JP7004106B1 - 筐体用成形体、それを形成するために用いられる樹脂組成物、およびマスターバッチ - Google Patents

筐体用成形体、それを形成するために用いられる樹脂組成物、およびマスターバッチ Download PDF

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Abstract

【課題】高漆黒性を保ちつつミリ波等の電磁波を透過する筐体用成形体と、それを形成するために用いる成形流動性の良好な樹脂組成物、およびマスターバッチの提供を目的とする。【解決手段】熱可塑性樹脂(A)とカーボンナノチューブ(B)を含む樹脂組成物から形成されてなる成形体であって、カーボンナノチューブ(B)は、表面酸素濃度、回折ピークの半価幅、ラマンスペクトルにおけるG/D比が特定値を満たし、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、カーボンナノチューブ(B)を0.10~2重量部含み、表面抵抗率が1.0×1011Ω/□以上であることを特徴とする、筐体用成形体により解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、筐体用成形体、それを形成するために用いられる樹脂組成物、およびマスターバッチに関する。
樹脂成形体は成形加工が容易なことから電気・電子機器部品、自動車部品、医療用部品、食品容器などの幅広い分野で使用されている。これらの分野における、スマートフォンやパソコンのケース、自動車や飛行機の外板などの筐体においても、機能性や装飾性を付与した樹脂成形体の使用が検討されている。
例えば自動車分野では、車体を保護するための耐久性だけでなく、様々な機械物性が必要であるとともに、デザイナーや消費者から高い意匠性が付与することが求められている。
高級感を与える意匠性の向上が特に求められており、青味があり、かつ黒度の高い色調、いわゆる高い漆黒性は高級感を与えるとして要求が高まっている。
一般的に樹脂を黒色に着色する際には、カーボンブラックやペリレンブラック等の黒色顔料の他、アゾ系化合物やアジン系化合物等の黒色染料が用いられることがあるが、ポリプロピレン樹脂などを基材樹脂として使用する場合、黒色染料がブリードすることがあるため、ブリードの恐れのないカーボンブラックを用いることが一般的である。
カーボンブラックを使用した成形体の色調は、カーボンブラックの一次粒子径により異なる傾向にあり、粒径が小さいほど黒色度が高いが赤味が強く、粒径が大きいほど青味を帯びている。すなわち、粒径を基準とした場合、カーボンブラックの青味と黒色度はトレードオフの関係にある。そのため、カーボンブラックを用いて、青味で黒色度の高い、いわゆる漆黒性の色調を有する樹脂成形体、及びその成形原料となる樹脂組成物を製造することは困難であった。
これらの問題を解決する手段として、カーボンナノチューブを黒色顔料として用いる検討がされており、カーボンナノチューブは高い漆黒性を有し、高級感や意匠性が高く自動車分野での利用が求められている。
一方で、車両の自動運転や衝突防止を目的としてミリ波レーダが利用されており、多くの場合はミリ波レーダ装置が自動車の内部に取り付けられている。
ミリ波とは電磁波のうち、波長が1~10mm、周波数30~300GHzのものであり、現在では車載レーダや空港等で防犯チェックとして衣服の下を透視する全身スキャナー、列車のワンマン運転時において、プラットホーム上の監視カメラの映像伝送等に使用されている。ミリ波レーダ装置とは、ミリ波を飛ばして跳ね返ってくる波を受信し、障害物を認識できる装置で、検出可能距離が大きいことや太陽光、雨、霧による阻害を受けにくいこと等から、今日では自動車等の自動運転技術などに利用されている。
自動車のセンサーの場合、ミリ波レーダ装置は、アンテナからミリ波を送受信して、障害物との相対距離や相対速度等を検出することができる。
また、これまで自動車分野での意匠性向上には成形体に樹脂塗装することが一般的であったが、コスト削減や環境問題における観点から、成形体自体がすでに意匠性を有しており、塗装の必要がない製品が求められている。
一般に、カーボンナノチューブを含む樹脂組成物は高い導電性を有するため(特許文献1)、自動車や家電製品、建築部材の分野で導電性が必要な部品や、電波特性を生かした電波吸収材、レーダーカバーとして使用されている。(特許文献2、3)
特開2016-108524号公報 特表2017-512847号公報 特表2016-504471号公報
しかしながら、カーボンナノチューブによる高漆黒性を有する樹脂組成物および成形体は、高い導電性を有するため電波を吸収してしまい、ミリ波を透過しなければならない筐体用の樹脂製品(例えば、自動車のバンパーなどのようにその背後にミリ波レーダ装置が設置されているような製品)には適応することが難しいという問題がある。
そこで本発明は、高漆黒性を保ちつつミリ波等の電磁波を透過する筐体用成形体と、それを形成するために用いる成形流動性の良好な樹脂組成物、およびマスターバッチの提供を目的とする。
熱可塑性樹脂(A)とカーボンナノチューブ(B)を含む樹脂組成物から形成されてなる成形体であって、
カーボンナノチューブ(B)は、下記(1)~(3)の全てを満たし、
熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、カーボンナノチューブ(B)を0.10~2質量部含み、表面抵抗率が1.0×1011Ω/□以上であることを特徴とする、筐体用成形体と、それを形成するための樹脂組成物およびマスターバッチに関する。

(1)表面酸素濃度が1.0~5.0mol%である。
(2)粉末X線回折分析において、(002)面の回折ピークの半価幅が4.5°以下である。
(3)ラマンスペクトルにおける1560~1600cm-1の範囲内での最大ピーク強度G、1310~1350cm-1の範囲内での最大ピーク強度Dの比率(G/D比)が0.88未満である。
本発明により、高漆黒性を保ちつつ、ミリ波等の電磁波を透過する筐体用成形体と、それを形成するために用いられる、成形流動性の良好な樹脂組成物、およびマスターバッチを提供することが可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本明細書で「フィルム」、および「シート」は同義である。
また、本明細書において「~」を用いて特定される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値の範囲として含むものとする。
本明細書中に出てくる各種成分は特に注釈しない限り、それぞれ独立に一種単独でも二種以上を併用してもよい。
《成形体》
本発明の成形体について説明する。
本発明の成形体は、筐体用である。筐体とは、何らかの機能を有する機械や電気機器などを中に収めた箱等を指し、何の筐体であるかを特に限定されるものではなく、スマートフォンやパソコンのケース、自動車や飛行機の外板などの筐体に用いることができる。また、成形体そのものを筐体として用いてもよいし、さらに塗装等を行い、筐体として用いてもよい。
成形体は、熱可塑性樹脂(A)とカーボンナノチューブ(B)を含む樹脂組成物から形成されてなり、カーボンナノチューブ(B)が、下記(1)~(3)の全てを満たし、
熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、カーボンナノチューブ(B)を0.10~2質量部含み、さらに表面抵抗率が1.0×1011Ω/□以上である。
(1)表面酸素濃度が1.0~5.0mol%である。
(2)粉末X線回折分析において、(002)面の回折ピークの半価幅が4.5°以下である。
(3)ラマンスペクトルにおける1560~1600cm-1の範囲内での最大ピーク強度G、1310~1350cm-1の範囲内での最大ピーク強度Dの比率(G/D比)が0.88未満である。
一般にカーボンナノチューブを用いた成形体であれば、高漆黒性は達成できるものの、導電性が発現し、ミリ波等の電磁波を吸収してしまうため、レーダなどの電波を送受信するような機器周辺に用いられる筐体に成形体を用いることが難しいが、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、カーボンナノチューブ(B)を0.1~2質量部使用し、かつ表面抵抗率が1.0×1011Ω/□以上であることにより、高漆黒性を保ちつつミリ波等の電磁波を透過する成形体とすることができる。
ミリ波等の電波特性の観点から、1.0×1012~1.0×1016Ω/□であることが好ましい。これにより、より高漆黒性を保ちつつミリ波等の電磁波を透過する成形体とすることができる。
表面抵抗率の測定方法としては、抵抗率計「ハイレスタ-UX」( ハイレスタ―UX MCP-HT800型抵抗率計、JIS-K7194準拠4端子4探針法定電流印加方式、三菱化学アナリテック社製)(0.5cm間隔の4 端子プローブ、印加電圧500V)を用いて測定し、求めることができる。
本発明の成形体は、成形のしやすさや、使用用途の観点から厚みが0.5~5mmであることが好ましい。
熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、カーボンナノチューブ(B)を0.1~2質量部使用し、かつ表面抵抗率が1.0×1011Ω/□以上であることにより、0.5~5mmといった厚みの成形体であっても、高漆黒性と電磁波の透過性に優れたものとすることができる。特に自動車のバンパー等の筐体に用いる場合、好ましい範囲は、1.0~3.0mmである。これは、成形のしやすさや軽量化、機械物性を維持するために適した範囲である。
成形体を形成するためには、本発明の樹脂組成物、またはマスターバッチと熱可塑性樹脂(A2)を配合し、通常50℃~350℃に設定した成形機にて溶融混合後に成形体の形状を形成し冷却することで得ることができる。成形体の形状は、板状、棒状、繊維、チューブ、パイプ、ボトル、フィルムなどを得ることができる。
また、成形方法は、例えば、押出成形、射出成形、ブロー成形、圧縮成形、トランスファー成形、T-ダイ成形やインフレーション成形のようなフィルム成形、カレンダー成形、紡糸等を用いることができ、射出成型が好ましい。
本発明の成形体の用途としては、意匠性と電磁波透過性が要求される、自動車用物品、家電製品、建築資材等さまざまな用途に使用できる。なかでも近年の注目度や需要量の観点から、高漆黒性を有したままミリ波等の電磁波を透過する機能を有するため、例えば、自動車のバンパーやインストルメントパネル等の内装部品など、意匠性を必要とし、ミリ波等の電磁波を送受信する機器を内蔵する、車載用物品に好ましく用いることができる。
《樹脂組成物》
本発明の成形体は、熱可塑性樹脂(A)とカーボンナノチューブ(B)を含む樹脂組成物から形成される。
樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、カーボンナノチューブ(B)を0.10~2質量部含有することが重要であり、0.10~1.5質量部がより好ましい。さらに好ましくは0.2~1.5質量部である。0.10質量部以上含有することにより、充分な漆黒性を発現することができ、また2質量部以下含有することにより、カーボンナノチューブの分散不良が生じ難く押出時やフィルム成形時にカーボンナノチューブの未分散凝集塊による目詰まりの発生率低下と成形体の外観を向上させ、ミリ波等の電波への阻害も抑制する。
本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A1)とカーボンナノチューブ(B)を含み、カーボンナノチューブを比較的高濃度に含有し、成形時に熱可塑性樹脂(A2)で希釈されるマスターバッチとしてから用いてもよいし、カーボンナノチューブ(B)の濃度が比較的低く、熱可塑性樹脂で希釈せずにそのままの組成で成形に供されるコンパウンドであってもよい。添加コストや在庫コスト等の点から、高濃度化できるマスターバッチであることが好ましい。マスターバッチは、取り扱いが容易なペレット状が好ましい。
マスターバッチは、ベース樹脂である熱可塑性樹脂(A1)100質量部に対して、カーボンナノチューブ(B)1~30質量部であることが重要であり、コストパフォーマンスや分散性の観点から10~20質量部であることがより好ましい。この範囲であることで、マスターバッチを希釈し成形体を形成する際、カーボンナノチューブ(B)の分散性がより向上できる。
熱可塑性樹脂(A1)およびカーボンナノチューブ(B)を含むマスターバッチは、希釈樹脂である熱可塑性樹脂(A2)と溶融混錬し、樹脂組成物とすることができる。
すなわち、この樹脂組成物を用いて形成してなる成形体は、熱可塑性樹脂(A1)と熱可塑性樹脂(A2)を含む熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、カーボンナノチューブ(B)を0.1~2質量部含む。
ここで、熱可塑性樹脂(A1)はマスターバッチのベース樹脂、熱可塑性樹脂(A2)はマスターバッチの希釈樹脂を指し、熱可塑性樹脂(A1)と熱可塑性樹脂(A2)は同じ熱可塑性樹脂であってもよく、異なる熱可塑性樹脂であってもよい。
熱可塑性樹脂の相溶性の点で、樹脂組成物の流動性、安定性が優れることから、同じ熱可塑性樹脂であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物、およびマスターバッチの製造方法は、特に限定されるものではない。例えば、熱可塑性樹脂(A)と、カーボンナノチューブ(B)、更に必要に応じて添加剤等を加え、ヘンシェルミキサーやタンブラー、ディスパー等で混合しニーダー、ロールミル、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、シュギミキサー、バーティカルグラニュレーター、ハイスピードミキサー、ファーマトリックス、ボールミル、スチールミル、サンドミル、振動ミル、アトライター、バンバリーミキサーのような回分式混練機、二軸押出機、単軸押出機、ローター型二軸混練機等で混合や溶融混練分散し、ペレット状、粉体状、顆粒状あるいはビーズ状等の形状の樹脂組成物を得ることができる。
本発明では、溶融混錬に二軸押出機を用いるのが好ましい。また、形状はパウダー状でもフレーク状でも問題はないが、取り扱いが容易なペレット状が好ましい。
樹脂組成物は、揮発成分を含まないことが好ましい。
樹脂組成物100質量%中、溶剤や低分子量成分等の揮発成分は5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下がより好ましい。
本発明の樹脂組成物は、カーボンナノチューブ(B)を用いることで、溶融混錬により、熱可塑性樹脂(A)中に、カーボンナノチューブが均一に分配され、漆黒性と電磁波透過性に優れた成形体が形成可能となる。
<熱可塑性樹脂(A)>
本発明に用いられる熱可塑性樹脂(A)について説明する。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂(A)は、加熱溶融により成形可能な樹脂であれば特に制限されるものではない。熱可塑性樹脂(A)は、例えば、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)などのポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂(PS)、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体樹脂(ABS)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂(PEI)、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリウレタン樹脂(PU)、液状シリコーンゴム(LSR)等が挙げられる。
汎用性、機械物性などの観点から、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、またはポリブチレンテレフタレート樹脂が好ましい。
<カーボンナノチューブ(B)>
本発明に用いられるカーボンナノチューブ(B)について説明する。
本発明に用いられるカーボンナノチューブ(B)は、
(1)表面酸素濃度が1.0~5.0mol%である。
(2)粉末X線回折分析において、(002)面の回折ピークの半価幅が4.5°以下である。
(3)ラマンスペクトルにおける1560~1600cm-1の範囲内での最大ピーク強度G、1310~1350cm-1の範囲内での最大ピーク強度Dの比率(G/D比)が0.88未満である。
カーボンナノチューブは、グラフェンシートを丸めて円筒状にしたような構造をしており、それが単層の場合は単層カーボンナノチューブ(SWCNT)、多層の場合は多層カーボンナノチューブ(MWCNT)と呼ばれ、電子顕微鏡等で1本1本のカーボンナノチューブを確認することができる。カーボンナノチューブは、カーボンナノチューブ繊維同士で一次凝集して、絡み合ったり、バンドル状の一次凝集体を形成したりするが、一次凝集体が凝集して二次以上の凝集体を形成することもある。
[表面酸素濃度]
カーボンナノチューブ(B)のX線光電子分光法における表面酸素濃度は、1.0~5.0mol%である。好ましくは、2.0~4.8mol%である。1.0mol%未満であると、粉砕処理が不充分であり、比較的長めのカーボンナノチューブが多く存在するため導電パス形成され、ミリ波等の電波特性に影響を及ぼす。一方で5.0mol%を超えると、過度の粉砕処理となり、カーボンナノチューブの繊維構造の破壊が過度に進行し、漆黒性の低下が起こる。
カーボンナノチューブ(B)の表面酸素濃度は、次の手順に従って求められたものである。X線光電子分光装置(K-Alpha+、サーモサイエンティフィック製)を用いて、Xray Anode:モノクロ(Al)、Current:6mA、Voltage:12kV、分析面積:約0.8mm×0.4mm、観察深さ:数nmの条件で測定を行い、測定後、検出された元素について定量測定を実施し、酸素原子の表面酸素濃度(mol%)を求めた。
[X線回折ピークの半価幅]
カーボンナノチューブ(B)の(002)面の回折ピークの半価幅は、4.5°以下であることが重要である。好ましくは2.0°~4.0°である。4.5°以下であることにより、カーボンナノチューブの粒子サイズが小さくなり過ぎず、成形体および樹脂組成物中のカーボンナノチューブがより密になることで起こりうるミリ波透過性への影響を小さくできる。とくに2.0°以上である場合、カーボンナノチューブの粒子サイズが大きすぎず、充分な漆黒性を保つことができるために好ましい
カーボンナノチューブ(B)の(002)面は2θが25°±2°の位置に検出され、炭素六角網面の面間距離によって変化し、ピーク位置が高角側であるほど炭素六角網面の距離が近いことから、構造の黒鉛的規則性が高いことが示される。また、上記ピークがシャープである(半値幅が小さい)ほど、結晶子サイズが大きく、結晶構造が発達していることを示すものである。
カーボンナノチューブ(B)の半価幅は次のように求められる。
まず、カーボンナノチューブ(B)を所定のサンプルホルダーに表面が平らになるように詰め、粉末X線回折分析装置にセットし、5°から80°までX線源の照射角度を変化させ測定する。X線源としては例えばCuKα線が用いられる。ステップ幅は0.010°、計測時間は1.0秒である。その時にピークが現れる回折角2θを読み取ることでカーボンナノチューブ(B)の評価が可能である。グラファイトでは通常2θが26°付近にピークが検出され、これが層間回折によるピークであることが知られている。カーボンナノチューブ(B)もグラファイト構造を有するため、この付近にグラファイト層間回折によるピークが検出される。ただし、カーボンナノチューブは円筒構造であるために、その値はグラファイトとは異なってくる。その値2θが25°±2°の位置にピークが出現することで単層ではなく、多層構造を有している組成物を含んでいることが判断できる。この位置に出現するピークは多層構造の層間回折によるピークであるため、カーボンナノチューブ(B)の層数を判断することが可能となる。単層カーボンナノチューブは層数が1枚しなないので、単層カーボンナノチューブのみでは25°±2°の位置にピークは出現しない。しかしながら、単層カーボンナノチューブであっても、100%単層カーボンナノチューブということはなく、多層カーボンナノチューブ等が混入している場合は2θが25°±2°の位置にピークが出現する場合がある。
本実施形態のカーボンナノチューブ(B)は、2θが25°±2°の位置にピークが出現する。また粉末X線回折分析により検出される25°±2°のピークの半価幅からも層構成を解析することができる。すなわち、このピークの半価幅が小さいほどカーボンナノチューブ(B)の層数が多いと考えられる。逆にこのピークの半価幅が大きいほど、カーボンナノチューブの層数が少ないと考えられる。
本実施形態のカーボンナノチューブ(B)は、粉末X線回折分析を行ったときに、回折角2θ=25°±2°にピークが存在し、この(002)面のピークの半価幅が4.5°以下である。
[ラマンスペクトルのG/D比]
カーボンナノチューブ(B)は、ラマンスペクトルにおいて1560~1600cm-1の範囲内での最大ピーク強度をG、1310~1350cm-1の範囲内での最大ピーク強度をDとした際のG/D比が、0.88未満であることが重要である。漆黒性とミリ波透過性をともに満たすには、特に0.60~0.85が好ましい。0.88未満であることで、カーボンナノチューブの導電パスが適度に形成されず、優れたミリ波透過性を示す。
G/D比は、顕微レーザーラマン分光光度計(日本分光(株)NRS-3100)に粉末試料を設置し、532nmのレーザー波長を用いて行う測定をもとに、1590cm-1付近のグラファイト構造由来のGバンドと1350cm-1付近の構造欠陥由来のDバンドのピークの積分値から算出できる。
ラマンスペクトルにおいて1590cm-1付近に見られるラマンシフトは、グラファイト由来のGバンドと呼ばれ、1350cm-1付近に見られるラマンシフトはアモルファスカーボンやグラファイトの欠陥に由来のDバンドと呼ばれる。このG/D比が高いカーボンナノチューブほど、グラファイト化度が高い。
[平均直径]
本発明で用いるカーボンナノチューブ(B)は、平均直径が8~20nmであることが好ましい。
本発明のカーボンナノチューブの平均直径は8~20nmであることで、分散性と漆黒性を保ちつつ、ミリ波損失がより少なくなる。特に9~15nmであることが好ましい。
8nm以上であることでミリ波透過性がよりよくなるために好ましい。20nm以下であると、成形体の漆黒性がより良好となるために好ましい。
[平均アスペクト比]
カーボンナノチューブ(B)の平均アスペクト比は、10~700であることが好ましい。より好ましくは、50~500である。よりアスペクト比の小さいカーボンナノチューブを用いることで、成形体および樹脂組成物中にカーボンナノチューブを高濃度で混練した際、カーボンナノチューブが導電パスを形成しにくくなり、高い漆黒性を保ちつつミリ波等の電波を透過できる効果を発揮するために好ましい。
なお、ここでいう平均アスペクト比とは、電子顕微鏡観察より求めた個々のカーボンナノチューブの短軸長と長軸長の数平均値の比であり、下記の(式1)により算出された値である。
(式1)平均アスペクト比=長軸長の数平均値÷短軸長の数平均値
カーボンナノチューブ(B)の平均直径と平均アスペクト比は、画像解析により求めることができる。
平均直径と平均アスペクト比は、例えば、走査型電子顕微鏡(日本電子(JEOL)社製、JSM-6700M))を用いて加速電圧5kVにてカーボンナノチューブを観察し、5万倍の画像(画素数1024×1280)を撮影する。次いで、撮影された画像にて任意のカーボンナノチューブ20個について、各々の短軸長と長軸長を測定し、アスペクト比を求めることができる。また、得られた短軸長の数平均値をカーボンナノチューブの平均直径とする。
[嵩密度]
カーボンナノチューブ(B)の嵩密度は、0.07~0.2g/mLであることが好ましい。より好ましくは、0.07~0.13g/mLであり、さらに好ましくは0.08~0.11g/mLである。前記範囲の嵩密度を有するカーボンナノチューブを使用した場合、熱可塑性樹脂(A)に対する分散性が良好となり、混練時の生産性に優れる。
なお、ここでいう嵩密度とは、測定装置としてスコットボリュームメータ(筒井理化学器機社製)を用い、カーボンナノチューブ粉末を測定装置上部より直円筒容器に流し入れ、山盛りになったところですり切った一定容積の試料質量を測定し、この質量と容器容積の比であり、下記の(式2)に基づいて算出された値である。
(式2)嵩密度(g/mL)=
(すり切った一定容積のカーボンナノチューブの質量(g))÷(容器容積(mL))
カーボンナノチューブ(B)は単層カーボンナノチューブ、2層またはそれ以上で巻いた多層カーボンナノチューブでも、これらが混在するものであっても良いが、コスト面および強度面から多層カーボンナノチューブであることが好ましい。また、カーボンナノチューブの側壁がグラファイト構造ではなく、アモルファス構造をもったカーボンナノチューブを用いても構わない。
カーボンナノチューブ(B)は、一般にレーザーアブレーション法、アーク放電法、化学気相成長法(CVD)、燃焼法などで製造できるが、どのような方法で製造したカーボンナノチューブでも構わない。特にCVD法は、通常、400~1000℃の高温下において、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、珪酸塩、珪藻土、アルミナシリカ、シリカチタニア、およびゼオライトなどの担体に鉄やニッケルなどの金属触媒を担持した触媒微粒子と、原料の炭素含有ガスとを接触させることにより、カーボンナノチューブを安価に、かつ大量に生産することができる方法であり、本発明に使用するカーボンナノチューブとしても好ましい。
本発明のカーボンナノチューブ(B)は、従来市販されているカーボンナノチューブを、粉砕処理することにより、表面酸素濃度、X線回折ピークの半値幅、およびラマンスペクトルのG/D比を本発明の範囲に制御することができる。
粉砕処理を行っていない未処理カーボンナノチューブの平均外径は、1.0~13.0nmが好ましく、1.0~8.0nmがより好ましい。
粉砕処理工程とは、ビーズ、スチールボール等の粉砕メディアを内蔵した粉砕機を使用して、実質的に液状物質を介在させないでカーボンナノチューブを粉砕する方法が挙げられる。粉砕は、粉砕メディア同士の衝突による粉砕力や破壊力を利用して行なわれる。乾式粉砕装置としては、乾式のアトライター、ボールミル、振動ミル、ビーズミルなどの公知の方法を用いることができ、粉砕時間はその装置によってまたは希望とする表面酸素濃度に応じて任意に設定できる。ビーズミルを用いた乾式粉砕が、効率的にカーボンナノチューブに衝突エネルギーを与えることができるため、より好ましい。
粉砕メディアの材質としては、例えば、鉄、ステンレス、ジルコニア等が挙げられる。
ステンレスとしては、オーステナイト系、マルテンサイト系、フェライト系、析出硬化系
が挙げられ、いずれも用いることができるが、粉砕効率の点から、オーステナイト系のス
テンレスであることが好ましい。
粉砕メディアの外径は、1~5mmが好ましく、1~2mmがより好ましい。上記の範囲であれば、所望の粉砕力が得られ、カーボンナノチューブの繊維形状を過度に破壊せず効率的に顔料を粉砕させ、希望とする表面酸素濃度を得ることができる。
<その他成分>
本発明の成形体、及び樹脂組成物、マスターバッチには、必要に応じて耐酸化安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、染料、顔料、分散剤、カップリング剤、結晶造核剤、樹脂充填材等を用いることができる。
以下に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明による実施例は、色々な他の形態に変形可能であり、以下の実施例は本発明を何ら制限するものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を表す。
なお、カーボンナノチューブの表面酸素濃度、粉末X線回折分析、ラマン分光分析、および平均直径と、成形体の表面抵抗率は次の方法で測定した。
<表面酸素濃度>
カーボンナノチューブの表面酸素濃度は、次の手順に従って求められたものである。X線光電子分光装置(K-Alpha+、サーモサイエンティフィック製)を用いて、Xray Anode:モノクロ(Al)、Current:6mA、Voltage:12kV、分析面積:約0.8mm×0.4mm、観察深さ:数nmの条件で測定を行い、測定後、検出された元素について定量測定を実施し、酸素原子の表面酸素濃度(mol%)を求めた。
<粉末X線回折分析>
アルミ試料板(外径φ46mm、厚さ3mm、試料部φ26.5mm、厚さ2mm)の中央凹部にカーボンナノチューブをのせ、スライドガラスを用いて、平坦化した。その後、試料を載せた面に薬包紙をのせ、さらにアルミハイシートパッキンをのせた面に対して、1トンの荷重をかけて平坦化した。その後、薬包紙とアルミハイシートパッキンを除去して、カーボンナノチューブの粉末X線回折分析用サンプルを得た。その後、X線回折装置(Ultima2100、株式会社リガク社製)にカーボンナノチューブの粉末X線回折分析用サンプルを設置し、15°から35°まで操作し、分析を行った。サンプリングは0.02°毎に行い、スキャンスピードは2°/min.とした。電圧は40kV、電流は40mA、X線源はCuKα線とした。この時得られる回折角2θ=25°±2°に出現するカーボンナノチューブの(002)面のプロットをそれぞれ11点単純移動平均し、そのピークの半価幅をカーボンナノチューブの半価幅とした。ベースラインは2θ=16°および2θ=34°のプロットを結んだ線とした。
<ラマン分光分析>
顕微レーザーラマン分光光度計(日本分光(株)NRS-3100)にカーボンナノチューブを設置し、532nmのレーザー波長を用いて測定を行った。測定条件は取り込み時間60秒、積算回数2回、減光フィルタ10%、対物レンズの倍率20倍、コンフォーカスホール500、スリット幅100μm、測定波長は100~3000cm-1とした。測定用のカーボンナノチューブはスライドガラス上に分取し、スパチュラを用いて平坦化した。得られたピークの内、スペクトルで1560~1600cm-1の範囲内で最大ピーク強度をG、1310~1350cm-1の範囲内で最大ピーク強度をDとし、G/Dの比をカーボンナノチューブのG/D比とした。
<平均直径>
走査型電子顕微鏡(日本電子(JEOL)社製、JSM-6700M))を用いて加速電圧5kVにてカーボンナノチューブを観察し、5万倍の画像(画素数1024×1280)を撮影した。次いで、撮影された画像にて任意のカーボンナノチューブ20個について、各々の短軸長を測定し、それら短軸長の数平均値をカーボンナノチューブの平均直径とした。
<表面抵抗率>
抵抗率計「ハイスタ-UX」(ハイレスタ―UX MCP-HT800型抵抗率計、JIS-K7194準拠4端子4探針法定電流印加方式、三菱化学アナリテック社製)(0.5cm間隔の4 端子プローブ) を用い、成形体の表面抵抗率[Ω/□]を測定した。
実施例および比較例で使用した材料は以下のとおりである。
<熱可塑性樹脂(A)>
・(A-1):PP樹脂(ポリプロピレン、BC03BSW、日本ポリプロ株式会社)
・(A-2):PE樹脂(サンテック、M2270、旭化成)
・(A-3):ABS樹脂(セビアンV、T500、ダイセルセルミライズ株式会社)
・(A-4):PBT樹脂(トレコン、1401X06、東レ株式会社)
・(A-5):PC樹脂(ユーピロン、E2000、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社)
・(A-6):PA樹脂(アミラン、CM1014-V0、東レ株式会社)
<カーボンナノチューブ(B)>
(カーボンナノチューブ(B-1))
未処理カーボンナノチューブ(CM-130:Hanhwa Chemical hanos社製、平均直径15.0nm)を10部、直径2mmのジルコニアビーズ200部を粉砕メディアとして仕込み、ペイントシェーカーにて、15分間粉砕処理し、カーボンナノチューブ(B-1)を得た。
(カーボンナノチューブ(B-2~8、BC-1~8)
表1に、未処理カーボンナノチューブの種類および平均直径と粉砕処理時間、処理後カーボンナノチューブの平均直径、酸素濃度、半価幅、G/D比を示す。表1に示したカーボンナノチューブを用い、粉砕処理時間を変えた以外は、カーボンナノチューブ(B-1)と同様にしてカーボンナノチューブ(B-2~8、BC-1~8)を得た。
<未処理カーボンナノチューブ>
・CM-130:Hanhwa Chemical hanos社製、平均直径15.0nm
・SMW210:SouthWest NanoTechnologies社製、平均直径9.0nm
・Flotube7010:CNano社製、平均直径7.0nm
・Flotube7000:CNano社製、平均直径6.0nm
・NTP3121:NTP社製、平均直径30.0nm
Figure 0007004106000001
(実施例1)
熱可塑性樹脂(A-1)(ポリプロピレン樹脂、BC03BSW、日本ポリプロ株式会社)100部に対し、カーボンナノチューブ(B-1)0.75部を、二軸押出し機(日本プラコン社製)に投入し、200℃で押し出し、ペレタイザーでカットすることで、樹脂組成物1を得た。
続いて、得られた樹脂組成物1を、160~180℃に加熱した2ロールで煉り合せ、CNT(カーボンナノチューブ)成形体である1mmの厚みのプレスシートを作製した。
得られた成形体の表面抵抗率は、2.0×1011[Ω/□]であった。
(実施例2~16、比較例1~10)
表2に示す組成および配合量(質量部)とした以外は、実施例1と同様の方法で樹脂組成物を製造し、続いてCNT成形体である1mmの厚みのプレスシートを作製した。
(実施例17)
熱可塑性樹脂(A1)として、熱可塑性樹脂(A-1)(ポリプロピレン樹脂、BC03BSW、日本ポリプロ株式会社)100部に対して、カーボンナノチューブ(B―2)2部を、二軸押出し機(日本プラコン社製)に投入し、220℃で押し出し、ペレタイザーでカットすることでペレット状のマスターバッチ1(MB-1)を得た。
次いで、成形体の最終含有量比率が、熱可塑性樹脂(A)として、熱可塑性樹脂(A-1)100部に対して、カーボンナノチューブ(B-2)0.75部となるように、得られたマスターバッチ1と、熱可塑性樹脂(A-1)を160~180℃に加熱した2ロールで煉り合せ、CNT成形体として、1mmの厚みのプレスシートを作製した。
得られた成形体の表面抵抗率は、6.0×1011[Ω/□]であった。
(実施例18~21)
表3に示す組成および配合量(質量部)とした以外は、実施例17と同様の方法でマスターバッチを製造し、続いてCNT成形体である1mmの厚みのプレスシートを作製した。
(参考例1)
熱可塑性樹脂(A-1)(ポリプロピレン樹脂、BC03BSW、日本ポリプロ株式会社)100部に対してカーボンブラック(ニテロン10(ファーネスブラック粉、平均粒径40nm、DBP吸油量128mL/100g、新日化カーボン社製))0.75部となるように量り取り、二軸押出し機(日本プラコン社製)に投入し、200℃で押し出し、ペレタイザーでカットすることで得た樹脂組成物を、160~180℃に加熱した2ロールで煉り合せ、CB(カーボンブラック)成形体として、1mmの厚みのプレスシートを作製した。
表2、3に得られた成形体の表面抵抗率を示す。
Figure 0007004106000002
Figure 0007004106000003
《樹脂組成物の評価結果》
得られた樹脂組成物の評価結果を下記の方法で求めた。結果を表4に示す。
(成形流動性)
流動性は、スパイラルフロー測定により評価した。
スパイラルフロー測定の測定条件は、実施例および比較例で得られた樹脂組成物を、射出成 形機(東芝機械社製IS-100F型)を用いて、それぞれ用いた熱可塑性樹脂に対応する下記の温度条件と、射出圧100МPaの条件で、10mm幅×2mm厚のスパイラル形状の金型で樹脂流動が冷却固化により停止するまで射出し、その試験片の長さを測定した。
<温度条件>
・熱可塑性樹脂(A-1): 成形温度200℃、金型温度40℃
・熱可塑性樹脂(A-2): 成形温度180℃、金型温度40℃
・熱可塑性樹脂(A-3): 成形温度220℃、金型温度60℃
・熱可塑性樹脂(A-4): 成形温度260℃、金型温度60℃
・熱可塑性樹脂(A-5): 成形温度300℃、金型温度80℃
・熱可塑性樹脂(A-6): 成形温度280℃、金型温度80℃
なお、マスターバッチを用いる場合には、成形体の最終含有量比率が、熱可塑性樹脂(A)100部に対して、カーボンナノチューブ(B)が0.75部となるように配合し、200℃で押出してペレットを製造した。押出はL/D=36、直径45mmの二軸押出機を使用し、射出成形機(東芝機械社製IS-100F型)を用いて成形温度200℃、金型温度40℃、射出圧100МPaの条件で、10mm幅×2mm厚のスパイラル形状の金型で樹脂流動が冷却固化により停止するまで射出し、試験片を製造した。
[評価基準]
◎:試験片の長さが300mm以上。優良。
〇:試験片の長さが270mm以上、300mm未満。良。
△:試験片の長さが250mm以上、270mm未満。実用可能。
《成形体の評価結果》
得られた成形体を下記の方法で評価した。結果を表4に示す。
なお、カーボンブラックは、カーボンナノチューブと比較して漆黒性は劣るものの、安価であるため一般に黒色の着色剤に用いられているが、カーボンナノチューブと比較して導電性が低く、ミリ波等の電波を阻害しない。そのため、本発明のCNT成形体と、参考例としてカーボンブラックを用いたCB成形体とを比較することで、漆黒性およびミリ波透過性を評価した。
(ミリ波透過性評価)
ミリ波透過性の指標として、ミリ波損失(dB)を以下の方法で測定した。
ミリ波送信装置として、E8257D+E8257DS12(出力:4dBm)、ミリ波受信装置としてN9030A+M1970V、ホーンアンテナとしてAAHR015(WR15、AET,INC)(すべてキーサイトテクノロジー社製)を用い、温度24.8℃、相対湿度48%の環境下で、実施例及び比較例で得られたCNT成形体について、測定周波数77GHzにおけるミリ波損失を測定した。
なお、参考例1のカーボンブラックを用いたCB成形体のミリ波損失の値は、-0.87dBであった。参考例1と本発明の成形体とを比較し(CNT成形体のミリ波損失-CB成形体のミリ波損失)、評価を以下のように行った。
差が-3.0dB未満であれば、ミリ波透過性として実用可能であるが、より精密なレーダ等の電波送受信部の筐体として用いる場合は、-2.0dB未満であることが好ましく、より好ましくは-1.0dB未満、またはカーボンブラックよりミリ波損失が小さいことである。
[評価基準]
◎:差が-1.0dB未満、またはカーボンブラックよりミリ波損失が小さい。優良。
〇:差が-1.0dB以上-2.0dB未満。良。
△:差が-2.0dB以上-3.0dB未満。実用可能。
×:差が-3.0dB以上。実用不可。
(色差測定)
プラスチック向けコンピューターカラーマッチングシステム AUCOLOR-7X(クラボウ社製)を用い、得られたCNT成形体について、L*a*b*色座標で示す色差測定を行った。その結果とCB成形体の色相を比較した。
ΔL*が負の数に大きいほど、汎用黒として一般に使用されているCBを使用した成形体よりも深みのある黒であるといえ、またΔb*が負の数に大きいほど、汎用黒として一般に使用されているCBを使用した成形体よりも青味の強い黒であるといえる。
そのため、明度を示すL*値が25.0以下であり、青味を示すb*値が0以下の低い値、特に―0.25以下であるほど、より高漆黒であり、好ましい。
[色差]
ΔL*=成形体のL*-参考例1の成形体のL*
Δa*=成形体のa*-参考例1の成形体のa*
Δb*=成形体のb*-参考例1の成形体のb*
Figure 0007004106000004
表4に示した結果から、本発明の成形体は、漆黒性とミリ波透過性がともに優れており、さらに熱可塑性樹脂組成物は、成形するときの流動性に優れていることが確認できた。

Claims (8)

  1. 熱可塑性樹脂(A)とカーボンナノチューブ(B)を含む樹脂組成物から形成されてなる成形体であって、
    カーボンナノチューブ(B)は、下記(1)~(3)の全てを満たし、
    熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、カーボンナノチューブ(B)を0.10~2質量部含み、
    表面抵抗率が1.0×1011Ω/□以上であることを特徴とする、筐体用成形体。

    (1)表面酸素濃度が1.0~5.0mol%である。
    (2)粉末X線回折分析において、(002)面の回折ピークの半価幅が4.5°以下である。
    (3)ラマンスペクトルにおける1560~1600cm-1の範囲内での最大ピーク強度G、1310~1350cm-1の範囲内での最大ピーク強度Dの比率(G/D比)が0.88未満である。
  2. カーボンナノチューブ(B)は、平均直径が8~20nmであることを特徴とする請求項1記載の筐体用成形体。
  3. 熱可塑性樹脂(A)は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、およびポリブチレンテレフタレート樹脂からなる群より選ばれるいずれかであることを特徴とする請求項1または2記載の筐体用成形体。
  4. 厚みが0.5~5mmであることを特徴とする請求項1~3いずれか1項記載の筐体用成形体。
  5. 車載用物品である請求項1~4いずれか1項記載の筐体用成形体。
  6. 請求項1~5いずれか1項記載の筐体用成形体を形成するための樹脂組成物。
  7. 熱可塑性樹脂(A)は、熱可塑性樹脂(A1)と熱可塑性樹脂(A2)を含み、
    熱可塑性樹脂(A1)およびカーボンナノチューブ(B)を含むマスターバッチと、熱可塑性樹脂(A2)との溶融混錬物である、請求項6記載の樹脂組成物。
  8. 請求項7記載の樹脂組成物に用いられるマスターバッチであって、
    熱可塑性樹脂(A1)100質量部に対して、カーボンナノチューブ(B)を1~30質量部含む、マスターバッチ。
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