JP7006467B2 - 溶接継手 - Google Patents

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Description

本発明は、溶接継手に関する。
大量の貨物を搭載する大型のコンテナ船においては、アッパーデッキ(上甲板)に、貨物の積み下ろしを行なうための大きなハッチ(開口部)が形成されている。図7は、大型のコンテナ船のアッパーデッキ周辺の構造の一例を示す図である。図7を参照して、一般に、大型のコンテナ船90においては、船体形状を維持するために、アッパーデッキ92上においてハッチ94を囲むように、ハッチサイドコーミング96が設けられている。アッパーデッキ92およびハッチサイドコーミング96はそれぞれ、複数の鋼板を溶接して構成されている。また、ハッチサイドコーミング96は、アッパーデッキ92上に溶接されている。
上記のような大型のコンテナ船90が海上を航行する際には、波浪によって、船体全体を曲げるような荷重(縦曲げ荷重)が船体に付加される。このような荷重に対して、船体の強度(縦曲げ強度)を十分に確保するために、アッパーデッキ92およびハッチサイドコーミング96には、高強度の厚肉鋼板が利用されている。
また、上述のように、アッパーデッキ92およびハッチサイドコーミング96はそれぞれ、複数の鋼板を溶接した構成を有している。言い換えると、アッパーデッキ92およびハッチサイドコーミング96には、鋼板同士を溶接するための複数の溶接部が形成されている。このような構成において、ハッチサイドコーミング96の溶接部で脆性亀裂が発生すると、図7に一点鎖線の矢印で示すように、脆性亀裂が溶接部に沿ってアッパーデッキ92側に向かって伝播し、さらにアッパーデッキ92の溶接部に伝播する場合がある。同様に、図7に破線の矢印で示すように、アッパーデッキ92の溶接部で発生した脆性亀裂が溶接部に沿って伝播し、さらにハッチサイドコーミング96の溶接部に伝播する場合がある。したがって、船体の強度を十分に向上させるためには、船体に用いられる溶接継手が、上記のような脆性亀裂の伝播を停止させることができる特性(アレスト特性)を有する必要がある。
そこで、従来、特許文献1に開示されているように、ハッチサイドコーミングの溶接部の位置とアッパーデッキの溶接部の位置とがずれるように、ハッチサイドコーミングとアッパーデッキとが溶接されている。この構成によれば、ハッチサイドコーミングにおいて発生した脆性亀裂がハッチサイドコーミングの溶接部に沿ってアッパーデッキ側に伝播しても、その脆性亀裂がアッパーデッキの溶接部に伝播することを抑制することができる。同様に、アッパーデッキの溶接部からハッチサイドコーミングの溶接部への脆性亀裂の伝播も抑制することができる。これにより、船体の強度を向上させることができる。
特開2012-092379号公報
ところで、アッパーデッキとハッチサイドコーミングとの間における脆性亀裂の伝播の形態は上述の形態だけではない。具体的には、例えば、アッパーデッキの溶接部で発生した脆性亀裂が母材鋼板中を伝播した後、アッパーデッキとハッチサイドコーミングとの溶接部を突き抜けてハッチサイドコーミングに伝播する場合がある。同様に、ハッチサイドコーミングの溶接部で発生した脆性亀裂が母材中を伝播した後、アッパーデッキとハッチサイドコーミングとの溶接部を突き抜けてアッパーデッキに伝播する場合がある。このような脆性亀裂の伝播は、ハッチサイドコーミングとアッパーデッキとで溶接部の位置をずらしたとしても、抑制することはできない。このため、大型のコンテナ船において使用される溶接継手では、上記のような脆性亀裂の伝播も抑制することができるように、アレスト特性のさらなる向上が求められている。
そこで、本発明の目的は、脆性亀裂の伝播が抑制された溶接継手を提供することにある。
本発明は、下記の溶接継手を要旨とする。
(1)板状の第1金属部材と、前記第1金属部材の表面に対して略垂直な状態で前記表面に溶接されている板状の第2金属部材と、を備えた溶接継手であって、
前記第2金属部材は、前記第1金属部材の表面から前記表面に垂直な方向に離れた位置に設けられた板状の本体部、および前記垂直な方向において前記本体部と前記第1金属部材との間に設けられかつ前記本体部と前記第1金属部材の表面とを接続する接続部を有し、
前記接続部は、前記第2金属部材の厚み方向に層状に重ねられた3つ以上の複数の板状部を含み、
前記複数の板状部のうち、前記厚み方向における一方側の端に位置する板状部を一方側板状部とし、前記厚み方向における他方側の端に位置する板状部を他方側板状部とした場合に、
前記一方側板状部の厚みおよび前記他方側板状部の厚みはそれぞれ、前記本体部の厚みよりも小さく、
前記一方側板状部および前記他方側板状部の前記第1金属部材側の端部はそれぞれ、前記第1金属部材の表面に溶接されており、
前記一方側板状部および前記他方側板状部の前記本体部側の端部は、前記本体部に固定されている、溶接継手。
(2)前記接続部の前記複数の板状部は、前記厚み方向において前記一方側板状部と前記他方側板状部との間に設けられた1つ以上の中間板状部を含み、
前記中間板状部の厚みは、前記本体部の厚みよりも小さい、上記(1)に記載の溶接継手。
(3)前記一方側板状部は、前記本体部、前記他方側板状部および前記中間板状部とは異なる金属板であり、
前記中間板状部は、前記本体部および前記他方側板状部とは異なる金属板であり、
前記他方側板状部および前記本体部は、1つの金属板であり、
前記一方側板状部および前記中間板状部の前記本体部側の端部はそれぞれ、前記本体部に溶接されている、
上記(2)に記載の溶接継手。
(4)前記一方側板状部は、前記本体部、前記他方側板状部および前記中間板状部とは異なる金属板であり、
前記他方側板状部は、前記本体部および前記中間板状部とは異なる金属板であり、
前記一方側板状部および前記他方側板状部の前記本体部側の端部はそれぞれ、前記本体部に溶接されている、上記(2)に記載の溶接継手。
(5)前記中間板状部は、前記一方側板状部、前記他方側板状部および前記本体部とは異なる金属板であり、
前記中間板状部の前記第1金属部材側の端部は、前記第1金属部材の前記表面に溶接されており、
前記中間板状部の前記本体部側の端部は、前記本体部に溶接されている、上記(4)に記載の溶接継手。
(6)少なくとも1つの前記中間板状部および前記本体部は、1つの金属板からなる、上記(4)に記載の溶接継手。
(7)前記一方側板状部および前記他方側板状部のシャルピー衝撃値は、前記本体部のシャルピー衝撃値よりも大きく、
前記少なくとも1つの前記中間板状部は、前記第1金属部材の前記表面に対向する端面を有し、前記端面は、前記表面に溶接されていない、上記(6)に記載の溶接継手。
(8)前記垂直な方向における前記一方側板状部の長さは、前記一方側板状部の厚みの2.75倍以上であり、
前記垂直な方向における前記他方側板状部の長さは、前記他方側板状部の厚みの2.75倍以上であり、
前記垂直な方向における前記中間板状部の長さは、前記中間板状部の厚みの2.75倍以上である、上記(2)から(7)のいずれかに記載の溶接継手。
(9)前記接続部の前記複数の板状部は、前記厚み方向において前記一方側板状部と前記他方側板状部との間に設けられた1つ以上の中間板状部を含み、
前記一方側板状部は、前記本体部、前記他方側板状部および前記中間板状部とは異なる金属板であり、
前記他方側板状部は、前記本体部および前記中間板状部とは異なる金属板であり、
少なくとも1つの前記中間板状部および前記本体部は、1つの金属板であり、
前記一方側板状部および前記他方側板状部の前記本体部側の端部はそれぞれ、前記本体部に溶接されている、上記(1)に記載の溶接継手。
(10)前記一方側板状部および前記他方側板状部のシャルピー衝撃値は、前記本体部のシャルピー衝撃値よりも大きく、
前記少なくとも1つの前記中間板状部は、前記第1金属部材の前記表面に対向する端面を有し、前記端面は、前記表面に溶接されていない、上記(9)に記載の溶接継手。
(11)前記垂直な方向における前記一方側板状部の長さは、前記一方側板状部の厚みの2.75倍以上であり、
前記垂直な方向における前記他方側板状部の長さは、前記他方側板状部の厚みの2.75倍以上である、上記(10)に記載の溶接継手。
本発明によれば、溶接継手を構成する金属部材間に、複数の板状部を層状に配置することによって、金属部材間で脆性亀裂が伝播することを抑制できる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る溶接継手を模式的に示す側面図である。 図2は、本発明の第2の実施形態に係る溶接継手を模式的に示す側面図である。 図3は、本発明の第3の実施形態に係る溶接継手を模式的に示す側面図である。 図4は、変形例に係る溶接継手を模式的に示す側面図である。 図5は、他の変形例に係る溶接継手を模式的に示す側面図である。 図6は、その他の変形例に係る溶接継手を模式的に示す側面図である。 図7は、大型のコンテナ船のアッパーデッキ周辺の構造の一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態に係る溶接継手について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る溶接継手を模式的に示す側面図である。図1を参照して、本実施形態に係る溶接継手100は、板状の第1金属部材10と、板状の第2金属部材20とを備えている。第1金属部材10および第2金属部材20はそれぞれ、例えば、鋼からなる。本実施形態では、第1金属部材10は、平坦な表面12を有する金属板である。
第2金属部材20は、第1金属部材10の表面12に対して略垂直な状態で第1金属部材10の表面12に溶接されている。本実施形態では、溶接継手100は、いわゆるT字継手である。
第2金属部材20は、本体部22および接続部24を有している。本体部22は、第1金属部材10の表面12から該表面12に垂直な方向に離れた位置に設けられている。本実施形態では、本体部22は、均一な厚みの平板形状を有している。
接続部24は、第1金属部材10の表面12に垂直な方向において本体部22と第1金属部材10との間に設けられかつ本体部22と表面12とを接続している。本実施形態では、接続部24は、溶接部26,28を介して、本体部22と表面12とを接続している。接続部24は、第2金属部材20の厚み方向に重ねられた複数(本実施形態では、3つ)の板状部24a,24b,24cを含む。詳細は後述するが、本実施形態では、板状部24a,24b,24cの本体部22側の端部(表面12に垂直な方向における本体部22側の端部)はそれぞれ、本体部22に固定されている。
なお、以下の説明では、接続部24のうち、第2金属部材20の厚み方向における一方側の端に位置する板状部24aを一方側板状部24aと記載し、第2金属部材20の厚み方向における他方側の端に位置する板状部24cを他方側板状部24cと記載する。また、接続部24のうち、第2金属部材20の厚み方向において一方側板状部24aと他方側板状部24cとの間に設けられた板状部24bを中間板状部24bと記載する。
本実施形態では、一方側板状部24aは、本体部22、中間板状部24bおよび他方側板状部24cとは異なる金属板である。また、中間板状部24bは、本体部22および他方側板状部24cとは異なる金属板である。一方、本体部22および他方側板状部24cは1つの金属板である。本体部22および他方側板状部24cは、1枚の金属板から機械加工によって切り出すことによって得ることができる。
なお、本実施形態において1つの金属板とは、切断等によって一度も分離されていない金属板を意味する。したがって、本実施形態においては、1つの金属板を切断等によって分離することによって得られた複数の金属板は、互いに異なる金属板である。後述する第2の実施形態以降の各実施形態の説明においても同様である。
一方側板状部24aおよび中間板状部24bの本体部22側の端部(表面12に垂直な方向における本体部22側の端部)はそれぞれ、溶接部26によって本体部22に固定されている。本実施形態では、一方側板状部24aおよび中間板状部24bは、本体部22に開先溶接されている。また、一方側板状部24a、中間板状部24bおよび他方側板状部24cの第1金属部材10側の端部(表面12に垂直な方向における第1金属部材10側の端部)はそれぞれ、溶接部28によって表面12に固定されている。本実施形態では、一方側板状部24a、中間板状部24bおよび他方側板状部24cは、第1金属部材10に開先溶接されている。
本実施形態では、一方側板状部24aの厚みt1、中間板状部24bの厚みt2、および他方側板状部24cの厚みt3は、本体部22の厚みt4よりも小さい。一方側板状部24aの厚みt1、中間板状部24bの厚みt2、および他方側板状部24cの厚みt3はそれぞれ、本体部22の厚みt4の1/2以下に設定される。本実施形態では、一方側板状部24aの厚みt1、中間板状部24bの厚みt2、および他方側板状部24cの厚みt3は互いに略等しく、本体部22の厚みt4の略1/3の大きさに設定されている。本実施形態では、本体部22の厚みt4は、例えば、50mm以上である。同様に、第1金属部材10の厚みは、例えば、50mm以上である。
また、本実施形態では、第1金属部材10の表面12に垂直な方向における一方側板状部24aの長さL1は、一方側板状部24aの厚みt1の2.75倍以上であり、上記垂直な方向における中間板状部24bの長さL2は、中間板状部24bの厚みt2の2.75倍以上であり、上記垂直な方向における他方側板状部24cの長さL3は、他方側板状部24cの厚みt3の2.75倍以上である。
(本実施形態の効果)
本実施形態に係る溶接継手100では、第2金属部材20のうち、第1金属部材10に溶接される部分に接続部24が設けられている。上述したように、接続部24は、一方側板状部24a、中間板状部24bおよび他方側板状部24cが第2金属部材20の厚み方向に層状に重ねられた構成を有している。さらに、一方側板状部24a、中間板状部24bおよび他方側板状部24cの厚みt1,t2,t3は、本体部22の厚みt4よりも小さい。このため、板厚効果によって、一方側板状部24a、中間板状部24bおよび他方側板状部24cのアレスト靭性Kca(脆性亀裂伝播停止特性値)を、本体部22よりも大きくすることができる。
また、本実施形態に係る溶接継手100においては、溶接部26,28では、図1の紙面奥行き方向において引張の溶接残留応力が発生し、接続部24では、図1の紙面奥行き方向において圧縮の溶接残留応力が発生する。接続部24において発生する上記の圧縮残留応力によって、接続部24を亀裂が進展する際の実効的な応力拡大係数を低下させることができる。
ここで、溶接継手100において、外力によって図1の紙面奥行き方向に引張応力が発生している状態において、第1金属部材10と図示しない他の金属部材との溶接部において脆性亀裂が発生し、その亀裂が図1に一点鎖線の矢印で示すように、第2金属部材20の接続部24に向かって伝播したとする。接続部24に脆性亀裂が伝播すると、その亀裂は、一方側板状部24a、中間板状部24b、および他方側板状部24cに分離して本体部22に向かって伝播しようとする。しかしながら、上述したように、本実施形態では、板厚効果によって、一方側板状部24a、中間板状部24bおよび他方側板状部24cのアレスト靭性Kcaを大きくすることができる。なお、一方側板状部24aおよび中間板状部24bには、他方側板状部24cよりもアレスト靭性Kcaが高い鋼材を使用することが望ましい。また、上述したように、接続部24に生じる圧縮の残留応力によって、接続部24を亀裂が進展する際の実効的な応力拡大係数を低下させることができる。これらの結果、第1金属部材10から接続部24に伝播された脆性亀裂が、接続部24を突き抜けて本体部22に伝播することを抑制することができる。すなわち、第1金属部材10から第2金属部材20の本体部22への脆性亀裂の伝播を抑制することができる。詳細な説明は省略するが、接続部24の上記の効果によって、本体部22から第1金属部材10への脆性亀裂の伝播も同様に抑制することができる。
なお、通常の構造物の設計応力を前提とすると、応力拡大係数は、第1金属部材10から本体部22に向かって伝播した脆性亀裂の表面12からの長さ(表面12に垂直な方向における長さ)が、板状部24a,24b,24cの厚みt1,t2,t3と同程度の長さになったときに極大値を示す。一方で、接続部24において発生する上述の圧縮残留応力の影響によって、脆性亀裂の表面12からの長さが厚みt1,t2,t3の2.75倍程度の長さになるまでは、応力拡大係数が上記極大値を超えない。そこで、本実施形態では、板状部24a,24b,24cの長さL1,L2,L3をそれぞれ、厚みt1,t2,t3の2.75倍以上に設定している。これにより、第1金属部材10から本体部22に向かって板状部24a,24b,24cを脆性亀裂が進展する際に、応力拡大係数を確実に低下させることができる。言い換えると、接続部24において生じる上述の圧縮残留応力の効果を十分に発揮させることができる。本実施形態では、この圧縮残留応力の効果(応力拡大係数の低下)と上述の板厚効果との相乗効果によって、第1金属部材10から本体部22に向かって伝播する脆性亀裂の進展を、接続部24において著しく抑制することができる。その結果、脆性亀裂を停止させることが可能になる。すなわち、ショートクラックアレストを実現できる。なお、本実施形態では、接続部24において3枚以上の板状部を重ねた状態になっている。このため、3枚以上の板状部の内の何枚かの板状部において脆性亀裂の長さが厚みt1,t2,t3の2.75倍を超えたとしても、上述の板厚効果によって脆性亀裂の進展を抑制でき、さらに脆性破壊を免れた残りの板状部が脆性亀裂の進展を抑制する。これにより、接続部24全体で脆性亀裂伝播を十分に抑制できる。詳細な説明は省略するが、接続部24における圧縮残留応力の効果および板厚効果によって、本体部22から第1金属部材10に向かって伝播する脆性亀裂の進展も同様に抑制することができる。
本実施形態では、上述したように、本体部22および他方側板状部24cは、1つの金属板からなる。また、他方側板状部24cは、本体部22の表層部から第1金属部材10側に向かって突出するように形成されている。すなわち、本実施形態では、他方側板状部24cは、金属板の表層部によって形成されている。ここで、金属板の中心部と表層部とを比較すると、中心偏析の影響により、中心部の靭性は表層部に比べて低くなる。言い換えると、表層部の靭性は、中心部の靭性よりも高い。そこで、本実施形態では、金属板の表層部によって形成された他方側板状部24cを、第1金属部材10に溶接している。これにより、亀裂が他方側板状部24cを介して第1金属部材10と第2金属部材20との間で伝播することを十分に抑制することができる。なお、本体部22の厚みt4が大きくなることによって、上記の中心偏析の影響が大きくなる場合がある。
(変形例)
上述の実施形態では、中間板状部24bが第1金属部材10および本体部22に溶接される場合について説明したが、中間板状部24bが第1金属部材10に溶接されていなくてもよく、中間板状部24bが本体部22に溶接されていなくてもよい。また、中間板状部24bにおいて、表面12に垂直な方向において表面12に対向する端面のうちの一部が第1金属部材10に溶接されていなくてもよい。同様に、中間板状部24bにおいて、表面12に垂直な方向において本体部22に対向する端面のうちの一部が本体部22に溶接されていなくてもよい。
上述の実施形態では、接続部24が、3つの板状部24a~24cを備える場合について説明したが、接続部が、4つ以上の板状部を備えていてもよい。例えば、一方側板状部24aと他方側板状部24cとの間に、複数の中間板状部が設けられてもよい。なお、本実施形態では、表面12に垂直な方向において、各板状部の長さはそれぞれ、各板状部の厚みの2.75倍以上に設定されることが好ましい。
上述の実施形態では、溶接継手がT字継手である場合について説明したが、溶接継手が十字継手であってもよい。具体的には、溶接継手が、第1金属部材の両面にそれぞれ第2金属部材が溶接された構成を有していてもよい。詳細な説明は省略するが、以下に説明する実施形態においても同様である。
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態に係る溶接継手を模式的に示す側面図である。図2を参照して、本実施形態に係る溶接継手102は、板状の第1金属部材10と、板状の第2金属部材30とを備えている。第1金属部材10は、溶接継手100の第1金属部材10と同様の構成を有しているので説明は省略する。第2金属部材30は、上述の第2金属部材20と同様に、例えば、鋼からなる。
第2金属部材30は、第1金属部材10の表面12に対して略垂直な状態で第1金属部材10の表面12に溶接されている。第2金属部材30は、本体部32および接続部34を有している。本体部32は、上述の本体部22と同様に、第1金属部材10の表面12から該表面12に垂直な方向に離れた位置に設けられ、均一な厚みの平板形状を有している。
接続部34は、第1金属部材10の表面12に垂直な方向において本体部32と第1金属部材10との間に設けられかつ本体部32と表面12とを接続している。接続部34は、第2金属部材30の厚み方向に重ねられた複数(本実施形態では、3つ)の板状部34a,34b,34cを含む。詳細は後述するが、第1金属部材10の表面12に垂直な方向における接続部34の一端部は第1金属部材10に溶接され、他端部は本体部32に溶接されている。
なお、以下の説明では、上述の実施形態の接続部24と同様に、板状部34aを一方側板状部34aと記載し、板状部34bを中間板状部34bと記載し、板状部34cを他方側板状部34cと記載する。
本実施形態では、一方側板状部34a、中間板状部34bおよび他方側板状部34cは、互いに異なる金属板である。また、一方側板状部34a、中間板状部34bおよび他方側板状部34cはそれぞれ、本体部32とは異なる金属板である。
一方側板状部34a、中間板状部34bおよび他方側板状部34cの本体部32側の端部(表面12に垂直な方向における本体部32側の端部)はそれぞれ、溶接部36によって本体部32に固定されている。本実施形態では、一方側板状部34a、中間板状部34bおよび他方側板状部34cは、本体部32に開先溶接されている。また、一方側板状部34a、中間板状部34bおよび他方側板状部34cの第1金属部材10側の端部(表面12に垂直な方向における第1金属部材10側の端部)はそれぞれ、溶接部38によって表面12に固定されている。本実施形態では、一方側板状部34a、中間板状部34bおよび他方側板状部34cは、第1金属部材10に開先溶接されている。
第1の実施形態と同様に、一方側板状部34aの厚み、中間板状部34bの厚み、および他方側板状部34cの厚みは、本体部32の厚みよりも小さい。一方側板状部34aの厚み、中間板状部34bの厚み、および他方側板状部34cの厚みはそれぞれ、本体部32の厚みの1/2以下に設定される。本実施形態では、一方側板状部34aの厚み、中間板状部34bの厚み、および他方側板状部34cの厚みは互いに略等しく、本体部32の厚みの略1/3の大きさに設定されている。本体部32の厚みは、例えば、50mm以上である。
また、本実施形態においても、第1金属部材10の表面12に垂直な方向における一方側板状部34aの長さは、一方側板状部34aの厚みの2.75倍以上であり、上記垂直な方向における中間板状部34bの長さは、中間板状部34bの厚みの2.75倍以上であり、上記垂直な方向における他方側板状部34cの長さは、他方側板状部34cの厚みの2.75倍以上である。
本実施形態に係る溶接継手102においても、上述の溶接継手100と同様に、板厚効果によって、一方側板状部34a、中間板状部34bおよび他方側板状部34cのアレスト靭性Kcaを、本体部32よりも大きくすることができる。これにより、第2金属部材30の本体部32から第1金属部材10への脆性亀裂の伝播および第1金属部材10から第2金属部材30の本体部32への脆性亀裂の伝播を抑制することができる。
また、一方側板状部34aの長さは、一方側板状部34aの厚みの2.75倍以上であり、中間板状部34bの長さは、中間板状部34bの厚みの2.75倍以上であり、他方側板状部34cの長さは、他方側板状部34cの厚みの2.75倍以上である。これにより、本実施形態に係る溶接継手102においても、上述の溶接継手100と同様に、ショートクラックアレストを実現できる。
(変形例)
上述の実施形態では、中間板状部34bが第1金属部材10および本体部32に溶接される場合について説明したが、中間板状部34bが第1金属部材10に溶接されていなくてもよく、中間板状部34bが本体部32に溶接されていなくてもよい。また、中間板状部34bにおいて、表面12に垂直な方向において表面12に対向する端面のうちの一部が第1金属部材10に溶接されていなくてもよい。同様に、中間板状部34bにおいて、表面12に垂直な方向において本体部32に対向する端面のうちの一部が本体部32に溶接されていなくてもよい。
上述の実施形態では、一方側板状部34aと他方側板状部34cとの間に1つの中間板状部34bが設けられる場合について説明したが、一方側板状部34aと他方側板状部34cとの間に、複数の中間板状部が設けられてもよい。
(第3の実施形態)
図3は、本発明の第3の実施形態に係る溶接継手を模式的に示す側面図である。図3を参照して、本実施形態に係る溶接継手104は、板状の第1金属部材10と、板状の第2金属部材40とを備えている。第1金属部材10は、溶接継手100の第1金属部材10と同様の構成を有しているので説明は省略する。第2金属部材40は、上述の第2金属部材20と同様に、例えば、鋼からなる。
第2金属部材40は、第1金属部材10の表面12に対して略垂直な状態で第1金属部材10の表面12に溶接されている。第2金属部材40は、本体部42および接続部44を有している。本体部42は、上述の本体部22と同様に、第1金属部材10の表面12から該表面12に垂直な方向に離れた位置に設けられ、均一な厚みの平板形状を有している。
接続部44は、第1金属部材10の表面12に垂直な方向において本体部42と第1金属部材10との間に設けられかつ本体部42と表面12とを接続している。接続部44は、第2金属部材40の厚み方向に重ねられた複数(本実施形態では、3つ)の板状部44a,44b,44cを含む。詳細は後述するが、第1金属部材10の表面12に垂直な方向における接続部44の一端部は第1金属部材10に固定され、他端部は本体部42に固定されている。
なお、以下の説明では、上述の実施形態の接続部24,34と同様に、板状部44aを一方側板状部44aと記載し、板状部44bを中間板状部44bと記載し、板状部44cを他方側板状部44cと記載する。
本実施形態では、一方側板状部44aは、本体部42、中間板状部44bおよび他方側板状部44cとは異なる金属板である。また、他方側板状部44cは、本体部42および中間板状部44bとは異なる金属板である。一方、本体部42および中間板状部44bは1つの金属板である。本体部42および中間板状部44bは、1枚の金属板から機械加工によって切り出すことによって得ることができる。
一方側板状部44aおよび他方側板状部44cの本体部42側の端部(表面12に垂直な方向における本体部42側の端部)は、溶接部46a,46bによって本体部42に固定されている。本実施形態では、一方側板状部44aおよび他方側板状部44cは、本体部42に開先溶接されている。また、一方側板状部44aおよび他方側板状部44cの第1金属部材10側の端部(表面12に垂直な方向における第1金属部材10側の端部)は、溶接部48a,48bによって表面12に固定されている。本実施形態では、一方側板状部44aおよび他方側板状部44cは、第1金属部材10に開先溶接されている。
本実施形態では、中間板状部44bの端面45(表面12に垂直な方向において表面12に対向する面)の全面が、第1金属部材10に溶接されていない。
上述の実施形態と同様に、一方側板状部44aの厚み、中間板状部44bの厚み、および他方側板状部44cの厚みは、本体部42の厚みよりも小さい。一方側板状部44aの厚み、中間板状部44bの厚み、および他方側板状部44cの厚みはそれぞれ、本体部42の厚みの1/2以下に設定される。本実施形態では、一方側板状部44aの厚み、中間板状部44bの厚み、および他方側板状部44cの厚みは互いに略等しく、本体部42の厚みの略1/3の大きさに設定されている。本体部42の厚みは、例えば、50mm以上である。
また、上述の実施形態と同様に、第1金属部材10の表面12に垂直な方向における一方側板状部44aの長さは、一方側板状部44aの厚みの2.75倍以上であり、上記垂直な方向における中間板状部44bの長さは、中間板状部44bの厚みの2.75倍以上であり、上記垂直な方向における他方側板状部44cの長さは、他方側板状部44cの厚みの2.75倍以上である。
本実施形態に係る溶接継手104においては、中間板状部44bの端面45が第1金属部材10に溶接されていない。このため、中心偏析の影響によって中間板状部44bの靭性が低下していたとしても、本体部42から中間板状部44bに伝播した脆性亀裂が、中間板状部44bから第1金属部材10に伝播することを防止することができる。また、第1金属部材10から中間板状部44bに脆性亀裂が伝播することを防止することができる。さらに、上述の溶接継手100と同様に、板厚効果によって、一方側板状部44aおよび他方側板状部44cのアレスト靭性Kcaを、本体部42よりも大きくすることができる。これらの結果、第2金属部材40の本体部42から第1金属部材10への脆性亀裂の伝播および第1金属部材10から第2金属部材40の本体部42への脆性亀裂の伝播を抑制することができる。
また、一方側板状部44aの長さは、一方側板状部44aの厚みの2.75倍以上であり、他方側板状部44cの長さは、他方側板状部44cの厚みの2.75倍以上である。これにより、本実施形態に係る溶接継手104においても、上述の溶接継手100と同様に、ショートクラックアレストを実現できる。なお、本実施形態では、中間板状部44bの長さが中間板状部44bの厚みの2.75倍未満であっても同様の効果が得られる。
なお、本実施形態では、一方側板状部44aおよび他方側板状部44cのシャルピー衝撃値が、本体部42のシャルピー衝撃値よりも大きいことが好ましい。この場合、本体部42と第1金属部材10との間における脆性亀裂の伝播を十分に抑制することができる。シャルピー衝撃値は、JIS Z2242 2005に準拠した試験を実施することによって測定される。なお、本実施形態では、中間板厚部44bと第1金属部材10とは、溶接で直接接合されていない。このため、本体部42から中間板状部44bを介して第1金属部材10へ、もしくは第1金属部材10から中間板状部44bを介して本体部42への脆性亀裂の伝播は起こらない。したがって、本実施形態では、中間板状部44bのシャルピー衝撃特性は、第1金属部材10と本体部42との間の脆性亀裂の伝播に直接は影響しない。
なお、シャルピー衝撃試験の衝撃値は、試験温度により変化する。このため、本実施形態では、例えば、異なる複数の温度にてシャルピー衝撃試験を行い、一方側板状部44a、本体部42および他方側板状部44cそれぞれの破面遷移温度を求める。本実施形態では、例えば、一方側板状部44aおよび他方側板状部44cの破面遷移温度におけるシャルピー衝撃値(衝撃吸収エネルギー)が、本体部42の破面遷移温度におけるシャルピー衝撃値(衝撃吸収エネルギー)よりも大きいことが好ましい。また、本実施形態では、例えば、破面遷移領域の任意の温度における一方側板状部44aおよび他方側板状部44cのシャルピー衝撃値および延性破面率が、破面遷移領域の任意の温度における本体部42のシャルピー衝撃値および延性破面率よりも大きいことが好ましい。また、本実施形態では、例えば、一方側板状部44aおよび他方側板状部44cの遷移温度領域が、本体部42の遷移温度領域よりも低いことが好ましい。具体的には、例えば、一方側板状部44aおよび他方側板状部44cの方が本体部42よりも、破面遷移温度が低いことが好ましい。また、例えば、一方側板状部44aおよび他方側板状部44cの方が本体部42よりも、エネルギー遷移温度が低いことが好ましい。なお、溶接継手104の使用温度範囲内の任意の温度において、一方側板状部44aおよび他方側板状部44cのシャルピー衝撃値が、本体部42のシャルピー衝撃値よりも大きいことが好ましい。また、本実施形態では、一方側板状部44aおよび他方側板状部44cの方が本体部42よりも、降伏応力および引張強さが高いことが好ましい。
(変形例)
上述の実施形態では、中間板状部44bの端面45の全面が第1金属部材10に溶接されていない場合について説明したが、溶接部48a,48bによって、中間板状部44bの端面45の一部が表面12に溶接されていてもよい。
この場合、例えば、破面遷移領域の任意の温度における一方側板状部44aおよび他方側板状部44cのシャルピー衝撃値および延性破面率が、破面遷移領域の任意の温度における中間板状部44bのシャルピー衝撃値および延性破面率よりも大きいことが好ましい。また、本実施形態では、例えば、一方側板状部44aおよび他方側板状部44cの遷移温度領域が、中間板状部44bの遷移温度領域よりも低いことが好ましい。具体的には、例えば、一方側板状部44aおよび他方側板状部44cの方が中間板状部44bよりも、破面遷移温度が低いことが好ましい。また、例えば、一方側板状部44aおよび他方側板状部44cの方が中間板状部44bよりも、エネルギー遷移温度が低いことが好ましい。なお、溶接継手104の使用温度範囲内の任意の温度において、一方側板状部44aおよび他方側板状部44cのシャルピー衝撃値が、中間板状部44bのシャルピー衝撃値よりも大きいことが好ましい。また、本実施形態では、一方側板状部44aおよび他方側板状部44cの方が中間板状部44bよりも、降伏応力および引張強さが高いことが好ましい。
なお、一般に、極厚素材の板厚中央部は、中心偏析の影響等によって靭性を向上させることが難しい。しかしながら、上記のように一方側板状部44aおよび他方側板状部44cに高靭性の材料を用いることによって、中間板状部44bを高靭性化しなくても、接続部44全体として靭性を向上させることができる。すなわち、本体部42および中間板状部44bの素材となる金属板(例えば、極厚鋼板)の靭性を必要以上に向上させることなく、接続部44の靭性を向上させることができる。これにより、低コストで溶接継手のアレスト特性を向上させることができる。
上述の実施形態では、一方側板状部44aと他方側板状部44cとの間に1つの中間板状部44bが設けられる場合について説明したが、一方側板状部44aと他方側板状部44cとの間に、複数の中間板状部が設けられてもよい。例えば、図4に示す溶接継手104aのように、一方側板状部44aと中間板状部44bとの間に中間板状部44dがさらに設けられ、中間板状部44bと他方側板状部44cとの間に中間板状部44eがさらに設けられてもよい。なお、溶接継手104aにおいては、中間板状部44dは本体部42および他の板状部44a~44c,44eとは異なる金属板である。同様に、中間板状部44eは、本体部42および他の板状部44a~44dとは異なる金属板である。第1金属部材10の表面12に垂直な方向における中間板状部44d,44eの一端部は第1金属部材10に溶接され、他端部は本体部42に溶接されている。本実施形態では、中間板状部44d,44eのシャルピー衝撃値は、本体部42のシャルピー衝撃値よりも大きいことが好ましい。すなわち、本体部42と同一の金属板からなる中間板状部44b以外の全ての板状部44a,44c~44eのシャルピー衝撃値が、本体部42のシャルピー衝撃値よりも大きいことが好ましい。なお、詳細な説明は省略するが、シャルピー衝撃値、延性破面率、破面遷移温度、およびエネルギー遷移温度に関して、板状部44d,44eと本体部42との関係は、上述の溶接継手104における板状部44a,44cと本体部42との関係と同様である。
また、上述の溶接継手104では、一方側板状部44aおよび他方側板状部44cが、第1金属部材10に開先溶接される場合について説明したが、図5に示す溶接継手104bのように、一方側板状部44aおよび他方側板状部44cが第1金属部材10に隅肉溶接されていてもよい。
また、上述の溶接継手104では、中間板状部44bの厚みが、本体部42の厚みの1/2以下に設定される場合について説明したが、図6に示す溶接継手104cのように、中間板状部44bが、本体部42と略同一の厚みを有していてもよい。なお、溶接継手104cでは、第1金属部材10の表面12に垂直な方向における板状部44a,44cの一端部は第1金属部材10に開先溶接され、他端部は本体部42に隅肉溶接されている。
本発明によれば、溶接継手において、金属部材間で脆性亀裂が伝播することを抑制することができる。したがって、本発明は、コンテナ船等の大型の構造物において好適に利用できる。
10 第1金属部材
12 表面
20 第2金属部材
22,32,42 本体部
24,34,44 接続部
24a~24c,34a~34c,44a~44e 板状部
90 コンテナ船
92 アッパーデッキ
94 ハッチ
96 ハッチサイドコーミング
100,102,104,104a,104b,104c 溶接継手

Claims (11)

  1. 板状の第1金属部材と、前記第1金属部材の表面に対して略垂直な状態で前記表面に溶接されている板状の第2金属部材と、を備えた溶接継手であって、
    前記第2金属部材は、前記第1金属部材の表面から前記表面に垂直な方向に離れた位置に設けられた板状の本体部、および前記垂直な方向において前記本体部と前記第1金属部材との間に設けられかつ前記本体部と前記第1金属部材の表面とを接続する接続部を有し、
    前記接続部は、前記第2金属部材の厚み方向に層状に重ねられた3つ以上の複数の板状部を含み、
    前記複数の板状部のうち、前記厚み方向における一方側の端に位置する板状部を一方側板状部とし、前記厚み方向における他方側の端に位置する板状部を他方側板状部とした場合に、
    前記一方側板状部の厚みおよび前記他方側板状部の厚みはそれぞれ、前記本体部の厚みよりも小さく、
    前記一方側板状部および前記他方側板状部の前記第1金属部材側の端部はそれぞれ、前記第1金属部材の表面に溶接されており、
    前記一方側板状部および前記他方側板状部の前記本体部側の端部は、前記本体部に固定されている、溶接継手。
  2. 前記接続部の前記複数の板状部は、前記厚み方向において前記一方側板状部と前記他方側板状部との間に設けられた1つ以上の中間板状部を含み、
    前記中間板状部の厚みは、前記本体部の厚みよりも小さい、請求項1に記載の溶接継手。
  3. 前記一方側板状部は、前記本体部、前記他方側板状部および前記中間板状部とは異なる金属板であり、
    前記中間板状部は、前記本体部および前記他方側板状部とは異なる金属板であり、
    前記他方側板状部および前記本体部は、1つの金属板であり、
    前記一方側板状部および前記中間板状部の前記本体部側の端部はそれぞれ、前記本体部に溶接されている、
    請求項2に記載の溶接継手。
  4. 前記一方側板状部は、前記本体部、前記他方側板状部および前記中間板状部とは異なる金属板であり、
    前記他方側板状部は、前記本体部および前記中間板状部とは異なる金属板であり、
    前記一方側板状部および前記他方側板状部の前記本体部側の端部はそれぞれ、前記本体部に溶接されている、請求項2に記載の溶接継手。
  5. 前記中間板状部は、前記一方側板状部、前記他方側板状部および前記本体部とは異なる金属板であり、
    前記中間板状部の前記第1金属部材側の端部は、前記第1金属部材の前記表面に溶接されており、
    前記中間板状部の前記本体部側の端部は、前記本体部に溶接されている、請求項4に記載の溶接継手。
  6. 少なくとも1つの前記中間板状部および前記本体部は、1つの金属板からなる、請求項4に記載の溶接継手。
  7. 前記一方側板状部および前記他方側板状部のシャルピー衝撃値は、前記本体部のシャルピー衝撃値よりも大きく、
    前記少なくとも1つの前記中間板状部は、前記第1金属部材の前記表面に対向する端面を有し、前記端面は、前記表面に溶接されていない、請求項6に記載の溶接継手。
  8. 前記垂直な方向における前記一方側板状部の長さは、前記一方側板状部の厚みの2.75倍以上であり、
    前記垂直な方向における前記他方側板状部の長さは、前記他方側板状部の厚みの2.75倍以上であり、
    前記垂直な方向における前記中間板状部の長さは、前記中間板状部の厚みの2.75倍以上である、請求項2から7のいずれかに記載の溶接継手。
  9. 前記接続部の前記複数の板状部は、前記厚み方向において前記一方側板状部と前記他方側板状部との間に設けられた1つ以上の中間板状部を含み、
    前記一方側板状部は、前記本体部、前記他方側板状部および前記中間板状部とは異なる金属板であり、
    前記他方側板状部は、前記本体部および前記中間板状部とは異なる金属板であり、
    少なくとも1つの前記中間板状部および前記本体部は、1つの金属板であり、
    前記一方側板状部および前記他方側板状部の前記本体部側の端部はそれぞれ、前記本体部に溶接されている、請求項1に記載の溶接継手。
  10. 前記一方側板状部および前記他方側板状部のシャルピー衝撃値は、前記本体部のシャルピー衝撃値よりも大きく、
    前記少なくとも1つの前記中間板状部は、前記第1金属部材の前記表面に対向する端面を有し、前記端面は、前記表面に溶接されていない、請求項9に記載の溶接継手。
  11. 前記垂直な方向における前記一方側板状部の長さは、前記一方側板状部の厚みの2.75倍以上であり、
    前記垂直な方向における前記他方側板状部の長さは、前記他方側板状部の厚みの2.75倍以上である、請求項10に記載の溶接継手。

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