JP7005216B2 - 歯車支持構造 - Google Patents

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    • F16HGEARING
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    • F16H57/08General details of gearing of gearings with members having orbital motion

Description

本発明は、歯車と、歯車を支持するキャリアとを備えた歯車支持構造に関する。
遊星歯車減速機等の歯車を有する機械は、遊星歯車等の歯車と、この歯車を支持するキャリアと、を備えた歯車支持構造を有している。例えば、特許文献1には、キャリアに保持されたピニオンシャフトに、ニードルベアリングを介してピニオン(歯車)が回転自在に支持された歯車支持構造を有する、遊星歯車のスラスト軸受構造が開示されている。
特許文献1の遊星歯車のスラスト軸受構造では、キャリアを構成するキャリアプレートに、外径がピニオンの内周径よりも小さく且つニードルベアリングの中心径よりも大きい焼入れ処理を施したスラストリングが圧入又は鋳込みにより固着されている。また、ピニオンとキャリアプレートとの間には、スラストワッシャがスラストリングの外周に圧入されている。このような遊星歯車のスラスト軸受構造によれば、キャリアプレートに固着したスラストリングでニードルベアリングのスキュースラスト力を受け止めることができるので、スラスト支持剛性が向上し、遊星歯車のスラスト軸受部の耐久性が向上する利点を有する。また、スラストワッシャによりピニオンとキャリアプレートとが互いに直接接触して摺動することがないので、キャリアプレートの耐久性が向上する利点も有する。
特開平10-103418号公報
しかしながら、特許文献1に開示された遊星歯車のスラスト軸受構造では、焼入れ処理を施したスラストリングを用意し、このスラストリングをキャリアプレートに圧入又は鋳込んで固着する必要がある。また、スラストワッシャを用意し、このスラストワッシャをスラストリングに圧入する必要がある。したがって、遊星歯車のスラスト軸受構造を構成する部品点数が増え、構造が複雑化する。これにともなって、当該遊星歯車のスラスト軸受構造の組立工程も複雑化し、組立の手間が増大する。さらに、スラストリング及びスラストワッシャを設ける分だけ、キャリアプレート間の寸法が大きくなり、遊星歯車のスラスト軸受構造が大型化する。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであって、簡単な構造によりキャリアにおける歯車の支持部の摩耗を抑制することが可能な歯車支持構造を提供することを目的とする。
本発明による歯車支持構造は、
歯車と、前記歯車を支持するキャリアと、を備え、
前記キャリアは、ベース部と前記ベース部から隆起した座面部を有し、
前記座面部は、前記歯車の側面における歯部を除く部分の少なくとも一部を支持し、
前記座面部は、前記ベース部の表面の少なくとも一部の硬度よりも高い硬度を有する高硬度部を含む。
本発明による歯車支持構造において、
前記座面部に、前記座面部の外周縁に開口を有する溝部が設けられていてもよい。
本発明による歯車支持構造において、
前記キャリアは、回転軸線を中心として回転可能であり、
前記溝部は、前記開口に向かうにつれて、前記回転軸線を中心とする円周方向又は前記円周方向よりも内側に向かうように延びてもよい。
本発明による歯車支持構造において、
前記キャリアに設けられた柱部であって、前記柱部の周囲に配置された軸受を介して前記歯車を支持する柱部をさらに備え、
前記高硬度部は、前記柱部の周囲に位置するとともに、前記歯車及び前記軸受を支持してもよい。
本発明によれば、簡単な構造によりキャリアにおける歯車の支持部の摩耗を抑制することが可能な歯車支持構造を提供することができる。
図1は、本発明による一実施の形態を説明するための図であって、歯車支持構造の適用例としての遊星歯車減速機を示す断面図である。 図2は、歯車支持構造のキャリアの一例を示す斜視図である。 図3は、図2の符号IIIが付された一点鎖線で囲まれた部分を拡大して示す斜視図である。 図4は、キャリアを示す平面図である。 図5は、図1の符号Vが付された一点鎖線で囲まれた部分を拡大して示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1~図5は、本発明による一実施の形態を説明するための図である。このうち図1は、歯車支持構造の適用例としての遊星歯車減速機を示す断面図である。本発明の歯車支持構造は、遊星歯車減速機に限られず他の様々な用途に用いることができる。すなわち、本発明の歯車支持構造の用途は特に限定されない。
遊星歯車減速機10は、一例として、図示しない建設機械に搭載され、この建設機械を走行させるための油圧モータ5(詳細な図示は省略)が内部に配設された固定ケーシング11に対して取り付けられる。この遊星歯車減速機10は、回転ケーシング13、内歯14、入力軸20、第1太陽歯車22、第1遊星歯車(歯車)30、キャリア40、第2太陽歯車24及び第2遊星歯車26を備える。そして遊星歯車減速機10は、油圧モータ5で発生する回転駆動力を減速して伝達し、最終的に回転ケーシング13を回転駆動することで、回転ケーシング13に設けられたフランジ部15に取り付けられた図示しないスプロケットを介して図示しない被駆動部を駆動する。なお油圧モータ5の構成は特に限定されず、典型的には斜板式のピストンポンプを油圧モータ5として利用することができる。
油圧モータ5が回転すると、その回転駆動力が、モータ出力軸とともに回転するように連結された入力軸20へと伝達される。そして、入力軸20の回転とともに第1太陽歯車22が回転して、この第1太陽歯車22に噛合している第1遊星歯車30が内歯14と噛合しながら第1太陽歯車22の周りで公転運動を行う。この第1遊星歯車30の公転運動にともなってキャリア40が回転し、キャリア40の内歯46とスプライン結合された第2太陽歯車24が回転する。この第2太陽歯車24が回転することで、固定ケーシング11の各突設軸部12に回転自在に支持された各第2遊星歯車26が回転し、これにより、第2遊星歯車26と内歯14との噛合を介して、回転ケーシング13が回転駆動される。
回転ケーシング13は、基本的に中空円筒状の構造を有し、その一方の側(図1では左側)の開口部から固定ケーシング11の端部が挿入されている。回転ケーシング13の他方の側(図1では右側)の開口部は、蓋体17によって塞がれている。回転ケーシング13は、固定ケーシング11により、ケーシング用軸受18(18a,18b)を介して回転軸線Aを中心に回転自在に保持されている。具体的には、回転ケーシング13の内周に形成された突状部16が固定ケーシング11の外周に取り付けられた2つのケーシング用軸受18a,18bの間で挟持され、回転ケーシング13は、ケーシング用軸受18a,18bを介して固定ケーシング11に回転自在に保持されている。回転ケーシング13の内周には、回転軸線Aと平行をなす軸方向Daに延びるとともに回転軸線Aを中心とする周方向Dcに沿って配列された複数の内歯14が設けられており、内歯14は第1遊星歯車30や第2遊星歯車26と噛合する。なお内歯14は、回転ケーシング13と一体として形成されていてもよいし、別体として形成され回転ケーシング13に対して固定的に取り付けられていてもよい。
入力軸20は、固定ケーシング11に対して回転軸線Aの周りに回転自在に設けられている。すなわち、図示された例では、回転ケーシング13の回転軸線と、入力軸20の回転軸線とは、一致している。入力軸20は、回転ケーシング13内の中心に配置されており、回転駆動力を発生させる駆動源である油圧モータ5に対して連結されている。
第1太陽歯車22は、入力軸20の、油圧モータ5に連結される端部と反対側の端部に連結されており、複数の第1遊星歯車30と噛合する。複数の第1遊星歯車30の各々は、第1太陽歯車22と内歯14との間に配置されており、第1太陽歯車22及び内歯14のいずれにも噛合している。各第1遊星歯車30は、第1太陽歯車22の自転にともなって回転駆動され、第1太陽歯車22の周りを周方向Dcに沿って公転する。
キャリア40は、図1に示すように、第1遊星歯車30を保持する遊星枠を構成しており、複数の第1遊星歯車30の各々を、一方側から片持ち状態で歯車用軸受(軸受)60を介して回転自在に保持している。そのためキャリア40は、ベース部42及び複数の柱部44を有する。ベース部42は、軸方向Daに関して複数の第1遊星歯車30の一方側(図1では左側)に配置されている。複数の柱部44は、軸方向Daに関して一方側から他方側に向かって、ベース部42から延在しており、歯車用軸受60を介して複数の第1遊星歯車30のそれぞれを回転自在に保持する。複数の柱部44は、キャリア40の外周部において周方向Dcに均等角度(すなわち120度)ずれて配置されている。そして複数の柱部44は、それぞれ対応の第1遊星歯車30を貫通するように設けられており、ベース部42と反対側の端部においてプレート66と連結する。また、図1に示すキャリア40の平板状のベース部42の径方向中心部には中空部分が形成されており、この中空部分には、第2太陽歯車24の端部とスプライン結合される内歯46が周方向Dcに配列されている。なお、キャリア40の詳細については後述する。
第2太陽歯車24は円筒形状に形成されており、第2太陽歯車24の内側には入力軸20が挿入され、第2太陽歯車24の外周には外歯が形成されている。この外歯には、キャリア40の内歯46がスプライン結合されるとともに、複数(例えば4つ)の第2遊星歯車26が噛合している。各第2遊星歯車26は、それぞれ、固定ケーシング11の端面において周方向Dcに沿って均等角度位置をなす4箇所に設けられている突設軸部12によって、回転自在に支持されている。
次に、図2~図5を参照してキャリア40について詳述する。図2は、キャリア40の一例を示す斜視図であり、図3は、図2の符号IIIが付された円で囲まれた部分を拡大して示す斜視図であり、図4は、キャリア40を示す平面図である。
キャリア40は、ベース部42と、ベース部42から隆起した座面部50と、を有する。図示された例では、キャリア40は、ベース部42から突出して形成された柱部44をさらに有する。キャリア40は、回転軸線Aを中心として回転可能に構成される。本実施の形態では、キャリア40に支持される歯車としての第1遊星歯車30は、平歯車として形成されている。なお、キャリア40に支持される歯車は平歯車に限られず、はすば歯車、山歯歯車、かさ歯車、冠歯車等の、当該歯車の自転における回転軸線に直交する面(側面)を含み得る、他の歯車であってもよい。
ベース部42は、全体として板状に形成され、ベース部42の板面への法線方向(回転軸線Aに沿った方向)から見て、すなわちキャリア40の平面視において、円形状の輪郭を有する。キャリア40の平面視における形状は、円形状に限られない。なお、本明細書において、「板面」とは、対象となる板状の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となる板状部材の平面方向と一致する面のことを指す。平面視におけるベース部42の中心部分には回転軸線Aを含む貫通孔が設けられ、この貫通孔の内側に内歯46が設けられている。内歯46は、第2太陽歯車24の外周に形成された外歯と係合し、これによりベース部42と第2太陽歯車24とがスプライン結合される。
柱部44は、第1遊星歯車(歯車)30に設けられた貫通孔36(図5参照)内に挿入され、歯車用軸受(軸受)60を介して第1遊星歯車30を柱部44の周りに回転可能に支持する。柱部44は、第1遊星歯車30の径方向に沿った移動を規制する機能も有している。柱部44は、ベース部42の板面への法線方向に向かって突出して形成されている。図示された例では、ベース部42の平面視において、ベース部42の回転軸線Aを中心とする周方向に沿って互いに等角度を有して、複数の柱部44が設けられている。とりわけ図示された例では、各柱部44の中心が回転軸線Aに対して互いに120度の角度を有して、3つの柱部44が設けられている。柱部44は、ベース部42の板面への法線方向と平行をなす中心軸線を有する略円柱状の形状を有しており、複数の柱部44は互いに同形状を有している。柱部44のベース部42と反対側をなす面にはボルト穴45が形成されており、ボルト68をプレート66に設けられた貫通孔を介してボルト穴45に締め付けることにより、柱部44とプレート66とが連結される。なお、柱部44は、ベース部42と一体に形成されてもよいし、ベース部42と別体として形成されてベース部42に対して取り付けられてもよい。
座面部50は、第1遊星歯車30の側面32における歯部34を除く部分の少なくとも一部に接して、第1遊星歯車30を支持する。第1遊星歯車30の側面32とは、第1遊星歯車30の板面と平行をなす表面を指す。図示された例では、側面32は、第1遊星歯車30の柱部44周りの回転すなわち自転の回転軸線と直交する表面である。第1遊星歯車30は、座面部50とプレート66との間で、自転の回転軸線に沿った方向(スラスト方向)の移動が規制される。座面部50が、第1遊星歯車30の側面32における歯部34を除く部分を支持するようにすることにより、第1遊星歯車30の歯部34が摩耗することを防止することができる。すなわち第1遊星歯車30の歯部34を保護することができる。なお、本実施の形態では、第1遊星歯車30の自転の回転軸線と、キャリア40の回転軸線Aとは、互いに平行をなしている。
座面部50は、ベース部42から隆起した隆起部における、ベース部42と反対側の面、すなわち第1遊星歯車30の側面32と対面する面、で構成される。座面部50は、柱部44の周囲に位置する。図示された例では、座面部50には、座面部50の外周縁54に開口58を有するように座面部50を切り欠いた溝部56が設けられており、座面部50は、キャリア40の平面視において、溝部56を除いて柱部44を取り囲む略環状に形成される。とりわけ、1つの座面部50は、キャリア40の平面視において1つの柱部44を取り囲んで構成される。図示された例では、ベース部42、柱部44及び座面部50が一体に形成されてキャリア40を構成している。
座面部50は、ベース部42の表面の少なくとも一部の硬度よりも高い硬度を有する高硬度部52を含んでいる。好ましくは、高硬度部52の硬度は、ベース部42における内歯46が形成された部分を除く表面の少なくとも一部の硬度よりも高い。さらに好ましくは、高硬度部52の硬度は、ベース部42における内歯46が形成された部分を除く表面におけるいずれの部分の硬度よりも高い。本明細書における硬度は、JIS Z2244により規定されるビッカース硬さとする。
図示された例では、高硬度部52は、柱部44を取り囲んで略一定の幅を有する線状の形状を有して形成されている。とりわけ、高硬度部52は、キャリア40の平面視において、溝部56を除いて、柱部44を取り囲む略環状に形成される。1つの座面部50内には、その半径が異なる2つの高硬度部52が形成されている。なお、これに限られず、1つの座面部50内に1つの高硬度部52が形成されてもよいし、3つ以上の高硬度部52が形成されてもよい。
このような高硬度部52は、一例として、座面部50上をレーザで走査するレーザ焼き入れにより形成することができる。レーザ焼き入れは、加熱される領域の寸法を高精度に制御できるので、焼入れによって座面部50に生じ得る形状の歪みを効果的に抑制できる利点を有する。ただし、これに限られず、高硬度部52は、高周波焼き入れ等の他の焼入れ方法によって形成することも可能である。
レーザ焼き入れにより高硬度部52を形成する際には、溝部56を始点及び終点として、座面部50上をレーザで走査するようにすると、既にレーザで走査された部分が再度レーザで走査され焼き戻されることによる高硬度部52の軟化を抑制することができ、好ましい。
焼入れが行われた部分には、熱処理中の結晶構造の変化や結晶格子中における炭素原子の移動等に起因して、寸法変化が生じ得る。とりわけ、焼入れが行われた部分は膨張する。したがって、焼入れにより高硬度部52が形成された場合、高硬度部52は、高硬度部52を除く座面部50から突出する。すなわち、高硬度部52は、座面部50において、第1遊星歯車30の側面32の側へ突出した、換言するとベース部42と反対側へ突出した、突出部を形成する。この座面部50における突出した高硬度部52が第1遊星歯車30の側面32に接するようにすることにより、座面部50と第1遊星歯車30の側面32とが擦れることによる座面部50の摩耗を抑制することができる。
ところで、座面部50に高硬度部52を形成するためには、キャリア40全体の表面に焼入れを行うことも考えられる。しかし、この場合、キャリア40全体に寸法変化を生じ、キャリア40の回転や、キャリア40に支持される歯車30の公転及び自転の際に、がたつきや振動を生じる虞がある。これに対して、本実施の形態では、キャリア40の座面部50に局所的に焼入れを行うことでキャリア40全体の寸法変化を抑制し、これにより、キャリア40及び歯車30の寸法精度及び回転精度の低下を効果的に抑制することができる。また、キャリア40の座面部50に局所的に焼入れを行うことにより、キャリア40全体の表面に焼入れを行う場合と比較して、高硬度部52の形成工程を簡便化し、高硬度部52の形成に係る手間及びコストを低減させることができる。
座面部50には、座面部50の外周縁54に開口58を有するように座面部50を切り欠いた溝部56が設けられている。図2~図4に示された例では、溝部56は、平面視において、外周縁54から内側へ向かってすなわち柱部44に向かって、長手方向を有して延びており、長手方向の一方の端部に開口58を有している。
図1に示された例では、遊星歯車減速機10における、固定ケーシング11、回転ケーシング13及び蓋体17で囲まれた空間内には、潤滑油が封入されている。キャリア40の回転軸線Aは、水平方向に平行をなして延びており、潤滑油は、例えば当該空間の下部から回転軸線A付近の高さにわたって満たされている。図示された例では、座面部50が溝部56を有していることにより、キャリア40の回転軸線A周りの回転にともなって、溝部56内に潤滑油溜まりが形成され、この潤滑油溜まりから、座面部50と第1遊星歯車30の側面32との間に潤滑油が供給される。したがって、座面部50と第1遊星歯車30との間の摩擦を低減し、座面部50及び第1遊星歯車30の摩耗をさらに抑制することができる。なお、キャリア40の回転軸線Aは、水平方向に対して傾斜した方向に沿って延びてもよいし、鉛直方向に沿って延びてもよい。これらの場合であっても、キャリア40の回転軸線A周りの回転にともなって、溝部56内に潤滑油溜まりを形成することが可能である。
図2~図4に示された例では、座面部50は、回転軸線Aを中心とする周方向の一方側に向かって開口58する溝部56と、他方側に向かって開口58する溝部56とを有している。これにより、キャリア40が回転軸線Aを中心としてどちら向きに回転しても、キャリア40の回転にともなって、回転方向の前方側に向かって開口した溝部56内に、潤滑油を効率的に取り込むことができる。
また、図示された例では、溝部56は、平面視において各柱部44の中心を結ぶ円Cの内側に位置している(図4参照)。また、溝部56は、溝部56の長手方向における開口58と反対側の端部から開口58に向かうにつれて、回転軸線Aを中心とする周方向Dc1又は周方向Dc1よりも内側に向かうように延びている。図4では、溝部56の長手方向における開口58と反対側の端部を通る周方向に符号Dc1を付して示している。図4に示された例では、溝部56は、開口58と反対側の端部から開口58に向かうにつれて、周方向Dc1よりも内側に向かうように延びている。このような溝部56を有することにより、溝部56内に取り込まれた潤滑油が、キャリア40の回転にともなって生じる遠心力により溝部56から流出することを抑制することができる。したがって、座面部50と第1遊星歯車30の側面32との間に、潤滑油を安定して供給することができる。
図5は、キャリア40、及び、キャリア40に歯車用軸受60を介して取り付けられた第1遊星歯車30を示す断面図であり、図1の符号Vが付された一点鎖線で囲まれた部分を拡大して示している。歯車用軸受(軸受)60は、キャリア40の柱部44の周囲に配置されるインナーレース61、インナーレース61と第1遊星歯車30の貫通孔36との間に配置された転動体62(例えばコロ部材)、及び、転動体62を保持するとともに転動体62の位置を規制する保持部材64を有している。転動体62が、インナーレース61と第1遊星歯車30の貫通孔36との間で、その回転軸周りに回転することにより、第1遊星歯車30は柱部44の周囲を滑らかに回転することができる。
図5に示された例では、座面部50は、第1遊星歯車30及び歯車用軸受60を支持している。図示された例では、座面部50は、第1遊星歯車30の側面32及び歯車用軸受60の保持部材64を支持している。とりわけ図2~図5に示された例では、1つの座面部50内には、その半径が異なる2つの高硬度部52が形成されており、相対的に大きい半径を有する高硬度部52が第1遊星歯車30の側面32を支持し、相対的に小さい半径を有する高硬度部52が保持部材64を支持している。座面部50の高硬度部52が第1遊星歯車30の側面32だけでなく、歯車用軸受60をも支持することにより、座面部50と歯車用軸受60とが擦れることによる座面部50の摩耗を抑制することができる。
本実施の形態の歯車支持構造は、歯車30と、歯車30を支持するキャリア40と、を備えた歯車支持構造であって、キャリア40は、ベース部42とベース部42から隆起した座面部50を有し、座面部50は、歯車30の側面32における歯部34を除く部分の少なくとも一部を支持し、座面部50は、ベース部42の表面の少なくとも一部の硬度よりも高い硬度を有する高硬度部52を含む。
このような歯車支持構造によれば、高硬度部52が歯車30の側面32に接するようにすることにより、座面部50と歯車30の側面32とが擦れることによる座面部50の摩耗を抑制することができる。また、従来技術のように、スラストリングやスラストワッシャ等の他の部品を用意してキャリア40に組み付ける必要がないので、歯車支持構造を構成する部品点数を削減し、構造を簡単化することができる。これにより、歯車支持構造の組立工程が簡単になり、組立の手間が減少する。さらに、従来技術では、スラストリングやスラストワッシャ等の部品の組付け精度や、使用中の部品の緩み等に起因して不具合が生じる虞があるが、本実施の形態の歯車支持構造では、ベース部42と座面部50とが一体に形成され得るので、上述の不具合が生じることを防止することができる。
また、このような歯車支持構造によれば、キャリア40の座面部50に、焼入れにより局所的に高硬度部52を形成することができるので、この場合には、キャリア40全体の寸法変化を抑制し、これにより、キャリア40及び歯車30の寸法精度及び回転精度の低下を効果的に抑制することができる。また、キャリア40の座面部50に局所的に焼入れを行うことにより、キャリア40全体の表面に焼入れを行う場合と比較して、高硬度部52の形成工程を簡便化し、高硬度部52の形成に係る手間及びコストを低減させることができる。
本実施の形態の歯車支持構造は、座面部50に、座面部50の外周縁54に開口58を有する溝部56が設けられている。
このような歯車支持構造によれば、キャリア40の回転軸線A周りの回転にともなって、溝部56内に潤滑油溜まりが形成され、この潤滑油溜まりから、座面部50と歯車30の側面32との間に潤滑油が供給される。したがって、座面部50と歯車30との間の摩擦を低減し、座面部50及び歯車30の摩耗をさらに抑制することができる。
本実施の形態の歯車支持構造では、キャリア40は、回転軸線Aを中心として回転可能であり、溝部56は、開口58に向かうにつれて、回転軸線Aを中心とする円周方向又は円周方向よりも内側に向かうように延びる。
このような歯車支持構造によれば、溝部56内に取り込まれた潤滑油が、キャリア40の回転にともなって生じる遠心力により溝部56から流出することを抑制することができる。したがって、座面部50と歯車30の側面32との間に、潤滑油を安定して供給することができる。
本実施の形態の歯車支持構造は、キャリア40に設けられた柱部44であって、柱部44の周囲に配置された軸受60を介して歯車30を支持する柱部44をさらに備え、高硬度部52は、柱部44の周囲に位置するとともに、歯車30及び軸受60を支持する。
このような歯車支持構造によれば、座面部50の高硬度部52が歯車30の側面32だけでなく、軸受60をも支持することにより、座面部50と軸受60とが擦れることによる座面部50の摩耗を抑制することができる。
5 油圧モータ
10 遊星歯車減速機
11 固定ケーシング
13 回転ケーシング
14 内歯
15 フランジ部
17 蓋体
18 ケーシング用軸受
20 入力軸
22 第1太陽歯車
24 第2太陽歯車
26 第2遊星歯車
30 第1遊星歯車(歯車)
32 側面
34 歯部
40 キャリア
42 ベース部
44 柱部
46 内歯
50 座面部
52 高硬度部
54 外周縁
56 溝部
58 開口
60 歯車用軸受(軸受)
62 転動体
64 保持部材
A 回転軸線

Claims (4)

  1. 歯車と、前記歯車を支持するキャリアと、を備えた歯車支持構造であって、
    前記キャリアは、ベース部と前記ベース部から隆起した座面部を有し、
    前記座面部は、前記歯車の側面における歯部を除く部分の少なくとも一部を支持し、
    前記座面部に、前記座面部の外周縁に開口を有する溝部が設けられており、
    前記座面部は、前記ベース部の表面の少なくとも一部の硬度よりも高い硬度を有する高硬度部を含
    前記高硬度部は、前記溝部を始点及び終点とする線状の焼き入れ部である、歯車支持構造。
  2. 1つの前記座面部に、2つの前記溝部が設けられており、
    前記高硬度部は、2つの前記溝部のうちの一方の前記溝部から他方の前記溝部へ延びる、請求項1に記載の歯車支持構造。
  3. 前記キャリアは、回転軸線を中心として回転可能であり、
    前記溝部は、前記開口に向かうにつれて、前記回転軸線を中心とする円周方向又は前記円周方向よりも内側に向かうように延びる、請求項1又は2に記載の歯車支持構造。
  4. 前記キャリアに設けられた柱部であって、前記柱部の周囲に配置された軸受を介して前記歯車を支持する柱部をさらに備え、
    前記高硬度部は、前記柱部の周囲に位置するとともに、前記歯車及び前記軸受を支持する、請求項1~3のいずれかに記載の歯車支持構造。
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