JP7003552B2 - 印刷装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インク吐出量の上限値を決定する技術に関する。
印刷ヘッドに設けられた複数のノズルからインクを吐出して印刷媒体上にドットを形成する印刷装置がある。このような印刷装置におけるインクの吐出量は、同じ階調値の画素を形成する場合であっても、印刷媒体の種類及びインクの種類等によって異なる。例えば、比較的光沢の強い印刷媒体に印刷する場合、吐出されるインク量が多いほど、インクの乾燥の過程でインク滴の周辺部にインクがたまってインク濃度(印刷媒体のドット群が再現する色の濃さを示す指標)が高くなる、いわゆる「インクの溢れ」が生じうる。このため、インク吐出量は抑えられる。また、例えば、比較的光沢の弱い印刷媒体に印刷する場合、吐出されたインクは印刷媒体に吸収される過程で濡れ広がりやすいので、吐出されるインク量が多いほど「インクの滲み」が強くなる傾向がある。このため、インク吐出量は抑えられる傾向となる。そこで、印刷媒体の種類に応じてインク吐出量の調整を行うことにより、印刷画像の画質低下を抑制する技術が知られている。特許文献1には、インク吐出量を調整する方法として、印刷画像を印刷し、印刷された印刷画像をスキャナー装置で読み取って、インクの溢れや、インクの滲み等の有無を計測することにより、インク吐出量の上限値を決定する技術が開示されている。
特開2013-201666号
インクの溢れやインクの滲みといった、印刷する上で回避すべき要素であってインク吐出量の上限値を決定する際に考慮されるべき要素(以下、「回避対象要素」と呼ぶ)が存在する。ここで、或る回避対象要素を回避するようにインク吐出量の上限値を決定すると、他の回避対象要素を回避できなくなる場合がある。このような場合には、結果として画質の低下を招いてしまう。しかし、印刷装置に不慣れなユーザーにとって、回避対象要素間の関係を理解した上で適切なインク吐出量の上限値を決定することは、容易ではない。そこで、適切なインク吐出量の上限値を容易に決定できる技術が望まれている。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
[形態1]印刷媒体上にインクを吐出して画像を印刷する印刷装置であって、前記インクの吐出量の上限値を決定するためのテストパターンを印刷する印刷部と、前記テストパターンが印刷されたテスト用媒体を撮像する撮像部と、前記テスト用媒体を測色する測色部と、前記インクの吐出量の前記上限値を決定する吐出量上限値決定部と、を有し、前記吐出量上限値決定部は、前記撮像部により得られた撮像情報に基づいて算出された、前記インクの溢れが生じない前記インクの吐出量の上限値としての不発生上限値と、前記インクの滲みが生じない前記インクの吐出量の上限値としての不発生上限値と、前記インクの凝集が生じない前記インクの吐出量の上限値としての不発生上限値と、のうち少なくとも一つの不発生上限値と、前記測色部により得られた測色情報に基づいて算出された、前記インクの色飽和が生じない前記インクの吐出量の上限値としての不発生上限値と、に基づいて前記インクの吐出量の前記上限値を決定する、印刷装置。
(1)本発明の一実施形態によれば、印刷装置が提供される。この印刷装置は、印刷媒体上にインクを吐出して画像を印刷する印刷装置であって、前記インクの吐出量の上限値を決定するためのテストパターンを印刷する印刷部と、前記テストパターンが印刷されたテスト用媒体を撮像する撮像部と、前記テスト用媒体を測色する測色部と、前記インクの吐出量の前記上限値を決定する吐出量上限値決定部と、を有し、前記吐出量上限値決定部は、前記撮像部により得られた撮像情報に基づいて算出された、前記インクの溢れが生じない前記インクの吐出量の上限値としての不発生上限値と、前記インクの滲みが生じない前記インクの吐出量の上限値としての不発生上限値と、前記インクの凝集が生じない前記インクの吐出量の上限値としての不発生上限値と、のうち少なくとも一つの不発生上限値と、前記測色部により得られた測色情報に基づいて算出された、前記インクの色飽和が生じない前記インクの吐出量の上限値としての不発生上限値と、のうち少なくとも一方の前記不発生上限値に基づいて前記インクの吐出量の前記上限値を決定する。
この形態の印刷装置によれば、撮像部により得られた撮像情報に基づいて算出された、インクの溢れが生じないインクの吐出量の上限値としての不発生上限値と、インクの滲みが生じないインクの吐出量の上限値としての不発生上限値と、インクの凝集が生じないインクの吐出量の上限値としての不発生上限値と、のうち少なくとも一つの不発生上限値と、測色部により得られた測色情報に基づいて算出された、インクの色飽和が生じないインクの吐出量の上限値としての不発生上限値と、のうち少なくとも一方の不発生上限値に基づいてインクの吐出量の上限値を決定する。そのため、印刷装置は、インクの溢れと、インクの滲みと、インクの凝集と、インクの色飽和とのうち、少なくとも一つの要素(現象)の発生を抑制でき、ユーザーがインクの溢れと、インクの滲みと、インクの凝集と、インクの色飽和との関係を理解していない場合であっても、適切なインク吐出量の上限値を容易に決定できる。
(2)上記形態の印刷装置において、さらに、制御部を備え、前記制御部は、前記撮像情報と第1の閾値とを比較して前記インクの溢れの有無を判定することより算出される前記インクの溢れが生じない前記不発生上限値と、前記撮像情報と第2の閾値とを比較して前記インクの滲みの有無を判定することにより算出される前記インクの滲みが生じない前記不発生上限値と、前記撮像情報と第3の閾値とを比較して前記インクの凝集の有無を判定することにより算出される前記インクの凝集が生じない前記不発生上限値と、のうち少なくとも一つの前記不発生上限値を算出し、前記測色情報と第4の閾値とを比較して前記インクの色飽和の有無を判定することにより、前記インクの色飽和が生じない前記不発生上限値を算出し、前記第1の閾値、前記第2の閾値、前記第3の閾値、及び前記第4の閾値は、前記テスト用媒体に印刷された前記テストパターンを用いた官能評価の結果に基づいて決定されてもよい。
この形態の印刷装置によれば、さらに、制御部を備え、制御部は、撮像情報と第1の閾値とを比較してインクの溢れの有無を判定することより算出されるインクの溢れが生じない不発生上限値と、撮像情報と第2の閾値とを比較してインクの滲みの有無を判定することにより算出されるインクの滲みが生じない不発生上限値と、撮像情報と第3の閾値とを比較してインクの凝集の有無を判定することにより算出されるインクの凝集が生じない不発生上限値と、のうち少なくとも一つの不発生上限値を算出し、測色情報と第4の閾値とを比較してインクの色飽和の有無を判定することにより、インクの色飽和が生じない不発生上限値を算出するので、それぞれの閾値を用いて各不発生上限値を正確に算出でき、ユーザーがインクの溢れと、インクの滲みと、インクの凝集と、インクの色飽和との関係を理解していない場合であっても、適切なインク吐出量の上限値を容易に決定できる。また、第1の閾値、第2の閾値、第3の閾値、及び第4の閾値は、テスト用媒体に印刷されたテストパターンを用いた官能評価の結果に基づいて決定されるので、人間の視覚による視認結果を統計的に解析した結果によって閾値を決定することができる。この結果、決定された閾値を用いて算出される各不発生上限値は、人間の感覚に適合する値とすることができる。
(3)上記形態の印刷装置において、前記テストパターンは、前記インクの溢れの有無と、前記インクの滲みの有無と、前記インクの凝集の有無と、を判定するための第1判定領域と、前記インクの色飽和の有無を判定するための第2判定領域と、のうち少なくとも一つの判定領域を有していてもよい。
この形態の印刷装置によれば、テストパターンは、インクの溢れの有無と、インクの滲みの有無と、インクの凝集の有無と、を判定するための第1判定領域と、インクの色飽和の有無を判定するための第2判定領域とのうち少なくとも一つの判定領域を有するので、インクの溢れの有無と、インクの滲みの有無と、インクの凝集の有無と、インクの色飽和の有無とを容易に判定できる。
(4)上記形態の印刷装置において、前記吐出量上限値決定部は、各前記不発生上限値のうち最も値が小さな不発生上限値を前記インクの吐出量の前記上限値として決定してもよい。
この形態の印刷装置によれば、吐出量上限値決定部は、各不発生上限値のうち最も値が小さな不発生上限値をインクの吐出量の上限値として決定するので、インクの溢れとインクの滲みとインクの凝集とのうち少なくとも一つの要素(現象)およびインクの色飽和について発生することを抑制し、かつインクの吐出量を最も小さくできる。
(5)上記形態の印刷装置において、前記インクの溢れ、前記インクの滲み、及び前記インクの凝集のうち少なくとも一つと、前記インクの色飽和と、に対して、前記インクの吐出量の前記上限値を決定する際の優先度が予め設定されており、前記吐出量上限値決定部は、前記優先度に応じて、前記インクの吐出量の前記上限値を決定してもよい。
この形態の印刷装置によれば、インクの吐出量の上限値を決定する際の優先度が予め設定されており、吐出量上限値決定部は、優先度に応じて、インクの吐出量の上限値を決定するので、インクの溢れと、インクの滲みと、インクの凝集と、インクの色飽和とのうち、優先度の高い要素(現象)の発生を抑制できる。
(6)上記形態の印刷装置において、前記インクの溢れ、前記インクの滲み、及び前記インクの凝集のうち少なくとも一つと、前記インクの色飽和と、に対応させて、前記インクの吐出量の前記上限値を決定する際の優先度を表示する表示部を、さらに有していてもよい。
この形態の印刷装置によれば、インクの吐出量の上限値を決定する際の優先度を表示する表示部を有するので、当該印刷装置において優先度を確認でき、ユーザーの利便性を向上できる。
(7)上記形態の印刷装置において、前記優先度を設定するためのユーザーインターフェイスを、さらに有していてもよい。
この形態の印刷装置によれば、優先度を設定するためのユーザーインターフェイスを有するので、当該印刷装置において優先度を設定でき、ユーザーの利便性を向上できる。
(8)上記形態の印刷装置において、前記ユーザーインターフェイスは、前記優先度を設定するためのラジオボタンを有していてもよい。
この形態の印刷装置によれば、ユーザーインターフェイスは、優先度を設定するためのラジオボタンを有しているので、優先度を設定する際の操作負荷を軽減でき、ユーザーの利便性を向上できる。
(9)上記形態の印刷装置において、前記ユーザーインターフェイスは、前記優先度を優先順位として入力するための入力部を有していてもよい。
この形態の印刷装置によれば、優先度を優先順位として入力するための入力部を有するので、ユーザーが所望する優先順位を容易に入力でき、ユーザーの利便性を向上できる。
(10)上記形態の印刷装置において、前記撮像情報と前記測色情報とを記憶する記憶部を、さらに有していてもよい。
この形態の印刷装置によれば、撮像情報と測色情報とを記憶する記憶部を有するので、例えば、インクの吐出量の上限値を決定する際の優先度を変更して再度インク吐出量の上限値を決定したい場合に、前回取得した撮像情報及び測色情報に基づいてインクの吐出量の上限値を決定することができ、インクの吐出量の上限値の決定処理を短時間で実行できる、或いは、かかる処理に要する負荷を軽減できる。
本発明は、種々の形態で実現することも可能である。例えば、印刷方法、インク吐出量の決定方法、これらの方法を実現するためのコンピュータープログラム、かかるコンピュータープログラムを記録した記録媒体等の形態で実現できる。
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
本発明の一実施形態としての印刷装置の構成を示すブロック図である。 印刷部におけるノズル列の構成を示す説明図である。 印刷装置によってベタテストパターンが印刷されたテスト用媒体を模式的に示す説明図である。 印刷装置によって線ありテストパターンが印刷されたテスト用媒体を模式的に示す説明図である。 テスト領域の詳細構成を模式的に示す説明図である。 インク吐出量上限値決定処理の処理手順を示すフローチャートである。 印刷処理の処理手順を示すフローチャートである。 インクの溢れが生じた場合のインク濃度を示す図である。 印刷媒体P上におけるインクの滲みの有無を説明するための説明図である。 印刷媒体P上におけるインクの滲みの有無を説明するための説明図である。 印刷媒体P上におけるインクの凝集の有無を説明するための説明図である。 印刷媒体P上におけるインクの凝集の有無を説明するための説明図である。 インク吐出量の上限値の決定用の操作画面の一例を模式的に示す説明図である。 変形例1におけるインク吐出量の上限値の決定用の操作画面の一例を模式的に示す説明図である。
A.第1実施形態:
A1.印刷装置の全体構成:
図1は、本発明の一実施形態としての印刷装置200の構成を示すブロック図である。印刷装置200は、印刷媒体Pに対して複数のノズルからインクを吐出することにより、印刷媒体P上にドットを形成し、画像等を印刷する。印刷装置200は、4色のインク、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のインクを吐出するインクジェットプリンターとして構成されている。この印刷装置200は、出荷前の印刷装置であり、後述のテストパターンを印刷媒体Pに印刷して、テストパターンが印刷されたテスト用媒体を利用して、印刷装置200におけるインクの吐出量の上限値を決定する。印刷装置200は、供給ユニット210と、搬送ユニット220と、キャリッジ移動ユニット240と、キャリッジ230と、制御ユニット300と、表示部400と、を備える。
印刷装置200は、印刷制御装置100から受信する画像データを、印刷媒体Pにおけるドットのオン・オフを示す印刷データに変換し、かかる印刷データに基づいて、供給ユニット210、搬送ユニット220、キャリッジ移動ユニット240及びキャリッジ230を制御し、印刷媒体P上にインクを吐出することにより、印刷媒体P上にドットを形成し、画像等を印刷する。なお、図1において、キャリッジ230は、主走査方向Xに沿って往復移動し、印刷媒体Pは、副走査方向Yの上流から下流に沿って搬送される。副走査方向Yは、主走査方向Xと交差する方向であり、本実施形態においては主走査方向Xと直交する方向である。
印刷制御装置100は、印刷対象の画像の画像データを印刷装置200に送信する。印刷制御装置100は、印刷装置200と通信可能に構成されている。本実施形態では、印刷制御装置100は、パーソナルコンピューターにより構成されている。
供給ユニット210は、制御ユニット300からの制御信号に応じて、印刷媒体Pを搬送ユニット220に供給する。供給ユニット210は、図示しない用紙トレイを備え、かかる用紙トレイには印刷媒体Pが積層して収容されている。なお、用紙トレイに代えて、印刷媒体Pが巻装されたロール体と、ロール駆動モーターと、ロール駆動輪列と、を備える構成であってもよい。
搬送ユニット220は、制御ユニット300からの制御信号に応じて、搬送ローラー221を駆動することにより、供給ユニット210によって供給された印刷媒体Pをキャリッジ移動ユニット240に対して相対的に移動させる。図示は省略するが、搬送ユニット220には、印刷媒体Pの搬送量を検出する送り検出センサー、印刷媒体Pの先端位置を検出する先端検出センサー等のセンサーが設けられている。制御ユニット300は、これらのセンサーからの信号を参照し、搬送ユニット220の制御を行う。
キャリッジ移動ユニット240は、制御ユニット300からの制御信号に応じて、キャリッジ230を主走査方向Xに沿って往復移動させる。キャリッジ移動ユニット240は、キャリッジガイド軸241と、図示しないキャリッジモーターと、を備える。キャリッジガイド軸241は、主走査方向Xに沿って配置され、両端部が印刷装置200の筐体に固定されている。キャリッジ230は、主走査方向Xに往復動可能にキャリッジガイド軸241に取り付けられている。キャリッジ移動ユニット240が制御ユニット300からの制御信号に応じてキャリッジモーターを駆動すると、キャリッジ230はキャリッジガイド軸241に沿って往復移動する。また、図示は省略するが、キャリッジ移動ユニット240は、キャリッジ230の位置を検出するキャリッジ位置センサーを備える。制御ユニット300は、キャリッジ位置センサーからの信号を参照し、キャリッジ230の移動量の制御を行う。
キャリッジ230は、印刷部231と、撮像部232と、測色部233とを備える。印刷部231は、制御ユニット300からの制御信号に応じて、印刷媒体Pに対してインク滴を吐出して画像を印刷する。印刷部231の印刷媒体Pに対向する面には、インクを吐出する複数のノズルが設けられている。印刷部231の構成の詳細については後述する。
撮像部232は、印刷媒体Pに印刷された画像、すなわち印刷媒体Pに形成されたドット群を撮像する。撮像部232は、キャリッジ230の印刷媒体Pに対向する面に配置されており、キャリッジ230が主走査方向Xに移動する際に撮像する。図1に示すように、撮像部232は、キャリッジ230において印刷部231よりも副走査方向Yの下流側に配置されている。これにより、印刷媒体Pが搬送ユニット220により下流側に搬送された際に撮像できる。撮像により得られた情報は、撮像情報333としてメモリー330に格納される。本実施形態では、撮像部232は、エリアセンサーにより構成されている。なお、エリアセンサーに代えて、ラインセンサーを用いてもよい。
測色部233は、印刷媒体Pに形成されたドット群の色空間中の座標における各成分(L*値、a*値、b*値)を測色する。L*値は、明度であり、インク濃度による暗さを表す。a*値、b*値は、色度であり、色名と鮮やかさ度合いとを表す。図1に示すように、測色部233は、撮像部232と同様に、キャリッジ230の印刷媒体Pに対向する面に配置されており、キャリッジ230が主走査方向Xに移動する際に測色する。また、測色部233は、キャリッジ230において印刷部231よりも副走査方向Yの下流側に配置されているので、印刷媒体Pが搬送ユニット220により下流側に搬送された際に測色できる。本実施形態では、測色部233は、分光センサーにより構成されている。測色部233は、印刷媒体Pに形成されたドット群の分光反射率を測定し、色濃度の情報を導出する。測定結果は、測色情報334としてメモリー330に格納される。なお、色濃度とは、印刷媒体Pのドット群が再現している色を色成分ごとに測定した色の濃さを示す指標(濃度)であり、黒系インク以外であればインク濃度と同義である。
制御ユニット300は、入出力インターフェイス310と、メモリー330と、ユニット制御回路340と、CPU320と、を備える。
入出力インターフェイス310は、印刷制御装置100から入力される画像データをCPU320に出力する。
メモリー330には、印刷装置200の動作を制御する制御プログラムと、ベタパターンデータ331と、線ありパターンデータ332とが格納されている。また、上述のように、メモリー330には、撮像情報333及び測色情報334が格納される。本実施形態において、メモリー330は、課題を解決するための手段における記憶部に相当する。
ベタパターンデータ331は、後述のベタテストパターン631の画像データである。線ありパターンデータ332は、後述の線ありテストパターン632の画像データである。各テストパターンの詳細構成については、後述する。
ユニット制御回路340は、上述した供給ユニット210、搬送ユニット220及びキャリッジ移動ユニット240をそれぞれ制御する制御回路を備えており、CPU320からの制御信号に応じて、各ユニットの動作を制御する。
CPU320は、メモリー330に格納されている制御プログラムを展開して実行することにより、制御部321として機能する。制御部321は、印刷装置200の各部の制御を行うとともに、溢れ上限値算出部322と、滲み上限値算出部323と、凝集上限値算出部324と、色飽和上限値算出部325と、吐出量上限値決定部326として機能する。
制御部321は、画像データの印刷データへの変換処理、キャリッジ230の主走査動作、印刷媒体Pの搬送動作及び各ノズルからのインクの吐出動作を制御する。具体的には、制御部321は、画像データの解像度を印刷解像度に変換し、インク色C、M、Y、Kの階調値で表現される画像データに変換する。そして、各インク色の画像データを各インク色のドットの有無、換言すると、ドット有り(255)とドット無し(0)の2階調の階調値に変換する。制御部321は、各インク色C、M、Y、Kの印刷媒体P上のドットの有無を示すデータをラスタライズし、印刷制御用のコマンドを含む印刷データを生成する。
印刷データの生成が完了すると、制御部321は、キャリッジ230の主走査動作を制御するために、ユニット制御回路340に制御信号を送信することにより、キャリッジ移動ユニット240のキャリッジモーターを駆動し、キャリッジ230を主走査方向Xの印刷開始位置まで移動する。また、制御部321は、印刷媒体Pの搬送動作を制御するために、ユニット制御回路340に制御信号を送信することにより、供給ユニット210から搬送ユニット220に印刷媒体Pを供給する。加えて、ユニット制御回路340に制御信号を送信することにより、搬送ユニット220の搬送モーターを駆動し、印刷媒体Pを副走査方向Yの印刷開始位置まで搬送する。
制御部321は、印刷データに基づき印刷部231を駆動させる制御信号を生成し、ユニット制御回路340を介して印刷部231に送信する。ユニット制御回路340が制御部321からの制御信号に応じてキャリッジ移動ユニット240を制御することにより、印刷部231により印刷が実行される。より具体的には、制御部321からの制御信号に応じた印刷部231による印刷媒体Pのドット形成処理と、制御部321からの制御信号に応じた搬送ユニット220による印刷媒体Pの副走査方向Yへの搬送処理と、制御部321からの制御信号に応じたキャリッジ移動ユニット240によるキャリッジ230の主走査方向Xへの移動処理とが実行されることによって、印刷媒体Pに画像が印刷される。
溢れ上限値算出部322は、後述のインク吐出量上限値決定処理において、インクの溢れが生じないインク吐出量の上限値(以下、「溢れ不発生上限値」と呼ぶ)を算出する。本実施形態において、「インクの吐出量の上限値」とは、印刷媒体Pにおける単位面積中に吐出可能なインクの合計量の上限値を意味する。また、「インクの溢れ」とは、インクの乾燥の過程でインク滴の周辺部にインクがたまって、インク滴の中央部のインク濃度に比べてインク滴の周辺部のインク濃度が高くなる現象を意味する。インクの溢れの有無の判定方法については、後述する。
滲み上限値算出部323は、後述のインク吐出量上限値決定処理において、インクの滲みが生じないインク吐出量の上限値(以下、「滲み不発生上限値」と呼ぶ)を算出する。本実施形態において、「インクの滲み」とは、印刷媒体Pに吐出されたインクが印刷媒体Pに吸収されずにインク滴の輪郭部分においてインク溜まりが形成されてがたつきが生じる現象を意味する。インクの滲みの有無の判定方法については、後述する。
凝集上限値算出部324は、後述のインク吐出量上限値決定処理において、インクの凝集が生じないインク吐出量の上限値(以下、「凝集不発生上限値」と呼ぶ)を算出する。本実施形態において、「インクの凝集」とは、粒状性、すなわち、印刷媒体P上に形成されるドットの分散性が低下している現象を意味する。インクの凝集の有無の判定方法については、後述する。
色飽和上限値算出部325は、後述のインク吐出量上限値決定処理において、インクの色飽和が生じないインク吐出量の上限値(以下、「色飽和不発生上限値」と呼ぶ)を算出する。本実施形態において、「インクの色飽和」とは、インク量に対するインク濃度の変化量が増加しない状態、換言すると、インク量が増加してもインク濃度が増加しない状態を意味する。インクの色飽和の有無の判定方法については、後述する。
吐出量上限値決定部326は、後述のインク吐出量上限値決定処理において、インクの吐出量の上限値を決定する。インクの吐出量の上限値は、例えば、後述の印刷処理において用いる色変換テーブルを作成する際に利用される。本実施形態では、インクの吐出量の上限値は、各インク色のインクデューティーの上限値として決定される。「インクデューティー」とは、インクの最大吐出量に対する吐出量の比率であり、印刷媒体Pにおける単位面積当たりのドットの記録率を意味する。
本実施形態において、吐出量上限値決定部326は、回避対象要素ごとに決定される各不発生上限値に基づいてインク吐出量の上限値を決定する。回避対象要素とは、印刷する上で回避すべき要素であってインク吐出量の上限値を決定する際に考慮されるべき要素である。本実施形態では、回避対象要素は、インクの溢れ、インクの滲み、インクの凝集及びインクの色飽和が該当する。インク吐出量上限値決定処理についての詳細な説明は後述する。
表示部400は、印刷装置200に関する種々の操作を行うために用いられる。表示部400は、大型の液晶画面を備えており、印刷装置200の各種機能を利用する際のメニュー画面や、誤動作やエラー等をユーザーへ報知するための情報画面が表示される。印刷装置200は、表示部400に入力されたユーザーの指示に基づいて制御される。上述のメニュー画面には、例えば、後述のインク吐出量上限値決定処理の操作画面が表示される。かかる操作画面についての詳細な説明は、後述する。
A2.印刷部の概略構成:
図2は、印刷部231におけるノズル列70の構成を示す説明図である。図2では、印刷部231において、印刷媒体Pと対向する面を示している。印刷部231は、各インクを吐出するノズル列70を備えている。ノズル列70は、シアン(C)インクを吐出するノズル列70Cと、マゼンタ(M)インクを吐出するノズル列70Mと、イエロー(Y)インクを吐出するノズル列70Yと、ブラック(K)インクを吐出するノズル列70Kと、から成る。これら4つのノズル列70C、70M、70Y及び70Kは、主走査方向Xに沿って所定の間隔ごとに並んでいる。各ノズル列70C、70M、70Y及び70Kは、副走査方向Yに沿って所定の間隔で並んだ複数のノズル71から成る。各ノズル列70C、70M、70Y及び70Kの副走査方向Yに沿ったノズルの数は、等しい。したがって、各ノズル列70C、70M、70Y及び70Kのノズル高さNhは、互いに等しい。
各ノズル71には、図示しないインクチャンバーとピエゾ素子が設けられており、ピエゾ素子の駆動によってインクチャンバーが伸縮することにより各ノズル71からインク滴が吐出される。
A3.テスト用媒体の概略構成:
図3は、印刷装置200によってベタテストパターン631が印刷されたテスト用媒体600を模式的に示す説明図である。テスト用媒体600は、印刷装置200におけるインクの吐出量の上限値を決定する際に、インクの色飽和の有無を判定するために用いられる。テスト用媒体600は、印刷媒体P上にベタテストパターン631が印刷された構成を有する。ベタテストパターン631は、主走査方向Xに沿って所定の間隔ごとにベタパターン列BP1、BP2、BP3、BP4及びBP5を有する。各ベタパターン列BP1~BP5は、副走査方向Yに沿って所定の間隔ごとに、略矩形形状のテスト領域501~505(パッチともいう)を有する。図3では、ベタパターン列BP1の各テスト領域501~505にのみ符号を付しているが、ベタパターン列BP2~BP5についても同様なテスト領域501~505を有する。各テスト領域501~505は、印刷濃度を除いては、それぞれ、同様な構成を有する。本実施形態では、各テスト領域501~505は、ベタ画像が印刷されている。なお、印刷濃度とは、印刷媒体Pのドット群が再現している印刷の濃さを示す指標(濃度)である。
ベタテストパターン631は、ベタパターン列BP1~BP5ごとに異なるインク色で印刷されている。具体的には、ベタパターン列BP1の各テスト領域501~505は、それぞれ、ノズル列70Cがシアンインクを吐出することにより印刷されている。ベタパターン列BP2の各テスト領域501~505は、それぞれ、ノズル列70Mがマゼンタインクを吐出することにより印刷されている。ベタパターン列BP3の各テスト領域501~505は、それぞれ、ノズル列70Yがイエローインクを吐出することにより印刷されている。ベタパターン列BP4の各テスト領域501~505は、それぞれ、ノズル列70Kがブラックインクを吐出することにより印刷されている。ベタパターン列BP5の各テスト領域501~505は、それぞれ、ノズル列70Cがシアンインクを吐出するとともに、ノズル列70Mがマゼンタインクを吐出することにより印刷されている。
図3に示すように、各テスト領域501~505は、副走査方向Yの上流側から下流側に向かうにつれて印刷濃度が濃い状態から薄い状態となるように印刷されている。換言すると、副走査方向Yの上流側から下流側に向かうにつれてインクデューティーが小さくなるように印刷されている。具体的には、テスト領域501は、インクデューティーが100%となるように印刷されている。テスト領域502は、インクデューティーが90%となるように印刷されている。テスト領域503は、インクデューティーが80%となるように印刷されている。テスト領域504は、インクデューティーが70%となるように印刷されている。テスト領域505は、インクデューティーが60%となるように印刷されている。
テスト領域501は、色飽和判定領域SCArを有する。色飽和判定領域SCArは、テスト領域501の略全体に対応する領域である。色飽和判定領域SCArは、色飽和の有無の判定に用いられる。
なお、各テスト領域501~505は、それぞれ、印刷濃度を除いては同様な構成を有するので、各テスト領域502~505も、テスト領域501と同様に、上述の色飽和判定領域SCArを有する。本実施形態において、色飽和判定領域SCArは、課題を解決するための手段における第2判定領域に相当する。
図4は、印刷装置200によって線ありテストパターン632が印刷されたテスト用媒体601を模式的に示す説明図である。テスト用媒体601は、印刷装置200におけるインクの吐出量の上限値を決定する際に、インクの溢れの有無と、インクの滲みの有無と、インクの凝集の有無とをそれぞれ判定するために用いられる。テスト用媒体601は、各テスト領域の構成を除いては、図3に示すテスト用媒体600と同様の構成を有する。
具体的には、図4に示すように、テスト用媒体601は、印刷媒体P上に線ありテストパターン632が印刷された構成を有する。線ありテストパターン632は、主走査方向Xに沿って所定の間隔ごとに線パターン列LP1、LP2、LP3、LP4及びLP5を有する。各線パターン列LP1~LP5は、副走査方向Yに沿って所定の間隔ごとに、略矩形形状のテスト領域511~515を有する。図4では、線パターン列LP1の各テスト領域511~515にのみ符号を付しているが、線パターン列LP2~LP5についても同様なテスト領域511~515を有する。各テスト領域511~515は、印刷濃度を除いては、それぞれ、同様な構成を有する。本実施形態では、各テスト領域511~515は、それぞれ、6つの領域に区分され、各領域にベタ画像が印刷されている。各テスト領域511~515の詳細な構成についての説明は、後述する。
線ありテストパターン632は、線パターン列LP1~LP5ごとに異なるインク色で印刷されている。また、各線パターン列LP1~LP5における各6つの領域は、それぞれ隣り合う領域ごとに異なるインク色で印刷されている。具体的には、線パターン列LP1において、各テスト領域511~515における6つの領域のうち、各左上の領域は、ノズル列70Cがシアンインクを吐出することにより印刷されている。その右隣の領域はノズル列70Kがブラックインクを、中央左側の領域はノズル列70Kがブラックインクを、その右隣の領域はノズル列70Cがシアンインクを、左下の領域はノズル列70Cがシアンインクを、その右隣の領域はノズル列70Kがブラックインクを、それぞれ吐出することにより印刷されている。
線パターン列LP2の各テスト領域511~515では、線パターン列LP1においてシアンインクを吐出して印刷されている領域に対応する領域が、ノズル列70Mがマゼンタインクを吐出することにより印刷されている。
線パターン列LP3の各テスト領域511~515では、線パターン列LP1においてシアンインクを吐出して印刷されている領域に対応する領域が、ノズル列70Yがイエローインクを吐出することにより印刷されている。
線パターン列LP4の各テスト領域511~515では、線パターン列LP1においてシアンインクを吐出して印刷されている領域に対応する領域が、ノズル列70Mがマゼンタインクを吐出するとともにノズル列70Yがイエローインクを吐出することにより印刷されている。また、線パターン列LP1においてブラックインクを吐出して印刷されている領域に対応する領域が、ノズル列70Cがシアンインクを吐出するとともにノズル列70Mがマゼンタインクを吐出することにより印刷されている。
線パターン列LP5の各テスト領域511~515では、線パターン列LP1においてシアンインクを吐出して印刷されている領域に対応する領域が、ノズル列70Cがシアンインクを吐出するとともにノズル列70Yがイエローインクを吐出することにより印刷されている。また、線パターン列LP1においてブラックインクを吐出して印刷されている領域に対応する領域が、ノズル列70Mがマゼンタインクを吐出するとともにノズル列70Yがイエローインクを吐出することにより印刷されている。
各テスト領域511~515は、図3に示す各テスト領域501~505と同様に、副走査方向Yの上流側から下流側に向かうにつれてインクデューティーが小さくなるように印刷されている。具体的には、図4に示すように、テスト領域511は、インクデューティーが100%となるように印刷されている。テスト領域512は、インクデューティーが90%となるように印刷されている。テスト領域513は、インクデューティーが80%となるように印刷されている。テスト領域514は、インクデューティーが70%となるように印刷されている。テスト領域515は、インクデューティーが60%となるように印刷されている。
A4.線ありテストパターンにおけるテスト領域の詳細構成:
図5は、テスト領域511の詳細構成を模式的に示す説明図である。上述のように、線ありテストパターン632における各テスト領域511~515は、それぞれ、印刷濃度を除いては同様な構成を有するので、テスト領域511の詳細構成について代表して説明する。図5に示すように、テスト領域511は、4つのベタ領域MCAr1、MCAr2、MCAr3及びMCAr4と、2つの線分領域LCAr1及びLCAr2とを有する。
4つのベタ領域MCAr1、MCAr2、MCAr3及びMCAr4は、テスト領域511における4つの角部に配置されている。各ベタ領域MCAr1~MCAr4は、略矩形形状を有する。各ベタ領域MCAr1~MCAr4は、後述のインク吐出量上限値決定処理において、インクの溢れの有無及びインクの凝集の有無の判定に用いられる。
線分領域LCAr1は、副走査方向Yの上流側をベタ領域MCAr1に、副走査方向Yの下流側をベタ領域MCAr2に、それぞれ挟まれて配置されている。線分領域LCAr2は、副走査方向Yの上流側をベタ領域MCAr4に、副走査方向Yの下流側をベタ領域MCAr3に、それぞれ挟まれて配置されている。各線分領域LCAr1及びLCAr2は、略矩形形状を有する。各線分領域LCAr1及びLCAr2は、後述のインク吐出量上限値決定処理において、インクの滲みの有無の判定に用いられる。本実施形態において、各ベタ領域MCAr1~MCAr4及び各線分領域LCAr1、LCAr2は、課題を解決するための手段における第1判定領域に相当する。
A5.インク吐出量上限値決定処理:
図6は、インク吐出量上限値決定処理の処理手順を示すフローチャートである。インク吐出量上限値決定処理は、印刷装置200の製造者が、表示部400においてインク吐出量上限値決定処理を実行するための操作メニューを選択すると、実行される。図6に示すように、制御部321は、ベタテストパターン631を印刷する(ステップS100)。
図7は、印刷処理の処理手順を示すフローチャートである。図7に示すように、制御部321は、処理対象の画像データに対して、解像度変換処理を実行する(ステップS200)。図6に示すステップS100では、処理対象の画像データは、ベタパターンデータ331である。なお、本実施形態では、ベタパターンデータ331及び線ありパターンデータ332は、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の色成分から成る階調値(0~255)を有する画像データである。図7に示すステップS200において、制御部321は、画像データの解像度を印刷媒体Pに印刷する際の解像度に変換する。
制御部321は、色変換処理を実行する(ステップS205)。具体的には、制御部321は、図示しない色変換テーブルを参照して、RGBデータを印刷装置200のインク色CMYKの色空間により表される256階調のCMYKデータに変換する。
制御部321は、ハーフトーン処理を実行する(ステップS210)。具体的には、制御部321は、図示しないディザマスクを参照して、CMYKデータの256階調(段階)の階調値を、印刷装置200で表現可能な4段階の階調値(2ビットデータ)に変換する。
制御部321は、ハーフトーン処理後の画像データを用いて印刷データ出力処理を実行する(ステップS215)。具体的には、制御部321は、ハーフトーン処理後の画像データに基づいてラスタライズ処理を実行し、印刷データを生成する。
制御部321は、印刷データの生成を完了すると、キャリッジ230と、搬送ユニット220とをそれぞれ制御して、印刷を実行する(ステップS220)。具体的には、キャリッジ230の複数回の走査及び印刷媒体Pへのインクの吐出と、印刷媒体Pの副走査方向Yの下流側への搬送とを交互に繰り返して、印刷媒体P上にドットを形成する。ステップS220が完了すると、図6に示すステップS100が完了する。
ステップS100の完了後、制御部321は、印刷装置200を制御してベタテストパターン631が印刷された印刷媒体P、すなわち、テスト用媒体600を副走査方向Yの上流側へ引き戻させる。このとき、搬送ユニット220の搬送モーターを印刷時とは逆転駆動させることにより、テスト用媒体600を副走査方向Yの上流側へと搬送させる。
測色部233は、ベタテストパターン631が印刷されたテスト用媒体600を測色する(ステップS105)。具体的には、テスト用媒体600を副走査方向Yの下流側へと搬送しつつ、キャリッジ230が主走査方向Xに移動する際にベタテストパターン631を測色する。測色により得られた情報は、測色情報334としてメモリー330に格納される。
制御部321は、線ありテストパターン632を印刷する(ステップS110)。ステップS110では、上述のステップS100と同様に、図7に示す印刷処理が実行される。図6に示すステップS110における印刷処理の処理対象の画像データは、線ありパターンデータ332である。ステップS110の完了後、上述のステップS100の完了後と同様に、制御部321は、印刷装置200を制御して線ありテストパターン632が印刷された印刷媒体P、すなわち、テスト用媒体601を副走査方向Yの上流側へ引き戻させる。
撮像部232は、線ありテストパターン632が印刷されたテスト用媒体601を撮像する(ステップS115)。具体的には、テスト用媒体601を副走査方向Yの下流側へと搬送しつつ、キャリッジ230が主走査方向Xに移動する際に線ありテストパターン632を撮像する。撮像により得られた情報は、撮像情報333としてメモリー330に格納される。
溢れ上限値算出部322、滲み上限値算出部323及び凝集上限値算出部324は、撮像情報333に基づいて、インクの溢れと、インクの滲みと、インクの凝集と、がそれぞれ生じない各不発生上限値を算出する(ステップS120)。具体的には、溢れ上限値算出部322は、撮像情報333から各テスト領域511~515におけるインクの溢れの有無を判定することにより、溢れ不発生上限値を算出する。滲み上限値算出部323は、撮像情報333から各テスト領域511~515におけるインクの滲みの有無を判定することにより、滲み不発生上限値を算出する。凝集上限値算出部324は、撮像情報333から各テスト領域511~515におけるインクの凝集の有無を判定することにより、凝集不発生上限値を算出する。各回避対象要素の発生有無の判定方法についての詳細な説明は、後述する。
色飽和上限値算出部325は、測色情報334に基づいて、インクの色飽和が生じない不発生上限値を算出する(ステップS125)。具体的には、色飽和上限値算出部325は、測色情報334から各テスト領域501~505におけるインクの色飽和の有無を判定することにより、色飽和不発生上限値を算出する。インクの色飽和の発生有無の判定方法についての詳細な説明は、後述する。
吐出量上限値決定部326は、各不発生上限値に基づいてインクの吐出量の上限値を決定する(ステップS130)。具体的には、ステップS120及びステップS125において算出した各不発生上限値のうち、最も値が小さな不発生上限値をインクの吐出量の上限値として決定する。決定されたインクの吐出量の上限値は、メモリー330に格納されて、上述の色変換テーブルの作成に用いられる。
A6.各回避対象要素の発生有無の判定:
上述のインク吐出量上限値決定処理において、各回避対象要素の発生有無は以下のようにして判定する。インクの溢れの有無は、インク吐出部(印刷された部分)とインク非吐出部(印刷されない部分)との境界近傍におけるインク濃度変動の差に基づき判定される。具体的には、いわゆるコーヒーステイン現象のように、図4に示す各テスト領域511~515に吐出されたインクがインクの乾燥の過程で各テスト領域511~515の周辺部に集まって、インクの溢れが生じ得る。図8は、インクの溢れが生じた場合の各テスト領域511~515におけるインク濃度を示す図である。図8に示すように、インクの溢れが生じた場合、周辺部のインク濃度は、中央部のインク濃度に比べて高くなる。したがって、インクの溢れの有無は、撮像情報333に基づいて、周辺部(例えば、図8中のA点)のインク濃度と中央部(例えば、図8中のB点)のインク濃度との差が、所定の閾値(第1の閾値)と比較されて判定される。つまり、周辺部のインク濃度と中央部のインク濃度との差が第1の閾値以上の値である場合に、インクの溢れが有ると判定する。一方、周辺部のインク濃度と中央部のインク濃度との差が第1の閾値より小さい値である場合には、インクの溢れが無いと判定する。
インクの溢れの有無の判定に用いられる第1の閾値は、予め、複数のテスター(官能評価を行う人)が印刷媒体Pに印刷された複数のテストパターンを官能評価して決定される。つまり、図8に示すような周辺部と中央部とでインク濃度に差が有るテストパターンが、インク濃度の差に対応して複数種類用意され、印刷媒体Pに印刷される。テスターは、印刷媒体Pに印刷された複数種類のテストパターンを視認して、インク濃度の差が視覚的に認知できるテストパターンを選択するといった官能評価を行う。複数のテスターに対して同様の官能評価を行った結果を統計的に解析して、第1の閾値が決定される。例えば、解析結果から最終的に第1の閾値を決定するに当たって、インク濃度の差をビンとするヒストグラムを作成して、そのピーク度数のインク濃度の差を第1の閾値としてもよいし、加重平均値を第1の閾値としてもよい。また、ヒストグラムを参照して、本願発明に係る印刷装置200の要求性能に基づく設計仕様として第1の閾値が決定されてもよい。前述のように大勢の人(テスター)の視覚による視認結果を統計的に解析した結果に基づいて第1の閾値が決定されるので、第1の閾値を用いてインクの溢れの有無が判定されることで、人間の感覚に適合する結果が得られる。上述のようにして決定された第1の閾値は、予め制御部321またはメモリー330(記憶部)に記憶される。
図9A及び図9Bは、印刷媒体P上におけるインクの滲みの有無を説明するための説明図である。図9Aはインクの滲みが無い状態を示し、図9Bはマゼンタインクの滲みが有る状態を示している。図9A及び図9Bは、インクの滲みを分かり易く説明するために、本実施形態の各パターンデータ331、332とは異なる印刷データを印刷した状態を模式的に示している。図9Aに示すように、印刷媒体P上には、線分LCと線分LMとが印刷されている。線分LCは、ノズル列70Cからシアンインクが吐出されて印刷されている。線分LMは、ノズル列70Mからマゼンタインクが吐出されて印刷されている。線分LCの幅w1及び線分LMの幅w1は、図9Aに示すように、印刷媒体P上においてインクの滲みが無い場合には、互いに等しい。
図9Bに示すように、印刷媒体P上には、図9Aと同様に、線分LCと線分LMとが印刷されている。図9Bに示す線分LMは、図9Aに示す線分LMと比べて、インクデューティーが過剰に大きくなるように印刷されている。このため、印刷媒体Pと線分LMとの境界において、マゼンタインクが滲んで、がたつきが生じている。このときの線分LMの幅(平均幅)は、線分LCの幅w1より大きな幅w2である。また、線分LCと線分LMとの境界においても、マゼンタインクが滲んで線分LC内に浸食するとともに、がたつきが生じている。
図9Aと図9Bとを比較することで理解できるように、印刷媒体P上におけるインクの滲みの有無及びがたつきの有無は、印刷媒体P上に印刷された線分LCの幅と線分LMの幅との違いに着目することにより判定できる。上述のインク吐出量上限値決定処理では、このように互いに隣接した線分同士を比較するのではなく、線ありテストパターン632の撮像情報333に基づいて、線分領域LCAr1及びLCAr2の幅と、インクの滲みが無い場合の線分領域LCAr1及びLCAr2の幅と、の差が、所定の閾値(第2の閾値)と比較されて判定される。つまり、その差が、第2の閾値以上の値である場合に、インクの滲みが有ると判定する。一方、その差が第2の閾値より小さい値である場合には、インクの滲みが無いと判定する。本実施形態において、「線分領域の幅」とは、線分領域の長さ方向(長手方向)と直交する方向の長さ(短手方向の長さ)を意味する。
インクの滲みの有無の判定に用いられる第2の閾値は、予め、複数のテスターが印刷媒体Pに印刷された複数のテストパターンを官能評価して決定される。つまり、図9Bに示すようなインクの滲みが発生しているテストパターンが、インクの滲みの程度に対応して複数種類用意され、印刷媒体Pに印刷される。テスターは、印刷媒体Pに印刷された複数種類のテストパターンを視認して、インクの滲みの発生が視覚的に認知できるテストパターンを選択するといった官能評価を行う。複数のテスターに対して同様の官能評価を行った結果を統計的に解析して、第2の閾値が決定される。このとき、統計的な解析及び第2の閾値の決定は、前述した第1の閾値の決定と同様の手法で行われ得る。決定された第2の閾値は、予め制御部321またはメモリー330(記憶部)に記憶される。なお、インクの滲みが無い場合の線分領域LCAr1及びLCAr2の幅は、予め実験により求められて、制御部321またはメモリー330(記憶部)に記憶される。
図10A及び図10Bは、印刷媒体P上におけるインクの凝集の有無を説明するための説明図である。図10Aはインクの凝集が無い状態を示し、図10Bはインクの凝集が有る状態を示す。図10Aに示すように、印刷部231から吐出されたインク滴により、ドット101~113が印刷媒体P上に分散して形成される。一方、吐出されたインク滴が定着する前に、隣り合う複数のインクが引き合って集まり、インクの凝集が発生する場合がある。例えば、図10Aにおける、ドット103~105とドット107、ドット108とドット109とドット112、ドット110とドット111とドット113が引き合って集まり、図10Bの状態となる。インクの凝集は、吐出されるインクが多い場合や印刷媒体Pがインク吸収性の低いメディアである場合などに発生しやすい。
インクの凝集が発生すると、図10Bから分かるように、ドットの分散性が低下して、ドットのサイズが大きくなり、ドット間の距離が広くなる。例えば、図10Bにおけるドット105’は、図10Aにおけるドット105にドット103、ドット104、及びドット107が凝集して形成されたものである。ドット105と最近接のドット104との距離d1(図10A)とドット105’と最近接のドット102との距離d2(図10B)とを比較すると、距離d1<距離d2であり、ドット105のサイズ<ドット105’のサイズである。このため、インクが凝集した部分の色が濃くなり、見た目では色ムラとして認識される。したがって、インクの凝集の有無は、撮像情報333に基づいて、距離d2と距離d1との差及びドット105’のサイズとドット105のサイズとの差の少なくとも一方を、所定の閾値(第3の閾値)と比較することで判定可能となる。例えば、距離d2と距離d1との差が第3の閾値以上の値である場合に、インクの凝集が有ると判定する。一方、距離d2と距離d1との差が第3の閾値より小さい値である場合には、インクの凝集が無いと判定する。同様に、ドット105’のサイズとドット105のサイズとの差が第3の閾値以上の値である場合に、インクの凝集が有ると判定する。一方、ドット105’のサイズとドット105のサイズとの差が第3の閾値より小さい値である場合には、インクの凝集が無いと判定する。もちろん、ドット間の距離でインクの凝集の有無を判定する場合の第3の閾値と、ドットのサイズの大きさでインクの凝集の有無を判定する場合の第3の閾値と、は異なる値であり、適宜、比較対象物(ドット間の距離、ドットのサイズの大きさ)に応じて第3の閾値が決定される。また、ドット間の距離及びドットのサイズの大きさの両面からインクの凝集の有無を判定してもよい。この場合は、両比較対象物にそれぞれ対応する二値が、第3の閾値として決定される。
図10Bに示すドット109’は、図10Aに示すドット112とドット108とが凝集して形成されている。また、図10Bに示すドット111’は、図10Aに示すドット110とドット113とが凝集して形成されている。したがって、図10Bに示すように、ドット109’、ドット111’が形成された部分の色が濃くなり、色ムラとして認識される。なお、ドット109’およびドット111’についても、上述のドット105’と同様に、撮像情報333に基づいて、ドット間の距離と、ドットのサイズの大きさと、のうちの少なくとも一方を第3の閾値と比較することにより、インクの凝集の有無を判定できる。
インクの凝集の有無の判定に用いられる第3の閾値は、予め、複数のテスターが印刷媒体Pに印刷された複数のテストパターンを官能評価して決定される。つまり、図10Bに示すようなインクの凝集が発生しているテストパターンが、インクの凝集の程度に対応して複数種類用意され、印刷媒体Pに印刷される。テスターは、印刷媒体Pに印刷された複数種類のテストパターンを視認して、インクの凝集の発生(例えば、色ムラの発生)が視覚的に認知できるテストパターンを選択するといった官能評価を行う。複数のテスターに対して同様の官能評価を行った結果を統計的に解析して、第3の閾値が決定される。このとき、統計的な解析及び第3の閾値の決定は、前述した第1の閾値の決定と同様の手法で行われ得る。決定された第3の閾値は、予め制御部321またはメモリー330(記憶部)に記憶される。
インクの色飽和の有無は、インク量に対する色濃度の変化量軌跡から判定される。具体的には、インクの色飽和の有無は、インク量を増加させて印刷媒体Pに印刷させたときに色濃度が変化する度合いが測色情報334に基づいて算出され、その度合いが所定の閾値(第4の閾値)と比較されて判定される。つまり、その度合いが、第4の閾値以下の値である場合に、インクの色飽和が有ると判定する。一方、その度合いが第4の閾値より大きい値である場合には、インクの色飽和が無いと判定する。
インクの色飽和の有無の判定に用いられる第4の閾値は、予め、複数のテスターが印刷媒体Pに印刷された複数のテストパターンを官能評価して決定される。つまり、図3に示すようなテスト領域(テストパターン)501~505が、印刷媒体Pに印刷される。テスターは、印刷媒体Pに印刷された複数種類のテストパターンを視認して、インクの色飽和の発生が視覚的に認知できる隣接するテストパターンを選択するといった官能評価を行う。複数のテスターに対して同様の官能評価を行った結果を統計的に解析して、第4の閾値が決定される。このとき、統計的な解析及び第4の閾値の決定は、前述した第1の閾値の決定と同様の手法で行われ得る。決定された第4の閾値は、予め制御部321またはメモリー330(記憶部)に記憶される。
以上の構成を有する第1実施形態の印刷装置200によれば、撮像情報333と、測色情報334と、に基づいて、インクの溢れと、インクの滲みと、インクの凝集と、インクの色飽和と、がそれぞれ生じないインクの吐出量の上限値である不発生上限値を算出する。そして、吐出量上限値決定部326は、各不発生上限値のうち少なくとも一つの不発生上限値に基づいてインクの吐出量の上限値を決定する。このため、インクの溢れと、インクの滲みと、インクの凝集と、インクの色飽和とのうち、少なくとも一つの要素(現象)の発生を抑制でき、インクの溢れと、インクの滲みと、インクの凝集と、インクの色飽和との関係を理解していない場合であっても、適切なインク吐出量の上限値を容易に決定できる。
また、線ありテストパターン632はインクの溢れの有無と、インクの滲みの有無と、インクの凝集の有無と、を判定するための第1判定領域を有し、ベタテストパターン631はインクの色飽和の有無を判定するための第2判定領域を有するので、インクの溢れの有無と、インクの滲みの有無と、インクの凝集の有無と、インクの色飽和の有無とを容易に判定できる。
さらに、吐出量上限値決定部326は、各不発生上限値のうち最も値が小さな不発生上限値をインクの吐出量の上限値として決定するので、インクの溢れと、インクの滲みと、インクの凝集と、インクの色飽和とのうち、いずれの要素(現象)についても発生することを抑制できる。
B.第2実施形態:
第1実施形態では、各回避対象要素について算出した各不発生上限値のうち、最も値が小さな不発生上限値をインクの吐出量の上限値として決定されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、各回避対象要素に対して予め優先度を設定しておき、最も優先度の高い回避対象要素について算出した不発生上限値がインクの吐出量の上限値として決定されてもよい。かかる構成では、具体的には、表示部400に回避対象要素の優先度を設定するためのユーザーインターフェイス(設定画面)が表示され、ユーザーが図示しない操作部を操作することにより、各回避対象要素の優先度が設定されてもよい。
図11は、インク吐出量の上限値の決定用の操作画面の一例を模式的に示す説明図である。操作画面700は、例えば、ユーザーが、表示部400に表示される印刷装置200の各種機能のメニュー画面から「インク吐出量の上限値の決定」のメニューを選択することによって、表示部400に表示される。図11に示すように、操作画面700には、用紙種類を設定するためのメニューPM1と、優先対象(本実施形態においては優先度)を設定するための設定欄E1と、ユーザー指定を有効にするためのチェックボックスCB1と、インクデューティーを設定するための設定欄E2と、OKボタンSB1と、キャンセルボタンSB2とが設けられている。
メニューPM1は、ユーザーがプルダウンメニュー形式により所望の内容を選択して入力するように構成されている。メニューPM1には、例えば、普通紙、写真用紙及び郵便光沢はがき等、印刷装置200において使用可能な種々の用紙種類の名称が表示される。
設定欄E1は、ユーザーがラジオボタン形式により各回避対象要素の優先対象を選択して入力するように構成されている。図11に示す例では、溢れラジオボタンRB1と色飽和ラジオボタンRB4とが、それぞれオンに設定されている。また、滲みラジオボタンRB2と凝集ラジオボタンRB3とが、それぞれオフに設定されている。この例では、優先対象として選択された回避対象要素は、選択されていない回避対象要素に比べて優先度が高く設定される。すなわち、設定欄E1において、ラジオボタンを利用して優先対象の回避対象要素を選択することは、選択する回避対象要素の優先度を高く設定することに等しい。
チェックボックスCB1は、ユーザーがチェックボックス形式によりユーザー指定の有効・無効を選択して入力するように構成されている。「ユーザー指定」とは、ユーザーが各インク色のインクデューティーをそれぞれ設定し、設定されたインクデューティーを満足するようなインク吐出量の上限値をインク吐出量の上限値として決定する方法を有効にするか否かの指定である。図11に示す例では、チェックボックスCB1にチェックが入っている場合、すなわち、ユーザー指定が有効である場合には、各インク色のインクデューティーを設定するための設定欄E2が有効となる。一方、チェックボックスCB1にチェックが入っていない場合、すなわち、ユーザー指定が無効である場合には、各インク色のインクデューティーは、制御部321において予め設定されたデフォルト値に設定される。
設定欄E2は、ユーザーがテキストボックス形式により各インク色のインクデューティーを入力するように構成されている。設定欄E2は、シアンインクのインクデューティーを入力するための入力ボックスPB1と、マゼンタインクのインクデューティーを入力するための入力ボックスPB2と、イエローインクのインクデューティーを入力するための入力ボックスPB3と、ブラックインクのインクデューティーを入力するための入力ボックスPB4とを備える。本実施形態では、設定欄E2において設定可能なインクデューティーは、0%から200%の範囲である。図11に示す例では、入力ボックスPB1には、100が入力されている。また、入力ボックスPB2には150、入力ボックスPB3には160、入力ボックスPB4には160が、それぞれ入力されている。
ユーザーが、OKボタンSB1を選択すると、入力された各設定値に基づいてインク吐出量上限値決定処理が実行される。ユーザーが、キャンセルボタンSB2を選択すると、インク吐出量上限値決定処理は実行されず、表示部400には、印刷装置200の各種機能のメニュー画面が表示される。なお、本実施形態において、操作画面700は、課題を解決するための手段におけるユーザーインターフェイスに相当する。
以上の構成を有する第2実施形態の印刷装置200は、第1実施形態の印刷装置200と同様な効果を有する。加えて、インクの吐出量の上限値を決定する際の優先度を表示する表示部400を有するので、印刷装置200において優先度を確認でき、ユーザーの利便性を向上できる。また、優先度を設定するための操作画面700を有するので、印刷装置200において優先度を設定でき、ユーザーの利便性を向上できる。さらに、操作画面700は、優先度を設定するためのラジオボタンを有しているので、優先度を設定する際の操作負荷を軽減でき、ユーザーの利便性を向上できる。
C.変形例:
C1.変形例1:
図12は、変形例1におけるインク吐出量の上限値の決定用の操作画面の一例を模式的に示す説明図である。変形例1における操作画面700aは、設定欄E1に代えて設定欄E1aを備える点において、第2実施形態の操作画面700と異なる。変形例1の操作画面700aにおけるその他の構成は、第2実施形態の操作画面700と同じであるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
設定欄E1aは、ユーザーがテキストボックス形式により各回避対象要素の優先対象を選択して入力するように構成されている。設定欄E1aは、各回避対象要素の優先度として、優先順位を設定する点において、第2実施形態における設定欄E1と異なる。設定欄E1aは、溢れの優先順位を入力するための入力ボックスPB5と、滲みの優先順位を入力するための入力ボックスPB6と、凝集の優先順位を入力するための入力ボックスPB7と、色飽和の優先順位を入力するための入力ボックスPB8とを備える。本実施形態では、優先順位は、1から4の範囲で調整が可能である。なお、優先順位として設定可能な範囲は、回避対象要素の数に応じた値としてもよい。図12に示す例では、入力ボックスPB5には、2が入力されている。また、入力ボックスPB6には1、入力ボックスPB7には4、入力ボックスPB8には3が、それぞれ入力されている。なお、本変形例1において、入力ボックスPB5~PB8は、課題を解決するための手段における入力部に相当する。
以上の構成を有する変形例1の構成は、上記第2実施形態と同様な効果を奏する。加えて、操作画面700aは、優先度を優先順位として入力するための入力ボックスPB5~PB8を有するので、ユーザーが所望する優先順位を容易に入力でき、ユーザーの利便性を向上できる。
なお、上記第2実施形態及び変形例1における操作画面700、700aの構成は、図11及び図12に示す例に限られない。例えば、優先度は、チェックボックス及びプルダウンメニュー等を用いて設定させる構成であってもよい。また、例えば、ユーザー指定を有効にするためのチェックボックスCB1を省略してもよい。また、例えば、ユーザーは、表示部400において優先度を設定してもよい。これらの構成であっても、上記第2実施形態及び変形例1と同様な効果を奏する。
C2.変形例2:
上記各実施形態において、吐出量上限値決定部326は、各不発生上限値のうち最も値が小さな不発生上限値をインクの吐出量の上限値として決定していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、各不発生上限値のうち最も値が大きな不発生上限値をインクの吐出量の上限値として決定してもよいし、各不発生上限値の平均値をインクの吐出量の上限値として決定してもよい。また、例えば、優先度に応じて所定の重み付けをして、各重み付けを考慮した各不発生上限値の平均値をインクの吐出量の上限値として決定してもよい。他にも、所定の算出式、例えば、行列式等を利用してインクの吐出量の上限値を決定してもよい。これらの構成においても、各不発生上限値のうち少なくとも一つの不発生上限値に基づいてインクの吐出量の上限値を決定するので、少なくとも一つの回避対象要素の発生を抑制でき、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
C3.変形例3:
上記各実施形態において、回避対象要素として、インクの溢れと、インクの滲みと、インクの凝集と、インクの色飽和とが用いられていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、或る1色のインク色のみを吐出することにより印刷する場合には、上述の回避対象要素のうち、インクの凝集を省略して、インクの溢れと、インクの滲みと、インクの色飽和とを用いてもよい。このような構成であっても、上記変形例2と同様に、各不発生上限値のうち少なくとも一つの不発生上限値に基づいてインクの吐出量の上限値を決定するので、上記各実施形態及び変形例2と同様な効果を奏する。
C4.変形例4:
上記各実施形態において、ベタテストパターン631の構成は、図3に示す構成に限定されない。また、線ありテストパターン632の構成は、図4に示す構成に限定されない。例えば、各テスト領域501~505、511~515の全てのテスト領域を備えていなくてもよく、テスト領域を少なくとも1つ有する構成であってもよい。また、例えば、各テスト領域501~505、511~515の印刷濃度及び吐出されるインク色は図3及び図4に示す例と異なっていてもよい。また、例えば、各ベタ領域MCAr1~MCAr4の全てのベタ領域を備えていなくてもよい。すなわち、一般には、テストパターンは、インクの溢れの有無と、インクの滲みの有無と、インクの凝集の有無と、を判定するための第1判定領域と、インクの色飽和の有無を判定するための第2判定領域と、のうち少なくとも一つの判定領域を有する構成であれば、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
C5.変形例5:
上記各実施形態において、印刷装置200は、撮像部232を備えていたが、撮像部232を省略してもよい。この場合、印刷装置200の製造者は、線ありテストパターン632が印刷されたテスト用媒体601をスキャナー等に読み込ませ、得られた撮像情報333を所定の記録媒体やネットワークを介してスキャナー等から印刷装置200に送ってもよい。このような構成により、印刷装置200の製造コストを低く抑えることができる。
C6.変形例6:
上記各実施形態において、印刷装置200は、測色部233を備えていたが、測色部233を省略してもよい。例えば、撮像部232が測色部233として機能する構成であってもよい。このような構成により、印刷装置200の製造コストを低く抑えることができる。
C7.変形例7:
上記各実施形態において、印刷装置200は、記憶部(メモリー330)を備えていたが、記憶部を省略してもよい。この場合、インク吐出量上限値決定処理を実行する度に、テスト用媒体601の撮像と、テスト用媒体600の測色と、をそれぞれ実行することにより、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
C8.変形例8:
上記各実施形態及び変形例1において、印刷装置200は、表示部400を備えていたが、表示部400を省略してもよい。この場合、例えば、印刷制御装置100の表示装置に操作画面700、700aを表示してもよい。このような構成であっても、上記各実施形態及び変形例1と同様な効果を奏する。
C9.変形例9:
上記各実施形態において、各ノズル列70C、70M、70Y及び70Kは、副走査方向Yに沿って配置されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、各ノズル列は、主走査方向Xに沿って配置されていてもよいし、主走査方向X及び副走査方向Yに交差する方向に沿って配置されていてもよい。
C10.変形例10:
上記各実施形態において、印刷装置200は、4色のインク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)により印刷を行っていたが、本発明はこれに限定されない。使用するインク色の数は、上記と異なっていてもよい。
C11.変形例11:
上記各実施形態において、印刷装置200は、出荷前の印刷装置であったが、出荷後の印刷装置であってもよい。すなわち、ユーザー宅において、上述のインク吐出量上限値決定処理が行われてもよい。
C12.変形例12:
上記各実施形態において、インクの吐出量の上限値として、各インク色のインクデューティーが決定されていたが、本発明はこれに限定されない。インクの吐出量の上限値は、例えば、ドットサイズやドット量として決定されてもよい。このような構成であっても、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
C13.変形例13:
上記各実施形態において、印刷装置200の機能の少なくとも一部を他の装置が有していてもよい。例えば、上記実施形態における溢れ上限値算出部322、滲み上限値算出部323、凝集上限値算出部324、色飽和上限値算出部325及び吐出量上限値決定部326の一部の機能を他の装置が有する構成であってもよい。かかる構成において、他の装置は、一例として、印刷制御装置100や、図示しない色変換テーブル作成装置が相当する。また、例えば、印刷制御装置100や色変換テーブル作成装置が制御部321の機能のすべてを有する構成であってもよい。これらの構成においても、実施形態と同様の効果を奏することができる。
C14.変形例14:
上記第1実施形態において、吐出量上限値決定部326は、インクの溢れと、インクの滲みと、インクの凝集と、インクの色飽和と、のそれぞれについて算出した各不発生上限値に基づいてインク吐出量の上限値を決定していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、回避対象要素として、インクの溢れ及びインクの滲みを省略して、インクの凝集と、インクの色飽和と、の各不発生上限値に基づいてインク吐出量の上限値を決定してもよい。また、例えば、回避対象要素として、インクの滲みを省略して、インクの溢れと、インクの凝集と、インクの色飽和と、の各不発生上限値に基づいてインク吐出量の上限値を決定してもよい。すなわち、一般には、インクの溢れ、インクの滲み、及びインクの凝集のうち少なくとも一つが生じないインクの吐出量の上限値である不発生上限値と、インクの色飽和が生じないインクの吐出量の上限値である不発生上限値と、に基づいてインクの吐出量の上限値を決定する構成であれば、上記第1実施形態と同様な効果を奏する。
C15.変形例15:
上記第2実施形態において、優先度は各回避対象要素に対して設定されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、回避対象要素として、インクの溢れ及びインクの滲みを省略して、インクの凝集と、インクの色飽和と、に対して優先度が設定されていてもよい。また、例えば、回避対象要素として、インクの滲みを省略して、インクの溢れと、インクの凝集と、インクの色飽和と、に対して優先度が設定されていてもよい。すなわち、一般には、インクの溢れ、インクの滲み、及びインクの凝集のうち少なくとも一つと、インクの色飽和と、に対してインクの吐出量の上限値を決定する際の優先度が設定されている構成であれば、上記第2実施形態と同様な効果を奏する。
C16.変形例16:
上記各実施形態において、撮像部232及び測色部233はキャリッジ230に備えられていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、撮像部232及び測色部233のうち、いずれか一方がキャリッジ230とは異なる移動体に設けられていてもよい。また、例えば、印刷装置200の筐体内において、印刷媒体P上の状態を撮像または測色可能な位置に固定されていてもよい。このような構成においても、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。加えて、各部材を小型化することができる。
C17.変形例17:
上記各実施形態において、第1の閾値、第2の閾値、第3の閾値および第4の閾値は、それぞれ、印刷媒体Pに印刷された複数のテストパターンを用いた官能評価の結果に基づいて決定されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、表示部400に各閾値を設定するためのユーザーインターフェイス(設定画面)を表示して、ユーザーが任意の値を入力することにより、各閾値が決定されてもよい。この構成では、閾値を設定するためのメニューからユーザーが所望の閾値を選択することにより、各閾値が決定されてもよい。このような構成においても、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
本発明は、上述の実施形態及び変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
70…ノズル列、70C…ノズル列、70K…ノズル列、70M…ノズル列、70Y…ノズル列、71…ノズル、100…印刷制御装置、200…印刷装置、210…供給ユニット、220…搬送ユニット、221…搬送ローラー、230…キャリッジ、231…印刷部、232…撮像部、233…測色部、240…キャリッジ移動ユニット、241…キャリッジガイド軸、300…制御ユニット、310…入出力インターフェイス、320…CPU、321…制御部、322…溢れ上限値算出部、323…滲み上限値算出部、324…凝集上限値算出部、325…色飽和上限値算出部、326…吐出量上限値決定部、330…メモリー、331…ベタパターンデータ、332…線ありパターンデータ、333…撮像情報、334…測色情報、340…ユニット制御回路、400…表示部、501…テスト領域、502…テスト領域、503…テスト領域、504…テスト領域、505…テスト領域、511…テスト領域、512…テスト領域、513…テスト領域、514…テスト領域、515…テスト領域、600…テスト用媒体、601…テスト用媒体、631…ベタテストパターン、632…線ありテストパターン、700…操作画面、700a…操作画面、BP1…ベタパターン列、BP2…ベタパターン列、BP3…ベタパターン列、BP4…ベタパターン列、BP5…ベタパターン列、CB1…チェックボックス、CMYK…インク色、E1…設定欄、E1a…設定欄、E2…設定欄、LC…線分、LCAr1…線分領域、LCAr2…線分領域、LM…線分、LP1…線パターン列、LP2…線パターン列、LP3…線パターン列、LP4…線パターン列、LP5…線パターン列、MCAr1…ベタ領域、MCAr2…ベタ領域、MCAr3…ベタ領域、MCAr4…ベタ領域、P…印刷媒体、PB1…入力ボックス、PB2…入力ボックス、PB3…入力ボックス、PB4…入力ボックス、PB5…入力ボックス、PB6…入力ボックス、PB7…入力ボックス、PB8…入力ボックス、PM1…メニュー、RB1…溢れラジオボタン、RB2…滲みラジオボタン、RB3…凝集ラジオボタン、RB4…色飽和ラジオボタン、SB1…OKボタン、SB2…キャンセルボタン、SCAr…色飽和判定領域、X…主走査方向、Y…副走査方向、w1…幅、w2…幅、A…点、B…点、101…ドット、102…ドット、103…ドット、104…ドット、105…ドット、105’…ドット、106…ドット、107…ドット、108…ドット、109…ドット、109’…ドット、110…ドット、111…ドット、111’…ドット、112…ドット、113…ドット、d1…距離、d2…距離

Claims (10)

  1. 印刷媒体上にインクを吐出して画像を印刷する印刷装置であって、
    前記インクの吐出量の上限値を決定するためのテストパターンを印刷する印刷部と、
    前記テストパターンが印刷されたテスト用媒体を撮像する撮像部と、
    前記テスト用媒体を測色する測色部と、
    前記インクの吐出量の前記上限値を決定する吐出量上限値決定部と、
    を有し、
    前記吐出量上限値決定部は、
    前記撮像部により得られた撮像情報に基づいて算出された、前記インクの溢れが生じない前記インクの吐出量の上限値としての不発生上限値と、前記インクの滲みが生じない前記インクの吐出量の上限値としての不発生上限値と、前記インクの凝集が生じない前記インクの吐出量の上限値としての不発生上限値と、のうち少なくとも一つの不発生上限値と、
    前記測色部により得られた測色情報に基づいて算出された、前記インクの色飽和が生じない前記インクの吐出量の上限値としての不発生上限値と
    基づいて前記インクの吐出量の前記上限値を決定する、
    印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置において、
    さらに、制御部を備え、
    前記制御部は、
    前記撮像情報と第1の閾値とを比較して前記インクの溢れの有無を判定することより算出される前記インクの溢れが生じない前記不発生上限値と、前記撮像情報と第2の閾値とを比較して前記インクの滲みの有無を判定することにより算出される前記インクの滲みが生じない前記不発生上限値と、前記撮像情報と第3の閾値とを比較して前記インクの凝集の有無を判定することにより算出される前記インクの凝集が生じない前記不発生上限値と、のうち少なくとも一つの前記不発生上限値を算出し、
    前記測色情報と第4の閾値とを比較して前記インクの色飽和の有無を判定することにより、前記インクの色飽和が生じない前記不発生上限値を算出し、
    前記第1の閾値、前記第2の閾値、前記第3の閾値、及び前記第4の閾値は、前記テスト用媒体に印刷された前記テストパターンを用いた官能評価の結果に基づいて決定される、
    印刷装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の印刷装置において、
    前記テストパターンは、
    前記インクの溢れの有無と、前記インクの滲みの有無と、前記インクの凝集の有無と、を判定するための第1判定領域と、
    前記インクの色飽和の有無を判定するための第2判定領域と、
    のうち少なくとも一つの判定領域を有する、
    印刷装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の印刷装置において、
    前記吐出量上限値決定部は、各前記不発生上限値のうち最も値が小さな不発生上限値を前記インクの吐出量の前記上限値として決定する、
    印刷装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の印刷装置において、
    前記インクの溢れ、前記インクの滲み、及び前記インクの凝集のうち少なくとも一つと、前記インクの色飽和と、に対して、前記インクの吐出量の前記上限値を決定する際の優先度が予め設定されており、
    前記吐出量上限値決定部は、前記優先度に応じて、前記インクの吐出量の前記上限値を決定する、
    印刷装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の印刷装置において、
    前記インクの溢れ、前記インクの滲み、及び前記インクの凝集のうち少なくとも一つと、前記インクの色飽和と、に対応させて、前記インクの吐出量の前記上限値を決定する際の優先度を表示する表示部を、さらに有する、
    印刷装置。
  7. 請求項6に記載の印刷装置において、
    前記優先度を設定するためのユーザーインターフェイスを、さらに有する、
    印刷装置。
  8. 請求項7に記載の印刷装置において、
    前記ユーザーインターフェイスは、前記優先度を設定するためのラジオボタンを有する、
    印刷装置。
  9. 請求項7に記載の印刷装置において、
    前記ユーザーインターフェイスは、前記優先度を優先順位として入力するための入力部を有する、
    印刷装置。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の印刷装置において、
    前記撮像情報と前記測色情報とを記憶する記憶部を、さらに有する、
    印刷装置。
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