JP7003621B2 - 半導体ナノ粒子、該粒子を含む分散液、半導体層、積層体の製造方法、および、電界発光素子 - Google Patents

半導体ナノ粒子、該粒子を含む分散液、半導体層、積層体の製造方法、および、電界発光素子 Download PDF

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本発明は、半導体ナノ粒子と、該粒子を含む分散液、半導体層、積層体の製造方法、および、電界発光素子に関する
軽量・薄型で消費電力が少なく、かつ形状の自由度に優れた面発光型素子として、電界発光素子(EL、ElectroLuminescence)が注目されている。このような電界発光素子は、高輝度発光、高速応答、広視野角、薄型軽量、高解像度などの多くの優れた特徴を有し、フラットパネルディスプレイや照明への応用が検討されている。
近年、電界発光素子の1つとしていわゆる量子ドットの利用が注目されている。
量子ドットは、ナノスケールの小さな粒子であり、原子又は分子的な挙動と巨視的固体(バルク形態)の挙動との中間的な挙動を示す。電荷キャリア及び励起子が3次元の全ての方向に閉じ込められたナノスケールの材料(半導体ナノ粒子)は、量子ドットと呼ばれ、サイズの減少にともない、有効なバンドギャップが増大する。即ち、量子ドットのサイズが小さくなると、その吸収と発光がより短波長側へ、言い換えれば赤色方向から青色方向へとシフトする。また、量子ドットの組成とサイズとを組み合わせて制御することにより、赤外領域から紫外領域までの広範囲のスペクトルを得ることができ、更にサイズ分布を制御することにより、半値幅の狭い、色純度に優れたスペクトルを得ることができる。
そこで、近年、これらの特性を生かして、発光材料として半導体ナノ結晶からなる量子ドットを用いた、量子ドット型の有機EL素子が提案されている。
例えば、特許文献1には、量子ドットと非共役ポリマー化合物とを含む組成物を用いてなる電界発光素子が開示されている(請求項1、18)。具体的には、赤色量子ドットとしてCdSeのコアとZnSのシェルから成り、トリオクチルホスフィンオキシドで被覆されているものが開示されている([0272])。
また、特許文献2では、量子ドットと、イオウを含む官能基を有するブロック共重合体高分子との間に化学結合が形成され、量子ドット-ブロック共重合体ハイブリッドのコロイドを安定性する発明が記載されている(請求項1、8、[0008])。具体的には、イオウを含む官能基を有するブロック共重合体の1つとして、ポリ(スチレン-b-システアミンアクリルアミド)の利用が開示されている。
さらに、特許文献3では、高分子化合物中に半導体超微粒子を分散させたものを利用して発光層を形成する旨記載される(請求項1、5)。そして、前記高分子化合物として、ポリパラフェニレン系高分子、ポリパラフェニレンビニレン系高分子、ポリチオフェン系高分子、ポリアニリン系高分子、ポリピロール系高分子、ポリカルバゾール系高分子、ポリビニルカルバゾール系高分子等が例示される([0026])。また、前記半導体超微粒子の表面にトリオクチルホスフィンオキシド等を担持させる旨開示される([0025])。
特表2013-531883号公報 特開2011-195810号公報 特開2004-172102号公報
量子ドット自体は無機化合物から成るため、高い耐久性が期待でき、有機物では困難なシャープな発光スペクトルが得られるために、色再現性に優れるディスプレイへの活用が期待される。
しかし、特許文献1、3に具体的に開示されるリガンドは、トリオクチルトリオクチルホスフィンオキシドであり、電子や正孔を半導体ナノ粒子へ注入する妨げになっていた。
さらに、特許文献1~3には、芳香族骨格を有する側鎖を持つポリマーを半導体ナノ粒子に吸着させリガンドとして用いるという技術思想は何ら示唆されていない。なお、特許文献1に記載される非共役ポリマーは、ビニル化合物のラジカル共重合化によって得ることができ([0174])、側鎖にアントラセン、ベンゾアントラセン等の芳香族骨格を有することができる旨開示されている([0182])が、半導体ナノ粒子に対する吸着基を側鎖に持たせるという技術思想は何ら示唆されていない。
量子ドットとしての半導体ナノ粒子は、通常リガンドの存在下、液相中で合成され、その表面がリガンドで被覆され、液相に分散している状態で得る。粒径の制御に加え、精製した半導体ナノ粒子を液相中で安定に分散させるためである。
しかし、従来のリガンドは、イオウを含む官能基のような吸着基に脂肪族炭素鎖が結合したものであり、絶縁性であるため、量子ドットの電気的特性を損なってしまう。また、一分子辺りの吸着基が1つであり、半導体ナノ粒子への吸着が弱く何らかの要因で脱離してしまうという問題があった。
本発明の目的は、分散安定性に優れ、発光量子収率およびその耐熱性に優れる半導体ナノ粒子の分散体であって、分散体の発光量子収率と大差ない発光量子収率を発現し得る半導体層を形成できる分散体を提供すること、そして、前記分散体を用いて発光量子収率およびその耐熱性に優れる半導体層を提供すること、さらに前記分散体を用いて寿命が長く発光効率が良く、相対輝度の高い電界発光素子を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するために、鋭意検討した結果、半導体ナノ粒子に対するリガンドとして、共役構造および吸着基を有する側鎖を有するものを用いることが重要であることを見出した。
即ち、本発明は、以下の[1]~[11]に関する。
[1] 半導体ナノ粒子1の表面の少なくとも一部を下記リガンドが覆っている、平均粒子径が50nm以下の半導体ナノ粒子2であって、
前記リガンドが、共役構造を有しない主鎖と、前記主鎖に結合する側鎖とを有し、
前記側鎖が、共役構造、および吸着基を有する、
半導体ナノ粒子2。
[2] 半導体ナノ粒子1が、第1の半導体からなるコアと、前記コアの少なくとも一部を覆い、かつ前記第1の半導体とは異なる第2の半導体からなるシェルとを有する、
前記[1]記載の半導体ナノ粒子2。
[3] コアおよびシェルは、それぞれ独立にII-VI族半導体またはIII-V族半導体からなる、前記[2]記載の半導体ナノ粒子2。
[4] リガンドが、共役構造を有しない主鎖と、前記主鎖に結合する複数の側鎖とを有し、
前記複数の側鎖のうち少なくとも1つが共役構造を有し、吸着基を有さず、
前記複数の側鎖のうち他の側鎖の少なくとも1つが吸着基を有し、共役構造を有しない、
前記[1]~[3]いずれかに記載の半導体ナノ粒子2。
[5] 共役構造を有し、吸着基を有しない側鎖と、吸着基を有し、共役構造を有しない側鎖とが、それぞれブロックを形成している、前記[4]記載の半導体ナノ粒子2。
[6] リガンドが、共役構造を有しない主鎖と、前記主鎖に結合する複数の側鎖とを有し、
前記側鎖のうち少なくとも1つの側鎖が、共役構造と吸着基とを有する、
前記[1]~[3]いずれかに記載の半導体ナノ粒子2。
[7] 吸着基が、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、チオール基、硫酸基、スルホン酸基、ホスフィン基、ホスホン酸基、-(P=O)R’R’’、シアノ基、-CH=C(CN)、および、-CH=C(CN)COOHからなる群より選ばれる少なくもと1種の官能基である、前記[1]~[6]いずれかに記載の半導体ナノ粒子2。
ここで、R’R’’は脂肪族炭化水素基を表す。
[8] 前記[1]~[7]いずれかに記載の半導体ナノ粒子2と、液状分散媒とを含む分散液。
[9] 前記[1]~[7]いずれかに記載の半導体ナノ粒子2からなる半導体層。
[10] 基材と、半導体ナノ粒子2からなる半導体層とを具備する積層体の製造方法であって、
前記[8]記載の分散液を基材上に塗布し、液状分散媒を乾燥する、
積層体の製造方法。
[11] 陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に前記[9]記載の半導体層とを、 具備する電界発光素子。
本発明によれば、分散安定性に優れ、発光量子収率およびその耐熱性に優れる半導体ナノ粒子の分散体であって、分散体の発光量子収率と大差ない発光量子収率を発現し得る半導体層を形成できる分散体を提供することができ、そして前記分散体を用いて発光量子収率およびその耐熱性に優れる半導体層を提供することができ、さらに前記分散体を用いて寿命が長く発光効率が良く、相対輝度の高い電界発光素子を提供することができる。
本発明における半導体ナノ粒子1について説明をする。
半導体ナノ粒子の材質としては、炭素(C)(不定形炭素、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ、ダイアモンド等)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、錫(Sn)等の周期表第IV族元素の単体、リン(P)(黒リン)等の周期表第V族元素の単体、
セレン(Se)、テルル(Te)等の周期表第VI族元素の単体、
酸化錫(IV)窒化ホウ素(BN)、リン化ホウ素(BP)、砒化ホウ素(BAs)、窒化アルミニウム(AlN)、リン化アルミニウム(AlP)、砒化アルミニウム(AlAs)、アンチモン化アルミニウム(AlSb)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)、砒化ガリウム(GaAs)、アンチモン化ガリウム(GaSb)、窒化インジウム(InN)、リン化インジウム(InP)、砒化インジウム(InAs)、アンチモン化インジウム(InSb)等の周期表第III族元素と周期表第V族元素との化合物、
硫化アルミニウム(Al)、セレン化アルミニウム(AlSe)、硫化ガリウム(Ga)、セレン化ガリウム(GaSe、GaSe)テルル化ガリウム(GaTe、GaTe)、酸化インジウム(In)、硫化インジウム(In、InS)、セレン化インジウム(InSe)、テルル化インジウム(InTe)等の周期表第III族元素と周期表第VI族元素との化合物、
酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、酸化カドミウム(CdO)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、硫化水銀(HgS)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化水銀(HgTe)等の周期表第II族元素と周期表第VI族元素との化合物、
酸化銅(I)(CuO)等の周期表第I族元素と周期表第VI族元素との化合物、
塩化銅(I)(CuCl)、臭化銅(I)(CuBr)、ヨウ化銅(I)(CuI)、塩化銀(AgCl)、臭化銀(AgBr)等の周期表第I族元素と周期表第VII族元素との化合物などが挙げられ、必要によりこれらの2種以上を併用しても良い。
なお、周期表第II族元素と周期表第VI族元素との化合物をII-VI族半導体と称したり、周期表第III族元素と周期表第V族元素との化合物をIII-V族半導体と称したりする。
これらの材料には、構成元素以外の元素が含有されていても構わない。
例えばIII-V族を例にとれば、INGaP、INGaNの様な合金系であってもよい。また上記材料中に、希土類元素あるいは遷移金属元素がドープされた半導体ナノ粒子も使われる。例えば、ZnS:Mn、ZnS:Tb、ZnS:Ce、LaPO:Ceなどが挙げられる。
この中でもケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)、砒化ガリウム(GaAs)、窒化インジウム(InN)、リン化インジウム(InP)、砒化インジウム(InAs)、セレン化ガリウム(GaSe、Ga2Se3)、硫化インジウム(In、InS)、酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、酸化カドミウム(CdO)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、InGaP、InGaNなどの合金系が好ましく用いられ、特に、リン化インジウム(InP)、セレン化カドミウム(CdSe)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)が特に好ましく用いられる。
さらに、半導体ナノ粒子1としては、ペロブスカイト結晶も特に好ましく用いることができる。本発明で言うペロブスカイト結晶は、下記式で表される組成を有し、3次元結晶構造を持つものである。
組成式:AQX
上記式において、Aはメチルアンモニウム(CHNH)、および、ホルムアミジニウム(NHCHNH)から選ばれる少なくとも1つであるアミン化合物の1価陽イオンであるか、または、ルビジウム(Rb)、セシウム(Ce)、および、フランシウ(Fr)から選ばれる少なくとも1つのアルカリ金属元素の1価陽イオンであり、Qは鉛(Pb)および錫(Sn)から選ばれる少なくとも1つである金属元素の2価陽イオンであり、Xはヨウ素(I)、臭素(Br)、および塩素(Cl)から選ばれる少なくとも1つのハロゲン元素の1価陰イオンである。
半導体ナノ粒子1は、コアシェル構造を有するものであることが好ましい。コアシェル型の半導体ナノ粒子1はコアを形成する材質と異なる成分からなる材質でコアが被覆されたものである。シェルをバントギャップの大きい半導体をすることで、光励起によって生成された励起子(電子-正孔対)はコア内に閉じ込められる。その結果、粒子表面での無輻射遷移の確率が減少し、発光の量子収率および蛍光特性の安定性が向上する。また、シェルは複数層あっても良い。さらに、コアとシェル、および、あるシェルと他のシェルの境界は明確であっても濃度勾配を設けて徐々に接合されたグラージェント構造で合っても良い。
本発明の半導体ナノ粒子2は、半導体ナノ粒子1の表面の少なくとも一部がリガンドで覆われているものであって、平均粒子径が100nm以下のものである。
半導体ナノ粒子1の表面の少なくとも一部をリガンドで覆う方法としては、例えば、
リガンドの存在下に半導体ナノ粒子1を合成し、リガンドが吸着した半導体ナノ粒子2を作成する方法、
半導体ナノ粒子1とリガンドとを液相中で撹拌することで、半導体ナノ粒子1の表面にリガンドが吸着した半導体ナノ粒子2を得る方法、
半導ナノ微粒子1を含む分散液から遠心沈降などで液相(分散媒)をおおよそ取り除いた後、リガンドを含む液相(分散媒)に半導体ナノ粒子1を再分散させる際にリガンドが吸着した半導ナノ粒子2を作成する方法などを例としてあげられる。
本発明におけるリガンドについて説明する。
本発明におけるリガンドは、共役構造を有しない主鎖と、前記主鎖に結合する側鎖とを有し、前記側鎖が、共役構造、および吸着基を有する。共役構造と吸着基の組合せとしては下記(1)~(2)のような場合が挙げられる。
(1)主鎖に結合する側鎖を複数有し、
前記複数の側鎖のうち少なくとも1つが共役構造を有し、吸着基を有さず、
前記複数の側鎖のうち他の側鎖が吸着基を有し、共役構造を有しない、場合。
この場合、前者の側鎖(以下、共役構造を有する側鎖と略すこともある)と、後者の側鎖(以下、吸着基を有する側鎖と略すこともある)とは、主鎖に対し、ブロックを形成することができる。
(2)主鎖に結合する側鎖を複数有し、
前記側鎖のうち少なくとも1つの側鎖が、共役構造と吸着基とを有する場合。
本発明におけるリガンドは、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリビニレート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリイミド、セルロース、あるいは、それらの組み合わせであることが考えられる。特に、制限はないが、ポリアクリレート、または、ビニル樹脂、あるいは、それらの組み合わせであることが好ましい。言い換えると、リガンドの主鎖は、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基、アクリルイミド基、および、メタクリルイミド基などの重合によって形成されるものが好ましい。
リガンドの側鎖における共役構造について説明する。共役構造としては、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素構造、または、置換もしくは未置換の芳香族複素環が挙げられる。
ここで、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素構造としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ナフタセン、ベンタセン、フルオレン、フェナントレン、ピレン、ペリレン、ビフェニル、p-テルフェニル、m-テルフェニル、および、o-テルフェニルなどが挙げられる。
ここで、置換もしくは未置換の芳香族複素環構造としては、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、1,2,3-トリアジン、1,3,5-トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、フタラジン、プテレジン、クマリン、クロモン、インドール、ベンズイミダゾール、ベンゾフラン、プリン、アクリジン、フェノキサジン、フェノチアジン、ポルフィリン、および、フタロシアニンなどが挙げられる。ここで、ポルフィリン、および、フタロシアニンは、中心金属を伴っても良い。
ここで、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素構造、および、置換もしくは未置換の芳香族複素環構造としては、少なくとも2環以上の縮合あるいは連結の構造であることが好ましい。これは、単環ではπ電子間の相互作用が小さいために電気伝導性に劣るためである。
リガンドの側鎖における吸着基について説明する。
吸着基としては、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、チオール基、硫酸基、スルホン酸基、ホスフィン基、ホスホン酸基、-(P=O)R’R’’、シアノ基、-CH=C(CN)、および、-CH=C(CN)COOH、などがあげられる。
ここで、R’R’’は脂肪族炭化水素基を表す。また、脂肪族炭化水素基としては、後述のモノが挙げられる。
本発明のリガンドの好ましい一例は、下記一般式(1)で表される。
Figure 0007003621000001
(一般式(1)中、
は、水素原子、または、メチル基を表し、
は、直接結合、または、-(C=O)を表す。
は、Lが-(C=O)-の場合、直接結合、-NR-、または、-O-を表し、Lが、直接結合を表す場合は、Lは直接結合を表す。
は、直接結合であるか、置換もしくは未置換の2価の脂肪族炭化水素基、-O-、-NR-、-(C=O)-、および、それらの組み合わせから成る構造であって、直接結合でない場合は、Lに必ず最初に2価の脂肪族炭化水素基が結合する。
ここで、R、および、Rは、それぞれ独立に、水素原子、または、脂肪族炭化水素基を表す。
は、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、または、置換もしくは未置換の芳香族複素環基である。
は、水素原子、または、メチル基を表し、
は、直接結合、または、-(C=O)を表す。
は、Lが-(C=O)-の場合、直接結合、-NR-、または、-O-を表し、Lが直接結合を表す場合はLも直接結合を表す。
は、直接結合であるか、置換もしくは未置換の2価の脂肪族炭化水素基、-O-、-NR10-、-(C=O)-、および、それらの組み合わせから成る構造であって、直接結合でない場合は、Lに必ず最初に2価の脂肪族炭化水素基が結合する。
ここで、R、および、R10は、それぞれ独立に、水素原子、または、脂肪族炭化水素基を表す。
は、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、または、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基である。
ただし、L、または、Rの少なくとも一方に、少なくとも一つの吸着基を有する。ただし、Lが-NH-であり、かつ、LおよびLが直接結合であり、かつ、Rが水素原子である場合を特別に含み、この場合は、置換基として吸着基を有さなくても良い。
は、水素原子、または、メチル基を表し、
は、直接結合、または、-(C=O)を表す。
は、Lが-(C=O)-の場合、直接結合、-NR11-、または、-O-を表し、Lが直接結合を表す場合はLも直接結合を表す。
は、直接結合であるか、置換もしくは未置換の2価の脂肪族炭化水素基、-O-、-NR12-、-(C=O)-、および、それらの組み合わせから成る構造であって、直接結合でない場合は、Lに必ず最初に2価の脂肪族炭化水素基が結合する。
ここで、R11、および、R12は、それぞれ独立に、水素原子、または、脂肪族炭化水素基を表す。
さらに、Rは、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、または、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基である。
ただし、L、および、R16は吸着基を有さない。
x、y、zは数量比を表し、x+y+z=100であって、100≧x≧50、50>y≧0.1、50>Z≧0を満たすようにそれぞれ選択される。)
以下に、一般式(1)に関する具体例を挙げるが、これらは本発明を何ら制限するものではない。
、L、Lにおける2価の脂肪族炭化水素基としては、-CH-、-(CH-、-(CH-、-(CH-、-(CH-、および、-(CH-などが挙げられる。
における芳香族炭化水素基としては、単環、縮合環、環集合炭化水素基が挙げられる。
上記芳香族炭化水素基のうち、単環タイプのものとしては、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、2,4-キシリル基、p-クメニル基、メシチル基等の炭素数6~18の単環芳香族炭化水素基が挙げられる。
また、上記芳香族炭化水素基のうち、縮合環タイプのものとしては、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アンスリル基、2-アンスリル基、5-アンスリル基、1-フェナンスリル基、9-フェナンスリル基、1-アセナフチル基、2-アズレニル基、1-ピレニル基、2-ピレニル基、4-ピレニル基、2-トリフェニレル基等の炭素数10~18の縮合環炭化水素基が挙げられる。
また、上記芳香族炭化水素基のうち、環集合タイプのものとしては、o-ビフェニリル基、m-ビフェニリル基、p-ビフェニリル基、9,9H-フルオレイン-2-イル基、9H-フルオレイン-9-イル基、等の炭素数12~18の環集合炭化水素基が挙げられる。
における芳香族複素環基としては、トリアゾリル基、3-オキサジアゾリル基、2-フラニル基、3-フラニル基、2-フリル基、3-フリル基、2-チエニル基、3-チエニル基、1-ピロ-リル基、2-ピロ-リル基、3-ピロ-リル基、2-ピリジル基、3-ピリジル基、4-ピリジル基、2-ピラジル基、2-オキサゾリル基、3-イソオキサゾリル基、2-チアゾリル基、3-イソチアゾリル基、2-イミダゾリル基、3-ピラゾリル基、2-キノリル基、3-キノリル基、4-キノリル基、5-キノリル基、6-キノリル基、7-キノリル基、8-キノリル基、1-イソキノリル基、2-キノキサリニル基、2-ベンゾフリル基、2-ベンゾチエニル基、N-インドリル基、N-カルバゾリル基、N-アクリジニル基、2-チオフェニル基、3-チオフェニル基、ビピリジル基、フェナントロリル基といった炭素数2~18の芳香族複素環基が挙げられる。
、R、R、R10、R11、R12における脂肪族炭化水素基としては、炭素数1~18の脂肪族炭化水素基を指し、そのようなものとしては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基が挙げられる。
上記炭素数1~18の脂肪族炭化水素基のうち、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基といった炭素数1~18のアルキル基が挙げられる。
上記炭素数1~18の脂肪族炭化水素基のうち、アルケニル基としては、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、イソプロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1-オクテニル基、1-デセニル基、1-オクタデセニル基といった炭素数2~18のアルケニル基が挙げられる。
上記炭素数1~18の脂肪族炭化水素基のうち、アルキニル基としては、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、1-ブチニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、1-オクチニル基、1-デシニル基、1-オクタデシニル基といった炭素数2~18のアルキニル基が挙げられる。
上記炭素数1~18の脂肪族炭化水素基のうち、シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基、1-アダマンチル基、2-アダマンチル基いった炭素数3~18のシクロアルキル基が挙げられる。
、Rにおける脂肪族複素環基としては、2-ピラゾリノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、2-モルホリニル基といった炭素数3~18の脂肪族複素環基が挙げられる。
、Rにおける吸着基としては、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、チオール基、硫酸基、スルホン酸基、ホスフィン酸基、ホスホン酸基、-(P=O)R’R’’、シアノ基、-CH=C(CN)、および、-CH=C(CN)COOH、などがあげられる。
ここで、R’R’’は脂肪族炭化水素基を表す。また、脂肪族炭化水素基としては前述のものが挙げられる。
吸着基が酸性の官能基の場合は、水素イオンが他の一価の陽イオンと交換されていても良く、ここで言う一価の陽イオンとしては、Li、Na、および、K、などが挙げられる。
また、吸着基が半導体ナノ粒子へ吸着している状態では、吸着基はイオン化している場合が予想され、本発明はその概念も包括する。例えば、-OH→-O、-CООH→-CОО、-NH→-NH 、-SH→-S、-SOH→-SO 、-O-SOH→-O-SO 、-PO→-PO 2-、などが挙げられる。
、および、Rがそれぞれ独立に有していても良い置換基としては、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換未置換の芳香族複素環基、ハロゲン元素、および、吸着基が挙げられる。
ハロゲン元素としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
ハロゲン元素以外の例としては前述のものが挙げられる。
、および、Rがそれぞれ独立に有していても良い置換基としては、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、ハロゲン元素、および、吸着基が挙げられ、これらの例としては前述のものが挙げられる。ただし、L、または、Rの少なくとも一方に、少なくとも一つの吸着基を有する。
、および、Rがそれぞれ独立に有していても良い置換基としては、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、およびハロゲン元素、が挙げられ、これらの例としては前述のものが挙げられる。ただし、L、および、Rは吸着基を有さない。
なお、Lが-NH-であり、かつ、LおよびLが直接結合であり、かつ、Rが水素原子である場合を特別に含み、この場合は、置換基として吸着基を有さなくても良いが、側鎖中に含まれるアミノ基を吸着基とするものとする。
一般式(1)の重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体の何れでも良く、後述の例示化合物は双方の概念を含みうる。
また、一般式(1)内の、それぞれの、繰り返し単位は、一般式(1)の記載に従う範囲で2種類以上を組み合わせて使用してもよい。その場合は、x、y、zは、合計値で取り扱う。
一般式(1)中、直接結合が2つ以上連続する場合は、それらをまとめて一つの直接結合として取り扱う。
本発明において一般式(1)で示されるリガンドを合成する方法として、例えば、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基、アクリルイミド基、および、メタクリルイミド基などを有するモノマーを重合することで得ることが出来る。
例えば、原料となる各種モノマーと触媒を、モノマーや触媒に対して反応し難い溶剤へ投入し、溶液中で重合を行う方法である溶液重合などが合成方法として挙げられる。
ブロック共重合体の製造方法は、特に限定されない。ブロックポリマーは、例えば、リビングラジカル重合法などを用いたブロック重合により、モノマーを順次重合反応させることにより得られる。リビングラジカル重合法とは、ラジカル重合の簡便性と汎用性を保ちつつ、分子構造の精密制御を可能にする重合法である。リビングラジカル重合法には、重合成長末端を安定化させる手法の違いにより、遷移金属触媒を用いる方法(ATRP)、硫黄系の可逆的連鎖移動剤を用いる方法(RAFT)、有機テルル化合物を用いる方法(TERP)などの方法がある。これらの方法のなかでも、使用できるモノマーの多様性、高分子領域での分子量制御の観点から、有機テルル化合物を用いる方法(TERP)を用いることが好ましい。RAFT法については、Australian Journal of Chemistry,2009,62,1402-1472に詳しくまとめられている。
また、TERP法については、たとえば国際公開第2015/072333号に記載の方法が挙げられる。
また、吸着基であるチオール基は、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基、アクリルイミド基、および、メタクリルイミド基などに対し強い反応性を持つ。そのため、重合を行ってから、保護基の脱離や交換反応を用いることで目的のリガンドを得ることができる。
このような方法は、例えば、特開2011-195810、さらに、Macromolecules,2102,45(2),821-827、Polymer International,63(5),2014,887・893等に詳しく記載されている。
以下に、本発明の一般式(1)で表されるリガンドを示す。
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本発明の半導体ナノ粒子2は、上述のリガンドの他に、さらに以下に挙げる従来公知のリガンドによって覆われていても良い。
従来公知のリガンドとしては、メタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、ブタンチオール、ペンタンチオール、ヘキサンチオール、オクタンチオール、ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、オクタデカンチオール、ベンジルチオール等のチオール類;メルカプトメタノール、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトブタノール、メルカプトペンタノール、メルカプトヘキサノール等のメルカプトスペーサーアルコール類;メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、メルカプトブタン酸、メルカプトヘキサン酸、メルカプトヘプタン等のメルカプトスペーサーカルボン酸類;メルカプトメタンスルホン酸、メルカプトエタンスルホン酸、メルカプトプロパンスルホン酸、メルカプトベンゼンスルホン酸等のメルカプトスペーサースルホン酸類;メルカプトメタンアミン、メルカプトエタンアミン、メルカプトプロパンアミン、メルカプトブタンアミン、メルカプトペンタンアミン、メルカプトヘキサンアミン、メルカプトピリジン等のメルカプトスペーサーアミン類;メルカプトメチルチオール、メルカプトエチルチオール、メルカプトプロピルチオール、メルカプトブチルチオール、メルカプトペンチルチオール等のメルカプトスペーサーチオール類;メタンアミン、エタンアミン、プロパンアミン、ブタンアミン、ペンタンアミン、ヘキサンアミン、オクタンアミン、ドデカンアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン等のアミン類;アミノメタノール、アミノエタノール、アミノプロパノール、アミノブタノール、アミノペンタノール、アミノヘキサノール等のアミノスペーサーアルコール類;アミノ酢酸、アミノプロピオン酸、アミノブタン酸、アミノヘキサン酸、アミノヘプタン酸等のアミノスペーサーカルボン酸類;アミノメタンスルホン酸、アミノエタンスルホン酸、アミノプロパンスルホン酸、アミノベンゼンスルホン酸等のアミノスペーサースルホン酸類;アミノメタンアミン、アミノエタンアミン、アミノプロパンアミン、アミノブチルアミン、アミノペンチルアミン、アミノヘキシルアミン、アミノベンゼンアミン、アミノピリジン等のアミノスペーサーアミン又はジアミン類;メタン酸(ギ酸)、エタン酸、プロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ドデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、オレイン酸、安息香酸等のカルボン酸類;カルボン酸メタノール(すなわち、カルボン酸基がアルコール基から-CH-基により分離された、又は2-ヒドロキシエタン酸)、カルボン酸エタノール(すなわち、3-ヒドロキシプロパン酸)、カルボン酸プロパノール、カルボン酸ブタノール、カルボン酸ペンタノール、カルボン酸ヘキサノールなどのカルボン酸スペーサーアルコール類;カルボン酸メタンスルホン酸、カルボン酸エタンスルホン酸、カルボン酸プロパンスルホン酸、カルボン酸ベンゼンスルホン酸等のカルボン酸スペーサースルホン酸類;カルボン酸メタンカルボン酸(すなわち、プロパン二酸)、カルボン酸エタンカルボン酸(すなわち、ブタン二酸)、カルボン酸プロパンカルボン酸、カルボン酸プロパンカルボン酸、カルボン酸ベンゼンカルボン酸等のカルボン酸スペーサーカルボン酸類;メチルホスフィン、エチルホスフィン、プロピルホスフィン、ブチルホスフィン、ペンチルホスフィン等のホスフィン類;ホスフィンメタノール、ホスフィンエタノール、ホスフィンプロパノール、ホスフィンブタノール、ホスフィンペンタノール、ホスフィンヘキサノール等のホスフィンスペーサーアルコール類;ホスフィンメタンスルホン酸、ホスフィンエタンスルホン酸、ホスフィンプロパンスルホン酸、ホスフィンベンゼンスルホン酸等のホスフィンスペーサースルホン酸類;ホスフィンメタンカルボン酸、ホスフィンエタンカルボン酸、ホスフィンプロパンカルボン酸、ホスフィンベンゼンカルボン酸、等のホスフィンスペーサーカルボン酸類;ホスフィンメタンアミン、ホスフィンエタンアミン、ホスフィンプロパンアミン、ホスフィンベンゼンアミンなどのホスフィンスペーサーアミン類;メチルホスフィンオキシド、エチルホスフィンオキシド、プロピルホスフィンオキシド、ブチルホスフィンオキシド等のホスフィンオキシド類;ホスフィンオキシドメタノール、ホスフィンオキシドエタノール、ホスフィンオキシドプロパノール、ホスフィンオキシドブタノール、ホスフィンオキシドペンタノール、ホスフィンオキシドヘキサノール等のホスフィンオキシドアルコール類;ホスフィンオキシドメタンスルホン酸、ホスフィンオキシドエタンスルホン酸、ホスフィンオキシドプロパンスルホン酸、ホスフィンオキシドベンゼンスルホン酸等のホスフィンオキシドスペーサースルホン酸類;ホスフィンオキシドメタンカルボン酸、ホスフィンオキシドエタンカルボン酸、ホスフィンオキシドプロパンカルボン酸、ホスフィンオキシドベンゼンカルボン酸等のホスフィンオキシドスペーサーカルボン酸類;及び、ホスフィンオキシドメタンアミン、ホスフィンオキシドエタンアミン、ホスフィンオキシドプロパンアミン、ホスフィンオキシドベンゼンアミン等のホスフィンオキシドスペーサーアミン類が挙げられる。
半導体ナノ粒子1および2の平均粒子径は100nm以下であり、好ましくは1~50nmであり、更に好ましくは、1~15nmである。
ここで言う平均粒子径とは、半導体ナノ粒子1または半導体ナノ粒子2を透過型電子顕微鏡で観察し、無作為に30個のサイズを計測してその平均値を採用した値を指す。この際、半導体ナノ粒子2では、エネルギー分散型X線分析が付帯した走査型透過電子顕微鏡を用いることで、半導体材質部を特定した上で、透過型電子顕微鏡像において電子密度の違いから後述のリガンドに対し半導体ナノ粒子1部分は暗く撮像されることを利用し粒径を計測する。
半導体ナノ粒子1および2の形状として量子ドットの形状は、球状に限らず、棒状、円盤状、そのほかの形状であっても良い。
次に、本発明の半導体ナノ粒子2と液状分散媒とを含む分散液(以下、本発明の分散液)について説明する。
本発明の分散液は、半導体ナノ粒子2の少なくとも一部が本発明のリガンドで覆われていることで、半導体ナノ粒子2の耐性や分散安定性が優れている。
理由は明らかではないが、本発明のリガンドは、高分子中に複数の吸着基を有するために、半導体ナノ粒子へ多点吸着することで脱離し難いことから、従来公知のリガンドに比べ、半導体ナノ粒子を強く密に被覆していると推察される。そのため、分散を維持する効果、および、半導体ナノ粒子を保護する効果において、優れた特性を示すものと考察される。
上記、有機液状分散媒としては、いわゆる種々の有機溶剤が適用可能であり、特に限定されない。例えば、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、メチシレン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素;1,2-ジメトキシベンゼン、1,3-ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2-メトキシトルエン、3-メトキシトルエン、4-メトキシトルエン、2,3-ジメチルアニソール、2,4-ジメチルアニソール等の芳香族エーテル;酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n-ブチル等の芳香族エステル;シクロヘキサノン、シクロオクタノン等の脂環を有するケトン;メチルエチルケトン、ジブチルケトン等の脂肪族ケトン;メチルエチルケトン、シクロヘキサノール、シクロオクタノール等の脂環を有するアルコール;ブタノール、ヘキサノール等の脂肪族アルコール;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール-1-モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル;酢酸エチル、酢酸n-ブチル、乳酸エチル、乳酸n-ブチル等の脂肪族エステル;n-ヘキサン、2-メチルペンタン、3-メチルペンタン、2,2-ジメチルブタン、2,3-ジメチルブタン、n-ヘプタン、n-デカン、2,2,4-トリメチルペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素;等が挙げられる。
これらのうち、水の溶解度が低い点、容易には変質しない点で、トルエン、キシレン、メチシレン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素が好ましい。
電界発光素子には、水分により著しく劣化する材料が陰極等に多く使用されているため、素子の特性発現の点から、乾燥後の膜中に水分が残留しにくいように、用いる液状分散媒も疎水性に富むものを選択することが好ましい。
また、これらの液状分散媒は単独で使用しても複数混合して用いてもよい。尚、使用可能な液状分散媒はこれらに限定されるものではない。
本発明の分散液は、主に、発光層を形成するために用いられるが、正孔輸送層などの他の層に用いてもよい。
本発明の分散液に、本発明の目的が損なわれない範囲で、後述する他の公知の発光材料を含有させても良い。
本発明の分散液には、必要に応じて公知の添加剤を添加してもよい。公知の添加剤としては、消泡剤、レベリング剤、および、増粘剤、等が挙げられるが何ら限定されるものではない。
本発明の分散液は、公知の湿式成膜法、例えば、塗布法、インクジェット法、ディップコート法、ダイコート法、スプレーコート法、スピンコート法、ロールコーター法、湿漬塗布法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷、スクリーン印刷法、LB法等により成膜できる。また、特表2002-534782や、S.T.Lee, et al., Proceedings of SID’02, p.784(2002)に記載されているLITI(Laser Induced Thermal Imaging、レーザー熱転写)法によって成膜してもよい。
本発明の半導体ナノ粒子2からなる半導体層(以下、本発明の半導体層)について説明する。
本発明の半導体層は、本発明の半導体粒子2を少なくとも1種含み、2種以上を同時に含んでいても良く、さらに前記の各種電界発光素子材料を含んでいても良い。
本発明の半導体層は、本発明の分散液を基材上に塗布し、液状分散媒を乾燥することによって、形成することができる。
本発明の半導体層は、半導体ナノ粒子2の少なくとも一部が上述した特定のリガンドで覆われていることで、半導体ナノ粒子2の耐性が優れており、長期にわたってその発光性特性を維持することができる。さらに、一般の半導体ナノ粒子は、分散液で発揮していた発光量子収率に比べ、分散液を乾燥した紛体や膜では発光量子収率が低下することが知られているが、本発明の半導体層は分散液と同等の発光量子収率を維持することが可能である。
次に本発明の半導体ナノ粒子2の具体的用途として、半導体ナノ粒子2を用いた電界発光素子について説明する。
本発明の電界発光素子は、陽極と陰極との間に本発明の半導体ナノ粒子2からなる半導体層を具備するものであり、半導体ナノ粒子2からなる半導体層が発光層となる。
半導体ナノ粒子2からなる半導体層が発光層は、陽極および陰極に直接接することもできる(一層型電界発光素子)。
あるいは陽極または陰極との間に、発光層の他に、発光層への正孔や電子の注入を容易にしたり、発光層内での正孔と電子との再結合を円滑に行わせたりすることを目的として、正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層、電子注入層などを積層させ、いわゆる多層型電界発光素子とすることもできる。
さらに、発光層と陽極との間で発光層に隣接して存在し、発光層と陽極、又は発光層と、正孔注入層若しくは正孔輸送層とを隔離する役割をもつ層であるインターレイヤー層を挿入する態様とすることもできる。
したがって、本発明の電界発光素子のうち、多層型電界発光素子の代表的な素子構成としては、(1)陽極/正孔注入層/発光層/陰極、(2)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極、(3)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極、(4)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極、(5)陽極/正孔注入層/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(6)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(7)陽極/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(8)陽極/発光層/電子注入層/陰極(9)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/インターレイヤー層/発光層/陰極、(10)陽極/正孔注入層/インターレイヤー層/発光層/電子注入層/陰極、(11)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/インターレイヤー層/発光層/電子注入層/陰極、等の多層構成で積層した素子構成が考えられる。
また、上述した各有機層は、それぞれ二層以上の層構成により形成されても良く、いくつかの層が繰り返し積層されていても良い。そのような例として、近年、光取り出し効率の向上を目的に、上述の多層型電界発光の一部の層を多層化する「マルチ・フォトン・エミッション」と呼ばれる素子構成が提案されている。これは例えば、ガラス基板/陽極/正孔輸送層/電子輸送性発光層/電子注入層/電荷発生層/発光ユニット/陰極から構成される電界発光素子に於いて、電荷発生層と発光ユニットの部分を複数層積層するといった方法が挙げられる。
本発明の半導体ナノ粒子2からなる半導体層は、上述したいかなる層に用いても構わないが、特に発光層に好適に用いることができる。また、本発明の半導体ナノ粒子2からなる半導体層は、他の化合物や半導体ナノ粒子を含んでいても良い。
正孔注入層には、発光層に対して優れた正孔注入効果を示し、かつ陽極界面との密着性と薄膜形成性に優れた正孔注入層を形成できる正孔注入材料が用いられる。また、このような材料を多層積層させ、正孔注入効果の高い材料と正孔輸送効果の高い材料とを多層積層させた場合、それぞれに用いる材料を正孔注入材料、正孔輸送材料と呼ぶことがある。本発明の有機EL素子用材料は、正孔注入材料、正孔輸送材料いずれにも好適に使用することができる。これら正孔注入材料や正孔輸送材料は、正孔移動度が大きく、イオン化エネルギーが通常5.5eV以下と小さい必要がある。このような正孔注入層としては、より低い電界強度で正孔を発光層に輸送する材料が好ましく、さらに正孔の移動度が、例えば10~10V/cmの電界印加時に、少なくとも10-6cm/V・秒であるものが好ましい。本発明の有機EL素子用材料と混合して使用することができる、他の正孔注入材料および正孔輸送材料としては、上記の好ましい性質を有するものであれば特に制限はなく、従来、光導伝材料において正孔の電荷輸送材料として慣用されているものや、有機EL素子の正孔注入層に使用されている公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。
このような正孔注入材料や正孔輸送材料としては、具体的には、例えばトリアゾール誘導体(米国特許3,112,197号明細書等参照)、オキサジアゾール誘導体(米国特許3,189,447号明細書等参照)、イミダゾール誘導体(特公昭37-16096号公報等参照)、ポリアリールアルカン誘導体(米国特許3,615,402号明細書、同第3,820,989号明細書、同第3,542,544号明細書、特公昭45-555号公報、同51-10983号公報、特開昭51-93224号公報、同55-17105号公報、同56-4148号公報、同55-108667号公報、同55-156953号公報、同56-36656号公報等参照)、ピラゾリン誘導体およびピラゾロン誘導体(米国特許第3,180,729号明細書、同第4,278,746号明細書、特開昭55-88064号公報、同55-88065号公報、同49-105537号公報、同55-51086号公報、同56-80051号公報、同56-88141号公報、同57-45545号公報、同54-112637号公報、同55-74546号公報等参照)、フェニレンジアミン誘導体(米国特許第3,615,404号明細書、特公昭51-10105号公報、同46-3712号公報、同47-25336号公報、特開昭54-53435号公報、同54-110536号公報、同54-119925号公報等参照)、アリールアミン誘導体(米国特許第3,567,450号明細書、同第3,180,703号明細書、同第3,240,597号明細書、同第3,658,520号明細書、同第4,232,103号明細書、同第4,175,961号明細書、同第4,012,376号明細書、特公昭49-35702号公報、同39-27577号公報、特開昭55-144250号公報、同56-119132号公報、同56-22437号公報、西独特許第1,110,518号明細書等参照)、アミノ置換カルコン誘導体(米国特許第3,526,501号明細書等参照)、オキサゾール誘導体(米国特許第3,257,203号明細書等に開示のもの)、スチリルアントラセン誘導体(特開昭56-46234号公報等参照)、フルオレノン誘導体(特開昭54-110837号公報等参照)、ヒドラゾン誘導体(米国特許第3,717,462号明細書、特開昭54-59143号公報、同55-52063号公報、同55-52064号公報、同55-46760号公報、同55-85495号公報、同57-11350号公報、同57-148749号公報、特開平2-311591号公報等参照)、スチルベン誘導体(特開昭61-210363号公報、同第61-228451号公報、同61-14642号公報、同61-72255号公報、同62-47646号公報、同62-36674号公報、同62-10652号公報、同62-30255号公報、同60-93455号公報、同60-94462号公報、同60-174749号公報、同60-175052号公報等参照)、シラザン誘導体(米国特許第4,950,950号明細書)、ポリシラン系(特開平2-204996号公報)、アニリン系共重合体(特開平2-282263号公報)、特開平1-211399号公報に開示されている導電性高分子オリゴマー(特にチオフェンオリゴマー)等をあげることができる。
正孔注入材料や正孔輸送材料としては上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物(特開昭63-2956965号公報)、芳香族第三級アミン化合物およびスチリルアミン化合物(米国特許第4,127,412号明細書、特開昭53-27033号公報、同54-58445号公報、同54-149634号公報、同54-64299号公報、同55-79450号公報、同55-144250号公報、同56-119132号公報、同61-295558号公報、同61-98353号公報、同63-295695号公報等参照)を用いることもできる。例えば、米国特許第5,061,569号に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有する4,4’-ビス(N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ)ビフェニル等や、特開平4-308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4’,4”-トリス(N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ)トリフェニルアミン等をあげることができる。また、正孔注入材料として銅フタロシアニンや水素フタロシアニン等のフタロシアニン誘導体も挙げられる。さらに、その他、芳香族ジメチリデン系化合物、p型Si、p型SiC等の無機化合物も正孔注入材料や正孔輸送材料として使用することができる。
さらに、正孔注入層に使用できる材料としては、酸化モリブデン(MnO)、酸化バナジウム(VO)、酸化ルテニウム(RuO)、酸化銅(CuO)、酸化タングステン(WO)、酸化イリジウム(IrO)などの無機酸化物およびそれらのドープ体もあげられる。
芳香族三級アミン誘導体の具体例としては、例えば、N,N’-ジフェニル-N,N’-(3-メチルフェニル)-1,1’-ビフェニル-4,4’-ジアミン、N,N,N’,N’-(4-メチルフェニル)-1,1’-フェニル-4,4’-ジアミン、N,N,N’,N’-(4-メチルフェニル)-1,1’-ビフェニル-4,4’-ジアミン、N,N’-ジフェニル-N,N’-ジナフチル-1,1’-ビフェニル-4,4’-ジアミン、N,N’-(メチルフェニル)-N,N’-(4-n-ブチルフェニル)-フェナントレン-9,10-ジアミン、N,N-ビス(4-ジ-4-トリルアミノフェニル)-4-フェニル-シクロヘキサン、N,N’-ビス(4’-ジフェニルアミノ-4-ビフェニリル)-N,N’-ジフェニルベンジジン、N,N’-ビス(4’-ジフェニルアミノ-4-フェニル)-N,N’-ジフェニルベンジジン、N,N’-ビス(4’-ジフェニルアミノ-4-フェニル)-N,N’-ジ(1-ナフチル)ベンジジン、N,N’-ビス(4’-フェニル(1-ナフチル)アミノ-4-フェニル)-N,N’-ジフェニルベンジジン、N,N’-ビス(4’-フェニル(1-ナフチル)アミノ-4-フェニル)-N,N’-ジ(1-ナフチル)ベンジジン等があげられ、これらは正孔注入材料、正孔輸送材料いずれにも使用することができる。
正孔注入材料として、特に好ましい例を表2に示す。
Figure 0007003621000028
また、本発明の半導体ナノ粒子2と共に用いることが出来る正孔輸送材料としては、下記表3に示す化合物も挙げられる。
Figure 0007003621000029



上に説明した正孔注入層を形成するには、上述の化合物を、例えば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法等の公知の方法により薄膜化する。正孔注入層の膜厚は、特に制限はないが、通常は5nm~5μmである。
インターレイヤー層に用いる材料として、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミンを有するポリアリーレン誘導体、アリールアミン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体等の芳香族アミンを含むポリマーが例示される。また、インターレイヤー層の成膜方法は、高分子量の材料を用いる場合には、溶液からの成膜による方法が例示される。
溶液からのインターレイヤー層の成膜には、公知の湿式成膜法、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法、キャピラリ-コート法、ノズルコート法等の塗布法を用いることができる。
インターレイヤー層の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよく、通常、1nm~1μmであり、好ましくは2~500nmであり、より好ましくは5~200nmである。
一方、電子注入層には、発光層に対して優れた電子注入効果を示し、かつ陰極界面との密着性と薄膜形成性に優れた電子注入層を形成できる電子注入材料が用いられる。そのような電子注入材料の例としては、金属錯体化合物、含窒素五員環誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェノキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ペリレンテトラカルボン酸誘導体、フレオレニリデンメタン誘導体、アントロン誘導体、シロール誘導体、トリアリールホスフィンオキシド誘導体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体、カルシウムアセチルアセトナート、酢酸ナトリウムなどが挙げられる。また、セシウム等の金属をバソフェナントロリンにドープした無機/有機複合材料(高分子学会予稿集,第50巻,4号,660頁,2001年発行)や、第50回応用物理学関連連合講演会講演予稿集、No.3、1402頁、2003年発行記載のBCP、TPP、T5MPyTZ等も電子注入材料の例として挙げられるが、素子作成に必要な薄膜を形成し、陰極からの電子を注入できて、電子を輸送できる材料であれば、特にこれらに限定されるものではない。
上記電子注入材料の中で好ましいものとしては、金属錯体化合物、含窒素五員環誘導体、シロール誘導体、トリアリールホスフィンオキシド誘導体が挙げられる。本発明に使用可能な好ましい金属錯体化合物としては、8-ヒドロキシキノリンまたはその誘導体の金属錯体が好適である。8-ヒドロキシキノリンまたはその誘導体の金属錯体の具体例としては、トリス(8-ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(2-メチル-8-ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(4-メチル-8-ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(5-メチル-8-ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(5-フェニル-8-ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、ビス(8-ヒドロキシキノリナート)(1-ナフトラート)アルミニウム、ビス(8-ヒドロキシキノリナート)(2-ナフトラート)アルミニウム、ビス(8-ヒドロキシキノリナート)(フェノラート)アルミニウム、ビス(8-ヒドロキシキノリナート)(4-シアノ-1-ナフトラート)アルミニウム、ビス(4-メチル-8-ヒドロキシキノリナート)(1-ナフトラート)アルミニウム、ビス(5-メチル-8-ヒドロキシキノリナート)(2-ナフトラート)アルミニウム、ビス(5-フェニル-8-ヒドロキシキノリナート)(フェノラート)アルミニウム、ビス(5-シアノ-8-ヒドロキシキノリナート)(4-シアノ-1-ナフトラート)アルミニウム、ビス(8-ヒドロキシキノリナート)クロロアルミニウム、ビス(8-ヒドロキシキノリナート)(o-クレゾラート)アルミニウム等のアルミニウム錯体化合物、トリス(8-ヒドロキシキノリナート)ガリウム、トリス(2-メチル-8-ヒドロキシキノリナート)ガリウム、トリス(4-メチル-8-ヒドロキシキノリナート)ガリウム、トリス(5-メチル-8-ヒドロキシキノリナート)ガリウム、トリス(2-メチル-5-フェニル-8-ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス(2-メチル-8-ヒドロキシキノリナート)(1-ナフトラート)ガリウム、ビス(2-メチル-8-ヒドロキシキノリナート)(2-ナフトラート)ガリウム、ビス(2-メチル-8-ヒドロキシキノリナート)(フェノラート)ガリウム、ビス(2-メチル-8-ヒドロキシキノリナート)(4-シアノ-1-ナフトラート)ガリウム、ビス(2、4-ジメチル-8-ヒドロキシキノリナート)(1-ナフトラート)ガリウム、ビス(2、5-ジメチル-8-ヒドロキシキノリナート)(2-ナフトラート)ガリウム、ビス(2-メチル-5-フェニル-8-ヒドロキシキノリナート)(フェノラート)ガリウム、ビス(2-メチル-5-シアノ-8-ヒドロキシキノリナート)(4-シアノ-1-ナフトラート)ガリウム、ビス(2-メチル-8-ヒドロキシキノリナート)クロロガリウム、ビス(2-メチル-8-ヒドロキシキノリナート)(o-クレゾラート)ガリウム等のガリウム錯体化合物の他、8-ヒドロキシキノリナートリチウム、ビス(8-ヒドロキシキノリナート)銅、ビス(8-ヒドロキシキノリナート)マンガン、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(8-ヒドロキシキノリナート)亜鉛、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛等の金属錯体化合物が挙げられる。
また、本発明に好適に使用できる電子注入材料の内、好ましい含窒素五員環誘導体としては、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体があげられ、具体的には、2,5-ビス(1-フェニル)-1,3,4-オキサゾール、2,5-ビス(1-フェニル)-1,3,4-チアゾール、2,5-ビス(1-フェニル)-1,3,4-オキサジアゾール、2-(4’-tert-ブチルフェニル)-5-(4”-ビフェニル)1,3,4-オキサジアゾール、2,5-ビス(1-ナフチル)-1,3,4-オキサジアゾール、1,4-ビス[2-(5 -フェニルオキサジアゾリル)]ベンゼン、1,4-ビス[2-(5-フェニルオキサジアゾリル)-4-tert-ブチルベンゼン]、2-(4’-tert- ブチルフェニル)-5-(4”-ビフェニル)-1,3,4-チアジアゾーvル、2,5-ビス(1-ナフチル)-1,3,4-チアジアゾール、1,4-ビス[2-(5-フェニルチアジアゾリル)]ベンゼン、2-(4’-tert-ブチルフェニル)-5-(4”-ビフェニル)-1,3,4-トリアゾール、2,5-ビス(1-ナフチル)-1,3,4-トリアゾール、1,4-ビス[2-(5-フェニルトリアゾリル)]ベンゼン等が挙げられる。
さらに、電子注入層に使用できる材料としては、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO)、などの無機酸化物およびそれらのドープ体もあげられる。
また、本発明に使用可能な電子注入材料の内、特に好ましいオキサジアゾール誘導体の具体例を表4に示す。
Figure 0007003621000030

また、本発明に好適に使用可能な電子注入材料の内、特に好ましいトリアゾール誘導体の具体例を表5に示す。表5中、Phは、フェニル基を表わす。
Figure 0007003621000031
また、本発明に好適に使用可能な電子注入材料の内、特に好ましいシロール誘導体としての具体例を、表6に示す。
Figure 0007003621000032
さらに、正孔阻止層には、発光層を経由した正孔が電子注入層に達するのを防ぎ、薄膜形成性に優れた層を形成できる正孔阻止材料が用いられる。そのような正孔阻止材料の例としては、ビス(8-ヒドロキシキノリナート)(4-フェニルフェノラート)アルミニウム等のアルミニウム錯体化合物や、ビス(2-メチル-8-ヒドロキシキノリナート)(4-フェニルフェノラート)ガリウム等のガリウム錯体化合物、2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(BCP)等の含窒素縮合芳香族化合物が挙げられる。
本発明の電界発光素子の発光層としては、以下の機能を併せ持つものが好適である。
注入機能;電界印加時に陽極または正孔注入層より正孔を注入することができ、陰極または電子注入層より電子を注入することができる機能
輸送機能;注入した電荷(電子と正孔)を電界の力で移動させる機能
発光機能;電子と正孔の再結合の場を提供し、これを発光につなげる機能
ただし、正孔の注入されやすさと電子の注入されやすさには、違いがあってもよく、また正孔と電子の移動度で表される輸送能に大小があってもよい。
本発明の半導体ナノ粒子2からなる半導体層を発光層とする場合、前記発光層中に、ベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系等の蛍光増白剤、金属キレート化オキシノイド化合物、スチリルベンゼン系化合物をさらに含めることができる。
また、本発明の半導体ナノ粒子2からなる半導体層以外の他の発光層をさらに設けることもでき、前記他の発光層の形成にもベンゾチアゾール系等の化合物を用いることもできる。
ベンゾチアゾール系等の化合物は、青色から緑色の発光を得るために好適である。
これら化合物の具体例としては、例えば特開昭59-194393号公報に開示されている化合物をあげることができる。さらに他の有用な化合物は、ケミストリー・オブ・シンセティック・ダイズ(1971)628~637頁および640頁に列挙されている。
前記金属キレート化オキシノイド化合物としては、例えば、特開昭63-295695号公報に開示されている化合物を用いることができる。その代表例としては、トリス(8-キノリノール)アルミニウム等の8-ヒドロキシキノリン系金属錯体や、ジリチウムエピントリジオン等が好適な化合物としてあげることができる。
また、前記スチリルベンゼン系化合物としては、例えば、欧州特許第0319881号明細書や欧州特許第0373582号明細書に開示されているものを用いることができる。そして、特開平2-252793号公報に開示されているジスチリルピラジン誘導体も、発光層の材料として用いることができる。このほか、欧州特許第0387715号明細書に開示されているポリフェニル系化合物も発光層の材料として用いることができる。
さらに、上述した蛍光増白剤、金属キレート化オキシノイド化合物およびスチリルベンゼン系化合物等以外に、例えば12-フタロペリノン(J. Appl. Phys.,第27巻,L713(1988年))、1,4-ジフェニル-1,3-ブタジエン、1,1,4,4-テトラフェニル-1,3-ブタジエン(以上Appl. Phys. Lett.,第56巻,L799(1990年))、ナフタルイミド誘導体(特開平2-305886号公報)、ペリレン誘導体(特開平2-189890号公報)、オキサジアゾール誘導体(特開平2-216791号公報、または第38回応用物理学関係連合講演会で浜田らによって開示されたオキサジアゾール誘導体)、アルダジン誘導体(特開平2-220393号公報)、ピラジリン誘導体(特開平2-220394号公報)、シクロペンタジエン誘導体(特開平2-289675号公報)、ピロロピロール誘導体(特開平2-296891号公報)、スチリルアミン誘導体(Appl. Phys. Lett., 第56巻,L799(1990年)、クマリン系化合物(特開平2-191694号公報)、国際特許公報WO90/13148やAppl. Phys. Lett.,vol58,18,P1982(1991)に記載されているような高分子化合物、9,9’,10,10’-テトラフェニル-2,2’-ビアントラセン、PPV(ポリパラフェニレンビニレン)誘導体、ポリフルオレン誘導体やそれら共重合体等、例えば、下記一般式[2]~一般式[4]の構造をもつものが挙げられる。
Figure 0007003621000033

(式中、Rx1およびRX2は、それぞれ独立に、1価の脂肪族炭化水素基を、n1は、3~100の整数を表す。)
Figure 0007003621000034

(式中、Rx3およびRX4は、それぞれ独立に、1価の脂肪族炭化水素基を、n2およびn3は、それぞれ独立に、3~100の整数を表す。)
一般式[4]
Figure 0007003621000035

(式中、RX5およびRX6は、それぞれ独立に、1価の脂肪族炭化水素基を、n4およびn5は、それぞれ独立に、3~100の整数を表す。Phはフェニル基を表す。)
また、特開平5-258862号公報等に記載されている一般式(Rs-Q)-Al-O-L3(式中、L3はフェニル部分を含んでなる炭素原子6~24個の炭化水素であり、O-L3はフェノラート配位子であり、Qは置換8-キノリノラート配位子を示し、Rsはアルミニウム原子に置換8-キノリノラート配位子が2個を上回り結合するのを立体的に妨害するように選ばれた8-キノリノラート環置換基を示す〕で表される化合物も挙げられる。具体的には、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(パラ-フェニルフェノラート)アルミニウム(III)、ビス(2-メチル-8-キノリノラート)(1-ナフトラート)アルミニウム(III)等が挙げられる。
白色の発光を得る場合の発光層としては特に制限はないが、下記のものを用いることができる。有機EL積層構造体の各層のエネルギー準位を規定し、トンネル注入を利用して発光させるもの(欧州特許第0390551号公報)。
同じくトンネル注入を利用する素子で実施例として白色発光素子が記載されているもの(特開平3-230584号公報)。二層構造の発光層が記載されているもの(特開平2-220390号公報および特開平2-216790号公報)。発光層を複数に分割してそれぞれ発光波長の異なる材料で構成されたもの(特開平4-51491号公報)。青色発光体(蛍光ピーク380~480nm)と緑色発光体(480~580nm)とを積層させ、さらに赤色蛍光体を含有させた構成のもの(特開平6-207170号公報)。青色発光層が青色蛍光色素を含有し、緑色発光層が赤色蛍光色素を含有した領域を有し、さらに緑色蛍光体を含有する構成のもの(特開平7-142169号公報)。
さらに、本発明の電界発光素子の陽極に使用される材料は、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物またはこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、ITO、SnO、ZnO等の導電性材料が挙げられる。この陽極を形成するには、これらの電極物質を、蒸着法やスパッタリング法等の方法で薄膜を形成させることができる。この陽極は、上記発光層からの発光を陽極から取り出す場合、陽極の発光に対する透過率が10%より大きくなるような特性を有していることが望ましい。また、陽極のシート抵抗は、数百Ω/□以下としてあるものが好ましい。さらに、陽極の膜厚は、材料にもよるが通常10nm~1μm、好ましくは10~200nmの範囲で選択される。
また、本発明の電界発光素子の陰極に使用される材料は、仕事関数の小さい(4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム-カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム・銀合金、アルミニウム/酸化アルミニウム、アルミニウム・リチウム合金、インジウム、希土類金属などが挙げられる。この陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。ここで、発光層からの発光を陰極から取り出す場合、陰極の発光に対する透過率は10%より大きくすることが好ましい。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、さらに、膜厚は通常10nm~1μm、好ましくは50~200nmである。
本発明の電界発光素子を作製する方法については、上記の材料および方法により陽極、発光層、必要に応じて正孔注入層、および必要に応じて電子注入層を形成し、最後に陰極を形成すればよい。また、陰極から陽極へ、前記と逆の順序で電界発光素子を作製することもできる。
この電界発光素子は、透光性の基板上に作製する。この透光性基板は電界発光素子を支持する基板であり、その透光性については、400~700nmの可視領域の光の透過率が50%以上、好ましくは90%以上であるものが望ましく、さらに平滑な基板を用いるのが好ましい。
これら基板は、機械的、熱的強度を有し、透明であれば特に限定されるものではないが、例えば、ガラス板、合成樹脂板などが好適に用いられる。ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英などで成形された板が挙げられる。また、合成樹脂板としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエーテルサルファイド樹脂、ポリサルフォン樹脂などの板が挙げられる。
本発明の電界発光素子において半導体ナノ粒子2からなる半導体層以外の各層の形成方法としては、真空蒸着、電子線ビーム照射、スパッタリング、プラズマ、イオンプレーティング等の乾式成膜法、もしくはスピンコーティング、ディッピング、フローコーティング等の湿式成膜法のいずれかの方法を適用することができる。また、特表2002-534782や、S.T.Lee, et al., Proceedings of SID’02, p.784(2002)に記載されているLITI(Laser Induced Thermal Imaging、レーザー熱転写)法や、印刷(オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷)、インクジェット等の方法を適用することもできる。
有機層は、特に分子堆積膜であることが好ましい。ここで分子堆積膜とは、気相状態の材料化合物から沈着され形成された薄膜や、溶液状態または液相状態の材料化合物から固体化され形成された膜のことであり、通常この分子堆積膜は、LB法により形成された薄膜(分子累積膜)とは凝集構造、高次構造の相違や、それに起因する機能的な相違により区分することができる。また特開昭57-51781号公報に開示されているように、樹脂等の結着剤と材料化合物とを溶剤に溶かして溶液とした後、これをスピンコート法等により薄膜化することによっても、有機層を形成することができる。各層の膜厚は特に限定されるものではないが、膜厚が厚すぎると一定の光出力を得るために大きな印加電圧が必要となり効率が悪くなり、逆に膜厚が薄すぎるとピンホール等が発生し、電界を印加しても充分な発光輝度が得にくくなる。したがって、各層の膜厚は、1nmから1μmの範囲が適しているが、10nmから0.2μmの範囲がより好ましい。
また、電界発光素子の温度、湿度、雰囲気等に対する安定性向上のために、素子の表面に保護層を設けたり、樹脂等により素子全体を被覆や封止を施したりしても良い。特に素子全体を被覆や封止する際には、光によって硬化する光硬化性樹脂が好適に使用される。
本発明の電界発光素子に印加する電流は通常、直流であるが、パルス電流や交流を用いてもよい。電流値、電圧値は、素子破壊しない範囲内であれば特に制限はないが、素子の消費電力や寿命を考慮すると、なるべく小さい電気エネルギーで効率良く発光させることが望ましい。
本発明の電界発光素子の駆動方法は、パッシブマトリクス法のみならず、アクティブマトリックス法での駆動も可能である。また、本発明の有機EL素子から光を取り出す方法としては、陽極側から光を取り出すボトム・エミッションという方法のみならず、陰極側から光を取り出すトップ・エミッションという方法にも適用可能である。これらの方法や技術は、城戸淳二著、「有機ELのすべて」、日本実業出版社(2003年発行)に記載されている。
本発明の電界発光素子のフルカラー化方式の主な方式としては、3色塗り分け方式、色変換方式、カラーフィルター方式が挙げられる。3色塗り分け方式では、シャドウマスクを使った蒸着法や、インクジェット法や印刷法が挙げられる。また、特表2002-534782や、S.T.Lee, et al., Proceedings of SID’02, p.784(2002)に記載されているレーザー熱転写法(Laser Induced Thermal Imaging、LITI法ともいわれる)も用いることができる。色変換方式では、青色発光の発光層を使って、蛍光色素を分散した色変換(CCM)層を通して、青色より長波長の緑色と赤色に変換する方法である。カラーフィルター方式では、白色発光の有機EL素子を使って、液晶用カラーフィルターを通して3原色の光を取り出す方法であるが、これら3原色に加えて、一部白色光をそのまま取り出して発光に利用することで、素子全体の発光効率をあげることもできる。
さらに、本発明の電界発光素子は、マイクロキャビティ構造を採用しても構わない。これは、有機EL素子は、発光層が陽極と陰極との間に挟持された構造であり、発光した光は陽極と陰極との間で多重干渉を生じるが、陽極及び陰極の反射率、透過率などの光学的な特性と、これらに挟持された有機層の膜厚とを適当に選ぶことにより、多重干渉効果を積極的に利用し、素子より取り出される発光波長を制御するという技術である。これにより、発光色度を改善することも可能となる。この多重干渉効果のメカニズムについては、J.Yamada等によるAM-LCD Digest of Technical Papers,OD-2,p.77~80(2002)に記載されている。
以上述べたように、本発明の半導体ナノ粒子2からなる半導体層を用いた電界発光素子は、低い駆動電圧で長時間の発光を得ることが可能である。故に、本有機EL素子は、壁掛けテレビ等のフラットパネルディスプレイや各種の平面発光体として、さらには、複写機やプリンター等の光源、液晶ディスプレイや計器類等の光源、表示板、標識灯等への応用が考えられる。
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に特に限定されるものではない。
<製造例1>
無水酢酸亜鉛0.55g、ドデカンチオール4.82ml、オレイルアミン6mlを加熱溶解し添加液を作成した。
塩化インジウム0.22g、オクチルアミン10mlを反応容器に入れ、窒素ガスを吹き込みながら、165℃に加熱した。塩化インジウムが溶解した後、ジエチルアミノホスフィン0.961mlを短時間で注入し、20分間、165℃を制御した。その後、急冷し、40℃に冷却した。
次いで、上記添加液を注入した後、240℃まで加熱し、同温度で2時間反応させた後に、室温まで放冷した。
放冷後、ヘキサンとエタノールを用いて再沈殿法で精製を行った。トルエンを用いて、固形分濃度10質量%に調製し、半導体ナノ粒子の分散液(以下、QD分散液1という)を得た。得られた半導体ナノ粒子の粒径は10nmであった。
なお、半導体ナノ粒子は、InPがコア、ZnSがシェルとなるよう製造した。
<製造例2> 表1中(1)のリガンド(ブロック共重合体)の製造例
金属テルル(商品名:Tellurium(-40mesh)、Aldrich社製)6.38g(50mmol)をTHF50mlに懸濁させ、これにn-ブチルリチウム(Aldrich社製、1.6Mヘキサン溶液)34.4ml(55mmol)を、室温でゆっくり滴下した(10分間)。この反応溶液を金属テルルが完全に消失するまで撹拌した(20分間)。この反応溶液に、エチル-2-ブロモ-イソブチレート10.7g(55mmol)を室温で加え、2時間撹拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を濃縮し、続いて減圧蒸留して、黄色油状物8.98g(収率59.5%)のエチル-2-メチル-2-n-ブチルテラニル-プロピオネート(BTEE)を得た。
次いで、アルゴンガス導入管、撹拌子を備えたフラスコにN-ビニルカルバゾール 3.86g(2mol)、脱イオン水 1.94g、BTEE 0.360g、2,2´-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製)0.0259gを仕込み、30℃で24時間反応させた。
上記反応液に、予めアルゴン置換したアクリル酸(シグマアルドリッチジャパン社製) 0.36g(0.5mol)、2,2´-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(大塚化学社製)0.0076g、テトラヒドロフラン 8.00g、メタノール 3.59gの混合溶液を加え、45℃で45時間反応させた。
反応終了後、反応溶液にTHF 48.00gを加え、撹拌下のヘプタン300ml中に注いだ。析出したポリマーを吸引濾過、乾燥することによりブロック共重合体である表1中(1)のリガンドを得た。
なお、表1中の(1)以外の他の場合も、適宜原料およびその量を適切に選定することで同様にブロック共重合体型のリガンドを得ることができる。
<実施例1>
QD分散液1を、トルエンを用いて固形分濃度0.5重量%に希釈した。
表1の(1)に示すブロック共重合体型のリガンドをトルエンに溶解し、0.5重量%のリガンド溶液を作成し、QD分散液1に2倍の重量を加え、12時間撹拌した。
その後、ヘキサンとエタノールを用いて再沈殿法で精製を行った。トルエンを用いて、固形分濃度10質量%に調製に調製し、リガンドに被覆された本発明の半導体ナノ粒子2の分散液を得た。
得られた分散液の一部を2×10-3重量%に希釈し、浜松ホトニクス社製の絶対PL量子収率測定装置C9920-02を用いて励起波長400nmの条件で発光量子収率を測定した。結果は、89.5%であった。
さらに、得られた分散液の残りの一部を、密栓状態にして80℃で24時間加熱保持した後に室温まで冷却し、同様に発光量子収率を測定した。ここで、「加熱保持後の発光量子収率÷加熱保持前の発光量子収率」を求めたところ、0.95であった。結果は表7にも示しておく。なお、「加熱保持後の発光量子収率÷加熱保持前の発光量子収率」を「分散液の加熱試験後の保持率」と略す。
<実施例2~99>
表1の(1)に示すブロック共重合体型のリガンドの代わりに、表7中に記載した表1中のブロック共重合体型のリガンドに変更した以外は、実施例1と同様にして半導体ナノ粒子2を調整し、初期の発光量子収率、および分散液の加熱試験後の保持率を求めた。結果を表7に示す。
<比較例1>
ドデカンチオールをリガンドとするQD分散液1を検討と対象として、初期の発光量子収率、および分散液の加熱試験後の保持率を求めた。結果を表7に示す。特記事項として、加熱保持後のQD分散液1は、濁りが発生していた。これは、実施例では見られなかった現象である。
Figure 0007003621000036
Figure 0007003621000037

<実施例101>
実施例1で得た本発明の半導体ナノ粒子2の分散液(固形分濃度:10質量%)を20倍に希釈し、スピンコーターを用いて1000rpm、30秒間の条件で、ガラス基板上に塗工し、室温の窒素雰囲気下で5分間保持して乾燥し、ガラス基板上に本発明の半導体層を形成した。
得られた半導体層について、浜松ホトニクス社製の絶対PL量子収率測定装置C9920-02を用いて励起波長400nmの条件で発光量子収率を測定した。結果は、85.0%であり、「半導体層の発光量子収率」÷「分散液の発光量子収率」を算出したところ、0.89であった。なお、「半導体層の発光量子収率」÷「分散液の発光量子収率」を「半導体層と分散液の発光量子収率の比」と略す。
さらに、半導体層付きのガラス基板を110℃で24時間加熱保持した後、室温まで冷却し、同様に発光量子収率を測定した。ここで、「加熱保持後の発光量子収率÷加熱保持前の発光量子収率」を求めたところ、0.95であった。結果は表8にも示しておく。なお、「加熱保持後の発光量子収率÷加熱保持前の発光量子収率」を「半導体層の加熱試験後の保持率」と略す。
<実施例102~実施例199>
実施例1で得た本発明の半導体ナノ粒子2の分散液を、表8に記載するように実施例2以降で得られたものに変更した以外は実施例101と同様にして、本発明の半導体層を作成し、半導体層の発光量子収率、半導体層と分散液の発光量子収率の比、および半導体層の加熱試験後の保持率を求めた。結果を表8に示す。
<比較例101>
実施例1で得た本発明の半導体ナノ粒子2の分散液の代わりに、ドデカンチオールをリガンドとするQD分散液1を用いた以外は実施例101と同様にして半導体層を作成し、同様に評価した。結果を表8に示す。
Figure 0007003621000038
Figure 0007003621000039
<電界発光素子の実施例>
以下、本発明の電界発光素子について下記実施例により説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。実施例においては、特に断りのない限り、混合比は全て重量比を示す。蒸着(真空蒸着)は10-6Torrの真空中にて、基板の加熱や冷却といった温度制御はしない条件下で行った。また、素子の発光特性は、発光素子面積2mm×2mmの電界発光素子を用いて特性を測定した。
<実施例201>
洗浄したITO電極付きガラス板上に、PEDOT/PSS(ポリ(3,4-エチレンジオキシ)-2,5-チオフェン/ポリスチレンスルホン酸、Heraeus社製CLEVIOUS(登録商標) P VP CH8000)をスピンコート法にて塗工し、110℃にて20分間乾燥させて膜厚35nmの正孔注入層を得た。
次いで、ポリ(N―ビニルカルバゾール)を、1.0重量%の濃度でモノクロロベンゼンに溶解させ、スピンコート法で塗工し、110℃にて20分間乾燥させて、35nmの膜厚の正孔輸送層を形成した。
その上に、実施例1で得た本発明の半導体ナノ粒子2の分散液(固形分濃度:10質量%)を、35倍に希釈し、スピンコート法で塗工し、室温の窒素雰囲気下で5分間保持して乾燥し、20nmの発光層を形成した。
その上に、Avantama社製 酸化亜鉛のイソプロパノール分散液 N-10を、スピンコート法で塗工し、80℃のホットプレート上で20分間の加熱乾燥を行い、80nmの電子輸送層を形成した。
最後に、アルミニウム(Al)を200nm蒸着して電極を形成し、電界発光素子を得た。
この素子は、8Vにて外部量子効率4.5%、発光輝度25000(cd/m)の赤色発光を示し、その発光スペクトルのピーク波長は625nmであり、半値全幅は25nmであった。この素子を発光輝度1000(cd/m)で室温にて定電流駆動したときの輝度半減寿命を測定した。また、電流密度10(mA/cm)で駆動させた時の発光効率、および80℃の環境で100時間連続駆動させた後の相対輝度(=(100時間後の輝度)/(初期輝度))を測定した。結果を表9に示す。
<実施例202~299>
実施例1で得た本発明の半導体ナノ粒子2の分散液を、表9に記載するように実施例2以降で得られたものに変更した以外は実施例201と同様にして電界発光素子を作成し、同様に評価した。結果を表9に示す。
<比較例201>
実施例1で得た本発明の半導体ナノ粒子2の分散液の代わりに、ドデカンチオールをリガンドとするQD分散液1を用いた以外は実施例201と同様にして電界発光素子を作成し、同様に評価した。結果を表9に示す。
Figure 0007003621000040

Figure 0007003621000041

以上説明した様に、本発明よって、電気特性、発光特性、分散安定性、膜状態での安定性、さらに、電界発光素子としての特性、において優れた性能を発揮する半導体ナノ粒子が得られる。

Claims (7)

  1. 半導体ナノ粒子1の表面の少なくとも一部をガンドが覆っている、平均粒子径が50nm以下の半導体ナノ粒子あって、前記リガンドが、下記一般式(1)で表される構造を有する半導体ナノ粒子
    Figure 0007003621000042
    (一般式(1)中、
    1 は、水素原子、または、メチル基を表し、
    1 は、直接結合、または、-(C=O)を表す。
    2 は、L 1 が-(C=O)-の場合、直接結合、-NR 7 -、または、-O-を表し、L 1 が、直接結合を表す場合は、L 2 は直接結合を表す。
    3 は、直接結合であるか、置換もしくは未置換の2価の脂肪族炭化水素基、-O-、-NR 8 -、-(C=O)-、および、それらの組み合わせから成る構造であって、直接結合でない場合は、L 2 に必ず最初に2価の脂肪族炭化水素基が結合する。
    ここで、R 7 、および、R 8 は、それぞれ独立に、水素原子、または、脂肪族炭化水素基を表す。
    2 は、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、または、置換もしくは未置換の芳香族複素環基である。

    3 は、水素原子、または、メチル基を表し、
    4 は、直接結合、または、-(C=O)を表す。
    5 は、L 4 が-(C=O)-の場合、直接結合、-NR 9 -、または、-O-を表し、L 4 が直接結合を表す場合はL 5 も直接結合を表す。
    6 は、直接結合であるか、置換もしくは未置換の2価の脂肪族炭化水素基、-O-、-NR 10 -、-(C=O)-、および、それらの組み合わせから成る構造であって、直接結合でない場合は、L 5 に必ず最初に2価の脂肪族炭化水素基が結合する。
    ここで、R 9 、および、R 10 は、それぞれ独立に、水素原子、または、脂肪族炭化水素基を表す。
    4 は、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、または、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基である。
    ただし、L 6 、または、R 4 の少なくとも一方に、少なくとも一つの吸着基を有する。ただし、L 4 が-NH-であり、かつ、L 5 およびL 6 が直接結合であり、かつ、R 4 が水素原子である場合は、吸着基を有さなくても良い。

    5 は、水素原子、または、メチル基を表し、
    7 は、直接結合、または、-(C=O)を表す。
    8 は、L 7 が-(C=O)-の場合、直接結合、-NR 11 -、または、-O-を表し、L 7 が直接結合を表す場合はL 8 は直接結合を表す。
    9 は、直接結合であるか、置換もしくは未置換の2価の脂肪族炭化水素基、-O-、-NR 12 -、-(C=O)-、および、それらの組み合わせから成る構造であって、直接結合でない場合は、L 8 に必ず最初に2価の脂肪族炭化水素基が結合する。
    11 、および、R 12 は、それぞれ独立に、水素原子、または、脂肪族炭化水素基を表す。
    6 は、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、または、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基である。
    ただし、L 9 、および、R 6 は吸着基を有さない。

    x、y、zは数を表し、x+y+z=100であって、100≧x≧50、50>y≧0.1、50>Z≧0を満たす。

    吸着基は、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、硫酸基、スルホン酸基、ホスフィン基、ホスホン酸基、-(P=O)R’R’’、シアノ基、-CH=C(CN) 2 、および、-CH=C(CN)COOHからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
    R’およびR’’は、脂肪族炭化水素基を表す。
  2. 半導体ナノ粒子1が、第1の半導体からなるコアと、前記コアの少なくとも一部を覆い、かつ前記第1の半導体とは異なる第2の半導体からなるシェルとを有する、
    請求項1記載の半導体ナノ粒子
  3. コアおよびシェルは、それぞれ独立にII-VI族半導体またはIII-V族半導体からなる、請求項2記載の半導体ナノ粒子
  4. 請求項1~いずれか1項に記載の半導体ナノ粒子、液状分散媒とを含む分散液。
  5. 請求項1~いずれか1項に記載の半導体ナノ粒子らなる半導体層。
  6. 基材と、半導体ナノ粒子らなる半導体層とを具備する積層体の製造方法であって、
    請求項記載の分散液を基材上に塗布し、液状分散媒を乾燥する、
    積層体の製造方法。
  7. 陽極と、
    陰極と、
    前記陽極と前記陰極との間に請求項記載の半導体層とを、
    具備する電界発光素子。

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