JP7007526B1 - 印刷インキ - Google Patents

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Abstract

染料を金属、特に2価以上の金属を使用しない環境に優しい方法でレーキ化し、色調の選択性に優れた変性顔料を含有する印刷インキを提供する。本発明の印刷インキは、変性顔料と、樹脂とを含む印刷インキであって、前記変性顔料が、酸性基及び塩基性基の少なくともいずれかの基を有する染料を、アミノ酸及びタンパク質の少なくとも一つによってレーキ化されている。

Description

本発明は、印刷インキに関する。
近年、地球環境・生態系・社会経済等に配慮し、持続的に発展すべき(サステナビリティ)循環型社会の構築を求める声が高まっている。印刷業界においても化石資源からの脱却が望まれており、例えば地球環境や生体系及び安全性等への配慮から印刷用インキ製造におけるノントルエン化の推進が行われている。また、カーボンニュートラルの観点から、印刷用インキの製造における原燃料をバイオマス由来の化学品に置き換える関心が高まっており、印刷インキに含有される溶剤及び樹脂をバイオマス原料から製造する研究が活発に行われている。
印刷インキの色材として用いられる顔料としては、発色性と耐光性に優れることから、金属イオンを用いて染料をレーキしたレーキ顔料が広く用いられている。
金属イオンを用いて染料をレーキする方法は、製造時や精製時の排水中に金属イオンが排出されてしまうことから、金属イオン、特に2価以上の金属イオンを除去するための別途の排水処理工程等を要する。この別途の排水処理工程等により地球環境・生態系等への影響は低減されていると考えられている。
しかしながら、地球環境・生態系に配慮した製品に対する近年の消費者意識の高まりから、レーキ顔料を含有する印刷インキにおいても環境への影響を与える可能性がより低い方法で製造することが求められている。すなわち、金属イオン、特に2価以上の金属イオンの排出を確実に防止できる、金属イオンを用いずに製造されたレーキ顔料を含有する印刷インキの開発が望まれてきた。
金属イオンを用いずに製造されたレーキ顔料を含有するインキとしては、例えば藻類をそのまま用いた顔料等の、生体由来顔料を含有するインキ等が報告されている(特許文献1参照)。
米国特許出願公開第2015/0240093号明細書
しかしながら、特許文献1に示すインキは、金属イオンを用いずに製造された生体由来顔料を含有しているため環境負荷の少ないインキであるものの、藻類をそのまま培養してなるインキであるため、色調の選択性に乏しいという課題があった。また、特許文献1に示す印刷インキは、インキとしての性能が現在の汎用インキとは大きく異なるため、製品用途や製品製造方法に限界があり未だ広く普及するには至っていない。
さらに、従来の生体由来顔料は、例えば酵素反応処理や遺伝子操作等の煩雑な製造工程をするため未だ広く普及するには至っていない。
そこで本発明は、染料を金属、特に2価以上の金属を使用しない環境に優しい方法でレーキ化し、色調の選択性に優れた変性顔料を含有する印刷インキを提供することを目的とする。
本発明者らが上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、酸性基及び塩基性基の少なくともいずれかの基を有する染料が、アミノ酸及びタンパク質の少なくとも1つによってレーキ化されてなる変性顔料と樹脂とを含有する印刷インキであれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕変性顔料と、樹脂とを含む印刷インキであって、
前記変性顔料が、酸性基及び塩基性基の少なくともいずれかの基を有する染料を、アミノ酸及びタンパク質の少なくとも一つによってレーキ化されている、印刷インキ。
〔2〕前記染料は、2つ以上の前記酸性基を有する、前記[1]に記載の印刷インキ。
〔3〕前記染料における前記酸性基が、スルホ基、カルボキシ基、又はそれらの塩を含む、前記[1]又は[2]に記載の印刷インキ。
〔4〕前記染料は、2つ以上の前記塩基性基を有する、前記[1]~[3]の何れかに記載の印刷インキ。
〔5〕前記染料における前記塩基性基が、アミノ基又はその塩を含む、前記[1]~[4]の何れかに記載の印刷インキ。
〔6〕前記変性顔料の平均一次粒径が1nm~100μmである、前記[1]~[5]の何れかに記載の印刷インキ。
〔7〕植物油を含む前記[1]~[6]の何れかに記載の印刷インキ。
〔8〕平版オフセット印刷インキ用の前記[1]~[7]の何れかに記載の印刷インキであって、
前記樹脂が、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、石油樹脂変性ロジン変性フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ロジンエステル、植物油変性ロジン変性フェノール樹脂、植物油変性ロジンエステル、ポリエステル及びアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む、印刷インキ。
〔9〕有機溶剤型リキッド印刷インキ用の前記[1]~[7]の何れかに記載の印刷インキであって、
前記樹脂が、ポリウレタン系樹脂、セルロース誘導体、ポリアミド樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル-アクリル共重合樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン-マレイン酸共重合樹脂、ダンマル樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、変性ポリオレフィン樹脂、ケトン樹脂及び環化ゴムからなる群より選択される少なくとも1種を含む、印刷インキ。
〔10〕水性リキッド印刷インキ用の前記[1]~[7]の何れかに記載の印刷インキであって、
前記樹脂が、ポリウレタン系樹脂、アクリル樹脂、セルロース誘導体、アクリル酸エステル系重合体エマルジョン及びポリエステル系ウレタンディスパージョンからなる群から選択される少なくとも1種を含む、印刷インキ。
本発明によれば、染料を金属、特に2価以上の金属を使用しない環境に優しい方法でレーキ化し、色調の選択性に優れた変性顔料を含有する印刷インキを提供することができる。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、例えば「1~100」との数値範囲の表記は、その下限値「1」及び上限値「100」の双方を包含する。
また、「(メタ)アクリル」の記載は、アクリルとメタクリルの両方を示す。
本発明の印刷インキは、酸性基及び塩基性基の少なくともいずれかの基を有する染料を、アミノ酸及びタンパク質の少なくとも一つによってレーキ化されてなる変性顔料と樹脂とを含有する。本明細書においてレーキ化とは、水溶性の染料を特定の処理によって水に不溶性の顔料とすることをいう。
以下において、まず本発明の印刷インキの原料である変性顔料及び樹脂について詳細に説明し、さらに印刷インキについて説明する。
(変性顔料)
本実施形態に係る変性顔料は、酸性基及び塩基性基の少なくともいずれかの基を有する染料が、アミノ酸及びタンパク質の少なくとも1つによってレーキ化されてなることを特徴とする。ここで顔料とは、着色時における色素の状態が粒子の状態をいう。
(染料)
変性顔料の原料として用いられる染料は水溶性の染料である。染料としては酸性基及び塩基性基の少なくともいずれかの基を有する染料であれば特に限定されず、公知の染料を用いることができる。
本実施形態に係る染料は、酸性基を有する染料、あるいは塩基性基を有する染料であるが、酸性基と塩基性基の両方の基を有する染料であってもよい。
以下、酸性基を有する染料と塩基性基を有する染料とに分けて詳しく説明する。
<酸性基を有する染料>
酸性基とは、水に溶解した際にプロトンを放出する基と定義される基であり、この定義を満足する基であれば特に制限はない。酸性基としては、例えばスルホ基、カルボキシ基、フェノール性ヒドロキシ基、ホスホン基、又はそれらの塩等が挙げられる。これらの中でも、レーキ化の反応時間が短時間でも不溶性の顔料を得ることができるため、酸性基としては、スルホ基、カルボキシ基、又はそれらの塩が好ましい。
酸性基を有する染料としては、特に限定されるものではないが、例えばメチン系染料;単環系アントラキノン系染料、多環系アントラキノン系染料等のアントラキノン系染料;ベンゼンアゾ系(モノアゾ、ジスアゾ)染料、複素環アゾ系(チアゾールアゾ、ベンゾチアゾールアゾ、ピリドンアゾ、ピラゾロンアゾ、チオフェンアゾ等)染料、ナフタレンアゾ系染料等のアゾ系染料;キサンテン系染料;スチルベン系染料;トリアリールメタン系染料;フタロシアニン系染料;ジフェニルメタン系染料;トリフェニルメタン系染料;キノフタロン系染料等であって、酸性基を有する染料が挙げられる。これらの中でも、酸性基を有する染料としては、アントラキノン系染料、アゾ系染料料又はトリフェニルメタン系染料であって、酸性基を有する染料が好ましい。
染料が有する酸性基の数は、1つ以上であればよい。なかでも、2つ以上が好ましく、3つ以上がより好ましい。酸性基の数が多いほど、変性顔料の不溶性が高まる傾向にあるため、好ましい。染料が有する酸性基の数の上限としては、通常4つであるが、5つ以上の酸性基を排除しない。
したがって、酸性基を有する染料は、特に限定されるものではないが、アントラキノン系染料、アゾ系染料又はトリフェニルメタン系染料であって、スルホ基又はカルボキシ基の少なくともいずれかの基を2つ以上有する染料が特に好ましい。
染料の色調としては特に限定されず、赤色、黄色、青色等、いずれの色調の染料でもよく、また、これらを適宜混合した染料でもよい。本実施形態に係る変性顔料は、染料のレーキ後であっても染料と同系統の色調を維持することができることから産業上の利用可能性に優れ、製造上好ましい。特に、本実施形態に係る変性顔料は、レーキ前に染料を混合することによって色調製を行い、得られた混合染料を一括でレーキ化処理することが可能である。この場合、目的の色調を有する変性顔料を一括で製造することが可能であることから、製造上非常に好ましい。
赤色染料としては、例えばC.I.Acid Red 1、4、8、9、10、13、14、18、26、27、35、37、50、51、52、54、57、60、73、87、88、92、94、97、101、111、114、119、127、128、131、138、151、154、182、183、184、186、195、211、213、215、219、249、251、254、256、257、260、265、266、299、315、336、337、357、359、361、362、374、405、414、418、419、425、426、430、432、447等が挙げられる。これらの中でも、赤色染料としては、C.I.Acid Red 13、14、18、27、50、52が好ましい。また、上記以外においても、赤色染料としては、Allura Red AC、Gallion、C.I.Food Red 6、Mordant Red 9、Direct Red 2、37を好適に用いることができる。
黄色染料としては、例えばC.I.Acid Yellow 3、9、11、17、19、23、25、36、42、44、49、59、61、72、73、76、79、99、110、116、117、127、128、129、137、151、158:1、159、184、194、199、204、216、219、220、230、232、235、241、242、246、250、252等が挙げられる。これらの中でも、黄色染料としては、C.I.Acid Yellow 3、17、23が好ましい。また、上記以外においても、黄色染料としては、C.I.Food Yellow 3、Direct Yellow 4、9、12を好適に用いることができる。
青色染料としては、例えばC.I.Acid Blue 1、3、7、9、15、25、29、40、41、45、47、62、74、78、80、83、86、90、92、93、100、113、116、120、127、129、138、140、142、145、147、158、171、182、185、193、221、225、230、249、260、264、277、280、281、284、317、324、335、350等が挙げられる。これらの中でも、青色染料としては、C.I.Acid Blue 3、9、74、83、90、92、249が好ましい。また、上記以外においても、青色染料としては、Mordant Blue 13、フタロシアニン銅テトラスルホン酸Na、ソルベントブルー38、Direct Blue 2、15、71、86を好適に用いることができる。
緑色染料としては、例えばC.I.Acid Green 1、5、9、12、16、20、25、27、28、41、43、50、68、68:1、73、80、104、111、114等が挙げられる。これらの中でも、緑色染料としては、C.I.Acid Green 1、5、25が好ましい。また、上記以外においても、緑色染料としては、Mordant Green 17、C.I.Food Green 3、フタロシアニン鉄テトラスルホン酸Naを好適に用いることができる。
赤味を有する黄色(橙色)染料としては、例えばC.I.Acid Orange 3、7、8、10、24、33、51、56、60、67、74、80、86、88、94、95、107、116、142、144、154、156等が挙げられる。これらの中でも、赤味を有する黄色(橙色)染料としては、C.I.Acid Orange 10が好ましい。また、上記以外においても、赤味を有する黄色(橙色)染料としては、C.I.Food Yellow 3、Direct Orange 25を好適に用いることができる。
紫色染料としては、例えばC.I.Acid Violet 1、3、7、12、14、17、19、43、48、49、54、58、68、90、97等が挙げられる。これらの中でも、紫色染料としては、C.I.Acid Violet 49が好ましい。また、上記以外においても、紫色染料としては、β-ナフトールバイオレット、ポンタシルバイオレット6Rを好適に用いることができる。
茶色染料としては、例えばC.I.Acid Brown 2、4、14、15、21、28、37、48、52、58、70、78、83、85、88、97、98、100、106、112、113、121、127、160、161、165、188、189、191、213、214、235、282、283、289、298、314、324、332、348、349、354、355、357、365、384、402、425、434、452等が挙げられる。
黒色染料としては、例えばC.I.Acid Black 1、2、24、26、52、60、63、71、84、107、132、164、168、170、172、194、207、210、234、235、243、ATT等が挙げられる。これらの中でも、C.I.Acid Black 1が好ましい。また、上記以外においても、黒色染料としては、Direct Black 38、80を好適に用いることができる。また、上記以外においても、黒色染料としては、Mordant Black 3、11、17、38、Direct Black 38、ブリリアントブラックPNを好適に用いることができる。
<塩基性基を有する染料>
塩基性基とは、電子対を供与する基と定義される基であり、この定義を満足する基であれば特に制限はない。塩基性基としては、例えばアミノ基、及びその塩等が挙げられる。アミノ基としては、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、及びこれらの組み合わせのいずれであってもよい。さらに塩基性基としては、例えばウレタン結合やアミド結合等を有する窒素含有の官能基等が挙げられる。これらの中でも、塩基性基としては、アミノ基又はその塩が好ましい。
塩基性基を有する染料としては、特に限定されるものではないが、例えばポリメチン系染料、アゾメチン系染料等のメチン系染料;単環系アントラキノン系染料、多環系アントラキノン系染料等のアントラキノン系染料;ベンゼンアゾ系(モノアゾ、ジスアゾ)染料、複素環アゾ系(チアゾールアゾ、ベンゾチアゾールアゾ、ピリドンアゾ、ピラゾロンアゾ、チオフェンアゾ等)染料、ナフタレンアゾ系染料等のアゾ系染料;キサンテン系染料;スチルベン系染料;アジン系染料;オキサジン系染料;ジアリールメタン系染料;トリアリールメタン系染料;フタロシアニン系染料;ジフェニルメタン系染料;トリフェニルメタン系染料;キノフタロン系染料;キノンイミン系染料等であって、塩基性基を有する染料が挙げられる。これらの中でも、塩基性基を有する染料としては、メチン系染料、アゾ系染料、キサンテン系染料又はトリフェニルメタン系染料であって、塩基性基を有する染料が好ましい。
染料が有する塩基性基の数は、1つ以上であればよい。なかでも、染料が有する塩基性基の数は、2つ以上であれば変性顔料の不溶性が高まる傾向にあり、実用上好ましい。染料が有する塩基性基の数の上限としては、通常9つであるが、10個以上の塩基性基を排除しない。
したがって、塩基性基を有する染料は、特に限定されるものではないが、メチン系染料、アゾ系染料、キサンテン系染料又はトリフェニルメタン系染料であって、2つ以上のアミノ基を有する染料が特に好ましい。
染料の色調としては特に限定されず、赤色、黄色、青色等、いずれの色調の染料でもよく、また、これらを適宜混合した染料でもよい。本実施形態に係る変性顔料は、染料のレーキ後であっても染料と同系統の色調を維持することができることから産業上の利用可能性に優れ、製造上好ましい。特に、本実施形態に係る変性顔料は、レーキ前に染料を混合することによって色調製を行い、得られた混合染料を一括でレーキ化処理することが可能である。この場合、目的の色調を有する変性顔料を一括で製造することが可能であることから、製造上非常に好ましい。
赤色染料としては、例えばC.I.Basic Red 1、1:1、2、5、7、9、12、13、14、15、18、18:1、22、29、46、49、51、54等が挙げられる。これらの中でも、赤色染料としては、C.I.Basic Red 2、9が好ましい。
黄色染料としては、例えばC.I.Basic Yellow 1、2、7、11、13、19、21、24、25、28、29、40、51、62、87、96等が挙げられる。
青色染料としては、例えばC.I.Basic Blue 1、3、7、9、11、12、17、20、22、24、26、41、41:1、52、53、54、57、119、159、162等が挙げられる。
緑色染料としては、例えばC.I.Basic Green 1、4等が挙げられる。
赤味を有する黄色(橙色)染料としては、例えばC.I.Basic Orange 1、2、14、21、22、30等が挙げられる。
紫色染料としては、例えばC.I.Basic Violet 1、2、3、4、7、8、10、14、16、53等が挙げられる。
茶色染料としては、例えばC.I.Basic Brown 1、4等が挙げられる。
黒色染料としては、例えばC.I.Basic Black 1、2、3、7等が挙げられる。
(アミノ酸)
本発明に用いられるアミノ酸としては、酸性アミノ酸、中性アミノ酸又は塩基性アミノ酸のいずれも用いることができる。使用できるアミノ酸としては、例えばグリシン、α-アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、リジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、システイン、シスチン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、トリプトファン、ヒスチジン、β-アラニン、ε-アミノカプロン酸、ザルコシン、DL-ピログルタミン酸等が挙げられる。
これらの中でも、染料が酸性基を有する染料である場合、レーキ化の反応時間が短時間でも不溶性の変性顔料を得ることができるため、アミノ酸は塩基性アミノ酸が好ましく、なかでもアルギニン、ヒスチジン又はリジンが好ましい。
一方、染料が塩基性基を有する染料である場合、レーキ化の反応時間が短時間でも不溶性の変性顔料を得ることができるため、アミノ酸は酸性アミノ酸が好ましく、なかでもグルタミン酸又はアスパラギン酸が好ましい。
なお、本発明に用いられるアミノ酸としては、タンパク質を分解して得られるアミノ酸であってもよく、合成して得られるアミノ酸であってもよい。また、本発明に用いられるアミノ酸としては、遊離のアミノ酸又はアミノ酸誘導体ならびにそれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、塩酸塩等の塩であってもよい。アミノ酸誘導体としては、特に限定されるものではないが、例えば、ヒスチジンメチルエステル、N-γ-ニトロアルギニン、S-アリルシステイン、S-メチルシステイン、タウリン、シクロロイシン、2-メチルアラニン、ペニシラミン等が挙げられる。
また、アミノ酸はタンパク質と比較して、より少ない量でより多くの染料をレーキ化することができる。高いレーキ化効率を示すという点で、アミノ酸の方がタンパク質より好ましい。
(タンパク質)
本実施形態に係るタンパク質は、アミノ酸が二つ以上結合したポリアミノ酸であればよく、いわゆるペプチドであっても高分子タンパク質であってもよい。タンパク質を構成するアミノ酸としては、上述したアミノ酸が含まれていればよい。
つまり、例えば、染料が酸性基を有する染料である場合、用いられるタンパク質を構成するアミノ酸は複数種で構成されていてもよいし、ポリリジン、ポリアルギニン、ポリグルタミン酸等のように単一アミノ酸で構成されていてもよい。本実施形態に係るタンパク質は、酸性基を有する染料との反応性の観点からは、塩基性アミノ酸を含むのが好ましい。
一方、染料が塩基性基を有する染料である場合、用いられるタンパク質を構成するアミノ酸は複数種で構成されていてもよいし、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸等のように単一アミノ酸で構成されていてもよい。本実施形態に係るタンパク質は、塩基性基を有する染料との反応性の観点からは、酸性アミノ酸を含むのが好ましい。
また、本実施形態に係るタンパク質は、立体構造を有していても鎖状であってもよい。また、本実施形態に係るタンパク質は、天然由来のタンパク質であってもよいし、合成して得られるタンパク質であってもよい。特に限定されるものではないが、再生可能な資源であり環境に優しいことからサステナブルな変性顔料を得ることができるため、本実施形態に係るタンパク質は、天然由来のタンパク質も用いるのが好ましい。
さらに、本実施形態に係るタンパク質は、タンパク質のみを含む純物質であってもよいし、発明の効果を損ねない範囲であればタンパク質以外の不純物と共存していてもよい。例えば天然由来のタンパク質を本実施形態に係るタンパク質として用いる場合、タンパク質以外に、脂質、糖質、灰分、ビタミン、核酸等の他の成分も存在していてもよい。
本実施形態に係るタンパク質のうち、天然由来のタンパク質としては、例えば植物由来のタンパク質、動物由来のタンパク質、微生物由来のタンパク質等が挙げられる。
植物由来のタンパク質としては、例えば大豆タンパク質、エンドウタンパク質、小麦グルテン、オーツ麦タンパク質、緑豆タンパク質、落花生タンパク質、レンズ豆タンパク質、トウモロコシタンパク質、サトウキビタンパク質、スピルリナやクロレラ、ワカメや昆布等の海藻といった藻類由来のタンパク質等が挙げられる。
動物由来のタンパク質としては、例えば卵タンパク質、ホエー、カゼイン等の乳タンパク質、コラーゲン、ゼラチン、家畜及び魚介肉タンパク質、羊毛・絹・獣毛といった毛タンパク質等が挙げられる。
微生物由来のタンパク質としては、例えば酵母・大腸菌・麹由来のタンパク質等が挙げられる。
本実施形態に係るタンパク質は、上記以外にも、豆腐、分離大豆タンパク質等を産生する場合に副生されるおからや脱脂大豆粉末、上記を産業利用した後に排出されるトウモロコシ由来のコーンコブやサトウキビ由来のバガス等も用いることができる。
(変性顔料の製造方法)
本実施形態に係る変性顔料は、上記染料と、上記アミノ酸及びタンパク質の少なくとも1つとを、触媒存在下で反応させ、染料をレーキ化することによって得られる。
レーキ化の方法としては、触媒存在下で染料とアミノ酸及びタンパク質の少なくとも1つとを接触させればよい。触媒としては、染料とアミノ酸及びタンパク質の少なくとも1つとが反応できる触媒であればよい。
例えば、染料が酸性基を有する染料である場合、用いられる触媒は酸触媒であることが好ましい。酸触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等が挙げられ、これらの混酸も用いることができる。これらの中でも、レーキ化の反応時間が短時間でも不溶性の変性顔料を得ることができるため、塩酸が好ましい。
例えば、染料が塩基性基を有する染料である場合、用いられる触媒は均一系触媒であることが好ましい。均一系触媒としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、フルオロ硫酸、酢酸、水、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム十水和物、トリエチルアミン等が挙げられ、これらを混合して用いることができる。これらの中でも、レーキ化の反応時間が短時間でも不溶性の変性顔料を得ることができるため、均一系触媒としては、均一系にしたときの雰囲気がpH5以上を呈する触媒が好ましい。上記均一系触媒は、具体的には、例えば水、炭酸水素ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム十水和物等が挙げられ、これらの中でも、取り扱いが容易であり、環境への負荷も小さいため、水が特に好ましい。
アミノ酸及びタンパク質の少なくとも1つと、染料との質量比としては、通常1:0.001~1:100である。なかでも、アミノ酸及びタンパク質の少なくとも1つの質量を1とした場合、染料の質量比は、得られる変性顔料の発色力の観点からは、好ましくは0.005以上であり、より好ましくは0.01以上であり、さらに好ましくは0.02以上であり、特に好ましくは0.05以上であり、著しく好ましく0.1以上である。また、より環境にやさしい変性顔料を得る観点からは、上記質量比は、好ましくは10以下であり、より好ましくは5以下であり、さらに好ましくは3以下であり、特に好ましくは1以下であり、著しく好ましくは0.5以下である。したがって、アミノ酸及びタンパク質の少なくとも1つと、染料との質量比としては、1:0.005~1:10が好ましく、1:0.01~1:5がより好ましく、1:0.02~1:3がさらに好ましく、1:0.05~1:1が特に好ましく、1:0.1~1:0.5が著しく好ましい。なお、アミノ酸及びタンパク質の少なくとも1つの質量とは、アミノ酸単独の質量、タンパク質単独の質量、又はアミノ酸とタンパク質との合計質量を含む質量である。
なかでも、アミノ酸と染料との質量比としては、1:0.05~1:3がより好ましく、1:0.05~1:2がさらに好ましく、1:0.05~1:1が特に好ましい。
また、タンパク質と染料との質量比としては、1:0.01~1:1がより好ましく、1:0.02~1:0.5がさらに好ましく、1:0.02~1:0.2が特に好ましい。
触媒量は、例えば、酸性基を有する染料に対し酸触媒を用いる場合、反応に使用する酸触媒の種類や規定度、製造条件等によって変わるため一義的に決めることはできないが、染料とアミノ酸及びタンパク質の少なくとも1つと、酸触媒との質量比としては、通常1:0.001~1:1000である。なかでも、染料とアミノ酸及びタンパク質の少なくとも1つの質量を1とした場合、酸触媒の質量比は、安定して不溶性の変性顔料を得る観点からは、好ましくは0.01以上であり、より好ましくは0.5以上であり、さらに好ましくは0.1以上である。また、使用する触媒量を抑える観点からは、上記質量比は、好ましくは100以下、より好ましくは50以下、さらに好ましくは10以下である。したがって、染料とアミノ酸及びタンパク質の少なくとも1つと、酸触媒との質量比としては、1:0.01~1:100が好ましく、1:0.5~1:50がより好ましく、1:0.1~1:10がさらに好ましい。
触媒量は、例えば、塩基性基を有する染料に対し均一系触媒を用いる場合、反応に使用する均一系触媒の種類や製造条件等によって変わるため一義的に決めることはできないが、染料とアミノ酸及びタンパク質の少なくとも1つと、均一系触媒との質量比としては、通常1:0.01~1:1000である。なかでも、染料とアミノ酸及びタンパク質の少なくとも1つの質量を1とした場合、均一系触媒の質量比は、安定して不溶性の変性顔料を得る観点からは、好ましくは0.1以上であり、より好ましくは0.2以上であり、さらに好ましくは0.5以上である。また、使用する触媒量を抑える観点からは、上記質量比は、好ましくは500以下、より好ましくは100以下、さらに好ましくは50以下、特に好ましくは30以下である。したがって、染料とアミノ酸及びタンパク質の少なくとも1つと、均一系触媒との質量比としては、1:0.1~1:500が好ましく、1:0.1~1:10がより好ましく、1:0.2~1:50がさらに好ましく、1:0.5~1:30が特に好ましい。
使用する酸触媒の規定度は、本発明の変性顔料が得られるのであれば特に限定されるものではないが、好ましくは0.001~50、より好ましくは0.01~12、さらに好ましくは0.1~6、特に好ましくは0.1~3、著しく好ましくは0.1~1である。
触媒下で反応を行う際、分散媒を用いてもよい。分散媒としては、各種溶剤を用いることができる。
なかでも、酸性基を有する染料に対し酸触媒を用いる場合、用いられる分散媒は水性溶剤が好ましい。水性溶剤としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、グリセリン等のアルコール類、酢酸等が挙げられる。
また、塩基性基を有する染料に対し均一系触媒を用いる場合、用いられる分散媒は水性有機溶剤が好ましい。水性有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、グリセリン、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類、アセトン等のケトン類、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキソラン等の環状エーテル類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げられ、これらを混合して用いることができる。
酸性基を有する染料に対し酸触媒を用い、水性溶剤の分散媒を用いる場合、染料とアミノ酸及びタンパク質の少なくとも1つと、分散媒との質量比としては、通常1:0.5~1:1000である。
なかでも、アミノ酸及びタンパク質の少なくとも1つの質量を1とした場合、水性溶剤の分散媒の質量比は、染料とアミノ酸及びタンパク質の少なくとも1つとの混合がより均質となりやすい観点からは、好ましくは1以上であり、より好ましくは10以上であり、さらに好ましくは50以上である。また、使用する分散媒量を抑える観点からは、上記質量比は、好ましくは500以下であり、より好ましくは300以下であり、さらに好ましくは200以下である。したがって、アミノ酸及びタンパク質の少なくとも1つと、水性溶剤の分散媒との質量比としては、1:1~1:500が好ましく、1:10~1:300がより好ましく、1:50~1:200がさらに好ましい。
塩基性基を有する染料に対し均一系触媒を用い、水性有機溶剤の分散媒を用いる場合、染料とアミノ酸及びタンパク質の少なくとも1つと、分散媒との質量比としては、通常1:0.5~1:1000である。
なかでも、アミノ酸及びタンパク質の少なくとも1つの質量を1とした場合、水性有機溶剤の分散媒の質量比は、染料とアミノ酸及びタンパク質の少なくとも1つとの混合がより均質となりやすい観点からは、好ましくは1以上であり、より好ましくは2以上であり、さらに好ましくは5以上である。また、使用する分散媒量を抑える観点からは、上記質量比は、好ましくは500以下であり、より好ましくは100以下であり、さらに好ましくは50以下である。したがって、アミノ酸及びタンパク質の少なくとも1つと、水性有機溶剤の分散媒との質量比としては、1:1~1:500が好ましく、1:2~1:100がより好ましく、1:5~1:50がさらに好ましい。
レーキ化の反応温度は特に限定されない。タンパク質を変性させたくない場合は、80℃以下で反応させることが好ましい。
レーキ化の反応時間は、反応時間が短時間であると、レーキ化反応が不十分となり、後処理の際に染料とアミノ酸及び/又はタンパク質とに解離してしまう場合がある。このため十分な反応時間が好ましい。レーキ化の反応時間は、特に限定されるものではないが、通常1分~30時間であり、生産効率の観点から5分~10時間であることが好ましい。
上記で説明したように、レーキ化の方法は、染料とアミノ酸及びタンパク質の少なくとも1つとを触媒存在下で接触させればよい。例えば、染料とアミノ酸及びタンパク質の少なくとも1つとを順不同で溶媒に逐次投入して接触させてもよいし、染料の溶液とアミノ酸及びタンパク質の少なくとも1つを含む溶液とを混合して接触させてもよい。なお、レーキ化反応時に加えられる触媒の添加方法は、レーキ化反応を制御する観点からは、アミノ酸及びタンパク質の少なくとも1つを含む溶液に触媒を加えた後、染料の溶液を加える方法が好ましい。
上記に説明したレーキ化により不溶性のレーキ化合物が析出するので、これを公知の方法により固液分離し、必要に応じて洗浄する。固液分離の方法としては、例えば吸引ろ過、加圧ろ過、フィルタープレス、スプレードライ、デカンテーション、遠心分離等が挙げられる。洗浄溶液としては、例えば水やアルコールのような親水性溶媒等が挙げられる。
染料が酸性基を有する染料である場合、洗浄溶液としては、水やメタノール等が挙げられるが、なかでもメタノールが好ましい。また、染料が塩基性基を有する染料である場合、洗浄溶液としては、水が好ましい。
未反応で残留する原料がある場合、未反応の原料はこの洗浄処理によって除去される。そして、固液分離後又は洗浄後の粉体を、公知の方法により乾燥することによって、変性顔料が得られる。
得られた変性顔料の平均一次粒径は、特に限定されるものではないが、通常0.5nm~1000μmである。なかでも、上記平均一次粒径としては、好ましくは1nm以上であり、より好ましくは10nm以上であり、さらに好ましくは20nm以上であり、特に好ましくは50nm以上である。また、上記平均一次粒径としては、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは50μm以下であり、さらに好ましくは10μm以下であり、特に好ましくは1μm以下である。
したがって、得られた変性顔料の平均一次粒径は、1nm~100μmが好ましく、10nm~50μmがより好ましく、20nm~10μmがさらに好ましく、50nm~1μmが特に好ましい。なお、変性顔料の平均一次粒径の値は、透過型又は走査型の電子顕微鏡等で粒子を撮影し、20個の粒子についてその最長径を測長した算術平均値である。
なお、現在の分析技術では本実施形態に係る変性顔料の構造推定は困難であるが、本実施形態の製造方法によって得られた変性顔料は、染料中の酸性基と、アミノ酸又はタンパク質中の塩基性基とが作用して染料が不溶化し、顔料化された、或いは染料中の塩基性基と、アミノ酸又はタンパク質中の酸性基とが作用して染料が不溶化し、顔料化されたと推定される。
また、本実施形態に係る製造方法は、製造時や精製時の排水中に金属イオン、特に2価以上の金属イオンが排出されない。このため、本実施形態に係る製造方法によれば、染料を環境に優しい方法でレーキ化することができる。また、酵素反応や遺伝子操作等の工程が不要であるため、簡便且つ低コストで環境に優しい方法で染料がレーキ化された変性顔料を製造することができる。
本実施形態に係る製造方法により得られる変性顔料は、原料である染料と同系統の着色を有し、発色性に優れる。また、原料である染料を変更することであらゆる色調の変性顔料を製造することができ、本実施形態に係る変性顔料は、色調の選択性に優れる。このため、本実施形態に係る変性顔料は、顔料組成物、成形体、印刷インキ、印刷インキを用いた印刷物等の用途に好適に用いることができる。
(印刷インキ)
本発明の印刷インキは、上述した変性顔料を使用する以外は特に限定なく公知の組成で得ることができる。
本発明の印刷インキは、上述した変性顔料が、原料である染料と同系統の色に着色し発色性に優れることから、鮮やかな印刷が可能である。このため、本発明の印刷インキは、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等に使用する各種印刷インキに好適に使用することができる。中でも、本発明の印刷インキは、平版オフセット印刷用の平版オフセット印刷インキ、グラビア印刷用やフレキソ印刷用に適用できるリキッド印刷インキとして好適に使用することができる。
(平版オフセット印刷インキ)
オフセット印刷インキは、平版印刷(湿し水を使用する平版印刷や湿し水を使用しない水無し平版印刷)、凸版印刷、凹版印刷、孔版印刷や、これらの版に付けられたインキをブランケット等の中間転写体に転写した後被印刷体に印刷する転写(オフセット)方式を組み合わせた種々の印刷方式におけるインキをいう。本明細書においては、オフセット印刷インキの一例として、平版印刷用の版に付けられたインキをブランケット等の中間転写体に転写した後被印刷体に印刷する平版オフセット印刷インキについて説明する。
平版オフセット印刷インキは、本発明で使用する変性顔料の他、後述の印刷インキ用樹脂ワニス、有機溶剤、大豆油等の植物油や植物油エステル、乾燥抑制剤、ドライヤー、耐摩擦性改良剤等を混合し、ロールミル等で練肉分散して製造される。
平版オフセット印刷方式に適用できるインキは、5~100Pa・sの比較的粘度の高いインキであり、平版印刷機の機構は、インキが印刷機のインキ壺から複数のローラーを経由して版面の画線部に供給され、湿し水を使用する平版印刷では非画線部に湿し水が供給されインキを反発し、紙上に画像が形成される。
<着色剤>
平版オフセット印刷インキは、着色剤として上述した変性顔料を使用するが、そのほかに、本発明の効果に影響を及ぼさない範囲内で、着色剤として、一般のインキ、塗料、及び記録剤等に使用されている有機顔料及び/または無機顔料を併用してもよい。有機顔料及び/または無機顔料の平均粒子径は、約10~約200nmが好ましく、より好ましくは約50~約150nmである。有機顔料及び/または無機顔料は単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
有機顔料としては、例えば溶性アゾ系、不溶性アゾ系、アゾ系、フタロシアニン系、ハロゲン化フタロシアニン系、アントラキノン系、アンサンスロン系、ジアンスラキノニル系、アンスラピリミジン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、フラバンスロン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリン系、インダンスロン系、カーボンブラック系等の顔料が挙げられる。また、例えば、カーミン6B、レーキレッドC、パーマネントレッド2B、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、カーミンFB、クロモフタルイエロー、クロモフタルレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンレッド、インダンスロンブルー、ピリミジンイエロー、チオインジゴボルドー、チオインジゴマゼンタ、ペリレンレッド、ペリノンオレンジ、イソインドリノンイエロー、アニリンブラック、ジケトピロロピロールレッド、昼光蛍光顔料等が挙げられる。さらに有機顔料としては、未酸性処理顔料、酸性処理顔料のいずれも使用することができる。
無機顔料としては、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、シリカ、リトボン、アンチモンホワイト、石膏等の白色無機顔料が挙げられる。無機顔料の中では酸化チタンの使用が特に好ましい。酸化チタンは白色を呈し、着色力、隠ぺい力、耐薬品性、耐候性の点から好ましく、印刷性能の観点から該酸化チタンはシリカ及び/またはアルミナ処理を施されている酸化チタンが好ましい。
白色以外の無機顔料としては、例えば、アルミニウム粒子、マイカ(雲母)、ブロンズ粉、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、群青、紺青、ベンガラ、黄色酸化鉄、鉄黒、ジルコンが挙げられる。アルミニウム粒子は粉末またはペースト状であるが、取扱い性及び安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィングまたはノンリーフィングを使用するかは輝度感及び濃度の点から適宜選択される。
着色剤は、平版オフセット印刷インキの濃度・着色力を確保するのに充分な量、すなわち平版オフセット印刷インキの全質量に対して1~60質量%、平版オフセット印刷インキ中の固形分質量比では10~90質量%の割合で含まれることが好ましい。
<樹脂ワニス>
平版オフセット印刷インキ用の樹脂ワニスは、樹脂、植物油、植物油エステル、植物油エーテル、石油系溶剤、増粘剤、酸化防止剤等を含有する。
本発明で用いられる樹脂ワニスに使用される樹脂としては特に限定はなく、例えばロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、石油樹脂変性ロジン変性フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ロジンエステル、植物油変性ロジン変性フェノール樹脂、植物油変性ロジンエステル、ポリエステル、アクリル樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
上記ロジン変性フェノール樹脂としては、特に限定はなく、例えばフェノール類とホルムアルデヒドをナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等の金属の水酸化物、酸化物、塩化物、有機酸塩やアンモニア水溶液及び有機アミン化合物等のアルカリ触媒の存在下で反応させて得られる縮合物や、ノボラック型フェノール樹脂のレゾール化物等が挙げられる。
上記フェノール類としては、例えばo-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール等のクレゾール類、2,3-キシレノール、2,4-キシレノール、2,5-キシレノール、2,6-キシレノール、3,4-キシレノール、3,5-キシレノール等のキシレノール類、o-エチルフェノール、m-エチルフェノール、p-エチルフェノール等のエチルフェノール類、イソプロピルフェノール、p-tert-ブチルフェノール、p-sec-ブチルフェノール、等のブチルフェノール類、p-tert-アミルフェノール、p-オクチルフェノール、p-ノニルフェノール、p-クミルフェノール等が挙げられる。
また、ロジン変性フェノール樹脂を構成するロジン類としては、例えばガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン等が挙げられる。
樹脂ワニスの含有量は、本発明の平版オフセット印刷インキの固形分換算で1~80質量%が好ましく、更に好ましくは10~70質量%である。
樹脂ワニスは粘稠な液体で、印刷インキの粘度や印刷適性を調製するために、上述したように、植物油、植物油エステル、植物油エーテル、酸化防止剤、石油系溶剤、増粘剤等を含有する。酸化防止剤は樹脂ワニス中の樹脂や植物油等の酸化を防止するために含有される。
<<植物油>>
平版オフセット印刷インキ用の樹脂ワニスに用いられる植物油としては、例えば大豆油、亜麻仁油、米ぬか油、キリ油、ひまし油、脱水ひまし油、コーン油、サフラワー油、南洋油桐油、再生植物油、カノール油、菜種油、桐油、ラッカセイ油、綿実油、ゴマ油、ヒマワリ油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ヤシ油等の油類及びこれらの熱重合油、酸化重合油等が挙げられる。
<<植物油エステル>>
平版オフセット印刷インキ用の樹脂ワニスに用いられる植物油エステルとしては、例えばアマニ油脂肪酸メチルエステル、アマニ油脂肪酸エチルエステル、アマニ油脂肪酸プロピルエステル、アマニ油脂肪酸ブチルエステル、大豆油脂肪酸メチルエステル、大豆油脂肪酸エチルエステル、大豆油脂肪酸プロピルエステル、大豆油脂肪酸ブチルエステル、パーム油脂肪酸メチルエステル、パーム油脂肪酸エチルエステル、パーム油脂肪酸プロピルエステル、パーム油脂肪酸ブチルエステル、ひまし油脂肪酸メチルエステル、ひまし油脂肪酸エチルエステル、ひまし油脂肪酸プロピルエステル、ひまし油脂肪酸ブチルエステル、米ぬか油脂肪酸メチルエステル、米ぬか油脂肪酸エチルエステル、米ぬか油脂肪酸プロピルエステル、米ぬか油脂肪酸ブチルエステル、再生植物油のエステル類、南洋油桐油のエステル等が挙げられる。
<<植物油エーテル>>
平版オフセット印刷インキ用の樹脂ワニスに用いられる植物油を原料とする植物油エーテルとしては、例えば上記植物油のジ-n-オクチルエーテル、ジ-ノニルエーテル、ジヘキシルエーテル、ノニルヘキシルエーテル、ノニルブチルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジデシルエーテル、ノニルオクリルエーテル等が挙げられる。
<<石油系溶剤>>
平版オフセット印刷インキ用の石油系溶剤の沸点は160~330℃が好ましく、より好ましくは230~330℃である。平版オフセット印刷インキ用の樹脂ワニスに用いられる石油系溶剤としては、炭素数6~20の炭化水素が好ましく用いられ、例えばn-ペンタン、イソペンタン、n-ヘキサン、2-メチルペンタン、n-ヘプタン、n-オクタン、トリメチルペンタン等のパラフィン系溶剤、シクロヘキサン、シクロヘキシルメタン、オクタデシルシクロヘキサン、メチルイソプロピルシクロヘキサン等のナフテン系溶剤、JX日鉱日石エネルギー株式会社製のAFソルベント4号、5号、6号、7号、0号ソルベントL、M、H、ISUケミカルCo.LTD製のDSOL240、260C、280等が挙げられる。
<<増粘剤>>
平版オフセット印刷インキ用の樹脂ワニスに用いられる増粘剤としては、例えば有機アルミニウム化合物、有機チタネート化合物、有機亜鉛化合物、有機力ルシウム化合物等が挙げられる。これらのなかでも、上記増粘剤としては、有機アルミニウム化合物が好ましい。有機アルミニウム化合物としては、例えば、オクチル酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、アルミニウムトリイソプロポキサイド、アルミニウムジプロポキサイドモノアセチルアセトナート、アルミニウムトリブトキシド、アルミニウムジブトキサイドモノエチルアセトアセテート、アルミニウムトリアセチルアセテート、アルミニウムオキサイドオクテート、アルミニウムオキサイドステアレート、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート、エチルアセトアセテートアルミニウムジノルマルブチレート等が挙げられる。
増粘剤の配合量は、樹脂ワニス100質量部に対して、0.1~5質量部が好ましく、0.2~3質量部がより好ましい。
<<任意の各種添加剤>>
平版オフセット印刷インキには必要に応じ、ワックス、ドライヤー、酸化防止剤、汚れ防止剤等の印刷インキ用の各種添加剤を含有させてもよい。ワックスとしては、例えばポリエチレンワックス、PTFEワックス、サゾールワックス等が挙げられる。
ドライヤーとしては、例えばコバルト、マンガン、鉛、亜鉛、鉄、カルシウム、セリウム、レアアース等の金属と、オクチル酸、ナフテン酸、ネオデカン酸、桐油酸、亜麻仁油酸、樹脂酸等のカルボン酸との塩である金属石鹸や、上記金属とのホウ酸塩等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えばBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)、HQ(ハイドロキノン)、MHQ(メチルハイドロキノン)、TBHQ(t-ブチルヒドロキノン)等が挙げられる。
(リキッド印刷インキ)
グラビア印刷インキやフレキソ印刷インキとして使用されるリキッド印刷インキは、有機溶剤を主溶媒とする有機溶剤型リキッド印刷インキと、水を主溶媒とする水性リキッド印刷インキとに大別される。本発明で使用する変性顔料は、有機溶剤型リキッド印刷インキ及び水性リキッド印刷インキ共に適用することができる。
(有機溶剤型リキッド印刷インキ)
有機溶剤型リキッド印刷インキは、本発明で使用する変性顔料の他、後述のバインダー樹脂、有機溶剤、分散剤、消泡剤等を添加した混合物を分散機で分散し、顔料分散体を得る。得られた顔料分散体に樹脂、有機溶剤、必要に応じてレベリング剤等の添加剤を加え、撹拌混合することで有機溶剤型リキッド印刷インキが得られる。分散機としてはグラビア、フレキソ印刷インキの製造に一般的に使用されているビーズミル、アイガーミル、サンドミル、ガンマミル、アトライター等を用いることができる。
有機溶剤型リキッド印刷インキのインキ粘度は、グラビアインキとして使用する場合であっても、フレキソインキとして使用する場合であっても、顔料の沈降を防ぎ、適度に分散させる観点から10mPa・s以上、インキ製造時や印刷時の作業性効率の観点から1000mPa・s以下の範囲であることが好ましい。尚、上記粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定された粘度である。
インキの粘度は、使用される原材料の種類や量、バインダー樹脂、顔料、有機溶剤等を適宜選択することにより調製することができる。また、インキ中の顔料の粒度及び粒度分布を調節することによりインキの粘度を調製することもできる。
有機溶剤型リキッド印刷インキは、各種の基材と密着性に優れ、紙、合成紙、熱可塑性樹脂フィルム、プラスチック製品、鋼板等への印刷に使用することができる印刷インキであり、電子彫刻凹版等によるグラビア印刷版を用いたグラビア印刷用、又は樹脂版等によるフレキソ印刷版を用いたフレキソ印刷用のインキとして有用である。
本発明の有機溶剤型リキッド印刷インキを用いてグラビア印刷方式やフレキソ印刷方式から形成される印刷インキの膜厚は、例えば10μm以下、好ましくは5μm以下である。
<着色剤>
有機溶剤型リキッド印刷インキは、着色剤として上述した変性顔料を使用するが、そのほかに、本発明の効果に影響を及ぼさない範囲内で、着色剤として、一般のインキ、塗料、及び記録剤等に使用されている有機顔料及び/または無機顔料を併用してもよい。上述した変性顔料以外に着色剤として有機溶剤型リキッド印刷インキに併用することができる有機顔料及び/または無機顔料は、平版オフセット印刷インキにおいて説明した有機顔料及び/または無機顔料と同様であるため、説明を省略する。
着色剤は、有機溶剤型リキッド印刷インキの濃度・着色力を確保するのに充分な量、すなわち有機溶剤型リキッドインキ中の固形分質量比では10~90質量%の割合で含まれることが好ましい。
<バインダー樹脂>
有機溶剤型リキッド印刷インキ用のバインダー樹脂としては特に制限されず、一般のリキッド印刷インキに使用される、例えばポリウレタン系樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合樹脂、塩化ビニル-アクリル系共重合体樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、変性ポリオレフィン樹脂、セルロース、セルロース誘導体、ポリアミド樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、スチレン樹脂、ダンマル樹脂、スチレン-マレイン酸共重合樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、テルペン樹脂、フェノール変性テルペン樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、ポリアセタール樹脂、石油樹脂、及びこれらの変性樹脂等を用いることができる。これらの樹脂は、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
上記の中でも、上記バインダー樹脂としては、ポリウレタン系樹脂、セルロース誘導体、ポリアミド樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル-アクリル共重合樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン-マレイン酸共重合樹脂、ダンマル樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、変性ポリオレフィン樹脂、ケトン樹脂及び環化ゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むバインダー樹脂が好ましい。
バインダー樹脂の含有量は、本発明の水性リキッド印刷インキの固形分換算で1~50質量%が好ましく、更に好ましくは2~40質量%である。
<<ポリウレタン系樹脂>>
ポリウレタン系樹脂としては、ポリオールとポリイソシアネートを反応させて得たポリウレタン系樹脂であれば特に限定されない。ポリオールとしては例えば、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知のポリオールを用いることができ、1種または2種以上を併用してもよい。ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2ブチル-1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3-メチル-1,5ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4-ブチンジオール、1,4―ブチレンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6-ヘキサントリオール、1,2,4-ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエスリトール等の飽和または不飽和の低分子ポリオール類(1)、これらの低分子ポリオール類(1)と、セバシン酸、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、こはく酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸あるいはこれらの無水物とを脱水縮合または重合させて得られるポリエステルポリオール類(2);環状エステル化合物、例えばポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β-メチル-γ-バレロラクトン)等のラクトン類、を開環重合して得られるポリエステルポリオール類(3);上記低分子ポリオール類(1)等と、例えばジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、ホスゲン等との反応によって得られるポリカーボネートポリオール類(4);ポリブタジエングリコール類(5);ビスフェノールAに酸化エチレンまたは酸化プロピレンを付加して得られるグリコール類(6);1分子中に1個以上のヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロプル、アクリルヒドロキシブチル等、或いはこれらの対応するメタクリル酸誘導体等と、例えばアクリル酸、メタクリル酸又はそのエステルとを共重合することによって得られるアクリルポリオール(7)等が挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、1-メチル-2,4-フェニレンジイソシアネート、1-メチル-2,6-フェニレンジイソシアネート、1-メチル-2,5-フェニレンジイソシアネート、1-メチル-2,6-フェニレンジイソシアネート、1-メチル-3,5-フェニレンジイソシアネート、1-エチル-2,4-フェニレンジイソシアネート、1-イソプロピル-2,4-フェニレンジイソシアネート、1,3-ジメチル-2,4-フェニレンジイソシアネート、1,3-ジメチル-4,6-フェニレンジイソシアネート、1,4-ジメチル-2,5-フェニレンジイソシアネート、ジエチルベンゼンジイソシアネート、ジイソプロピルベンゼンジイソシアネート、1-メチル-3,5-ジエチルベンゼンジイソシアネート、3-メチル-1,5-ジエチルベンゼン-2,4-ジイソシアネート、1,3,5-トリエチルベンゼン-2,4-ジイソシアネート、ナフタレン-1,4-ジイソシアネート、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、1-メチル-ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、ナフタレン-2,6-ジイソシアネート、ナフタレン-2,7-ジイソシアネート、1,1-ジナフチル-2,2’-ジイソシアネート、ビフェニル-2,4’-ジイソシアネート、ビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、3-3’-ジメチルビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタン-2,4-ジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3-シクロペンチレンジイソシアネート、1,3-シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4-シクロヘキシレンジイソシアネート、1,3-ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4-ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,2’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート等が挙げられる。これらのポリイソシアネートは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ポリウレタン樹脂の重量平均分子量は10,000~100,000であることが好ましく、より好ましくは15,000~80,000である。
<<セルロース誘導体>>
セルロース誘導体としては、セルロースのエステル類やエーテル類が挙げられる。セルロースエステルとしては、例えば、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートが挙げられ、セルロースエーテルとしては、例えば、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース等が挙げられ、アルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、更にアルキル基が置換基を有していても良い。中でも、セルロース誘導体としては、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロース(硝化綿)が好ましく、ニトロセルロースが特に好ましい。セルロース誘導体の分子量としては重量平均分子量で5,000~1,000,000が好ましく、10,000~200,000が更に好ましい。また、ガラス転移温度が120℃~180℃であるセルロース誘導体が好ましい。
ニトロセルロースは、天然セルロースと硝酸とを反応させて、天然セルロース中の無水グルコピラノース基の6員環中の3個の水酸基を、硝酸基に置換した硝酸エステルとして得られるニトロセルロースが好ましい。また、平均重合度35~480、更には50~200の範囲のニトロセルロースが好ましい。平均重合度が50以上の場合、インキ被膜の強度が向上し、耐摩擦性、耐もみ性が向上するため好ましい。又、平均重合度が200以下の場合、溶剤への溶解性、インキの低温安定性、併用樹脂との相溶性が向上するため好ましい。また、窒素分は10.5~12.5質量%であることが好ましい。
<<ポリアミド樹脂>>
ポリアミド樹脂としては、重合脂肪酸、各種植物性脂肪酸等のポリカルボン酸とポリアミンの重縮合物が一般的である。上記重合脂肪酸としては、ダイマー酸、水添ダイマー酸等が挙げられる。また各種植物性脂肪酸としては、トール油脂肪酸、パーム油脂肪酸、やし油脂肪酸、大豆油脂肪酸、カカオ脂肪酸、及びこれら天然油脂の混合脂肪酸等が挙げられる。
上記ポリアミンには、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミンンが挙げられ、脂肪族ポリアミンとしてはエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサン、ピペラジン、及びN-アミノエチルピペラジン等が、脂環式ポリアミンとしては、イソフォロジアミン、ビスアミノメチルシクロヘキサン等が、芳香族ポリアミンとしてはメタキシレンジアミン等が挙げられる。中でも、溶解性の面から、上記ポリアミンとしては、脂肪族ジアミンあるいは、脂環式ジアミンを使用する事が好ましい。
ポリアミド樹脂としては、数平均分子量1000~30,000、酸価15以下、アミン価5以下、軟化点90~150℃の樹脂が好ましい。ポリアミド樹脂としては、より好ましくは、軟化点100~130℃、数平均分子量1000~20,000である。
<<塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂>>
塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂としては、塩化ビニルと酢酸ビニルが共重合した樹脂であれば、特段限定されない。分子量としては重量平均分子量で5,000~100,000が好ましく、10,000~70,000が更に好ましい。塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂の固形分100質量%中、酢酸ビニルモノマー由来の構造は1~30質量%が好ましく、塩化ビニルモノマー由来の構造は70~95質量%であることが好ましい。上記の場合有機溶剤への溶解性が向上、更に基材への密着性、被膜物性、耐擦傷性等が良好となる。
また有機溶剤への溶解性の観点からビニルアルコール構造由来の水酸基を含む樹脂も好ましい。水酸基価としては20~200mgKOH/gであることが好ましい。また、ガラス転移温度は50℃~90℃であることが好ましい。
<<アクリル樹脂>>
アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする重合性モノマーが共重合した樹脂であれば特段限定されない。重合性モノマーとしては例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、iso-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、iso-オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、iso-ノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。重合法も特に限定なく公知の塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合法等で得た樹脂を使用することができる。
アクリル樹脂の重量平均分子量は5,000~100,000であることが好ましく、より好ましくは10,000~50,000である。
<<塩素化ポリオレフィン樹脂>>
塩素化ポリオレフィン系樹脂としては、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン又は塩素化ポリプロピレンをエチレン性不飽和結合を有するアクリルポリマー又はウレタンポリマーで変性したアクリル変性又はウレタン変性塩素化ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。
<<変性ポリオレフィン樹脂>>
酸変性ポリオレフィン樹脂は、カルボン酸で変性されたポリオレフィン樹脂である。上記カルボン酸としては、例えば、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸等の酸無水物;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸等が挙げられる。
上記ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、超々低密度ポリエチレン、ポリメチルペンテン、エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-1-ブテンランダム共重合体、プロピレン-エチレン-1-ブテンランダム共重合体、プロピレンと炭素数5~12のα-オレフィンとからなる共重合体、プロピレン-非共役ジエン共重合体、エチレン-非共役ジエン共重合体、エチレン-プロピレン-非共役ジエン共重合体、ポリブテン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ビニルトリメトキシシラン共重合体、エチレン-アクリル酸メチル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、スチレン-ブタジエンブロック共重合体、及びその水素添加物等が挙げられる。なお、これらのポリオレフィン樹脂は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
<有機溶剤>
有機溶剤型リキッド印刷インキ用の有機溶剤としては、特に制限はないが、例えばトルエン、キシレン、ソルベッソ#100、ソルベッソ#150等の芳香族炭化水素系有機溶剤;ヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系有機溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、ギ酸エチル、プロピオン酸ブチル等のエステル系の各種有機溶剤等が挙げられる。また水混和性有機溶剤として、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系;アセトン、メチルエチルケトン、シクロハキサノン等のケトン系;エチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、エチレングリコール(モノ,ジ)エチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、モノブチルエーテル、ジエチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、ジエチレングリコール(モノ,ジ)エチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、プロピレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル等のグリコールエーテル系の各種有機溶剤等が挙げられる。なお、これらの有機溶剤は、単独または2種以上を混合して用いることができる。
<任意の各種添加剤>
有機溶剤型リキッド印刷インキでは更に必要に応じて、ワックス、キレート系架橋剤、体質顔料、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、芳香剤、難燃剤等の各種添加剤も含むこともできる。
(水性リキッド印刷インキ)
水性リキッド印刷インキは、本発明で使用する変性顔料の他、後述のバインダー樹脂、水性媒体、分散剤、消泡剤等を添加した混合物を分散機で分散し、顔料分散体を得る。得られた顔料分散体に樹脂、水性媒体、必要に応じてレベリング剤等の添加剤を加え、撹拌混合することで水性リキッド印刷インキが得られる。分散機としてはグラビア、フレキソ印刷インキの製造に一般的に使用されているビーズミル、アイガーミル、サンドミル、ガンマミル、アトライター等を用いることができる。
水性リキッド印刷インキを、フレキソインキとして使用する場合、その粘度が離合社製ザーンカップ#4を使用し25℃にて7~25秒であればよく、より好ましくは10~20秒である。また、得られたフレキソインキの25℃における表面張力は、25~50mN/mが好ましく、33~43mN/mであればより好ましい。インキの表面張力が低いほどフィルム等の基材へのインキの濡れ性は向上するが、表面張力が25mN/mを下回るとインキの濡れ広がりにより、中間調の網点部分で隣り合う網点どうしが繋がり易い傾向にあり、ドットブリッジと呼ばれる印刷面の汚れの原因となり易い。一方、表面張力が50mN/mを上回るとフィルム等の基材へのインキの濡れ性が低下し、ハジキの原因となり易い。
一方で水性リキッド印刷インキを、グラビアインキとして使用する場合、グラビアインキの粘度が離合社製ザーンカップ#3を使用し25℃にて7~25秒であればよく、より好ましくは上記粘度が10~20秒である。また、得られたグラビアインキの25℃における表面張力は、フレキソインキと同様に25~50mN/mが好ましく、33~43mN/mであればより好ましい。インキの表面張力が低いほどフィルム等の基材へのインキの濡れ性は向上するが、表面張力が25mN/mを下回るとインキの濡れ広がりにより、中間調の網点部分で隣り合う網点どうしが繋がり易い傾向にあり、ドットブリッジと呼ばれる印刷面の汚れの原因となり易い。一方、表面張力が50mN/mを上回るとフィルム等の基材へのインキの濡れ性が低下し、ハジキの原因となり易い。
水性リキッド印刷インキは、各種の基材と密着性に優れ、紙、合成紙、熱可塑性樹脂フィルム、プラスチック製品、鋼板等への印刷に使用することができるインキであり、電子彫刻凹版等によるグラビア印刷版を用いたグラビア印刷用、又は樹脂版等によるフレキソ印刷版を用いたフレキソ印刷用のインキとして有用である。
本発明の水性リキッドインキを用いてグラビア印刷方式やフレキソ印刷方式から形成される印刷インキの膜厚は、例えば10μm以下、好ましくは5μm以下である。
<着色剤>
水性リキッド印刷インキは、着色剤として上述した変性顔料を使用するが、そのほかに、本発明の効果に影響を及ぼさない範囲内で、着色剤として、一般のインキ、塗料、及び記録剤等に使用されている有機顔料及び/または無機顔料を併用してもよい。上述した変性顔料以外に着色剤として水性リキッド印刷インキに併用することができる有機顔料及び/または無機顔料は、平版オフセット印刷インキにおいて説明したものと同様であるため、説明を省略する。
着色剤は、水性リキッド印刷インキの濃度・着色力を確保するのに充分な量、すなわち水性リキッド印刷インキ中の固形分質量比では10~90質量%の割合で含まれることが好ましい。
<バインダー樹脂>
水性リキッド印刷インキ用のバインダー樹脂としては特に限定なく、一般の水性リキッド印刷インキに使用される、例えばポリウレタン系樹脂;ポリビニルアルコール類;ポリビニルピロリドン類;アクリル樹脂;アクリル酸-アクリロニトリル共重合体、アクリル酸カリウム-アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル系重合体エマルジョン、ポリエステル系ウレタンディスパージョン、酢酸ビニル-アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸-アクリル酸アルキルエステル共重合体等のアクリル共重合体;スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸-アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン-α-メチルスチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-α-メチルスチレン-アクリル酸-アクリル酸アルキルエステル共重合体等のスチレン-アクリル酸樹脂;スチレン-マレイン酸;スチレン-無水マレイン酸;ビニルナフタレン-アクリル酸共重合体;ビニルナフタレン-マレイン酸共重合体;酢酸ビニル-エチレン共重合体、酢酸ビニル-脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル-マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル-クロトン酸共重合体、酢酸ビニル-アクリル酸共重合体等の酢酸ビニル系共重合体及びこれらの塩等を使用することができる。また、バインダー樹脂として、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体を使用してもよい。これらのバインダー樹脂は、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
なかでも、バインダー樹脂としては、ポリウレタン系樹脂、アクリル樹脂、セルロース誘導体、アクリル酸エステル系重合体エマルジョン及びポリエステル系ウレタンディスパージョンを使用することが、入手しやすく好ましい。
水性リキッド印刷インキのバインダー樹脂として用いられるポリウレタン系樹脂、アクリル樹脂及びセルロース誘導体は、有機溶剤型リキッド印刷インキにおいて説明したものと同様のものを用いることができる。
<<アクリル酸エステル系共重合体エマルジョン>>
アクリル酸エステル系共重合体エマルジョンは、アクリル酸エステル系共重合体粒子を、例えば水、アセトン、メタノール、エタノール等の分散媒により分散させて得られる。アクリル酸エステル系共重合体エマルジョンは、特に制限されず、市販のアクリル酸エステル系共重合体エマルジョンを用いることができる。
アクリル酸エステル系重合体エマルジョンの原料となるアクリル酸エステル系単量体としては、例えば、炭素数1~18の直鎖状若しくは分岐状の脂肪族アルキルアルコール又は脂環式アルキルアルコールとアクリル酸とのエステル化合物であるアクリル酸エステル類;アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸とポリプロピレングリコール又はポリエチレングリコールとのモノエステル等のヒドロキシル基含有不飽和単量体類;アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有不飽和単量体類;アクリロイルアジリジン、アクリロイルオキシエチルアジリジン等のアジリジニル基含有不飽和単量体類;2-イソプロペニル-2-オキサゾリン、2-ビニル-2-オキサゾリン等のオキサゾリン基含有不飽和単量体類;アクリル酸とエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,6-ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールとのエステル等の分子内に重合性不飽和基を2個以上含有する多官能性アクリル酸エステル類;アクリル酸アリル等が挙げられる。これらのアクリル酸エステル系単量体は単独で使用されてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
また、上記アクリル酸エステル系単量体に加えて、その他の共重合性単量体を用いてもよい。その他の共重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、アクロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート等が挙げられる。
<<ポリエステル系ウレタンディスパージョン>>
ポリエステル系ウレタンディスパ―ジョンは、例えばポリエステル系ウレタン粒子を、例えば水、アセトン、メタノール、エタノール等の分散媒により分散させて得られる。ポリエステル系ウレタンディスパ―ジョンは、特に制限されず、市販のポリエステル系ウレタンディスパ―ジョンを用いることができる。
バインダー樹脂の含有量は、本発明の水性リキッド印刷インキの固形分換算で5~50質量%であることが好ましい。上記含有量が5質量%以上であれば、インキ塗膜強度が低下することもなく、基材密着性、耐水摩擦性等も良好に保たれる。反対に上記含有量が50質量%以下であれば、着色力が低下する事が抑制でき、また高粘度となる事が避けられ、作業性が低下することもない。中でも上記含有量としては、5~40質量%であることがより好ましく、5~20質量%であることがさらに好ましい。
<水性媒体>
水性リキッド印刷インキ用の水性媒体としては、例えば、水、水と混和する有機溶剤、及び、これらの混合物が挙げられる。本発明では、水性媒体としては、水のみを用いても良く、また水及び水と混和する有機溶剤との混合物を用いても良く、水と混和する有機溶剤のみを用いても良い。また、水性媒体としては、安全性や環境に対する負荷の点から、水のみ、または、水及び水と混和する有機溶剤との混合物が好ましく、水のみが特に好ましい。水と混和する有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール及びイソプロパノール等のアルコール溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶剤;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;ポリアルキレングリコールのアルキルエーテル類;N-メチル-2-ピロリドン等のラクタム溶剤等が挙げられる。
<任意の各種添加剤>
水性リキッド印刷インキは、必要に応じて、その他、上述した着色剤、体質顔料、顔料分散剤、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、芳香剤、難燃剤等の各種添加剤も含むこともできる。中でも、任意の各種添加剤としては、耐摩擦性、滑り性等を付与するためのオレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド等の脂肪酸アミド類及び印刷時の発泡を抑制するためのシリコン系、非シリコン系消泡剤及び顔料の濡れを向上させる各種分散剤等が有用である。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の「部」、「%」等の記載は、断りのない限り、質量基準の記載を意味する。
(変性顔料の調製)
以下のようにして、印刷インキ用の変性顔料a~iを得た。
[変性顔料a]
1Lビーカー中に、タンパク質として脱脂大豆粉末(株式会社日清商会社製、ZFS SOYA)67質量部と、1Nの塩酸100質量部を秤量し、スパチュラを用いて室温下で5分間かけて均一になるまでよく練った。そこに、酸性基を有する染料としてC.I.Acid Red 18(東京化成工業株式会社製)の2質量%溶液(1Nの塩酸溶液)を67質量部加え、室温下でさらに5分間かけてスパチュラで均一になるまでよく練った。続いて、メタノール(キシダ化学株式会社製、1級)425質量部を加え、スパチュラで5分間かけて均一になるまで撹拌し、30分間静置した。その後、ろ紙(ADVANTEC社製、定性ろ紙No.1、70mm)を用いて吸引ろ過による固液分離とメタノール265質量部による洗浄を2回行った。ろ別した固形物を1Lビーカーに移し、40℃で真空加熱乾燥後、乾燥させた粉末をボールミル(フリッチュ・ジャパン株式会社製、Pulverisette 6;ジルコニアボールのΦ10mm、充填率70%、400rpm/10分間×2回)で粉砕した。続いて、目開き100μmのふるいを通し、水不溶性の変性顔料aの粉体を得た。粉体のふるい前後での回収率は質量基準で99%超だった。
[変性顔料b~d]
酸性基を有する染料を表1の記載の染料に変えた以外は、変性顔料aと同様の方法にて、水不溶性の変性顔料b~dの粉体を得た。粉体のふるい前後での回収率は質量基準でそれぞれ99%超だった。
[変性顔料e]
100mLビーカー中に、酸性基を有する染料としてC.I.Food Red 6(富士フイルム和光純薬株式会社製、ポンソー3R)の7.5質量部と、1Nの塩酸100質量部を加え、マグネチックスターラーを用いて分散させた。そこに、アミノ酸としてL-Lysine(富士フイルム和光純薬株式会社製、L(+)-Lysine、一級)1.1質量部を1N塩酸15質量部に溶解させた溶液を滴下した。30分後、L-Lysine1.1質量部を1N塩酸15質量部に溶解させた溶液を新たに滴下した。30分の間隔を空けながら本滴下を計4回行った。計4回の滴下後、不溶化物をろ紙(ADVANTEC社製、定性ろ紙No.1、70mm)を用いた吸引ろ過で固液分離し、19質量部の水で洗浄を行った。ろ別した固形物を50mLビーカーに移し、50℃で真空加熱乾燥した。乾燥後の粉末をメノー乳鉢ですりつぶした後、目開き100μmのふるいに通し、水不溶性の変性顔料eの粉体を得た。粉体のふるい前後での回収率は質量基準で99%超だった。
[変性顔料f~h]
酸性基を有する染料及びその配合量を表1に記載の染料及び配合量に変えた以外は、変性顔料eと同様の方法にて、水不溶性の変性顔料f~hの粉体を得た。粉体のふるい前後での回収率は質量基準でそれぞれ99%超だった。
[変性顔料i]
100mLのビーカー中に、塩基性基を有する染料としてC.I.Basic Red 2(東京化成工業株式会社製)の1質量%水溶液100質量部と、タンパク質として脱脂大豆粉末(株式会社日清商会社製、ZFS SOYA)10質量部加え、室温下でマグネチックスターラーを用いて30分間撹拌した。続いて、ろ紙(ADVANTEC社製、定性ろ紙No.1、70mm)を用いて吸引ろ過による固液分離後、ろ別した固形物を蒸留水3000質量部で洗浄した。洗浄後の固形物を100mLのビーカーに移し、50℃で真空加熱乾燥した後、乾燥させた粉末をボールミル(フリッチュ・ジャパン株式会社製、Pulverisette 6;ジルコニアボールのΦ10mm、充填率70%、400rpm/10分間×2回)で粉砕した。続いて、目開き100μmのふるいを通し、水不溶性の変性顔料iの粉体を得た。粉体のふるい前後での回収率は質量規準で99%超だった。
[変性顔料j]
50mLのビーカー中に、酸性基を有する染料としてC.I.Acid Red 18(富士フイルム和光純薬株式会社製)2.5質量部と、タンパク質として乳由来カゼイン微粉末(富士フイルム和光純薬株式会社)25質量部と、100質量部の1N塩酸水溶液を加えた後、良く練り、30分間反応させた。そこに、メタノール(キシダ化学株式会社製、1級)500質量部を加え、均一になるまで撹拌した。その後、ろ紙(ADVANTEC社製、定性ろ紙No.1、70mm)を用いて吸引ろ過による固液分離と、メタノール250質量部による洗浄を2回行った。ろ別した固形分を1Lビーカーに移し、50℃で真空加熱乾燥した後、乾燥させた粉末をボールミル(フリッチュ・ジャパン株式会社製、Pulverisette 6;ジルコニアボールのΦ10mm、充填率70%、400rpm/10分間×2回)で粉砕した。続いて、目開き100μmのふるいを通し、水不溶性の変性顔料jの粉体を得た。粉体のふるい前後での回収率は質量基準で99%超だった。
[変性顔料k]
タンパク質として乳由来カゼイン微粉末を小麦由来グルテン粉末(富士フイルム和光純薬株式会社製)に変えた以外は、変性顔料jと同様の方法にて、水不溶性の変性顔料kの粉体を得た。粉体のふるい前後での回収率は質量規準で99%超だった。
[変性顔料l]
タンパク質として乳由来カゼイン微粉末をバガス粉末(株式会社マエダ・スーパー・テクノ製)に変えた以外は、変性顔料jと同様の方法にて、水不溶性の変性顔料lの粉体を得た。粉体のふるい前後での回収率は質量規準で99%超だった。
[変性顔料m]
100mLビーカー中に、酸性基を有する染料としてC.I.Acid Red 52(東京化成工業株式会社製)13質量部と、水100質量部を加え、マグネチックスターラーを用いて溶解させた。そこに、アミノ酸としてL-Lysine 2塩酸塩(富士フイルム和光純薬株式会社製)10質量部を水100質量部に溶解させた溶液を滴下し、1時間撹拌して反応させて懸濁液を得た。その後、不溶化物をろ紙(ADVANTEC社製、定性ろ紙No.1、70mm)を用いた吸引ろ過で固液分離し、72質量部の水で洗浄を行った。ろ別した固形物を50mLビーカーに移し、50℃で真空加熱乾燥した。乾燥後の粉末をメノー乳鉢ですりつぶした後、目開き100μmのふるいに通し、水不溶性の変性顔料mの粉体を得た。粉体のふるい前後での回収率は質量基準で99%超だった。
[変性顔料n]
酸性基を有する染料としてC.I.Acid Red 52をC.I.Acid Blue 3(東京化成工業株式会社製)に変えた以外は、変性顔料mと同様の方法にて、水不溶性の変性顔料kの粉体を得た。粉体のふるい前後での回収率は質量規準で99%超だった。
[変性顔料o]
酸性基を有する染料としてC.I.Acid Red 52をC.I.Acid Blue 3(東京化成工業株式会社製)に変え、アミノ酸としてL-Lysine 2塩酸塩10質量部をL-Histidine methyl ester 2塩酸塩(富士フイルム和光純薬株式会社製)に変えた以外は、変性顔料mと同様の方法にて、水不溶性の変性顔料oの粉体を得た。粉体のふるい前後での回収率は質量規準で99%超だった。
[変性顔料p]
100mLビーカー中に、酸性基を有する染料としてC.I.Acid Yellow 23(東京化成工業株式会社製)10質量部と、水100質量部を加え、マグネチックスターラーを用いて溶解させた。そこに、アミノ酸としてL-Lysine 2塩酸塩(富士フイルム和光純薬株式会社製)8.7質量部を水100質量部に溶解させた溶液を滴下し、1時間撹拌して反応させて懸濁液を得た。続いて、イソプロピルアルコール500質量部を加えた後、不溶化物をろ紙(ADVANTEC社製、定性ろ紙No.1、70mm)を用いた吸引ろ過で固液分離し、72質量部の水で洗浄を行った。ろ別した固形物を50mLビーカーに移し、50℃で真空加熱乾燥した。乾燥後の粉末をメノー乳鉢ですりつぶした後、目開き100μmのふるいに通し、水不溶性の変性顔料pの粉体を得た。粉体のふるい前後での回収率は質量基準で99%超だった。
[変性顔料q]
50mLのビーカー中に、塩基性基を有する染料としてC.I.Basic Red 2(富士フイルム和光純薬株式会社製)2質量部と、タンパク質として乳由来カゼイン微粉末(富士フイルム和光純薬株式会社)20質量部と、100質量部の水を加えた後、30分間撹拌し反応させた。その後、ろ紙(ADVANTEC社製、定性ろ紙No.1、70mm)を用いて吸引ろ過による固液分離を行い、水100質量部を加えて洗浄を行った。ろ別した固形分を1Lビーカーに移し、50℃で真空加熱乾燥した後、乾燥させた粉末をボールミル(フリッチュ・ジャパン株式会社製、Pulverisette 6;ジルコニアボールのΦ10mm、充填率70%、400rpm/10分間×2回)で粉砕した。続いて、目開き100μmのふるいを通し、水不溶性の変性顔料jの粉体を得た。粉体のふるい前後での回収率は質量基準で99%超だった。
[変性顔料r]
タンパク質として乳由来カゼイン微粉末を小麦由来グルテン粉末(富士フイルム和光純薬株式会社製)に変えた以外は、変性顔料qと同様の方法にて、水不溶性の変性顔料rの粉体を得た。粉体のふるい前後での回収率は質量基準で99%超だった。
[変性顔料s]
タンパク質として乳由来カゼイン微粉末をバガス粉末(株式会社マエダ・スーパー・テクノ製)に変えた以外は、変性顔料qと同様の方法にて、水不溶性の変性顔料sの粉体を得た。粉体のふるい前後での回収率は質量基準で99%超だった。
[変性顔料t]
100mLビーカー中に、塩基性基を有する染料としてC.I.Basic Red 2(富士フイルム和光純薬株式会社製)15質量部と、四ほう酸ナトリウム十水和物水溶液(富士フイルム和光純薬株式会社製、ほう酸塩pH標準液)100質量部を加え、マグネチックスターラーを用いて溶解させた。そこに、アミノ酸としてL-グルタミン酸ナトリウム(富士フイルム和光純薬株式会社製)4質量部を水100質量部に溶解させた溶液を滴下し、1時間撹拌して反応させて懸濁液を得た。続いて、イソプロピルアルコー800質量部を加えた後、不溶化物をろ紙(ADVANTEC社製、定性ろ紙No.1、70mm)を用いた吸引ろ過で固液分離し、80質量部の水で洗浄を行った。ろ別した固形物を50mLビーカーに移し、50℃で真空加熱乾燥した。乾燥後の粉末をメノー乳鉢ですりつぶした後、目開き100μmのふるいに通し、水不溶性の変性顔料tの粉体を得た。粉体のふるい前後での回収率は質量基準で99%超だった。
表1及び表2は、変性顔料a~tの調製に使用した材料を示す。
Figure 0007007526000001
Figure 0007007526000002
(印刷インキの調製)
以下のようにして、平版オフセット印刷インキ(実施例1~16)、有機溶剤型リキッド印刷インキ(実施例17~22)及び水性リキッド印刷インキ(実施例23~29)を調製した。
(平版オフセット印刷インキの調製方法)
<平版オフセット印刷インキ用樹脂ワニスの調製>
ロジン変性フェノール樹脂(重量平均分子量4.5万)44質量部、大豆油15質量部を仕込み、窒素気流下で220℃に昇温して1.5時間加熱撹拌後、AFソルベント7号(石油系溶剤:JXTGエネルギー(株)製)39.7質量部を加えて、30分撹拌した後、140℃まで冷却した。
冷却後AFソルベント7号で50%希釈したアルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート溶液を1.0質量部加えて160℃に昇温し1.0時間加熱撹拌後、140℃まで冷却し、BHT(本州化学(株)社製)0.3質量部を仕込み撹拌した後、平版オフセット印刷インキ用樹脂ワニスを得た。
<平版オフセット印刷インキの調製例>
下記の配合割合で、3本ロールミルを用いて練肉し、平版オフセット印刷インキを得た。
〔平版オフセットインキの配合量〕
平版オフセット印刷インキ用樹脂ワニス 65部
変性顔料 16部
AFソルベント7号 19部
[実施例1~16]
表3に記載の変性顔料を用い、上記平版オフセット印刷インキの調製方法で示した方法で実施例1~16の平版オフセット印刷インキを調製した。
(有機溶剤型リキッド印刷インキの調製方法)
有機溶剤型リキッド印刷インキは、以下に示す有機溶剤型リキッド印刷インキの調製方法1及び有機溶剤型リキッド印刷インキの調製方法2により調製した。
<有機溶剤型リキッド印刷インキの調製方法1>
<<ポリウレタン樹脂溶液の調製>>
撹拌機、温度計、ジムロ-ト型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた1リットルの四ツ口フラスコに、アジピン酸と3-メチル-1,5-ペンタンジオールから得られる数平均分子量5100のポリエステルポリオール264.20部を仕込み、窒素ガスを流し、撹拌しながら50℃に昇温した。続いて、イソホロンジイソシアネート28.01部を加え、イソシアネート基の残存率であるNCO%が1.99%に達する迄90℃で反応させた。冷却後、酢酸n-プロピル157.34部を加え、末端にイソシアネート基を有したウレタンプレポリマー溶液を得た。
続いて、撹拌機、温度計、ジムロート型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた、1リットルの四ツ口フラスコに、1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン10.96部、モノエタノールアミン1.37部、酢酸n-プロピル411.00部、n-プロピルアルコール142.00部、ウレタンプレポリマー溶液(B2)449.55部を加え、45℃で4時間反応させて、固形分30%、重量平均分子量48,000、アミン価1.5(mgKOH/g)のポリウレタン樹脂溶液を得た。
<<塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂溶液の調製>>
ポリウレタン樹脂と併用して用いる水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(樹脂モノマー組成が質量%で塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール=92/3/5、水酸基価(mgKOH)=64)を酢酸n-プロピルで15%溶液とし、これを塩酢ビ樹脂溶液した。
<<有機溶剤型リキッド印刷インキの調製例1>>
ポリウレタン樹脂溶液(固形分30%)を25部、塩酢ビ樹脂溶液(固形分15%)10部、変性顔料 10部、イソプロピルアルコール20部、酢酸エチル47部からなる混合物をダイノーミル(ウィリー・エ・バッコーフェノン社製)を用いて混練し、有機溶剤型リキッド印刷インキを得た。
[実施例17~20]
表3に記載の変性顔料を用い、上記有機溶剤型リキッド印刷インキの調製方法1で示した方法で実施例17~20の有機溶剤型リキッド印刷インキを調製した。
<有機溶剤型リキッド印刷インキの調製方法2>
<<熱可塑性ポリアミド樹脂の調製>>
攪拌機、温度計、環流冷却器及び窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、ダイマー酸(ハリダイマー270S;ハリマ化成(株)製)100部、トール油脂肪酸(ハートールFA-1;ハリマ化成(株)製)1部、セバシン酸5部、エチレンジアミン10部、ヘキサメチレンジアミン5部、及びトリフェニルホスフィン0.24部を入れ、系内を窒素雰囲気とし、さらに、窒素気流下均一化の攪拌しながら200℃までゆっくりと昇温した。続いて攪拌しながら200℃にて5時間脱水縮合を行うことにより、軟化点123℃、アミン価2、酸価8、数平均分子量10,000のトール脂肪酸由来のダイマー酸変性ポリアミド樹脂組成物である熱可塑性ポリアミド樹脂を得た。
<<有機溶剤型リキッド印刷インキ調製例2>>
変性顔料 10部、硝化綿H1/2(ニトロセルロース、不揮発分70%、JIS K-6703により溶液濃度25.0%における粘度9.0~14.9%品 太平化学製品株式会社製)を5部、熱可塑性ポリアミド樹脂を10部、キレート架橋剤としてチタンTAAキレート剤(BORICA社製 チタニウムアセチルアセトネート)1部、有機溶剤としてイソプロピルアルコール25部、酢酸エチル25部、酢酸ノルマルプロピル14部、メチルシクロヘキサン10部をマイティーミル(株式会社井上製作所製)を用いて混練し、有機溶剤型リキッド印刷インキを得た。
[実施例21及び22]
表3に記載の変性顔料を用い、上記有機溶剤型リキッド印刷インキの調製方法2で示した方法で実施例21及び22の有機溶剤型リキッド印刷インキを調製した。
(水性リキッド印刷インキの調製方法)
水性リキッド印刷インキは、以下に示す水性リキッド印刷インキの調製方法1及び水性リキッド印刷インキの調製方法2により調製した。
<水性リキッド印刷インキの調製方法1>
練肉ベースインキ配合に従い撹拌混合した後、ビーズミルで練肉し練肉ベースインキを作製した。次にアクリル樹脂として「アクリル酸エステル系重合体エマルジョン(酸価33、固形分40%)」10部、水5部、イソプロピルアルコール20部を追加混合した。その後粘度調製溶剤として希釈溶剤を用い、離合社製のザーンカップNo.4で16秒(25℃)になるように粘度を調製し水性リキッド印刷インキ1を得た。なお希釈溶剤として水:イソプロピルアルコール=30:70(質量比)を用いた。
〔練肉ベースインキ配合〕
変性顔料 10部
アクリル酸エステル系重合体エマルジョン 30部
ノニオン系顔料分散剤(BYK社製) 10部
イソプロピルアルコール 5部
水 10部
〔最終的な水性リキッド印刷インキの配合総量(粘度調製用の希釈溶剤を除く)〕
変性顔料 10部
アクリル酸エステル系重合体エマルジョン 40部
ノニオン系顔料分散剤(BYK社製) 10部
イソプロピルアルコール 25部
水 15部
[実施例23~27]
表3に記載の変性顔料を用い、上記水性リキッド印刷インキの調製方法1で示した方法で実施例23~27の水性リキッド印刷インキを調製した。
<水性リキッド印刷インキの調製方法2>
練肉ベースインキ配合に従い撹拌混合した後、ビーズミルで練肉し練肉ベースインキを作製し、練肉ベースインキに更に、ウレタン樹脂として「ポリエステル系ウレタンディスパージョン(酸価27、固形分33%)」10部、水5部、イソプロピルアルコール20部を追加混合した。その後粘度調製溶剤として希釈溶剤を用い、離合社製のザーンカップNo.3で16秒(25℃)になるように粘度を調製し水性リキッド印刷インキ2を得た。なお希釈溶剤として水:イソプロピルアルコール= 30:70(質量比)を用いた。
〔練肉ベースインキ配合〕
変性顔料 10部
ポリエステル系ウレタンディスパージョン 30部
ノニオン系顔料分散剤(BYK社製) 10部
イソプロピルアルコール 5部
水 10部
〔最終的な水性リキッドインキの配合総量(粘度調製用の希釈溶剤を除く)〕
変性顔料 10部
ポリエステル系ウレタンディスパージョン 40部
ノニオン系顔料分散剤(BYK社製) 10部
イソプロピルアルコール 25部
水 15部
[実施例28及び29]
表3に記載の変性顔料を用い、上記水性リキッド印刷インキの調製方法2で示した方法で実施例28及び29の水性リキッド印刷インキを調製した。
表3は、実施例1~29における印刷インキの調製に使用した変性顔料、印刷インキの材料としての樹脂及び印刷インキの調製方法を示す。
Figure 0007007526000003
<印刷インキの評価>
実施例1~29における印刷インキの色調を目視により観察し、さらに粘度安定性及び展色物の外観を下記の方法で評価した。
(粘度安定性)
実施例17~29の印刷インキを各々ガラス瓶に採取し、50℃で28日間保存を行った。その後、25℃にて粘度を測定して1液での保存前との粘度変化を評価した。評価基準は以下の通りとした。なお、粘度変化は、離合社製ザーンカップNo.4を用いて液温25℃にて粘度測定することにより行った。
[粘度安定性の評価基準]
A(優秀):粘度変化が無い 粘度変化が2秒未満
B(良好):粘度変化が少しある 粘度差が2秒以上5秒未満
C(可) :粘度変化がやや多い 粘度差が5秒以上10秒未満
D(不可):粘度変化が多い 粘度差が10秒以上
(展色物の外観)
<印刷インキ展色物の調製>
実施例1~16の平版オフセット印刷インキを、ヘラを用いてトップコート紙に展色した後、ドライヤーで乾燥し、展色物を得た。
実施例17~22の有機溶剤型リキッド印刷インキ、実施例23~29の水性リキッド印刷インキを、バーコーター#4(三井電機精機株式会社製、A-bar)を用いて以下の基材にそれぞれ展色した後、ドライヤーで乾燥し、展色物を得た。
[基材の種類]
基材1:トップコート紙
基材2:コロナ処理ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡株式会社製、東洋紡エステル(商標)E5102、厚さ12μm)
基材3:コートボール紙(王子マテリアル株式会社製、UFコート、米坪350g/m2)
<インキ展色物の外観評価>
得られた展色物について、以下の項目に従って目視による評価を行った。
[インキ展色物の評価基準]
A(優秀):インキ展色物は色ムラがなく一様な塗膜で、かつ分散不良によるスジが無く、光沢感を有している
B(良好):インキ展色物は色ムラがなく一様な塗膜で、かつ分散不良によるスジが無い
C(可) :インキ展色物には多少のスジまたは色ムラが見られるが、インキ塗膜を形成できる
D(不可):インキ塗膜を形成できない
表4は、実施例1~29の印刷インキにおける評価の結果を示す。
Figure 0007007526000004
表4に示すように、実施例1~29の印刷インキは、いずれの展色基材においてもインク塗膜を形成でき、良好なインキ特性を有していた。また、粘度安定性に関しては、実施例23及び26~29の印刷インキが特に良好であった。
実施例1~29の印刷インキは、変性顔料の原料である染料と同系統の着色を有しているため、変性顔料の原料である染料を変更することであらゆる色調の印刷インキを製造することができ、色調の選択性に優れるものであった。
本出願は、2020年3月25日に出願された日本特許出願である特願2020-053715号に基づく優先権を主張し、当該日本特許出願のすべての記載内容を援用する。

Claims (10)

  1. 変性顔料と、樹脂とを含む印刷インキであって、
    前記変性顔料が、酸性基及び塩基性基の少なくともいずれかの基を有する染料を、アミノ酸及びタンパク質の少なくとも一つによってレーキ化されている、印刷インキ。
  2. 前記染料は、2つ以上の前記酸性基を有する、請求項1に記載の印刷インキ。
  3. 前記染料における前記酸性基が、スルホ基、カルボキシ基、又はそれらの塩を含む、請求項1又は2に記載の印刷インキ。
  4. 前記染料は、2つ以上の前記塩基性基を有する、請求項1~3の何れか一項に記載の印刷インキ。
  5. 前記染料における前記塩基性基が、アミノ基又はその塩を含む、請求項1~4の何れか一項に記載の印刷インキ。
  6. 前記変性顔料の平均一次粒径が1nm~100μmである、請求項1~5の何れか一項に記載の印刷インキ。
  7. 植物油を含む請求項1~6の何れか一項に記載の印刷インキ。
  8. 平版オフセット印刷インキ用の請求項1~7に記載の印刷インキであって、
    前記樹脂が、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、石油樹脂変性ロジン変性フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ロジンエステル、植物油変性ロジン変性フェノール樹脂、植物油変性ロジンエステル、ポリエステル及びアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む、印刷インキ。
  9. 有機溶剤型リキッド印刷インキ用の請求項1~7に記載の印刷インキであって、
    前記樹脂が、ポリウレタン系樹脂、セルロース誘導体、ポリアミド樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル-アクリル共重合樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン-マレイン酸共重合樹脂、ダンマル樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、変性ポリオレフィン樹脂、ケトン樹脂及び環化ゴムからなる群より選択される少なくとも1種を含む、印刷インキ。
  10. 水性リキッド印刷インキ用の請求項1~7に記載の印刷インキであって、
    前記樹脂が、ポリウレタン系樹脂、アクリル樹脂、セルロース誘導体、アクリル酸エステル系重合体エマルジョン及びポリエステル系ウレタンディスパージョンからなる群から選択される少なくとも1種を含む、印刷インキ。

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