に、それぞれ、第1対極層212と第1電極層221とを、形成することができる。これにより、第1対極層212の形成位置と第1電極層221の形成位置の位置関係を、第1折曲領域116により(言い換えれば、1つの構成部材である集電体100により)、強固に維持することができる。このため、集電体100に第1対極層212と第1電極層221とを形成する工程(または、その他の工程)において、第1対極層212および第1電極層221の形成位置がずれることを防止できる。さらに、例えば、電池製造時における衝撃または振動などによって、電池を構成する各層(または、各素電池)が位置ずれまたは分離することを防止できる。これにより、電池製造時における歩留まりを向上させることができる。
また、以上の構成によれば、簡便な片面成膜のプロセスで、バイポーラ構造の電極を作製できる。すなわち、集電体100の片面(すなわち、第1表面領域111と第2表面領域113とが位置する集電体100の表面)に第1対極層212と第1電極層221とを形成する工程と、第1折曲領域116を折り曲げる工程とにより、第1対極層212と第1電極層221との2極を備えるバイポーラ集電体を作製することができる。これにより、集電体の両面に成膜するプロセスを用いる場合と比較して、簡便かつ低コストに、バイポーラ構造の電極を作製できる。
なお、集電体100の構成(例えば、材料、厚み、など)としては、上述の実施の形態1における第1集電体110として示された構成が、適宜、採用されうる。このとき、集電体100の一部は、上述の図5から図8のいずれかに示す構成(材質)を有していてもよい。
図14は、実施の形態2における電池製造装置2100の概略構成を示す図である。
実施の形態2における電池製造装置2100は、上述の実施の形態2における電池製造装置2000の構成に加えて、下記の構成をさらに備える。
すなわち、実施の形態2における電池製造装置2100は、固体電解質層形成部440と、切断部450と、をさらに備える。
集電体100は、第1連結部分151と、外側領域141と、を有する。
第1連結部分151は、第1表面領域111の隣に位置する領域である。
外側領域141は、第1連結部分151の隣に位置する領域である。
電極層形成部410は、外側領域141に接して、第1対極層212の対極である外側電極層211を形成する。
固体電解質層形成部440は、第1対極層212と外側電極層211とのうちの少なくとも一方の上に、第1固体電解質層213を形成する。
集電体折曲部430は、第1連結部分151を折り曲げる。
集電体折曲部430により集電体100が第1連結部分151において折り曲げられることで、第1固体電解質層213は、第1対極層212と外側電極層211との間に、配置される。
切断部450は、第1連結部分151を切断する。
図15は、実施の形態2における電池製造方法の一例を示すフローチャートである。
図15に示される電池製造方法は、上述の図13に示される電池製造方法の工程に加えて、下記の工程をさらに備える。
すなわち、図15に示される電池製造方法は、外側電極層形成工程S1100(=工程(a0))と、第1固体電解質層形成工程S1401(=工程(d1))と、第1連結部分折曲工程S1501(=工程(e1))と、第1連結部分切断工程S1601(=工程(f1))と、をさらに包含する。
外側電極層形成工程S1100は、電極層形成部410により、外側領域141に接して、第1対極層212の対極である外側電極層211を形成する工程である。
第1固体電解質層形成工程S1401は、固体電解質層形成部440により、第1対極層212と外側電極層211とのうちの少なくとも一方の上に、第1固体電解質層213を形成する工程である。
第1連結部分折曲工程S1501は、集電体折曲部430により、第1連結部分151を折り曲げる工程である。第1連結部分折曲工程S1501は、第1固体電解質層形成工程S1401よりも後に、実行されてもよい。
第1連結部分折曲工程S1501において、集電体折曲部430により集電体100が第1連結部分151において折り曲げられることで、第1固体電解質層213は、第1対極層212と外側電極層211との間に、配置される。
第1連結部分切断工程S1601は、切断部450により、第1連結部分151を切断する工程である。第1連結部分切断工程S1601は、第1連結部分折曲工程S1501よりも後に、実行されてもよい。
以上の製造装置または製造方法によれば、簡便な片面成膜のプロセスで、1つの固体電池セル(第1発電要素210)を作製できる。すなわち、集電体100の片面(すなわち、第1表面領域111と外側領域141とが位置する集電体100の表面)に第1対極層212と外側電極層211とを形成する工程と、第1連結部分151を折り曲げる工程と、第1連結部分151を切断する工程とにより、外側電極層211と第1対極層212と第1固体電解質層213とを備える固体電池セル(第1発電要素210)を作製することができる。これにより、個別の各構成部材を多数積層するプロセスを用いる場合と比較して、各構成部材の位置ずれを抑制しながら、固体電池セルを作製できる。
なお、実施の形態2においては、集電体100は、第2連結部分152と、第3表面領域121と、を有してもよい。
第2連結部分152は、第2表面領域113の隣に位置する領域である。
第3表面領域121は、第2連結部分152の隣に位置する領域である。
このとき、実施の形態2における電池製造装置2100においては、対極層形成部420は、第3表面領域121に接して、第1電極層221の対極である第2対極層222を形成してもよい。
また、固体電解質層形成部440は、第1電極層221と第2対極層222とのうちの少なくとも一方の上に、第2固体電解質層223を形成してもよい。
また、集電体折曲部430は、第2連結部分152を折り曲げてもよい。
このとき、集電体折曲部430により集電体100が第2連結部分152において折り曲げられることで、第2固体電解質層223は、第1電極層221と第2対極層222との間に、配置されてもよい。
また、切断部450は、第2連結部分152を切断してもよい。
図16は、実施の形態2における電池製造方法の一例を示すフローチャートである。
図16に示される電池製造方法は、上述の図15に示される電池製造方法の工程に加えて、下記の工程をさらに備える。
すなわち、図16に示される電池製造方法は、第2対極層形成工程S1202(=工程(b2))と、第2固体電解質層形成工程S1402(=工程(d2))と、第2連結部分折曲工程S1502(=工程(e2))と、第2連結部分切断工程S1602(=工程(f2))と、をさらに包含する。
第2対極層形成工程S1202は、対極層形成部420により、第3表面領域121に接して、第1電極層221の対極である第2対極層222を形成する工程である。
第2固体電解質層形成工程S1402は、固体電解質層形成部440により、第1電極層221と第2対極層222とのうちの少なくとも一方の上に、第2固体電解質層223を形成する工程である。
第2連結部分折曲工程S1502は、集電体折曲部430により、第2連結部分152を折り曲げる工程である。第2連結部分折曲工程S1502は、第2固体電解質層形成工程S1402よりも後に、実行されてもよい。
第2連結部分折曲工程S1502において、集電体折曲部430により集電体100が第2連結部分152において折り曲げられることで、第2固体電解質層223は、第1電極層221と第2対極層222との間に、配置される。
第2連結部分切断工程S1602は、切断部450により、第2連結部分152を切断する工程である。第2連結部分切断工程S1602は、第2連結部分折曲工程S1502よりも後に、実行されてもよい。
以上の製造装置または製造方法によれば、簡便な片面成膜のプロセスで、1つの固体電池セル(第2発電要素220)を作製できる。すなわち、集電体100の片面(すなわち、第2表面領域113と第3表面領域121とが位置する集電体100の表面)に第1電極層221と第2対極層222とを形成する工程と、第2連結部分152を折り曲げる工程と、第2連結部分152を切断する工程とにより、第1電極層221と第2対極層222と第2固体電解質層223とを備える固体電池セル(第2発電要素220)を作製することができる。これにより、個別の各構成部材を多数積層するプロセスを用いる場合と比較して、各構成部材の位置ずれを抑制しながら、集電体100の一部(すなわち、第1集電体110)を介して第1発電要素210と第2発電要素220とが直列接続されて成る積層型電池を構成することができる。
以上の製造装置または製造方法によれば、実施の形態1における電池1000を製造することができる。
以下に、実施の形態2における電池製造方法の具体的な一例が、説明される。
図17は、実施の形態2における集電体100の概略構成を示す図である。
図17(a)は、実施の形態2における集電体100の概略構成を示すx-z図(17A断面図)である。
図17(b)は、実施の形態2における集電体100の概略構成を示すx-y図(上面図)である。
図18は、外側電極層形成工程S1100と第1電極層形成工程S1101の一例を示す図である。
外側電極層形成工程S1100が実行されることにより、電極層形成部410により、外側領域141に接して、外側電極層211が形成される。電極層形成部410は、例えば、塗工材料(すなわち、外側電極層211を構成する材料と溶媒とを共に練り込んだペースト状の塗料)を、予め準備された集電体100の外側領域141の上に、塗工してもよい。その後、塗工材料は乾燥されてもよい。さらに、塗工材料は、乾燥後にプレスされてもよい。これにより、外側電極層211における材料の密度を高めることができる。
第1電極層形成工程S1101が実行されることにより、電極層形成部410により、第2表面領域113に接して、第1電極層221が形成される。電極層形成部410は、例えば、塗工材料(すなわち、第1電極層221を構成する材料と溶媒とを共に練り込んだペースト状の塗料)を、予め準備された集電体100の第2表面領域113の上に、塗工してもよい。その後、塗工材料は乾燥されてもよい。さらに、塗工材料は、乾燥後にプレスされてもよい。これにより、第1電極層221における材料の密度を高めることができる。
なお、外側電極層形成工程S1100は、第1電極層形成工程S1101よりも、前に実行されてもよいし、後に実行されてもよい。
以上のように、各電極層は、集電体100の表面上に、規則性を持って断続的に形成されてもよい。例えば、図18に示すように、一定間隔で、矩形の領域に、各電極層が形成されてもよい。
図19は、第1対極層形成工程S1201と第2対極層形成工程S1202の一例を示す図である。
第1対極層形成工程S1201が実行されることにより、対極層形成部420により、第1表面領域111に接して、第1対極層212が形成される。対極層形成部420は、例えば、塗工材料(すなわち、第1対極層212を構成する材料と溶媒とを共に練り込んだペースト状の塗料)を、予め準備された集電体100の第1表面領域111の上に、塗工してもよい。その後、塗工材料は乾燥されてもよい。さらに、塗工材料は、乾燥後にプレスされてもよい。これにより、第1対極層212における材料の密度を高めることができる。
第2対極層形成工程S1202が実行されることにより、対極層形成部420により、第3表面領域121に接して、第2対極層222が形成される。対極層形成部420は、例えば、塗工材料(すなわち、第2対極層222を構成する材料と溶媒とを共に練り込んだペースト状の塗料)を、予め準備された集電体100の第3表面領域121の上に、塗工してもよい。その後、塗工材料は乾燥されてもよい。さらに、塗工材料は、乾燥後にプレスされてもよい。これにより、第2対極層222における材料の密度を高めることができる。
なお、第1対極層形成工程S1201は、第2対極層形成工程S1202よりも、前に実行されてもよいし、後に実行されてもよい。
以上のように、各対極層は、集電体100の表面上に、規則性を持って断続的に形成されてもよい。例えば、図19に示すように、一定間隔で、矩形の領域に、各対極層が形成されてもよい。
なお、第1対極層形成工程S1201と第2対極層形成工程S1202とは、外側電極層形成工程S1100および第1電極層形成工程S1101よりも、前に実行されてもよいし、後に実行されてもよい。
図20は、第1固体電解質層形成工程S1401と第2固体電解質層形成工程S1402の一例を示す図である。
第1固体電解質層形成工程S1401が実行されることにより、固体電解質層形成部440により、第1対極層212と外側電極層211とのうちの少なくとも一方の上に、第1固体電解質層213が形成される。固体電解質層形成部440は、例えば、塗工材料(すなわち、第1固体電解質層213を構成する材料と溶媒とを共に練り込んだペースト状の塗料)を、第1対極層212と外側電極層211とのうちの少なくとも一方の上に、塗工してもよい。その後、塗工材料は乾燥されてもよい。さらに、塗工材料は、乾燥後にプレスされてもよい。これにより、第1固体電解質層213における材料の密度を高めることができる。
なお、図20に示されるように、第1固体電解質層213は、第1対極層212と外側電極層211との両方の上に、形成されてもよい。
もしくは、第1固体電解質層213は、第1対極層212と外側電極層211とのうちのいずれか一方のみの上に、形成されてもよい。この場合、第1固体電解質層形成工程S1401は、外側電極層形成工程S1100と第1対極層形成工程S1201とのうちの一方よりも、前に実行されうる。
第2固体電解質層形成工程S1402が実行されることにより、固体電解質層形成部440により、第1電極層221と第2対極層222とのうちの少なくとも一方の上に、第2固体電解質層223が形成される。固体電解質層形成部440は、例えば、塗工材料(すなわち、第2固体電解質層223を構成する材料と溶媒とを共に練り込んだペースト状の塗料)を、第1電極層221と第2対極層222とのうちの少なくとも一方の上に、塗工してもよい。その後、塗工材料は乾燥されてもよい。さらに、塗工材料は、乾燥後にプレスされてもよい。これにより、第2固体電解質層223における材料の密度を高めることができる。
なお、図20に示されるように、第2固体電解質層223は、第1電極層221と第2対極層222との両方の上に、形成されてもよい。
もしくは、第2固体電解質層223は、第1電極層221と第2対極層222とのうちのいずれか一方のみの上に、形成されてもよい。この場合、第2固体電解質層形成工程S1402は、第1電極層形成工程S1101と第2対極層形成工程S1202とのうちの一方よりも、前に実行されうる。
なお、第1固体電解質層形成工程S1401は、第2固体電解質層形成工程S1402よりも、前に実行されてもよいし、後に実行されてもよい。
図21は、電極層と対極層と固体電解質層とが形成された集電体100の概略構成を示す図である。
図21(a)は、集電体100の概略構成を示すx-z図(21A断面図)である。
図21(b)は、集電体100の概略構成を示すx-y図(21B断面図)である。
なお、第1固体電解質層形成工程S1401においては、図21に示されるように、第1固体電解質層213は、外側電極層211および第1対極層212よりも広い範囲に形成されてもよい。これにより、第1集電体110と外側集電体140とに接して、第1固体電解質層213を配置することができる。
また、第2固体電解質層形成工程S1402においては、図21に示されるように、第2固体電解質層223は、第1電極層221および第2対極層222よりも広い範囲に形成されてもよい。これにより、第1集電体110と第2集電体120とに接して、第2固体電解質層223を配置することができる。
図22は、第1折曲領域折曲工程S1301と第1連結部分折曲工程S1501と第2連結部分折曲工程S1502の一例を示す図である。
第1折曲領域折曲工程S1301が実行されることにより、集電体折曲部430により、第1折曲領域116が折り曲げられる。集電体折曲部430は、例えば、折曲用部材616(例えば、ロッド部材、ワイヤ部材、など)を備えてもよい。このとき、集電体折曲部430は、第1折曲領域116に折曲用部材616を当てて、集電体100と折曲用部材616とのうちの少なくとも一方を移動させることで、第1折曲領域116を折り曲げてもよい。
第1折曲領域折曲工程S1301において、第1折曲領域116が折り曲げられることで、上述の実施の形態1において示された第1折曲部分115が形成される。
第1連結部分折曲工程S1501が実行されることにより、集電体折曲部430により、第1連結部分151が折り曲げられる。集電体折曲部430は、例えば、折曲用部材651(例えば、ロッド部材、ワイヤ部材、など)を備えてもよい。このとき、集電体折曲部430は、第1連結部分151に折曲用部材651を当てて、集電体100と折曲用部材651とのうちの少なくとも一方を移動させることで、第1連結部分151を折り曲げてもよい。
第2連結部分折曲工程S1502が実行されることにより、集電体折曲部430により、第2連結部分152が折り曲げられる。集電体折曲部430は、例えば、折曲用部材652(例えば、ロッド部材、ワイヤ部材、など)を備えてもよい。このとき、集電体折曲部430は、第2連結部分152に折曲用部材652を当てて、集電体100と折曲用部材652とのうちの少なくとも一方を移動させることで、第2連結部分152を折り曲げてもよい。
なお、第1折曲領域折曲工程S1301は、第1連結部分折曲工程S1501および第2連結部分折曲工程S1502よりも、前に実行されてもよいし、後に実行されてもよい。
また、第1連結部分折曲工程S1501は、第2連結部分折曲工程S1502よりも、前に実行されてもよいし、後に実行されてもよい。
もしくは、図22に示されるように、第1折曲領域折曲工程S1301と第1連結部分折曲工程S1501と第2連結部分折曲工程S1502とは、同時に実行されてもよい。
図23は、第1連結部分切断工程S1601と第2連結部分切断工程S1602の一例を示す図である。
第1連結部分切断工程S1601が実行されることにより、切断部450により、第1連結部分151が切断される。切断部450は、例えば、切断用部材(例えば、カッター、ダイパンチ装置、など)により、第1連結部分151(例えば、図23に示される位置C1)を、切断してもよい。もしくは、切断部450は、例えば、化学的な反応などにより第1連結部分151の一部を除去する方法で、第1連結部分151を切断してもよい。第1連結部分151が切断されることで、外側電極層211と第1対極層212との短絡状態が解除される。これにより、第1発電要素210の単位電池としての充放電が可能となる。
第2連結部分切断工程S1602が実行されることにより、切断部450により、第2連結部分152が切断される。切断部450は、例えば、切断用部材(例えば、カッター、ダイパンチ装置、など)により、第2連結部分152(例えば、図23に示される位置C2)を、切断してもよい。もしくは、切断部450は、例えば、化学的な反応などにより第2連結部分152の一部を除去する方法で、第2連結部分152を切断してもよい。第2連結部分152が切断されることで、第1電極層221と第2対極層222との短絡状態が解除される。これにより、第2発電要素220の単位電池としての充放電が可能となる。
なお、第1連結部分切断工程S1601は、第2連結部分切断工程S1602よりも、前に実行されてもよいし、後に実行されてもよい。
もしくは、第1連結部分切断工程S1601と第2連結部分切断工程S1602とは、同時に実行されてもよい。
第1連結部分切断工程S1601と第2連結部分切断工程S1602とが実行されることにより、集電体100は、上述の実施の形態1において示された外側集電体140と第1集電体110と第2集電体120になる。
以上の実施の形態2における電池製造方法の具体的な一例によれば、上述の実施の形態1における電池1000を作製することができる。
なお、実施の形態2における電池製造装置2100においては、固体電解質層形成部440は、第1折曲領域116の一部の上に、第1固体電解質層213を形成してもよい。また、固体電解質層形成部440は、第1折曲領域116の一部の上に、第2固体電解質層223を形成してもよい。
言い換えれば、実施の形態2における電池製造方法においては、第1固体電解質層形成工程S1401において、固体電解質層形成部440により、第1折曲領域116の一部の上に、第1固体電解質層213が形成されてもよい。また、第2固体電解質層形成工程S1402において、固体電解質層形成部440により、第1折曲領域116の一部の上に、第2固体電解質層223が形成されてもよい。
以上の構成によれば、固体電解質層(第1固体電解質層213と第2固体電解質層223とのうちの少なくとも一方)を形成する工程において、第1折曲領域116(すなわち、集電体100の折り曲げ後の第1折曲部分115)が露出することを防止する処理を実行できる。すなわち、簡便なプロセスにより、第1折曲領域116(すなわち、集電体100の折り曲げ後の第1折曲部分115)が露出することを防止できる。したがって、第1折曲部分115に隣接する他の集電体と第1折曲部分115とが、短絡する可能性を低減することができる。これにより、電池の信頼性を、より向上させることができる。
図24は、電極層と対極層と固体電解質層とが形成された集電体100の概略構成を示す図である。
図24(a)は、集電体100の概略構成を示すx-z図(24A断面図)である。
図24(b)は、集電体100の概略構成を示すx-y図(24B断面図)である。
図24に示される例においては、第1折曲部分115の一部が第1固体電解質層213により覆われ、かつ、第1折曲部分115の残りの一部が第2固体電解質層223により覆われている。
以上の電池製造方法によれば、上述の実施の形態1における電池1100を作製することができる。
なお、実施の形態2における電池製造方法においては、第1折曲部分115は、第1固体電解質層213のみにより、覆われてもよい。もしくは、第1折曲部分115は、第2固体電解質層223のみにより、覆われてもよい。
図25は、電極層と対極層と固体電解質層とが形成された集電体100の概略構成を示す図である。
図25(a)は、集電体100の概略構成を示すx-z図(25A断面図)である。
図25(b)は、集電体100の概略構成を示すx-y図(25B断面図)である。
図25に示されるように、第1固体電解質層形成工程S1401においては、固体電解質層形成部440により、第1固体電解質層213は、第1連結部分151に、形成されてもよい。
以上の構成によれば、第1固体電解質層形成工程S1401において、外側電極層211と第1連結部分151と第1対極層212との上に、第1固体電解質層213を連続的に形成することができる。このため、第1固体電解質層213を形成する工程を、より簡便化できる。
このとき、第1連結部分切断工程S1601においては、切断部450は、第1連結部分151とともに、第1連結部分151に形成された第1固体電解質層213の一部を、切断してもよい。
また、図25に示されるように、第2固体電解質層形成工程S1402においては、固体電解質層形成部440により、第2固体電解質層223は、第2連結部分152に、形成されてもよい。
以上の構成によれば、第2固体電解質層形成工程S1402において、第1電極層221と第2連結部分152と第2対極層222との上に、第2固体電解質層223を連続的に形成することができる。このため、第2固体電解質層223を形成する工程を、より簡便化できる。
このとき、第2連結部分切断工程S1602においては、切断部450は、第2連結部分152とともに、第2連結部分152に形成された第2固体電解質層223の一部を、切断してもよい。
なお、第1固体電解質層213と第2固体電解質層223とを構成する材料が同じである場合(すなわち、第1固体電解質層213と第2固体電解質層223となる塗工材料が同じである場合)には、第1固体電解質層形成工程S1401と第2固体電解質層形成工程S1402とは、連続的に、実行されうる。これにより、固体電解質層を形成する工程を、より簡便化できる。
なお、実施の形態2においては、集電体折曲部430は、集電体100を第1折曲領域116において折り曲げることで、第1裏面領域112と第2裏面領域114とを、互いに、接触させてもよい。
言い換えれば、第1折曲領域折曲工程S1301において、集電体折曲部430により集電体100が第1折曲領域116において折り曲げられることで、第1裏面領域112と第2裏面領域114とは、互いに、接触してもよい。
以上の構成によれば、簡便なプロセス(折曲工程)により、第1裏面領域112と第2裏面領域114とを接触させることができる。これにより、互いに接触する第1裏面領域112および第2裏面領域114の間における導電が可能となる。これにより、第1折曲領域116(すなわち、第1折曲部分115)により電池の構成部材の間の接合強度を高めながら、第1折曲領域116(すなわち、第1折曲部分115)において電子の移動が可能であるとともに、互いに接触する第1裏面領域112および第2裏面領域114の間においても、電子の移動が可能となる。
なお、実施の形態2においては、図22および図23に示されるように、第1裏面領域112と第2裏面領域114との全面が、互いに、接触してもよい。もしくは、第1裏面領域112と第2裏面領域114との一部が、互いに、接触してもよい。もしくは、第1裏面領域112と第2裏面領域114とは、互いに、接触していなくてもよい。このとき、第1裏面領域112と第2裏面領域114との間に、別の部材が配置されていてもよい。
図26は、実施の形態2における電池製造装置2200の概略構成を示す図である。
実施の形態2における電池製造装置2200は、上述の実施の形態2における電池製造装置2100の構成に加えて、下記の構成をさらに備える。
すなわち、実施の形態2における電池製造装置2200は、接着部分形成部460を、さらに備える。
接着部分形成部460は、第1裏面領域112と第2裏面領域114とのうちの少なくとも一方に接して、第1接着部分310を形成する。
第1接着部分310は、第1裏面領域112と第2裏面領域114とを接着する部分である。
図27は、実施の形態2における電池製造方法の一例を示すフローチャートである。
図27に示される電池製造方法は、上述の図16に示される電池製造方法の工程に加えて、下記の工程をさらに備える。
すなわち、図27に示される電池製造方法は、第1接着部分形成工程S1701(=工程(g1))を、さらに包含する。
第1接着部分形成工程S1701は、接着部分形成部460により、第1裏面領域112と第2裏面領域114とのうちの少なくとも一方に接して、第1接着部分310を形成する工程である。
以上の製造装置または製造方法によれば、電池の構成部材の間の接合強度を、より高めることができる。すなわち、第1表面領域111に配置される第1対極層212と第2表面領域113に配置される第1電極層221との位置関係を、第1折曲領域116(すなわち、第1折曲部分115)に加えて、第1接着部分310により、より強固に維持することができる。これにより、例えば、電池製造時または電池使用時における衝撃または振動などによって、電池を構成する各層(または、各素電池)が位置ずれまたは分離することを防止できる。これにより、電池の信頼性を向上させることができる。
図28は、第1接着部分形成工程S1701の一例を示す図である。
第1接着部分形成工程S1701が実行されることにより、接着部分形成部460により、第1裏面領域112と第2裏面領域114とのうちの少なくとも一方に接して、第1接着部分310が形成される。接着部分形成部460は、例えば、塗工材料(すなわち、第1接着部分310を構成する接着材料)を、第1裏面領域112と第2裏面領域114とのうちの少なくとも一方の上に、塗工してもよい。
なお、第1接着部分形成工程S1701においては、接着部分形成部460により、第1裏面領域112と第2裏面領域114との両方に接して、第1接着部分310が形成されてもよい。もしくは、接着部分形成部460により、第1裏面領域112と第2裏面領域114とのうちの一方のみに接して、第1接着部分310が形成されてもよい。
図29は、第1折曲領域折曲工程S1301の一例を示す図である。
図29に示されるように、第1接着部分310が形成された集電体100を折り曲げることで、第1裏面領域112と第2裏面領域114との間に、第1接着部分310を配置することができる。
なお、第1接着部分形成工程S1701は、第1折曲領域折曲工程S1301よりも、前に実行されてもよい。
もしくは、第1接着部分形成工程S1701は、第1折曲領域折曲工程S1301よりも、後に実行されてもよい。このとき、第1接着部分形成工程S1701は、接着部分形成部460により、第1裏面領域112と第2裏面領域114との間の隙間に接着材料を注入することで、第1接着部分310を形成する工程であってもよい。
以上の電池製造方法によれば、上述の実施の形態1における電池1200を作製することができる。
なお、第1接着部分形成工程S1701において、接着部分形成部460により、第1裏面領域112と第2裏面領域114とのうちの少なくとも一方に接して、第1接着部分310が非連続に形成されてもよい。これにより、上述の実施の形態1における電池1300を作製することができる。
なお、実施の形態2においては、集電体100は、第3裏面領域122と、第4表面領域123と、第4裏面領域124と、第2折曲領域126と、を有してもよい。
第3裏面領域122は、第3表面領域121の裏面に位置する領域である。
第4裏面領域124は、第4表面領域123の裏面に位置する領域である。
第2折曲領域126は、第3表面領域121と第4表面領域123との間に位置する領域である。
なお、実施の形態2における電池製造装置においては、電極層形成部410は、第4表面領域123に接して、第2電極層231を形成してもよい。
また、実施の形態2における電池製造装置においては、集電体折曲部430は、第2折曲領域126を折り曲げてもよい。
図30は、実施の形態2における電池製造方法の一例を示すフローチャートである。
図30に示される電池製造方法は、上述の図16に示される電池製造方法の工程に加えて、下記の工程をさらに備える。
すなわち、図30に示される電池製造方法は、第2電極層形成工程S1102(=工程(a2))と、第2折曲領域折曲工程S1302(=工程(c2))と、をさらに包含する。
第2電極層形成工程S1102は、電極層形成部410により、第4表面領域123に接して、第2電極層231を形成する工程である。
第2折曲領域折曲工程S1302は、集電体折曲部430により、第2折曲領域126を折り曲げる工程である。
以上の製造装置または製造方法によれば、電池の構成部材の間の接合強度を高めることができる。すなわち、第3表面領域121および第4表面領域123(すなわち、集電体100の一部の領域であり、かつ、第2折曲領域126により連結している2つの領域)に、それぞれ、第2対極層222と第2電極層231とを、形成することができる。これにより、第2対極層222の形成位置と第2電極層231の形成位置の位置関係を、第2折曲領域126により(言い換えれば、1つの構成部材である集電体100により)、強固に維持することができる。このため、集電体100に第2対極層222と第2電極層231とを形成する工程(または、その他の工程)において、第2対極層222および第2電極層231の形成位置がずれることを防止できる。さらに、例えば、集電体100を用いて積層型電池が構成される場合には、電池製造時において、電池を構成する3つの電池セル(素電池)を、集電体100により、互いに、連結することができる。このため、例えば、電池製造時における衝撃または振動などによって、電池を構成する各層(または、各素電池)が位置ずれまたは分離することを防止できる。これにより、電池製造時における歩留まりを向上させることができる。
また、以上の構成によれば、簡便な片面成膜のプロセスで、バイポーラ構造の電極を作製できる。すなわち、集電体100の片面(すなわち、第3表面領域121と第4表面領域123とが位置する集電体100の表面)に第2対極層222と第2電極層231とを形成する工程と、第2折曲領域126を折り曲げる工程とにより、第2対極層222と第2電極層231との2極を備えるバイポーラ集電体を作製することができる。これにより、集電体の両面に成膜するプロセスを用いる場合と比較して、簡便かつ低コストに、バイポーラ構造の電極を作製できる。
なお、実施の形態2においては、集電体100は、第3連結部分153と、第5表面領域131と、を有してもよい。
第3連結部分153は、第4表面領域123の隣に位置する領域である。
第5表面領域131は、第3連結部分153の隣に位置する領域である。
なお、実施の形態2における電池製造装置においては、対極層形成部420は、第5表面領域131に接して、第3対極層232を形成してもよい。
また、実施の形態2における電池製造装置においては、固体電解質層形成部440は、第2電極層231と第3対極層232とのうちの少なくとも一方の上に、第3固体電解質層233を形成してもよい。
また、集電体折曲部430は、第3連結部分153を折り曲げてもよい。
このとき、集電体折曲部430により集電体100が第3連結部分153において折り曲げられることで、第3固体電解質層233は、第2電極層231と第3対極層232との間に、配置されてもよい。
また、切断部450は、第3連結部分153を切断してもよい。
言い換えれば、図30に示されるように、実施の形態2における電池製造方法は、第3対極層形成工程S1203(=工程(b3))と、第3固体電解質層形成工程S1403(=工程(d3))と、第3連結部分折曲工程S1503(=工程(e3))と、第3連結部分切断工程S1603(=工程(f3))と、をさらに包含してもよい。
第3対極層形成工程S1203は、対極層形成部420により、第5表面領域131に接して、第3対極層232を形成する工程である。
第3固体電解質層形成工程S1403は、固体電解質層形成部440により、第2電極層231と第3対極層232とのうちの少なくとも一方の上に、第3固体電解質層233を形成する工程である。
第3連結部分折曲工程S1503は、集電体折曲部430により、第3連結部分153を折り曲げる工程である。第3連結部分折曲工程S1503は、第3固体電解質層形成工程S1403よりも後に、実行されてもよい。
第3連結部分折曲工程S1503において、集電体折曲部430により集電体100が第3連結部分153において折り曲げられることで、第3固体電解質層233は、第2電極層231と第3対極層232との間に、配置される。
第3連結部分切断工程S1603は、切断部450により、第3連結部分153を切断する工程である。第3連結部分切断工程S1603は、第3連結部分折曲工程S1503よりも後に、実行されてもよい。
以上の製造装置または製造方法によれば、第2電極層231と第3対極層232と第3固体電解質層233とにより、1つの固体電池セル(第3発電要素230)を構成することができる。これにより、第1集電体110および第2集電体120をそれぞれ介して第1発電要素210と第2発電要素220と第3発電要素230とが直列接続されて成る積層型電池を構成することができる。このとき、第2発電要素220(すなわち、第1電極層221と第2対極層222と第2固体電解質層223)と第3発電要素230(すなわち、第2電極層231と第3対極層232と第3固体電解質層233)とを、第2集電体120により、強固に連結することができる。これにより、例えば、電池製造時または電池使用時における衝撃または振動などによって、電池を構成する各電池セル(第2発電要素220と第3発電要素230)が位置ずれまたは分離することを防止できる。すなわち、電池を構成する各電池セル(第2発電要素220と第3発電要素230)の接合の強度を、第2集電体120により、高めることができる。これにより、第2発電要素220と第3発電要素230との直列接続により電池電圧を高めながら、電池の信頼性を向上させることができる。
図31は、第2折曲領域折曲工程S1302および第3連結部分折曲工程S1503の一例を示す図である。
第2折曲領域折曲工程S1302が実行されることにより、集電体折曲部430により、第2折曲領域126が折り曲げられる。集電体折曲部430は、例えば、折曲用部材626(例えば、ロッド部材、ワイヤ部材、など)を備えてもよい。このとき、集電体折曲部430は、第2折曲領域126に折曲用部材626を当てて、集電体100と折曲用部材626とのうちの少なくとも一方を移動させることで、第2折曲領域126を折り曲げてもよい。
第2折曲領域折曲工程S1302において、第2折曲領域126が折り曲げられることで、上述の実施の形態1において示された第2折曲部分125が形成される。
第3連結部分折曲工程S1503が実行されることにより、集電体折曲部430により、第3連結部分153が折り曲げられる。集電体折曲部430は、例えば、折曲用部材653(例えば、ロッド部材、ワイヤ部材、など)を備えてもよい。このとき、集電体折曲部430は、第3連結部分153に折曲用部材653を当てて、集電体100と折曲用部材653とのうちの少なくとも一方を移動させることで、第3連結部分153を折り曲げてもよい。
なお、第2折曲領域折曲工程S1302は、第1折曲領域折曲工程S1301および第1連結部分折曲工程S1501および第2連結部分折曲工程S1502よりも、前に実行されてもよいし、後に実行されてもよい。
また、第3連結部分折曲工程S1503は、第2折曲領域折曲工程S1302よりも、前に実行されてもよいし、後に実行されてもよい。
もしくは、図31に示されるように、第1折曲領域折曲工程S1301と第2折曲領域折曲工程S1302と第1連結部分折曲工程S1501と第2連結部分折曲工程S1502と第3連結部分折曲工程S1503とは、同時に実行されてもよい。
なお、第3固体電解質層形成工程S1403においては、図31に示されるように、第3固体電解質層233は、第2電極層231および第3対極層232よりも広い範囲に形成されてもよい。これにより、第2集電体120と第3集電体130とに接して、第3固体電解質層233を配置することができる。
図32は、第3連結部分切断工程S1603の一例を示す図である。
第3連結部分切断工程S1603が実行されることにより、切断部450により、第3連結部分153が切断される。切断部450は、例えば、切断用部材(例えば、カッター、ダイパンチ装置、など)により、第3連結部分153を、切断してもよい。もしくは、切断部450は、例えば、化学的な反応などにより第3連結部分153の一部を除去する方法で、第3連結部分153を切断してもよい。第3連結部分153が切断されることで、第2電極層231と第3対極層232との短絡状態が解除される。これにより、第3発電要素230の単位電池としての充放電が可能となる。
なお、第3連結部分切断工程S1603は、第1連結部分切断工程S1601および第2連結部分切断工程S1602よりも、前に実行されてもよいし、後に実行されてもよい。
もしくは、図32に示されるように、第1連結部分切断工程S1601と第2連結部分切断工程S1602と第3連結部分切断工程S1603とは、同時に実行されてもよい(例えば、図32に示されるC3の位置が切断されてもよい)。
第1連結部分切断工程S1601と第2連結部分切断工程S1602と第3連結部分切断工程S1603とが実行されることにより、集電体100は、上述の実施の形態1において示された外側集電体140と第1集電体110と第2集電体120と第3集電体130になる。
以上の実施の形態2における電池製造方法の具体的な一例によれば、上述の実施の形態1における電池1400を作製することができる。
なお、実施の形態2においては、接着部分形成部460は、第3裏面領域122と第4裏面領域124とのうちの少なくとも一方に接して、第2接着部分320を形成してもよい。
第2接着部分320は、第3裏面領域122と第4裏面領域124とを接着する部分である。
図33は、実施の形態2における電池製造方法の一例を示すフローチャートである。
図33に示される電池製造方法は、上述の図30に示される電池製造方法の工程に加えて、下記の工程をさらに備える。
すなわち、図33に示される電池製造方法は、第1接着部分形成工程S1701(=工程(g1))と第2接着部分形成工程S1702(=工程(g2))とを、さらに包含する。
第2接着部分形成工程S1702は、接着部分形成部460により、第3裏面領域122と第4裏面領域124とのうちの少なくとも一方に接して、第2接着部分320を形成する工程である。
以上の製造装置または製造方法によれば、電池の構成部材の間の接合強度を、より高めることができる。すなわち、第3表面領域121に配置される第2対極層222と第4表面領域123に配置される第2電極層231との位置関係を、第2折曲領域126(すなわち、第2折曲部分125)に加えて、第2接着部分320により、より強固に維持することができる。これにより、例えば、電池製造時または電池使用時における衝撃または振動などによって、電池を構成する各層(または、各素電池)が位置ずれまたは分離することを防止できる。これにより、電池の信頼性を向上させることができる。
なお、第2接着部分形成工程S1702は、第1接着部分形成工程S1701よりも、前に実行されてもよいし、後に実行されてもよい。
また、第2接着部分形成工程S1702は、第2折曲領域折曲工程S1302よりも、前に実行されてもよい。
もしくは、第2接着部分形成工程S1702は、第2折曲領域折曲工程S1302よりも、後に実行されてもよい。このとき、第2接着部分形成工程S1702は、接着部分形成部460により、第3裏面領域122と第4裏面領域124との間の隙間に接着材料を注入することで、第2接着部分320を形成する工程であってもよい。
以上の電池製造方法によれば、上述の実施の形態1における電池1500を作製することができる。
なお、実施の形態2においては、電極層形成部410と対極層形成部420と固体電解質層形成部440と接着部分形成部460は、それぞれ、例えば、塗工材料(例えば、電極材料、対極材料、固体電解質材料、接着材料、など)を吐出する吐出機構(例えば、吐出口)、吐出機構に塗工材料を供給する供給機構(例えば、タンクおよび供給管)、塗工対象などを移動させる移動機構(例えば、ローラー)、加圧圧迫するプレス機構(例えば、プレス台およびシリンダ)、など、を備えてもよい。これらの機構については、一般に公知の装置および部材が、適宜、用いられうる。
また、実施の形態2においては、集電体折曲部430は、例えば、折曲対象を折り曲げる折曲機構(例えば、ロッド部材、ワイヤ部材、など)、折曲対象などを移動させる移動機構(例えば、ローラー)、など、を備えてもよい。これらの機構については、一般に公知の装置および部材が、適宜、用いられうる。
また、実施の形態2においては、切断部450は、例えば、切断対象を切断する切断機構(例えば、カッター、ダイパンチ装置、など)、切断対象などを移動させる移動機構(例えば、ローラー)、など、を備えてもよい。これらの機構については、一般に公知の装置および部材が、適宜、用いられうる。
また、実施の形態2における電池製造装置は、制御部500を、さらに備えてもよい。制御部500は、電極層形成部410と対極層形成部420と集電体折曲部430と固体電解質層形成部440と切断部450と接着部分形成部460との動作を制御する。
制御部500は、例えば、プロセッサとメモリとにより、構成されてもよい。当該プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro-Processing Unit)などであってもよい。このとき、当該プロセッサは、メモリに記憶されているプログラムを読み出して実行することで、本開示で示される制御方法(電池製造方法)を実行してもよい。
なお、実施の形態2における電池製造方法においては、電極層と対極層と固体電解質層とは、塗工工法だけでなく、他の工法(例えば、順次積層、貼り合わせ、転写、など)、または、塗工工法と他の工法との組合せ工法、などにより、形成されてもよい。
また、実施の形態2における電池製造方法においては、折曲工程の後などにおいて、プレス機などにより、各発電要素を加圧プレスしてもよい。これにより、高充填密度化および密着性の強化が実現できる。すなわち、各層の積層方向において、加圧圧迫することにより、各層が緻密となり、かつ、互いに良好な接合状態とすることができる。