JP4999165B2 - 溶接構造体 - Google Patents

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本発明は、溶接施工された溶接構造体において、その強度を確保できる溶接構造体に関する。より詳しくは、本発明は、溶接構造体における溶接継手部で脆性亀裂が万一発生した場合に、その伝播を停止できるようにする溶接構造体に関する。
コンテナ船は、複数の鋼板を溶接接合して建造される溶接構造体である。このような溶接構造体について図面を参照して説明する
図5(a)はコンテナ船の平面図であり、図5(b)は図5(a)のb−b線矢視図である。また、図6(a)は図5(b)の矢印Aで示す部分の拡大図であり、図6(b)は図6(a)のb−b線矢視図である。
図5(a)に示すように、上甲板4は、船首から船尾まで続いており、舷側外板14及び舷側内板16に溶接されている。上甲板4、舷側外板14及び舷側内板16は船殻を構成する。また、図5(b)に示すように、上甲板4にはハッチコーミング板2が溶接接合されている。ハッチコーミング板2は船殻の強度を増す働きをしており、強度上最も重要な部材のひとつである。上甲板4、舷側外板14、舷側内板16、ハッチコーミング板2の各々は複数の鋼板を溶接で継ぎ合わせて形成されている。
コンテナ船は、図5に示すように、大きな船倉32を内部に有し、船倉上部に大きな開口34を有するため、内部に船殻の強度を補強する部材を密に配置することができない。従って、コンテナ船においては、船殻の強度を確保することが必要である。
船殻等の溶接構造体の強度を確保するためには、溶接構造体における溶接継手部(例えば、図6(b)の溶接継手部6)の靭性を確保することが基本である。しかし、エレクトロガス溶接等の大入熱溶接により溶接を行った場合には、熱影響により溶接継手部の靭性が低下する傾向がある。また、溶接継手部に欠陥が存在することもあり得る。従って、これらを原因として脆性亀裂が発生する可能性がある。
溶接継手部において脆性亀裂が発生した場合、図6(b)を例にとると、溶接継手部6の残留応力により脆性亀裂が溶接継手部6から鋼母材2a側に逸れていくことが多い。このような伝播停止機能は、板厚50mm以下の鋼板において得られる。
しかし、それ以上の板厚の鋼板では、脆性亀裂が、母材側に逸れずに溶接継手部に沿って伝播してしまう可能性が指摘されている。例えば、下記の非特許文献1には、板厚70mmの高強度極厚鋼板の大入熱溶接継手部において、脆性亀裂が母材側に逸れることなく、溶接継手部に沿って直進し、その伝播が停止せず高強度極厚鋼板が分断した実験例が示されている。
特に、近年、コンテナ船に使用される鋼材の板厚は、コンテナ船の大型化に伴い増してきている。具体的には、6000TEUを越える大型船が建造されるようになってきており、それに用いられる鋼材の板厚は50mm以上となり、8000TEU級以上のコンテナ船では、使用鋼材の板厚は70mmを超えるようになっている。
使用鋼材の板厚が増してくると、溶接継手部で発生した脆性亀裂は、母材側に逸れることなく伝播してしまう可能性が増してくる。さらに、脆性亀裂が継手溶接部を超えて他の箇所にも貫通伝播してしまうなどの事態に至る場合が考えられる。従って、溶接継手部に脆性亀裂が発生する場合を想定し、このような事態に至る前に脆性亀裂の伝播を停止させる機能を船舶に備えておくことが極めて重要である。
このような脆性亀裂の伝播停止手段は、例えば、特許文献1〜4に開示されている。
特許文献1には、溶接継手部に交差するように設けられる補強材として、脆性破壊特性に優れた表層細粒鋼を用いることが記載されている。
特許文献2には、溶接継手部に交差するように設けられる補強材として、脆性破壊特性に優れた表層細粒鋼を用いるとともに、溶接継手部と補強材とが交差する領域のうち、溶接継手部のビード幅以上の幅で、かつ補強材の表面又は裏面から板厚の70%以上の長さを有する範囲を完全に溶け込ませる溶接を施すことが記載されている。
特許文献3には、垂直部材の脆性亀裂を停止させたい領域に、当該領域の垂直部材と溶接金属をくり抜き、当該部分に特定の板厚と板長を有するアレスター材を挿入することが記載されている。
特許文献4には、脆性亀裂を停止させる領域に対し、当該領域の溶接継手部の一部を除去した後、当該部分を破壊靭性の優れた溶接材料を用いて補修溶接し、溶接継手部の長手方向に対する補修溶接部外縁方向の角度を10度から60度とすることが記載されている。
特許文献5には、垂直部材の溶接継手と水平部材の溶接継手が交差する領域を除去した後、当該部分に破壊靱性の優れた溶接材料で補修溶接を実施することが記載されている。
特許文献6には、アレスト性に優れた鋼材を使用することが記載されている。
特開2004−232052号公 「耐脆性破壊に優れた溶接構造体」 特開2005−111501号公報 「耐脆性破壊伝播特性に優れた溶接構造体」 特開2005−319516号公報 「耐脆性き裂伝播性に優れた溶接構造体の溶接方法および溶接構造体」 特開2005−131708号公報 「耐脆性き裂伝播性に優れた溶接構造体およびその溶接方法」 特開2006−75874号公報 「耐脆性き裂伝播性に優れた船舶用溶接構造体の溶接方法および船舶用溶接構造体」 特開2003−226931 「アレスト性に優れた直接焼入れ型高張力厚鋼板」 日本船舶海洋工学会誌 第3号第73〜74頁(2005年11月10日) 「超大型コンテナ船の開発 −新しい高強度極厚鋼板の実用―」
しかし、特許文献1、2の場合には、特別な表層細粒鋼を用意する必要がある。また、特許文献3の場合には、アレスト特性を持つ高コストなアレスター材を用いる必要がある。
特許文献4の場合には、特定の箇所をくり抜く作業に加え、補修溶接部を特定の形状に加工する細かい作業が必要となる。特許文献6の場合には、さらに、補修溶接を特殊な溶接材料で行う必要があるため、材料費が増大する。
また、特許文献6で使用されるアレスト性能に優れた鋼材は、通常とは異なる圧延制御プロセスを適用することで結晶粒をより小さくし、性能を向上させたものである。このため、通常鋼板と比べ著しく生産能率が低下し、鋼材価格が上昇、コンテナ船の材料費が増加する。さらに、プロセスが異なるために製鉄所の出荷量が制限される可能性もある。
そこで、本発明の目的は、特許文献1〜4とは異なる手段により、脆性亀裂の伝播を停止させる溶接構造体であって、高コストな材料または特殊なプロセスにより得られる材料を使用しなくとも、脆性亀裂が万一発生した場合にその伝播を停止させるようにした溶接構造体を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明によると、2枚の金属板が溶接により継ぎ合わされてなる接合板と、該接合板が表面に溶接接合される被接合板と、を備え、前記2枚の金属板間の溶接継手部が、前記被接合板の表面に向かって延び被接合板表面に突き当たる溶接構造体において、
前記溶接継手部が被接合板表面に突き当たる突当り位置は、前記被接合板の縁から隔てられている、ことを特徴とする溶接構造体が提供される。
上記構成では、前記突当り位置は、被接合板の縁から隔てられているので、仮に、接合板の溶接継手部で発生した脆性亀裂が突当り位置まで伝播し、ここから被接合板内に伝播しても、この亀裂が被接合板の縁まで伝播することを防止できる。即ち、被接合板における突当り位置から前記縁までの部分は、溶接熱影響を受けておらず靭性が低下していないので、この部分で亀裂の伝播を停止できる。このように、接合板の溶接継手部から伝播してきた脆性亀裂を、被接合板において停止できる。
また、前記突当り位置と被接合板の縁との位置関係により、脆性亀裂の伝播を停止させるので、高コストな材料または特殊なプロセスにより得られる材料を使用しなくてもよい。
よって、高コストな材料または特殊なプロセスにより得られる材料を使用しなくとも、脆性亀裂が万一発生した場合にその伝播を停止させることができる。
本発明の好ましい実施形態によると、前記突当り位置は、被接合板の縁から距離Xだけ隔てられており、
距離Xは所定値sより大きく、
所定値sは、次の[数2]を満たし、

[数2]において、
σは、被接合板の設計応力(N/mm)であり、
Kcaは、被接合板の破壊靱性値(N/mm3/2)である。
上述のように、接合板の溶接継手部で発生した脆性亀裂が突当り位置まで伝播し、ここから被接合板内に伝播した場合、被接合板において亀裂が発生することになる。この亀裂の長さ2sは、σ、Kcaと[数2]の関係があり、この亀裂の中心は突当り位置となる。そこで、突当り位置を被接合板の縁から隔てる距離Xを、sよりも大きくすることで、この亀裂が被接合板の縁まで達することをより確実に防止できる。これにより、接合板の溶接継手部において万一脆性亀裂が発生しても、その伝播を被接合板においてより確実に停止させることができる。
上述の本発明によると、高コストな材料または特殊なプロセスにより得られる材料を使用しなくとも、脆性亀裂が万一発生した場合にその伝播を停止させることができる。
本発明を実施するための最良の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1(a)は、図5(b)における矢印Aで示す部分の拡大図に対応するが、本発明の実施形態による溶接構造体をコンテナ船のハッチコーミング及び上甲板に適用した場合を示している。
図1(a)に示すように、本実施形態による溶接構造体は、ハッチコーミング板2を上甲板4に溶接接合してなる構造体である。
図1(b)は、図1(a)のb−b線矢視図である。図1(b)に示すように、ハッチコーミング板2は、2枚以上の金属板2a(この例では、鋼板)を、その端面同士を突き合わせて溶接接合してなるものである。本実施形態では、厚板のハッチコーミング板2を用いるので、金属板2a同士の溶接接合は、エレクトロガスアーク溶接のような大入熱溶接が用いられる。従って、金属板2a同士の溶接継手部6は、大入熱溶接による熱影響を受けるため、その破壊靭性値が低下している。
なお、図1(a)において、ハッチコーミング板2の側面には、溶接継手部6と直行する方向に延びている補強材としての骨材8が、隅肉溶接により接合されている。また、ハッチコーミング板2の上端には水平方向に配置されるトッププレート12が溶接接合されている。
上甲板4は、図1(a)のように、舷側外板14と舷側内板16の上端部に接合されている。この上甲板4に、ハッチコーミング板2の下端部が溶接により接合されている。
図1(b)に示すように、ハッチコーミング板2の溶接継手部6は、上甲板4表面に向かって延び上甲板4表面に突き当たる。
本実施形態によると、溶接継手部6が接合板表面に突き当たる突当り位置21は、上甲板4の縁から隔てられている。図1(a)では、距離Xだけ隔てられている。
上記構成では、突当り位置21は、上甲板4の縁から隔てられているので、仮に、接合板の溶接継手部6で発生した脆性亀裂が突当り位置21まで伝播し、ここから上甲板4内に伝播しても、この亀裂が上甲板4の縁まで伝播することを防止できる。即ち、上甲板4における突当り位置21から縁までの部分は、溶接熱影響を受けておらず、そのため靭性が低下していないので、この部分で亀裂の伝播を停止できる。このように、接合板の溶接継手部6から伝播してきた脆性亀裂を、上甲板4において停止できる。
突当り位置21まで伝播した脆性亀裂が上甲板4内に伝播する原因としては、溶接継手部6の上甲板4への溶け込みがある。図1(c)は、図1(b)のc−c線断面拡大図であり、突当り位置21付近を示している。図1(c)において、符号23は、溶接継手部6の上甲板4への溶込部を示している。溶込部23は溶接金属により接合・構成されているため、破壊駆動力を伝播する可能性がある。従って、溶接継手部6に脆性亀裂が発生し突当り位置21まで伝播してきた場合、脆性亀裂が溶込部23内まで伝播し、その結果、上甲板4に亀裂が生じる可能性が高くなる。
なお、突当り位置21まで伝播した脆性亀裂が上甲板4内に伝播する他の原因としては、ハッチコーミング板2と上甲板4との深溶け込み溶接などによる溶接接合がある。図2は、図1(b)のII−II線断面拡大図である。図2の符号25は深溶け込み溶接部を示している。深溶け込み溶接部25は溶接金属により接合・構成されているため、破壊駆動力を伝播する可能性がある。従って、溶接継手部6に脆性亀裂が発生し突当り位置21まで伝播してきた場合、亀裂が深溶け込み溶接部25を介して上甲板4内まで伝播し、その結果、上甲板4に亀裂が発生する可能性が高くなる。
上述した構成による脆性亀裂伝播停止機能を従来の場合と比較して説明する。
図3は、図6(b)のIII−III線断面拡大図であり、図6(b)の破線Aで囲んだ付近を示している。図3の従来構成では、溶接継手部6から突当り位置21へ伝播してきた脆性亀裂により、突当り位置21にて上甲板4に亀裂が発生した場合、突当り位置21が上甲板4の縁部にあるため、図3に示すように、この亀裂が上甲板4の底面だけでなく上甲板4の縁に到達して縁を貫通する可能性が高い。そして、この貫通部の真下に舷側内板16があるために、脆性亀裂がさらに舷側内板16へ伝播する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、溶接継手部6から突当り位置21へ伝播してきた脆性亀裂により、突当り位置21にて上甲板4に亀裂が発生した場合、図4(図1(b)のc−c線断面図であり、図1(c)の拡大図である)に示すように、この亀裂が上甲板4の底面に到達するにしても、突当り位置21が上甲板4の縁から隔てられているので、亀裂伝播を上甲板4において停止することが可能になる。従って、上甲板4において脆性亀裂伝播を防止でき、舷側外板14または舷側内板16へ伝播することを防止できる。
また、本実施形態では、溶接継手部6からの脆性亀裂が溶込部23に突入した場合に、上甲板4の板幅方向は板厚方向に比べて十分に寸法が大きいために、溶込部23に突入した亀裂が上甲板4の板幅方向(図4の左右方向)に伝播するには、亀裂伝播方向が90度折れ曲がることが必要なので、板幅方向の破壊駆動力が低下する。そのため、溶接継手部6からの脆性亀裂が溶込部23に突入した場合に、上甲板4の板幅方向の亀裂については、新たな亀裂が上甲板4に発生したと考えることができ、溶接による熱影響を受けていない通常の材料において亀裂が発生した場合と同じにみなすことができる。従って、上甲板4の板幅方向の亀裂については、通常の材料が保有する破壊靭性値で亀裂伝播の停止を期待できる。
なお、別の観点から見ると、図4における突当り位置21の左右両側に上甲板4の鋼材部分が存在する中間位置に亀裂が発生した場合の亀裂伝播力は、図3における突当り位置21の左側のみに上甲板4の鋼材部分が存在する上甲板4縁部に亀裂が発生した場合の亀裂伝播力よりも小さくなる(具体的には、約0.7倍)とされている。この観点からも、図1(a)のように上甲板4の中間位置に突当り位置21を配置することで、亀裂伝播防止を期待できる。
次に、突当り位置21と上甲板4の縁との位置関係の設定方法について詳細に説明する。
上述のように、万一ハッチコーミング板2の溶接継手部6に脆性亀裂が発生し、これが上甲板4における溶込部23まで伝播すると、板幅方向に関しては新たに上甲板4に亀裂が発生したと考えることができる。
上甲板4に発生する亀裂の長さ2sは、金属板の設計応力σおよび破壊靱性値Kcaと[数3]の関係がある。
なお、破壊靱性値Kca(N/mm3/2)は、金属板材料に固有の値であり、耐脆性破壊の駆動力を表す。設計応力σ(N/mm)は、金属板に対し予め設定されている応力強度である。即ち、Kca、σは既知の値である。
そこで、本実施形態によると、突当り位置21から上甲板4の縁までの距離Xをsより大きくする。即ち、上甲板4の溶込部23に税例亀裂が発生した場合、この脆性亀裂の溶込部23から図4の右方向への亀裂長さと左方向の亀裂長さが同じになるとして、距離Xをsより大きくする。例えば、Kca=6000N/mm3/2,σ=257N/mmの場合、s=173.5mmとなるので、距離Xをs=173.5mmより大きくする。これにより、この亀裂が上甲板4の縁まで達することをより確実に防止できる。
さらに、突当り位置21と図1(b)に示す上甲板4の溶接継手部7との位置関係について説明する。上甲板4の溶接継手部7は、図1(b)の紙面と垂直な方向に延びている。本実施形態よると、図1(b)に示すように、突当り位置21を,上甲板4の溶接継手部7から隔てるように配置する。これにより、上述と同様にハッチコーミング板2の溶接継手部6から突当り位置21(溶込部23)に達した脆性亀裂を、溶接継手部7に達する前に停止させることが可能になる。また、突当り位置21から上甲板4の溶接継手部7までの距離Yも、距離Xの場合と同様に、[数3]のsよりも大きくすることで、突当り位置21の亀裂が溶接継手部7まで達することをより確実に防止できる。これにより、接合板の溶接継手部6において万一脆性亀裂が発生しても、その伝播を上甲板4においてより確実に停止することができる。なお、図1(b)において、符号6’は、舷側外板14または舷側内板16の溶接継手部を示す。
上述のハッチコーミング板2及び上甲板4は、特許請求の範囲におけるそれぞれ接合板及び被接合板に相当するが、参考例では、他の部材が接合板及び被接合板であってもよい。例えば、参考例では、コンテナ船の上甲板4が接合板であり舷側外板14が被接合板であってもよいし、舷側内板16が接合板であり上甲板4が被接合板であってもよい。
このように、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
図1は本発明の実施形態による溶接構造体を示しており、図1(a)は図5(b)の矢印Aで示す部分の拡大図に対応し、図1(b)は図1(a)のb−b線矢視図であり、図1(c)は図1(b)のc−c線断面拡大図であり突当り位置付近を示している。 図1(b)のII−II線断面拡大図である。 図6(b)のIII−III線断面拡大図であり、図6(b)の破線Aで囲んだ付近を示している。 図1(b)のc−c線断面図であり、図1(c)の拡大図である。 図5(a)はコンテナ船の平面図であり、図5(b)は図5(a)のb−b線矢視図である。 図6(a)は図5(b)の矢印Aで示す部分の拡大図であり、図6(b)は図6(a)のb−b線矢視図である。
符号の説明
2 ハッチコーミング板
2a 金属板
4 上甲板
6、6’、7 溶接継手部
8 骨材
12 トッププレート
14 舷側外板
16 舷側内板
21 突当り位置
23 溶込部
25 隅肉溶接部

Claims (2)

  1. 2枚の金属板が溶接により継ぎ合わされてなる接合板と、該接合板が表面に溶接接合される被接合板と、を備え、前記2枚の金属板間の溶接継手部が、前記被接合板の表面に向かって延び被接合板表面に突き当たる溶接構造体において、
    前記接合板は、コンテナ船のハッチコーミング板であり、前記被接合板は、コンテナ船の上甲板であり、
    前記上甲板は、コンテナ船の幅方向の一端部が舷側外板の上端部に接合され、コンテナ船の幅方向の他端部が舷側内板の上端部に接合され、
    前記溶接継手部が前記上甲板の表面に突き当たる突当り位置は、前記上甲板における前記一端部の側にある一方の縁から所定値sより大きい距離だけ隔てられ、かつ、前記上甲板における前記他端部の側にある他方の縁からも前記所定値sより大きい距離だけ隔てられており、
    前記所定値sは次の[数1]を満たし、

    [数1]において、
    σは、上甲板の設計応力(N/mm )であり、
    Kcaは、上甲板の破壊靱性値(N/mm 3/2 )である、ことを特徴とする溶接構造体。
  2. 前記突当り位置は、前記上甲板における溶接継手部から、前記所定値sより大きい距離だけ隔てられている、ことを特徴とする請求項1に記載の溶接構造体。
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